(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイドローラ移動機構は、前記加熱部による予熱を行う際に、前記ガイドローラを前記粉末保持部側に接近させるように移動させ、前記粉末保持部に前記粉末を供給する際に、前記ガイドローラを前記粉末保持部から離間させるように移動させる請求項5に記載の三次元積層造形物製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一態様に係る三次元積層造形物製造装置は、層状に配置した粉末に部分的にエネルギを付与して、粉末を溶融又は焼結させ、三次元積層造形物を製造する三次元積層造形物製造装置であって、層状に配置された粉末を保持する粉末保持部と、粉末保持部に保持された粉末に対して予熱を行う加熱部と、粉末及び三次元積層造形物の少なくとも一方を含む対象物から放射された輻射熱を粉末保持部側に反射させる反射面を含む反射膜が配置される反射部と、反射膜を移動させて、新たな反射面を反射部に配置する反射面更新部と、を備え、
反射面更新部は、反射部に配置される前の反射膜が巻かれた反射膜供給ロールと、反射部に配置された後の前記反射膜を巻き取る反射膜回収ロールと、反射膜回収ロールを駆動する駆動部と、を有する。
【0009】
本開示の三次元積層造形物製造装置では、粉末保持部に保持された粉末を予熱することができるので、三次元積層造形物に発生する残留応力を抑制することができる。これにより、残留応力に起因する変形及び割れの発生を低減することができる。三次元積層造形物製造装置では、予熱時において、粉末及び三次元積層造形物の少なくとも一方を含む対象物から放射される輻射熱を反射膜によって反射させることができるので、予熱時における熱損失を低減できる。三次元積層造形物製造装置では、反射膜を移動させて新たな反射面を配置することができるので、反射面の汚れによる反射率の低下が抑制される。この結果、三次元積層造形物製造装置では、輻射熱の回収効率の低下を軽減することができる。
【0010】
また、本開示の一態様に係る三次元積層造形物製造装置では、反射面更新部、反射膜供給ロール、反射膜回収ロール及び駆動部を備えることにより、反射膜が配置されるスペースを削減することができる。
【0011】
いくつかの態様において、粉末保持部を収容するチャンバを備え、チャンバ内に、反射部及び反射面更新部が収容されている構成でもよい。これにより、反射面を更新する際に、チャンバを開放する作業及び復旧する作業の必要がなくなる。そのため、チャンバ内の環境を維持したまま、反射面を更新することができ、作業効率の低下を抑制することができる。例えば、真空チャンバ内の真空環境を維持したまま反射面を更新することができる。不活性ガスを保持するチャンバ内の不活性ガス雰囲気を維持したまま反射面を更新することができる。
【0012】
いくつかの態様において、反射面更新部は、反射部に対して、粉末保持部とは反対側から、粉末保持部側へ、反射膜を移動させてもよい。粉末保持部に近い方が、粉末保持部から遠い方と比較して、蒸発成分が付着しやすく、反射面が汚れやすい。この反射面更新部によれば、比較的汚れていない部分を、汚れやすい方に移動させるようにすることができ、比較的汚れている部分を、先に反射部から除外することができる。
【0013】
いくつかの態様において、反射膜の移動を案内すると共に、反射膜の移動に伴って回転するガイドローラを備えていてもよい。これにより、反射膜の移動経路を適切に配置することができる。いくつかの態様において、ガイドローラを変位させるガイドローラ移動機構を備えていてもよい。これにより、ガイドローラを変位させて、必要に応じて、反射膜の配置を変更することができる。
【0014】
いくつかの態様において、ガイドローラ移動機構は、加熱部による予熱を行う際に、ガイドローラを粉末保持部側に接近させるように移動させ、粉末保持部に粉末を供給する際に、ガイドローラを粉末保持部から離間させるように移動させてもよい。これにより、予熱時において、反射面を粉末保持部に接近して配置することで、輻射熱の回収効率を向上させることができる。ガイドローラを粉末保持部から離間させることで、粉末を供給する際に、ガイドローラ及び反射膜が邪魔にならない。
【0015】
いくつかの態様において、三次元積層造形物製造装置は、反射面の汚れを検知する汚れセンサと、汚れセンサによる検知結果に基づいて、反射膜の移動時期を設定する更新時期設定部と、を備えていてもよい。これにより、反射面の汚れての程度に応じて、適切な時期に反射面を更新することができるので、反射率の低下を確実に抑制することができる。
【0016】
