(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回路がフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)チップまたは特定用途向け集積回路(ASIC)チップに集積されている請求項1から4のいずれか一項に記載の回路。
前記回路がFPGAチップに集積されており、前記ディレイチェーンにおけるディレイユニットは、キャリーチェーンおよびルックアップテーブルの少なくともひとつを含む請求項5に記載の回路。
前記回路がFPGAチップに集積されており、前記ディレイチェーンにおけるディレイユニットは、前記FPGAチップの同じスライスまたは異なるスライスに位置する請求項5または6に記載の回路。
前記ディレイチェーンにおけるディレイユニットは、キャリーチェーンおよびルックアップテーブルの少なくともひとつを含む請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述のように、従来のライダーシステムでは、TDCの体積が大きく、その応用場面が限られていた。
【0015】
ライダーシステムの体積を小さくするため、本発明の実施例は、専用の回路によってTDCの機能を実現する。このようにして、ライダーシステムの体積を小さくすることができるだけでなく、ライダーシステムの製造コストを節減することができる。
【0016】
チップのクロック周波数は、一般にMHzからGHzの間にあり、すなわち、チップのクロック周期はnsレベルにある。ライダーシステムは、通常、被測定信号の受信時間測定精度をピコ秒(picosecond,psと略す)レベルで制御している。そのため、チップのカウント値に基づき直接算出された被測定信号の受信時間の誤差は、チップのクロック周期に等しく、すなわち、チップのカウント値に基づき直接算出された被測定信号の受信時間の誤差はnsレベルの誤差であり、ライダーシステムの時間測定精度に対する要求に達していない。
【0017】
時間測定精度を向上するための実行可能な手法は、チップ内部の素子リソースを用いてディレイチェーンを構築することにより、nsレベルのクロック周期をさらに細分化し、より精細な時間サンプリング情報を得ることである。次に、
図1を合わせてディレイチェーンに基づく時間測定手法について説明する。
【0018】
図1は、ディレイチェーンに基づく時間測定チップの構成模式図である。
図1に示す時間測定チップは、時間測定回路10と、カウンター30と、を含む。
【0019】
回路10は、専用の集積回路とすることができ、回路10は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field−programmable gate array,FPGA)チップに集積しても、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits,ASIC)チップに集積してもよく、本発明の実施例では、これについて具体的に限定しない。回路10は、ディレイチェーン12と、ラッチユニット14と、信号入力端16と、を含んでもよい。
【0020】
信号入力端16は、被測定信号を受信するために用いることができる。被測定信号は、例えば、低レベル−高レベル−低レベルを有するパルス信号であってもよい。この被測定信号は、変換回路(
図1には図示せず)によってアナログ信号を変換した後に得ることができる。ライダーシステムを例とすると、ライダーシステムの受信器が受信する反射信号はアナログ信号であり、アナログ信号の受信時間をサンプリングする前に、変換回路(比較装置など)によってこのアナログ信号をデジタル信号(すなわち、上述した被測定信号)に変換してから、回路10によってこの被測定信号の立ち上がりエッジの受信時間をサンプリングすることができ、この被測定信号の立ち上がりエッジの受信時間は、反射信号の受信時間を反映させるために用いることができる。
【0021】
ディレイチェーン12は、順に接続(またはカスケード接続)された複数のディレイユニット(
図1における順に接続された小さな四角)を含んでもよい。ディレイユニットは、チップ内部の論理回路によって実現してもよい。例えば、回路10をFPGAチップに集積することができ、ディレイユニットは、FPGAチップ内部のキャリーチェーン(carry chain)およびルックアップテーブル(lut)の少なくともひとつとすることができる。
【0022】
さらに、ディレイチェーン12におけるディレイユニットは、FPGAチップの同じスライスに位置しても、FPGAチップの異なるスライスに位置してもよい。スライスを跨いでディレイチェーン12を配置する方式に比べ、同じスライスにディレイチェーン12を配置すると、ディレイチェーン12の遅延時間をより安定化させることができ、チップ内部の配線を簡素化することができる。ディレイユニットの遅延時間は、一般に、数psから百psまでの間であり、ディレイユニットの具体的な遅延時間は、ディレイユニットを構成する論理回路のタイプ、チップのメーカー、チップの作製工程などの要因と関係がある。
【0023】
ラッチユニット14は、ディレイユニットの出力信号をラッチするために用いることができる。ラッチユニット14は、例えば、チップ内部のレジスタによって実現することができる。ディレイチェーン12の各ディレイユニットは、ラッチユニット14のうちの1つのレジスタと接続してもよい。ディレイユニットがキャリーチェーンである場合を例とすると、ディレイチェーン12上の各キャリーチェーンのCO端を、ラッチユニット14における1つのレジスタと接続することができる。キャリーチェーンのCO端の出力信号が高レベル信号である場合、その対応するレジスタがデジタル信号1をラッチし、キャリーチェーンのCO端の出力信号が低レベル信号である場合、その対応するレジスタがデジタル信号0をラッチする。なお、ディレイチェーン12とラッチユニット14は同じスライスに位置しても、異なるスライスに位置してもよく、本発明の実施例はこれについて具体的に限定しない。いくつかの実施例において、ディレイユニットおよびラッチユニット14を同じスライスに設けることにより、ディレイユニットからラッチユニット14までの配線の遅延を制御することができる。
