(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
本発明の一実施形態に係る流体圧シリンダ10は、
図1に示すように、シリンダ孔14を内部に有するボディ12を備える。なお、以下の説明では、
図1中の矢印表記に基づき、ボディ12の先端方向及び基端方向に沿う方向を矢印A方向ともいい、ボディ12の幅方向に沿う方向を矢印B方向ともいい、ボディ12の厚み方向に沿う方向を矢印C方向ともいう。
【0012】
ボディ12は、矢印A1側の先端面16、矢印A2側の基端面18、矢印B1側の第1側面20、矢印B2側の第2側面22、矢印C1側の第3側面24、矢印C2側の第4側面26を有する、すなわち複数の表面を有する直方形状に形成されている。
【0013】
また
図1及び
図2に示すように、ボディ12は、流体圧シリンダ10を適宜の取付対象に固定するための複数(
図1中では2つ)の固定用孔部28を有する。2つの固定用孔部28は、先端面16及び基端面18の角部近傍で相互に対角の位置に設けられている。各固定用孔部28は、ボディ12の矢印A方向に貫通形成されている。固定用孔部28は、流体圧シリンダ10を取付対象にねじ止めするための雌ネジ部を有していてもよい。
【0014】
ボディ12のシリンダ孔14は、矢印A方向に延在し、先端面16と基端面18を貫通している。つまり、ボディ12は、シリンダ孔14を囲う筒形状(シリンダチューブ)に構成されている。
図3に示すように、シリンダ孔14には、ピストン30と、ピストン30に固定されるピストンロッド32とが変位可能に収容される。
【0015】
シリンダ孔14は、延在方向と直交する断面視(
図5も参照)で、ボディ12を構成する複数の表面(第1〜第4側面20、22、24、26)に対して平行な辺を有する多角形状に形成されている。つまり、シリンダ孔14を構成するボディ12の内周面は、矢印B方向(短手方向)に扁平であり、且つR状の角部を有する六角形状を呈している。
【0016】
詳細には、
図2及び
図5に示すように、ボディ12の内周面は、第1側面20に平行且つ近接している第1内周面14aと、第2側面22に平行且つ近接している第2内周面14bと、第3側面24に平行且つ近接している第3内周面14cと、第4側面26に平行且つ近接している第4内周面14dとを含む。また内周面は、第1内周面14aと第4内周面14dの間を傾斜する第5内周面14eと、第2内周面14bと第3内周面14cの間を傾斜する第6内周面14fとを有する。第1内周面14aと第2内周面14bは相互に平行に対向しており、第3内周面14cと第4内周面14dは相互に平行に対向している。第5内周面14eと第6内周面14fは、相互に平行に対向し、また第1〜第4内周面14a〜14dの断面寸法より短い断面寸法に設定されている。さらに、第5及び第6内周面14e、14fの外側の近傍位置には、上記の固定用孔部28が存在する。これら第1〜第6内周面14fの各々は、ボディ12の軸方向(矢印A方向)に沿って相互に平行に(断面形状を変化させずに)延在している。
【0017】
図2及び
図3に示すように、ボディ12は、シリンダ孔14の基端側の内周面にヘッドカバー34を備える。ヘッドカバー34は、シリンダ孔14の基端を気密に閉塞する。このため、ヘッドカバー34の外縁は、シリンダ孔14の断面形状(六角形状)に一致している。
【0018】
また、ボディ12は、シリンダ孔14の先端側の内周面にロッドガイド構造36を備える。ロッドガイド構造36は、ピストン30及びピストンロッド32の離脱を防止すると共に、ピストンロッド32の変位をガイドする機能を有する。例えば、ロッドガイド構造36は、支持部材38(第1支持部材38a、第2支持部材38b)と、ロッドカバー40と、止め輪42とを含んで構成される。
【0019】
第1支持部材38aは、矢印A方向に所定の厚さを有する板状に形成され、シリンダ孔14を構成するボディ12の内周面に係止される。第2支持部材38bは、第1支持部材38aよりも薄い板状に形成され、第1支持部材38aよりもシリンダ孔14の奥側(矢印A2側)においてボディ12の内周面に形成される。第1及び第2支持部材38a、38bの外縁は、シリンダ孔14の六角形状に一致している。また第1及び第2支持部材38a、38bは、その中心部に形成された円形状のカバー用孔部により、ロッドカバー40を固定している。
【0020】
ロッドカバー40は、リング状の部材であり、ピストンロッド32を通す貫通孔40aを内側に備える。ロッドカバー40の外周面は、ボディ12の軸方向に沿った断面視(側面断面視)で、先端側に向かって外径が段々に(3段階で)小径となっている。ロッドカバー40は、最も小径の外周面が第1支持部材38aに固定支持され、次に小径の外周面が第2支持部材38bに固定支持され、最も大径の外周部の先端面が第2支持部材38bの基端面に引っ掛かるように固定される。
【0021】