いくつかの態様において、反射面は、第1反射面と、粉末保持部に保持された粉末の表面に対して、第1反射面よりも遠い位置に配置された第2反射面とを含み、粉末の表面に対する第1反射面の傾斜角は、粉末の表面に対する第2反射面の傾斜角よりも小さくてもよい。これにより、第2反射面による反射効率を向上させることができる。粉末保持部に保持された粉末の表面とは、粉末保持部に保持された粉末を含む粉末層の表面である。
【0017】
本開示の一態様に係る三次元積層造形物製造方法は、層状に配置した粉末に部分的にエネルギを付与して、粉末を溶融又は焼結させ、三次元積層造形物を製造する三次元積層造形物製造方法であって、粉末が溶融又は焼結される前に、粉末保持部に保持された粉末を予熱する予熱工程と、粉末及び三次元積層造形物の少なくとも一方を含む対象物から放射された輻射熱を
反射面により粉末保持部側に反射させる反射工程と、
反射面を有する反射膜を反射膜回収ロールにより巻き取り、新たな反射膜を反射膜供給ロールから繰り出して、反射面を更新する反射面更新工程と、を含む。
【0018】
本開示の三次元積層造形物製造方法では、粉末保持部に保持された粉末を予熱するので、三次元積層造形物に発生する残留応力を抑制することができる。これにより、残留応力に起因する変形及び割れの発生を低減することができる。三次元積層造形物製造方法では、予熱時において、粉末及び三次元積層造形物の少なくとも一方を含む対象物から放射される輻射熱を反射させるので、予熱時における熱損失を低減できる。三次元積層造形物製造方法では、新たな反射面に更新することができるので、反射面の汚れによる反射率の低下が抑制される。この結果、三次元積層造形物製造装置では、輻射熱の回収効率の低下を軽減することができる。
【0019】
以下、本開示の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
図1に示される三次元積層造形物製造装置(以下「製造装置」という)1は、いわゆる3Dプリンタである。製造装置1は、層状に配置した金属粉末(導電体粉末)2に部分的にエネルギを付与して、金属粉末2を溶融又は焼結して凝固させる。製造装置1は、これを複数回繰り返して三次元部品(三次元積層造形物)3を製造する。三次元部品3は、例えば機械部品などであり、その他の構造物であってもよい。金属粉末としては例えばチタン系金属粉末、インコネル(登録商標)粉末(ニッケル基合金粉末)、アルミニウム粉末、ステンレス粉末等が挙げられる。導電体粉末は、金属粉末に限定されず、例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)など、炭素繊維と樹脂を含む粉末やセラミックス粉末でもよく、その他の導電性を有する粉末でもよい。
【0021】
製造装置1は、真空チャンバ4、作業テーブル(粉末保持部)5、昇降装置6、粉末供給装置7、電子線照射装置(ビーム照射部、熱源照射装置)8及びコントローラ31を備える。真空チャンバ4は、内部を真空(低圧)状態とする容器であり、図示しない真空ポンプが接続されている。作業テーブル5は、例えば板状を成し、三次元部品3の原料である金属粉末2が配置される保持部である。作業テーブル5上の金属粉末2は例えば層状に複数回に分けて配置される。作業テーブル5は、平面視において、例えば矩形状を成している。作業テーブル5の形状は、矩形に限定されず、円形でもよく、その他の形状でもよい。作業テーブル5は、真空チャンバ4内において、例えば底部で下方に窪む凹部であるビルドタンク10内に配置されている。ビルドタンク10内において、作業テーブル5は、Z方向(上下方向)に移動可能であり、金属粉末2の層数に応じて順次降下する。ビルドタンク10の側壁10aは、作業テーブル5の移動を案内する。側壁10aは、作業テーブル5の外形に対応するように角筒状(作業テーブルが円形の場合は円筒状)を成している。ビルドタンク10の側壁10a及び作業テーブル5は、金属粉末2及び造形された三次元部品3を収容する収容部を形成する。作業テーブル5はビルドタンク10の内側でZ方向に移動可能である。
【0022】
昇降装置6は、作業テーブル5、ビルドタンク10内の溶けていない金属粉末2、及び製造途中の三次元部品3を昇降させるものである。昇降装置6は、例えばラックアンドピニオン方式の駆動機構を含み、作業テーブル5をZ方向に移動させる。昇降装置6は、作業テーブル5の底面に連結されて下方に伸びる棒状の上下方向部材(ラック)6aと、この上下方向部材6aを駆動するための駆動源6bと、を含む。駆動源6bとしては、例えば電動モータを用いることができる。電動モータの出力軸にはピニオンが設けられ、上下方向部材6aの側面にはピニオンと噛み合う歯形が設けられている。電動モータが駆動され、ピニオンが回転して動力が伝達されて、上下方向部材6aが上下方向に移動する。電動モータの回転を停止することで、上下方向部材6aが位置決めされて、作業テーブル5のZ方向の位置が決まり、その位置が保持される。なお、昇降装置6は、ラックアンドピニオン方式の駆動機構に限定されず、例えば、ボールねじ、シリンダなどその他の駆動機構を備えるものでもよい。
