(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記箔電極は、前記金属箔の一方の面上に配置された前記活物質層としての正極活物質層と、他方の面上に配置された前記活物質層としての負極活物質層と、を有するバイポーラ電極である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルカリ蓄電池。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前記アルカリ蓄電池における箔電極は、集電体としての金属箔と、金属箔の片面上または両面上に形成された活物質層と、を有している。前記アルカリ蓄電池は、活物質層としての正極活物質層と負極活物質層とがセパレータを介して対面した単セルを1つ以上備えていれば、どのような態様の箔電極を採用してもよい。
【0017】
例えば、前記アルカリ蓄電池は、金属箔の片面または両面に活物質層としての正極活物質層を備えた正極と、金属箔の片面または両面に活物質層としての負極活物質層を備えた負極と、を有していてもよい。これらの単極性の電極を箔電極として用いる場合には、正極と負極とをセパレータを介して交互に積層することにより、単セルを構成することができる。
【0018】
また、箔電極は、金属箔の一方の面上に配置された活物質層としての正極活物質層と、他方の面上に配置された活物質層としての負極活物質層と、を有するバイポーラ電極であってもよい。この場合には、セパレータを介して複数枚のバイポーラ電極を積層するという単純な構成により、正極活物質層と負極活物質層とをセパレータを介して対面させることができる。
【0019】
バイポーラ電極を用いる場合には、単極性の電極を用いる場合に比べて、電極の総数に対する単セルの数を増やすことができる。それ故、単極性の電極に比べて電極の総数を少なくし、箔電極とセパレータとの積層方向におけるアルカリ蓄電池の寸法をより小さくすることができる。
【0020】
一方、バイポーラ電極を用いる場合には、隣り合う金属箔の間に単セルが形成されるため、前述した単極性の電極に比べて、箔電極とセパレータとの積層方向における単セルの幅が狭くなる。それ故、この場合には、正極活物質層や負極活物質層からガスが発生した際に単セルの内圧が上昇しやすいという問題がある。
【0021】
しかし、前述したように、前記アルカリ蓄電池は、セパレータの突出部と活物質層の受け入れ部との係合によってセパレータを活物質層に強固に保持することができる。そのため、箔電極としてバイポーラ電極を用いる場合においても、活物質層からのセパレータの剥離を抑制することができる。
【0022】
従って、前記アルカリ蓄電池は、箔電極としてバイポーラ電極を用いることにより、箔電極とセパレータとの積層方向におけるアルカリ蓄電池の寸法をより小さくしつつ、活物質層からのセパレータの剥離を抑制することができる。
【0023】
前記アルカリ蓄電池において、セパレータは活物質層側に突出した突出部を有しており、活物質層は前記セパレータの前記突出部を受け入れる受け入れ部を有している。突出部は、受け入れ部に進入した状態で受け入れ部に係合されている。換言すると、突出部は、その少なくとも一部が受け入れ部にめり込んだような状態、あるいは、受け入れ部と絡み合ったような状態で受け入れ部に保持されている。
【0024】
突出部及び受け入れ部の形状は特に限定されることはなく、突出部と受け入れ部とが係合可能であれば、どのような形状を有していてもよい。
【0025】
突出部は、正極活物質層及び負極活物質層の両方に圧入され、これらの活物質層に形成された受け入れ部に係合していてもよいし、正極活物質層または負極活物質層のいずれか一方に圧入され、当該活物質層に形成された受け入れ部に係合していてもよい。
【0026】
突出部は、正極活物質層に形成された受け入れ部に係合していることが好ましい。アルカリ蓄電池においては、正極活物質層からのガスの発生が負極活物質層に比べて起こりやすいため、正極活物質層とセパレータとの間に隙間が生じやすい。それ故、突出部と、正極活物質層に形成された受け入れ部とを係合させることにより、正極活物質層とセパレータとの間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0027】
突出部は、箔電極と重ね合わせる前のセパレータに予め設けられていてもよい。この場合には、セパレータと箔電極とを重ね合わせて電極組立体を作製した後、電極組立体をその積層方向に圧縮することにより、突出部を活物質層に圧入し、活物質層に受け入れ部を形成すると同時に突出部と受け入れ部とを係合させることができる。同様に、受け入れ部は、セパレータと重ね合わせる前の箔電極の活物質層に予め設けられていてもよい。この場合には、電極組立体をその積層方向に圧縮することにより、受け入れ部内にセパレータが圧入され、セパレータに突出部を形成すると同時に突出部と受け入れ部とを係合させることができることができる。更に、セパレータに突出部を予め設けるとともに、活物質層に受け入れ部を予め設けることもできる。
