(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6903822
(24)【登録日】2021年6月25日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】低コスト高精度レーザ警告受信機
(51)【国際特許分類】
G01S 3/782 20060101AFI20210701BHJP
G01S 7/495 20060101ALI20210701BHJP
G01J 1/42 20060101ALI20210701BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
G01S3/782 B
G01S7/495
G01J1/42 N
G01J1/02 P
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-518054(P2020-518054)
(86)(22)【出願日】2018年9月5日
(65)【公表番号】特表2020-535438(P2020-535438A)
(43)【公表日】2020年12月3日
(86)【国際出願番号】US2018049444
(87)【国際公開番号】WO2019067172
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2020年5月15日
(31)【優先権主張番号】15/718,064
(32)【優先日】2017年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519100985
【氏名又は名称】ビーエイイー・システムズ・インフォメーション・アンド・エレクトロニック・システムズ・インテグレイション・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ショワニエール、マイケル・ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】グリグスビー、ウィル・アール.
(72)【発明者】
【氏名】ホーネス、エリック・シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジュー、ジェフリー・エル.
【審査官】
渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−137065(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0045773(US,A1)
【文献】
米国特許第07409899(US,B1)
【文献】
特開平08−247780(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0209266(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0246463(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 3/78 − 3/789
7/48 − 7/51
17/00 − 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ警告受信機であって、
読み出し集積回路、及びレーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイを備えるアクティブピクセル画像センサと、
それぞれが少なくとも90度の方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントとを備え、
前記光検出器アレイは、表面及び少なくとも4つの縁を有し、前記アクティブピクセル画像センサはパルス検出シースポットカメラであり、
前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、前記光検出器アレイの前記少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って前記光検出器アレイの前記表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供し、前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれはレンズである、レーザ警告受信機。
【請求項2】
前記光検出器アレイの前記表面の中央部分にマッピングされ、入射レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントをさらに備える、請求項1に記載のレーザ警告受信機。
【請求項3】
前記レーザ光は、NIR、SWIR、MWIR、又はLWIRの範囲にある、請求項1に記載のレーザ警告受信機。
【請求項4】
前記光検出器アレイは、300×300ピクセルを含む、請求項1に記載のレーザ警告受信機。
【請求項5】
方位角におけるレーザ光検出の精度は約0.25度である、請求項1に記載のレーザ警告受信機。
【請求項6】
仰角におけるレーザ光検出の精度は約0.45度である、請求項1に記載のレーザ警告受信機。
【請求項7】
前記レーザ警告受信機は、直径が12.7センチメートル(5インチ)以下である、請求項1に記載のレーザ警告受信機。
【請求項8】
前記レーザ警告受信機は、2.5ワット未満を消費する、請求項1に記載のレーザ警告受信機。
【請求項9】
レーザ警告受信機であって、
