(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱硬化性バインダー:100質量部に対して、フッ素系化合物を0.01〜30質量部、およびカルボン酸の有機塩を1〜35質量部含有する、請求項1記載の潜像形成用組成物。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、携帯電話、タブレット等のモバイル情報機器、デジタルカメラ、有機ELディスプレイ、有機EL照明、センサー等の電子機器においては、小型化、薄型化に加え、さらなる高性能化が求められている。
これら電子機器の配線部位の形成には、光硬化性組成物の膜(レジスト前駆体膜)を用いる方法と用いない方法とがある。
光硬化性組成物を用いる方法には、光硬化性組成物の膜(レジスト前駆体膜)を絶縁性基材上に設ける場合と、銅箔等を全面に具備する基材上に設ける場合とがある。
前者の場合、光硬化性組成物の膜(レジスト前駆体膜)を絶縁性基材上に設けた後、パターン露光し、次いで未露光部をアルカリ水溶液等で除去し、前記除去部(硬化したレジストの設けられていない部分)に導電性材料を蒸着等して配線部位を形成する。配線部位形成後、必要に応じて硬化したレジストを除去したり、あるいはさらに熱硬化したりする。
後者の場合、光硬化性組成物の膜(レジスト前駆体膜)を銅箔等上に設けた後、パターン露光し、次いで未露光部をアルカリ水溶液等で除去した後、前記除去部(硬化したレジストの設けられていない部分)の銅箔等をエッチングで除去し、エッチング後、露光部に形成されていたレジスト部を除去することにより、露光パターンに応じた配線部位を形成する。
【0003】
一方、光硬化性組成物の膜(レジスト前駆体膜)を用いない方法の一種である印刷法は、基材に配線部位を直接印刷する方法であり、プリンテッドエレクトロニクス技術とも称され、サブトラクティブ法に比して大幅な工程の簡略化・大面積化・低コスト化が期待され、近年注目を集めている。
【0004】
インクジェットやスクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷等の従来印刷法は、基材上に直接所望パターンの配線を形成できることから、配線印刷技術の候補として挙げられてきた。しかし、高精細で複雑なパターン配線を形成するにあたり、印刷に使用するパターン形成材料が流動する結果、これらの濡れ広がりやにじみが生じるため、従来手法による微細パターンの形成には限界があった。
【0005】
特許文献1には、塗膜の所定部分に放射線照射を行い、親液部と撥液部を有する基材を製造し、放射線照射部に形成された親液部に導電膜形成用の膜形成材料を塗布し、加熱して、パターンを形成する方法が記載されている(請求項1、10、
図1〜5)。
特許文献2には、親水性感光樹脂層上に光を照射し、表面を変質させた後、変質した部位をフッ素化合物からなる液体または気体にさらすことにより光照射部位のみを撥液化し、親水性部(前記撥水化されたエッジ周辺部により区画されたパターン形状領域内)にインキ液を配置するパターン形成方法が記載されている(請求項1、
図1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の方法の場合、パターン形成材料の広がりやにじみを防ぐために、高い撥液能を有する塗膜を用い、放射線未照射部には高い撥液性を残し、放射線照射部を親液性とするためには、[A]アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体の利用が必要である。しかし、前記重合体[A]の製造は、多くの複雑な工程が必要である。さらに、前記アセタール結合を有する基が、フッ素原子を有する酸解離性基である場合、放射線照射部を親液性とする際、フッ素ガス及びフッ素系溶媒が発生するという懸念があった。
【0008】
また、特許文献2記載の方法は、プロセスが煩雑で時間を要する。さらに、光照射後にフッ素化合物からなる液体または気体による撥水化処理を必須とするので、前記処理剤のための特別な排気設備が必要となる。しかも、撥水化の程度は十分ではない。
【0009】
本発明の目的は、簡易な工程で、硬化塗膜形成後にフッ素系処理を行わずに、活性エネルギー線の照射のみで所望の部分の表面性状を親液性から撥液性へと変わり得る潜像形成用組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記潜像形成用組成物を用いて、基材上に親液部と撥液部とを有する潜像を形成し、該潜像上の親液部にインキを付着させ、高精細なパターンを形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、基材上に親液性感光樹脂層を形成し、この親液性感光樹脂層に活性エネルギー線を選択的に照射して、照射部を撥液性に変じ、非照射部にインキ材料を付着させるという、簡単なプロセスで精度よくパターンを形成できることを見出し、以下の本発明に至った。
[1]熱硬化性バインダー、フッ素系化合物、カルボン酸の有機塩、および有機溶剤を含有する潜像形成用組成物。
(但し、前記熱硬化性バインダーはフッ素原子、およびカルボン酸の有機塩の構造を有しない。前記フッ素系化合物はカルボン酸の有機塩の構造を有しない。)
【0011】
