特許第6903785号(P6903785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6903785ジアリールチオヒダントイン化合物を調製するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903785
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】ジアリールチオヒダントイン化合物を調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20210701BHJP
   C07D 213/84 20060101ALN20210701BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALN20210701BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20210701BHJP
【FI】
   C07D401/04
   !C07D213/84
   !A61K31/4439
   !A61P35/00
【請求項の数】24
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2020-52658(P2020-52658)
(22)【出願日】2020年3月24日
(62)【分割の表示】特願2017-532725(P2017-532725)の分割
【原出願日】2015年12月17日
(65)【公開番号】特開2020-114842(P2020-114842A)
(43)【公開日】2020年7月30日
【審査請求日】2020年4月7日
(31)【優先権主張番号】62/094,436
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514311287
【氏名又は名称】アラゴン ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【弁理士】
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ハイム,シリル ベン
(72)【発明者】
【氏名】ホーバス,アンドラス
(72)【発明者】
【氏名】ウィーツ,ジョハン エルウィン エドモンド
【審査官】 阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/119015(WO,A2)
【文献】 カナダ国特許出願公開第2908326(CA,A1)
【文献】 特表2018−501237(JP,A)
【文献】 特表2005−523257(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/029338(WO,A1)
【文献】 特表2011−520915(JP,A)
【文献】 特表2009−531439(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/169951(WO,A1)
【文献】 EUROPEAN JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY,2015年 6月 2日,Vol. 99,pp. 51-66,URL,http://dx.doi.org/10.1016/j.ejmech.2015.05.039
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/04
A61K 31/4439
A61P 35/00
C07D 213/84
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物(X)を調製するためのプロセスであって、化合物(XVII)と、チオカルボニル源とを;活性化剤存在下;有機溶媒中;−20℃〜100℃の範囲の温度で反応させ、化合物(X)を得ることを含む、プロセス。
【化21】
【請求項2】
前記チオカルボニル源が、O,O’−ジ(ピリジン−2−イル)カルボノチオエート、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン、チオホスゲン、アリールチオノクロロホルメート(アリールは、フェニル、ナフチル又はトリルである)又はチオカルボニルビス(ベンゾトリアゾール)である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記活性化剤が、DMAP、NaH又はNaOHである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記有機溶媒が、DMA、DMF、トルエン、DMSO、ACN、THF、DCM、EtOAc、アセトン、MEK又はジオキサンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記チオカルボニル源が、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)である、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項6】
前記活性化剤がDMAPである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記有機溶媒がDMAである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルであり;前記活性化剤がDMAPであり;前記有機溶媒がDMAであり;前記温度が−20℃〜80℃の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルであり;前記活性化剤がDMAPであり;前記有機溶媒がアセトン又は酢酸エチルであり;前記温度が−20℃〜80℃の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
環化直後にDMAPAが添加される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
チオノクロロギ酸フェニルとDMAPとを反応させ、単離可能な四級塩 化合物(S1)を形成すること;
【化22】
次いで、化合物(XVII)と、化合物S1とを;トリエチルアミン又はDIPEAである有機塩基存在下;DMA中−20℃〜80℃の範囲の温度で反応させて化合物(X)を得ること
をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
化合物(2e)を調製するためのプロセスであって、
ステップ2f:
【化23】
式(2c−2B)の化合物と、チオカルボニル源とを;活性化剤存在下;有機溶媒中;−20℃〜100℃の範囲の温度で反応させ;式(2e)の化合物を得ること
を含む、プロセス。
【請求項13】
ステップ2g:
【化24】
式(2e)の化合物を、メチルアミンで;有機溶媒中;周囲温度で処理し、化合物(X)を得ること、
をさらに含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記チオカルボニル源が、O,O’−ジ(ピリジン−2−イル)カルボノチオエート、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン、チオホスゲン、チオノクロロギ酸フェニル、O−(2−ナフチル)チオノクロロホルメート、トリルチオノクロロホルメート又はチオカルボニルビス(ベンゾトリアゾール)である、請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
前記活性化剤が、DMAP、NaH又はNaOHである、請求項12又は14に記載のプロセス。
【請求項16】
ステップ(2f)における前記有機溶媒が、ジメチルアセトアミド、DMF、トルエン、DMSO、THF又はジオキサンである、請求項12〜15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
ステップ(2g)における前記有機溶媒が、THF、DMF、DMA、エタノール又はこれらの水性混合物である、請求項13〜16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
ステップ(2g)における前記有機溶媒が、エタノールである、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