【0028】
また、セパレータの材質と、活物質層の構成とを適切に組み合わせることにより、予め突出部や受け入れ部を設けることなく、電極組立体を積層方向に圧縮するという単純な作業により突出部及び受け入れ部を形成し、突出部と受け入れ部とを係合させることもできる。かかる観点からは、セパレータとして多数の繊維を備えた不織布を採用するとともに、互いに接着された多数の活物質粒子と、これらの活物質粒子同士の間に形成された隙間とを備えた活物質層とを有していることが好ましい。
【0029】
不織布からなるセパレータを多数の活物質粒子を含む活物質層に押圧することにより、活物質層表面に存在する活物質粒子同士の隙間が受け入れ部となり、セパレータの繊維を活物質粒子同士の隙間に圧入することができる。その結果、セパレータの繊維の一部を活物質層側に突出させて突出部を形成すると同時に、受け入れ部としての前記隙間に突出部をめり込ませ、突出部と受け入れ部とを係合させることができる。
【0030】
また、不織布の繊維は無秩序に絡み合っているため、繊維を活物質層に圧入することにより、セパレータに網目状に広がる突出部を形成するとともに、突出部に対応した網目状の受け入れ部を活物質層に形成することができる。そして、網目状に広がる突出部を受け入れ部に係合させることにより、セパレータをより強固に活物質層に保持し、セパレータと活物質との間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0031】
更に、この場合には、電極組立体を積層方向に圧縮するという単純な作業により、突出部及び受け入れ部を形成することができるため、予めセパレータに突出部を設ける作業や活物質層に受け入れ部を設ける作業を行う必要がない。それ故、これらの作業による製造工程の複雑化を回避することができる。
【0032】
前記アルカリ蓄電池は、体積基準における活物質粒子の累積50%粒径D[μm]と、セパレータの平均孔径A[μm]と、前記セパレータの平均繊維径B[μm]とが下記式(1)の関係を満足してい
る。
0.2 < D/(A+B) < 1.5 ・・・(1)
【0033】
これにより、活物質層の表面に存在する活物質粒子間の隙間と、セパレータを構成する繊維同士の間隔とが整合しやすくなる。それ故、電極組立体を積層方向に圧縮することによってセパレータの繊維を活物質粒子間の隙間により容易に圧入することができる。その結果、セパレータをより強固に活物質層に保持し、セパレータと活物質との間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0034】
活物質粒子の累積50%粒径D、セパレータの平均孔径A及び平均繊維径Bが前記式(1)を満たさない場合には、前記式(1)を満たす場合に比べて、活物質粒子間の隙間と、セパレータの繊維同士の間隔とが整合しにくくなる。それ故、この場合には、活物質粒子の累積50%粒径D、セパレータの平均孔径A及び平均繊維径Bが前記式(1)の関係を満足している場合に比べてセパレータと正極活物質層との間に隙間が形成されやすくなるおそれがある。
【0035】
また、前記の場合においては、セパレータの平均繊維径B[μm]が体積基準における活物質粒子の累積50%粒径D[μm]よりも小さいことが好ましい。この場合には、セパレータの表面に露出した繊維が活物質層の表面に存在する活物質粒子間の隙間に進入しやすくなる。それ故、電極組立体を積層方向に圧縮することによってセパレータの表面に露出した繊維を活物質粒子間の隙間内により容易に圧入することができる。その結果、セパレータをより強固に活物質層に保持し、セパレータと活物質との間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0036】
次に、前記アルカリ蓄電池における各部の具体的な態様について説明する。
【0037】
集電体としての金属箔は、アルカリ蓄電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体である。金属箔の材質としては、活物質を反応させるための電圧に耐え得る金属を採用することができる。金属箔の材質としては、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデン等の単体金属や、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の合金を採用することができる。また、金属箔として、ニッケルめっき銅箔、ニッケルめっきステンレス鋼箔等の表面処理が施された金属箔を採用することもできる。
【0038】
アルカリ蓄電池がニッケル水素蓄電池である場合には、金属箔として、ニッケル箔、ニッケルめっき銅箔、ニッケルめっきステンレス鋼箔を採用することが好ましい。金属箔の厚さは、例えば5〜100μmの範囲から適宜設定することができる。
【0039】