[2] 前記熱硬化性バインダー:100質量部に対して、前記フッ素系化合物を0.01〜30質量部、および前記カルボン酸の有機塩を1〜35質量部含有する前記[1]記載の潜像形成用組成物。
【0012】
[3] 前記カルボン酸の有機塩が、下記一般式(1)で表されるケトプロフェン類、下記一般式(2)で表されるキサントン酢酸類、下記一般式(3)で表されるチオキサントン酢酸類、または下記一般式(4)で表されるニトロフェニル酢酸類のいずれか一つである前記[1]〜[2]記載の潜像形成用組成物。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
(式(1)から(3)中、R
1〜R
3はそれぞれ独立に−CH
3または−Hを示し、A
+はそれぞれ独立に有機塩中のカチオンを表す。)
【0016】
【化4】
(式(4)中、R
4は−CH
3または−Hを示し、R
5〜R
7はそれぞれ独立に−NO
2または−Hを示し、且つR
5〜R
7のうち少なくとも一つは−NO
2である。A
+は有機塩中のカチオンを表す。)
【0017】
[4]前記カルボン酸の有機塩がケトプロフェン類の有機塩である、前記[3]記載の潜像形成用組成物。
[5]ケトプロフェン類の有機塩がケトプロフェンのアミン塩である、前記[4]記載の潜像形成用組成物。
【0018】
[6]基材と、該基材上の少なくとも一部に設けられた硬化塗膜とを有する積層体であって、
前記硬化塗膜が前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の潜像形成用組成物から形成された熱硬化塗膜である、積層体。
【0019】
[7]下記工程(1)〜(2)を含む、積層体の製造方法。
(1)基材上の少なくとも一部に、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の潜像形成用組成物を塗工する工程。
(2)前記潜像形成用組成物を熱硬化して、硬化塗膜を形成する工程に関する。
【0020】
[8]下記工程(1)〜(3)を含む、潜像の製造方法。
(1)基材上の少なくとも一部に、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の潜像形成用組成物を塗工する工程、
(2)前記潜像形成用組成物を熱硬化して、硬化塗膜を形成する工程、
(3)前記硬化塗膜の一部に活性エネルギー線を照射し、非照射部と照射部とを形成する工程に関する。
【0021】
[9]下記工程(1)〜(4)を含む、パターン形成方法。
(1)基材上の少なくとも一部に、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の潜像形成用組成物を塗工する工程、
(2)前記潜像形成用組成物を熱硬化して、硬化塗膜を形成する工程、
(3)前記硬化塗膜の一部に活性エネルギー線を照射し、非照射部と照射部とを形成する工程、
(4)前記非照射部に、インキを付着させる工程に関する。
本発明は、インキがインクジェットインキである、前記記載のパターン形成方法に関する。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、簡易な工程で、硬化塗膜形成後にフッ素系処理を行わずに、活性エネルギー線の照射のみで所望の部分の表面性状を親液性から撥液性へと変わり得る潜像形成用組成物を提供することができる。
そして、前記潜像形成用組成物を用いて、基材上に親液部と撥液部とを有する潜像を形成し、該潜像上の親液部にインキを付着させ、高精細なパターンを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<熱硬化性バインダー(A)>
本発明の潜像形成用組成物を構成する熱硬化性バインダー(A)は、少なくとも1つの熱硬化性の反応性官能基、即ち熱によってラジカル重合可能な官能基であるアリル、アクリレート、メタクリレートを有するものを使用することができる。また、少なくとも2つの反応性基を有するバインダーを使用すれば、本発明の潜像形成用組成物を効率よく硬化させることができる。
【0025】
熱硬化性バインダーとしてアリルを有するものとしては、ネオアリルT−20、ネオアリルP−30、ネオアリルE−10、DADMAC、ダイソーイソダップ、ダップA、ダップS、ダップK(以下、大阪ソーダ社製)などが挙げられ、
アクリレートを有するものとしては、KAYARAD PCR−1069、K−48C、CCR−1105、CCR−1115、CCR−1159H、CCR−1235、TCR−1025、TCR−1064H、TCR−1286H、ZAR−1535H、ZAR−2002H、ZFR−1491H、ZFR−1492H、ZCR−1571H、ZCR−1569H、ZCR−1580H、ZCR−1581H、ZCR−1588H、ZCR−1642H、ZCR−1664H、ZCR−1761H(以下、日本化薬社製)、EBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL4500(以下、ダイセル・オルネクス社製)、ライトアクリレート DPE−6A、PE−4A、PE−3A、TMP−A、HPP−A、BP−4PA、BP−4EAL、DCP−A、1.9ND−A、1.6HX−A、MPD−A、NP−A、PTMGA−250(以下、共栄社化学社製)などが挙げられ、
