(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メインボードの前記バッグ搭載面に専用のバッグを搭載した状態で、前記第1の姿勢から前記第2の姿勢への変形、および前記第2の姿勢から前記第1の姿勢への変形が可能であることを特徴とする請求項2に記載の手押し車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の手押し車では、折り畳んだ時に前後の幅は小さくなるが、高さは変わらないので、収納場所に必要なスペースは大きい。また、折り畳むためには、バッグを取り外さなければならず、利便性が低い。さらに、特許文献1記載の手押し車では、姿勢を変形する際、ブラケットを上下動する必要があり、力の弱い高齢者には酷である場合がある。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、姿勢の変形動作が容易であり、折り畳み姿勢がコンパクトで、バッグを搭載したまま折り畳むことができる手押し車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の手押し車は、フレームの一端に前輪および後輪を有すると共に、前記フレームの他端にハンドルを有する手押し車であって、前記フレームを構成するフロントフレーム、リアフレーム、およびアッパーフレームを、それぞれの一端で回転可能に接続する接続部と、前記フロントフレームに接続されたフロントリンク部材、前記リアフレームに接続されたリアリンク部材および前記アッパーフレームに接続され前記アッパーフレームと連動するクランクで構成され、前記フロントリンク部材、前記リアリンク部材および前記クランクを連結点で連結するリンク機構と、を備え、前記フロントリンク部材および前記リアリンク部材が、前記フロントフレームおよび前記リアフレームが離隔する距離を規制すると共に、前記フロントフレームと前記アッパーフレームとが略同一平面をなす位置に固定される第1の姿勢、または、前記フロントフレームと前記リアフレームとが近接すると共に、前記リアフレームと前記アッパーフレームとが近接する第2の姿勢のいずれか一方の姿勢に固定され、前記第1の姿勢から、前記アッパーフレームが前記接続部を中心として前記リアフレームに近接する方向に回転すると共に、前記連結点で前記クランクによって前記フロントリンク部材および前記リアリンク部材が引き上げられ、前記フロントリンク部材と前記リアリンク部材とが前記連結点で屈折し、前記第2の姿勢に変形することを特徴とする。
【0008】
これにより、手押し車の使用時の姿勢である第一の姿勢と比べて高さが約半分で前後の幅が小さいコンパクトな折り畳み時の姿勢である第二の姿勢に容易に折り畳むことができ、第二の姿勢から第一の姿勢に容易に展開することができる。また、これらの姿勢の変形動作を少ない動作で行なうことができる。さらに、フロントフレームの前部に姿勢の変形動作に関与する部材がないので、フロントフレームの前部にバッグを搭載することで、バッグを搭載したまま手押し車を折り畳むことが可能となる。
【0009】
(2)また、本発明の手押し車は、前記アッパーフレームの接続部側の端部に進退可能に設けられ、進出する方向に付勢された爪部と、前記接続部に設けられ、前記第1の姿勢を取るときの前記アッパーフレームの位置を決める第1の切欠き部、および前記第2の姿勢を取るときの前記アッパーフレームの位置を決める第2の切欠き部と、前記爪部と連結し、操作時に前記爪部を退避させるロック解除ワイヤーと、を備え、前記爪部が前記第1の切欠き部と嵌合することによって前記第1の姿勢に固定される一方、前記爪部が前記第2の切欠き部と嵌合することによって、前記第2の姿勢に固定されることを特徴とする。
【0010】
このように、爪部が切欠き部と嵌合することによってアッパーフレームが第1の姿勢または第2の姿勢の所定の位置に固定されるので、第1の姿勢および第2の姿勢において、アッパーフレームを容易に固定することができ、固定の強度と確実性が増す。よって、手押し車の使用時や折り畳み時に意図しない姿勢の変形がされることが少なくなる。また、姿勢の変形時にロック解除ワイヤーを操作するだけでロックを解除することができるので、姿勢の変形動作をより少ない動作で行なうことができる。
