【実施例】
【0065】
具体的実施例
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために記載するものであり、本明細書に付属す
る「特許請求の範囲」に記載される発明をいかなる意味においても限定することを目的と
したものではなく、またそのように解釈されるべきではない。
【0066】
以下の実施例では、一部の合成生成物は、「残留物」として単離されているものとして
列挙される。この用語「残留物」が、その生成物を単離した物理的状態を限定せず、例え
ば、固体、油、泡状物、ゴム状物及びシロップ状物などを含んでよいことは、当業者には
理解されるであろう。
【0067】
(実施例1)
【0068】
【化14】
【0069】
工程A.化合物IIの調製
【0070】
【化15】
【0071】
容器に、19gの化合物(I)、5gの臭化水素トリエチルアミン、49gのキシレン
及び67gのDMFを投入した。この反応混合物に、26gのリン酸オキシブロミドを1
6gのキシレンに溶かした溶液を入れた。反応混合物を3時間かけて100℃まで加熱し
た。次いで、この混合物を70℃まで冷却した。この混合物に、75gのNaOH溶液(
10M)を加えた。室温での相分離の後、有機層を84gのNaOH水溶液(10M)で
洗浄し、次いで、84gのNaCl水溶液(25%)で洗浄した。さらに精製することな
く、この有機相を次の工程に持ち越した。化合物(II)の特性決定の目的のために、ヘ
プタンからの結晶化による単離を行った。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ
9.36,8.75。
【0072】
工程B.化合物IIIの調製
【0073】
【化16】
【0074】
上述の化合物(II)のキシレン溶液に、8.7gのシアン化ナトリウム、6.8gの
ヨウ化銅(I)、45gのブチロニトリルを加えた。この混合物を20時間かけて120
℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、炭酸ナトリウム水溶液(10%)で2回洗浄した
。この有機相を次の工程に持ち越した。化合物(III)の特性決定の目的のために、単
離を行った。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ 149.3,145.
4,133.9,131.9,130.1,119.5,114.0。
【0075】
【化17】
工程C.化合物(IV)の調製
【0076】
改質された触媒スラリーの調製
1.00gの5% Pt/C触媒F101 R/W(Evonik AG製、約60%
の水を含有する)及び4.0mLの脱イオン水のスラリーに、20mLのガラスビーカー
中、0.156g(0.129mL、50% w/w)のH
3PO
2を加えた。磁気攪拌
棒を用いて攪拌しながら15分後、58mgのNH
4VO
3を加え、スラリーを再び15
分間攪拌した。
【0077】
水素添加
100mLのオートクレーブに、10.0gの化合物(III)(46.1mmol)
を26.7mLのキシレン及び13.3mLのブチロニトリルに溶かした溶液を投入した
。この溶液に、2mLの脱イオン水を用いつつ、改質された触媒スラリーを加えた。オー
トクレーブを閉じ、次いで、窒素を用いて10barまで3回加圧することによって不活
性化し、水素を用いて10barまで3回加圧した。反応器の圧力を水素5.0barに
設定し、攪拌を開始し(中空シャフトタービン撹拌機、1200rpm)、混合物を50
分以内に70℃まで加熱した。70℃に達したらすぐに、水素の取り込みが止まった。さ
らに40分間攪拌した後、加熱を止め、オートクレーブを冷却した。スラリーをファイバ
ーガラスフィルタに通して濾過し、40mLのキシレンを用い、20〜23℃で何回かに
わけて洗浄した。ブチロニトリル溶媒を蒸発させ、溶液から化合物(IV)を結晶化させ
た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ 8.20(d,J=2.4Hz
,1H),7.31(d,J=2.6Hz,1H),7.04(s,NH)。
【0078】
工程D.化合物(XII)の調製
【0079】
【化18】
【0080】
方法A.18g(96.2mmol)の化合物(IV)、24.8g(109.7mm
ol)の化合物(XI)のテトラヒドロフラン(THF)54mL中の混合物に、18.