メタクリレートを有するものとして、ライトエステルTMP、ライトエステルBP−2EMK、ライトエステルG−201P、ライトエステルG−101P、ライトエステルNP、ライトエステル1.6HX、ライトエステル1.9ND、ライトエステル1.4BG、ライトエステルG−201P、ライトエステル14EG、ライトエステル9EG、ライトエステル4EG、ライトエステル3EG(共栄社化学社製)などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0026】
前記した熱硬化性バインダーの多くは、それ自体25℃において固体であるため、通常は、液媒体に溶解等した上で、基材上に塗付することが必要となる。そのため、同バインダーの選択に当たっては、後述する液媒体への溶解性を考慮することが必要である。
【0027】
<フッ素化合物(B)>
本発明で用いるフッ素化合物(B)としては、パーフルオロアルキル基のような官能基を有し、表面張力低下能が高いことが好ましい。表面張力低下能が高いことにより、光照射による撥液層形成後パターンインキ形成時において、撥液性がより高くなることによりインキのにじみや漏れがなくきれいなパターン形成を可能にすると推定される。フッ素化合物(B)は熱によってラジカル重合可能な官能基をさらに有することが好ましい。フッ素化合物(B)がこのような官能基を有すことによって、前述の熱硬化性バインダー(A)と反応し、本発明の潜像形成用組成物を効率よく硬化させることができる。
分子中にパーフルオロアルキル基と熱によってラジカル重合可能な官能基とを有するフッ素系化合物としては、下記市販品が挙げられる。メガファックRS72、メガファックRS75、メガファックRS76、メガファックRS77、メガファックRS90(以上、DIC社製)、フタージェント601AD、フタージェント601ADH2、フタージェント602A、フタージェント650AC、フタージェント681(以上、ネオス社製)。
これらフッ素化合物(B)は、熱硬化性バインダー100質量部に対して、0.01〜30質量部含むことが好ましく、0.1〜10質量部含むことが好ましい。
【0028】
<カルボン酸の有機塩(C)>
本発明で用いるカルボン酸の有機塩は、一般式(1)で表されるケトプロフェン類、一般式(2)で表されるキサントン酢酸類、一般式(3)で表されるチオキサントン酢酸類、一般式(4)で表されるニトロフェニルニル酢酸から構成されるカルボン酸塩が好ましく、この中でも特に一般式(1)におけるR
1が−CH
3であるケトプロフェンと、一般式(9)、(12)、(13)で表されるアミン類がそれぞれ塩になった化合物が好ましい。
【0033】
(式(1)〜(3)中、R
1〜R
3はそれぞれ独立に−CH
3または−Hを示し、A
+はそれぞれ独立に有機塩中のカチオンを表す。
また、式(4)中、R
4は−CH
3または−Hを示し、R
5〜R
7はそれぞれ独立に−NO
2または−Hを示し、R
5〜R
7のうち少なくとも一つは−NO
2である。A
+は有機塩中のカチオンを表す。)
【0034】
本発明で用いるカルボン酸の有機塩(C)を構成するカルボン酸としては飽和脂肪酸系、不飽和脂肪酸系、芳香族カルボン酸系などが挙げられる。具体的には飽和脂肪酸系としては酢酸、プロピオン酸、デカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、不飽和脂肪酸系としてはオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、芳香族カルボン酸系としては安息香酸、フタル酸、サリチル酸などが挙げられる。
本発明で用いるカルボン酸の有機塩(C)を構成するカルボン酸としては、一般式(5)〜(8)で表されるような光照射により脱炭酸するカルボン酸が特に好ましい。
【0039】
(式(5)〜(7)中、R
1〜R
3はそれぞれ独立に−CH
3または−Hを示し、
式(8)中、R
4は−CH
3または−Hを示し、R
5〜R
7はそれぞれ独立に−NO
2または−Hを示し、且つR
5〜R
7のうち少なくとも一つは−NO
2を示す。)
【0040】
本発明におけるA+は、カチオンであれば特に限定されないが、例えば下記一般式(9)〜(13)で表されるアミン類や下記一般式(14)、(15)で表されるリン類が挙げられ、その中でもアミン類が好ましく、その中でも(9)、(12)(13)で表されるアミン類が特に好ましい。
【0048】
(一般式(11)〜(15)中、R
8〜R
41はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。
【0049】
本発明で用いるカルボン酸の有機塩(C)は光の照射によって脱炭酸し、その結果、3つの遊離体を生成する。
スキームで示すと以下のスキーム1(ケトプロフェン類)、スキーム2(キサントン酢酸類)、スキーム3(チオキサントン酢酸類)及びスキーム4(ニトロフェニル酢酸類)のとおりである。
詳細なメカニズムは不明であるが、脱炭酸工程によって有機塩中に存在していた親液性発現に大きく寄与していると考えられるカルボキシレートアニオン(−COO
−)部位が失われ、中性化されたことにより、親液性が喪失したと考えられる。そのため、脱炭酸後は潜在していたフッ素系化合物の作用が結果として大きく働き、撥インキ性を発現するようになったものと考察している。