ステップ(2f)において、前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルであり、前記活性化剤がDMAPであり、前記有機溶媒がアセトン又は酢酸エチルであり、前記温度が、−20℃〜40℃の範囲であり、
ステップ(2g)において、前記有機溶媒がエタノールである、請求項13に記載のプロセス。
【請求項20】
ステップ(2f)が、
チオノクロロギ酸フェニルとDMAPとを反応させ、単離可能な四級塩 化合物(S1)を形成すること;
【化25】
次いで、化合物(2c−2B)と化合物S1とを;トリエチルアミン又はDIPEAである有機塩基存在下;DMA中;−20℃〜80℃の範囲の温度で反応させて化合物(X)を得ること
をさらに含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項21】
化合物(2c−2B)が、
【化27】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、Wが、C1〜8アルコキシである式(2c−1)の化合物とを;(1)銅粉末若しくは銅スポンジであるCu(0)源、又は(2)塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、酢酸第一銅又は臭化第二銅から選択される銅塩の存在下;酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、CsF、又はピバル酸ナトリウムの存在下;DMF、DMA、DMSO、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、又はアミルアルコールである有機溶媒中;室温〜140℃の範囲の温度で反応させることにより調製される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項22】
化合物(2c−2B)が、
【化28】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、Wが、C1〜8アルコキシである式(2c−1)の化合物とを;臭化第一銅、TMEDAの存在下;酢酸カリウムの存在下;有機溶媒DMA中;80℃〜140℃の範囲の温度で反応させることにより調製される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項23】
化合物(2c−2B)が、
【化29】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、Wが、C1〜8アルコキシである式(2c−1)の化合物とを;銅粉末又は銅スポンジである銅(0)源の存在下;酢酸カリウム又はピバル酸ナトリウムの存在下;有機溶媒DMSO中;0℃〜80℃の範囲の温度で反応させることにより調製される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項24】
化合物(2c−2B)が、
【化30】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、Wが、C1〜8アルコキシである式(2c−1)の化合物とを;銅粉末又は銅スポンジである銅(0)源の存在下;酢酸カリウムの存在下;塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅又は酢酸第一銅から選択される銅(I)塩を添加しつつ;有機溶媒DMSO中;0℃〜80℃の範囲の温度で反応させることにより調製される、請求項12に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は米国特許仮出願第62/094,436号(2014年12月19日出願)に
対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(連邦政府支援研究又は開発に関する陳述)
下に記載される本発明の研究及び開発は、連邦政府の支援によるものではない。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、化合物(X)の調製及びその合成における中間体の調製に関する。さらに具
体的には、本発明は、2013年5月21日に登録され、その全体が参照により本明細書
に組み込まれる米国特許第8,445,507号に開示される、化合物(X)を調製する
ためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0004】
本発明の化合物(X)は、前立腺癌の治療のために現在研究されている。本発明は、こ
のような化合物を調製するためのプロセス及び中間体を記載する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、化合物(X)を調製するためのプロセスであって、
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
(i)Pが適切なアミノ保護基である式(XI−c)の化合物と、化合物(IV)とを
、アミド結合生成条件下;アミドカップリング剤存在下;触媒存在下;有機溶媒中;約0
℃〜約50℃の範囲の温度で反応させ;式(XII−c)の対応する化合物を得て;又は
【0008】
【化3】
(ii)化合物(IV)と、ホスゲン又はホスゲン類似体とを;有機塩基存在下;非プ
ロトン性溶媒中で反応させ;次いで、得られたイソシアネート中間体(IVa)を、場合
により単離せずに式(XI−c)の化合物で;非求核性塩基存在下;約−20℃〜約80
℃の範囲の温度で処理し;式(XII−c)の対応する化合物を得て;
【0009】
【化4】
式(XII−c)の化合物を、適切なアミノ脱保護条件下;有機溶媒中;周囲温度より
高い温度で;対応する化合物(XIII)を得て;
【0010】
【化5】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、Wが、C1〜8アル
コキシ又はメチルアミノである式(2c−1)の化合物とを;Cu(0)源又は銅塩存在
下;無機塩基存在下;有機溶媒中;場合により配位子存在下;場合により適切な還元剤存
在下;ほぼ室温〜約140℃の範囲の温度で反応させ;WがC1〜8アルコキシ又はメチ
ルアミノである式(2c−2)の対応する化合物を得て;
【0011】
【化6】
式(2c−2)の化合物を化合物(X)に変換することを含むか、これらからなるか、
及び/又はこれらから本質的になるプロセスに関し、以下にさらに詳細に記載される。
【0012】
一実施形態において、Wがメチルアミノである化合物(XVII)は、スキーム(2e
)に示されるように、
【0013】
【化7】
化合物(XVII)と、チオカルボニル源とを;活性化剤存在下;有機溶媒中;場合に
より有機塩基存在下;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ;対応する化合物
(X)を得ることによって、化合物(X)に変換される。
【0014】
別の実施形態において、WがC1〜8アルコキシである式(2c−2B)の化合物は、
スキーム(2f)に示されるように、
【0015】
【化8】
式(2c−2B)の化合物と、チオカルボニル源とを;活性化剤存在下;有機溶媒中;
約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ;式(2e)の対応する化合物を得て;
その後
【0016】
【化9】
式(2e)の化合物を、メチルアミンで;有機溶媒中;ほぼ周囲温度で処理し、対応す
る化合物(X)を得ることによって、式(2e)の化合物に変換される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
単独で使用するか、又は置換基の一部として使用するかに関わらず、「アルキル」とい
う用語は、1〜8個の炭素原子を有する、直鎖状及び分岐鎖状の炭素鎖を意味する。した
がって、指定された炭素原子の数(例えば、C1〜8)は、独立してアルキル部分又はよ
り大きなアルキル含有置換基のアルキル部の炭素原子数を意味する。複数のアルキル基を
有する置換基、例えば、(C1〜6アルキル)アミノ−において、ジアルキルアミノの
1〜6アルキル基は、同じであってもよく、又は異なってもよい。
【0018】
「アルコキシ」という用語は−O−アルキル基を意味し、ここで「アルキル」は上記で
定義されるものである。
【0019】
「シクロアルキル」という用語は、飽和又は部分的に飽和の、単環式又は多環式の、3
〜8個の炭素原子の炭化水素環を意味する。このような環の例としては、シクロプロピル
、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが挙げられる。
【0020】