5mL(106mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及び1
7g(104mmol)のカルボニルジイミダゾール(CDI)を20℃で何回かにわけ
て加えた。混合物を60℃まで加熱し、15.4g(101mmol)の1,8−ジアザ
ビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を加えた。2時間後、混合物をテ
トラヒドロフラン(THF)108mLで希釈し、クエン酸水溶液(水72mL中50g
)で洗浄した。その後、共沸蒸留を用いることによって、有機層から水を取り去った。T
HF中の化合物(XII)をそのまま次の工程で使用した。特性決定の目的のために少量
のサンプルを単離した。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3)δ 10.4(s,
1H),8.74(s,2H),5.18(s,1H),2.79(m,2H),2.2
2(m,2H),2.12(m,2H),1.49(s,9H);
13C NMR(CD
Cl
3,JMOD)δ 172.7,143.6,138.2,131.0,123.5
,123.3,114.4,82.2,59.9,30.7,28.3,15.1。
【0081】
方法B.40g(214mmol)の化合物IV、37.8g(233mmol)のカ
ルボニルジイミダゾール(CDI、109.7mmol)のテトラヒドロフラン(THF
)120mL中の混合物に、55g(244mmol)の化合物(XI)のテトラヒドロ
フラン(THF)240mLの溶液を加えた。混合物を60℃まで加熱し、33.7mL
(224mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DB
U)を添加した。4時間後、混合物をクエン酸水溶液(水160mL中112g)で洗浄
した。50℃での相分離の後、共沸蒸留を用いることによって、有機層から水を分離した
。THF中の化合物(XII)をそのまま次の工程のために使用した。
【0082】
工程E.5−イソシアナト−3−(トリフルオロメチル)ピコリノニトリル(IVa)
を介する化合物(XII)の調製
【0083】
【化19】
【0084】
反応器に、0.2g(1.1mmol)の化合物(IV)、6mLの乾燥DCMを投入
し、0℃まで冷却した。トリホスゲン(0.22g、0.67eq)を加え、その後、ト
リエチルアミン(0.55g、5eq)を滴下した。混合物を0℃で攪拌し、2時間後、
HPLC分析によれば、化合物(IV)は、完全に化合物(IVa)に変換された。化合
物(XI)(0.28g、1.2eq)を加え、混合物をさらに0℃で攪拌した。1時間
後のHPLC分析は、混合物中、化合物(XII)への転化率42%を示した。
【0085】
工程F.化合物の調製(XIII)
【0086】
【化20】
【0087】
塩酸の6Mイソプロパノール溶液(2eq.)を、化合物(XII)のTHF溶液に加
えた。攪拌した反応溶液を5時間かけて70℃まで加熱した。反応が終了した後、混合物
を環流するまでさらに加熱し、2−プロパノールと入れ替えた。反応物を30℃まで冷却
し、水酸化アンモニウム溶液(3eq.)を加えた。混合物を1時間攪拌し、次いで、5
℃まで冷却した。濾過によって沈殿を集めた。濾過ケーキを水で1回洗浄し、冷イソプロ
パノールで1回洗浄した。部分的な減圧下、50℃で濾過ケーキを乾燥させ、化合物(X
III)を収率80%で生成した。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 10
.2(s,1H),8.84(s,2H),2.81(m,2H),2.13(m,2H
),2.07(m,2H);
13C NMR(CDCl
3,JMOD)δ 175.8,
143.4,137.5,122.9,114.4,59.3,34.9,14.3。
【0088】
工程G.化合物(XV)の調製
【0089】
【化21】
【0090】
方法A.2gの化合物(XIII)を10mLのDMAに溶かした溶液を、1.2eq
の化合物(XIV)−Cl(X=Cl)、2.5eqの酢酸カリウム、1.0eqの塩化
銅(I)、5mLのDMAを投入した反応器に6時間かけて加えた。反応混合物を攪拌し
、130℃まで加熱した。さらに17時間攪拌した後、HPLC分析は、反応混合物中の
40%の化合物(XV)を示した。
【0091】
方法B.反応器に、1gの化合物(XIII)、1.18gの化合物(XIV)−I(
X=I)、0.7gの酢酸カリウム、0.22gの銅スポンジ(1eq)、7mLのDM
SOを投入した。混合物を25℃で7時間攪拌した。HPLC分析は、化合物(XV)へ
の転化率が93%であることを示した。EtOHを添加した後、水、濃水酸化アンモニウ
ムを添加した後、濾過によって化合物(XV)を収率90%で単離した。
1H NMR(
300MHz,CDCl
3)δ 10.74(m,1H),9.28(m,1H),8.