活物質層は、金属箔の片面上または両面上に配置されている。活物質層は、通常、多数の活物質粒子と、活物質粒子同士、及び、活物質粒子と金属箔とを接着するバインダと、を含んでいる。活物質層は、更に、必要に応じて導電助剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0040】
活物質層の具体的な組成は、アルカリ蓄電池の構成及び活物質層の極性に応じて適宜設定することができる。例えば、活物質層がニッケル水素蓄電池の正極活物質層である場合、正極活物質粒子としては、水酸化ニッケルや、金属がドープされた水酸化ニッケルを採用することができる。水酸化ニッケルにドープする金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム等の第2族元素、コバルト、ロジウム、イリジウム等の第9族元素、亜鉛、カドミウム等の第12族元素を採用することができる。正極活物質粒子には、ニッケル水素蓄電池用として公知の方法により表面処理が施されていてもよい。
【0041】
体積基準における正極活物質粒子の累積50%粒径は、例えば、1〜100μmの範囲から適宜設定することができる。体積基準における正極活物質粒子の累積50%粒径は、3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、7〜18μmであることがさらに好ましい。なお、前述した体積基準における累積50%粒径は、レーザ回折式粒度分布計により測定された粒径分布に基づいて算出される値である。
【0042】
正極活物質層中の正極活物質粒子の含有量は、例えば、75〜99質量%の範囲から適宜設定することができる。正極活物質粒子の含有量は、80〜97質量%であることが好ましく、85〜95質量%であることがより好ましい。
【0043】
ニッケル水素蓄電池の正極活物質層には、導電助剤として、金属コバルト及びコバルト化合物のうち1種または2種が含まれていてもよい。コバルト化合物としては、例えば、水酸化コバルトを採用することができる。金属コバルト及びコバルト化合物は、これらの粉末として正極活物質層中に含まれていてもよいし、正極活物質粒子の表面に付着していてもよい。
【0044】
正極活物質層中の金属コバルト及びコバルト化合物の含有量は、例えば、0.5〜10質量%の範囲から適宜設定することができる。金属コバルト及びコバルト化合物の含有量は、1〜7質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。
【0045】
ニッケル水素蓄電池の正極活物質層には、更に、金属コバルト及びコバルト化合物以外の導電助剤が含まれていてもよい。かかる導電助剤としては、例えば、ニッケル、銅等の金属、これらの金属の酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料を採用することができる。
【0046】
ニッケル水素蓄電池の正極活物質層には、更に、電池特性を向上させるための正極添加剤が含まれていてもよい。正極添加剤としては、例えば、Nb
2O
5等のニオブ化合物、WO
2、WO
3、Li
2WO
4、Na
2WO
4及びK
2WO
4等のタングステン化合物、Yb
2O
3等のイッテルビウム化合物、TiO
2等のチタン化合物、Y
2O
3等のイットリウム化合物、ZnO等の亜鉛化合物、CaO、Ca(OH)
2及びCaF
2等のカルシウム化合物、前述した元素以外の希土類元素の酸化物等を採用することができる。
【0047】
正極活物質層中の正極添加剤の含有量は、例えば、0.1〜10質量%の範囲から適宜設定することができる。正極添加剤の含有量は、0.5〜5質量%であることが好ましい。
【0048】
活物質層がニッケル水素蓄電池の負極活物質層である場合、負極活物質粒子としては、水素吸蔵合金を採用することができる。水素吸蔵合金としては、例えば、六方晶CaCu
5型結晶構造を有するAB
5型水素吸蔵合金、六方晶MgZn
2型結晶構造または立方晶MgCu
2型結晶構造を有するAB
2型水素吸蔵合金、立方晶CsCl型結晶構造有するAB型水素吸蔵合金、六方晶Mg
2Ni型結晶構造を有するA
2B型水素吸蔵合金、体心立方晶構造を有する固溶体型水素吸蔵合金などを採用することができる。また、水素吸蔵合金として、例えば、AB
3型水素吸蔵合金、A
2B
7型水素吸蔵合金、A
5B
19型水素吸蔵合金などのAB
5型結晶構造とAB
2型結晶構造とが組み合わされた結晶構造を有する水素吸蔵合金を採用してもよい。これらの水素吸蔵合金は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
より具体的には、AB
5型水素吸蔵合金としては、例えば、LaNi
5、CaCu
5、MmNi
5等を採用することができる。なお、前述したMmはいわゆるミッシュメタルを示す記号である。AB
2型水素吸蔵合金としては、例えば、MgZn
2、ZrNi
2、ZrCr
2等を採用することができる。AB型水素吸蔵合金としては、例えば、TiFe、TiCo等を採用することができる。A