「アリール」という用語は、不飽和で芳香族性の6〜10個の炭素構成員からなる単環
又は二環式環を意味する。アリール環の例としては、フェニル及びナフタレニルが挙げら
れる。
【0021】
「ハロゲン」、「ハロゲン化物」又は「ハロ」という用語は、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子及びヨウ素原子を意味する。
【0022】
「カルボキシ」という用語は、−C(=O)OH基を意味する。
【0023】
「ホルミル」という用語は、−C(=O)H基を意味する。
【0024】
「オキソ」又は「オキシド」という用語は、(=O)基を意味する。
【0025】
「チオノ」という用語は、(=S)基を意味する。
【0026】
「室温」又は「周囲温度」という用語は、本明細書で使用されている場合、約18℃〜
約22℃の範囲の温度を意味する。
【0027】
「アルキル」若しくは「アリール」という用語又はこれらの接頭辞の語根のいずれかが
、置換基の名称中に現れる場合(例えば、アリールアルキル、アルキルアミノ)、前記名
称は、「アルキル」及び「アリール」について上記に与えられた限定を含むものとして解
釈されるものとする。指定される炭素原子数(例えば、C〜C)は、アルキル部分、
アリール部分、又はアルキルがその接頭辞の語根として現れる、より大きな置換基のアル
キル部分の炭素原子数を独立して意味する。アルキル置換基及びアルコキシ置換基につい
て、指定される炭素原子数は、指定された所定の範囲内に含まれるすべての独立した構成
員を含む。例えば、C1〜6アルキルには、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル及びヘキシルを個々に含むだけでなく、それらの下位の組み合わせ(例えば、C1〜2
、C1〜3、C1〜4、C1〜5、C2〜6、C3〜6、C4〜6、C5〜6、C2〜5
など)も含まれる。
【0028】
一般的に、本開示全体で使用される標準的な命名法の規則の下では、指定される側鎖の
末端部分が最初に記載され、続けて結合点の方向に隣接する官能基が記載される。したが
って、例えば、「C〜Cアルキルカルボニル」置換基は下式の基を意味する:
【0029】
【化10】
【0030】
本明細書、特にスキーム及び実施例で使用される略称は、以下のとおりである。
【0031】
【表1】
【0032】
一般スキーム
本発明の全体的なスキームを以下のスキームAに示す。
【0033】
【化11】
【0034】
スキームAにおいて、式(XI−c)は、従来のアミノ保護基であるP基、例えば、カ
ルバメート(−NHCOR)を有し、ここで、Rは、C1〜8アルキル、フェニル、ア
リール(C1〜8)アルキルなどである。式(XI−c)の化合物を、化合物(IV)と
、アミド結合生成条件下、1,1−カルボニルジイミダゾール、T3P、EDCI、DM
TMM、EEDQなどから選択されるアミドカップリング剤存在下;(1)アミジン、例
えば、DBU又はDBN、(2)三級アミン、例えば、DABCO、トリエチルアミン又
はDIPEA、(3)グアニジン、例えば、TBD、TMG又はMTBD、又は(4)塩
基、例えば、NaH、KOtBu及びLiHMDSなどであってもよい触媒存在下;トル
エン、MeTHF、THF、iPrOAc又はDCMのような非プロトン性溶媒中;又は
IPAなどのようなプロトン性溶媒中;約0℃〜約50℃の範囲の温度で反応させ;式(
XII−c)の対応する化合物を得てもよい。当業者は、ある種の試薬及び塩基は、本明
細書に開示するすべての溶媒に適合しない場合があることを認識するだろうが、試薬及び
塩基の適合性は、既に知られている知識又は科学文献で入手可能な知識を用いて容易に特
定されるだろう。
【0035】
一実施形態において、アミドカップリング剤は1,1−カルボニルジイミダゾールであ
り、触媒はDBUである。
【0036】
又は、化合物(IV)を、まず、ホスゲン、又はトリホスゲン(ビス(トリクロロメチ
ル)カーボネート)、ジホスゲン(トリクロロメチルクロロホルメート)などから選択さ
れるホスゲン類似体で;トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン又はDABCO
から選択される三級アミン塩基存在下;DCM、トルエン、THF又はMeTHFから選
択される非プロトン性溶媒中;約−20℃〜約50℃の範囲の温度で処理し;5−イソシ
アナト−3−(トリフルオロメチル)ピコリノニトリル(IVa)を中間体として生成し
てもよい。中間体(IVa)と化合物(XI−c)とを;(1)アミジン、例えば、DB
U又はDBN、(2)三級アミン、例えば、DABCO又はトリエチルアミン、又は(3
)グアニジン、例えば、TBD、TMG又はMTBDである非求核性塩基存在下;約−2
0℃〜約80℃の範囲の温度で反応させ式(XII−c)の対応する化合物を得る。
【0037】
式(XII−c)の化合物のアミノ基は、酸性条件下、イソプロパノール、トルエン、
MeTHF、THF、iPrOAc、DCM、IPA、水などのような有機溶媒中のよう
な従来の方法を用いて、周囲温度より高い温度で脱保護され、対応する化合物(XIII
)を得てもよい。
【0038】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、Wが、C1〜8アル
コキシ又はメチルアミノである式(2c−1)の化合物とを;(1)Cu(0)源、例え
ば、銅粉末又は銅スポンジ、又は(2)塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、酢酸第
一銅又は臭化第二銅から選択される銅塩のいずれかが存在する状態で;無機塩基、例えば
、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、CsF、ピバル酸ナトリウムなど存在下
;DMF、DMA、DMSO、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルのよ
うな有機溶媒、又はアミルアルコールのようなアルコール系溶媒中;塩化第一銅、ヨウ化
第一銅、臭化第一銅又は酢酸第一銅から選択されるCu(I)塩を添加し、又は添加せず
に、場合により、2−アセチルシクロヘキサノン、TMEDA又はフェナントロリンのよ
うな配位子存在下;場合により、アスコルビン酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムの
ような還元剤存在下;ほぼ室温〜約140℃の範囲の温度で反応させ;WがC1〜8アル
コキシ又はメチルアミノである式(2c−2)の対応する化合物を得てもよい。
【0039】
一実施形態において、銅塩は臭化第一銅であり、配位子はTMEDAである。
【0040】
別の実施形態において、Cu(0)源は、銅粉末である。
【0041】
別の実施形態において、Cu(0)源は、銅スポンジである。
【0042】
さらなる実施形態において、有機溶媒は、DMAである。
【0043】
さらなる実施形態において、有機溶媒は、DMSOである。
【0044】
別の実施形態において、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物との反応は、
銅塩、例えば、臭化第一銅と、配位子TMEDAとの;無機塩基である酢酸カリウム存在
下;DMAのような有機溶媒中;約80℃〜約140℃の範囲の温度での反応を含むか、
この反応からなるか、及び/又は本質的にこの反応からなる。
【0045】
別の実施形態において、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物との反応は、
Cu(0)源、例えば、銅粉末又は銅スポンジを;酢酸カリウム又はピバル酸ナトリウム
のような無機塩基存在下;DMSO中;約0℃〜約80℃の範囲の温度で含むか、これか
らなるか、及び/又は本質的にこれからなる。
【0046】
別の実施形態において、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物との反応は、
Cu(0)源、例えば、銅粉末又は銅スポンジを;酢酸カリウムのような無機塩基存在下
;塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅又は酢酸第一銅から選択される銅(I)塩を添
加しつつ;DMSOのような有機溶媒中;約0℃〜約80℃の範囲の温度で含むか、これ
からなるか、及び/又は本質的にこれからなる。
【0047】
本発明は、式(2c−2)の化合物を化合物(X)に変換するためのプロセスを含み、
以下のように詳細に記載される。
【0048】
Wがメチルアミノである化合物(XVII)を、O,O’−ジ(ピリジン−2−イル)