ロッドカバー40の貫通孔40aは、ピストンロッド32の一部をボディ12の外部(先端側)に露出させる。貫通孔40aを構成するロッドカバー40の内周面には、シール部材44が設けられている。シール部材44は、ピストンロッド32の外周面に対し気密に接触する。すなわち、ロッドカバー40は、シリンダ孔14内の圧力流体の流出を規制しつつ、ピストンロッド32の移動をガイドすることが可能である。また、止め輪42は、ボディ12の内周面に係止されて、ロッドガイド構造36の離脱を防止する。
【0022】
ピストン30は、シリンダ孔14に配置された状態で、シリンダ孔14の空間を2つの空間に区画する。具体的には、ピストン30の基端側にヘッド側シリンダ室46が形成されると共に、ピストン30の先端側にロッド側シリンダ室48が形成される。
【0023】
ヘッド側シリンダ室46は、ピストン30と、ヘッドカバー34の先端面と、ボディ12の内周面とに囲われて構成される。ヘッド側シリンダ室46の第5内周面14eには、圧力流体を流入又は流出するためのヘッド側開口46aが設けられている。ロッド側シリンダ室48は、ピストン30と、ロッドガイド構造36の基端面と、ボディ12の内周面とに囲われて構成される。ロッド側シリンダ室48の第5内周面14eには、圧力流体を流入又は流出するためのロッド側開口48aが設けられている。
【0024】
ピストン30は、シリンダ孔14を構成するボディ12の内周面を摺動可能且つヘッド側シリンダ室46とロッド側シリンダ室48を気密に遮断する。ピストン30は、複数の部材を組み合わせた構造体として構成されている。詳細には、ピストンロッド32に直接装着される装着部材50と、装着部材50の基端側に固定される基端側ダンパ52と、装着部材50の外周面に固定されるウェアリング54と、ウェアリング54の先端側に配置されるプレートリング56と、装着部材50の先端側でピストンロッド32に固定されるスペーサ58と、スペーサ58の先端側でピストンロッド32に固定される先端側ダンパ60とを有する。
【0025】
装着部材50は、所定の厚みを有する円盤状に形成され、ピストンロッド32の基端に固定されることで、ピストンロッド32の基端より基端側に短く突出している。装着部材50の内側の内周面はフック状に形成され、リング状に形成された基端側ダンパ52を係止している。
【0026】
また、装着部材50の外周面は、基端側に向かって段々に(4段階で)大径となっている。装着部材50は、最も先端側で小径の外周面にプレートリング56が固定され、2段目と3段目の外周面にウェアリング54が固定され、また最も大径の外周部の先端面がウェアリング54の基端面に引っ掛かるように構成される。
【0027】
ウェアリング54は、矢印A方向に充分な厚みを有し、またその外縁(外周面)は、断面視で、シリンダ孔14の多角形状(六角形状)に一致する形状に形成されている。ウェアリング54の外周面付近の内部には、図示しないマグネットが設けられていれる。また、ウェアリング54とプレートリング56の間には、ピストンパッキン62が挟み込まれる。ピストンパッキン62は、シリンダ孔14を構成するボディ12の内周面に接触することで、ヘッド側シリンダ室46とロッド側シリンダ室48との間を気密に区画する。
【0028】
また、ウェアリング54に設けられるマグネットは、後述の検出センサ66によりピストン30の位置を検出させる部材である。さらに、先端側ダンパ60は、ピストン30の先端方向の移動時に、ストロークエンドにおいてロッドカバー40の基端面に接触することで、移動時の衝撃を緩和する。
【0029】
一方、ピストンロッド32は、中実の円柱体に構成され、シリンダ孔14の軸(矢印A方向)に沿って所定長さ(シリンダ孔14の全長よりも長い寸法で)延在している。ピストンロッド32は、ピストンロッド32の延在部分の直径に比べて小さな直径の被取付部32aを基端部に有する。この被取付部32aには、ピストン30の装着部材50及びスペーサ58が取り付けられる。
【0030】
また、ピストンロッド32は、シリンダ孔14内の基端位置にピストン30が位置する場合でも、ロッドカバー40の貫通孔40aを通ってボディ12よりも先端側に突出している。ピストンロッド32の先端部には、ピストンロッド32の先端面から基端方向に向かって所定深さ穿設された凹部32bが形成されている。凹部32bには、流体圧シリンダ10の使用時に図示しないプレート等が取り付けられる。これにより、流体圧シリンダ10は、ピストンロッド32の移動に伴いプレートに配置されるワーク(不図示)を変位させる。
【0031】
また
図1及び
図2に示すように、流体圧シリンダ10は、ボディ12の第3及び第4側面24、26の各々に一対のセンサ取付溝64を備える。センサ取付溝64は、第3及び第4側面24、26に対して浅く且つ平たく窪み、軸方向(矢印A方向)に沿って直線状に延びている。各センサ取付溝64には、ピストン30(マグネット)の移動位置を検出する検出センサ66がそれぞれ収納される。
【0032】
さらに、流体圧シリンダ10は、第1側面20を構成するボディ12の壁部を、他の側面(第2〜第4側面22、24、26)を構成するボディ12の壁部よりも多少厚く形成している。第1側面20の壁部(以下、構造壁68という)には、シリンダ孔14のヘッド側シリンダ室46とロッド側シリンダ室48とに圧力流体を供給又は排出する機構が設けられている。