【0023】
粉末供給装置7は、金属粉末2を貯留する貯留部である原料タンク11と、金属粉末2を均す粉末塗布機構12とを備える。原料タンク11及び粉末塗布機構12は、真空チャンバ4内に配置されている。原料タンク11は、Z方向において作業テーブル5より上方に配置されている。原料タンク11は、例えば、Z方向と交差するY方向において、作業テーブル5の両側に配置されている。作業テーブル5の下方には、ビルドタンク10の側壁10aの上端部から側方に延びる張出板13が設けられている。張出板13は、作業テーブル5の周囲において、Z方向に交差する平面を形成している。原料タンク11に貯留されている金属粉末2は、原料タンク11から流出して張出板13上に堆積する。
【0024】
粉末塗布機構12は、作業テーブル5及び張出板13の上方で、Y方向に移動可能であり、張出板13上に堆積する金属粉末2を作業テーブル5上に掻き寄せると共に、作業テーブル5上の金属粉末2の積層物の最上層の表面(上面)2aを均す。粉末塗布機構12の下端部は、金属粉末2の積層物の表面2aに当接して高さを均一にする。粉末塗布機構12は、例えば板状を成し、X方向に所定の幅を有する。X方向は、Z方向及びY方向に交差する方向である。粉末塗布機構12のX方向の長さは、例えば作業テーブル5のX方向の全長に対応している。製造装置1は、粉末塗布機構12に替えて、ローラー部、棒状部材、刷毛部などを備える構成でもよい。
【0025】
電子線照射装置8は、エネルギービームとしての電子ビーム(電子線)を照射する電子銃(不図示)を含む。
図2では、出射された電子ビームが通過する領域Dを2点鎖線で示している。電子銃から出射された電子ビームは、真空チャンバ4内に照射されて、金属粉末2を加熱する。電子線照射装置8は、金属粉末2を溶融させる際の溶融用加熱部として機能すると共に、金属粉末2を溶融させる前に、金属粉末2を予熱する予熱用加熱部として機能する。電子線照射装置8は、金属粉末2を焼結させる際の焼結用加熱部として機能する共に、金属粉末2を焼結させる前に、金属粉末2を予熱する予熱用加熱部として機能するものでもよい。電子線照射装置8は、電子ビームの照射を制御するコイル部を含む。コイル部は、例えば収差コイル、フォーカスコイル及び偏向コイルを備える。収差コイルは、電子銃から出射される電子ビームの周囲に設置され、電子ビームを収束させる。フォーカスコイルは、電子銃から出射される電子ビームの周囲に設置され、電子ビームのフォーカス位置のずれを補正する。偏向コイルは、電子銃から出射される電子ビームの周囲に設置され、電子ビームの照射位置を調整する。偏向コイルは、電磁的なビーム偏向を行うため、機械的なビーム偏向と比べて、電子ビームの照射時における走査速度を高速なものとすることができる。電子銃及びコイル部は、真空チャンバ4の上部に配置されている。電子銃から出射された電子ビームは、コイル部によって、収束され、焦点位置が補正され、走査速度が制御され、金属粉末2の照射位置に到達する。
【0026】
ここで、製造装置1は、加熱された金属粉末2から放射する輻射熱を回収する輻射熱回収ユニット20を備える。輻射熱回収ユニット20は、反射部21及び反射面更新部22を備える。反射部21及び反射面更新部22は、真空チャンバ4内に配置されている。反射部21には、反射面21a,21bを含む反射膜23が配置される。反射面21a,21bは、金属粉末2から放射された輻射熱を金属粉末2(作業テーブル5側)に反射させる。反射部21は、平面視において、作業テーブル5の周囲に配置されている。反射部21は、作業テーブル5を中心として、4方向に配置されている。反射部21は、例えば、X方向に対向して配置されていると共に、Y方向に対向して配置されている。反射部21は、電子ビーム(エネルギービーム)が通過する領域を避ける位置に配置されている。
【0027】
X方向から見た場合、Y方向に対向する反射面21a,21bは、Z方向に延在する軸線L1に対して傾斜している。軸線L1は、例えば作業テーブル5の中心を通る仮想の直線とする。反射面21aの上端は、反射面21aの下端よりも軸線L1に近い位置に配置されている。反射面21bの上端は、反射面21bの下端よりも軸線L1に近い位置に配置されている。反射部21において、反射面21a,21bは、Z方向に隣接している。反射面(第1反射面)21aは、反射面(第2反射面)21bより下方に配置されている。反射面21aは、反射面21bよりも作業テーブル5に近い位置に配置されている。反射面21a,21bは、軸線L1に対して異なる角度で傾斜している。換言すると、反射面21a,21bは、金属粉末2の表面2aに対して異なる角度で傾斜している。表面2aは、例えばX方向及びY方向に沿う面であり、Z方向に直交する面である。表面2aに対する反射面21aの傾斜角は、表面2aに対する反射面21bの傾斜角よりも小さい。反射面21a,21bは、反射面21a,21bに直交する方向から見た場合に、例えば矩形を成すように形成されている。反射面は、反射面21aのみでもよく、反射面21bのみでもよい。