読み出し集積回路、及び入射レーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイを備えるアクティブピクセル画像センサと、ここで、前記光検出器アレイは、表面及び少なくとも4つの縁を有し、前記アクティブピクセル画像センサはパルス検出シースポットカメラであり、
それぞれが少なくとも90度の方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントと、
前記光検出器アレイの前記表面の中央部分にマッピングされ、入射レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントとを備え、
前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、前記光検出器アレイの前記少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って前記光検出器アレイの前記表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供し、前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれはレンズである、レーザ警告受信機。
【請求項10】
前記入射レーザ光は、NIR、SWIR、MWIR、又はLWIRの範囲にある、請求項9に記載のレーザ警告受信機。
【請求項11】
前記光検出器アレイは、300×300ピクセルを含む、請求項9に記載のレーザ警告受信機。
【請求項12】
方位角におけるレーザ光検出の精度は約0.25度である、請求項9に記載のレーザ警告受信機。
【請求項13】
仰角におけるレーザ光検出の精度は約0.45度である、請求項9に記載のレーザ警告受信機。
【請求項14】
前記レーザ警告受信機は、直径が12.7センチメートル(5インチ)以下である、請求項9に記載のレーザ警告受信機。
【請求項15】
前記レーザ警告受信機は、2.5ワット未満を消費する、請求項9に記載のレーザ警告受信機。
【請求項16】
入射レーザ光を検出する方法であって、この方法は、
レーザ警告受信機を提供することと、ここで、前記レーザ警告受信機は、
読み出し集積回路、及びレーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイを備えるアクティブピクセル画像センサと、
それぞれが少なくとも90度の各方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントとを備え、ここで、前記光検出器アレイは、表面と少なくとも4つの縁を有し、前記アクティブピクセル画像センサはパルス検出シースポットカメラであり、前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、前記光検出器アレイのうちの前記少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って前記光検出器アレイの前記表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供するものであり、前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれはレンズであり、
前記光検出器アレイを用いて、前記少なくとも4つの光学コンポーネントによって捕捉された入射レーザ光を検出することと、
方向情報を前記読み出し集積回路でマージすることと、ここで、前記方向情報は、前記少なくとも4つの光学コンポーネントによって捕捉され、前記光検出器アレイの別個の部分にマッピングされて、全方向レーザ光検出を提供するものであり、
前記入射レーザ光に関する前記方向情報をオペレータに提供することと、ここで、前記方向情報は方位角及び仰角情報を含むものである、を含む、方法。
【請求項17】
前記光検出器アレイの前記表面の中央部分にマッピングされ、入射レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
5つの光学コンポーネントによって捕捉された方向情報をマージすることは、半球レーザ光検出を提供することである、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[001]
本開示は、レーザ警告受信機に関し、より具体的には、パルス検出シースポットカメラを利用する低コスト、高精度レーザ警告受信機に関する。
【0002】
[002]
従来のレーザ警告受信機(LWR)は、典型的には、360度及び少なくとも40度の仰角をカバーして、レーザ測距計(LRF)、ビームライダ、目標指示装置/SALシーカ等からの差し迫った脅威をカバーする。典型的なアプローチは、パルスタイプによって脅威を伝え、特定の視覚の制限を考慮して、レーザ警告受信器の視野(FOV)を約4から8セクションに分割することである。360度のFOVをカバーするためにA/D処理を有する約36の伝えられる受信機を有することは珍しいことではない。
【0003】
[003]
しかしながら、そのような従来のシステムは、サイズ、重量、電力消費、熱管理、コスト及び精度の点で多数の欠点を被る。
【0004】
[004]
従来のレーザ警告受信機システムは大きく、処理が重く、不正確になりやすいことが認識されている。本開示の1つのアプローチは、複数の単一方形チャネルの下流処理の必要性をなくし、したがって、従来のシステムよりも高い精度、より小さい体積、及びはるかに低いコストで、レーザパルスの即時方位角(Az)及び仰角(El)方向を提供することにある。
【0005】
[005]