【0024】
カウンター30は、システムクロックをトリガするクロック信号の個数をカウントすることができる。時間測定チップにおいて、カウンター30のカウント値を粗カウントC
rと定義し、システムクロックのカウント時間C
r*T
ckを粗時間と定義し、T
ckはシステムクロックのクロック周期を表す。粗時間の誤差は、システムクロックのクロック周期T
ckに等しい。現在、チップのクロック周期は最高GHzに達することができるため、粗時間の誤差は、最低でもnsレベルの誤差である。
【0025】
ディレイチェーン12におけるディレイユニットの遅延時間をt
dとすると、
図1に示すように、被測定信号をディレイチェーン12に入力した後、理論上は、t
d時間経過するごとに、被測定信号が1つのディレイユニットを通過する。システムクロックの立ち上がりエッジが現れた場合、ラッチユニット14は、ディレイチェーン12上の各ディレイユニットの出力信号をラッチする。
【0026】
現在のクロック周期において、ディレイチェーン12上を伝達しているものが被測定信号の立ち上がりエッジである場合、ラッチユニット14でラッチしたデジタル信号の形式タイプは、通常、「・・・・・・111111110000・・・・・・・」という形式タイプである。次いで、ラッチユニット14に現れた「1」の個数C
1を計算することにより、被測定信号の立ち上がりエッジの精密な時間がT
rising=C
r*T
ck−C
1*t
dであることを確定することができる。
【0027】
現在のクロック周期において、ディレイチェーン12上を伝達しているものが被測定信号の立ち下がりエッジである場合、ラッチユニット14でラッチしたデジタル信号の形式タイプは、通常、「・・・・・・0000000111111・・・・・・・」という形式タイプである。次いで、ラッチユニット14に現れた「0」の個数C
2を計算することにより、被測定信号の立ち下がりエッジの精細な時間がT
falling=C
r*T
ck−C
2*t
dであることを確定することができる。
【0028】
以上の説明からわかるように、ディレイチェーンに基づく時間測定手法は、システムクロックが提供する粗時間を精細化し、被測定信号の精細な時間情報を得ることができる。この精細な時間情報の誤差は、通常、psレベルの誤差である。
【0029】
しかしながら、加工工程、チップ動作条件などの要因の影響を受け、ディレイチェーンに基づく時間測定手法で測定される時間は不安定であり、ディレイチェーンに基づく時間測定手法で得られる測定時間が不正確なものとなる可能性がある。時間測定の正確さを高めるため、回路10の構成をさらに調整することができ、1クロック周期内で、被測定信号の立ち上がりエッジを、ディレイチェーンの異なるディレイユニットを起点として伝搬することができ、これにより、1クロック周期内で、被測定信号の立ち上がりエッジに対してサンプリングを複数回行い、複数のサンプリング結果を得ることができる。次いで、後続する処理回路を用いて複数のサンプリング結果を平均化し、この平均値を被測定信号の立ち上がりエッジの受信時間とする。上記平均化操作を経て、回路10で算出される時間情報をより安定した正確なものとすることができる。次に、
図2を合わせて本発明の実施例で提供する回路10の構成について詳細に説明する。
【0030】
図2に示すように、時間測定回路10は、ディレイチェーン12と、ラッチユニット14と、信号入力端16と、論理制御ユニット18と、を含んでもよい。回路10は、被測定信号の立ち上がりエッジの時間をサンプリングするために用いることができる。
【0031】
信号入力端16は、被測定信号を受信するために用いることができる。被測定信号は、低レベル−高レベル−低レベルを有するパルス信号であってもよい。この被測定信号は、変換回路(
図2には図示せず)によってアナログ信号を変換した後に得ることができる。ライダーシステムを例とすると、ライダーシステムの受信器が受信する反射信号はアナログ信号であり、アナログ信号の受信時間をサンプリングする前に、変換回路(比較装置など)によってこのアナログ信号をデジタル信号(すなわち、上述した被測定信号)に変換してから、回路10によってこの被測定信号の立ち上がりエッジの受信時間をサンプリングすることができ、この被測定信号の立ち上がりエッジの受信時間は、反射信号の受信時間を表すために用いることができる。
【0032】
ディレイチェーン12は、n個のディレイユニットを含むことができる。ディレイチェーン12の1つ目のディレイユニットは、信号入力端から被測定信号を受信するよう、信号入力端16と接続してもよい。被測定信号が到達するまで、ディレイチェーン12上のn個のディレイユニットは、いずれも初期状態(すなわち、低レベル状態)にあってもよい。
【0033】
さらに、ディレイチェーン12は、1つ目のディレイユニットに応答して被測定信号を受信するよう配置されていてもよく、第1の立ち上がりエッジを1つ目のディレイユニットからディレイチェーンのn個目のディレイユニットまで順に伝達する。第1の立ち上がりエッジは、第1ディレイユニットが受信した被測定信号の立ち上がりエッジであり、nは2よりも大きい正の整数である。
【0034】
論理制御ユニット18の入力端は、信号入力端16から被測定信号を受信するよう、信号入力端16と接続してもよい。論理制御ユニット18の出力端は、ディレイチェーン12のk個目のディレイユニットと接続してもよい。
【0035】
論理制御ユニット18は、論理制御ユニット18の入力端に応答して被測定信号を受信するよう配置されていてもよく、k個目のディレイユニットに第2の立ち上がりエッジを伝達し、第2の立ち上がりエッジをk個目のディレイユニットからn個目のディレイユニットまで順に伝達し、第2の立ち上がりエッジは論理制御ユニットが受信した被測定信号の立ち上がりエッジであり、kは正の整数であり、かつ1<k<nである。
【0036】
なお、第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジは、いずれも被測定信号の立ち上がりエッジであり、異なる部分は、第1の立ち上がりエッジはディレイチェーン12の1つ目のディレイユニットから後ろに伝搬し、第2の立ち上がりエッジはディレイチェーン12のk個目のディレイユニットから後ろに伝搬することである。