【0028】
反射面更新部22は、反射膜23を移動させて、新たな反射面21a,21bを反射部21に配置する。反射面更新部22は、反射膜供給ロール24、反射膜回収ロール25及び駆動部26を備える。反射膜供給ロール24には、反射部21に配置される前の反射膜23が巻かれている。反射膜供給ロール24は、回転軸線回りに回転して、反射膜23を繰り出す。反射膜回収ロール25は、反射部21に配置された後の反射膜23を巻き取る。反射膜回収ロール25は、駆動部26から回転駆動力が伝達されて、回転軸線回りに回転する。駆動部26は、例えば電動モータであり、コントローラ31から出力された指令信号にしたがって作動する。
【0029】
反射面更新部22は、反射膜23の移動を案内する複数のガイドローラ27,28,29を備える。ガイドローラ27,28,29は、反射膜23に張力を付与する。反射膜23はガイドローラ27,28,29の外周面に当接する。ガイドローラ27,28,29は、反射膜23の移動に伴って回転する。反射膜供給ロール24側から順に、ガイドローラ27〜29が配置されている。
【0030】
ガイドローラ27は、Z方向において、作業テーブル5に対して、反射膜供給ロール24よりも近い位置に配置されている。ガイドローラ27は、Y方向において、軸線L1に対して、反射膜供給ロール24よりも近い位置に配置されている。ガイドローラ28は、Z方向において、作業テーブル5に対して、ガイドローラ27よりも近い位置に配置されている。ガイドローラ28は、Y方向において、軸線L1に対して、ガイドローラ27よりも遠い位置に配置されている。
【0031】
ガイドローラ29は、Z方向において、作業テーブル5に対して、ガイドローラ28よりも近い位置に配置されている。ガイドローラ29は、Y方向において、軸線L1に対して、ガイドローラ28よりも遠い位置に配置されている。ガイドローラ29は、Z方向において、作業テーブル5に対して、反射膜回収ロール25よりも近い位置に配置されている。ガイドローラ29は、Y方向において、軸線L1に対して反射膜回収ロール25よりも近い位置に配置されている。
【0032】
ガイドローラ27〜29の外周面は、反射膜23の裏面に当接する。反射膜23の表面は、反射面21a、21bを構成する面である。反射膜供給ロール24から繰り出された反射膜23は、ガイドローラ27〜29に当接して、適宜、屈曲される。反射膜23は、反射膜回収ロール25に巻き取られる。反射膜23が通過する経路のうち、ガイドローラ27とガイドローラ28との間に配置された反射膜23の部分が、反射面21bを構成する。反射膜23が通過する経路のうち、ガイドローラ28とガイドローラ29との間に配置された反射膜23の部分が、反射面21aを構成する。
【0033】
反射面更新部22は、ガイドローラ29を変位させるガイドローラ移動機構41を備える。ガイドローラ移動機構41は、ガイドローラ29をZ方向に移動することができる。ガイドローラ移動機構41は、金属粉末2を予熱する際に、ガイドローラ29を作業テーブル5に接近させるように移動する。ガイドローラ移動機構41は、粉末塗布機構12よって作業テーブル5に金属粉末2を供給する際に、ガイドローラ29を作業テーブル5から離間させるように移動する。換言すれば、金属粉末2を作業テーブル5に供給する際には、ガイドローラ29が上方に退避しているので、粉末塗布機構12の移動の邪魔にならない。
【0034】
ガイドローラ移動機構41は、ガイドローラ29を回転可能に支持する一対の軸受部(不図示)をX方向に移動させる。これにより、ガイドローラ移動機構41は、ガイドローラ29を移動させる。ガイドローラ移動機構41は、例えば、一対の軸受部の移動を案内するガイドレールと、軸受部を駆動する駆動部とを含む。ガイドローラ移動機構は、ガイドレールに代えて、軸受部の移動を案内する溝部などその他のガイド部を備える構成でもよい。ガードローラ移動機構の駆動部は、例えば、電動モータ、ボールねじ等を含んでもよい。
【0035】
製造装置1は、遮熱板45を備える。遮熱板45は、金属粉末2からの輻射熱を遮蔽する。複数の遮熱板45は、例えば、筒体を成すように配置されている。遮熱板45は、X方向及びY方向に対向するように配置されている。遮熱板45によって構成された筒体の軸線L1に交差する断面は、例えば矩形状を成している。遮熱板45は、電子ビームが照射される領域の外側に配置されている。遮熱板45による筒体の開口面積は、Z方向において、作業テーブル5に向かう程大きくなっている。筒体の下端部の開口は、平面視において、作業テーブル5の外側に配置されている。遮熱板45としては、例えばステンレス鋼を用いることができる。遮熱板45は、真空チャンバ4に対して固定されている。遮熱板45は、例えば原料タンク11への輻射熱の影響を軽減する。