【0011】
(3)また、本発明の手押し車は、前記フロントフレームに挟持されるメインボードをさらに備えることを特徴とする。
【0012】
このように、フロントフレームに挟持されるメインボードをさらに備えるので、フロントフレームがねじれに強くなり、フレーム全体の強度が増す。また、メインボードにバッグを搭載することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、手押し車の使用時の姿勢である第1の姿勢と比べて高さが約半分で前後の幅が小さいコンパクトな第2の姿勢に容易に折り畳むことができ、第2の姿勢から第1の姿勢に容易に展開することができる。また、これらの姿勢の変形動作を少ない動作で行なうことが可能となる。また、バッグを搭載したまま手押し車を折り畳むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】手押し車の高さに対して、約半分の高さから斜めに見た場合の斜視図である。
【
図1B】手押し車の高さに対して、約半分の高さから斜めに見た場合の斜視図である。
【
図2A】手押し車1の車輪側から斜めに見た場合の斜視図である。
【
図2B】手押し車1の車輪側から斜めに見た場合の斜視図である。
【
図3A】手押し車を背面側から見た場合の一部を示す斜視図である。
【
図4A】手押し車を使用時の姿勢から折り畳み時の姿勢に変形する様子を示した図である。
【
図4B】手押し車を使用時の姿勢から折り畳み時の姿勢に変形する様子を示した図である。
【
図4C】手押し車を使用時の姿勢から折り畳み時の姿勢に変形する様子を示した図である。
【
図4D】手押し車を使用時の姿勢から折り畳み時の姿勢に変形する様子を示した図である。
【
図5A】バッグの荷物取り出し口側から見た斜視図である。
【
図6A】バッグ搭載面が鉛直上方を含む方向に面する姿勢で固定された状態を示す図である。
【
図6B】座面が鉛直上方を含む方向に面する姿勢で固定された状態を示す図である。
【
図7A】バッグ搭載面上にバッグが固定された状態で、メインボードが回転する様子を示した図である。
【
図7B】バッグ搭載面上にバッグが固定された状態で、メインボードが回転する様子を示した図である。
【
図7C】バッグ搭載面上にバッグが固定された状態で、メインボードが回転する様子を示した図である。
【
図7D】バッグ搭載面上にバッグが固定された状態で、メインボードが回転する様子を示した図である。
【
図8A】バッグ搭載面からバッグが取り外された状態で、メインボードが回転する様子を示した図である。
【
図8B】バッグ搭載面からバッグが取り外された状態で、メインボードが回転する様子を示した図である。
【
図8C】バッグ搭載面からバッグが取り外された状態で、メインボードが回転する様子を示した図である。
【
図8D】バッグ搭載面からバッグが取り外された状態で、メインボードが回転する様子を示した図である。
【
図9A】バッグ搭載面が鉛直上方を含む方向に面する状態でバッグを搭載した状態を示す図である。
【
図9B】バッグを搭載した状態で、座面を、鉛直上方を含む方向に面するようにメインボードを回転させた状態を示す図である。
【
図9C】バッグ搭載面が鉛直上方を含む方向に面する状態でバッグを取り外した状態を示す図である。
【
図9D】バッグを手押し車から離脱させた状態を示す図である。
【
図9E】バッグにおいて、伸縮ロッドを伸ばした状態を示す図である。
【
図9F】バッグを外した状態で、座面を、鉛直上方を含む方向に面するようにメインボード17を回転させた状態を示す図である。
【
図9G】バッグを取り外した状態で手押し車を折り畳んだ状態を示す図である。
【
図9H】バッグを搭載した状態で手押し車を折り畳んだ状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者らは、従来、手押し車を折り畳んでもあまり小さくならないこと、また、折り畳むためには、バッグを取り外さなければならず、利便性が低いこと、さらに、姿勢を変形する際、力の弱い高齢者には酷である場合があることに着目し、フレームをフロントフレーム、リアフレームおよびアッパーフレームの3つに分け、それぞれの一端で回転可能に接続する構造とすることによって、よりコンパクトな折り畳み姿勢に容易に変形できると共に、フロントフレームの前部に姿勢の変形動作に関与する部材を設けないことで、バッグを搭載したまま手押し車を折り畳むことが可能となることを見出し、本発明に至った。