【0054】
このようなカルボン酸の有機塩としては、WPBG−266、WPBG−167、WPBG−168、WPBG−082(以上、和光純薬工業社製)、2−(9−オキソキサンテン−2−イル)プロピオン酸1,5,7,−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、2−(9−オキソキサンテン−2−イル)−プロピオン酸1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(以上、東京化成工業社製)のような市販品を使用することができる。
また、前記カルボン酸の有機塩としては、特開2011−236416号公報、特開2011−104792号公報記載の組成物を使用することができる。
【0055】
本発明の潜像形成用組成物は、熱硬化性バインダー100質量部に対してカルボン酸の有機塩(C)を1〜35質量部含むことが好ましく、3〜16質量部含むことがより好ましい。
【0056】
<有機溶剤(D)>
本発明の潜像形成用組成物は、前記熱硬化性バインダーを溶解し、しかも熱硬化性バインダーとの反応性を有さない25℃において液体の有機化合物を使用する。
このような有機化合物はいわゆる有機溶剤であり、その種類に制限はなく、エステル系、ケトン系、塩素系、アルコール系、エーテル系、炭化水素系、エーテルエステル系などが挙げられる。具体的には、例えば、ケトン系としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、N−メチル−2−ピロリドン、アルコール系としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−プロパノール、エーテル系としてはγ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、エチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートなどを挙げることができる。これらは、一種を単独で用いても、二種以上を併用しても良い。中でも、塗膜を容易に得るためには、この有機溶剤としては、沸点80〜250℃のものを用いることが、乾燥速度の点で好ましい。
【0057】
本発明に係る潜像形成用組成物は、熱硬化性バインダー(A)、フッ素化合物(B)、カルボン酸の有機塩(C)、および有機溶剤(D)を含むものであり、さらに必要に応じて熱重合開始剤、増感剤などを含むことができる。
【0058】
<熱重合開始剤>
本発明の潜像形成用組成物に含まれる熱重合開始剤としては特に制限はなく各種公知のものを使用することができる。例えば、アゾ系の開始剤および過酸化物系の開始剤などが使用可能である。アゾ系の開始剤の具体例としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメトキシブァレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−ジメトキシ−2,4−ジメチルブァレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などが挙げられる。過酸化物系の開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート(BPB)、ペルオキシ二炭酸ビス(4−tert−ブチルシクロヘキサン−1−イル)などが挙げられる。これらの中では、反応性の点で、ベンゾイルパーオキサイドが好ましい。
添加量は熱硬化性バインダー100重量部に対して0.5〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。
【0059】
<増感剤>
本発明の潜像形成用組成物は、感光波長領域を拡大し、感度を高めるべく、増感剤を添加することができる。使用できる増感剤としては、特に限定はないが、例えば、ベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)またはコロネン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしても良い。
添加量は熱硬化性バインダー100重量部に対して0.01〜5重量部であることが好ましく、0.1〜2重量部であることがより好ましい。
【0060】
<その他の任意成分>
本発明の潜像形成用組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない限りその他の任意成分を含有することができる。その他の任意成分としては、界面活性剤、保存安定剤、接着助剤、耐熱性向上剤等を挙げることができる。本実施形態の組成物において、その他の任意成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0061】
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法について以下詳しく説明する。
合わせて、本発明の積層体、該積層体の製造方法、潜像の製造方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、下記[工程1]、[工程2]、[工程3]を含む。
[工程1]