【0036】
遮熱板45は、第1遮熱板46及び第2遮熱板47を含む。第1遮熱板46は、Z方向において、第2遮熱板47よりも作業テーブル5に近い位置に配置されている。Z方向において、第1遮熱板46の下端と、張出板13との間には、粉末塗布機構12の塗布部(刷毛部)が移動可能な空間が形成されている。第1遮熱板46及び第2遮熱板47は、軸線L1に対して異なる角度で傾斜している。XY面に対する第1遮熱板46の傾斜角は、XY面に対する第2遮熱板47の傾斜角より小さい。遮熱板45は、図示の例では、反射膜23の背面側に、反射膜23に沿って配置されている。反射膜23は、遮熱板45の表面に沿って移動することが可能である。
【0037】
反射膜供給ロール24は、Y方向において、軸線L1に対して第1遮熱板46の背面側に配置されている。第2遮熱板47には、反射膜23を通過させる開口部が設けられている。ガイドローラ27の外周面の一部は、第1遮熱板46よりも軸線L1側に露出するように配置されていてもよい。ガイドローラ28の外周面の一部は、例えば、第2遮熱板47と第1遮熱板46との間の隙間に配置されている。ガイドローラ28の外周面の一部は、軸線L1側に露出している。反射膜回収ロール25及び駆動部26は、Y方向において、軸線L1に対して第1遮熱板46の背面側に配置されている。
【0038】
反射面更新部22は、反射面21a,21bの汚れを検知する汚れセンサ42を含む(
図3参照)。反射膜23には、例えば、光を透過可能な透明部が形成されている。汚れセンサ42は、例えば受光素子を備えている。受光素子は、反射膜23の裏面側で、透明部に対応する位置に配置されている。汚れセンサ42は、反射膜23の透明部を透過した光を検知する。これにより、汚れセンサは、汚れを検知する。反射膜23に、例えば金属粉末2の蒸発成分が付着して、反射率が低下する場合には、透明部を透過する光が減衰する。
【0039】
図3に示されるコントローラ31は、製造装置1の装置全体の制御を司る制御部である。コントローラ31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等のハードウェアと、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアとから構成されたコンピュータである。コントローラ31は、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを含む。コントローラ31は、演算部32、汚れ判定部33、反射面更新制御部(反射面更新時期設定部)34、ガイドローラ変位制御部35及び記憶部36を含む。コントローラ31は、電子線照射装置8、汚れセンサ42、駆動部26、ガイドローラ移動機構41及び昇降装置6と電気的に接続されている。
【0040】
演算部32は、電子線照射装置8に指令信号を送信して、電子ビームの照射時期の制御、照射位置等の制御(照射制御)を行う。演算部32は、予熱時における電子ビームの照射制御を行う。演算部32は、金属粉末2を溶融又は焼結させる際の電子ビームの照射制御を行う。演算部32は、粉末塗布機構の動作時期等の制御を行う。演算部32は、昇降装置6を制御する。これにより演算部32は、作業テーブル5の動作制御を行う。
【0041】
汚れ判定部33は、汚れセンサ42で検知された情報に基づいて、反射面21a,21bの汚れ具合について判定する。この汚れ具合に基づいて、輻射熱の反射率の低下の程度を判定することもできる。反射面21a,21bの汚れ具合の判定は、判定閾値を用いて行うことができる。判定閾値は、例えば過去の実績値及び実験データ等に基づいて設定することができる。判定閾値は例えば記憶部36に記憶されている。
【0042】
反射面更新制御部34は、反射面21a,21bの汚れ具合に基づいて、反射面21a,21bの更新時期を決定することができる。汚れ判定部33は、汚れセンサ42による検知結果に基づいて、反射膜23の移動時期を設定する更新設定部として機能する。反射面更新制御部34は、駆動部26に指令信号を送信する。反射面更新制御部34は、反射膜回収ロール25の回転時期及び回転量を制御する。これにより、反射面更新制御部34は、反射膜23の移動を制御する。反射面21a,21bを更新する際の反射膜23の移動量は、反射面21a,21bを全て更新させるように設定されてもよい。反射面21a,21bを更新する際の反射膜23の移動量は、反射面21a,21bを部分的に更新させるように設定されてもよい。例えば、反射面21aの長さに対応する移動量でもよい。反射膜23の移動量は、例えば、駆動部である電動モータの出力軸の回転角度に基づいて設定することができる。