【0037】
以上の説明からわかるように、被測定信号は、ディレイチェーン12の中に2つの伝搬起点があり、それぞれディレイチェーン12の1つ目のディレイユニットおよびk個目のディレイユニットである。このようにして、被測定信号の立ち上がりエッジは、ディレイチェーン12の2つの異なる位置、すなわち、上述の第1の立ち上がりエッジが所在する位置、および第2の立ち上がりエッジが所在する位置に現れる。
【0038】
第2の立ち上がりエッジは、k個目のディレイユニットから後ろに伝搬し、第2の立ち上がりエッジが通ったディレイユニットの出力信号を低レベル状態から高レベル状態に変換する。時間の経過に伴い、第1の立ち上がりエッジは、k個目のディレイユニットまで伝達され、k個目のディレイユニットの出力信号が依然として高レベル状態に保たれている場合、第1の立ち上がりエッジをサンプリングすることができない。そのため、k個目以降のディレイユニットが第1の立ち上がりエッジをサンプリングできるようにするには、第1の立ち上がりエッジがk個目のディレイユニットに到達する前に、k個目以降のディレイユニットを順に低レベル状態にリセットする必要がある。
【0039】
そのため、さらに、論理制御ユニット18は、k個目のディレイユニットに第2の立ち上がりエッジを伝達した後、第1の立ち上がりエッジをk個目のディレイユニットまで伝達する前に、k個目のディレイユニットに低レベル信号を送信し、低レベル信号をk個目のディレイユニットからn個目のディレイユニットまで順に伝達するよう配置されていてもよい。
【0040】
論理制御ユニット18は、k個目のディレイユニットが低レベル信号を送信した後、この低レベル信号がk個目のディレイユニットを起点として後ろに伝搬されることにより、k個目以降のディレイユニットを順に低レベル状態にリセットし、第1の立ち上がりエッジの伝搬を継続するための準備を行う。
【0041】
ラッチユニット14は、n個のディレイユニットの出力信号をラッチするよう、n個のディレイユニットと接続してもよい。ラッチユニット14は、チップ内部のレジスタによって実現することができる。具体的には、ディレイチェーン12の各ディレイユニットは、ラッチユニット14における1つのレジスタに対応することができる。ディレイユニットがキャリーチェーンである場合を例とすると、ディレイチェーン12上の各キャリーチェーンのCO端を、レジスタと接続することができる。キャリーチェーンのCO端の出力信号が高レベル信号である場合、レジスタがデジタル信号1をラッチし、キャリーチェーンのCO端の出力信号が低レベル信号である場合、レジスタがデジタル信号0をラッチする。なお、ディレイチェーン12とラッチユニット14は同じスライスに位置しても、異なるスライスに位置してもよく、本発明の実施例はこれについて具体的に限定しない。いくつかの実施例において、ディレイユニットおよびラッチユニット14を同じスライスに設けることにより、ディレイユニットからラッチユニット14までの配線の遅延を制御することができる。
【0042】
ラッチユニット14は、ラッチ信号を後続する処理回路に出力し、被測定信号の立ち上がりエッジの受信時間を計算する。以下、具体的な実施例を合わせて処理回路の具体的な処理プロセスについて詳細に説明する。
【0043】
なお、本発明の実施例は、nの値について具体的に限定しておらず、被測定信号が1クロック周期内で通過可能なディレイユニットの数、回路10の時間サンプリング精度要求、ディレイユニットの遅延時間の誤差範囲、および1つ目のディレイユニットとk個目のディレイユニットとの間に介在するディレイユニットの数などの要因の少なくとも1つに基づき確定することができる。システムクロックの動作周波数が200Mhz、システムクロックのクロック周期が5nsである場合を例とし、被測定信号が1クロック周期(すなわち、5ns)の時間内で最大270個のディレイユニットを通過することができ、かつk個目のディレイユニットと1つ目のディレイユニットとの間に30個のディレイユニットが介在していると仮定すると、nを300とすることができ、このようにして、基本的に、1クロック周期内に被測定信号の立ち上がりエッジに対してサンプリングを2回行うことを保証することができる。
【0044】
選択可能に、いくつかの実施例において、nの配置によって、被測定信号がディレイチェーン12を通過する時間を2クロック周期以上とすることができる。回路10は、1クロック周期において、被測定信号の立ち上がりエッジに対してサンプリングを2回行うことができるため、nの配置によって、被測定信号がディレイチェーン12を通過する時間が2クロック周期以上である場合、回路10は、同じ被測定信号に対してサンプリングを複数回行うことができ、これにより、立ち上がりエッジのサンプリング結果をより正確にすることができる。
【0045】
システムクロックの動作周波数が200Mhz、システムクロックのクロック周期が5nsである場合を例とし、被測定信号が1クロック周期(すなわち、5ns)の時間内で最大270個のディレイユニットを通過することができ、かつk個目のディレイユニットと1つ目のディレイユニットとの間に30個のディレイユニットが介在していると仮定すると、nを600とすることができ、このようにして、基本的に、被測定信号がディレイチェーン12を通過する時間がほぼ2クロック周期であり、各クロック周期は立ち上がりエッジに対してサンプリングを2回行うことができることを保証することができ、n=600では、回路10は、2クロック周期内に同じ被測定信号の立ち上がりエッジに対してサンプリングを4回行うことができ、これにより、立ち上がりエッジのサンプリング結果をより正確にすることができる。当然ながら、時間サンプリングの正確さをさらに高めるため、チップ内部のリソースが許す限り、nの配置をさらに大きな値にしてもよい。
【0046】
本発明の実施例は、kの値について具体的に限定しない。kの値が小さいほど、第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジで多重化可能なディレイユニットの数も多くなり、ディレイチェーン12の構築コストも低くなる。しかしながら、kの値が小さいほど、第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジの距離が近くなり、両者の間の信号ノイズも強くなる。そのため、kの値は、上記要因を総合的に考慮して定める。一例として、kの値を20〜40の間のある数値とすることができ、例えば、kの値を32とすることができる。