2B型水素吸蔵合金としては、例えば、Mg
2Ni、Mg
2Cu等を採用することができる。固溶体型水素吸蔵合金としては、例えば、Ti−V、V−Nb、Ti−Cr等を採用することができる。
【0050】
AB
3型水素吸蔵合金としては、例えば、CeNi
3等を採用することができる。A
2B
7型水素吸蔵合金としては、例えば、Ce
2Ni
7等を採用することができる。A
5B
19型水素吸蔵合金としては、例えば、Ce
5Co
19、Pr
5Co
19を採用することができる。これらの水素吸蔵合金における構成元素の一部は、他の元素により置換されていてもよい。
【0051】
負極活物質粒子には、ニッケル水素蓄電池用として公知の表面処理が施されていてもよい。例えば、負極活物質粒子には、アルカリ水溶液中に浸漬するアルカリ処理が施されていてもよい。
【0052】
体積基準における負極活物質粒子の累積50%粒径は、例えば、1〜100μmの範囲から適宜設定することができる。負極活物質粒子の累積50%粒径は、3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、7〜18μmであることがさらに好ましい。
【0053】
また、負極活物質層中の負極活物質粒子の含有量は、例えば、85〜99質量%の範囲から適宜設定することができる。負極活物質粒子の含有量は、90〜98質量%であることが好ましい。
【0054】
ニッケル水素蓄電池の負極活物質層中には、更に、化学的に不活性な電子伝導体からなる導電助剤が含まれていてもよい。かかる導電助剤としては、例えば、コバルト、ニッケル、銅などの金属、これらの金属の酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維などの炭素材料を採用することができる。これらの導電助剤は、粉末として負極活物質層中に含まれていてもよいし、負極活物質粒子の表面に付着していてもよい。
【0055】
負極活物質層中の導電助剤の含有量は、例えば、0.1〜5質量%の範囲から適宜設定することができる。導電助剤の含有量は、0.2〜3質量%であることが好ましく、0.3〜1質量%であることがより好ましい。
【0056】
ニッケル水素蓄電池の負極活物質層には、更に、電池特性を向上させるための負極添加剤が含まれていてもよい。負極添加剤としては、例えば、CeF
3、YF
3等の希土類元素のフッ化物、Bi
2O
3,BiF
3等のビスマス化合物、In
2O
3、InF
3等のインジウム化合物を採用することができる。また、前述した正極添加剤を負極添加剤として使用することもできる。
【0057】
負極活物質層中の負極添加剤の含有量は、例えば、0.1〜10質量%の範囲から適宜設定することができる。負極添加剤の含有量は、0.5〜5質量%であることが好ましい。
【0058】
活物質層に含まれるバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン及びフッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィン、ポリイミド及びポリアミドイミド等のイミド系樹脂、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸及びポリメタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体をモノマー単位として含有する(メタ)アクリル系樹脂、スチレンブタジエンゴム等を採用することができる。
【0059】
活物質層中のバインダの含有量は、例えば、0.1〜15質量%の範囲から適宜設定することができる。バインダの含有量は、1〜10質量%であることが好ましく、2〜7質量%であることがより好ましい。
【0060】
活物質層には、更に、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースが含まれていることが好ましい。カルボキシメチルセルロースを含む活物質層は、電解液を含浸させることにより、電解液を含浸させる前に比べて軟らかくなりやすい。それ故、カルボキシメチルセルロースを含む活物質層に電解液を含浸させることにより、セパレータの一部をより容易に活物質層内に圧入することができる。その結果、セパレータをより強固に活物質層に保持し、セパレータと活物質との間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0061】
セパレータとしては、電解液に対して化学的に安定な絶縁体からなる多孔質膜、不織布及び織布等を使用することができる。セパレータを構成する絶縁体としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子等を採用することができる。これらの絶縁体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0062】
