特許第6903775号(P6903775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6903775センサユニットおよびセンサユニット付きの流体動力ユニット並びに流体のパラメータを測定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903775
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】センサユニットおよびセンサユニット付きの流体動力ユニット並びに流体のパラメータを測定する方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/26 20060101AFI20210701BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20210701BHJP
   G01N 27/07 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
   G01F23/26 A
   G01N27/22 B
   G01N27/07
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-6701(P2020-6701)
(22)【出願日】2020年1月20日
(65)【公開番号】特開2020-118688(P2020-118688A)
(43)【公開日】2020年8月6日
【審査請求日】2020年1月20日
(31)【優先権主張番号】10 2019 200 703.1
(32)【優先日】2019年1月21日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518097316
【氏名又は名称】ハーヴェー ハイドローリック エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト ローナー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ノイマイヤー
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2018/0202989(US,A1)
【文献】 特開2009−258035(JP,A)
【文献】 特開平11−108735(JP,A)
【文献】 特開2004−279232(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102010011638(DE,A1)
【文献】 特開2017−032538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/26
G01N 27/07
G01N 27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧動力ユニット(A)内で、油圧流体(H)のパラメータを測定するためのセンサユニット(S)であって、
前記センサユニット(S)は、接点モジュール(1)と、各々が2個の電極(2)を持つ2個の電極対とを備え、
前記電極対は前記接点モジュール(1)に接続され、2個の電極対の長手方向軸線は、互いに対して実質的に垂直な関係で配置され
センサユニット(S)の向きに応じて、一方の電極対が測定電極対(M)となり、他方の電極対が参照電極対(R)となり、電極対に対する測定電極対(M)および参照電極対(R)の割り当ては自動的になされる、センサユニット。
【請求項2】
少なくとも一方の電極対の電極(2)は、ツイストされた単線導体またはツイン撚り線として設計されている、請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
電極(2)には、それぞれ、前記接点モジュール(1)への接続のために少なくとも一方端に圧着端子が設けられている、請求項1または2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記電極対の長さは、油圧動力ユニット(A)の幾何学寸法に適合するように調節されている、請求項1〜3のいずれかに記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記接点モジュール(1)は成型されている、請求項1〜4のいずれかに記載のセンサユニット。
【請求項6】
センサユニット(S)は発振器、マルチプレクサおよび基準キャパシタを有し、前記発振器は、マルチプレクサを介して、測定電極対(M)、参照電極対(R)または基準キャパシタに切り替え可能である、請求項1〜のいずれかに記載のセンサユニット。
