(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。なお、本明細書で「周囲」とは、対象となる物体に接する領域であり、環境状態が同じであるとみなせる範囲の領域をいう。
【0017】
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る匂い検出装置1は、匂い発生源2から発せられる匂いを検出する。匂いの検出は、その匂いが漂う雰囲気、すなわち周囲の空気の環境状態を示す環境に大きく左右される。そこで、匂い検出装置1は、検出した匂いを示す匂い情報を、環境情報に基づいて補正する構成を有している。具体的には、匂い検出装置1は、匂いセンサ10と、環境情報測定手段11,12と、を備える。
【0018】
匂いセンサ10は、空間に漂う匂い情報を検出する。本実施の形態では、
図2に示すように、匂い発生源2から、複数の物質a〜cによって構成される匂いが雰囲気中に漂っているものとする。匂いセンサ10は、この物質a〜cを検出する。匂いセンサ10は、物質aに反応する感応膜5(5a)と、物質bに反応する感応膜5(5b)と、物質cに反応する感応膜5(5c)と、を有している。
【0019】
感応膜5には、化学修飾を施した金属や、金属酸化物半導体や、脂質膜など、様々なものがある。本実施の形態では、物質a〜cを吸着させる受容体を有するものであれば感応膜5として用いることができ、その種類には特に制限されない。
【0020】
感応膜5は、匂いセンサ10に設けられた構造体又は電気回路中に挿入されている。物質a〜cが感応膜5に吸着すれば、感応膜5の質量等が変化して、感応膜5を含む構造体又は感応膜5が実装された電気回路の物理特性が変化する。構造体の物理特性には、例えば、感応膜5が取り付けられた構造体の振動周波数、屈折率、蛍光強度、温度がある。また、感応膜5を含む電気回路の物理特性には、電気伝導度、抵抗値、インピーダンス、電位差、キャパシタンスがある。匂いセンサ10は、この構造体又は電気回路の物理特性の変化で、匂いを検出する。本実施の形態に係る匂い検出装置1は、このような物理特性の種類には限定されない。
【0021】
例えば、感応膜5が振動梁に搭載されていた場合、感応膜5が気体に含まれる物質と反応すると、感応膜5の質量が増加又は減少して、振動梁の振動周波数が変化する。匂いセンサ10は、感応膜5毎に、この振動周波数の変化を示す情報を出力する。この変化に基づいて、感応膜5(5a,5b,5c)と反応した物質、すなわち匂い発生源2から発せられた物質a〜cを検出することが可能となる。
【0022】
匂いセンサ10は、物質a〜cの反応結果、すなわち検出した反応値を示す情報を、感応膜5毎に匂い情報として出力する。
図2に示すように、物質a,b,cの反応値ra,rb,rcが、匂い情報となる。
【0023】
感応膜5の反応値に影響を与えるのは、感応膜5の周囲の空気に含まれる水蒸気量である。そこで、環境情報測定手段11,12は、周囲の気体に含まれる水蒸気量と相関性のある環境情報を測定する。
【0024】
より具体的には、環境情報測定手段11は、匂いセンサ10の周囲の環境情報を測定する。環境情報測定手段12は、匂い発生源2の周囲の環境情報を測定する。すなわち、本実施の形態では、環境情報測定手段11が、第1の測定手段に対応し、環境情報測定手段12が、第2の測定手段に対応する。
【0025】
本実施の形態では、環境情報には、水蒸気量の他、温度及び湿度が含まれる。温度及び湿度が、気体中の水蒸気量と相関性があることは、公知である。感応膜5には、気体中の水分が吸着しているため、感応膜5の物質a〜cの吸着量は、気体中の水蒸気量に左右されるためである。
【0026】
なお、本実施の形態では、匂いセンサ10と、環境情報測定手段11とは一体化している。匂いセンサ10と、環境情報測定手段11とが一体化したものを、以下では、測定ユニット3とも呼ぶ。
【0027】
匂い検出装置1は、この測定ユニット3と、情報処理装置4と、を備える。情報処理装置4は、上述のように、検出された匂い情報と、測定された環境情報とに基づいて情報処理を行う。情報処理装置4は、コンピュータのハードウエア資源が、ソフトウエアプログラムを実行することによりその機能を実現する。情報処理装置4は、その機能構成として、匂い情報収集手段20と、差分情報取得手段21と、補正手段22と、匂い特定手段23と、を備える。
【0028】