【0016】
すなわち、本発明の手押し車は、フレームの一端に前輪および後輪を有すると共に、前記フレームの他端にハンドルを有する手押し車であって、前記フレームを構成するフロントフレーム、リアフレーム、およびアッパーフレームを、それぞれの一端で回転可能に接続する接続部と、前記フロントフレームに接続されたフロントリンク部材、前記リアフレームに接続されたリアリンク部材および前記アッパーフレームに接続され前記アッパーフレームと連動するクランクで構成され、前記フロントリンク部材、前記リアリンク部材および前記クランクを連結点で連結するリンク機構と、を備え、前記フロントリンク部材および前記リアリンク部材が、前記フロントフレームおよび前記リアフレームが離隔する距離を規制すると共に、前記フロントフレームと前記アッパーフレームとが略同一平面をなす位置に固定される第1の姿勢、または、前記フロントフレームと前記リアフレームとが近接すると共に、前記リアフレームと前記アッパーフレームとが近接する第2の姿勢のいずれか一方の姿勢に固定され、前記第1の姿勢から、前記アッパーフレームが前記接続部を中心として前記リアフレームに近接する方向に回転すると共に、前記連結点で前記クランクによって前記フロントリンク部材および前記リアリンク部材が引き上げられ、前記フロントリンク部材と前記リアリンク部材とが前記連結点で屈折し、前記第2の姿勢に変形することを特徴とする。
【0017】
これにより、本発明者らは、よりコンパクトな折り畳み姿勢に容易に変形することを可能とし、バッグを搭載したまま手押し車を折り畳むことを可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1A、
図1B、
図2Aおよび
図2Bは、本実施形態に係る手押し車の斜視図である。
図1Aおよび
図1Bは、手押し車1の高さに対して、約半分の高さから斜めに見た場合の斜視図であり、
図2Aおよび
図2Bは、手押し車1の車輪側から斜めに見た場合の斜視図である。この手押し車1は、フロントフレーム3、リアフレーム5およびアッパーフレーム7によって、基本的な骨組み(フレーム)が構成されている。フロントフレーム3は、前進方向の端部にフロントサブフレーム11を有しており、概略コ字状の形状を有している。リアフレーム5は、後進方向の端部にリアサブフレーム13を有しており、梯子状の形状を有している。また、アッパーフレーム7は、使用者の体重がかかる背もたれ部31の裏側に、アッパーサブフレーム15を有しており、梯子状の形状を有している。
【0019】
また、フロントフレーム3、リアフレーム5およびアッパーフレーム7は、それぞれの一端で接続部9によって回転可能に接続されている。このため、フロントフレーム3、リアフレーム5およびアッパーフレーム7は、それぞれ接続部9を中心に回転することが可能となっている。
【0020】
また、メインボード17は、板状に形成されており、車幅方向の両端に一対の側面部18aを有している。メインボード17は、フロントフレーム3によって、側面部18aに設けられた回転軸18bを中心に回転可能に挟持されている。このメインボード17は、二つの面を有しており、一方がバッグ搭載面17aとして機能し、他方が座面17bとして機能する。メインボード17は、回転することにより、バッグ搭載面17aが鉛直上方を含む方向に面する姿勢A、または座面17bが鉛直上方を含む方向に面する姿勢Bを切り替えて、いずれか一方の姿勢でフロントフレーム3に固定される。バッグ搭載面17aには、バッグ19が着脱可能に搭載される。
図1Aおよび
図2Aは、バッグ19がバッグ搭載面17aに搭載されている状態を示し、
図1Bおよび
図2Bは、バッグ19をバッグ搭載面17aから離脱させた状態を示している。
【0021】