【請求項7】
請求項1〜のいずれかに記載のセンサユニット(S)と、タンク(T)と、第1支持表面(F1)と、第2支持表面(F2)とを有する油圧動力ユニット(A)であって、
センサユニット(S)はタンク(T)内に配置され、
第1支持表面(F1)および第2支持表面(F2)は、互いに対して実質的に垂直な関係で配置され、
油圧動力ユニット(A)は、第1支持表面(F1)または第2支持表面(F2)上に載り、
一方の電極対の長手方向軸線は、第1支持表面(F1)に対して実質的に平行で、かつ第2支持表面(F2)に対して実質的に垂直に延びる第1の方向(R1)に整列し、他方の電極対の長手方向軸線は、第1支持表面(F1)に対して実質的に垂直で、かつ第2支持表面(F2)に対して実質的に平行に延びる第2の方向(R2)に整列している、流体動力ユニット。
【請求項8】
第1の方向(R1)に整列する電極対は、実質的に接点モジュール(1)からタンク(T)の対向する壁にまで延び、
第2の方向(R2)に整列する電極対は、実質的に接点モジュール(1)からタンク(T)の対向する壁にまで延びる、請求項に記載の流体動力ユニット。
【請求項9】
流体動力ユニット内の油圧流体(H)のパラメータを測定する方法であって、
前記流体動力ユニットは、
センサユニット(S)と、タンク(T)と、第1支持表面(F1)と、第2支持表面(F2)とを有し、
前記センサユニット(S)は、接点モジュール(1)と、各々が2個の電極(2)を持つ2個の電極対とを備え、
前記電極対は前記接点モジュール(1)に接続され、2個の電極対の長手方向軸線は、互いに対して実質的に垂直な関係で配置され、
センサユニット(S)はタンク(T)内に配置され、
第1支持表面(F1)および第2支持表面(F2)は、互いに対して実質的に垂直な関係で配置され、
油圧動力ユニット(A)は、第1支持表面(F1)または第2支持表面(F2)上に載り、
一方の電極対の長手方向軸線は、第1支持表面(F1)に対して実質的に平行で、かつ第2支持表面(F2)に対して実質的に垂直に延びる第1の方向(R1)に整列し、
他方の電極対の長手方向軸線は、第1支持表面(F1)に対して実質的に垂直で、かつ第2支持表面(F2)に対して実質的に平行に延びる第2の方向(R2)に整列しており、
油圧動力ユニット(A)の向きに応じて、一方の電極対を測定電極対(M)として使用し、他方の電極対を参照電極対(R)として使用し、
参照電極対(R)の第1の電極(2)を第1のより高い抵抗を介して第1の周波数で充電し、目標電圧に達したとき、第1の電極(2)を第2のより低い抵抗を介して放電し、
参照電極対(R)の第2の電極を第2の周波数で供給電圧電位または接地に接続する、測定方法。
【請求項10】
センサユニットは、自動的に、電極対の測定値に基づいて油圧動力ユニット(A)の向きを認識し、電極対に対して測定電極対(M)および参照電極対(R)の割り当てを実行する、請求項に記載の測定方法。
【請求項11】
第2の周波数は、第1の周波数よりも小さいか、同等である、請求項または10に記載の測定方法。
【請求項12】
流体動力ユニット内の油圧流体(H)のパラメータを測定する方法であって、
前記流体動力ユニットは、
センサユニット(S)と、タンク(T)と、第1支持表面(F1)と、第2支持表面(F2)とを有し、
前記センサユニット(S)は、接点モジュール(1)と、各々が2個の電極(2)を持つ2個の電極対とを備え、
前記電極対は前記接点モジュール(1)に接続され、2個の電極対の長手方向軸線は、互いに対して実質的に垂直な関係で配置され、
センサユニット(S)はタンク(T)内に配置され、
第1支持表面(F1)および第2支持表面(F2)は、互いに対して実質的に垂直な関係で配置され、
油圧動力ユニット(A)は、第1支持表面(F1)または第2支持表面(F2)上に載り、
一方の電極対の長手方向軸線は、第1支持表面(F1)に対して実質的に平行で、かつ第2支持表面(F2)に対して実質的に垂直に延びる第1の方向(R1)に整列し、
他方の電極対の長手方向軸線は、第1支持表面(F1)に対して実質的に垂直で、かつ第2支持表面(F2)に対して実質的に平行に延びる第2の方向(R2)に整列しており、
センサユニット(S)は、自動的に、電極対の測定値に基づいて油圧動力ユニット(A)の向きを認識し、電極対に対して測定電極対(M)および参照電極対(R)の割り当てを実行する、測定方法。
【請求項13】
第1の周波数は、発振器の周波数に対応し、それは、第1の抵抗を介して参照電極対(R)の第1の電極を充電し、第2の抵抗を介して参照電極対を放電し、