図3に示すように、匂い情報収集手段20は、匂いセンサ10で検出される匂い情報を収集する。本実施の形態では、
図3に示すように、匂い情報収集手段20は、物質a〜cの反応結果を示す情報を、感応膜5毎に匂い情報として収集する。このようにして得られた物質aの反応値を反応値raとし、物質bの反応値をrbとし、物質cの反応値をrcとする。
【0029】
差分情報取得手段21は、環境情報測定手段11で測定された匂いセンサ10の周囲の環境情報を入力(取得)する。また、差分情報取得手段21は、環境情報測定手段12で測定された匂い発生源2の周囲の環境情報を入力(取得)する。
【0030】
温度及び湿度と、水蒸気量との相関性は以下の通りである。tを温度(℃)とすると、そのときの飽和水蒸気圧e(t)(hPa)は、以下の式(1)で表される。
【数1】
上記式(1)を用いて温度から求められる飽和水蒸気圧e(t)は、次の式(2)に示すように、飽和水蒸気量a(t)(g/m
3)に変換される。
【数2】
水蒸気量(g/m
3)は、以下の式(3)で算出される。ここで、hは、湿度(%)である。
【数3】
差分情報取得手段21は、上記式(1)、式(2)、式(3)を用いて、温度t℃及び湿度h%に基づいて、水蒸気量g/m
3を算出する。例えば、温度が22.2℃、湿度63.7%である場合には、水蒸気量は、12.5g/m
3となる。また、温度が28.4℃、湿度44.5%である場合には、水蒸気量は、12.4g/m
3となる。温度が22.8℃、湿度57.7%である場合には、水蒸気量は、11.7g/m
3となる。
【0031】
さらに、差分情報取得手段21は、環境情報測定手段11で測定された環境情報と、環境情報測定手段12で測定された匂い発生源2の周囲の環境情報との差を示す差分情報を取得する。具体的には、匂い発生源2の周囲の気体中の水蒸気量と、匂いセンサ10の周囲の気体中の水蒸気量との差分が算出される。ここで、匂い発生源2の周囲の気体中の水蒸気量が匂いセンサ10の周囲の気体中の水蒸気量より多ければ、差分はプラスとなり、その逆であれば差分はマイナスとなる。
【0032】
補正手段22は、匂い情報収集手段20で収集された匂い情報を、差分情報取得手段21で取得された差分情報(具体的には、水蒸気量の差分を示す。以降、「差分水蒸気量」と称す。)に基づいて補正する。補正手段22は、匂い情報(物質aの反応値、物質bの反応値、物質cの反応値)を、感応膜5毎に補正する。
【0033】
図3に示すように、補正手段22は、差分情報としての差分水蒸気量と、匂い情報の補正値との関係を記憶する記憶部25を備えている。差分水蒸気量と感応膜5毎の匂い情報の補正値との関係は、
図3に示すグラフで表すことができる。このグラフでは、横軸が差分水蒸気量xであり、縦軸が補正値yである。この補正値yは、気体中に含まれる水蒸気量の差分水蒸気量がxであった場合の感応膜5の反応値の違いを表している。
【0034】
図3に示すように、差分水蒸気量xが0である場合を中心とする所定範囲において、差分水蒸気量xと補正値yとの関係は線形関係にある。この関係は、物質a〜c毎に異なる。これにより、例えば、差分水蒸気量xが同じdiff_hであっても、物質aに対応する補正値yはdaとなり、物質bに対応する補正値yはdbとなり、物質cに対応する補正値yはdcとなる。記憶部25は、物質a〜c毎に、線形関係を表す関係式fa(x),fb(x),fc(x)を記憶している。
【0035】
補正手段22は、記憶部25に記憶された差分水蒸気量xと感応膜5毎の補正値y(ya,yb,yc)との関係式に基づいて、差分水蒸気量xに対応する補正値yを求める。この関係式は、例えば以下の通りになる。
ya=fa(x)=α×x
yb=fb(x)=β×x
yc=fc(x)=γ×x
【0036】
ここで、α、β、γは、実測において予め求められた係数であり、α,β,γ>0である。補正値ya,yb,ycは、関係式fa(x),fb(x),fc(x)から、すなわち、係数α、β、γと差分水蒸気量xとから求められる。なお、本実施の形態では、係数α,β,γの値がそれぞれ異なっているが、これらの値は同じであってもよい。
【0037】
例えば、差分水蒸気量xがdiff_hであった場合、補正値yaは、fa(diff_h)=α×diff_hとなり、この値が
図3に示すdaとなる。同様に、補正値ybは、fb(diff_h)=β×diff_hとなり、この値が
図3に示すdbとなる。また、補正値ycは、fc(diff_h)=γ×diff_hとなり、この値が