75(m,1H),7.67(t,J=2×8.7Hz,1H),7.55(s,1H)
,7.20(m,2H),6.33(d,J=8.5Hz,1H),6.18(d,J=
13.8Hz,1H),3.75(s,3H)2.76(m,2H),2.24(m,2
H),1.98(m,2H);
13C NMR(CDCl
3,JMOD)δ 174.6
,164.4,163.8,161.1,151.7,151.6,144.7,139
.0,133.1,128.8,128.1,123.8,114.7,109.10,
105.6,60.6,51.4,30.1,14.40。
【0092】
工程H.化合物(IX)の調製
【0093】
【化22】
【0094】
方法A.反応器に、1gの化合物(XV)、1.1gの1,1’−チオカルボニルビス
(ピリジン−2(1H)−オン)、0.56gのDMAP、6.2mLのDMAを投入し
た。混合物を攪拌し、20時間かけて60℃まで加熱した。この時間の後、6mLのEt
OHを添加し、次いで、6mLの水を添加した。次いで、反応物を0℃まで冷却した。化
合物(IX)を、収率70%で濾過によって単離した。
1H NMR(300MHz,D
MSO)δ 9.23(s,J=1.9Hz,1H),8.77(s,J=2.1Hz,
1H),8.18(t,J=2×8.2Hz,1H),7.58(dd,J=10.9,
1.7Hz,1H),7.48(dd,J=8.3,1.7Hz,1H),3.9(s,
3H),2.65(m,2H),2.50(m,2H),2.00(m,1H),1.6
1(m,1H);
13C NMR(DMSO,JMOD)δ 179.6,174.2,
163.3,153.4(ArH),140.9,135.5(ArH),132.9(
ArH),128.9,126.5(ArH),118.9(ArH),114.2,6
7.7,52.6(CH
3),31.2,13.4。
【0095】
方法B.反応器に、0.5gの化合物(XV)、0.35g(2.5eq)のDMAP
、5mLのDMAを投入した。混合物を攪拌し、−20℃まで冷却した。この混合物に、
チオノクロロギ酸フェニル(0.5g、2.5eq)を添加し、次いで、0.46g(4
eq)のトリエチルアミンを添加した。混合物を室温まで加温し、3時間攪拌した。HP
LC分析は、化合物(IX)への転化率が97%であることを示した。
【0096】
工程I.化合物(IX)を介する化合物(X)の調製
【0097】
【化23】
【0098】
反応器に0.85gの化合物(IX)を投入した。メチルアミンのエタノール溶液(8
.5mL)を加え、混合物を周囲温度で3時間攪拌した。次いで、反応混合物を、酢酸5
.1mLと水19mLの混合物に注いだ。濾過によって化合物(X)を収率55%で単離
した。
1H NMR(300MHz,DMSO)δ 9.22(s,1H),8.79(
d,J=1.9Hz,1H),8.52(m,1H),7.83(t,J=8×2Hz,
1H),7.48(dd,J=10.5,1.8Hz,1H),7.39(dd,J=8
.2,1.8Hz,1H),2.8(d,J=4.5Hz,3H),2.65(m,2H
),2.50(m,2H),2.00(m,1H),1.61(m,1H)。
【0099】
(実施例2)
【0100】
【化24】
【0101】
工程A.化合物の調製(XVII)
【0102】
【化25】
【0103】
方法A.1L反応器に、7.8g(38mmol)の化合物(XVI)−Br(X=B
r)、69.7g(2.5eq.,79mmol)の酢酸カリウム、12g(0.3eq
.,9.5mmol)の臭化銅(I)、12.8mL(0.3eq.,9.5mmol)
のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、及び27mLのDMAを投入し
た。混合物を攪拌して、120℃まで加熱した。9.0gの化合物(XIII)を12.
7mLのDMAに溶かした溶液を、この熱い混合物に2時間かけて入れた。さらに2時間
攪拌した後、混合物を60℃まで冷却した。27mLの水を添加し、その後、18mLの
アセトニトリルの添加を完結した。種結晶を加え、1時間熟成した後、18mLの水を2
時間かけてゆっくりと入れた。混合物を冷却し、次いで、化合物(XVII)を濾過によ
って収率84%で単離した。
1H NMR(300MHz,DMSO)δ 10.7(s
,1H),9.3(s,1H),8.74(s,1H),7.73(m,1H),7.4
7(m,1H),7.19(s,1H),6.30(d,J=8.3Hz,1H),6.