発振器は、マルチプレクサを介して、測定電極対(M)、参照電極対(R)または基準キャパシタに切り替えられる、請求項9〜12のいずれかに記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体動力ユニット内で、特に油圧動力ユニット内で流体、特に油圧流体のパラメータを測定するためのセンサユニット、およびそのようなセンサユニット付きの流体動力ユニット、並びにそのようなセンサユニットによって流体動力ユニット内の流体のパラメータを測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体動力ユニットにおける容量性流体レベル測定(静電容量式流体レベル測定)の分野において、流体動力ユニット内の流体レベルのような流体パラメータを、決められた方向を基準にして測定することができるセンサユニットが知られている。言い換えれば、流体動力ユニットが「正しい方法」で設置されている場合にのみ、センサユニットは流体レベルを測定することができる。すなわち、流体動力ユニットが立った状態または横たわった状態で使用されていることが考えられる。
【0003】
例えば測定のために、棒状プローブが上方からタンク内に挿入されて、キャパシタの一方の電極を形成する。次に、タンクの金属壁をキャパシタの第2の電極として使用することができる。したがって、2つの電極間で測定できる容量(キャパシタンス)は、流体のレベルに依存してタンク内の流体レベルに関する記述を可能にする。さらに、棒状プローブの遠位端を参照電極として使用し、パラメータのドリフトを補正することによって測定精度を高めるという解決策が知られている。しかしながら、そのようなセンサ付きの動力ユニットが水平位置で使用されるならば、取り付けられた棒状プローブが側方からタンク内に突出することになるので、監視できる唯一のことは、閾値が超えているか否かということだけである。
【0004】
流体の状態に関して追加の記述を行うことができるようにするために、追加のパラメータを検出しなければならない。例えば、静電容量式流体レベル測定において検出される誘電率の変化と組み合わせた流体の導電率の変化が重要なパラメータである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この背景に対して、本発明の課題は、流体動力ユニット内の流体の種々のパラメータを測定するためのセンサユニットを示すことであり、このセンサユニットは、タンク内の流体レベル、および流体動力ユニットの方向に依存する種々の他の流体パラメータを信頼性をもって測定することができる。
【0006】
この課題は、請求項1に記載のセンサユニットによって解決される。他の有利な特徴は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
流体動力ユニット内で、特に油圧動力ユニット内で流体、特に油圧流体のパラメータを測定するための本発明に係るセンサユニットは、接点モジュールと、各々が2個の電極を有する2個の電極対とを備える。2個の電極対は接点モジュールに接続され、2個の電極対の長手方向軸線は、互いに対して実質的に垂直な関係で配置される。
【0008】
本発明に係るセンサユニットは、以下の利点を有する。2個の電極対の長手方向軸線が互いに対して実質的に垂直な関係で配置されているので、流体動力ユニット内に取り付けられ得るセンサユニットは、センサシステムを調節することなく、流体動力ユニットの向きに依存して少なくとも2つの空間方向で流体動力ユニット内の流体のパラメータを測定するように使用されることができる。このことは、センサユニットおよびこのセンサユニットが使用される流体動力ユニットの両者の使用の多様性を増大する。2個の電極対を設けることにより、一方を測定電極対として使用し、他方を参照電極対として使用できる。このようにして、流体パラメータのドリフトを、例えば時間の経過または温度の関数として、参照電極対によって補正することができる。さらに、参照電極対を、流体の他のパラメータの測定に使用することができる。
【0009】
好ましくは、一つの電極対の2つの電極は、ツイストされた単線導体として、またはツイン撚り線として設計される。これにより、センサユニットを使用するときのデザインの柔軟性を高め、流体動力ユニット内のセンサユニットの取り付けを容易にする。特に、電極は、テフロン(登録商標)で絶縁された単線導体である。
【0010】
好ましくは、電極には、接点モジュールへの接続のために少なくともその一方端に圧着端子が設けられる。これにより、電極対を接点モジュールに取り付けることを容易にする。