また、セパレータには、例えば、スルホン化処理、コロナ処理、フッ素ガス処理、プラズマ処理等の親水化処理が施されていてもよい。
【0063】
アルカリ蓄電池がニッケル水素蓄電池である場合、セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンからなる不織布を採用することが好ましい。この場合、不織布の平均孔径は10〜25μmであることが好ましい。また、不織布の平均繊維径は2〜10μmであることが好ましい。
【0064】
なお、不織布の平均孔径は、JIS K3832:1990に規定されたバブルポイント法により算出することができる。また、不織布の平均繊維径は、不織布の表面を走査型電子顕微鏡により観察し、得られたSEM像から無作為に選択した10本の繊維の繊維径の平均値とする。
【0065】
前記アルカリ蓄電池を作製するに当たっては、
前記箔電極と前記セパレータとを交互に積層して電極組立体を作製するとともに、前記箔電極と前記セパレータとに電解液を含浸させる積層工程と、
前記電極組立体を、その積層方向に圧縮することにより、前記セパレータの一部を前記活物質層に圧入して前記突出部と前記受け入れ部とを係合させる圧縮工程と、を有する、アルカリ蓄電池の製造方法を採用することができる。
【0066】
積層工程において、箔電極とセパレータとを交互に積層する作業と、箔電極及びセパレータに電解液を含浸させる作業とは、どのような順序で行ってもよい。例えば、箔電極とセパレータとを交互に積層して電極組立体を作製した後、この電極組立体に電解液を含浸させてもよい。また、箔電極及びセパレータに電解液を含浸させた後に、箔電極とセパレータとを交互に積層して電極組立体を作製することもできる。
【0067】
電解液としては、アルカリ蓄電池用として公知の電解液を使用することができる。アルカリ蓄電池がニッケル水素蓄電池である場合には、電解液として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液を採用することができる。これらのアルカリ金属の水酸化物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0068】
また、電解液は、更に、LiF、LiCl、LiBr、LiI、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr及びKI等のアルカリ金属のハロゲン化物を含んでいてもよい。
【0069】
圧縮工程においては、電極組立体を箔電極とセパレータとの積層方向に圧縮する。圧縮工程では、積層方向における電極組立体の端面を直接圧縮してもよいし、積層方向における電極組立体の端面をケース等の他の部材で覆い、当該部材を介して電極組立体を圧縮することもできる。後者の場合には、電極組立体の端面に配置する部材の剛性を高めることによって、電極組立体の全体を均一に圧縮することができる。
【0070】
圧縮工程においては、電極組立体を0.1MPa以上1.5MPa以下の圧力で積層方向に圧縮することが好ましく、0.15MPa以上1.3MPa以下の圧力で積層方向に圧縮することがより好ましく、0.2MPa以上1.0MPa以下の圧力で積層方向に圧縮することが更に好ましい。
【0071】
電極組立体に加える圧力が0.1MPa未満の場合には、電極組立体の圧縮量が不足するため、突出部を受け入れ部に係合させることが難しくなるおそれがある。電極組立体に加える圧力が1.5MPaを超える場合には、セパレータの圧縮量が過度に大きくなり、セパレータの空隙率の低下を招くおそれがある。その結果、電解液がセパレータ内を移動しにくくなり、アルカリ蓄電池の抵抗の増大を招くおそれがある。
【実施例】
【0072】
前記アルカリ蓄電池の例を、
図1〜
図4を用いて説明する。本例のアルカリ蓄電池1は、
図1に示すように、金属箔2と、金属箔2の片面上または両面上に配置された活物質層3(3p、3n)と、を備え、活物質層3同士が互いに対向するように配置された複数の箔電極11(11b、11n、11p)と、活物質層3同士の間に介在するセパレータ4と、を有している。
図2に示すように、セパレータ4は活物質層3側に突出した突出部41を有している。また、
図2及び
図3に示すように、活物質層3はセパレータ4の突出部41を受け入れる受け入れ部31を有している。そして、
図2に示すように、セパレータの突出部41は活物質層3の受け入れ部31に進入した状態で受け入れ部31に係合されている。
【0073】
以下、本例のアルカリ蓄電池1の構成を詳説する。本例のアルカリ蓄電池1は、ニッケル水素蓄電池として構成されている。
図1に示すように、アルカリ蓄電池1は、複数の箔電極11がセパレータ4を介して積層された電極組立体10と、電極組立体10の積層方向における端部にそれぞれ当接し、電極組立体10を拘束する拘束部材12と、電極組立体10の側周面を覆うシール材13とを有している。電極組立体10は、箔電極11として、積層方向の両端に配置された終端電極11n、11pと、これらの終端電極11n、11pの間に配置された複数のバイポーラ電極11bとを有している。また、電極組立体10には、電解液が含浸されている。