10(d,J=13.9Hz,1H),2.70(m,3H),2.70(m,3H),
2.17(m),1.95(m);
13C NMR(DMSO,JMOD)δ 175.
0,163.7,162.3,159.1,149.6,149.4,144.6(Ar
H),139.0,131.5(ArH),129.4,129.0,123.6(Ar
H),122.4,120.0,114.7,111.4,111.2,109.2(A
rH),99.5(ArH),60.6,30.1,26.2,14.3。
【0104】
方法B.反応器に、500mgの化合物(XIII)、1.1当量の化合物(XVI)
−Br(X=Br)、1当量の銅粉末、2.0当量の酢酸カリウム、2.5mLのDMS
Oを投入した。混合物を18時間かけて60℃まで加熱し、その後、HPLCは、化合物
XVIIの80%が生成されたことを示していた。
【0105】
工程B.化合物(XVII)からの化合物(X)の調製
方法A.反応器に、48gの化合物(XVII)、52.8gの1,1’−チオカルボ
ニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、13.5gの4−ジメチルアミノピリジン、
144mLのDMAを投入した。混合物を攪拌し、2時間かけて90℃まで加熱した。次
いで、反応物を60℃まで冷却した。体積37mLのHCl(イソプロパノール中6M)
を加え、その後、144mLのイソプロパノール及び216mLの水を加えた。濾過によ
って化合物(X)を収率80%で単離した。
【0106】
方法B.
【0107】
【化26】
【0108】
DMAP(b12、2.0g)の一部を20mLのDCMに溶解し、−30℃まで冷却
した。チオノクロロギ酸フェニル(b11、4.3g、1.5eq)を加え、混合物を1
時間攪拌した。混合物を濾過し、集めた固体を減圧下、室温で乾燥させ、4.3gの四級
塩(S1)を黄色結晶生成物として得た。
1H NMR(400MHz,CD
3CN):
3.39(6H,s),7.04(2H,d),7.29(2H,d),7.44(1H
,t),7.58(2H,t),9.04(2H,d)。
【0109】
化合物(XVII)(0.5g、1.1mmol)及びトリエチルアミン(0.93g
、8.8mmol)を21℃で5mLのDMAに溶解した。塩S1(0.81g、2.7
5mmol)を加え、溶液を室温で攪拌した。1時間後のHPLCによる溶液の分析は、
化合物(X)への転化率38%を示した。
【0110】
方法C.DMAP(4.41g、2.2eq、36.1mmol)を107mLの酢酸
エチルに溶解し、60℃まで加熱した。化合物(XVII)(7.15g、16.4mm
ol)を加え、その後、35mLの酢酸エチルを蒸留し、水を除去した。50℃で、6.
