(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903807
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】エアロゾル生成器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20210701BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20210701BHJP
A24F 40/485 20200101ALI20210701BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/42
A24F40/485
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-195341(P2020-195341)
(22)【出願日】2020年11月25日
(62)【分割の表示】特願2017-560145(P2017-560145)の分割
【原出願日】2016年5月16日
(65)【公開番号】特開2021-45147(P2021-45147A)
(43)【公開日】2021年3月25日
【審査請求日】2020年11月25日
(31)【優先権主張番号】15168224.2
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】100169100
【弁理士】
【氏名又は名称】辰川 肇
(72)【発明者】
【氏名】キャロル,ジェームズ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ブライス,リンゼイ・アリス
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,クリストファー・ウィリアム
【審査官】
河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/037794(WO,A2)
【文献】
特開平11−033097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00−47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成器であって、
カプセル(20)であって、(i)エアロゾル生成物質を保持するよう配置され、アウトレットを含む外殻、(ii)気化されたエアロゾル生成物質を生成するように前記カプセル(20)の中の前記エアロゾル生成物質を気化させるヒータ、および、(iii)電気的接続部、を含む当該カプセル(20)と、
前記カプセル(20)を保持する長尺本体(12)と、を備え、 前記長尺本体(12)は、
前記長尺本体(12)の一端(13)に設けられた孔と、
前記長尺本体(12)の1つの側部上に位置し、前記カプセル(20)の一部分を受け入れる受入部(11)と、
前記気化されたエアロゾル生成物質を前記カプセル(20)から吸い込む物質移送手段と、
電源と、
前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに前記カプセル(20)に面する第1面と、
前記第1面の反対側の第2面と、を含み、
前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに前記第2面と前記カプセル(20)との間に前記第1面が配置され、
前記アウトレットは、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに、前記物質移送手段と係合し、前記物質移送手段は、前記カプセル(20)の前記アウトレットと前記長尺本体(12)の前記孔との間に導管を形成し、前記導管は、前記長尺本体(12)の前記第1面と前記第2面との間を前記カプセル(20)の前記外殻に沿うように通って前記孔に至り、
前記電気的接続部は、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられた状態で前記ヒータが前記電源によって駆動されるように構成されている、
ことを特徴とするエアロゾル生成器。
【請求項2】
前記カプセル(20)から吸い出される前記気化されたエアロゾル生成物質は、前記孔から吸い出されるように前記導管を通る、
ことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成器。
【請求項3】
前記カプセル(20)の前記外殻は、平坦な側面を含み、
前記長尺本体(12)の前記第1面は、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに前記カプセル(20)の前記外殻の前記平坦な側面に面する平坦面を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル生成器。
【請求項4】
前記導管の一部分は、前記長尺本体(12)の前記平坦面に沿って延びている、
ことを特徴とする請求項3に記載のエアロゾル生成器。
【請求項5】