【0047】
本発明の実施例で提供する時間測定回路は、ライダーシステムの体積を小さくし、ライダーシステムのコストを節減することができる。さらに、本発明の実施例で提供する時間測定回路は、1つのディレイチェーンに基づき、1クロック周期内で、被測定信号の立ち上がりエッジに対してサンプリングを複数回行うことができ、これにより後続して算出される被測定信号の立ち上がりエッジの受信時間をより正確にする。
【0048】
上述のように、論理制御ユニット18は、k個目のディレイユニットに第2の立ち上がりエッジを伝達した後、第1の立ち上がりエッジをk個目のディレイユニットまで伝達する前に、k個目のディレイユニットに低レベル信号を送信することにより、k個目のディレイユニットおよびk個目以降のディレイユニットの状態を順にリセットする。なお、低レベル信号の送信タイミングの確定方式は複数種あってもよく、本発明の実施例はこれについて具体的に限定しない。
【0049】
一例として、論理制御ユニット18は、1つのタイマーを用いてトリガし、この低レベル信号を送信してもよい。このタイマーの時間の長さは、論理制御ユニット18がk個目のディレイユニットに第2の立ち上がりエッジを伝達する時間と第1の立ち上がりエッジをk個目のディレイユニットまで伝達する時間との間の任意の時間とすることができる。例えば、第1の立ち上がりエッジをk個目のディレイユニットまで伝達する時間を予測し、このタイマーの時間の長さをこの時間の半分とすることができる(このとき、第1の立ち上がりエッジが、1つ目のディレイユニットとk個目のディレイユニットのほぼ中間の位置まで伝達される)。
【0050】
もう1つの例として、
図3に示すように、論理制御ユニット18の入力端は、n個目のディレイユニットにおけるt個目のディレイユニットと接続してもよく、tは正の整数であり、かつ1<t<kである。論理制御ユニット18は、第1の立ち上がりエッジに応答してt個目のディレイユニットまで伝達し、k個目のディレイユニットに低レベル信号を送信するよう配置してもよい。なお、本発明の実施例は、tの値について具体的に限定せず、1からkの間の任意の値とすることができる。
【0051】
具体的には、論理制御ユニット18は、t個目のディレイユニットの出力信号を検出することができ、t個目のディレイユニットの出力信号が低レベル信号から高レベル信号に変換されるときに、論理制御ユニット18が、第1の立ち上がりエッジがt個目のディレイユニットまですでに伝達されたと判断する。次いで、論理制御ユニット18は、k個目のディレイユニットに低レベル信号を送信し、k個目のディレイユニットおよびk個目以降のディレイユニットを低レベル状態に順にリセットすることができる。
【0052】
本発明の実施例は、t個目のディレイユニットの出力信号の状態を検出することにより、ディレイチェーンにおける第1の立ち上がりエッジの伝搬位置を正確に知ることができ、これにより、低レベル信号のトリガタイミングの選択をより合理的にする。また、本発明の実施例で提供する低レベル信号のトリガタイミングは、t個目のディレイユニットの出力信号の状態に基づき簡単な論理演算を行うだけで確定することができ、実現は比較的簡単である。
【0053】
本発明の実施例は、論理制御ユニット18の形式について具体的に限定せず、上述した機能を実現可能な任意の回路形式とすることができる。回路10をFPGAチップに集積する場合を例とすると、論理制御ユニット18は、FPGAチップ内部の1つまたは複数の論理ゲート回路によって実現しても、lutを直接用いて実現してもよい。以下、
図4を合わせて、論理制御ユニット18の具体的な実現形態を示す。
【0054】
図4に示すように、論理制御ユニット18は、排他的論理和ユニット181(すなわち、
図4におけるXORユニット)および論理和ユニット182(すなわち、
図4におけるORユニット)を含んでもよい。排他的論理和ユニット181の入力端は、信号入力端16およびt個目のディレイユニットと接続してもよい。論理和ユニット182の入力端は、排他的論理和ユニット181の出力端およびディレイチェーン12の(k−1)個目のディレイユニットと接続してもよい。論理和ユニット182の出力端は、k個目のディレイユニットと接続してもよい。本発明の実施で提供する論理制御ユニット18の回路形式は、素子の数が比較的少なく、実現が簡単である。
【0055】
以下、
図5を合わせて、k=32、t=20で、被測定信号が1クロック周期で最大270個のディレイユニットを通り、かつn=600である場合を例とし、論理制御ユニット18の動作プロセスおよびディレイチェーン12上のディレイユニットの出力信号の状態の変化プロセスについて詳細に説明する。なお、
図5の例は、当業者による本発明の実施例への理解を助けるためのものであるに過ぎず、本発明の実施例を例示した具体的な数値または具体的な場面に限定するものではない。当業者は、与えられた
図5の例に基づき、各種同等の修正または変更を行うことができ、このような修正または変更も、本発明の実施例の範囲内に入る。
【0056】
ステップ1、被測定信号が信号入力端16に入力されるまで、600個のディレイユニットの出力信号の状態はいずれも0である。
【0057】
ステップ2、被測定信号の立ち上がりエッジが信号入力端16に到達すると、1つ目のディレイユニットの出力信号の状態がまず0から1に変わる。また、排他的論理和ユニット181の作用の下で、32個目のディレイユニットの出力信号の状態が0から1に変わる。ディレイチェーン上のその他のディレイユニットの出力信号の状態は、一時的に0に保持される。
【0058】
ステップ3、第1の立ち上がりエッジを20個目のディレイユニットまで伝達するとき、第2の立ち上がりエッジが(32+X)個目のディレイユニットに達し、Xは、理論上19に等しいが、加工工程などの要因の影響により、Xの具体的な値はある程度の変動があり、例えば、Xの値は12から28の間で変動する。第1の立ち上がりエッジは20個目のディレイユニットに到達するため、排他的論理和ユニット181の作用の下で、32個目のディレイユニットが、低レベル信号の伝達を開始する。