【0011】
好ましくは、電極対の長さは、流体動力ユニットの形状に合わせて調節され得る。このことは、異なった流体動力ユニット内へのセンサユニットの適用多様性を生み出す。というのは、センサユニットは、異なった流体動力ユニットの異なった内部幾何学寸法に拘束されずに、組立時にそれぞれの幾何学寸法に合うように個々に調節できるからである。
【0012】
好ましくは、接点モジュールは成型される。これにより、接点モジュール内の電子機器に影響を及ぼすことなく、接点モジュールを流体の下にある位置で流体動力ユニットに取り付けることが可能になる。このことは、流体動力ユニット内のセンサユニットの取り付けを単純なものにする。代替的に、電極対によって検出できない流体動力ユニットの付加的なパラメータを検出するために、付加的なセンサを省スペースの態様で接点モジュール内に収容することができる。例えば、モータのシャフトに取り付けられた磁石によってモータの回転速度を検出するホールセンサを使用することができる。
【0013】
好ましくは、センサユニットの配向に応じて、一方の電極対を測定電極対として使用し、他方の電極対を参照電極対として使用する。2個の電極対に対する測定電極対および参照電極対の割り当ては、自動化される。これにより、センサユニットを異なる空間方向で効率的に動作させることができる。自動割り当てでは、流体中の電極の部分に対してキャパシタンスが比例的に変化するという効果が使用される。したがって、流体中に全体が存在する電極対と、流体中に部分的にのみ存在する電極対とを区別することができる。この目的のために、両方の電極対に対して前もって流体なしの一度の較正を行うならば特に有利である。その場合、初期基準キャパシタンスが利用可能である。この較正は工場で既に行われていると考えられるので、エンドユーザによるさらなる作業は必要でない。
【0014】
この自動割り当てに基づき、流体中に完全に浸かった電極対が参照電極対となる。それゆえに、他方の電極対は、測定電極対となる。
【0015】
センサユニットが発振器(振動子)、マルチプレクサ及び基準キャパシタを有し、発振器が、マルチプレクサを介して測定電極対、参照電極対または基準キャパシタに切り換え可能であるならば、有利である。これにより、温度および時間にわたる発振器パラメータのドリフトの補正が可能になり、したがって、流体のパラメータの変化のより正確な測定が可能になる。非対称緩和発振器を用いることが考えられる。
【0016】
課題の解決は、請求項8に従った流体動力ユニット、特に油圧動力ユニットによって達成される。流体動力ユニットは、本発明に係るセンサユニットと、タンクと、第1の支持表面と、第2の支持表面とを有する。センサユニットはタンク内に配置され、第1および第2支持表面は実質的に互いに対して垂直な関係で配置される。動作中、流体動力ユニットは第1または第2支持表面上に載る。さらに、一方の電極対の長手方向軸線は、第1支持表面に対して実質的に平行で、かつ第2支持表面に対して実質的に垂直な第1の方向に整列する。他方の電極対の長手方向軸線は、第1支持表面に対して実質的に垂直で、かつ第2支持表面に対して実質的に平行な第2の方向に整列する。
【0017】
本発明に係る流体動力ユニットの利点は次の通りである。すなわち、2つの代替的な向き、すなわち第1支持表面に載る状態で動作するとき、それとも第2支持表面に載る状態で動作するとき、本発明に係るセンサユニットをタンク内で上述のように設置することによって、センサシステムを調節する必要なく、流体レベルおよびタンク内の流体の他のパラメータを測定することができる。
【0018】
有利には、第1の方向に整列した電極対は、接点モジュールからタンクの対向した壁(反対側の壁)にまで実質的に完全に延びる。さらに、第2の方向に整列した電極対は、接点モジュールからタンクの対向した壁(反対側の壁)にまで実質的に完全に延びる。これにより、流体動力ユニットの可能性のある2つの向きにおいて、静電容量式流体レベル測定(容量性流体レベル測定)を用いて、タンク内の流体のレベルをセンサユニットによって接点モジュールから連続的に検出することができる。接点モジュールの取り付けによっては、流体レベル測定ができない領域がある。しかしながら、これは、ソフトウェアによって容易に補正することができる。
【0019】