カルボノチオエート、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、
ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン、チオホスゲン、アリールチオノクロ
ロホルメート(アリールは、フェニル、ナフチル又はトリルである)又はチオカルボニル
ビス(ベンゾトリアゾール)から選択されるチオカルボニル源と;DMAP、NaH又は
NaOHから選択される活性化剤存在下;DMA、DMF、トルエン、DMSO、ACN
、THF、DCM、EtOAc、アセトン、MEK又はジオキサンから選択される有機溶
媒中;場合によりトリエチルアミン又はDIPEAから選択される有機塩基存在下;約−
20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ;対応する化合物(X)を得ることをさらに
含んでいてもよい。
【0049】
一実施形態において、チオカルボニル源は、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン
−2(1H)−オン)である。
【0050】
別の実施形態において、活性化剤は、DMAPである。
【0051】
別の実施形態において、有機溶媒は、DMAである。
【0052】
さらなる実施形態において、チオカルボニル源は、チオノクロロギ酸フェニルであり;
活性化剤がDMAPであり;有機塩基が、トリエチルアミン又はDIPEAから選択され
;有機溶媒がDMAであり;約−20℃〜約80℃範囲の温度である。
【0053】
別の実施形態において、チオノクロロギ酸フェニルをDMAPと反応させ、以下に示さ
れる単離可能な四級塩化合物(S1)を生成してもよい。
【0054】
【化12】
【0055】
本発明は、さらに、化合物(XVII)と、化合物S1とを;トリエチルアミン又はD
IPEAから選択される有機塩基存在下;有機溶媒DMA中;約−20℃〜約80℃の範
囲の温度で反応させ、対応する化合物(X)を得ることを含むか、これからなるか、又は
本質的にこれからなる。
【0056】
WがC1〜8アルコキシである化合物(2c−2B)を、O,O’−ジ(ピリジン−2
−イル)カルボノチオエート、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−
オン)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン、チオホスゲン、アリールチ
オノクロロホルメート(アリールは、フェニル、ナフチル又はトリルである)又はチオカ
ルボニルビス(ベンゾトリアゾール)から選択されるチオカルボニル源と;DMAP、N
aH又はNaOHから選択される活性化剤存在下;ジメチルアセトアミド、DMF、トル
エン、DMSO、THF又はジオキサンから選択される有機溶媒中;場合によりトリエチ
ルアミン又はDIPEAから選択される有機塩基存在下;約−20℃〜約100℃の範囲
の温度で反応させ、対応する化合物(X)を得てもよい。
【0057】
一実施形態において、式(2c−2B)の化合物のWはメトキシであり、化合物(XV
)として指定される。
【0058】
本発明は、さらに、化合物(2c−2B)と、化合物S1とを;トリエチルアミン又は
DIPEAから選択される有機塩基存在下;有機溶媒DMA中;約−20℃〜約80℃の
範囲の温度で反応させ;対応する化合物(X)を得ることを含むプロセスに関する。
【0059】
式(2e)の化合物を、メチルアミンで;THF、DMF、DMA、エタノール又はこ
れらの水性混合物から選択される有機溶媒中;ほぼ周囲温度で処理し、対応する化合物(
X)を得てもよい。
【0060】
一実施形態において、有機溶媒は、エタノールである。
【0061】
別の実施形態において、表1に示されるF1〜F11から選択される反応条件を、化合
物(2c−2)から化合物(X)又は式(2e)の化合物のいずれかへの変換に使用して
もよく、ここで、Wは、それぞれメチルアミノ又はC1〜8アルコキシである。
【0062】
【化13】
【0063】
【表2】
【0064】
別の実施形態において、チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルである場合、環
化直後にDMAPAを添加してもよい。
【実施例】
【0065】
具体的実施例
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために記載するものであり、本明細書に付属す
る「特許請求の範囲」に記載される発明をいかなる意味においても限定することを目的と
したものではなく、またそのように解釈されるべきではない。
【0066】
以下の実施例では、一部の合成生成物は、「残留物」として単離されているものとして
列挙される。この用語「残留物」が、その生成物を単離した物理的状態を限定せず、例え
ば、固体、油、泡状物、ゴム状物及びシロップ状物などを含んでよいことは、当業者には
理解されるであろう。
【0067】
(実施例1)
【0068】
【化14】
【0069】
工程A.化合物IIの調製
【0070】
【化15】
【0071】
容器に、19gの化合物(I)、5gの臭化水素トリエチルアミン、49gのキシレン
及び67gのDMFを投入した。この反応混合物に、26gのリン酸オキシブロミドを1
6gのキシレンに溶かした溶液を入れた。反応混合物を3時間かけて100℃まで加熱し
た。次いで、この混合物を70℃まで冷却した。この混合物に、75gのNaOH溶液(
10M)を加えた。室温での相分離の後、有機層を84gのNaOH水溶液(10M)で
洗浄し、次いで、84gのNaCl水溶液(25%)で洗浄した。さらに精製することな
く、この有機相を次の工程に持ち越した。化合物(II)の特性決定の目的のために、ヘ
プタンからの結晶化による単離を行った。H NMR(300MHz,CDCl)δ
9.36,8.75。
【0072】
工程B.化合物IIIの調製
【0073】
【化16】
【0074】
上述の化合物(II)のキシレン溶液に、8.7gのシアン化ナトリウム、6.8gの
ヨウ化銅(I)、45gのブチロニトリルを加えた。この混合物を20時間かけて120
℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、炭酸ナトリウム水溶液(10%)で2回洗浄した
。この有機相を次の工程に持ち越した。化合物(III)の特性決定の目的のために、単
離を行った。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 149.3,145.
4,133.9,131.9,130.1,119.5,114.0。
【0075】
【化17】
工程C.化合物(IV)の調製
【0076】
改質された触媒スラリーの調製
1.00gの5% Pt/C触媒F101 R/W(Evonik AG製、約60%
の水を含有する)及び4.0mLの脱イオン水のスラリーに、20mLのガラスビーカー
中、0.156g(0.129mL、50% w/w)のHPOを加えた。磁気攪拌
棒を用いて攪拌しながら15分後、58mgのNHVOを加え、スラリーを再び15
分間攪拌した。
【0077】
水素添加
100mLのオートクレーブに、10.0gの化合物(III)(46.1mmol)
を26.7mLのキシレン及び13.3mLのブチロニトリルに溶かした溶液を投入した
。この溶液に、2mLの脱イオン水を用いつつ、改質された触媒スラリーを加えた。オー
トクレーブを閉じ、次いで、窒素を用いて10barまで3回加圧することによって不活
性化し、水素を用いて10barまで3回加圧した。反応器の圧力を水素5.0barに
設定し、攪拌を開始し(中空シャフトタービン撹拌機、1200rpm)、混合物を50
分以内に70℃まで加熱した。70℃に達したらすぐに、水素の取り込みが止まった。さ
らに40分間攪拌した後、加熱を止め、オートクレーブを冷却した。スラリーをファイバ
ーガラスフィルタに通して濾過し、40mLのキシレンを用い、20〜23℃で何回かに
わけて洗浄した。ブチロニトリル溶媒を蒸発させ、溶液から化合物(IV)を結晶化させ
た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ 8.20(d,J=2.4Hz
,1H),7.31(d,J=2.6Hz,1H),7.04(s,NH)。
【0078】
工程D.化合物(XII)の調製
【0079】
【化18】
【0080】
方法A.18g(96.2mmol)の化合物(IV)、24.8g(109.7mm
ol)の化合物(XI)のテトラヒドロフラン(THF)54mL中の混合物に、18.