本開示の1つの態様は、読み出し集積回路とレーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイとを備えるアクティブピクセル画像センサと、それぞれが少なくとも90度の方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントとを備え、光検出器アレイは、表面及び少なくとも4つの縁を有し、少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、光検出器アレイの少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って光検出器アレイの表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供するレーザ警告受信機である。
【0006】
[006]
レーザ警告受信機の1つの実施形態は、光検出器アレイの表面の中央部分にマッピングされ、レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントをさらに備える。
【0007】
[007]
いくつかのケースでは、レーザ光は、近赤外線(NIR)、短波赤外線(SWIR)、中波赤外線(MWIR)、又は長波赤外線(LWIR)の範囲中にある。ある実施形態では、光検出器アレイは、300×300ピクセルを含む。
【0008】
[008]
1つの実施形態では、方位角におけるレーザ光検出の精度は約0.25度である。別の実施形態では、仰角におけるレーザ光検出の精度は、約0.45度である。
【0009】
[009]
いくつかのケースでは、レーザ警告受信機は直径12.7センチメートル(5インチ)以下である。ある実施形態では、レーザ警告受信機は、2.5ワット未満を消費する。他のケースでは、光学コンポーネントは、折り畳みミラー及びレンズを備える。
【0010】
[0010]
本開示の別の態様は、読み出し集積回路とレーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイとを備えるアクティブピクセル画像センサと、それぞれが少なくとも90度の方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントと、光検出器アレイの表面の中央部分にマッピングされ、入射レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントとを備え、光検出器アレイは、表面及び少なくとも4つの縁を有し、少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、光検出器アレイの少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って光検出器アレイの表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供する、レーザ警告受信機である。
【0011】
[0011]
いくつかのケースでは、レーザ光は、NIR、SWIR、MWIR、又はLWIR範囲中にある。ある実施形態では、光検出器アレイは、300×300ピクセルを含む。
【0012】
[0012]
1つの実施形態では、方位角におけるレーザ光検出の精度は約0.25度である。別の実施形態では、仰角におけるレーザ光検出の精度は、約0.45度である。
【0013】
[0013]
いくつかのケースでは、レーザ警告受信機は直径12.7センチメートル(5インチ)以下である。ある実施形態では、レーザ警告受信機は、2.5ワット未満を消費する。他のケースでは、光学コンポーネントは、折り畳みミラー及びレンズを備える。
【0014】
[0014]
本開示の別の態様は、レーザ警告受信機を提供することと、光検出器アレイを用いて、少なくとも4つの光学コンポーネントによって捕捉された入射レーザ光を検出することと、方向情報を読み出し集積回路とマージすることと、入射レーザ光に関する方向情報をオペレータに提供することとを含み、方向情報は、少なくとも4つの光学コンポーネントによって捕捉され、光検出器アレイの別個の部分にマッピングされ、全方向レーザ光検出を提供し、方向情報は、方位角及び仰角情報を含み、レーザ警告受信機は、読み出し集積回路とレーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイとを備えるアクティブピクセル画像センサと、それぞれが少なくとも90度の各方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントとを備え、光検出器アレイは、表面と少なくとも4つの縁を有し、少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、光検出器アレイのうちの少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って光検出器アレイの表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供する、入射レーザ光を検出する方法である。
[0015]
本方法の1つの実施形態は、光検出器アレイの表面の中心部分にマッピングされ、入射レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントをさらに備える。
【0015】
[0016]
いくつかのケースでは、5つの光学コンポーネントによって捕捉された方向情報をマージすることは、半球レーザ光検出を提供する。
【0016】
[0017]
本開示のこれらの態様は、排他的であることを意味せず、本開示の他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面と併せて読むと、当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