さらに、請求項10に従って、上述の流体動力ユニット内の流体、特に油圧流体のパラメータを測定する方法によって課題が解決される。流体動力ユニットの向きに応じて、一方の電極対が測定電極対として使用され、他方の電極対が参照電極対として使用される。さらに、参照電極対の第1電極が第1のより高い抵抗を介して第1の周波数で充電され目標電圧に達すると、第1電極は第2のより低い抵抗を介して放電される。参照電極対の第2の電極は、第2の周波数で、供給電圧の電位または接地に接続される。「より高い抵抗」および「より低い抵抗」という用語は、2つの抵抗の相対的な関係を示すものとして理解すべきである。さらに、流体のレベルは、静電容量式流体レベル測定によって測定電極対で決定される。本発明によれば、流体中に完全に浸かった電極対は参照電極対であり、他方の電極値は測定電極対である。
【0020】
本発明に係る方法は、本発明に係るセンサユニットを用いて静電容量式流体レベル測定を実行できるということのみならず、流体の導電率の変化も測定できるという利点を有する。これは、例えば、汚染についての結論を引き出すために使用することができる。例えば金属の摩耗などの汚染は導電率を増加する。この増加は、次に、本発明に係る方法によって検出され、例えば、システムを保護するために流体の交換が必要であるという警告を出すことができる。流体の導電率の変化は、検出可能な第1の周波数における変化を引き起こす。例えば、供給電圧が参照電極対の第2の電極に印加されると、第1の周波数は増加し、流体の導電率は増加する。対照的に、参照電極対の第2の電極が接地され、流体の導電率が増加すると、第1の周波数は減少する。
【0021】
有利なことに、第2の周波数は、第1の周波数よりも少ないか、同等である。もしも第2の周波数が第1の周波数よりも低く選択されるならば、第1の周波数のいくつかの測定値を平均することによって測定精度が高められ得る。
【0022】
本発明によれば、センサユニットは、電極対の測定値に基づいて流体動力ユニットの向きを自動的に認識し、電極対に対して測定電極対および参照電極対の割り当てを行う。これにより、流体動力ユニットは、センサシステムを調整する必要なしに、異なる方向で動作されることが可能になる。これは、本発明による流体動力ユニットの使用における柔軟性を増大させる。
【0023】
第1の周波数は、第1の抵抗を介して参照電極対の第1の電極を充電し、第2の抵抗を介して第1の電極を放電する発振器の周波数に対応する。発振器は、マルチプレクサを介して、測定電極対、参照電極対または基準キャパシタに切り替え可能である。有利には、基準キャパシタは、低い温度依存性を有する。これにより、温度および時間にわたる発振器パラメータのドリフトの補正が可能になり、したがって、流体のパラメータの変化のより正確な測定が可能になる。特に、非対称緩和発振器を発振器として使用することができる。
【0024】
導電率の測定のための温度補正は、内蔵の温度センサによっても達成することができる。
【0025】
以下に、図面に示された実施形態によって本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るセンサユニットを有する第1の例示的な配向にある油圧動力ユニットの形態の流体動力ユニットを示す図である。
図2】本発明に係るセンサユニットを有する第2の例示的な配向にある図1に示した油圧動力ユニットを示す図である。
図3】第1の参照電極での例示的な電圧曲線を示す図であり、第2の参照電極で高電位であり、油圧流体の導電率が増加している。
図4】第1の参照電極での例示的な電圧曲線を示す図であり、第2の参照電極で低電位であり、油圧流体の導電率が増加している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および図2に示す油圧動力ユニットAは、第1の支持表面F1と、第2の支持表面F2と、タンクTとを有する。さらに、油圧動力ユニットはセンサユニットSを有し、そのセンサユニットは接点モジュール1と、各々が2個の電極2を持つ2個の電極対とを備える。2個の電極対は接点モジュール1に接続され、2個の電極対の長手方向軸線は、互いに対して実質的に垂直な関係で配置される。
【0028】
図1および図2の電極対の表示は、図解的な表示である。電極対は、好ましくは、ツイストされた単線導体またはツイン撚り線として設計される。電極2は、好ましくは、テフロン(登録商標)で絶縁されている。さらに、電極には、好ましくは、接点モジュール1への接続のための圧着端子(図示せず)が設けられる。
【0029】
一方の電極対の長手方向軸線は、実質的に第1支持表面F1に対して平行で、かつ第2支持表面F2に対して垂直な第1の方向R1に整列している。他方の電極対の長手方向軸線は、実質的に第1支持表面F1に対して垂直で、かつ第2支持表面F2に対して平行な第2の方向R2に整列している。
【0030】