リンク機構21は、フロントフレーム3に接続されたフロントリンク部材21b、リアフレーム5に接続されたリアリンク部材21cおよびアッパーフレーム7に接続されアッパーフレーム7と連動するクランク21dで構成されている。3つの部材は連結点21aで連結し、使用時の姿勢ではフロントリンク部材21bおよびリアリンク部材21cがフロントフレーム3とリアフレーム5とが離隔する距離を規制する。一方、折り畳み動作を行なうときは、アッパーフレーム7と連動するクランク21dがフロントリンク部材21bおよびリアリンク部材21cを引き上げることで、フロントフレーム3とリアフレーム5とを近接させる機能を有する。また、展開動作を行なうときは、アッパーフレーム7と連動するクランク21dがフロントリンク部材21bおよびリアリンク部材21cを押し下げることで、フロントフレーム3とリアフレーム5とを離隔させる機能を有する。
【0022】
一対の前輪23は、キャスタ方式でフロントフレーム3の接続部9に対して反対側の端部に設けられており、一対の後輪25は、リアフレーム5の接続部9に対して反対側の端部に設けられている。また、アッパーフレーム7は、接続部9においてフロントフレーム3およびリアフレーム5と接続されており、手押し車1の使用時に、フロントフレーム3と概略同一平面をなすように固定される。この構成により、使用者は、アッパーフレーム7の接続部9に対して反対側の端部に設けられたハンドル27を操作することによって、手押し車1の進行方向を容易に変えることが可能となる。また、ブレーキレバー29は、後輪25の回転を止めるブレーキに連結しており、手押し車1の速度を落としたり、後輪をロックして手押し車1の停止状態を維持したりするために用いられる。
【0023】
背もたれ部31は、座面17bが鉛直上方を含む方向に面する第2の姿勢に固定され、使用者が手押し車1を椅子として使用する場合に、使用者の背中を支持する。本体側把持部33は、使用者が手押し車1を椅子として使用する場合、座った状態から起立する際に支えとして機能したり、後述するように、手押し車1を折り畳んだ状態で運搬する際の取っ手として機能したりする。ロック解除ワイヤー35は、手押し車1を通常の状態から折り畳む場合や、折り畳んだ状態から通常の状態へ展開する場合に、それぞれの姿勢をロックするロック機構を解除するために用いられる。
【0024】
図3Aは、手押し車1を背面側から見た場合の一部を示す斜視図である。
図3Aに示すように、フロントフレーム3、リアフレーム5およびアッパーフレーム7が接続部9において回転可能に接続されている。アッパーフレーム7は、使用者の身長に応じてハンドルの高さを変えられるように、伸縮機能を有している。すなわち、アッパーフレーム7の伸縮機構70は、調整孔71を有する伸縮ロッド72、および調整ねじ73、から構成されており、調整ねじ73を操作することで伸縮ロッド72を伸ばしたり縮めたりすることができ、好みの長さで固定することができる。
【0025】
図3Bは、接続部9の概略構成を示す図であり、説明の都合上、一部を透視図として示している。接続部9は、手押し車1が使用時の姿勢(第1の姿勢)を取るときのアッパーフレームの位置を決める第1の切欠き部9aと、手押し車1が折り畳み時の姿勢(第2の姿勢)を取るときの第2の切欠き部9bとを有している。また、アッパーフレーム7の接続部9側の端部に、爪部35aが進退可能に設けられている。この爪部35aは、図示しないスプリングで常に進出する方向に付勢されている。また、爪部35aは、ロック解除ワイヤー35の端部と連結されている。使用者が、アッパーサブフレーム15と共にロック解除ワイヤー35を握ると、ロック解除ワイヤー35がアッパーサブフレーム15方向に引き寄せられ、ロック解除ワイヤー35が爪部35aを牽引する。その結果、爪部35aが第1の切欠き部9aまたは第2の切欠き部9bから退避する。
【0026】
爪部35aが第1の切欠き部9aに嵌合することによって、手押し車1は、使用時の姿勢に固定される。一方、爪部35aが第2の切欠き部9bに嵌合することによって、手押し車1は、折り畳み時の姿勢に固定される。このように、爪部が切欠き部と嵌合することによってアッパーフレーム7が使用時の姿勢または折り畳み時の姿勢の所定の位置に固定されるので、使用時の姿勢および折り畳み時の姿勢においてアッパーフレーム7を容易に固定することができ、固定の強度と確実性が増す。よって、手押し車の使用時や折り畳み時に意図しない姿勢の変形がされることが少なくなる。また、姿勢の変形時にロック解除ワイヤー35を操作するだけでロックを解除することができるので、姿勢の変形動作を少ない動作で行なうことができる。