[0018]
本開示の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に図示されるように、本開示の特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。同様の参照符号は、異なる図全体を通して同じ部分を指す。図面は必ずしもスケーリングしておらず、代わりに本発明の原理を図示することを重視している。
【
図1】[0019]
図1は、本開示のレーザ警告受信機システムの1つの実施形態の上面図を示す。
【
図2】[0020]
図2は、本開示のレーザ警告受信機システムのアレイの1つの実施形態を示す。
【
図3】[0021]
図3は、本開示のレーザ警告受信機システムの1つの実施形態の側面図を示す。
【
図4】[0022]
図4は、本開示のレーザ警告受信機システムのためのパッケージの1つの実施形態を示す。
【
図5】[0023]
図5は、本開示の方法の1つの実施形態のフローチャートを示す。
【0018】
[0024]
従来の脅威警告受信機は、象限カバレッジを提供し、それぞれが実質的な処理を必要とするいくつかの独立したセンサから構成される。個々のサブシステムは、典型的にはPINダイオードを用いて象限をカバーする。サブシステムは、広視野(FOV)視覚(例えば、90度)を有し、不要なシーンエネルギーを除去するためにバンドパスフィルタリングを必要とする。各センサは、A/D変換を必要とし、入射レーザパルスのロケーションを識別するために重要な処理サポートを必要とする。
【0019】
[0025]
従来のシステムの欠点を解決するために、本開示の1つのアプローチは、4つ以上の光学コンポーネントからのチャネルを結合しながら入射レーザを検出するためにパルス検出シースポットカメラを利用する。シースポットカメラは、画像化センサがレーザによって指定されたスポットを直接撮像することができるように、レーザ目標指示装置の波長に敏感な画像センサのタイプのものである。シースポットカメラは、動作可能なシーン内でより容易に撮像することができ、困難な環境において向上した感度も有する。1つの実施形態におけるエネルギー検出機構は、画像センサのROIC(読み出し集積回路)中にある。
【0020】
[0026]
ROICは、特定のタイプの検出器を読み出すために特に使用されるタイプの集積回路である。ROICは、赤外線及び紫外線のような異なるタイプの検出器と互換性がある。ROICの主な目的は、画像化のために各ピクセルからの光電流を蓄積する一方で、埋め込まれた類似ピクセル回路において高周波信号(レーザパルス)を検出し、その後、読み出しのために、結果として生じる信号−画像及びパルス検出フラグを出力タップに転送することである。従来のROICテクノロジーは、各ピクセルにおいて信号電荷を蓄積し、その後、読み出しのために信号を出力タップにルーティングする。これは、各ピクセル部位に大きな信号電荷を蓄積し、信号が読み出されデジタル化されるときに信号対雑音比(又はダイナミックレンジ)を維持することを必要とする。
【0021】
[0027]
本開示のレーザ警告受信機のある実施形態では、検出アレイは、SWIR帯域(例えば、InGaAs)、NIR帯域(例えば、シリコン)、又はこれらに類するものであってもよい。これらのアレイは、脅威レーザの検出のために、360度の半球カバレッジに光学的にマッピングすることができる。本システムは、レーザ測距器(LRF)、誘導SALシーカのための目標指示装置、アンチタンクミサイルのためのビームライダ、及び、これらに類するものを検出するために使用することができる。
【0022】
[0028]
本システムは、セミアクティブレーザテクノロジーを検出するために使用することができる。この技術では、レーザが標的に向けられ、レーザ放射が標的から跳ね返り、全方向に散乱される。弾薬は、標的の近くのどこかで発射されるか、又は落とされる。標的から反射されたレーザエネルギーの一部が到達するのに十分に近いとき、レーザシーカは、このエネルギーがどの方向から来ているかを検出し、源に向かう弾薬軌道を調整する。弾薬が一般的なエリア中にあり、レーザが標的に向けられたままである間、弾薬は標的に正確に誘導されるべきである。本開示の1つの実施形態では、反射されたレーザエネルギーは、4つ以上の光学コンポーネントによって捕捉でき、エネルギー源のロケーションを正確に検出できる。
【0023】
[0029]
本システムのある実施形態では、システムコストは、シースポットセンサのような画像化センサと、少なくとも4つの広FOV視覚とを含む。これは、全方向性レーザ警告受信機を提供する。第5の広FOV視覚を追加することは、半球形レーザ警告受信機が提供を提供する。LWRシステムは、LRF、目標指示装置、及びビームライダレーザ、並びに、パルスと準連続発振(CW)レーザとの両方によって放出されるエネルギーを検出することができる。
【0024】
[0030]
このような低い材料コストで、本システムは、地上及び空気保護セットの一部として想定される。ピクセル/ROICにおけるレーザ検出は、約8mradの狭いピクセル瞬間視野(IFOV)を有し、したがって、シーンフィルタリング(例えば、バンドパスフィルタリング)の必要性を低減する。ハンドオフ精度は、方位角及び仰角の両方において約0.25度未満である。FOVにわたるピクセルの数は、任意の脅威対抗システムに検出及び高角度ハンドオフ精度を提供する。例えば、精度は、100度/200ピクセル及び+/−0.25度方位角/仰角の範囲である。
【0025】
[0031]