【0059】
ステップ4、第1の立ち上がりエッジを31個目のディレイユニットまで伝達するとき、論理和ユニット182の作用により、32個目のディレイユニットの出力信号が0から1に変わり、第1の立ち上がりエッジの伝達を開始する。
【0060】
ディレイチェーン12における最初の80個のディレイユニットを例とすると、この最初の80個のディレイユニットの出力信号の状態の主な変化プロセスは、次のとおりである。
【0061】
被測定信号が信号入力端16に達していないとき、
0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000である。
【0062】
被測定信号が信号入力端16に達したとき、
1000000000000000000000000000000100000000000000000000000000000000000000000000である。
【0063】
第1の立ち上がりエッジがディレイチェーン12の3個目のディレイユニットまで伝達され、
1110000000000000000000000000000111000000000000000000000000000000000000000000である。
【0064】
第1の立ち上がりエッジがディレイチェーン12の20個目のディレイユニットまで伝達され、ディレイチェーン12の32個目のディレイユニットの出力信号の状態が1から0に変わり、低レベル信号の伝達を開始し、
1111111111111111111100000000000011111111111111111110000000000000000000000000である。
【0065】
第1の立ち上がりエッジがディレイチェーン12の23個目のディレイユニットまで伝達され、
1111111111111111111111100000000000011111111111111111110000000000000000000000である。
【0066】
第1の立ち上がりエッジがディレイチェーン12の32個目のディレイユニットまで伝達され、
1111111111111111111111111111111100000000000011111111111111111110000000000000である。
【0067】
第1の立ち上がりエッジがディレイチェーン12の40個目のディレイユニットまで伝達され、
1111111111111111111111111111111111111111000000000000111111111111111111100000である。
【0068】
以上のプロセスからわかるように、論理制御ユニット18の作用の下で、同じ時間に、ディレイチェーン12は2つの立ち上がりエッジサンプリング位置を有する。また、ディレイチェーン12の長さは600であり、被測定信号の立ち上がりエッジを2クロック周期内に伝達可能な最大距離よりもやや大きいため、ディレイチェーン12によって、2クロック周期内に被測定信号の立ち上がりエッジの4回のサンプリング結果を得ることができる。次いで、4回のサンプリング結果を平均化し、被測定信号の立ち上がりエッジの最終サンプリング結果とする。
【0069】
なお、上記は主に回路10をライダーシステムに用いる例について例を挙げて説明したが、本発明の実施例はこれに限定されず、回路10は、時間サンプリングを必要とするあらゆる場面に用いることができ、場面の違いによって、被測定信号の物理的意義が異なる可能性があるが、被測定信号の立ち上がりエッジのサンプリング方式は類似している。
【0070】
なお、ディレイチェーン12におけるn個のディレイユニットは、カスケード接続されており、すなわち、n個のディレイユニットは順に並べられている。なお、このn個のディレイユニットのうち隣接する2つのディレイユニットは、信号ケーブルによって直接カスケード接続しても、素子を介してカスケード接続してもよい。
図4に示すように、ディレイチェーン12上の(k−1)個目のディレイユニットとk個目のディレイユニットとの間は、論理和ユニット182を介して間接的にカスケード接続されている。
【0071】
本発明の実施例は、さらに、時間測定チップを提供する。
図6に示すように、この時間測定チップ60は、上述の回路10および処理回路62を含んでもよい。
【0072】
処理回路62は、回路10におけるラッチユニット14と接続してもよく、処理回路62は、ラッチユニット14に記憶されたn個のディレイユニットの出力信号に基づき、信号入力端が受信した被測定信号の時間を確定するよう配置されていてもよい。
【0073】
処理回路62は、立ち上がりエッジの検出および時間計算などの機能を実現することができ、以下、処理回路62の機能について詳細に説明する。
【0074】
まず、処理回路62は、ディレイチェーン12における第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジの位置を検出するために用いることができる。ディレイチェーンにおける立ち上がりエッジの具体的な位置の検出方式は、ディレイチェーン12のディレイユニットの出力信号の状態を検索し、出力信号が状態1から状態0に変わる2つの位置を探すというものとすることができ、この2つの位置が第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジの位置である。なお、信号ノイズまたはディレイユニットの障害などの原因により、ディレイユニットの出力信号の状態に間違いが生じる可能性があり(例えば、あるディレイユニットの出力信号の状態は1であるはずであるが、ラッチユニット14に記録されたこのディレイユニットの出力信号の状態は0である)、このように、第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジの少なくともひとつの位置の計算にエラーが現れる可能性がある。そのため、第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジの少なくともひとつの位置を検出するときに、出力信号の状態が1000である位置を検出する(出力信号の状態が10である位置を検出するのではない)ことができ、このようにして、第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジの少なくともひとつの位置の検出の正確さをある程度向上することができる。