【0033】
具体的には、構造壁68は、シリンダ孔14(第1内周面14a)に対して第1の厚さを有する第1壁部70と、シリンダ孔14に対して第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有する第2壁部72とを有する。第2壁部72は、第1側面20の矢印C2側の一辺に連続するように形成され、且つボディ12の矢印A方向(一辺の延在方向)全体にわたって連設されている。つまり、第1側面20は、矢印C方向に沿って、第1壁部70により構成される第1表面70aと、第2壁部72により構成される第2表面72aと、からなる段差状に形成される。第1表面70aと第2表面72aの間には、中間表面71a(第2壁部72の側面)が形成されている。構造壁68の切り欠かれた空間(段差部分の空間)は、後述の電磁弁130を配置する電磁弁配置空間74に構成されている。
【0034】
そして
図1、
図4及び
図5に示すように、構造壁68の内部には、圧力流体の流路76と、流路76を切り換える流路切換部78とが設けられている。流路切換部78は、電磁弁130の動作下に変位するスプール80と、スプール80を移動可能に収容し、また流路76が連通するスプール収容空間82とを含む。
【0035】
また、構造壁68(第1壁部70)の側面を含むボディ12の第3側面24には、流路76に連通するポート群84が設けられている。ポート群84は、圧力流体を流路76に供給する供給ポート86、圧力流体を流路76から排出する2つの排出ポート88、及び2つのコントローラ用ポート90を含む。より詳細には、第3側面24は、矢印A方向中央部に供給ポート86を備え、この供給ポート86に隣接し供給ポート86を間に挟むように2つのコントローラ用ポート90を備え、さらに2つのコントローラ用ポート90を挟むように2つの排出ポート88を備える。各ポートは、ボディ12の矢印A方向に沿って概ね並ぶように設置されている。
【0036】
供給ポート86には、流体圧シリンダ10の使用時に図示しない継手が挿入及び固定される。継手は、圧力流体供給装置200に接続され、圧力流体供給装置200から供給される圧力流体を供給ポート86に流入させる。2つの排出ポート88は、ヘッド側シリンダ室46の圧力流体を大気に放出するヘッド側排出ポート88aと、ロッド側シリンダ室48の圧力流体を大気に放出するロッド側排出ポート88bとからなる。なお、排出ポート88には、圧力流体の排出音を低減するサイレンサ(不図示)が収容されていてもよい。
【0037】
流路76は、上記のポート群84と、ヘッド側シリンダ室46及びロッド側シリンダ室48との間で圧力流体を流動させる際に、スプール収容空間82を経由するように構成されている。このため、ポート群84とスプール収容空間82の間には、流路76として、供給ポート86とスプール収容空間82の間を接続する供給路92、ヘッド側排出ポート88aとスプール収容空間82の間を接続するヘッド側排出路94、及びロッド側排出ポート88bとスプール収容空間82の間を接続するロッド側排出路96が設けられる。
【0038】
供給路92は、第3側面24の供給ポート86から矢印C2側に向かって直線状に延在している。ヘッド側排出路94は、スプール収容空間82から矢印C1側に直線状に延在して、矢印C1側の第1途中位置94aで矢印A2側に90°屈曲し、第1途中位置94aに近い第2途中位置94bで矢印C1側に90°屈曲してヘッド側排出ポート88aに連通している。このヘッド側排出路94の第1途中位置94aには、コントローラ用ポート90が設けられ、ヘッド側スピードコントローラ90aが配置されている。ロッド側排出路96は、スプール収容空間82から矢印C1側に直線状に延在して、矢印C1側の第1途中位置96aで矢印A1側に90°屈曲し、第1途中位置96aに近い第2途中位置96bで矢印C1側に屈曲してロッド側排出ポート88bに連通している。このロッド側排出路96の第1途中位置96aには、コントローラ用ポート90が設けられ、ロッド側スピードコントローラ90bが配置されている。
【0039】
また、スプール収容空間82とヘッド側シリンダ室46の間には、流路76としてヘッド側連通路98が設けられ、スプール収容空間82とロッド側シリンダ室48との間には、流路76としてロッド側連通路100が設けられる。ヘッド側連通路98とロッド側連通路100は、相互に非連通に形成される。
【0040】
ヘッド側連通路98は、スプール収容空間82の矢印B1側の内周面に連通しており、スプール収容空間82から矢印C2側に短く延在している。そして、ヘッド側連通路98は、第1曲点98aにおいて90°屈曲して矢印A2側に延在し、続く第2曲点98bにおいて90°屈曲して矢印B2側に延在することで、ヘッド側シリンダ室46のヘッド側開口46aに連通している。
【0041】
同様に、ロッド側連通路100は、スプール収容空間82の矢印B1側の内周面に連通しており、スプール収容空間82から矢印C2側に短く延在している。そして、ロッド側連通路100は、第1曲点100aにおいて90°屈曲して矢印A1側に延在し、続く第2曲点100bにおいて90°屈曲して矢印B2側に延在することで、ロッド側シリンダ室48のロッド側開口48aに連通している。