前記カプセル(20)は、半円筒面および前記平坦な側面で構成される半円筒形状を有し、前記長尺本体(12)は、円形または楕円形の断面を有する第1部分(15)と、前記平坦面を有する第2部分(16)とを含む、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のエアロゾル生成器。
【請求項6】
前記カプセル(20)を保持する保持手段と、
前記カプセル(20)に対してユーザが与える力によって前記カプセル(20)が取り外されるように前記保持手段を解放する解放手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエアロゾル生成器。
【請求項7】
前記解放手段は、解放ボタン(17)を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル生成器。
【請求項8】
前記受入部(11)および前記カプセル(20)は、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに前記カプセル(20)が少なくとも部分的に前記長尺本体(12)の外部に露出しているように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエアロゾル生成器。
【請求項9】
前記受入部(11)および前記カプセル(20)は、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに前記カプセル(20)が前記長尺本体(12)の前記第1面に沿って延在するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のエアロゾル生成器。
【請求項10】
前記受入部(11)および前記カプセル(20)は、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに前記カプセル(20)が前記長尺本体(12)の第1端(13)および第2端(14)を超えないように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のエアロゾル生成器。
【請求項11】
前記カプセル(20)の前記外殻は、透明部分を有し、
前記長尺本体(12)は、ユーザが前記透明部分を通して前記カプセル(20)の中に残留するエアロゾル生成物質を目視で判断することができるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のエアロゾル生成器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成器及びエアロゾル生成器と共に使用されるカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
電子たばこ等のエアロゾル生成器は、比較的よく知られ、普及してきている。こうした電子たばこの最も一般的な動作原理としては、材料を燃やすこと無く香味付け蒸気を供給するものである。通常、これらは、電動式熱源と液体の容器とを備え、この液体を熱源に送達することで蒸気を発生させる。
【発明の概要】
【0003】
この処理に液体が使われ、所定量を使用した後に容器は空になる。従って、従来の電子たばこでは、多くの場合、ヒーター及び液体の容器を含む取り替え可能なカートリッジが提供され、こうしたカートリッジは、必要に応じて廃棄し交換することができる。しかし、こうした従来の機器では、いくつかの課題がある。
【0004】
まず、従来の機器では、エアロゾル生成物質の容器は、ユーザにとって使用中にその容器内に残っているエアロゾル生成物質の量が特定しにくいような形態で着脱可能なカートリッジ内に配置されている。そのため、物質が無くなった後も機器を使い続けることになり、ユーザにとって不快な風味になる。また、カートリッジが不意に空になってしまうため、ユーザは、継続して使用するための予備のカートリッジを購入することが難しくなってしまう。よって、ユーザにとって、容器内に残っているエアロゾル生成物質の量が容易に特定できるようなカートリッジの配置が必要となっている。
【0005】
一般的に、従来のカートリッジは、バッテリーや本体内に配置された他の構成要素に接続するためにエアロゾル生成器の一端に螺嵌される。こうした配置により、機器の寸法が非常に大きくなり、機器を使用するには大きく、かさばり、使いにくくなる。カートリッジを機器の一端に配置するということは、この端は、取り替え可能なバッテリー用開口部やマウスピースなどの他の構成要素に対して使用することができなくなることを意味する。
【0006】
いくつかの従来の機器においては、多くの場合、容器を含む内部カートリッジを設置するために開けることができるエアロゾル生成器を提供するとことで、この問題を解決している。しかし、こうした配置の場合、小さな部品を取り扱ったり、機器の繊細な内部構成部品をさらしたりするなど、面倒な作業が必要になってくる。また、従来の機器においては、カプセルを本体に螺合することや、内部カプセルの配置後に本体の構成部品を組み合わせることが必要になる場合が多い。繰り返し使用すると、ネジ溝が摩耗して不具合が発生し、交換が必要となる。