【0075】
さらに、第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジの位置を検出するとき、処理回路62は、それぞれ第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジが1クロック周期内に伝搬し通ったディレイユニットの数を算出することにより、第1の立ち上がりエッジおよび第2の立ち上がりエッジがそれぞれ対応する受信時間を確定することができ、得られた受信時間を平均化し、被測定信号の立ち上がりエッジの受信時間の最終結果とする。
【0076】
なお、本発明の実施例は、処理回路の形式について具体的に限定せず、例えば、lutを用いて実現しても、チップにおける他のタイプの論理回路を用いて実現してもよい。
【0077】
選択可能に、いくつかの実施例において、時間測定チップ60は、さらに変換回路64を含んでもよい。変換回路64は、回路10と接続してもよく、変換回路64は、アナログ信号をパルス形式の被測定信号に変換し、回路10の信号入力端16に被測定信号を送信するよう配置されていてもよい。
【0078】
本発明の実施例は、さらに、LiDARシステムを提供する。
図7に示すように、LiDARシステム70は、送信器72と、受信器74と、
図6に示す時間測定チップ60と、を含んでもよい。送信器72は、レーザー信号を発するよう配置されていてもよい。受信器74は、レーザー信号に対応する反射信号を受信するよう配置されていてもよく、反射信号はアナログ信号である。時間測定チップ60の変換回路64は、受信器74と接続してもよく、受信器74からアナログ信号を受信するよう配置されていてもよい。
【0079】
本発明の実施例は、さらに、携帯機器などの自動化装置を提供する。
図8に示すように、自動化装置80は、
図7に示すLiDARシステム70を含んでもよい。さらに、自動化装置80は、前記LiDARシステムを搭載するためのケーシングをさらに含んでもよい。自動化装置80は、例えば、無人機、無人車またはロボット(走行ロボットなど)とすることができる。
【0080】
以上、
図1から
図8と合わせて、本発明の装置の実施例について詳細に説明した。以下、
図9を合わせて、本発明の方法の実施例について詳細に説明する。なお、方法の実施例の説明と、装置の実施例の説明は、互いに対応するため、詳細に記述されていない部分は、上述の装置の実施例を参照することができる。
【0081】
図9は、本発明の実施例で提供する時間測定方法の流れの模式図である。
図9の方法は、上述の時間測定回路10により実行することができる。
図9の方法は、ステップ910〜950を含んでもよく、以下、
図9のステップについて詳細に説明する。
【0082】
910、いずれもラッチユニット接続されるn個(nは正の整数であり、n>2)のディレイユニットを含むディレイチェーンの1つ目のディレイユニットと接続され、出力端がディレイチェーンのk個(kは正の整数であり、1<k<n)目のディレイユニット接続される論理制御ユニットの入力端にさらに接続されている信号入力端によって被測定信号を受信し、
920、1つ目のディレイユニットに応答して被測定信号を受信し、ディレイチェーンによって、1つ目のディレイユニットが受信した被測定信号の立ち上がりエッジである第1の立ち上がりエッジを1つ目のディレイユニットからディレイチェーンのn個目のディレイユニットまで順に伝達し、
930、論理制御ユニットの入力端に応答して被測定信号を受信し、論理制御ユニットによって、論理制御ユニットが受信した被測定信号の立ち上がりエッジである第2の立ち上がりエッジをk個目のディレイユニットに伝達し、ディレイチェーンによって、第2の立ち上がりエッジをk個目のディレイユニットからn個目のディレイユニットまで順に伝達し、
940、k個目のディレイユニットに第2の立ち上がりエッジを伝達した後、第1の立ち上がりエッジをk個目のディレイユニットまで伝達する前に、論理制御ユニットによってk個目のディレイユニットに低レベル信号を送信し、低レベル信号をk個目のディレイユニットからn個目のディレイユニットまで順に伝達し、
950、ラッチユニットによってn個のディレイユニットの出力信号をラッチする。
【0083】
選択可能に、いくつかの実施例において、論理制御ユニットの入力端は、さらにn個目のディレイユニットにおけるt個(tは正の整数であり、かつ1<t<k)目のディレイユニット接続される。ステップ930は、第1の立ち上がりエッジに応答してt個目のディレイユニットまで伝達し、論理制御ユニットによってk個目のディレイユニットに低レベル信号を送信してもよい。
【0084】
選択可能に、いくつかの実施例において、論理制御ユニットは、排他的論理和ユニットおよび論理和ユニットを含んでもよい。排他的論理和ユニットの入力端は、信号入力端およびt個目のディレイユニット接続される。論理和ユニットの入力端は、排他的論理和ユニットの出力端およびディレイチェーンの(k−1)個目のディレイユニットと接続され、論理和ユニットの出力端は、k個目のディレイユニット接続される。
【0085】
選択可能に、いくつかの実施例において、nの配置によって、被測定信号がディレイチェーンを通過する時間を2クロック周期以上とする。
【0086】
選択可能に、いくつかの実施例において、時間測定回路は、FPGAチップまたはASICチップに集積してもよい。
【0087】
選択可能に、いくつかの実施例において、ディレイチェーンにおけるディレイユニットは、キャリーチェーンおよびルックアップテーブルの少なくともひとつを含む。
【0088】
選択可能に、いくつかの実施例において、ディレイチェーンにおけるディレイユニットは、FPGAの同じスライスまたは異なるスライスに位置する。
【0089】