図1に示すように、上述の本発明の潜像形成用組成物を基材1の少なくとも一方の面に塗布し、熱硬化することにより、硬化塗膜2を形成することができる。あるいは、剥離性シート上に本発明の潜像形成用組成物を塗布し、未硬化の薄膜状の潜像形成用組成物を形成した後、当該未硬化の薄膜状の潜像形成用組成物を基材1上に転写した後、熱硬化し、硬化塗膜2を形成することもできる。硬化塗膜2は後述するインキと親和性に富むことから、親インキ性感光性樹脂層ともいう。
本発明の潜像形成用組成物を基材1または剥離性シートに塗布する方法としては、例えば、スプレーコーティング、ロールコーティング、スピンコーティング、ディピング等を挙げることができる。
親インキ性感光樹脂層の膜厚としては0.1μm〜50μm程度が好ましい。厚みの均一性の点から膜厚は上記範囲であることが好ましい。
【0062】
ここで用いられる基材としては、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなどからなるフィルムが挙げられる。
【0063】
[工程2]
工程2は、
図2に示すように、基材上の形成された本発明の潜像形成用組成物の硬化塗膜に、部分的に活性エネルギー線4を照射し、照射部3の性状を撥インキ性へと変化させ、非照射部に対応する潜像2を形成する工程である。
部分的に活性エネルギー線4を照射する方法としては、活性エネルギー線4を透過しないパターンを具備するマスクを用い、マスク越しに全面に照射(露光)する方法や、マスクを用いずに活性エネルギー線4により硬化塗膜上にパターンを直に描画する方法なども挙げられる。
露光に用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などを挙げることができ、紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンレーザ、メタルハライドランプなどが挙げられる。
【0064】
[工程3]
工程(3)は、
図3に示すように、前記表面が撥インキ化された照射部以外の領域に後述するインキを付着させ、潜像を現像し、パターンを可視化したり、パターンに応じた機能を発現したりする工程である。
【0065】
<インキ>
潜像を可視化する際に用いられるインキについて説明する。
インキは特に限定されるものではないが、例えば、導電性インキ、磁性インキ等のように主に機能発現を目的とするインキの他、顔料や染料を含む着色性インキのように主に可視化を目的とするインキが挙げられる。
導電性インキとしては、導電性金属粉、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン等の導電粉を液状媒体中に分散したものが例示できる。磁性インキとしては鉄、コバルト、ニッケル及びそれらの合金及び酸化物等の磁性粒子を液状媒体中に分散したものが例示できる。
これらの中でも、導電性インキが好ましく、特に導電性と塗工性の観点から金属粒子を分散したインキが好ましい。
前記導電性インキとしては、一般的な導電性材料を用いることができるが、基材に合成樹脂性のフィルム(プラスチックフィルム)を用いる場合には、低温プロセスを適用するので比較的低温(例えば、150度以下)で硬化するインキがよい。
【0066】
インキの付着方法(印刷方法)としては特に限定されず、ディップ法、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、スリットダイ塗布法、バー塗布法、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、ディスペンス法等の適宜の方法を採用することができる。
【実施例】
【0067】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、本発明は、この実施例に限定的して解釈されるものではない。
本実施例では、上述した本発明の実施形態のカルボン酸の有機塩(C)の例である合成体を合成した。
【0068】
<有機塩(C)の合成>
[合成例1]
下記式(20)に示したケトプロフェン26gとステアリルアミン27gとのメチルエチルケトン(以下、MEKという)溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−1を得た。
【0069】
【化20】
【0070】
[合成例2]
上記式(20)に示したケトプロフェン26gとヘキシルアミン10gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−2を得た。
【0071】
[合成例3]
下記式(21)に示したケトプロフェン類化合物26gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−3を得た。
【0072】
【化21】
【0073】
[合成例4]
下記式(22)に示したキサントン酢酸27gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体であるカルボン酸の有機塩であるC−4を得た。
【0074】
【化22】
【0075】
[合成例5]
下記式(23)に示したキサントン酢酸類化合物27gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−5を得た。
【0076】