【0007】
従って、カプセルを簡単な作業で外部に装着でき、機器の構成要素を開けたりネジを開けたりする必要の無いエアロゾル生成器及びカプセルが求められている。また、カプセル内に残っている物質の量をユーザが量ることができるように、部分的に外部に露出したままのカプセルも求められている。重要なのは、従来の外部カプセルに共通する好ましくない影響を有さずにこうした利点が得られなければならず、すなわち、使用時に扱いにくくなる機器寸法の実質的な増加無しに、得られなければならない。
【0008】
本
明細書に記載された1つの発明は、従来技術の問題点を克服するユーザにとって使いやすい方法で交換できる、エアロゾル生成器及び交換可能なカプセルを提供しようとするものである。
【0009】
本
明細書に記載された1つの発明によれば、エアロゾル生成器及び前記エアロゾル生成器とともに使用するのに適したカプセルが提供される。前記エアロゾル生成器は、前記エアロゾル生成器の一端に配置された空洞を備え、前記空洞は、カプセルを格納するように構成され、前記カプセルは、エアロゾル生成物質を収容するように構成されている。前記カプセルは、エアロゾル生成物質を保持するように配置された外殻と、前記カプセルが前記空洞内に保持される際に前記エアロゾル生成器と係合するように前記外殻内に配設されるアウトレットとを備える。
【0010】
本明細書に記載された1つの発明のエアロゾル生成器及びカプセルによれば、機器を分解したり構成要素のねじを緩めたりする必要が無いカプセルを簡単にかつユーザに使いやすい手順でエアロゾル生成物質を補充する手段を提供することができる。前記カプセルは、外部に装着するが、機器の寸法を実質的に増加しないので、使用する際に容易に取り扱うことができる機器を提供することができる。機器の端はまた、マウスピースやバッテリーなどの他の機器構成要素に対して自由に使えるようになっている。また、前記カプセルは、少なくとも部分的に機器の外部にあるので、ユーザは内部に収容されているエアロゾル生成物質の残量を判断することができる。更に、少なくとも部分的に露出しているカプセルを使用することで、バッテリーの大きさを(従って持続時間を)本体全体の大きさに影響を与えること無く増加させるように、機器の内部容量の大部分をバッテリー収納に使用することができる。
特許請求の範囲に記載された発明の1つの側面は、エアロゾル生成器に係り、前記エアロゾル生成器は、カプセル(20)であって、(i)エアロゾル生成物質を保持するよう配置され、アウトレットを含む外殻、(ii)気化されたエアロゾル生成物質を生成するように前記カプセル(20)の中の前記エアロゾル生成物質を気化させるヒータ、および、(iii)電気的接続部、を含む当該カプセル(20)と、前記カプセル(20)を保持する長尺本体(12)と、を備え、前記長尺本体(12)は、前記長尺本体(12)の一端(13)に設けられた孔と、
前記カプセルの前記外殻は、平坦な側面を有し、前記長尺本体(12)の1つの側部上に位置し、前記カプセル(20)の一部分を受け入れる受入部(11)と、前記気化されたエアロゾル生成物質を前記カプセル(20)から吸い込む物質移送手段と、電源と、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに前記カプセル(20)に面する第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を含み、
前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに前記第2面と前記カプセル(20)との間に前記第1面が配置され、前記アウトレットは、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられたときに、前記物質移送手段と係合し、前記物質移送手段は、前記カプセル(20)の前記アウトレットと前記長尺本体(12)の前記孔との間に導管を形成し、前記導管は、前記長尺本体(12)の前記第1面と前記第2面との間を前記カプセル(20)の前記外殻に沿うように通って前記孔に至り、前記電気的接続部は、前記カプセル(20)の前記一部分が前記受入部(11)によって受け入れられた状態で、前記ヒータが前記電源によって駆動される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の一例を添付の図面に基づいて説明する。
【
図1】本発明によるエアロゾル生成器及びカプセルを別々に示す底面斜視図。
【
図2】本発明によるエアロゾル生成器及びこのエアロゾル生成器に格納されたカプセルの上面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、本発明によるエアロゾル生成器10の例は、第1端13及び第2端14を有する長尺本体12を備える。エアロゾル生成器は更に、第1端13及び第2端14の間において本体12の長尺側上に配置された空洞11を備える。