【0042】
さらに、流路76は、供給路92の途中位置に、電磁弁130が設置された第1側面20に向けて圧力流体を流動させる第1分岐通路102(パイロット通路)を有する。この第1分岐通路102は、第1側面20の開口から電磁弁130の内部に連通している。また、スプール収容空間82において供給路92が連通する軸方向中央位置には、供給路92に対して常に連通する第2分岐通路104が設けられている。第2分岐通路104は、スプール収容空間82よりも矢印B1側の第2壁部72内において矢印A1側に延在し、スプール収容空間82の先端側に設けられた第1圧力室112に連通している。
【0043】
以上の流路76は、ボディ12の製造時に、ボディ12の表面から内部に向かって孔を穿設することで形成される。このため、ボディ12の内部には流路76に連通しているものの、圧力流体が流動しない成形用通路106が存在する。ポート群84以外でボディ12の表面に開口する箇所の成形用通路106には、流路76からボディ12の外部への圧力流体の流出を防止する鋼球108(閉塞体)が挿入されている。
【0044】
構造壁68内のスプール収容空間82は、矢印A方向に延在する細長い空洞状に形成され、上述した流路76が適宜の位置に接続されている。詳細には、スプール収容空間82には、基端(矢印A2側)から先端(矢印A1側)に向かって順に、ヘッド側排出路94、ヘッド側連通路98、供給路92、ロッド側連通路100、ロッド側排出路96が連通している。スプール収容空間82において各流路76が接続される箇所は、大径の空洞に形成され、それ以外の箇所は小径に形成されている。つまり、スプール収容空間82は、ボディ12の内周面から径方向内側に突出する複数の内側凸部110を有する。
【0045】
また、スプール収容空間82は、第1圧力室112を先端側に有する一方で、第2圧力室114を基端側に有する。第1圧力室112は、スプール80の先端方向の移動を規制する規制部材116によって気密に閉塞されている。一方、第2圧力室114は、電磁弁130の作用下に変位する電磁弁ピストン部118によって構成されている。この電磁弁ピストン部118については後に詳述する。
【0046】
スプール80は、中実状の棒体に形成され、外周面から径方向外側に突出する環状凸部120を軸方向(矢印A方向)に沿って複数有する。環状凸部120の外周面には、内側凸部110との間でスプール収容空間82を気密に閉塞可能な閉塞リング120aが設けられている(
図7A参照)。
【0047】
スプール80は、電磁弁配置空間74に配置された電磁弁130の動作下に、スプール収容空間82の軸方向(矢印A方向)に変位する。具体的には、スプール80は、電磁弁130の非通電に伴い電磁弁ピストン部118側の第1位置に位置し、電磁弁130の通電に伴い規制部材116側の第2位置に位置する。複数の環状凸部120は、第1位置と第2位置とで、スプール収容空間82の接触対象(内側凸部110)を適宜変えることで、内側凸部110と協働してスプール収容空間82内での圧力流体の流動を部分的に遮断する。
【0048】
スプール80が第1位置にある場合は、供給路92とロッド側連通路100がスプール収容空間82を介して連通する一方で、ヘッド側排出路94とヘッド側連通路98がスプール収容空間82を介して連通する(
図7Aも参照)。この際、スプール収容空間82のロッド側排出路96の連通箇所よりも基端側の内側凸部110がスプール80の環状凸部120に接触する。これにより、ロッド側排出路96は、供給路92とロッド側連通路100が連通する空間に対して気密に遮断される。
【0049】
一方、スプール80が第2位置にある場合は、供給路92とヘッド側連通路98がスプール収容空間82を介して連通する一方で、ロッド側排出路96とロッド側連通路100がスプール収容空間82を介して連通する(
図7Bも参照)。この際、スプール収容空間82のヘッド側排出路94の連通箇所よりも先端側の内側凸部110がスプール80の環状凸部120に接触する。これによりヘッド側排出路94は、供給路92とヘッド側連通路98が連通する空間に対して気密に遮断される。
【0050】
また
図5及び
図6に示すように、スプール80の第1位置及び第2位置に関わらず、供給ポート86から供給される圧力流体の一部は、第1分岐通路102を介して電磁弁130に供給される。さらにスプール収容空間82に流入した圧力流体の他の一部は、第2分岐通路104を介して第1圧力室112にも供給される。
【0051】
電磁弁130は、構造壁68の第1表面70a(第1壁部70)と中間表面71aに固定されることで、ボディ12の切り欠かれた空間(電磁弁配置空間74)に配置される。この電磁弁130は、上述したように、スプール収容空間82内においてスプール80を第1位置と第2位置とに移動させる。本実施形態において、電磁弁130は、省電力化を図ることが可能なパイロット式電磁弁を適用している。なお、スプール80を移動させる構成は、パイロット式電磁弁に限定されるものではなく、例えば、直動式の電磁弁130によりスプール80を移動させてもよい。