【0074】
バイポーラ電極11bは、長方形状を呈する金属箔2と、金属箔2の一方の面上に設けられた活物質層3としての正極活物質層3pと、他方の面上に設けられた活物質層3としての負極活物質層3nとを有している。正極活物質層3p及び負極活物質層3nは、金属箔2の周縁部21よりも内側の領域に設けられている。また、金属箔2の周縁部21は、シール材13に保持されている。本例の金属箔2は、具体的には、厚み50μmのニッケル箔である。
【0075】
図2に示すように、正極活物質層3pには、多数の正極活物質粒子32pが含まれている。正極活物質層3pにおける受け入れ部31は、正極活物質粒子32p同士の隙間である。正極活物質層3pには、正極活物質粒子32pとしての水酸化ニッケル95質量部と、導電助剤としての金属コバルト1質量部と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム2質量部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース1質量部と、酸素抑制剤としてのY
2O
31質量部とが含まれている。
【0076】
図には示さないが、正極活物質粒子32pとしての水酸化ニッケルの表面は、コバルト酸化物により被覆されている。体積基準における正極活物質粒子32pの累積50%粒径は15μmである。なお、
図2においては、便宜上、導電助剤、バインダ、増粘剤及び酸素抑制剤の記載を割愛した。
【0077】
正極活物質層3pの目付、つまり単位面積当たりの質量は30mg/cm
2であり、厚みは100μmである。また、正極活物質層3pの見掛密度、つまり、正極活物質層3p内の空隙を含む密度は、3.0g/cm
3である。
【0078】
負極活物質層3nには、多数の負極活物質粒子が含まれている。負極活物質層3nには、負極活物質粒子としての水素吸蔵合金96質量部と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム3質量部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース1質量部とが含まれている。
【0079】
負極活物質層3nの目付は45mg/cm
2であり、厚みは90μmである。また、負極活物質層3nの見掛密度は、5.0g/cm
3である。
【0080】
図1に示すように、2つの終端電極11n、11pのうち、積層方向の一端に配置された第1の終端電極11pは、負極活物質層3nを有しない以外は、バイポーラ電極11bと同様の構成を有している。また、積層方向の他端に配置された第2の終端電極11nは、正極活物質層3pを有しない以外は、バイポーラ電極11bと同様の構成を有している。
【0081】
これらの箔電極11は、正極活物質層3pと負極活物質層3nとが積層方向において交互に並ぶように配置されている。また、正極活物質層3pと負極活物質層3nとの間には、セパレータ4が介在している。これにより、金属箔2同士の間に、正極活物質層3pと負極活物質層3nとがセパレータ4を介して対面した単セルCが構成されている。また、本例の電極組立体10においては、複数の単セルCが金属箔2を介して電気的に直列に接続されている。
【0082】
本例のセパレータ4は、
図2に示すように、ポリオレフィンの繊維42からなり長方形状を呈する不織布である。本例のセパレータ4の平均孔径は10μmであり、平均繊維径は5μmである。
【0083】
本例のセパレータ4における突出部41は、セパレータ4の表面に露出した繊維42の一部である。
図2に一例を示すように、突出部41としての繊維42は、正極活物質層3pにおける正極活物質粒子32p同士の隙間に圧入されており、繊維42の一部が正極活物質粒子32p同士の隙間にめり込んでいる。これにより、突出部41としての繊維42が受け入れ部31としての正極活物質粒子32p同士の隙間に係合されている。本例の受け入れ部31は、
図3に示すように、網目状を呈している。
【0084】
電極組立体10の積層方向における両端には、金属製の拘束部材12が配置されている。拘束部材12は、図示しない保持板により、終端電極11n、11pの金属箔2に当接した状態で保持されている。本例の電極組立体10は、拘束部材12を介して外部回路と電気的に接続することができるように構成されている。
【0085】
本例のアルカリ蓄電池1は、例えば以下の方法により作製することができる。まず、箔電極11(11b、11n、11p)とセパレータ4とを交互に積層するとともに、箔電極11及びセパレータ4に電解液を含浸させる積層工程を実施する。本例では、箔電極11及びセパレータ4を交互に積層して電極組立体10を作製した後、図示しない注液口から各箔電極11及びセパレータ4に電解液を含浸させる。
【0086】
その後、電極組立体10をその積層方向に圧縮する圧縮工程を実施することにより、例えば