本開示のシステムの1つの潜在的な用途は、地上車両上に据え付けられる。このシステムは、コンパクトであり、小さなパッケージに適合し、従来のシステムと比較して5:1の節約を提供し、多くの状況で使用することを可能にする。本システムは、さまざまな波長の入射レーザエネルギーを検出し、全方向性の方法(例えば、4つの光学コンポーネント)又は半球形の方法(例えば、5つの光学コンポーネント)でAz及びElの正確なロケーションを提供する。
【0026】
[0032]
図1を参照すると、本開示のレーザ警告受信機システム2の1つの実施形態の上面図が示されている。より具体的には、ROIC8は、広FOV視覚4、6、からの入力を検出するために使用される複数のピクセルを含む。合計360度をカバーするようにレーザ警告受信機2の周囲に位置付けられている少なくとも4つの広角視覚4があり、これは、いくらかのオーバーラップを含んでいてもよい。ある実施形態では、異なるビューをカバーするために使用される第5の視覚6がある。地上車両上で使用されるとき、それは見上げるだろう。ヘリコプター又は飛行機のような航空機上に据え付けられるとき、それは見下ろすだろう。したがって、第5の視覚の使用は、単一のプロセッサを使用して単一の2Dアレイにすべてマッピングされる入射レーザエネルギーの半球ビューを提供する。いくつかのケースでは、各視覚に対するAz FOVは約100度である。ある実施形態では、各光学コンポーネントは、45度ElFOVを捕捉するように構成されている。本開示のレーザ警告受信機のいくつかの実施形態では、入口開口は約1cm
2より大きい。別の実施形態では、視覚は、入射信号を方向付けるために使用される光パイプである。
【0027】
[0033]
1つの例では、レーザ警報受信機システム2は、航空機、ドローン、ヘリコプター、船舶、又は地上車両のような車両に据え付けられる。航空機の例では、一次画像化は、4つの広角光学コンポーネント4によって提供される方位角に沿った完全な360度であるとともに仰角のいくつかのビューである。第5の視覚6は、配備されて地面に向けられ、仰角カバレッジを提供する。システムが船舶又は地上車両上に配備される場合、第5の視覚は空に向けられる。
【0028】
[0034]
図2を参照すると、本開示のレーザ警告受信機システムのアレイの1つの実施形態が示されている。より具体的には、ROICアレイ8は、視覚10、12に対してマッピングされる。いくつかのケースでは、アレイは300×300ピクセルである。いくつかのケースでは、周辺エリア12は約200×50ピクセルである。この例では、ROICは、100度/200に対する精度が約+/−0.25度Azであり、45度/50ピクセルに対する精度が約0.45度Elであるようにマッピングされる。上部に第5のチャネルを使用することは、半球レーザ検出を提供する。ピクセルの数が多いほど、より高い精度が提供されることが理解される。アレイが大きくなると、解像度はピクセル数に比例して増加する。レーザ検出が可能なROICは、まさに市販されるようになってきており、タイプ(帯域)及びフォーマットサイズが変化すると、光学システムは、アレイサイズに依存して1度から100μradまでのカバレッジを提供することができる。
【0029】
[0035]
ある実施形態では、アレイサイズは、約100ピクセル
2から約2000ピクセル
2の範囲である。いくつかのケースでは、アレイサイズは、約200ピクセル
2、約300ピクセル
2、約400ピクセル
2、約500ピクセル
2、又は約600ピクセル
2である。いくつかのケースでは、アレイサイズは、約700ピクセル
2、約800ピクセル
2、約900ピクセル
2、又は約1000ピクセル
2である。いくつかのケースでは、アレイサイズは、約1100ピクセル
2、約1200ピクセル
2、約1300ピクセル
2、約1400ピクセル
2、又は約1500ピクセル
2である。いくつかのケースでは、アレイサイズは、約1600ピクセル
2、約1700ピクセル
2、約1800ピクセル
2、約1900ピクセル
2、又は約2000ピクセル
2である。さらに他の実施形態では、アレイは正方形ではないが、長方形又は多角形である。本質的に、アレイの選択は限定されないが、ある解像度ではコストが要因となる。
【0030】
[0036]
ある実施形態では、ROICアレイ8のピクセルは類似しており、同じ信号に応答する。他の実施形態では、視覚の感度及び画像処理能力が異なるように、ROICアレイのピクセルは異なる。
【0031】
[0037]
図3を参照すると、本開示のレーザ警告受信機システムの1つの実施形態の側面図が示されている。より具体的には、アレイ8はROIC16上で使用される。一連のレンズ4がアレイ8の周囲に配置され、入射光を集束させる。折り畳みミラー(fold mirror)14を使用することによって、レーザ光をROICの表面上にマッピングして、全方向性レーザ警告受信機を提供することができる。各光学コンポーネント4は、象限カバレッジを提供する。第5の広FOV視覚6は、検出されたレーザ光に関連する半球データ収集を完了するために使用される。フィルタ(図示せず)を使用して、対象の信号が通過することを可能にしながら、無関係な信号及び干渉を除去することもできる。ここで、複数の光学コンポーネントからの各チャネルは、全方向性又は半球検出を取得するために、単一のプロセッサを使用する単一のアレイ上にマッピングされる。
【0032】
[0038]
図4を参照すると、本開示のレーザ警告受信機システムのためのパッケージの1つの実施形態が示されている。より具体的には、本開示のレーザ警告受信機システムのある実施形態では、完全な全方向受信機は、直径約12.7センチメートル(5インチ)、高さ約3.81センチメートル(1.5インチ)である。本開示のシステムは、約10倍のサイズ及び重量の低減、並びに約5倍のコスト低減を提供する。いくつかのケースでは、サイズは、さらに小さいこともある。