図示した実施形態において、接点モジュール1は、タンクTの内側エッジの領域に配置されている。それは、第1支持表面F1および第2支持表面F2の共通エッジKに近接している。もちろん、接点モジュール1を、タンクTの別の適切な場所に配置することができる。この点は、以下に詳細に説明する。
【0031】
電極対は、対応する方向R1またはR2において、接点モジュール1からタンクTの対向している壁(反対側の壁)までほぼ完全に延びている。このことは、油圧動力ユニットAの可能な2つの向きにおいて、タンクT内の流体のレベル、すなわち、油圧流体Hのレベルを、センサユニットSによって検出できるようにする。センサユニットは、静電容量式流体レベル測定により、タンクTの対応する全体高さに亘って連続的に検出する。接点モジュールが第1支持表面F1および第2支持表面F2の共通エッジKに最も近いタンクTの内側エッジに配置されていない場合には、測定方向と反対方向における流体レベル測定に関して生じ得るいかなるデッドゾーンも、ソフトウェアによって容易に補正し得る。測定方向は、測定電極対Mが延びる方向である。
【0032】
さらに、タンクTには、図1および図2において点線で示した流体レベルまで油圧流体Hが満たされる。
【0033】
図1に示す油圧動力ユニットAの向きでは、油圧動力ユニットは第1の支持表面F1上に載り、第2の方向R2に整列する電極対が測定電極対Mとなり、第1の方向R1に整列する電極対が参照電極対Rとなる。
【0034】
図2に示す油圧動力ユニットAの向きでは、油圧動力ユニットは第2の支持表面F2上に載り、第1の方向R1に整列する電極対が測定電極対Mとなり、第2の方向R2に整列する電極対が参照電極対Rとなる。
【0035】
センサユニットSは、静電容量式流体レベル測定によって測定電極対Mを用いて油圧動力ユニットAのタンクT内の油圧流体Hのレベルを測定する。さらに、センサユニットSは、付加的に、油圧流体Hの導電率の変化を測定することができる。それにより、油圧流体Hの品質についての情報または記述を行うことができる。例えば、油圧流体が交換必要な程度に汚染されているかどうかを決定することができる。
【0036】
本発明に係る測定方法を適用することにおいて、第1の周波数で参照電極対Rの第1の電極が第1のより高い抵抗を介して充電され、第2のより低い抵抗を介して放電される。その結果、図3および図4において連続的な線として示す図解的な電圧曲線が得られる。
【0037】
参照電極対Rの第2の電極は、第1の周波数よりも低い第2の周波数で、供給電圧または接地のいずれかに接続される。こうして、電極間の直流成分を回避することができる。もしも今、油圧流体Hの導電率が変化するならば、それは、第1の電極に印加される電圧曲線の周波数に影響を及ぼす。
【0038】
図3において点線で示す電圧曲線のように、供給電圧が参照電極対Rの第2の電極に印加される場合には、第1の周波数が増加し、油圧流体の導電率が増加する。
【0039】
図4において点線で示す電圧曲線では、参照電極対Rの第2の電極が接地に接続され、油圧流体Hの導電率が増加していることを示している。その結果、第1の周波数が減少する。
【0040】
こうして、第1の周波数の切り替えは、例えば金属の摩耗などの汚染が油圧流体内に入っているかどうかを決定するために使用可能である。その場合、警告信号を発したり、ポンプへの電力供給を中断して種々の要素のダメージを防止することが考えられる。
【0041】
本発明に係る方法では、絶対導電率ではなく、油圧流体Hの導電率の変化に興味があるので、センサユニットの時間のかかる較正は不要である。
【0042】
さらに、センサユニットSは、マルチプレクサ(図示せず)、発振器(図示せず)および基準キャパシタ(図示せず)を有する。発振器は、マルチプレクサを介して、測定電極対M,参照電極対Rまたは基準キャパシタに切り替えられる。したがって、温度および時間に亘る発振器パラメータのドリフトの補正、したがって油圧流体Hのパラメータの変化のより正確な測定が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、流体動力ユニット内で、特に油圧動力ユニット内で流体、特に油圧流体のパラメータを測定するためのセンサユニット、およびそのようなセンサユニット付きの流体動力ユニット、並びにそのようなセンサによって流体動力ユニット内の流体のパラメータを測定する方法に有利に利用され得る。
【符号の説明】
【0044】
1 接点モジュール、2 電極、A 油圧動力ユニット、F1 第1支持表面、F2 第2支持表面、H 油圧流体のレベル、K エッジ、M 測定電極対、R 参照電極対、R1 第1の方向、R2 第2の方向、S センサユニット、T タンク。
図1
図2
図3
図4