【化23】
【0077】
[合成例6]
下記式(24)に示したチオキサントン酢酸28gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−6を得た。
【0078】
【化24】
【0079】
[合成例7]
下記式(25)に示したチオキサントン酢酸類化合物28gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−7を得た。
【0080】
【化25】
【0081】
[合成例8]
下記式(26)に示したニトロフェニル酢酸20gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−8を得た。
【0082】
【化26】
【0083】
[合成例9]
下記式(27)に示したニトロフェニル酢酸類化合物20gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、の白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−9を得た。
【0084】
【化27】
【0085】
[合成例10]
下記式(28)に示したニトロフェニル酢酸類化合物20gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−10を得た。
【0086】
【化28】
【0087】
[合成例11]
下記式(29)に示したニトロフェニル酢酸類化合物20gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−11を得た。
【0088】
【化29】
【0089】
[合成例12]
下記式(30)に示したニトロフェニル酢酸類化合物20gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−12を得た。
【0090】
【化30】
【0091】
[合成例13]
下記式(31)に示したニトロフェニル酢酸類化合物20gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加えることで得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、白色固体のカルボン酸の有機塩であるC−13を得た。
【0092】
【化31】
【0093】
[合成例14]
上記式(20)に示したケトプロフェン26gとテトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスファート40gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加え、得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、下記式(32)で示されるカルボン酸の有機塩C−14を得た。
【0094】
【化32】
【0095】
[合成例15]
上記式(20)に示したケトプロフェン26gとテトラフェニルホスホニウムブロミド42gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加え、得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、下記式(33)で示されるカルボン酸の有機塩C−15を得た。
【0096】
【化33】
【0097】
[比較合成例1]
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸水和物31gとステアリルアミン27gのMEK溶液を室温で1時間撹拌した後にヘキサンを過剰に加え、得られた白色固体を吸引ろ過し、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥することで、下記式(34)で示されるスルホン酸の有機塩C’−22を得た。
【0098】
【化34】
【0099】
<潜像形成用組成物の調製>
実施例および比較例で用いた各成分の詳細を以下に示す。
尚、アニオン部位として、C’−22はスルホネートを、C’−23はブチルトリフェニルボレートをそれぞれ有する。即ち、C−22およびC−23は露光前後の濡れ性に対するカルボキシレートアニオン部位の優位性について検証するため他のアニオン構造を持つ有機塩を比較用として用いた。
【0100】
<熱硬化性バインダー(A)>
A−1:ダイソーイソダップ(大阪ソーダ社製)
A−2:ライトアクリレート PE−4A(共栄社化学社製)
A−3:KAYARAD ZFR−1491H(日本化薬社製)
A−4:EBECRYL220(ダイセル・オルネクス社製)
A−5:BAEM50(ケーエスエム社製)
A−6:ライトエステル TMP(共栄社化学社製)
【0101】
<フッ素系化合物(B)>
B−1:メガファックRS−90(DIC社製)
B−2:フタージェント601ADH2(ネオス社製)
【0102】
<有機塩(C)>
C−1:合成例1で合成したカルボン酸の有機塩
C−2:合成例2で合成したカルボン酸の有機塩
C−3:合成例3で合成したカルボン酸の有機塩
C−4:合成例4で合成したカルボン酸の有機塩
C−5:合成例5で合成したカルボン酸の有機塩
C−6:合成例6で合成したカルボン酸の有機塩