図3に示すdcとなる。
【0038】
補正手段22は、求められた補正値ya,yb,ycを、以下の計算式に代入して物質a〜cの反応値ra,rb,rcを補正し、補正後の反応値ra’,rb’,rc’を算出する。
ra’=ra−ya
rb’=rb−yb
rc’=rc−yc
【0039】
例えば、匂い発生源2の周囲の環境情報(水蒸気量)と、匂いセンサ10の周囲の環境情報(水蒸気量)との差分(差分水蒸気量x)がdiff_hである場合には、補正値ya,yb,ycはそれぞれda,db,dcであることから、物質aの補正後の反応値ra’、物質bの補正後の反応値rb’、物質cの補正後の反応値rc’は、以下のようになる。
ra’=ra−da
rb’=rb−db
rc’=rc−dc
【0040】
匂い特定手段23は、補正手段22で補正された匂い情報、すなわち物質aの補正後の反応値ra’、物質bの補正後の反応値rb’、物質cの補正後の反応値rc’に基づいて、匂いを特定する。
図4に示すように、匂い特定手段23は、記憶部26を備える。記憶部26は、匂いを構成する物質a〜cの感応膜5の基準となる基準反応値rra,rrb,rrcを記憶している。なお、基準反応値rra,rrb,rrcは、匂いを構成する物質毎の感応膜5の反応値の基準となる値である。基準反応値rra,rrb,rrcは、匂いを構成する物質が複数である場合に、複数の物質における感応膜5の反応値の比率(パターン)を正確に示す数値となる。この基準反応値rra,rrb,rrcとしては、匂い発生源2の周囲の環境情報と匂いセンサ10の周囲の環境情報との差が無い状況下で、匂い発生源2からの匂いを構成する物質を測定したときの反応値の平均値などを用いることができる。物質a〜cに反応する感応膜5の基準反応値rra,rrb,rrcは、例えば
図4に示すようなパターンとなる。なお、
図4の縦軸の反応値は、匂いセンサ10における感応膜5の物質との反応によって変化する匂いセンサ10の感応膜5の反応値を示している。
【0041】
匂い特定手段23は、
図4に示すように、補正手段22で補正された物質の反応値ra’,rb’,rc’のパターンが、物質の基準反応値rra,rrb,rrcのパターンに類似するか否かを判定するパターン照合を行うことにより、匂い発生源2から発せられた匂いを特定する。匂いの特定は、反応値ra’,rb’,rc’のパターンと、匂いを構成する物質の基準反応値rra,rrb,rrcとのパターンとの類似度に基づいて行うことができる。例えば、正規化された物質a〜cの反応値を座標軸とする空間における反応値ra’,rb’,rc’の位置座標と、基準反応値rra,rrb,rrcの位置座標との距離が閾値以下であるか否かにより、パターンの類似度を判定することができる。
【0042】
[ハードウエア構成]
図5には、匂い検出装置1のハードウエア構成が示されている。
図5に示すように、匂い検出装置1の情報処理装置4に係る部分は、CPU(Central Processing Unit)30と、メモリ31と、外部記憶部32と、入出力部33と、カードインターフェイス34と、通信インターフェイス35とを備える。匂い検出装置1の各構成要素は、内部バス40を介して接続されている。
【0043】
CPU30は、ソフトウエアプログラム(以下、単に「プログラム」とする)を実行するプロセッサ(演算装置)である。メモリ31には、外部記憶部32からプログラム39が読み込まれ、CPU30は、メモリ31に格納されたプログラム39を実行することにより、匂い情報収集手段20、差分情報取得手段21、補正手段22及び匂い特定手段23の動作を行う。
【0044】
メモリ31は、例えばRAM(Random Access Memory)である。メモリ31には、CPU30によって実行されるプログラム39が格納される他、CPU30によるプログラム39の実行で必要なデータ、プログラム39の実行の結果生成されるデータが記憶される。
【0045】
外部記憶部32は、例えばハードディスク等である。外部記憶部32は、CPU30により実行されるプログラム39が記憶される。また、持ち運び可能なUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体50にはプログラム39が記憶されている。外部記憶部32には、記録媒体50から転送されたプログラム39が記憶されている。
【0046】