5mL(106mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及び1
7g(104mmol)のカルボニルジイミダゾール(CDI)を20℃で何回かにわけ
て加えた。混合物を60℃まで加熱し、15.4g(101mmol)の1,8−ジアザ
ビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を加えた。2時間後、混合物をテ
トラヒドロフラン(THF)108mLで希釈し、クエン酸水溶液(水72mL中50g
)で洗浄した。その後、共沸蒸留を用いることによって、有機層から水を取り去った。T
HF中の化合物(XII)をそのまま次の工程で使用した。特性決定の目的のために少量
のサンプルを単離した。H−NMR(300MHz,CDCl)δ 10.4(s,
1H),8.74(s,2H),5.18(s,1H),2.79(m,2H),2.2
2(m,2H),2.12(m,2H),1.49(s,9H);13C NMR(CD
Cl,JMOD)δ 172.7,143.6,138.2,131.0,123.5
,123.3,114.4,82.2,59.9,30.7,28.3,15.1。
【0081】
方法B.40g(214mmol)の化合物IV、37.8g(233mmol)のカ
ルボニルジイミダゾール(CDI、109.7mmol)のテトラヒドロフラン(THF
)120mL中の混合物に、55g(244mmol)の化合物(XI)のテトラヒドロ
フラン(THF)240mLの溶液を加えた。混合物を60℃まで加熱し、33.7mL
(224mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DB
U)を添加した。4時間後、混合物をクエン酸水溶液(水160mL中112g)で洗浄
した。50℃での相分離の後、共沸蒸留を用いることによって、有機層から水を分離した
。THF中の化合物(XII)をそのまま次の工程のために使用した。
【0082】
工程E.5−イソシアナト−3−(トリフルオロメチル)ピコリノニトリル(IVa)
を介する化合物(XII)の調製
【0083】
【化19】
【0084】
反応器に、0.2g(1.1mmol)の化合物(IV)、6mLの乾燥DCMを投入
し、0℃まで冷却した。トリホスゲン(0.22g、0.67eq)を加え、その後、ト
リエチルアミン(0.55g、5eq)を滴下した。混合物を0℃で攪拌し、2時間後、
HPLC分析によれば、化合物(IV)は、完全に化合物(IVa)に変換された。化合
物(XI)(0.28g、1.2eq)を加え、混合物をさらに0℃で攪拌した。1時間
後のHPLC分析は、混合物中、化合物(XII)への転化率42%を示した。
【0085】
工程F.化合物の調製(XIII)
【0086】
【化20】
【0087】
塩酸の6Mイソプロパノール溶液(2eq.)を、化合物(XII)のTHF溶液に加
えた。攪拌した反応溶液を5時間かけて70℃まで加熱した。反応が終了した後、混合物
を環流するまでさらに加熱し、2−プロパノールと入れ替えた。反応物を30℃まで冷却
し、水酸化アンモニウム溶液(3eq.)を加えた。混合物を1時間攪拌し、次いで、5
℃まで冷却した。濾過によって沈殿を集めた。濾過ケーキを水で1回洗浄し、冷イソプロ
パノールで1回洗浄した。部分的な減圧下、50℃で濾過ケーキを乾燥させ、化合物(X
III)を収率80%で生成した。H NMR(300MHz,CDCl)δ 10
.2(s,1H),8.84(s,2H),2.81(m,2H),2.13(m,2H
),2.07(m,2H);13C NMR(CDCl,JMOD)δ 175.8,
143.4,137.5,122.9,114.4,59.3,34.9,14.3。
【0088】
工程G.化合物(XV)の調製
【0089】
【化21】
【0090】
方法A.2gの化合物(XIII)を10mLのDMAに溶かした溶液を、1.2eq
の化合物(XIV)−Cl(X=Cl)、2.5eqの酢酸カリウム、1.0eqの塩化
銅(I)、5mLのDMAを投入した反応器に6時間かけて加えた。反応混合物を攪拌し
、130℃まで加熱した。さらに17時間攪拌した後、HPLC分析は、反応混合物中の
40%の化合物(XV)を示した。
【0091】
方法B.反応器に、1gの化合物(XIII)、1.18gの化合物(XIV)−I(
X=I)、0.7gの酢酸カリウム、0.22gの銅スポンジ(1eq)、7mLのDM
SOを投入した。混合物を25℃で7時間攪拌した。HPLC分析は、化合物(XV)へ
の転化率が93%であることを示した。EtOHを添加した後、水、濃水酸化アンモニウ
ムを添加した後、濾過によって化合物(XV)を収率90%で単離した。H NMR(
300MHz,CDCl)δ 10.74(m,1H),9.28(m,1H),8.