【0043】
反射面更新制御部34は、例えば、一定の経過時間ごとに、定期的に反射膜23を移動させてもよい。反射面更新制御部34は、例えば、予熱を開始する前に、定期的に反射膜23を移動させてもよい。反射面更新制御部34は、例えば予熱時において、連続的に反射膜23を移動させてもよい。
【0044】
ガイドローラ変位制御部35は、ガイドローラ移動機構41を制御する。ガイドローラ変位制御部35は、ガイドローラ29をZ方向に移動させる。ガイドローラ変位制御部35は、予熱時において、ガイドローラ29を下方(第1位置P1)に配置する。ガイドローラ変位制御部35は、金属粉末2の作業テーブル5への供給時において、ガイドローラ29を上方(第2位置P2)に配置する。ガイドローラ変位制御部35は、粉末塗布機構12による供給動作前に、ガイドローラ29を上方に移動させる。ガイドローラ29は、第2位置P2に配置される。ガイドローラ変位制御部35は、粉末塗布機構12による供給動作後であり、予熱開始前にガイドローラ29を降下させる。ガイドローラ29は、第1位置P1に配置される。これにより、反射面21aの傾斜角を変更することができる。
【0045】
次に、三次元部品の製造方法(三次元積層造形物製造方法)について説明する。
図4は、三次元部品の製造方法の手順を示すフローチャートである。三次元部品3の製造方法は、例えば製造装置1を用いて実行される。
【0046】
まず、原料タンク11から金属粉末2を排出する。排出された金属粉末2は、張出板13上に堆積している。コントローラ31は、粉末塗布機構12を駆動する。粉末塗布機構12は、金属粉末2を作業テーブル5上に供給し、金属粉末2の堆積物の表面2aを均す(ステップS1)。このとき、ガイドローラ29は、上方の第2位置P2に配置されている。そのため、粉末塗布機構12が移動する領域が確保されている。
【0047】
次に、ガイドローラ変位制御部35は、ガイドローラ移動機構41を制御して、ガイドローラ29を降下させる(ステップS2)。これにより、ガイドローラ29が第1位置P1に配置される。次に、コントローラ31は、電子線照射装置8を制御する。電子線照射装置8は、電子ビームを照射して、作業テーブル5上の金属粉末2を予熱する(ステップS3;予熱工程)。予熱温度は、金属粉末2の材質によって決定される。予熱温度は、例えば700℃以上、1300℃以下である。
【0048】
この予熱において、高温となった金属粉末2から放射された輻射熱は、反射面21a,21bに反射されるので、金属粉末2が加熱される(反射工程)。輻射熱の一部は、反射面21aで反射されて、金属粉末2を加熱する。輻射熱の一部は、反射面21bで反射されて、金属粉末2を加熱する。輻射熱の一部は、反射面21bで反射された後、対向する反射面21bで反射されて、金属粉末2を加熱する。これにより、金属粉末2から放射された輻射熱を回収することができる。
【0049】
次に、汚れ判定部33は、汚れセンサ42によって検知されたデータに基づいて、反射面21a,21bの汚れ具合を判定する(ステップS4)。汚れ判定部33は、例えば反射膜23を透過する光の透過量が判定閾値以下である場合に、反射面21a,21bが汚れていると判定する(ステップS4;YES)。汚れ判定部33は、反射膜23を透過する光の透過量が判定閾値を超える場合に、反射面21a,21bは汚れていないと判定する(ステップS4;NO)。
【0050】
反射面21a,21bが汚れている場合には、ステップS5に進み、反射膜23の巻き取り工程を行う(反射面更新工程)。ここでは、反射面更新制御部34は、駆動部26を制御する。駆動部26は、反射膜回収ロール25を回転させて、反射膜23を移動させる。これにより、反射膜23のうち汚れている部分は、反射膜回収ロール25に巻き取られる。反射膜23の新たな部分が反射膜供給ロール24から繰り出されて、反射部21に供給される。反射膜23の新たな部分が、新たな反射面21a,21bとして機能する。
【0051】
次に、演算部32は、予熱が終了したか否かを判定する(ステップS6)。演算部32は、例えば、設定された予熱時間を経過しているか否かを判定する。予熱時間を経過していない場合には(ステップS6;NO)、ステップS4に戻る。この場合には、予熱時間が継続するまで、ステップS4〜S6を繰り返し、予熱を継続する。予熱時間を経過した場合には(ステップS6;YES)、ステップS7に進む。
【0052】