図1は更に、エアロゾル生成物質を収容するように構成され、第1端23及び第2端24の間において長尺本体22を備える本発明のカプセル20を示す。エアロゾル生成器10の空洞11の形状及びカプセル20の形状は、カプセルが、本体12の長尺軸に略平行の方向30に沿ってエアロゾル生成器10の空洞11に挿入されてもよいように構成されている。そして、カプセルは、エアロゾル生成器10の長尺側に沿って密接して延在し、かつ、第1端13及び第2端14を超えないように延在するように、空洞11に格納されてもよい。
【0013】
図1のエアロゾル生成器10の例において、エアロゾル生成器10の本体12の断面は、その長さ方向の第1の部分15に沿って実質的な円形または楕円形を有し、機器は、この部分15に沿って、実質的な円筒形状を有する。この本体の残りの第2の部分16は、小さな断面積を有し、実質的に半円筒形状である。従って、本体12の全体的な形状は、円筒の部分長から実質的に半円筒形状の部分16を除いた残りの容積に近似することになる。従って、軸方向に整列する空洞11は、これらの2つの部分間の境界における開口部11として、機器の第1の円筒部分15内に形成される。
【0014】
また、カプセル20の本体22は、実質的に半円筒形状であり、カプセル10が挿入方向30に沿って挿入されて空洞11内に確実に保持されてもよいように、その断面は、エアロゾル生成器10内における軸方向に整列する空洞11に密接に対応している。空洞11及びカプセル10の長さの選択は、カプセルの一部がエアロゾル生成器10の本体12の外部に露出してもよいが、格納された際にカプセル11のいかなる部分も機器の第1の端13を超えないように、露出する部分の長さは機器の空洞11と第1の端13との距離未満となるように行う。
【0015】
図2に示すように、こうした構成によって、格納されたカプセル20がエアロゾル生成器の本体12に対して密接に延在し、それゆえ、カプセルは、いずれの方向においても機器の寸法を実質的にはみ出さない。すなわち、格納されたカプセルは、部分的にエアロゾル生成器の本体の外にあるものの、エアロゾル生成器の長さと最大断面とによって画定される容量内に延在している。
【0016】
この概念を示すために実質的に円筒形状であるアッセンブリを使用したが、このように格納されたカプセルがエアロゾル生成器の本体に対して延在するように、エアロゾル生成器の本体12、カプセル20及び空洞11に対して他の適切な形状を選択してもよいことは明らかである。
【0017】
カプセルの外殻の一部25は、カプセル内に残留するエアロゾル生成物質の量をユーザが目視で判断できるように、透明材料で形成されてもよい。透明部分25はまた、
図2に示すように、機器内に格納された際に露出するカプセルの部分に実質的に対応してもよい。こうすることによって、ユーザは、エアロゾル生成器の空洞内にカプセルが格納された際に、カプセル内に残留するエアロゾル生成物質を等しく目視で判断することができる。こうした配置によって、内部に収納された液体の残量をすかして見て判断するためにエアロゾル生成器の本体自体にはめ込まれたり刻まれたりする透明窓を備える場合に比べて、大幅に費用効果が高めることができる。
【0018】
空洞内に格納された際にカプセルの一部25が露出するため、カプセル10は、カプセルに対して挿入方向と反対の方向40に力を加えることで簡単に取り外せるようにしてもよい。このプロセスは、露出しているカプセルの一部25の外表面上に配設され、横方向の力をかけるためのグリップを形成する突条26の並びによって、容易にしてもよい。これにより、片手だけで簡単に実現することができ、ユーザにとって使いやすいカプセル取り外し手順がもたらされる。
【0019】
エアロゾル生成器は更に、空洞11内に配設されたクリップ機構のような保持手段(図示せず)を備えて、更に空洞11内に格納された際にカプセルが確実に固定されるようにしてもよい。エアロゾル生成器は更に、ユーザがカプセルに力を加えることでカプセルを取り外すことができるように構成されたカプセル解放ボタン17のような、対応する解放手段を備えてもよい。あるいは、ボタン17が押された際に、付勢されたスプリング要素を解放することで部分的に取り出されるようにしてもよい。
【0020】
エアロゾル生成器は更に、マウスピース19と、内部ヒーターアッセンブリ(図示せず)と、機器15の第1の部分の一部を占め、ヒーターアッセンブリに電力を供給するバッテリーなどの電源と、エアロゾル生成物質をヒーターに引き寄せるように構成された物質移送手段と、エアロゾル生成器の本体上のボタン18によって起動するヒーター制御手段とを備えてもよい。
【0021】
物質移送手段は更に、空洞11のベースにおいてヒーターアッセンブリと流体接続された入口弁を備えてもよい。入口弁は、空洞11に格納された際にカプセル20の端24におけるアウトレットと係合するように構成されてもよい。従って、ユーザが空洞11内にカプセル20を挿入する際に、カプセルのアウトレットが物質移送手段の入口弁と係合し、カプセルとヒーターアッセンブリとの間でエアロゾル生成物質を引き寄せることができる導管を形成する。よって、ヒーター制御ボタン18を起動しながらマウスピース13を吸い込むことで、エアロゾル生成物質が起動されたヒーターアッセンブリへと送達され、ユーザがマウスピース13を通じて吸い込むことができるエアロゾルを生成する。