【0027】
以上のように、アッパーフレーム7を第1の切欠き部9aまたは第2の切欠き部9bで固定させることができるため、本実施形態に係る手押し車1は、次のように変形することができる。
図4A、
図4B、
図4C、および
図4Dは、手押し車1を使用時の姿勢から折り畳み時の姿勢に変形する様子を順番に示した図である。
【0028】
図4Aに示す状態では、爪部35aが第1の切欠き部9aに嵌合しているため、手押し車1はこの姿勢に固定されている。この状態で、使用者がロック解除ワイヤー35を操作すると、爪部35aが退避し、アッパーフレーム7を、接続部9を中心としてリアフレーム5の方向に回転させることが可能となる。
図4Bに示すように、アッパーフレーム7が回転し始めると、アッパーフレーム7に接続されアッパーフレーム7と連動するクランク21dが引き上げられる。そして、リンク機構21の連結点21aでフロントリンク部材21bおよびリアリンク部材21cが引き上げられる。その結果、フロントリンク部材21bおよびリアリンク部材21cが屈折し始め、フロントフレーム3とリアフレーム5が近接するように移動する。さらにアッパーフレーム7を回転させると、
図4Cに示す状態となり、フロントフレーム3とリアフレーム5とが近接すると共に、リアフレーム5とアッパーフレーム7とが近接する。さらにアッパーフレーム7を回転させると、爪部35aが第2の切欠き部9bと嵌合し、アッパーフレーム7が固定され、
図4Dに示す状態となる。これにより、手押し車1は、完全に折り畳まれた状態となる。
【0029】
このように、アッパーフレーム7がリアフレーム5に近接する状態となるため、手押し車1の高さを使用時の約半分にすることができ、折り畳み時の小型化を図ることが可能となる。また、フロントフレーム3の前部に姿勢の変形動作に関与する部材がないので、フロントフレーム3の前部にバッグを搭載することで、バッグを搭載したまま手押し車を折り畳むことが可能となる。
【0030】
折り畳まれた手押し車1を使用する場合は、上記の説明と逆の手順で展開すればよい。これらの変形動作は、ロック解除ワイヤー35を操作し、アッパーフレーム7を回転させるだけなので少ない動作で行なうことができる。また、接続部9の回転の中心とアッパーサブフレーム15やハンドル27とは距離があるので、力の弱い高齢者であってもアッパーフレーム7を容易に回転させることができ、容易に変形動作を行なうことができる。
【0031】
図5A、
図5Bは、本実施形態に係るバッグの斜視図である。
図5Aは、バッグ19の荷物取り出し口19b側から見た斜視図であり、
図5Bは、バッグ19の車輪19d側から見た斜視図である。
【0032】
バッグ本体19aの車輪19dの反対側の端部には、一対のロックピン19fが設けられている。ロックピン19fは、バッグ本体19aがメインボード17の側面部18aと対向する面(バッグ本体19aの側面)から進退可能に構成され、常に突出する方向に付勢されている。そして、ロックピン19fは、後述するメインボード17のバッグ固定孔17fに嵌め込まれ、バッグ19を手押し車1に固定する。また、持ち手19cの近傍で、一対のロックピン19fの中間の位置に、回転式解除レバー19gが設けられている。回転式解除レバー19gは、ロックピン19fと連結しており、回転することによって、ロックピン19fをバッグ本体19aの内部に退避させるように構成されている。
【0033】
また、
図5Bに示すように、バッグ本体19aの車輪19d側の端部に、係合突起19hが設けられている。係合突起19hは、後述するメインボード17に設けられた切欠き部と嵌合することによって、バッグ19をバッグ搭載面17aに搭載する際に、バッグ19の位置決めとして機能する共にバッグ19の固定をする機能を果たす。なお、本実施形態では、係合突起19hを、スタンド19eと一体化させ、一定の面積を有する板状に構成しているが、本発明は、これに限定されるわけではない。
【0034】
図6Aおよび
図6Bは、メインボード17をフロントフレーム3に固定させる概念を示す図であり、説明の都合のため、一部を透視図として示している。
図6Aは、バッグ搭載面17aが鉛直上方を含む方向に面する姿勢で固定された状態を示し、