図2に示すように、セパレータ4の表面に露出した繊維42を正極活物質粒子32p同士の隙間に圧入することができる。以上の結果、突出部41としての繊維42を受け入れ部31としての正極活物質粒子32p同士の隙間にめり込ませ、突出部41を受け入れ部31に係合させることができる。
図3に示すように、本例の受け入れ部31は、突出部41としての繊維42によって押圧されることにより、溝状に陥没している。
【0087】
次に、本例のアルカリ蓄電池1の作用効果を説明する。本例のアルカリ蓄電池1は、複数の箔電極11とセパレータ4と、を有しており、箔電極11とセパレータ4とが交互に積層されている。セパレータ4は、箔電極11の正極活物質層3p側に突出した突出部41を有しており、正極活物質層3pは、セパレータ4の突出部41を受け入れる受け入れ部31を有している。そして、セパレータ4の突出部41が正極活物質層3pの受け入れ部31に係合されている。このようにセパレータ4と正極活物質層3pとを係合させることにより、セパレータ4を正極活物質層3pに保持し、セパレータ4と正極活物質層3pとの間への隙間の形成を抑制することができる。
【0088】
また、アルカリ蓄電池1は、前述したように、セパレータ4の突出部41と正極活物質層3pの受け入れ部31との係合によってセパレータ4を正極活物質層3pに保持しているため、セパレータ4と正極活物質層3pとの間に、例えば接着剤層等の、セパレータ4と正極活物質層3pとの密着性を向上させるための層を設ける必要がない。それ故、アルカリ蓄電池1によれば、セパレータ4から活物質層3への電解液の供給を迅速に行うことができる。
【0089】
本例のセパレータ4は多数の繊維42を備えた不織布であり、正極活物質層3pは、互いに接着された多数の正極活物質粒子32pと、正極活物質粒子32p同士の間に形成された隙間とを有している。また、突出部41としての繊維42が受け入れ部31としての正極活物質粒子32p同士の隙間に係合している。このようにセパレータ4の材質と正極活物質層3pの構成とを組み合わせることにより、予め突出部41や受け入れ部31を設けることなく、電極組立体10を積層方向に圧縮するという単純な作業により突出部41及び受け入れ部31を形成し、突出部41を受け入れ部31に係合させることができる。そのため、セパレータ4に突出部41を設ける作業や正極活物質層3pに受け入れ部31を設ける作業による製造工程の複雑化を回避することができる。
【0090】
また、不織布からなるセパレータ4を多数の活物質粒子を含む正極活物質層3pに押圧することにより、セパレータ4の繊維42を正極活物質粒子32p同士の隙間に圧入して網目状の突出部41及び受け入れ部31を形成することができる。その結果、セパレータ4をより強固に正極活物質層3pに保持し、セパレータ4と正極活物質層3pとの間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0091】
本例の正極活物質層3pは、体積基準における累積50%粒径が15μmである正極活物質粒子32pを含有している。また、セパレータ4の平均孔径は10μmであり、平均繊維径は5μmである。それ故、体積基準における正極活物質粒子32pの累積50%粒径D[μm]と、セパレータ4の平均孔径A[μm]と、セパレータ4の平均繊維径B[μm]とが下記式(1)の関係を満足している。
0.2 < D/(A+B) < 1.5 ・・・(1)
【0092】
本例の箔電極11とセパレータ4とを交互に積層すると、セパレータ4の表面に露出している繊維42同士の平均的な間隔、つまり、前述した平均孔径Aの値と平均繊維径Bの値との和と、正極活物質層3pの表面に露出している正極活物質粒子32p同士の平均的な間隔、つまり、正極活物質粒子32pの累積50%粒径Dとが同程度の大きさとなる。そのため、
図4に一例を示すように、正極活物質粒子32p間の隙間と、セパレータ4の繊維42同士の間隔とが整合しやすくなる。
【0093】
それ故、電極組立体10を圧縮することによってセパレータ4の表面に露出した繊維42を正極活物質粒子32p間の隙間により容易に進入させ、さらには繊維42を当該隙間内により容易に圧入することができる。その結果、セパレータ4をより強固に正極活物質層3pに保持し、セパレータ4と正極活物質層3pとの間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0094】
更に、本例のセパレータ4の平均繊維径は、正極活物質粒子32pの累積50%粒径Dよりも小さい。そのため、例えば
図4に示すように、正極活物質層3pの表面に存在する正極活物質粒子32p間の隙間にセパレータ4の繊維42が進入しやすくなる。それ故、電極組立体10を圧縮することによって、正極活物質層3pの表面に存在する正極活物質粒子32p間の隙間内にセパレータ4の繊維42の一部をより容易に圧入することができる。その結果、セパレータ4をより強固に正極活物質層3pに保持し、セパレータ4と正極活物質層3pとの間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0095】