【0052】
図1に示すように、電磁弁配置空間74は、ボディ12の先端面16、基端面18、第3側面24に開放されており、また設置した電磁弁130が構造壁68の第2表面72a、先端面16、基端面18及び第3側面24に対して突出しないサイズで切り欠かれている。すなわち、ボディ12は、各表面(先端面16、基端面18、第1〜第4側面20、22、24、26)の最も突出する面によって仮想外形122を設定(形成)した場合に、仮想外形122よりも内側に電磁弁130を配置している。換言すれば、電磁弁130は、ボディ12の直方形状の表面(仮想外形122)から突出せずに一体化されている。
【0053】
図6に示すように、電磁弁130は、構造壁68の第1壁部70に直接連結される第1ハウジング132と、この第1ハウジング132に直接連結される第2ハウジング134とを有する。また、ボディ12の構造壁68には、電磁弁130の設置位置に対応して、上述した電磁弁ピストン部118と、電磁弁130内の流路(第1ハウジング流路140)に連通する電磁弁連通構造136が設けられている。
【0054】
具体的には、
図4に示すように、電磁弁ピストン部118は、パイロットピストン124と、スプール収容空間82に連通しパイロットピストン124を移動可能に配置したピストン収容空間126とを有する。パイロットピストン124は、スプール80の基端に連結され、またピストン収容空間126を構成する内周面に気密に接触するピストンパッキン124aを外周面に有する。すなわち、ピストン収容空間126は、パイロットピストン124の収容に伴い、スプール収容空間82に連通する部分と、第2圧力室114とに区画される。
【0055】
第2圧力室114の基端(矢印A2側)は、栓部材128a及び係止部材128bによって気密に閉塞されている。
図6に示すように、第2圧力室114には、電磁弁連通構造136が連通する第2圧力室開口114aが設けられている。また、パイロットピストン124及びピストン収容空間126の直径は、スプール80の直径よりも充分に大きく設定されている。このため、第2圧力室114に流入した圧力流体は、スプール収容空間82(第1圧力室112)において圧力流体がスプール80にかける圧力よりも大きな圧力をパイロットピストン124に付与する。
【0056】
電磁弁連通構造136は、第1圧力室112と、第2圧力室114とに圧力流体を選択的に流動させる。電磁弁連通構造136は、上述の第1分岐通路102と、第2分岐通路104とを含み、さらに第1ハウジング132の設置面(第1壁部70との対向面)に設けられた電磁弁側開口138aから第2圧力室114まで連通する第2圧力室連通路138を有する。
【0057】
第2分岐通路104は、スプール収容空間82から第1圧力室112に圧力流体を定常的に流動させることで、第1圧力室112からスプール80を基端方向に押圧する。スプール80の先端側(矢印A1側)は、パイロットピストン124に比べて小さな断面積に形成され、スプール収容空間82の第1位置にスプール80を配置させる。
【0058】
第1分岐通路102及び第2圧力室連通路138は、電磁弁130を介して圧力流体を流動させる。そして電磁弁130の通電状態で、第2圧力室114に圧力流体を流動させることで、パイロットピストン124を先端方向に押圧する。パイロットピストン124は、第1圧力室112よりも大きな押圧力を第2圧力室114から受けることで、スプール収容空間82の第2位置にスプール80を配置させる。
【0059】
また、電磁弁130の第1ハウジング132内には、第1分岐通路102及び電磁弁側開口138aに連通する第1ハウジング流路140と、第1ハウジング流路140に連通する手動操作子空間142とが形成されている。第2ハウジング134内には、第2ハウジング流路144が形成されると共に、電力ポート146、基板148、コイル150、可動弁部152等が設けられている。電力ポート146は、ボディ12の第3側面24側に位置し、また第3側面24から突出しないように配置される。基板148は、電力ポート146を介して図示しない電源に電気的に接続され、設定されたタイミングでコイル150への通電及び非通電を切り換える機能を有する。
【0060】
第1ハウジング流路140は、第1分岐通路102から手動操作子空間142を介して第2ハウジング流路144に連通する第1通路140aと、手動操作子空間142を介して第2ハウジング流路144から第2圧力室連通路138に連通する第2通路140bと、第1ハウジング132の外部に連通する排出通路140cを有する。
【0061】
一方、第2ハウジング流路144は、第1ハウジング132の第1通路140aと第2通路140bを連通し、その途中位置に可動弁部152が進退可能に配置されている。可動弁部152は、例えば、コイル150の電磁作用下に変位する弁本体と、弁本体の周囲を支持すると共に第2ハウジング134に連結されるダイヤフラムと、を有する(共に不図示)。
【0062】