図6Bは、座面17bが鉛直上方を含む方向に面する姿勢で固定された状態を示す。一対のフロントフレーム3は、メインボード17側に、ロック機構17cを備えている。
図6Aおよび
図6Bでは、図面作成上の都合から、紙面に対して奥側に位置するフロントフレーム3のみを示している。ロック機構17cは、フロントフレーム3の軸方向にスライド可能なロック本体40、ロック本体40のスライド方向の両端部に設けられたロック用切欠き部41、およびロック本体40を中立位置に付勢する付勢部42から構成されている。
【0035】
一方、
図6Aおよび
図6Bに示すように、メインボード17は、一対のストッパ17dおよび一対のストッパ17eを備えている。一対のストッパ17dは、一対のロック用突起43aを備えている。メインボード17が
図6Aの状態にあるときに、一対のロック用突起43aがロック本体40の前輪23側のロック用切欠き部41と係合すると共に、一対のストッパ17dが、フロントフレーム3の鉛直下方を含む方向に面する表面と当接することによって、メインボード17が、回転軸18bを中心に、係合溝17gが上昇し、バッグ固定孔17fが下降する方向に回転することを規制している。
【0036】
また、一対のストッパ17eは、一対のロック用突起43bを備えている。メインボード17が
図6Bの状態にあるときに、一対のロック用突起43bがロック本体40の回転軸18b側のロック用切欠き部41と係合すると共に、一対のストッパ17eが、フロントフレーム3の鉛直上方を含む方向に面する表面に当接することによって、メインボード17が、回転軸18bを中心に、係合溝17gが上昇し、バッグ固定孔17fが下降する方向に回転することを規制している。
【0037】
このような構成を採っているため、
図6Aおよび
図6Bのいずれの状態においても、メインボード17をフロントフレーム3に固定することが可能となる。
【0038】
また、
図6Aにおいて、各側面部18aのロック用突起43aから回転軸18bへ向かう方向の端部には、バッグ19のロックピン19fが係合する一対のバッグ固定孔17fが設けられている。また、メインボード17の回転軸18bからロック用突起43aへ向かう方向の端部には、バッグ19の係合突起19hが係合する係合溝17gが設けられている。この構成により、バッグ19をメインボード17のバッグ搭載面17aにワンタッチで搭載することが可能となる。
【0039】
以上のように、メインボード17をフロントフレーム3に固定させることができるため、本実施形態に係る手押し車1は、次のように変形することができる。
図7A、
図7B、
図7C、および
図7Dは、メインボード17のバッグ搭載面17a上にバッグ19が固定された状態で、メインボード17が回転する様子を順番に示した図である。
図7Aに示すように、通常状態では、手押し車1は、バッグ搭載面17aが鉛直上方を含む方向に面する姿勢Aを取っている。この場合、ロック機構17cとストッパ17dが機能し、メインボード17がフロントフレーム3に固定されている。
【0040】
使用者がロック機構17cのロックを解除して、メインボード17を、回転軸18bを中心に、係合溝17gが上昇し、バッグ固定孔17fが下降する方向に回転させると、
図7Bに示すように、バッグ19を搭載したまま、メインボード17を回転させることができる。さらに回転させると、
図7Cに示すように、座面17bが鉛直上方を含む方向に面するようになる。最後に、座面17bが鉛直上方を含む方向に面する姿勢Bで固定される。この場合、ロック機構17cが機能し、メインボード17がフロントフレーム3に固定されている。なお、メインボード17を元の姿勢に戻すためには、上記の説明と逆の手順で操作すればよい。
【0041】
また、
図8A、
図8B、
図8C、および
図8Dは、メインボード17のバッグ搭載面17aからバッグ19が取り外された状態で、メインボード17が回転する様子を順番に示した図である。
図8Aに示すように、通常状態では、手押し車1は、バッグ搭載面17aが鉛直上方を含む方向に面する姿勢Aを取っている。この場合、ロック機構17cとストッパ17dが機能し、メインボード17がフロントフレーム3に固定されている。
【0042】