24g(2.2eq.,36.1mmol)のチオノクロロギ酸フェニルを添加し、混合
物を1時間攪拌した後、9.16mL(65.7mmol)のトリエチルアミンを添加し
た。反応物を50℃で6時間維持し、次いで、5℃まで冷却した。13.7mL(5eq
.,82.1mmol)の塩酸の2−プロパノール6M溶液を加えた。次いで、混合物を
35.8mLの水で洗浄し、次いで、塩水で洗浄した。得られた有機層を蒸発させ、トル
エン及びn−ブタノールと交換した。種結晶を加えた後、混合物を冷却し、化合物(X)
を濾過によって集め、洗浄し、乾燥させた。収率:72%。
【0111】
方法D.DMAP(15.4g、2.2eq)を250mLの酢酸エチルに溶解した。
化合物(XVII)(25g)を加え、その後、50℃まで加熱した。チオノクロロギ酸
フェニル(2.2eq.)を加え、混合物を1時間攪拌した後、32mL(4.0eq)
のトリエチルアミンを添加した。反応温度を50℃で6時間維持し、次いで、20℃まで
冷却した。N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン(DMAPA)(2eq.)を
加え、混合物を5時間攪拌した。塩酸の2−プロパノール6M溶液(125mL)を加え
、30℃で2時間攪拌した。次いで、有機層を125mLの水で洗浄した。得られた有機
層を濃縮し、n−ブタノールと交換した。種結晶を加えた後、混合物を冷却し、化合物(
X)を濾過によって集め、洗浄し、乾燥させた。収率:79%。
【0112】
上記の明細書は説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれるすべての通常の変形例、適合例及び/又は改変例が包含される点は理解されるであろう。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
化合物(X)を調製するためのプロセスであって、
【化1】
Pがアミノ保護基である式(XI−c)の化合物と、化合物(IV)とを、アミド結合生成条件下;アミドカップリング剤存在下;触媒存在下;有機溶媒中;約0℃〜約50℃の範囲の温度で反応させ;式(XII−c)の対応する化合物を得ること;又は、
【化2】
化合物(IV)と、ホスゲン又はホスゲン類似体とを;有機塩基存在下;非プロトン性溶媒中で反応させ;次いで、得られたイソシアネート中間体(IVa)を、場合により単離せずに式(XI−c)の化合物で;非求核性塩基存在下;約−20℃〜約80℃の範囲の温度で処理し;式(XII−c)の対応する化合物を得ること;
【化3】
式(XII−c)の化合物を、アミノ脱保護条件下;有機溶媒中;周囲温度より高い温度で反応させ;対応する化合物(XIII)を得ること;
【化4】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、及びWが、C1〜8アルコキシ又はメチルアミノである式(2c−1)の化合物とを;Cu(0)源又は銅塩存在下;無機塩基存在下;有機溶媒中;場合により配位子存在下;場合により還元剤存在下;ほぼ室温〜約140℃の範囲の温度で反応させ;WがC1〜8アルコキシ(2c−2B)又はメチルアミノ(XVII)である式(2c−2)の対応する化合物を得ること;
【化5】
式(2c−2)の化合物を化合物(X)に変換すること
を含む、プロセス。
[2]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2a)が、さらに、
【化6】
Pがアミノ保護基である式(XI−c)の化合物と、化合物(IV)とを、アミド結合生成条件下;1,1−カルボニルジイミダゾール、T3P、EDCI、DMTMM及びEEDQからなる群から選択されるアミドカップリング剤存在下;DBU、DBN、DABCO、トリエチルアミン、DIPEA、TBD、TMG、MTBD、NaH、KOtBu及びLiHMDSからなる群から選択される触媒存在下;トルエン、MeTHF、THF、iPrOAc、DCM及びIPAからなる群から選択される有機溶媒中;約0℃〜約50℃の範囲の温度で反応させ;式(XII−c)の対応する化合物を得ることを含む、プロセス。
[3]
前記アミドカップリング剤が1,1−カルボニルジイミダゾールであり、前記触媒がDBUである、[2]に記載のプロセス。
[4]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2a−1)が、さらに、
【化7】
化合物(IV)と、ホスゲン、又はトリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)、及びジホスゲン(トリクロロメチルクロロホルメート)から選択されるホスゲン類似体とを、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン及びDABCOからなる群から選択される有機塩基存在下;DCM、トルエン、THF又はMeTHFである非プロトン性溶媒中;約−20℃〜約50℃の範囲の温度で反応させ;イソシアネート中間体(IVa)を生成すること;次いで、前記イソシアネート中間体(IVa)と、式(XI−c)の化合物とを;DBU、DBN、DABCO、トリエチルアミン、TBD、TMG及びMTBDからなる群から選択される非求核性塩基存在下;約−20℃〜約80℃の範囲の温度で反応させ;式(XII−c)の対応する化合物を得ること