75(m,1H),7.67(t,J=2×8.7Hz,1H),7.55(s,1H)
,7.20(m,2H),6.33(d,J=8.5Hz,1H),6.18(d,J=
13.8Hz,1H),3.75(s,3H)2.76(m,2H),2.24(m,2
H),1.98(m,2H);13C NMR(CDCl,JMOD)δ 174.6
,164.4,163.8,161.1,151.7,151.6,144.7,139
.0,133.1,128.8,128.1,123.8,114.7,109.10,
105.6,60.6,51.4,30.1,14.40。
【0092】
工程H.化合物(IX)の調製
【0093】
【化22】
【0094】
方法A.反応器に、1gの化合物(XV)、1.1gの1,1’−チオカルボニルビス
(ピリジン−2(1H)−オン)、0.56gのDMAP、6.2mLのDMAを投入し
た。混合物を攪拌し、20時間かけて60℃まで加熱した。この時間の後、6mLのEt
OHを添加し、次いで、6mLの水を添加した。次いで、反応物を0℃まで冷却した。化
合物(IX)を、収率70%で濾過によって単離した。H NMR(300MHz,D
MSO)δ 9.23(s,J=1.9Hz,1H),8.77(s,J=2.1Hz,
1H),8.18(t,J=2×8.2Hz,1H),7.58(dd,J=10.9,
1.7Hz,1H),7.48(dd,J=8.3,1.7Hz,1H),3.9(s,
3H),2.65(m,2H),2.50(m,2H),2.00(m,1H),1.6
1(m,1H);13C NMR(DMSO,JMOD)δ 179.6,174.2,
163.3,153.4(ArH),140.9,135.5(ArH),132.9(
ArH),128.9,126.5(ArH),118.9(ArH),114.2,6
7.7,52.6(CH),31.2,13.4。
【0095】
方法B.反応器に、0.5gの化合物(XV)、0.35g(2.5eq)のDMAP
、5mLのDMAを投入した。混合物を攪拌し、−20℃まで冷却した。この混合物に、
チオノクロロギ酸フェニル(0.5g、2.5eq)を添加し、次いで、0.46g(4
eq)のトリエチルアミンを添加した。混合物を室温まで加温し、3時間攪拌した。HP
LC分析は、化合物(IX)への転化率が97%であることを示した。
【0096】
工程I.化合物(IX)を介する化合物(X)の調製
【0097】
【化23】
【0098】
反応器に0.85gの化合物(IX)を投入した。メチルアミンのエタノール溶液(8
.5mL)を加え、混合物を周囲温度で3時間攪拌した。次いで、反応混合物を、酢酸5
.1mLと水19mLの混合物に注いだ。濾過によって化合物(X)を収率55%で単離
した。H NMR(300MHz,DMSO)δ 9.22(s,1H),8.79(
d,J=1.9Hz,1H),8.52(m,1H),7.83(t,J=8×2Hz,
1H),7.48(dd,J=10.5,1.8Hz,1H),7.39(dd,J=8
.2,1.8Hz,1H),2.8(d,J=4.5Hz,3H),2.65(m,2H
),2.50(m,2H),2.00(m,1H),1.61(m,1H)。
【0099】
(実施例2)
【0100】
【化24】
【0101】
工程A.化合物の調製(XVII)
【0102】
【化25】
【0103】
方法A.1L反応器に、7.8g(38mmol)の化合物(XVI)−Br(X=B
r)、69.7g(2.5eq.,79mmol)の酢酸カリウム、12g(0.3eq
.,9.5mmol)の臭化銅(I)、12.8mL(0.3eq.,9.5mmol)
のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、及び27mLのDMAを投入し
た。混合物を攪拌して、120℃まで加熱した。9.0gの化合物(XIII)を12.
7mLのDMAに溶かした溶液を、この熱い混合物に2時間かけて入れた。さらに2時間
攪拌した後、混合物を60℃まで冷却した。27mLの水を添加し、その後、18mLの
アセトニトリルの添加を完結した。種結晶を加え、1時間熟成した後、18mLの水を2
時間かけてゆっくりと入れた。混合物を冷却し、次いで、化合物(XVII)を濾過によ
って収率84%で単離した。H NMR(300MHz,DMSO)δ 10.7(s
,1H),9.3(s,1H),8.74(s,1H),7.73(m,1H),7.4
7(m,1H),7.19(s,1H),6.30(d,J=8.3Hz,1H),6.
10(d,J=13.9Hz,1H),2.70(m,3H),2.70(m,3H),
2.17(m),1.95(m);13C NMR(DMSO,JMOD)δ 175.
0,163.7,162.3,159.1,149.6,149.4,144.6(Ar
H),139.0,131.5(ArH),129.4,129.0,123.6(Ar
H),122.4,120.0,114.7,111.4,111.2,109.2(A
rH),99.5(ArH),60.6,30.1,26.2,14.3。
【0104】
方法B.反応器に、500mgの化合物(XIII)、1.1当量の化合物(XVI)
−Br(X=Br)、1当量の銅粉末、2.0当量の酢酸カリウム、2.5mLのDMS
Oを投入した。混合物を18時間かけて60℃まで加熱し、その後、HPLCは、化合物
XVIIの80%が生成されたことを示していた。
【0105】
工程B.化合物(XVII)からの化合物(X)の調製
方法A.反応器に、48gの化合物(XVII)、52.8gの1,1’−チオカルボ
ニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、13.5gの4−ジメチルアミノピリジン、
144mLのDMAを投入した。混合物を攪拌し、2時間かけて90℃まで加熱した。次
いで、反応物を60℃まで冷却した。体積37mLのHCl(イソプロパノール中6M)
を加え、その後、144mLのイソプロパノール及び216mLの水を加えた。濾過によ
って化合物(X)を収率80%で単離した。
【0106】
方法B.
【0107】
【化26】
【0108】
DMAP(b12、2.0g)の一部を20mLのDCMに溶解し、−30℃まで冷却
した。チオノクロロギ酸フェニル(b11、4.3g、1.5eq)を加え、混合物を1
時間攪拌した。混合物を濾過し、集めた固体を減圧下、室温で乾燥させ、4.3gの四級
塩(S1)を黄色結晶生成物として得た。H NMR(400MHz,CDCN):
3.39(6H,s),7.04(2H,d),7.29(2H,d),7.44(1H
,t),7.58(2H,t),9.04(2H,d)。
【0109】
化合物(XVII)(0.5g、1.1mmol)及びトリエチルアミン(0.93g
、8.8mmol)を21℃で5mLのDMAに溶解した。塩S1(0.81g、2.7
5mmol)を加え、溶液を室温で攪拌した。1時間後のHPLCによる溶液の分析は、
化合物(X)への転化率38%を示した。
【0110】
方法C.DMAP(4.41g、2.2eq、36.1mmol)を107mLの酢酸
エチルに溶解し、60℃まで加熱した。化合物(XVII)(7.15g、16.4mm
ol)を加え、その後、35mLの酢酸エチルを蒸留し、水を除去した。50℃で、6.