電磁弁130は、コイル150の非通電状態で、可動弁部152が第2ハウジング流路144の連通を遮断する。そのため、第1通路140a(第1分岐通路102)に圧力流体が流動しなくなり、第2分岐通路104から第1圧力室112に導かれた圧力流体がスプール80を押圧する。一方、電磁弁130は、コイル150の通電状態で、可動弁部152が変位して第2ハウジング流路144を連通させる。この結果、圧力流体は、第1通路140a、第2ハウジング流路144、第2通路140b、第2圧力室連通路138を介して第2圧力室114に導かれる。第2圧力室114に流入した圧力流体は、第1圧力室112の内圧よりも強い押圧力でパイロットピストン124を押圧することで、パイロットピストン124を先端側に移動させる。これによりパイロットピストン124は、コイル150の通電状態で、スプール80を第2位置に位置させる。
【0063】
また、第1ハウジング132の手動操作子空間142は、第1ハウジング132を矢印C方向に延在して端部で開放しており、その内部には手動操作子154が配置される。手動操作子154は、第1ハウジング132の手動操作子空間142に設けられたクリップ構造に螺合することで変位することが可能である。すなわち、ユーザは、手動操作子空間142の上部に露出される頭部154aを手動で操作して手動操作子154の上下位置を変動させることで、パイロットピストン124の基端位置と先端位置とを手動で切り換えることができる。
【0064】
本実施形態に係る流体圧シリンダ10は、基本的には以上のように構成され、以下その作用効果について説明する。
【0065】
流体圧シリンダ10は、
図1に示すように、ボディ12の電磁弁配置空間74に電磁弁130を備えた状態で製品提供され、使用者によって取付対象に設置される。ここで、流体圧シリンダ10のボディ12は、電磁弁130が仮想外形122の内側に配置されている(構造壁68の第2表面72a、先端面16、基端面18、第3側面24から突出していない)。つまり、流体圧シリンダ10は、電磁弁130を備えていても、ボディ12が大型化していないので、取付対象のスペースが少なくても容易に(取付対象の設計変更等をせずに)取り付けることができる。
【0066】
図7A及び
図7Bに示すように、流体圧シリンダ10の供給ポート86には、圧力流体供給装置200に繋がる継手が挿入及び固定される。圧力流体供給装置200は、圧力流体を適宜の供給圧(供給量)で、流体圧シリンダ10の供給ポート86に供給する。また、流体圧シリンダ10の電磁弁130には、ユーザにより図示しない電源のプラグが電力ポート146に接続される。これにより電磁弁130は、基板148の制御下にコイル150への通電又は非通電が切り換え可能となる。
【0067】
上述したように、流体圧シリンダ10は、供給路92、第1分岐通路102を介して供給ポート86に流入した圧力流体の一部を電磁弁130にも供給する。電磁弁130は、コイル150の非通電時に、第1ハウジング流路140の連通を遮断することで、スプール収容空間82、第2分岐通路104を通して第1圧力室112に圧力流体を流入させ、パイロットピストン124を基端方向(基端位置)に押圧するように作用させる。これにより、パイロットピストン124に連結されたスプール80が第1位置に配置される。
【0068】
そして、スプール80が第1位置に配置された状態では、
図7Aに示すように、供給路92とロッド側連通路100がスプール収容空間82を介して相互に連通する。このため、供給ポート86に供給された圧力流体は、供給路92、スプール収容空間82、ロッド側連通路100を順に通り、ロッド側開口48aからシリンダ孔14のロッド側シリンダ室48に供給される。ロッド側シリンダ室48に供給された圧力流体は、ピストン30が基端方向に向かうように押圧力を付与する。
【0069】
この押圧力により、流体圧シリンダ10は、ピストン30、ピストンロッド32を基端側に位置させる。ここで、ピストン30が第1位置よりも先端側に進出していた(ヘッド側シリンダ室46に圧力流体が流入していた)場合、ピストン30の基端方向の移動に伴い、ヘッド側シリンダ室46から圧力流体が排出される。スプール80が第1位置にあるとき、ヘッド側排出路94とヘッド側連通路98は、スプール収容空間82を介して相互に連通している。このため、ヘッド側シリンダ室46の圧力流体は、ヘッド側連通路98、スプール収容空間82、ヘッド側排出路94、コントローラ用ポート90、排出ポート88を流動する。そして圧力流体は、排出ポート88から外部(大気)に放出される。
【0070】
圧力流体は、排出時に、コントローラ用ポート90においてユーザにより適宜の開度に設定されたヘッド側スピードコントローラ90aを通ることで、その排出量が調整される。その結果、ヘッド側シリンダ室46から排出される圧力流体の量、換言すればピストン30が基端方向に移動する速度が調整される。
【0071】
一方、電磁弁130は、コイル150の通電時に、第1分岐通路102から供給された圧力流体を利用して、パイロットピストン124を先端方向に押圧するように作用させる。これにより、パイロットピストン124に連結されたスプール80が第2位置に配置される。