入出力部33は、匂いセンサ10、環境情報測定手段11,12とのデータ入出力を行うインターフェイスである。匂いセンサ10で検出された匂い情報、環境情報測定手段11,12で測定された環境情報は、入出力部33を介してメモリ31等に記憶される。
【0047】
カードインターフェイス34は、記録媒体50とのインターフェイスである。プログラム39は、このカードインターフェイス34を介して入力され、外部記憶部32に記憶される。情報処理装置4における記憶部25,26は、外部記憶部32に対応する。
【0048】
通信インターフェイス35は、インターネット等の通信ネットワークに接続するインターフェイスである。この通信インターフェイス35を介して、外部のサーバコンピュータ等に接続される。記憶部25に記憶される環境情報の差分情報と補正値との関係、記憶部26に記憶される物質a〜cの基準反応値rra,rrb,rrcは、サーバコンピュータから外部記憶部32にダウンロード可能である。
【0049】
操作入力部36は、操作者によって操作されるマンマシンインターフェイスである。操作入力部36は、例えばキーボード及びマウスなどのポインティングデバイスと、キーボードとを備える。操作入力部36への操作入力は、CPU30に送られる。CPU30は、操作入力の内容に従ってプログラム39を実行する。
【0050】
表示部37は、画像を表示するマンマシンインターフェイスである。表示部37は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)を備える。表示部37には、検出された匂いの判定結果等が表示される。なお、操作入力部36及び表示部37はタッチパネルとして1つにまとめられていてもよい。
【0051】
なお、
図5に示すハードウエア構成の情報処理装置4に係る部分としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、スマートフォンなどの携帯端末を用いるようにしてもよい。
【0052】
次に、本実施の形態に係る匂い検出装置1の動作について説明する。本実施の形態に係る匂い検出方法は、匂い検出装置1の情報処理装置4によって実行される匂い検出方法である。
【0053】
まず、
図6に示すように、匂い検出装置1は、匂い発生源2の周囲の環境情報の測定を行う(ステップS1;第1の測定ステップ)。具体的には、
図1に示すように、差分情報取得手段21は、環境情報測定手段12で測定された環境情報を取得する。この場合、
図5に示すように、CPU30は、入出力部33を介して、環境情報測定手段12で測定された環境情報を入力して、メモリ31に記憶させる。
【0054】
次に、匂い検出装置1は、匂いセンサ10で検出された匂い情報を検出するとともに、匂いセンサ10の周囲の環境情報を測定する(ステップS2;第2の測定ステップ)。具体的には、
図1に示すように、匂い情報収集手段20が、匂いセンサ10で検出される匂い情報を収集するとともに、差分情報取得手段21が、環境情報測定手段11で測定された環境情報を取得する。この場合、
図5に示すように、CPU30は、入出力部33を介して、匂いセンサ10で検出された匂い情報と、環境情報測定手段11で測定された環境情報を入力して、メモリ31に記憶させる。
【0055】
次に、匂い検出装置1は、上述のステップS1で測定された環境情報と、上述のステップS2で測定された環境情報との差分を示す差分情報を取得する(ステップS3;差分情報取得ステップ)。具体的には、
図1に示すように、差分情報取得手段21は、匂いセンサ10の周囲の環境情報と、匂い発生源2の周囲の環境情報との差を示す差分情報を取得する。この場合、
図5に示すように、CPU30は、メモリ31に記憶する環境情報測定手段11,12で測定された温度及び湿度に基づいて、上記式(1)、式(2)及び式(3)を用いて、匂い発生源2の周囲の気体に含まれる水蒸気量と、匂いセンサ10の周囲の気体に含まれる水蒸気量とを算出する。そして、CPU30は、匂い発生源2の周囲の気体に含まれる水蒸気量から、匂いセンサ10の周囲の気体に含まれる水蒸気量を差し引いた差分水蒸気量xを、環境情報の差分情報として算出して、メモリ31に記憶させる。
【0056】