また、本例の正極活物質層3pには、カルボキシメチルセルロースが含まれている。カルボキシメチルセルロースを含む正極活物質層3pは、電解液を含浸させることにより、電解液を含浸させる前に比べて軟らかくなりやすい。そのため、正極活物質層3pに電解液を含浸させた後に電極組立体10を圧縮することにより、セパレータ4の繊維42を正極活物質粒子32p間の隙間内により容易に圧入することができる。その結果、セパレータ4をより強固に正極活物質層3pに保持し、セパレータ4と正極活物質層3pとの間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
【0096】
本例の負極活物質層3nは、正極活物質層3pよりも高い見掛密度を有しているため、正極活物質層3pよりも硬い。それ故、圧縮工程において電極組立体10を積層方向に圧縮する際に、負極活物質層3nによってセパレータ4を支持し、セパレータ4を正極活物質層3pに押し付ける際の荷重をより大きくすることができる。その結果、突出部41及び受け入れ部31をより容易に形成することができる。
【0097】
以上のように、本例のアルカリ蓄電池1によれば、活物質層3とセパレータ4との間への隙間の形成を抑制するとともに、セパレータ4から活物質層3への電解液の供給を迅速に行うことができる。
【0098】
(実施例2)
本例は、予め突出部43が形成されたセパレータ402の例である。なお、本例において用いる符号のうち、既出の例における符号と同一のものは、特に説明のない限り既出の例における構成要素等と同一の構成要素等を示す。
【0099】
本例のセパレータ402は、ポリオレフィンの繊維からなる不織布である。セパレータ402は、
図5に示すように、柱状を呈する複数の突出部43を有している。
【0100】
本例のセパレータ402を用いたアルカリ蓄電池102の製造方法は、実施例1と同様である。つまり、まず、箔電極11とセパレータ402とを交互に積層するとともに、箔電極11及びセパレータ402に電解液を含浸させる積層工程を実施する。本例では、
図6に示すように、セパレータ402の突出部43が正極活物質層3pに当接するようにして、箔電極11とセパレータ402とを交互に積層して電極組立体14を作製する。
【0101】
その後、電極組立体14をその積層方向に圧縮する圧縮工程を実施する。これにより、
図7に示すように、突出部43を正極活物質層3pに圧入することができる。以上の結果、正極活物質層3pに受け入れ部33を形成しつつ、セパレータ402の突出部43を受け入れ部33に進入した状態で係合させることができる。
【0102】
本例のアルカリ蓄電池102は、セパレータ402の突出部43と正極活物質層3pの受け入れ部33とが係合しているため、セパレータ402と正極活物質層3pとの間への隙間の形成を抑制することができる。また、本例のアルカリ蓄電池102は、セパレータ402と正極活物質層3pとの間に、例えば接着剤層等の他の層を設ける必要がない。それ故、セパレータ402から活物質層3への電解液の供給を迅速に行うことができる。
【0103】
(実験例)
本例は、正極活物質粒子32pの累積50%粒径、セパレータ4の平均孔径及び平均繊維径を種々変更したアルカリ蓄電池1の例である。本例においては、表1に示す正極活物質粒子32pの累積50%粒径、セパレータ4の平均孔径及び平均繊維径を備えたアルカリ蓄電池1(試験体A1〜A5)を作製した。
【0104】
これらの試験体を、45℃の環境下において1Cの充電レートで充電し、充電開始から1時間後、つまり、SOC(State of Charge)が100%となった時点で充電を終了した。そして、この状態において、試験体における各単セルCの内圧を測定した。各試験体における単セルCの内圧の最大値は、表1に示す通りであった。
【0105】
【表1】
【0106】
表1に示すように、試験体A1〜A3における体積基準における正極活物質粒子32pの累積50%粒径D[μm]と、セパレータ4の平均孔径A[μm]と、セパレータ4の平均繊維径B[μm]とは下記式(1)の関係を満足している。
0.2 < D/(A+B) < 1.5 ・・・(1)
【0107】
そのため、これらの試験体における充電終了時の単セルCの内圧の最大値は、前記式(1)の関係を満たさない試験体A4、A5に比べて小さくなった。これらの結果から、体積基準における正極活物質粒子32pの累積50%粒径D[μm]と、セパレータ4の平均孔径A[μm]と、セパレータ4の平均繊維径B[μm]とが前記式(1)の関係を満足している場合には、セパレータ4がより強固に正極活物質層3pに保持されるため、単セルCの内圧の上昇を抑制可能であることが理解できる。
【0108】
なお、本発明に係るアルカリ蓄電池及びその製造方法の具体的な態様は、前述した実施例1〜2の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。