【0072】
そしてスプール80が第2位置にある状態では、
図7Bに示すように、供給路92とヘッド側連通路98がスプール収容空間82を介して相互に連通する。このため、供給ポート86に供給された圧力流体は、供給路92、スプール収容空間82、ヘッド側連通路98を順に通り、ヘッド側開口46aからシリンダ孔14のヘッド側シリンダ室46に供給される。ヘッド側シリンダ室46に供給された圧力流体は、ピストン30が先端方向に向かうように押圧力を付与する。
【0073】
この押圧力により流体圧シリンダ10は、ピストン30、ピストンロッド32を先端側に位置させる。ここで、ピストン30が進出位置よりも基端側に後退していた(ロッド側シリンダ室48に圧力流体が流入していた)場合、ピストン30の先端方向の移動に伴い、ロッド側シリンダ室48から圧力流体が排出される。スプール80が第2位置にあるとき、ロッド側排出路96と、ロッド側連通路100は、スプール収容空間82を介して相互に連通している。このため、ロッド側シリンダ室48の圧力流体は、ロッド側開口48a、ロッド側連通路100、スプール収容空間82、ロッド側排出路96、コントローラ用ポート90、ロッド側排出ポート88bを流動する。そして圧力流体は、ロッド側排出ポート88bから外部(大気)に放出される。
【0074】
圧力流体は、排出時に、コントローラ用ポート90においてユーザにより適宜の開度に設定されたロッド側スピードコントローラ90bを通ることで、その排出量が調整される。これにより、ロッド側シリンダ室48から排出される圧力流体の量、換言すればピストン30が先端方向に移動する速度が調整される。
【0075】
従って、流体圧シリンダ10は、供給ポート86に圧力流体を供給しつつ電磁弁130を動作させることで、ピストン30及びピストンロッド32を所望の速度で進退させることができる。
【0076】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、ボディ12に設けられる流路76や流路切換部78、電磁弁連通構造136の構成は、ピストン30を進退させることができれば自由に設計することが可能である。
【0077】
〔変形例〕
次に、変形例に係る流体圧シリンダ10Aについて、
図8を参照して説明する。なお、以降の説明において、上述の実施形態と同じ構成又は同じ機能を有する要素には、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0078】
変形例に係る流体圧シリンダ10Aは、ボディ12に取り付けられる電磁弁130の向きを、上記の流体圧シリンダ10の電磁弁130の向きに対し90°回転させている点で異なる。すなわち、電磁弁130の第1ハウジング132は、ボディ12の第2壁部72(中間表面71a)に取り付けられ、第2壁部72の延在方向(矢印A方向)に沿って延在している。そして第2ハウジング134は、第1ハウジング132の矢印C1側に取り付けられている。また、電磁弁130の電力ポート146は、矢印A1側に向かって突出している。なお具体的な図示は省くが、第2ハウジング134内に設けられるコイル150、可動弁部152等も矢印A方向に沿って配置されている。
【0079】
その一方で、流体圧シリンダ10Aは、ボディ12の流路76や流路切換部78、電磁弁連通構造136について上述した流体圧シリンダ10と略同一に構成している。このように、流体圧シリンダ10、10Aは、ボディ12に対する電磁弁130の設置向きについて特に限定されるものではなく、ボディ12の表面(仮想外形122)から電磁弁130が突出しないように適宜設計することが可能である。
【0080】
上述の実施形態から把握し得る技術的思想及び効果について、以下に記載する。
【0081】
流体圧シリンダ10、10Aは、ヘッド側シリンダ室46又はロッド側シリンダ室48の圧力流体の供給/排出を切り換える電磁弁130を予め備える。これにより、流体圧シリンダ10、10Aは、実際の使用時に、電磁弁130を改めて装着する必要がなくなる。また流体圧シリンダ10、10Aは、断面視でシリンダ孔14及びピストン30の外縁が多角形状に形成されているため、例えば、断面視で円形状のシリンダ孔及びピストンの流体圧シリンダと比べて、圧力流体が押圧するピストン30の面積を充分に確保しつつ、ボディ12を小型化(薄型化)することができる。そして、ボディ12の仮想外形122よりも内側に電磁弁130が配置されるため、流体圧シリンダ10、10Aは、使用時にシステム全体として大型化することがなく、ユーザは設置の設計等を良好に行うことができる。すなわち、流体圧シリンダ10、10Aは、簡単な構成によって、使用時における大幅な省スペース化と、使用性の向上とを図ることができる。
【0082】