24g(2.2eq.,36.1mmol)のチオノクロロギ酸フェニルを添加し、混合
物を1時間攪拌した後、9.16mL(65.7mmol)のトリエチルアミンを添加し
た。反応物を50℃で6時間維持し、次いで、5℃まで冷却した。13.7mL(5eq
.,82.1mmol)の塩酸の2−プロパノール6M溶液を加えた。次いで、混合物を
35.8mLの水で洗浄し、次いで、塩水で洗浄した。得られた有機層を蒸発させ、トル
エン及びn−ブタノールと交換した。種結晶を加えた後、混合物を冷却し、化合物(X)
を濾過によって集め、洗浄し、乾燥させた。収率:72%。
【0111】
方法D.DMAP(15.4g、2.2eq)を250mLの酢酸エチルに溶解した。
化合物(XVII)(25g)を加え、その後、50℃まで加熱した。チオノクロロギ酸
フェニル(2.2eq.)を加え、混合物を1時間攪拌した後、32mL(4.0eq)
のトリエチルアミンを添加した。反応温度を50℃で6時間維持し、次いで、20℃まで
冷却した。N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(DMAPA)(2eq.)を
加え、混合物を5時間攪拌した。塩酸の2−プロパノール6M溶液(125mL)を加え
、30℃で2時間攪拌した。次いで、有機層を125mLの水で洗浄した。得られた有機
層を濃縮し、n−ブタノールと交換した。種結晶を加えた後、混合物を冷却し、化合物(
X)を濾過によって集め、洗浄し、乾燥させた。収率:79%。
【0112】
上記の明細書は説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれるすべての通常の変形例、適合例及び/又は改変例が包含される点は理解されるであろう。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
化合物(X)を調製するためのプロセスであって、
【化1】
Pがアミノ保護基である式(XI−c)の化合物と、化合物(IV)とを、アミド結合生成条件下;アミドカップリング剤存在下;触媒存在下;有機溶媒中;約0℃〜約50℃の範囲の温度で反応させ;式(XII−c)の対応する化合物を得ること;又は、
【化2】
化合物(IV)と、ホスゲン又はホスゲン類似体とを;有機塩基存在下;非プロトン性溶媒中で反応させ;次いで、得られたイソシアネート中間体(IVa)を、場合により単離せずに式(XI−c)の化合物で;非求核性塩基存在下;約−20℃〜約80℃の範囲の温度で処理し;式(XII−c)の対応する化合物を得ること;
【化3】
式(XII−c)の化合物を、アミノ脱保護条件下;有機溶媒中;周囲温度より高い温度で反応させ;対応する化合物(XIII)を得ること;
【化4】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、及びWが、C1〜8アルコキシ又はメチルアミノである式(2c−1)の化合物とを;Cu(0)源又は銅塩存在下;無機塩基存在下;有機溶媒中;場合により配位子存在下;場合により還元剤存在下;ほぼ室温〜約140℃の範囲の温度で反応させ;WがC1〜8アルコキシ(2c−2B)又はメチルアミノ(XVII)である式(2c−2)の対応する化合物を得ること;
【化5】
式(2c−2)の化合物を化合物(X)に変換すること
を含む、プロセス。
[2]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2a)が、さらに、
【化6】
Pがアミノ保護基である式(XI−c)の化合物と、化合物(IV)とを、アミド結合生成条件下;1,1−カルボニルジイミダゾール、T3P、EDCI、DMTMM及びEEDQからなる群から選択されるアミドカップリング剤存在下;DBU、DBN、DABCO、トリエチルアミン、DIPEA、TBD、TMG、MTBD、NaH、KOtBu及びLiHMDSからなる群から選択される触媒存在下;トルエン、MeTHF、THF、iPrOAc、DCM及びIPAからなる群から選択される有機溶媒中;約0℃〜約50℃の範囲の温度で反応させ;式(XII−c)の対応する化合物を得ることを含む、プロセス。
[3]
前記アミドカップリング剤が1,1−カルボニルジイミダゾールであり、前記触媒がDBUである、[2]に記載のプロセス。
[4]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2a−1)が、さらに、
【化7】
化合物(IV)と、ホスゲン、又はトリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)、及びジホスゲン(トリクロロメチルクロロホルメート)から選択されるホスゲン類似体とを、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン及びDABCOからなる群から選択される有機塩基存在下;DCM、トルエン、THF又はMeTHFである非プロトン性溶媒中;約−20℃〜約50℃の範囲の温度で反応させ;イソシアネート中間体(IVa)を生成すること;次いで、前記イソシアネート中間体(IVa)と、式(XI−c)の化合物とを;DBU、DBN、DABCO、トリエチルアミン、TBD、TMG及びMTBDからなる群から選択される非求核性塩基存在下;約−20℃〜約80℃の範囲の温度で反応させ;式(XII−c)の対応する化合物を得ること
を含む、プロセス。
[5]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2c)が、さらに、
【化8】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、及びWが、C1〜8アルコキシ又はメチルアミノである式(2c−1)の化合物とを;(1)銅粉末又は銅スポンジであるCu(0)源;又は(2)塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、酢酸第一銅及び臭化第二銅からなる群から選択される銅塩;のいずれかが存在する状態で;酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム及びCsFからなる群から選択される無機塩基存在下;DMF、DMA、DMSO、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル又はアミルアルコールである有機溶媒中;塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅及び酢酸第一銅からなる群から選択されるCu(I)塩を添加し又は添加せずに、場合により、2−アセチルシクロヘキサノン、TMEDA又はフェナントロリンのような配位子存在下;さらに、場合により、アスコルビン酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムである還元剤存在下;ほぼ室温〜約140℃の範囲の温度で反応させ;WがC1〜8アルコキシ(2c−2B)又はメチルアミノ(XVII)である式(2c−2)の対応する化合物を得ること
を含む、プロセス。
[6]
[5]に記載のプロセスであって、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物とを、臭化第一銅存在下;TMEDA存在下;酢酸カリウム存在下;有機溶媒DMA中;約80℃〜約140℃の範囲の温度で反応させることを含む、プロセス。
[7]
[5]に記載のプロセスであって、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物とを、銅粉末又は銅スポンジである銅(0)源存在下;酢酸カリウム又はピバル酸ナトリウム存在下;有機溶媒DMSO中;約0℃〜約80℃の範囲の温度で反応させることを含む、プロセス。
[8]