ステップS7では、作業テーブル5上の金属粉末2に電子ビームを照射して、金属粉末2を溶融する溶融工程を行う。コントローラ31は、電子線照射装置8を制御して、電子ビームを照射させる。溶融温度は、金属粉末2の材質によって異なり、例えば2000℃程度の場合もある。コントローラ31は、電子線照射装置8を制御する。コントローラ31は、電子ビームの照射位置を制御し、電子ビームの走査速度を制御する。電子ビームが照射されて溶融した部分は、その後凝固して三次元部品3の一部を構成する。ステップS7において、作業テーブル5上の金属粉末2に電子ビームを照射して、金属粉末2を焼結する焼結工程を行ってもよい。
【0053】
続く、ステップS8では、三次元部品3の造形が全層分終了しているか否かを判定する。演算部32は、例えば設計通りの層分について造形が終了しているか否を判定する。全層分の造形が終了して、三次元部品3が完成している場合には(ステップS8;YES)、三次元部品3の製造を完了する。三次元部品3の造形が終了していない場合には(ステップS8;NO)、ステップS9に進む。
【0054】
ステップS9では、ガイドローラ変位制御部35は、ガイドローラ移動機構41を制御して、ガイドローラ29を上昇させる。これにより、ガイドローラ29が第2位置P2に退避する。コントローラ31は、昇降装置6を制御して作業テーブル5を降下させる。新たな金属粉末2が積層される領域が確保される。ステップS9の終了後、ステップS1が実行される。このステップS1では、金属粉末2を作業テーブル5上に新たに供給して、金属粉末2を均す工程を行う。三次元部品の製造方法では、以下、ステップS2からステップS8を繰り返す。三次元部品の製造方法では、三次元部品3の全層について造形を行い、三次元部品3の製造を完了する。
【0055】
本開示の製造装置1では、作業テーブル5に保持された金属粉末2を予熱するので、三次元部品3に発生する残留応力を抑制することができる。これにより、三次元部品3において、残留応力に起因する変形及び割れの発生を低減することができる。製造装置1では、予熱時において、金属粉末2から放射される輻射熱を反射膜23の反射面21a,21bによって反射させるので、予熱時における熱損失を低減できる。製造装置1では、反射膜23を移動させて新たな反射面21a,21bを配置することができるので、反射面21a,21bが汚れて反射率が低下することを抑制できる。その結果、製造装置1によれば、輻射熱の回収効率の低下を軽減することができる。
【0056】
製造装置1では、反射膜供給ロール24及び反射膜回収ロール25を備えているので、使用前の反射膜23及び使用後の反射膜23が配置されるスペースを削減することができる。これにより、反射膜供給ロール24及び反射膜回収ロール25を、真空チャンバ4内の収容することができる。製造装置1では、反射膜供給ロール24、反射膜回収ロール25及び駆動部26が、真空チャンバ4内に収容されているので、反射面21a,21bを更新する際に、真空チャンバ4を開放する作業及び復旧する作業の必要がない。そのため、真空チャンバ4内の真空環境を維持したまま、反射面21a,21bを更新することができる。その結果、製造装置1では、作業効率の低下を抑制することができる。製造装置1では、連続運転を継続することができ、生産効率の低下を抑制できる。
【0057】
輻射熱の回収効率が低い場合は同じ熱源の容量に対して、造形面積が制限されるため、造形できる寸法に制約が生じてしまう。使用する熱源からの投入熱量と造形物のエネルギ散逸(輻射エネルギと熱伝導によるエネルギ)が釣り合っていなければならないため、輻射エネルギの回収効率が低い場合、造形できる大きさが制約されてしまう。製造装置1では、輻射熱の回収効率の低下を軽減することができるので、同じ熱源の容量であっても、従来と比較してより大きな三次元部品を製造することができる。
【0058】
製造装置1では、反射膜23を上方から下方へ、作業テーブル5側に近づけるように移動するので、比較的汚れていない反射膜23の部分を、汚れやすい方に移動させることができる。製造装置1では、比較的汚れている反射膜23の部分を、先に反射部21から除外することができる。
【0059】
製造装置1は、複数のガイドローラ27,28,29を備えているので、反射膜23を適切に張架して、反射膜23の移動経路を設定することができる。これにより、製造装置1では、反射面21a,21bの傾斜角を維持することができる。その結果、輻射熱を作業テーブル5上の金属粉末2により確実に反射させることができる。
【0060】
製造装置1は、ガイドローラ29を変位させるガイドローラ移動機構41を備えている。ガイドローラ移動機構41は、予熱時において、ガイドローラ29を作業テーブル5に接近させることができる。ガイドローラ移動機構41は、金属粉末2の供給時において、ガイドローラ29を作業テーブル5から離間するように移動させることができる。これにより、予熱時において、反射面21aの傾斜角を適切なものとして、輻射熱の回収効率を向上させることができる。金属粉末2の供給時において、粉末塗布機構12の動作の妨げとならない位置に、ガイドローラ29及び反射膜23を退避させることができる。