を含む、プロセス。
[5]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2c)が、さらに、
【化8】
化合物(XIII)と、Xが、クロロ、ブロモ又はヨードであり、及びWが、C1〜8アルコキシ又はメチルアミノである式(2c−1)の化合物とを;(1)銅粉末又は銅スポンジであるCu(0)源;又は(2)塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、酢酸第一銅及び臭化第二銅からなる群から選択される銅塩;のいずれかが存在する状態で;酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム及びCsFからなる群から選択される無機塩基存在下;DMF、DMA、DMSO、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル又はアミルアルコールである有機溶媒中;塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅及び酢酸第一銅からなる群から選択されるCu(I)塩を添加し又は添加せずに、場合により、2−アセチルシクロヘキサノン、TMEDA又はフェナントロリンのような配位子存在下;さらに、場合により、アスコルビン酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムである還元剤存在下;ほぼ室温〜約140℃の範囲の温度で反応させ;WがC1〜8アルコキシ(2c−2B)又はメチルアミノ(XVII)である式(2c−2)の対応する化合物を得ること
を含む、プロセス。
[6]
[5]に記載のプロセスであって、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物とを、臭化第一銅存在下;TMEDA存在下;酢酸カリウム存在下;有機溶媒DMA中;約80℃〜約140℃の範囲の温度で反応させることを含む、プロセス。
[7]
[5]に記載のプロセスであって、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物とを、銅粉末又は銅スポンジである銅(0)源存在下;酢酸カリウム又はピバル酸ナトリウム存在下;有機溶媒DMSO中;約0℃〜約80℃の範囲の温度で反応させることを含む、プロセス。
[8]
[5]に記載のプロセスであって、化合物(XIII)と、式(2c−1)の化合物とを、銅粉末又は銅スポンジである銅(0)源存在下;酢酸カリウム存在下;塩化第一銅、ヨウ化第一銅、臭化第一銅及び酢酸第一銅からなる群から選択される銅(I)塩を添加しつつ;有機溶媒DMSO中;約0℃〜約80℃の範囲の温度で反応させることを含む、プロセス。
[9]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2d)は、さらに、
【化9】
化合物(XVII)と、チオカルボニル源とを;活性化剤存在下;有機溶媒中;場合により有機塩基存在下;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ、対応する化合物(X)を得ることによって、化合物(XVII)から化合物(X)に変換すること
を含む、プロセス。
[10]
[9]に記載のプロセスであって、工程(2e)が、さらに、化合物(XVII)と、O,O’−ジ(ピリジン−2−イル)カルボノチオエート、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン、チオホスゲン、チオノクロロギ酸フェニル、O−(2−ナフチル)チオノクロロホルメート、トリルチオノクロロホルメート及びチオカルボニルビス(ベンゾトリアゾール)からなる群から選択されるチオカルボニル源とを;DMAP、NaH及びNaOHからなる群から選択される活性化剤存在下;DMA、DMF、トルエン、DMSO、ACN、THF、DCM、EtOAc、アセトン、MEK及びジオキサンからなる群から選択される有機溶媒中;場合によりトリエチルアミン又はDIPEAから選択される有機塩基存在下;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ、対応する化合物(X)を得ることを含む、プロセス。
[11]
前記チオカルボニル源が、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)である、[10]に記載のプロセス。
[12]
前記活性化剤がDMAPである、[11]に記載のプロセス。
[13]
前記有機溶媒がDMAである、[12]に記載のプロセス。
[14]
前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルであり;前記活性化剤がDMAPであり;前記有機塩基が、トリエチルアミン又はDIPEAであり;前記有機溶媒がDMAであり;約−20℃〜約80℃の範囲の温度である、[10]に記載のプロセス。
[15]