上記実施例において、全部または部分的に、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはその他の任意の組み合わせによって実現することができる。ソフトウェアを使用して実現する場合、全部または部分的にコンピュータプログラム製品の形式で実現することができる。前記コンピュータプログラム製品は、一つまたは複数のコンピュータコマンドを含む。コンピュータで前記コンピュータプログラムコマンドをロードし実行する際に、全部または部分的に本発明の実施例に記載の流れまたは機能を生じさせる。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、またはその他のプログラマブル装置とすることができる。前記コンピュータコマンドは、コンピュータ可読記憶媒体の中に格納するか、または一つのコンピュータ可読記憶媒体からもう一つのコンピュータ可読記憶媒体に転送することができ、例えば、前記コンピュータコマンドは、一つのウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンターから有線(例えば同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(digital subscriber line,DSL))または無線(例えば赤外線、ワイヤレス、マイクロ波など)の方式で、もう一つのウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンターに転送することができる。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスできるあらゆる使用可能な媒体または一つまたは複数の使用可能な媒体が集積したサーバ、データセンターなどのデータ記憶装置とすることができる。前記使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタルバーサタイルディスク(digital video disc,DVD))、または半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid state disk,SSD))などとすることができる。
【0090】
当業者は、本文において開示されている実施例に記載された各例のユニットおよび演算ステップを組み合わせ、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアおよび電子ハードウェアの組み合わせによって実現することができることを認識することができる。これらの機能は、ハードウェアで実行するのかソフトウェアの形態で実行するのかは、技術手法の特定のアプリケーションおよび設計の拘束条件によって決まる。当業者は、各々の特定のアプリケーションについて、記載された機能を異なる方法で実現することができるが、この種の実現は、本願の範囲を超えるものと考えるべきではない。
【0091】
本願で提供するいくつかの実施例において、開示されているシステム、装置および方法は、その他の方式によって実現してもよいことを理解すべきである。例えば、上述した装置の実施例は、概略的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの区分は、論理的な機能の区分に過ぎず、実際の実現の際には、別の区分方式を有してもよく、例えば、複数のユニットまたはアセンブリを結合するか、または別のシステムに統合してもよく、または一部の特徴を省略しても、実行しなくてもよい。もう一点、示された、または考察された互いの間のカップリングまたは直接カップリングまたは通信接続は、いくつかのインターフェース、装置論理和ユニットの間接カップリングまたは通信接続としてもよく、電気的、機械またはその他の形式とすることができる。
【0092】
前記分離部材として説明したユニットは、物理的に分けられたものであっても、または分けられていないものであってもよく、ユニットとして示された部材は、物理的なユニットであっても、またはそうでなくてもよく、すなわち、一つの場所に位置していても、または複数のネットワークユニットに分布していてもよい。実際の必要に応じて、一部または全部のユニットを選択し、本実施例の手法の目的を実現してもよい。
【0093】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは、一つの処理ユニットの中に統合しても、各ユニットが単独で物理的に存在しても、複数のユニットを一つのユニットの中に統合してもよい。
【0094】
上述した内容は、本願の具体的な実施形態に過ぎないが、本願の保護範囲はこれに限定されず、当業者が本願で開示された技術範囲内で容易に想到できる変更または置き換えは、いずれも本願の保護範囲内にあるものとする。そのため、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とするものとする。
[項目1]
被測定信号を受信するための信号入力端と、
ディレイチェーンであって、n個(nは2よりも大きい正の整数)のディレイユニットを含み、上記信号入力端から上記被測定信号を受信するように、上記ディレイチェーンの1つ目のディレイユニットが上記信号入力端と接続され、上記ディレイチェーンは、上記1つ目のディレイユニットに応答して上記被測定信号を受信し、上記第1ディレイユニットが受信した上記被測定信号の立ち上がりエッジである第1の立ち上がりエッジを上記1つ目のディレイユニットから上記ディレイチェーンのn個目のディレイユニットまで順に伝達するように配置されるものと、
論理制御ユニットであって、上記論理制御ユニットの入力端が上記信号入力端と接続され、上記信号入力端から上記被測定信号を受信し、出力端が上記ディレイチェーンのk個(kは正の整数であり、かつ1<k<n)目のディレイユニットと接続され、上記論理制御ユニットは上記論理制御ユニットの入力端に応答して上記被測定信号を受信し、上記論理制御ユニットが受信した上記被測定信号の立ち上がりエッジである第2の立ち上がりエッジを上記k個目のディレイユニットに伝達し、上記第2の立ち上がりエッジを上記k個目のディレイユニットから上記n個目のディレイユニットまで順に伝達するように配置され、さらに、上記論理制御ユニットは、上記k個目のディレイユニットに上記第2の立ち上がりエッジを伝達した後、上記第1の立ち上がりエッジを上記k個目のディレイユニットまで伝達する前に、上記k個目のディレイユニットに低レベル信号を送信し、上記低レベル信号を上記k個目のディレイユニットから上記n個目のディレイユニットまで順に伝達するよう配置されるものと、