また、ボディ12の一面(第1側面20)は、第1壁部70と、第1壁部70よりも厚い第2壁部72とによって段差状を呈しており、第1壁部70と第2壁部72には、圧力流体を流動させる流路76が設けられ、第2壁部72には、圧力流体が流動する流路76を切り換える流路切換部78が設けられる。これにより、流体圧シリンダ10、10Aは、ヘッド側シリンダ室46、ロッド側シリンダ室48への圧力流体の選択的な供給と、ヘッド側シリンダ室46、ロッド側シリンダ室48からの圧力流体の選択的な排出とを簡単に切り換えることができる。また、流体圧シリンダ10、10Aは、第2壁部72に流路切換部78を備えることで、流路切換部78の形成分に応じてボディ12を大きくしなくてもよくなり、一層の小型化が図られる。
【0083】
また、流路切換部78は、電磁弁130の動作下に変位するスプール80と、スプール80を移動可能に収容し流路76が連通するスプール収容空間82と、を含み、スプール収容空間82は、第2壁部72の長手方向に沿って延在している。これにより、流体圧シリンダ10、10Aは、電磁弁130によるスプール80の移動に基づき、圧力流体が流動する流路76を円滑に切り換えることが可能となる。特に、第2壁部72の長手方向にスプール収容空間82を備えるので、スプール80を移動可能な空間を充分に確保することができる。
【0084】
また、流路76は、スプール収容空間82に圧力流体を供給する供給路92と、スプール収容空間82とヘッド側シリンダ室46の間を連通するヘッド側連通路98と、スプール収容空間82とロッド側シリンダ室48の間を連通するロッド側連通路100と、スプール収容空間82を介してヘッド側シリンダ室46の圧力流体を排出するヘッド側排出路94と、スプール収容空間82を介してロッド側シリンダ室48の圧力流体を排出するロッド側排出路96と、を含む。これにより、流体圧シリンダ10、10Aは、スプール収容空間82を経由して、供給路92からヘッド側シリンダ室46、ロッド側シリンダ室48に圧力流体を流動させ、またヘッド側シリンダ室46からヘッド側排出路94、ロッド側シリンダ室48からロッド側排出路96へ圧力流体を流動させる。そして、スプール収容空間82では、スプール80の位置によって流路76を適切に切り換えることができる。
【0085】
また、供給路92は、一面(第1側面20)に直交する側面(第3側面24)に設けられた供給ポート86に連通し、ヘッド側排出路94は、側面に設けられたヘッド側排出ポート88aに連通し、ロッド側排出路96は、側面に設けられたロッド側排出ポート88bに連通し、ヘッド側排出路94の途中位置には、側面から露出され、圧力流体の排出量を調整可能なヘッド側スピードコントローラ90aが設けられ、ロッド側排出路96の途中位置には、側面から露出され、圧力流体の排出量を調整するロッド側スピードコントローラ90bが設けられる。流体圧シリンダ10、10Aは、ヘッド側スピードコントローラ90aをヘッド側排出路94に備え、ロッド側スピードコントローラ90bをロッド側排出路96に備えることで、ユーザにより圧力流体の排出速度を調整させることができる。これにより流体圧シリンダ10、10Aは、ピストン30の移動速度を良好に設定することができる。
【0086】
また、電磁弁130は、当該電磁弁130に電力を供給する電力ポート146を有し、電力ポート146の延在方向は、供給ポート86の延在方向と同一である。流体圧シリンダ10は、電力ポート146と供給ポート86の延在方向が同一であることで、電力ポート146に接続する電源のプラグと、供給ポート86に接続する継手とを同方向の姿勢で延在させることができる。これにより、流体圧シリンダ10の使用時に、プラグや継手の延在方向以外の表面が、仮想外形122よりも大きく膨らむことが抑制される。
【0087】
また、第2壁部72は、一面(第1側面20)の一辺に連続するように形成され、且つ一辺の延在方向全体にわたって連設されている。これにより、流体圧シリンダ10、10Aは、第2壁部72を第1側面20の一辺側に寄せて形成することができ、電磁弁130を配置する電磁弁配置空間74(切り欠かれた空間)の容積が大きくなる。このため、電磁弁130を仮想外形122から突出させずに良好に設置することができる。
【0088】
また、第2壁部72は、ピストン30の移動方向と平行に延在している。これにより、流体圧シリンダ10、10Aは、ピストン30の移動の障害となることなく、第2壁部72に流路切換部78を設けることが可能となり、また第2壁部72の厚みを抑制することができる。その結果、ボディ12の小型化をより一層促進することができる。
【0089】
また、電磁弁130は、流路76に連通し、流路76から供給される圧力流体を内部に流入して、圧力流体に基づき流路切換部78を動作させるパイロット式電磁弁である。このようにパイロット式電磁弁を適用することにより、流体圧シリンダ10、10Aは、電磁弁130の駆動を省電力化しつつ、スプール80の移動を安定的に行うことができる。
【0090】
また、シリンダ孔14の内周面は、延在方向と直交する断面視で、表面に対して傾斜する傾斜内周面(第5内周面14e、第6内周面14f)を有し、ボディ12は、傾斜内周面の近傍位置に、当該ボディ12を取付対象に固定するための固定用孔部28を有する。流体圧シリンダ10、10Aは、第5内周面14e、第6内周面14fの近傍位置に固定用孔部28を有することで、ボディ12を大型化せずに、取付対象に取り付けることが可能となる。