【0022】
機器20の側に空洞11を設けることは、端部13、14が自由になり、上記構成要素のうち1つ以上を使用しやすくなることを意味する。例えば、マウスピースを一端13に設置し、バッテリーを第2の端14に設置してもよく、これは、カートリッジが機器の端部のうちの1つに取り付けられている従来の機器においては不可能であった。
【0023】
本発明によるエアロゾル生成器は更に、空洞内に格納された際にカプセルによって提供されるカプセル種別情報を読み取るように構成された認識手段を備えてもよい。このカプセル種別情報には、カプセル内に収容されるエアロゾル生成物質の種類及び使用される特定の加熱パラメータ(温度や加熱時間など)が含まれる。このようにして、カプセル20内に収容される特定の物質に対する適切な加熱パラメータがエアロゾル生成器10に適用され、最適に生成されたエアロゾルがユーザに対して提供されてもよい。
【0024】
カプセル種別情報は、カプセルの外殻に設けられたグリップ突条26の数、大きさ及び/または空間分布をカプセル上で符号化したものであってよい。そして、エアロゾル生成器の認識手段は、対応するエアロゾル生成物質に正しい加熱パラメータを適用するために、突条26の数及び分布を読み取って、この情報を解釈するように構成された感圧領域を空洞の内表面上に備えてもよい。
【0025】
これは1つの例に過ぎず、カプセル上のカプセル種別情報やエアロゾル生成器の認識手段の提供に関しては、カプセル20内に収容された特定のエアロゾル物質に適した加熱設定の効果を提供する多数の異なった方法を想定してもよい。グリップ手段についての情報を符号化する代わりに、例えば、セキュアインクなどの化学的マーキングを使用してもよい。また、エアロゾル生成器の対応する認識手段によって読み取ることができるRFIDやNFC、バーコードなどの電磁的なマーキングを使用してもよい。
【0026】
電磁的なマーキング手段と装置の対応する認識手段を使用して、例えば、ユーザの携帯電話にメッセージを送信し、カプセル内に残る物質に関する情報を提供したり、ユーザに非純正カプセルが使用されていることを通知するようにしてもよい。
【0027】
空洞は更に、エアロゾル生成器と動作するように構成された純正カプセルのみを空洞が受け付けて、機器とともに機能させる手段を(認識手段の一部として又は代替要素を介して)備えてもよい。この手段は、機器用に設計されたカプセルのみを受け付けるように構成された特定の内部溝やねじ筋の形態を有してもよい。同様に、電磁的なマーキングは、指定されたカプセルのみとともにヒーターアッセンブリが機能するように、または非純正カプセルが挿入されたときはヒーターアッセンブリが基本モードで機能するように、ヒーターアッセンブリに提供される特定の信号を備えてもよい。
【0028】
ヒーター制御ボタン18は更に、機器が指定されたユーザのみによって使用できるように、ボタン18によって正しい指紋が認識された場合にのみヒーターアッセンブリが動作するような指紋認識手段を備えてもよい。
【0029】
本発明の別の例において、加熱手段は、エアロゾル生成器10ではなくカプセル20内に備えられ、この加熱手段は、特定の物質に適した加熱アッセンブリが提供されるように、そして定期的なメンテナンスを必要とするエアロゾル生成器10ではなく、定期的にかつ容易にカプセル20と共にヒーターが交換できるように、備えられている。こうした実施形態において、カプセル20は更に、エアロゾル生成器内においてバッテリーの電気的接続部と係合するように構成された電気的接続部を備えてもよい。カプセルヒーターは更に、誘導性又は伝導性加熱に反応するように構成された材料からなるカプセルの一部であってもよい。このような例においては、カプセルは、空洞に挿入されたときに、液体では無く蒸気を通過させるよう適合された物質移送手段によって、カプセル内で生成された蒸気をエアロゾル生成器のカプセルからマウスピースへと通過させる内部導管を有する針によって穿設されてもよい。
【0030】
上記した本発明の例では、従来の機器が有する問題点のいくつかを解決するエアロゾル生成器10及びこの機器と共に使用されるよう構成されたカプセル22が提供される。特に、カプセルは、端13、14がマウスピース19や着脱可能なバッテリーのような別の機器構成要素を自由に収納することができるように、機器の側における空洞11内に格納される。重要なことは、カプセルは、収納される際に、エアロゾル生成器10の寸法を実質的に増加すること無く、エアロゾル生成器10の本体の外に部分的に露出してもよい。よって、ユーザは、カプセルを容易に取り外して交換する性能や、透明な外部を介してカプセルに残っている物質の特定が可能な点、より大きなバッテリーを格納可能なより大きい空き内部容量を残せる点など、露出したカプセル20の利点を得ることができる。こうした利点は、外部カプセルに共通する悪影響、つまり、機器寸法の増加により機器がかさばり使いにくくなるといった悪影響無しに実現できる。これは、格納されたカプセルが、エアロゾル生成器の長さ及び最大幅によって定められた容積内に完全に収容されることによって実現される。