[5]に記載のプロセスであって、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物とを、銅粉末又は銅スポンジである銅(0)源存在下;酢酸カリウム存在下;塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅及び酢酸第一銅からなる群から選択される銅(I)塩を添加しつつ;有機溶媒DMSO中;約0℃〜約80℃の範囲の温度で反応させることを含む、プロセス。
[9]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2d)は、さらに、
【化9】
化合物(XVII)と、チオカルボニル源とを;活性化剤存在下;有機溶媒中;場合により有機塩基存在下;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ、対応する化合物(X)を得ることによって、化合物(XVII)から化合物(X)に変換すること
を含む、プロセス。
[10]
[9]に記載のプロセスであって、工程(2e)が、さらに、化合物(XVII)と、O,O’−ジ(ピリジン−2−イル)カルボノチオエート、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン、チオホスゲン、チオノクロロギ酸フェニル、O−(2−ナフチル)チオノクロロホルメート、トリルチオノクロロホルメート及びチオカルボニルビス(ベンゾトリアゾール)からなる群から選択されるチオカルボニル源とを;DMAP、NaH及びNaOHからなる群から選択される活性化剤存在下;DMA、DMF、トルエン、DMSO、ACN、THF、DCM、EtOAc、アセトン、MEK及びジオキサンからなる群から選択される有機溶媒中;場合によりトリエチルアミン又はDIPEAから選択される有機塩基存在下;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ、対応する化合物(X)を得ることを含む、プロセス。
[11]
前記チオカルボニル源が、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)である、[10]に記載のプロセス。
[12]
前記活性化剤がDMAPである、[11]に記載のプロセス。
[13]
前記有機溶媒がDMAである、[12]に記載のプロセス。
[14]
前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルであり;前記活性化剤がDMAPであり;前記有機塩基が、トリエチルアミン又はDIPEAであり;前記有機溶媒がDMAであり;約−20℃〜約80℃の範囲の温度である、[10]に記載のプロセス。
[15]
前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルであり;前記活性化剤がDMAPであり;前記有機塩基が、トリエチルアミン又はDIPEAであり;前記有機溶媒が、アセトン又は酢酸エチルであり;約−20℃〜約80℃の範囲の温度である、[10]に記載のプロセス。
[16]
環化直後にDMAPAが添加される、[15]に記載のプロセス。
[17]
工程(2e)は、さらに、チオノクロロギ酸フェニルとDMAPとを反応させ、単離可能な四級塩化合物(S1)を生成すること;
【化10】
次いで、化合物(XVII)と、化合物S1とを;トリエチルアミン又はDIPEAから選択される有機塩基存在下;DMA中;約−20℃〜約80℃の範囲の温度で反応させ;対応する化合物(X)を得ること
を含む、[10]に記載のプロセス。
[18]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2d)が、さらに、
【化11】
式(2c−2B)の化合物と、チオカルボニル源とを;活性化剤存在下;有機溶媒中;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ;式(2e)の対応する化合物を得ること;次いで、
【化12】
式(2e)の化合物を、メチルアミンで;有機溶媒中;ほぼ周囲温度で処理し、対応する化合物(X)を得ることによって、化合物(2c−2B)から化合物(2e)に変換すること
を含む、プロセス。
[19]
[18]に記載のプロセスであって、さらに、
式(2c−2B)の化合物と、O,O’−ジ(ピリジン−2−イル)カルボノチオエート、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン、チオホスゲン、チオノクロロギ酸フェニル、O−(2−ナフチル)チオノクロロホルメート、トリルチオノクロロホルメート及びチオカルボニルビス(ベンゾトリアゾール)からなる群から選択されるチオカルボニル源とを;DMAP、NaH及びNaOHからなる群から選択される活性化剤存在下;ジメチルアセトアミド、DMF、トルエン、DMSO、THF及びジオキサンからなる群から選択される有機溶媒中;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ;式(2e)の対応する化合物を得ること;その後
式(2e)の前記化合物を、メチルアミンで;THF、DMF、DMA、エタノール及びこれらの水性混合物からなる群から選択される有機溶媒中;ほぼ周囲温度で処理し、対応する化合物(X)を得ること
をさらに含む、プロセス。
[20]
式(2e)の前記化合物をメチルアミンで処理することは、さらに、エタノールを有機溶媒として用いることを含む、[19]に記載のプロセス。
[21]
[19]に記載のプロセスであって、さらに、
前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルである式(2c−2B)の化合物を、前記活性化剤がDMAPであり;前記有機溶媒が、アセトン又は酢酸エチルであり;約−20℃〜40℃の範囲の温度で反応させ、式(2e)の対応する化合物を得ること;その後
式(2e)の前記化合物を、メチルアミンで;エタノール中;ほぼ室温で処理し;対応する化合物(X)を得ること
を含む、プロセス。
[22]
[18]に記載のプロセスであって、工程(2f)が、さらに、
チオノクロロギ酸フェニルとDMAPとを反応させ、単離可能な四級塩化合物(S1)を生成すること
【化13】
次いで、化合物(2c−2B)と、化合物S1とを、トリエチルアミン又はDIPEAから選択される有機塩基存在下;DMA中;約−20℃〜約80℃の範囲の温度で反応させ;対応する化合物(X)を得ること
を含む、プロセス。
[23]
化合物(II)を調製するためのプロセスであって、
【化14】
臭化水素トリエチルアミン存在下、化合物(I)を、DMF存在下;溶媒としてのキシレン中で混合すること;
リン酸オキシブロミドのキシレン溶液を化合物(I)に加えること;
約3時間で約100℃まで加熱すること;次いで、
反応混合物を約70℃まで冷却した後、NaOHを加えて化合物(II)を得ること
を含む、プロセス。
[24]
化合物(III)を調製するためのプロセスであって、
【化15】
化合物(II)のキシレン溶液と、シアン化ナトリウムとを、ヨウ化銅(I)存在下;ブチロニトリル中;約120℃の温度で反応させ、化合物(III)を得ることを含む、プロセス。
[25]
化合物(IV)を調製するためのプロセスであって、
【化16】
攪拌しながらHPOを5% Pt/C触媒F101 R/W及び脱イオン水のスラリーに加えることによって触媒スラリーを調製すること;
攪拌しながらNHVOをスラリーに約15分間で加えること;その後
化合物(III)と、前記触媒スラリーとを、キシレン及びブチロニトリルからなる群から選択される有機溶媒又は溶媒混合物中;不活性雰囲気下;水素ガス存在下;約70℃の温度で反応させ、化合物(IV)を得ること
を含む、プロセス。
[26]
Pがアミノ保護基である化合物(X)の調製に有用な式(XII−c)の化合物。
【化17】
[27]
Pがt−ブトキシカルボニルである、[26]に記載の化合物。
[28]
化合物(X)の調製に有用な化合物(XIII)。
【化18】
[29]
化合物(X)の調製に有用な化合物(XVII)。
【化19】
[30]
化合物(X)の調製に有用な式(2c−2B)の化合物。
【化20】