【0061】
製造装置1は、反射面21a,21bの汚れを検知する汚れセンサ42を備えている。製造装置1は、反射面21a,21bの汚れの程度に応じて、反射面21a,21bの更新時期を設定することができる。製造装置1では、反射率の低下を確実に抑制することができる。
【0062】
製造装置1では、反射面21a,21bを備え、金属粉末2の表面2aに近い方の反射面21aが、表面2aから遠い方の反射面21bよりも、表面2aに対する傾斜角が小さくなっている。そのため、反射面21aによる反射率を向上させることができる。
【0063】
本開示は、前述した実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で下記のような種々の変形が可能である。
【0064】
上記の実施形態では、電子ビームを照射して予熱を行っているが、予熱を行う加熱部として、例えばヒータなどその他の加熱部を使用してもよい。ヒータとしては、例えば輻射熱(放射熱)によって加熱するランプヒータを用いてもよい。ヒータは、粉末床(ビルドタンク10内の粉末)を粉末床の上方から加熱する構成には限定されず、ビルドタンク10の側方または下方から加熱する構成であってもよい。製造装置1では、例えば、ビルドタンク10の側壁外側または作業テーブル5に、誘導加熱式又は抵抗加熱式のヒータが設けられていてもよい。製造装置1では、そのヒータを用いて粉末を予熱してもよい。
【0065】
上記の実施形態では、電子ビームを照射して、粉末を溶融又は焼結しているが、粉末に照射されるビームは、電子ビームに限定されず、その他のエネルギービーム(例えばレーザ)でもよい。三次元積層造形物製造装置は、例えば、レーザ発信器(熱源照射装置)を備え、レーザビームを照射して、粉末を溶融又は焼結するものでもよい。レーザビームを照射する製造装置は、真空チャンバ4に代えて、不活性ガス雰囲気を保持するためのチャンバを備えてもよい。レーザビームを照射する熱源照射装置は、粉末を溶融させる際の溶融用加熱部として機能する。この場合の熱源照射装置は、例えば、レーザビームを偏光させるミラー及びミラーを動かすための駆動部や集光レンズ等の光学部品を含む構成としてもよい。この熱源照射装置は、粉末を焼結させる際の焼結用加熱部として機能するものでもよい。
【0066】
粉末は導電性を有していない粉末でもよい。例えば、製造装置1が粉末に対してレーザなど電荷を持たないエネルギを付与する構成である場合には、導電性を有していない粉末でもよい。
【0067】
加熱部は、粉末及び三次元積層造形物の少なくとも一方を含む対象物を加熱するものでもよい。反射部は、粉末から放射された輻射熱を反射させるものでもよい。反射部は、三次元積層造形物から放射された輻射熱を反射させるものでもよい。反射部は、粉末及び三次元積層造形物から放射された輻射熱を反射させるものでもよい。
【0068】
上記の実施形態では、反射部21を例えば4箇所に配置しているが、反射部21は、1箇所でもよく、2箇所以上に配置されていてもよい。反射膜23の移動方向は、作業テーブル5から離れるように移動する方向でもよい。反射膜23は、例えば軸線L1回りに周回移動するものでもよい。反射面21a,21bは、例えば平面を成すものでもよく、湾曲面を成すものでもよい。
【0069】
上記の実施形態では、反射膜供給ロール及び反射膜回収ロールが、真空チャンバ4内に配置されている場合について、説明している。反射膜供給ロール及び反射膜回収ロールは、チャンバ外に配置されていてもよい。
【0070】
反射膜23は、連続的に移動するものでもよく、定期的に移動するものでもよい。反射面21a,21bの全面を一度に更新してもよく、部分的に更新してもよい。ガイドローラ29は、変位しなくてもよい。
【0071】
上記の実施形態では、粉末塗布機構をY方向に移動させて、粉末の積層物(粉末層)の表面2aを均しているが、粉末塗布機構をX−Y面内のその他方向に移動させて、粉末層の表面2aを均してもよい。製造装置は、円周方向に粉末塗布機構を移動させてもよい。製造装置は、平面視において、粉末塗布機構に対して作業テーブルを含む造形タンクを相対的に移動させて表面2aを均してもよい。造形タンクは、例えばX方向に往復運動する構成でもよく、その他の方向に移動可能な構成でもよい。造形タンクは、Z方向に延在する仮想線を中心として回転移動可能な構成でもよい。例えば、製造装置は、平面視において円形の保持部(作業テーブル)を備え、Z方向に延在する仮想線(保持部の中央部)を中心として保持部及び粉末層を回転移動させながら、粉末の塗布及びビーム照射を順次行う構成でもよい。