【0033】
[0039]
1つの実施形態では、本システムは2.5ワット未満を消費する。いくつかのケースでは、本システムは、各象限システムに対してA/Dを利用する従来のシステムと比較して10倍だけ電力レベルを低減する。
【0034】
[0040]
図5を参照すると、本開示の方法の1つの実施形態のフローチャートが示されている。より具体的には、読み出し集積回路と、レーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイとを備えるアクティブピクセル画像センサと、それぞれが、少なくとも90度の方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントとを有するレーザ警告受信機が提供され、光検出器アレイは、表面と少なくとも4つの縁を有し、少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、光検出器アレイの少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って光検出器アレイの表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方位検出を提供する。光検出器アレイは、少なくとも4つの光学コンポーネントによって捕捉された入射レーザ光を検出し、読み出し集積回路は、少なくとも4つの光学コンポーネントによって捕捉された方向情報をマージする。別個のチャネルを光検出器アレイの別個の部分にマッピングすることによって、全方向性レーザ光検出が可能である。使用するときに、入射レーザ光の方向情報がオペレータに提供され、オペレータはアクションを実行できる。いくつかのケースでは、そのアクションは、入射レーザ光による検出を回避するための対策又はポジション変更を含んでいてもよい。
【0035】
[0041]
本発明は、記憶媒体上に、あるいは、ローカルエリアネットワーク、又はインターネットのようなワイドエリアネットワークなどの送信媒体を介して、供給されてもよいコンピュータソフトウェアとして実現されてもよいことが上記から理解されるだろう。添付の図面に描かれた構成システムコンポーネントと方法ステップのうちのいくつかはソフトウェアで実現することができることから、システムコンポーネント(又はプロセスステップ)間の実際の接続は、本発明がプログラムされる方法に依存して異なってもよいことがさらに理解されるだろう。ここで提供した本発明の教示が与えられると、本発明のこれら及び類似のインプリメンテーション又はコンフィギュレーションを当業者は企図することができる。
【0036】
[0042]
本発明は、さまざまな形態のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊目的プロセス、又はこれらの組合せで実現できることを理解すべきである。1つの実施形態では、本発明は、コンピュータ読取可能プログラム記憶デバイス上に有形に具現化されたアプリケーションプログラムとしてソフトウェアで実現することができる。アプリケーションプログラムは、任意の適切なアーキテクチャを含むマシンにアップロードされ、マシンによって実行されることができる。
【0037】
[0043]
本発明のさまざまな実施形態を詳細に説明してきたが、これらの実施形態のさまざまな修正及び変更が当業者に想起され、容易に明らかになることは明らかである。しかしながら、このような修正及び変更は、添付の特許請求の範囲に記載されるように、本発明の範囲及び精神の範囲内であることを明確に理解すべきである。さらに、ここで説明した本発明は、他の実施形態が可能であり、さまざまな他の関連する方法で実施又は実行することが可能である。ここで使用する表現及び専門用語は説明の目的のためであり、限定としてみなすべきではないとも理解すべきである。ここにおける「含む」、「備える」、又は「有する」、及びこれらのバリエーションの使用は、以後にリストアップされるアイテム及びその均等物とともに追加のアイテムを包含することを意味するが、用語「からなる」及び「のみからなる」についてのみを限定的な意味で解釈すべきである。
【0038】
[0044]
本発明の実施例についての前述の説明は、説明の目的で提示されている。本開示を開示したまさにその形態に網羅する又は限定することを意図してはいない。多くの修正及びバリエーションが、本開示を考慮して可能である。本開示の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろここに添付する特許請求の範囲によって限定されることが意図される。
【0039】
[0045]
多数の実施形態について説明してきた。それにもかかわらず、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正を行うことができることが理解されるだろう。特定の順序で動作が図面中に描かれているが、これを、所望の結果を達成するために、このような動作を示した特定の順序で、又は連続した順序で行うこと、あるいは、全ての図示した動作を行うことを要求するように理解すべきではない。
【0040】
[0046]
本開示の原理をここで説明してきたが、この説明は、本開示の範囲に関する限定としてではなく、例としてのみなされていることを当業者は理解すべきである。ここに示し記載した例示的な実施形態に加えて、他の実施形態が本開示の範囲内で企図される。当業者による修正及び置換は、本開示の範囲内であると見なされる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] レーザ警告受信機であって、