上記n個のディレイユニットと接続され、上記n個のディレイユニットの出力信号をラッチするためのラッチユニットと、を含む時間測定回路。
[項目2]
上記論理制御ユニットの入力端は、さらにn個目のディレイユニットにおけるt個(tは正の整数であり、かつ1<t<k)目のディレイユニットと接続され、
上記論理制御ユニットは、第1の立ち上がりエッジに応答してt個目のディレイユニットまで伝達し、k個目のディレイユニットに低レベル信号を送信するよう配置されている項目1に記載の回路。
[項目3]
上記論理制御ユニットは、
入力端が上記信号入力端および上記t個目のディレイユニット接続される排他的論理和ユニットと、
入力端が上記排他的論理和ユニットの出力端および上記ディレイチェーンの(k−1)個目のディレイユニットと接続され、出力端が上記k個目のディレイユニット接続される論理和ユニットと、を含む項目2に記載の回路。
[項目4]
nの配置によって、上記被測定信号が上記ディレイチェーンを通過する時間が、2クロック周期以上である項目1から3のいずれか一項に記載の回路。
[項目5]
上記回路がフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)チップまたは特定用途向け集積回路(ASIC)チップに集積されている項目1から4のいずれか一項に記載の回路。
[項目6]
上記回路がFPGAチップに集積されており、上記ディレイチェーンにおけるディレイユニットは、キャリーチェーンおよびルックアップテーブルの少なくともひとつを含む項目5に記載の回路。
[項目7]
上記回路がFPGAチップに集積されており、上記ディレイチェーンにおけるディレイユニットは、上記FPGAチップの同じスライスまたは異なるスライスに位置する項目5または6に記載の回路。
[項目8]
項目1から7のいずれか一項に記載の時間測定回路と、
上記時間測定回路におけるラッチユニットと接続され、上記ラッチユニットに記憶された上記n個のディレイユニットの出力信号に基づき、上記信号入力端が上記被測定信号を受信した時間を確定するよう配置された処理回路と、を含む時間測定チップ。
[項目9]
上記時間測定回路接続される変換回路であって、アナログ信号をパルス形式の上記被測定信号に変換し、上記被測定信号を上記時間測定回路の信号入力端に送信するよう配置された変換回路をさらに含む項目8に記載の時間測定チップ。
[項目10]
レーザー信号を発するよう配置された送信器と、
上記レーザー信号に対応するアナログ信号である反射信号を受信するよう配置された受信器と、
項目9に記載の時間測定チップと、を含み、上記時間測定チップの変換回路は、上記受信器と接続され、上記受信器から上記アナログ信号を受信するよう配置されているレーザー検出・測距システム。
[項目11]
項目10に記載のレーザー検出・測距システムを含む自動化装置。
[項目12]
いずれもラッチユニット接続されるn個(nは正の整数であり、n>2)のディレイユニットを含むディレイチェーンの1つ目のディレイユニットと接続され、出力端が上記ディレイチェーンのk個(kは正の整数であり、1<k<n)目のディレイユニット接続される論理制御ユニットの入力端にさらに接続されている信号入力端によって被測定信号を受信することと、
上記1つ目のディレイユニットに応答して上記被測定信号を受信し、上記ディレイチェーンによって、上記1つ目のディレイユニットが受信した上記被測定信号の立ち上がりエッジである第1の立ち上がりエッジを上記1つ目のディレイユニットから上記ディレイチェーンのn個目のディレイユニットまで順に伝達することと、
上記論理制御ユニットの入力端に応答して上記被測定信号を受信し、上記論理制御ユニットによって、上記論理制御ユニットが受信した上記被測定信号の立ち上がりエッジである第2の立ち上がりエッジを上記k個目のディレイユニットに伝達し、上記ディレイチェーンによって、上記第2の立ち上がりエッジを上記k個目のディレイユニットから上記n個目のディレイユニットまで順に伝達することと、
上記k個目のディレイユニットに上記第2の立ち上がりエッジを伝達した後、上記第1の立ち上がりエッジを上記k個目のディレイユニットまで伝達する前に、上記論理制御ユニットによって上記k個目のディレイユニットに低レベル信号を送信し、上記低レベル信号を上記k個目のディレイユニットから上記n個目のディレイユニットまで順に伝達することと、
上記ラッチユニットによって上記n個のディレイユニットの出力信号をラッチすることと、を含む時間測定方法。
[項目13]
上記論理制御ユニットの入力端は、さらにn個目のディレイユニットにおけるt個(tは正の整数であり、かつ1<t<k)目のディレイユニットと接続され、
上記論理制御ユニットの入力端に応答して上記被測定信号を受信し、上記論理制御ユニットによって、第2の立ち上がりエッジを上記k個目のディレイユニットに伝達することは、
上記第1の立ち上がりエッジに応答して上記t個目のディレイユニットまで伝達し、上記論理制御ユニットによって、上記k個目のディレイユニットに上記低レベル信号を送信することを含む項目12に記載の方法。
[項目14]
上記論理制御ユニットは、
入力端が上記信号入力端および上記t個目のディレイユニット接続される排他的論理和ユニットと、
入力端が上記排他的論理和ユニットの出力端および上記ディレイチェーンの(k−1)個目のディレイユニットと接続され、出力端が上記k個目のディレイユニット接続される論理和ユニットと、を含む項目13に記載の方法。
[項目15]
nの配置によって、上記被測定信号が上記ディレイチェーンを通過する時間が、2クロック周期以上である項目12から14のいずれか一項に記載の方法。
[項目16]
上記ディレイチェーンにおけるディレイユニットは、キャリーチェーンおよびルックアップテーブルの少なくともひとつを含む項目12から15のいずれか一項に記載の方法。
[項目17]
上記ディレイチェーンにおけるディレイユニットが、同じスライスまたは異なるスライスに位置する項目16に記載の方法。