前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルであり;前記活性化剤がDMAPであり;前記有機塩基が、トリエチルアミン又はDIPEAであり;前記有機溶媒が、アセトン又は酢酸エチルであり;約−20℃〜約80℃の範囲の温度である、[10]に記載のプロセス。
[16]
環化直後にDMAPAが添加される、[15]に記載のプロセス。
[17]
工程(2e)は、さらに、チオノクロロギ酸フェニルとDMAPとを反応させ、単離可能な四級塩化合物(S1)を生成すること;
【化10】
次いで、化合物(XVII)と、化合物S1とを;トリエチルアミン又はDIPEAから選択される有機塩基存在下;DMA中;約−20℃〜約80℃の範囲の温度で反応させ;対応する化合物(X)を得ること
を含む、[10]に記載のプロセス。
[18]
[1]に記載のプロセスであって、工程(2d)が、さらに、
【化11】
式(2c−2B)の化合物と、チオカルボニル源とを;活性化剤存在下;有機溶媒中;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ;式(2e)の対応する化合物を得ること;次いで、
【化12】
式(2e)の化合物を、メチルアミンで;有機溶媒中;ほぼ周囲温度で処理し、対応する化合物(X)を得ることによって、化合物(2c−2B)から化合物(2e)に変換すること
を含む、プロセス。
[19]
[18]に記載のプロセスであって、さらに、
式(2c−2B)の化合物と、O,O’−ジ(ピリジン−2−イル)カルボノチオエート、1,1’−チオカルボニルビス(ピリジン−2(1H)−オン)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン、チオホスゲン、チオノクロロギ酸フェニル、O−(2−ナフチル)チオノクロロホルメート、トリルチオノクロロホルメート及びチオカルボニルビス(ベンゾトリアゾール)からなる群から選択されるチオカルボニル源とを;DMAP、NaH及びNaOHからなる群から選択される活性化剤存在下;ジメチルアセトアミド、DMF、トルエン、DMSO、THF及びジオキサンからなる群から選択される有機溶媒中;約−20℃〜約100℃の範囲の温度で反応させ;式(2e)の対応する化合物を得ること;その後
式(2e)の前記化合物を、メチルアミンで;THF、DMF、DMA、エタノール及びこれらの水性混合物からなる群から選択される有機溶媒中;ほぼ周囲温度で処理し、対応する化合物(X)を得ること
をさらに含む、プロセス。
[20]
式(2e)の前記化合物をメチルアミンで処理することは、さらに、エタノールを有機溶媒として用いることを含む、[19]に記載のプロセス。
[21]
[19]に記載のプロセスであって、さらに、
前記チオカルボニル源がチオノクロロギ酸フェニルである式(2c−2B)の化合物を、前記活性化剤がDMAPであり;前記有機溶媒が、アセトン又は酢酸エチルであり;約−20℃〜40℃の範囲の温度で反応させ、式(2e)の対応する化合物を得ること;その後
式(2e)の前記化合物を、メチルアミンで;エタノール中;ほぼ室温で処理し;対応する化合物(X)を得ること
を含む、プロセス。
[22]
[18]に記載のプロセスであって、工程(2f)が、さらに、
チオノクロロギ酸フェニルとDMAPとを反応させ、単離可能な四級塩化合物(S1)を生成すること
【化13】
次いで、化合物(2c−2B)と、化合物S1とを、トリエチルアミン又はDIPEAから選択される有機塩基存在下;DMA中;約−20℃〜約80℃の範囲の温度で反応させ;対応する化合物(X)を得ること
を含む、プロセス。
[23]
化合物(II)を調製するためのプロセスであって、
【化14】
臭化水素トリエチルアミン存在下、化合物(I)を、DMF存在下;溶媒としてのキシレン中で混合すること;
リン酸オキシブロミドのキシレン溶液を化合物(I)に加えること;
約3時間で約100℃まで加熱すること;次いで、
反応混合物を約70℃まで冷却した後、NaOHを加えて化合物(II)を得ること
を含む、プロセス。
[24]
化合物(III)を調製するためのプロセスであって、
【化15】
化合物(II)のキシレン溶液と、シアン化ナトリウムとを、ヨウ化銅(I)存在下;ブチロニトリル中;約120℃の温度で反応させ、化合物(III)を得ることを含む、プロセス。
[25]
化合物(IV)を調製するためのプロセスであって、
【化16】
攪拌しながらH3PO2を5% Pt/C触媒F101 R/W及び脱イオン水のスラリーに加えることによって触媒スラリーを調製すること;
攪拌しながらNH4VO3をスラリーに約15分間で加えること;その後
化合物(III)と、前記触媒スラリーとを、キシレン及びブチロニトリルからなる群から選択される有機溶媒又は溶媒混合物中;不活性雰囲気下;水素ガス存在下;約70℃の温度で反応させ、化合物(IV)を得ること
を含む、プロセス。
[26]
Pがアミノ保護基である化合物(X)の調製に有用な式(XII−c)の化合物。
【化17】
[27]
Pがt−ブトキシカルボニルである、[26]に記載の化合物。
[28]
化合物(X)の調製に有用な化合物(XIII)。
【化18】
[29]
化合物(X)の調製に有用な化合物(XVII)。
【化19】
[30]
化合物(X)の調製に有用な式(2c−2B)の化合物。
【化20】