読み出し集積回路、及びレーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイを備えるアクティブピクセル画像センサと、
それぞれが少なくとも90度の方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントとを備え、
前記光検出器アレイは、表面及び少なくとも4つの縁を有し、
前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、前記光検出器アレイの前記少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って前記光検出器アレイの前記表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供する、レーザ警告受信機。
[2] 前記光検出器アレイの前記表面の中央部分にマッピングされ、入射レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントをさらに備える、[1]に記載のレーザ警告受信機。
[3] 前記レーザ光は、NIR、SWIR、MWIR、又はLWIRの範囲にある、[1]に記載のレーザ警告受信機。
[4] 前記光検出器アレイは、300×300ピクセルを含む、[1]に記載のレーザ警告受信機。
[5] 方位角におけるレーザ光検出の精度は約0.25度である、[1]に記載のレーザ警告受信機。
[6] 仰角におけるレーザ光検出の精度は約0.45度である、[1]に記載のレーザ警告受信機。
[7] 前記レーザ警告受信機は、直径が12.7センチメートル(5インチ)以下である、[1]に記載のレーザ警告受信機。
[8] 前記光学コンポーネントは、折り畳みミラー及びレンズを備える、[1]に記載のレーザ警告受信機。
[9] 前記レーザ警告受信機は、2.5ワット未満を消費する、[1]に記載のレーザ警告受信機。
[10] レーザ警告受信機であって、
読み出し集積回路、及び入射レーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイを備えるアクティブピクセル画像センサと、
それぞれが少なくとも90度の方位角及び45度の仰角の視野を有する少なくとも4つの光学コンポーネントと、
前記光検出器アレイの表面の中央部分にマッピングされ、入射レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントとを備え、
前記光検出器アレイは、前記表面及び少なくとも4つの縁を有し、
前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、前記光検出器アレイの前記少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って前記光検出器アレイの前記表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供する、レーザ警告受信機。
[11] 前記入射レーザ光は、NIR、SWIR、MWIR、又はLWIRの範囲にある、[10]に記載のレーザ警告受信機。
[12] 前記光検出器アレイは、300×300ピクセルを含む、[10]に記載のレーザ警告受信機。
[13] 方位角におけるレーザ光検出の精度は約0.25度である、[10]に記載のレーザ警告受信機。
[14] 仰角におけるレーザ光検出の精度は約0.45度である、[10]に記載のレーザ警告受信機。
[15] 前記レーザ警告受信機は、直径が12.7センチメートル(5インチ)以下である、[10]に記載のレーザ警告受信機。
[16] 前記光学コンポーネントは、レンズ及び折り畳みミラーを備える、[10]に記載のレーザ警告受信機。
[17] 前記レーザ警告受信機は、2.5ワット未満を消費する、[10]に記載のレーザ警告受信機。
[18] 入射レーザ光を検出する方法であって、この方法は、
レーザ警告受信機を提供することと、ここで、前記レーザ警告受信機は、
読み出し集積回路、及びレーザ光を検出するように構成されている光検出器アレイを備えるアクティブピクセル画像センサと、
それぞれが少なくとも90度の各方位角及び45度の仰角の視野を有する前記少なくとも4つの光学コンポーネントとを備え、ここで、前記光検出器アレイは、表面と少なくとも4つの縁を有し、前記少なくとも4つの光学コンポーネントのそれぞれは、前記光検出器アレイのうちの前記少なくとも4つの縁のうちの1つに沿って前記光検出器アレイの前記表面の別個の部分にマッピングされ、入射レーザ光の全方向検出を提供するものであり、
前記光検出器アレイを用いて、前記少なくとも4つの光学コンポーネントによって捕捉された入射レーザ光を検出することと、
方向情報を読み出し集積回路でマージすることと、ここで、前記方向情報は、前記少なくとも4つの光学コンポーネントによって捕捉され、前記光検出器アレイの別個の部分にマッピングされて、全方向レーザ光検出を提供し、前記方向情報は、方位角及び仰角情報を含むものであり、
前記入射レーザ光に関する方向情報をオペレータに提供することと、を含む、方法。
[19] 前記光検出器アレイの前記表面の中央部分にマッピングされ、入射レーザ光の半球検出を提供するために少なくとも90度の視野を有する第5の光学コンポーネントをさらに備える、[18]に記載の方法。
[20] 5つの光学コンポーネントによって捕捉された方向情報をマージすることは、半球レーザ光検出を提供する、[19]に記載の方法。