C−7:合成例7で合成したカルボン酸の有機塩
C−8:合成例8で合成したカルボン酸の有機塩
C−9:合成例9で合成したカルボン酸の有機塩
C−10:合成例10で合成したカルボン酸の有機塩
C−11:合成例11で合成したカルボン酸の有機塩
C−12:合成例12で合成したカルボン酸の有機塩
C−13:合成例13で合成したカルボン酸の有機塩
C−14:合成例14で合成したカルボン酸の有機塩
C−15:合成例15で合成したカルボン酸の有機塩
C−16:WPBG−266(和光純薬工業社製)
C−17:WPBG−168(和光純薬工業社製)
C−18:WPBG−167(和光純薬工業社製)
C−19:WPBG−082(和光純薬工業社製)
C−20:2−(9−オキソキサンテン−2−イル)プロピオン酸1,5,7,−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(東京化成工業社製)
C−21:2−(9−オキソキサンテン−2−イル) プロピオン酸1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(東京化成工業社製)
C’−22:比較合成例1で合成した有機塩
C’−23:1,2−ジシクロヘキシル−4,4,5,5−テトラメチルビグアニジウム−n−ブチルトリフェニルボレート、WPBG−300(和光純薬工業社製)
【0103】
[実施例1]
熱硬化バインダーとして、A−1:ダイソーイソダップ(大阪ソーダ社製)を80質量部、A−2:ライトアクリレート PE−4A(共栄社化学社製)を20質量部、熱重合開始剤としてナイパーBW(日油製)を2質量部、フッ素系化合物としてB−1:メガファックRS−90(固形分10質量%)(DIC社製)の固形分を1質量部、カルボン酸の有機塩として合成例1で合成したC−1を5質量部、および有機溶剤としてプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート(以下、PGMEAという)を加え、不揮発分が20質量%の潜像形成用組成物を得た。
得られた潜像形成用組成物を用いて、後述する方法に従い、積層体、潜像を得、潜像にインキを付着させて種々の評価をした。結果を表1に示す。
【0104】
[実施例2〜49、比較例1〜4]
表1に示す組成に従い、実施例1と同様にして調整を行った。すなわち、熱硬化バインダー(A)の総量100質量部に対してナイパーBW(日油製)を2質量部、表1〜3記載の組成に従って各化合物(B)〜(C)の固形分換算の質量部を加えた。最終的に全ての組成物が不揮発分20質量%になるように有機溶剤(D)を加えた潜像形成用組成物を得、同様に評価をした。
【0105】
[積層体の製造]
ポリエチレンナフタレートフィルム上に、実施例1〜49および比較例1〜4で調整した潜像形成用組成物をバーコーターにより塗付した後、130℃のオーブン中で約1時間熱硬化し、積層体を形成した。
【0106】
[潜像の製造]、[撥インキ性の評価]
次いで、得られた熱硬化塗膜に高圧水銀ランプを用いて、表1に示すように、200、500、1000(mJ/cm
2)の活性エネルギー線を部分的に照射した。
【0107】
固形分濃度10%になるようにトルエンに銀ナノ粒子を分散させた銀ナノインキを作製し、前記塗膜表面の照射部・非照射部に作製した銀ナノインキをそれぞれ滴下し、以下の基準で評価した。
◎:照射部では銀ナノインキの付着跡が観測されず、非照射部では銀ナノインキの付着跡が観測された。
○:照射部、非照射部いずれにおいても銀ナノインキの付着跡が観測された。
×:照射部、非照射部いずれにおいても銀ナノインキの付着跡が観測されなかった。
【0108】
[パターニング精度]
<耐湿熱性試験前・後>
前記積層体を構成する熱硬化塗膜について、耐湿熱性試験(85℃、RH85%の環境下に24時間静置)前・後で、水銀ランプを用いて、ライン幅/スペース幅(以下、L/Sと略す)=30μm/30μmのパターンを有するフォトマスクを通して、表1〜3に示すように、200、500、1000(mJ/cm
2)の活性エネルギー線を照射した。
次いで、非照射部に沿って、前記の銀ナノインキを吐出し、パターン形状を顕微鏡観察した。
◎:マスク形状に沿って、銀ナノインキが付着し、照射部には濡れ広がらず、マスクの精度がよく再現されている。
○:マスク形状に沿って、銀ナノインキが付着しはているが、照射部にも濡れ広がりが観察される。
×:非照射部からも銀ナノインキが弾かれ、パターンを形成できなかった。
【0109】
[<潜像形成用組成物 1カ月保存後>
実施例1〜49および比較例1〜4で調製した各潜像形成用組成物を密閉ガラス容器中に詰め、25℃の暗室で一ヵ月保存した後、[パターニング精度]を同様の方法で評価した。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】
【表3】
【0113】
表1〜3の結果から実施例1〜実施例49で調製された組成物を用いて形成された硬化塗膜は、比較例1〜比較例4で調製された潜像形成用組成物を用いて形成された比較例の硬化塗膜と比べ、非常に良好な撥インク性、パターニング性を有することがわかった。すなわち、実施例1〜実施例49で調製された組成物は、比較例1〜比較例4で調製された組成物と比べ、精細なパターンの形成に好適使用できることがわかった。