使用者がロック機構17cのロックを解除して、メインボード17を、回転軸18bを中心に、係合溝17gが上昇し、バッグ固定孔17fが下降する方向に回転させると、
図8Bに示すように、メインボード17を回転させることができる。さらに回転させると、
図8Cに示すように、座面17bが鉛直上方を含む方向に面するようになる。最後に、座面17bが鉛直上方を含む方向に面する姿勢Bで固定される。この場合、ロック機構17cが機能し、メインボード17がフロントフレーム3に固定されている。なお、メインボード17を元の姿勢に戻すためには、上記の説明と逆の手順で操作すればよい。
【0043】
次に、以上のように構成された手押し車1の使用態様について説明する。
図9A、
図9B、
図9C、
図9Dおよび
図9Eは、手押し車1の使用態様を側面から示した図である。
図9Aは、バッグ搭載面17aが鉛直上方を含む方向に面する状態でバッグ19を搭載した状態を示す。この状態で、使用者は、手押し車1を押しながら歩行することができ、また、買い物などで荷物を入手した場合は、バッグ19に収納することが可能となる。
【0044】
図9Bは、バッグ19を搭載した状態で、座面17bを、鉛直上方を含む方向に面するようにメインボード17を回転させた状態を示す。このように、バッグ19を取り外すことなく、座面17bを、鉛直上方向けることができるので、使用者は手押し車1をワンタッチで椅子として使用することが可能となる。
【0045】
図9Cは、バッグ搭載面17aが鉛直上方を含む方向に面する状態でバッグ19を取り外した状態を示す。この状態で、使用者は、手押し車1を押しながら歩行することができる。
図9Dは、バッグ19を手押し車1から離脱させた状態を示す。バッグ19は、車輪19dを有しているため、キャリーバッグとして使用することが可能となる。すなわち、使用者は、手押し車1から取り外したバッグ19を運搬する場合、手で抱える必要はない。
図9Eは、バッグ19において、バッグ用伸縮ロッド19mを伸ばした状態を示す。このように、把持部19jがバッグ用伸縮ロッド19mによって、伸縮自在であるため、バッグ19をキャリーバッグとして使用することが可能となる。また、買い物などで荷物を入手した場合は、バッグ19に収納することが可能となる。
【0046】
図9Fは、バッグ19を外した状態で、座面17bを、鉛直上方を含む方向に面するようにメインボード17を回転させた状態を示す。このように、座面17bを鉛直上方向けることができるので、使用者は手押し車1をワンタッチで椅子として使用することが可能となる。
【0047】
図9Gは、バッグ19を取り外した状態で手押し車1を折り畳んだ状態を示し、
図9Hは、バッグ19を搭載した状態で手押し車1を折り畳んだ状態を示す。このように、手押し車1を小さく折り畳むことができるので、収納スペースが限られていても、手押し車1を収納することができる。また、
図9Hに示すように、バッグ19を搭載した状態でも折り畳むことができるので、タクシーに乗車する場合など、手押し車1を折り畳む場面において、バッグ19を取り外す必要がないため、迅速に手押し車1を小さく折り畳むことが可能となる。
【0048】
なお、本実施形態では手押し車1は回転可能なメインボード17を備えているが、本発明は、これに限定されるわけではない。メインボード17が回転しない形態の手押し車1や、メインボード17を備えていない形態の手押し車1であってもよい。メインボード17を備えていない形態の手押し車1では、バッグ19はフロントフレーム3に直接搭載される。
【0049】
また、本実施形態では手押し車1は着脱可能なバッグ19を備えているが、本発明は、これに限定されるわけではない。バッグ19がメインボード17やフロントフレーム3に固定され取り外しができない形態の手押し車1であってもよい。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る手押し車によれば、手押し車の使用時の姿勢である第1の姿勢と比べて高さが約半分で前後の幅が小さいコンパクトな第2の姿勢に容易に折り畳むことができ、第2の姿勢から第1の姿勢に容易に展開することができる。また、これらの姿勢の変形動作を少ないアクションで行なうことが可能となる。また、バッグを搭載したまま手押し車を折り畳むことが可能となる。