次に、匂い検出装置1は、上述のステップS1で測定された匂い情報を、上述のステップS3で取得された差分情報に基づいて補正する(ステップS4;補正ステップ)。具体的には、補正手段22は、差分情報取得手段21で取得された差分水蒸気量xに対応する補正値ya,yb,ycを求め、匂い情報収集手段20で収集された物質a〜cの反応値ra,rb,rcを補正値ya,yb,ycで補正し、補正された物質a〜cの反応値ra’,rb’,rc’を算出する。この場合、CPU30は、外部記憶部32に記憶された差分水蒸気量xと補正値fa(x),fb(x),fc(x)との関係を参照して、差分水蒸気量xに対応する補正値ya,yb,ycを求め、物質a〜cの反応値ra,rb,rcを、物質a〜cの反応値ra’,rb’,rc’に補正し、補正した反応値ra’,rb’,rc’をメモリ31に記憶させる。
【0057】
次に、匂い検出装置1は、補正された匂い情報(物質a〜cの反応値ra’,rb’,rc’)に基づいて、匂いを特定する(ステップS5;匂い特定ステップ)。具体的には、匂い特定手段23は、補正された物質a〜cの反応値ra’,rb’,rc’のパターンが、記憶部26に記憶された物質a〜cの基準反応値rra,rrb,rrcのパターンに合致するか否かを判定する。この場合、CPU30は、物質a〜cの反応値ra’,rb’,rc’のパターンと、物質a〜cの基準反応値rra,rrb,rrcのパターンとのパターン照合を行い、物質a〜cから成る匂いが検出されたか否かを判定する。CPU30は、この判定結果を、表示部37に表示出力する。
【0058】
このように、このプログラム39を実行することより、
図5に示すハードウエア資源を有するコンピュータを、匂い発生源2から発せられる匂い情報を検出する匂いセンサ10で検出される匂い情報を収集する匂い情報収集手段20、匂いセンサ10の周囲の気体に含まれる水蒸気量を変動させる環境情報と、匂い発生源2の周囲の気体に含まれる水蒸気量を変動させる環境情報との差を示す差分情報(差分水蒸気量x)を取得する差分情報取得手段21、匂い情報収集手段20で収集された匂い情報(反応値ra,rb,rc)を、差分情報取得手段21で取得された差分情報(差分水蒸気量x)に基づいて補正する補正手段22、補正手段22で補正された匂い情報(反応値ra’,rb’,rc’)として機能させることができる。
【0059】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0060】
図7に示すように、本実施の形態に係る匂い検出装置1の構成は、上記実施の形態1に係る匂い検出装置1の構成と同じである。すなわち、本実施の形態に係る匂い検出装置1は、測定ユニット3と、環境情報測定手段12と、情報処理装置4と、を備えている。測定ユニット3には、匂いセンサ10と、環境情報測定手段11が組み込まれている。匂いセンサ10では、2つの貫通孔10aの内部に感応膜5が設けられている。
【0061】
環境情報測定手段12は、有線ケーブル12aを介して測定ユニット3と接続されている。環境情報測定手段12で測定された環境情報は、有線ケーブル12a及び測定ユニット3を介して情報処理装置4へ送られる。
【0062】
情報処理装置4の構成も、上記実施の形態1に係る匂い検出装置1の構成と同じである。匂い情報収集手段20は、匂いセンサ10で検出される匂い情報(物質a〜cの反応値ra〜rc)を収集する。差分情報取得手段21は、匂いセンサ10の周囲の環境情報と、匂い発生源2の周囲の環境情報との差を示す差分情報(差分水蒸気量x)を取得する。補正手段22は、匂い情報収集手段20で収集された匂い情報を、差分情報取得手段21で取得された差分情報(差分水蒸気量x)に基づいて補正する。匂い特定手段23は、補正された匂い情報(物質a〜cの反応値ra’〜rc’)に基づいて匂いを特定する。
【0063】
なお、測定ユニット3と、環境情報測定手段12とは、有線ケーブル12aでなく、無線で接続されていてもよい。このような,無線手段としては、例えばbluetooth(登録商標)、Wifi(登録商標)、ZigBee等があるが、これらに限定されない。
【0064】
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
【0065】
図8に示すように、本実施の形態に係る匂い検出装置1は、匂いセンサ10に気体を吹き込む吹き込み口60を備える点が、上記実施の形態1に係る匂い検出装置1と異なっている。
【0066】
吹き込み口60は、貫通孔60aが設けられた円筒状の部材で形成されている。貫通孔60aは、測定ユニット3の匂いセンサ10の感応膜5に連通している。匂いセンサ10は、吹き込み口60に吹き込まれた気体に含まれる匂い情報を検出する。
【0067】
なお、吹き込み口60の先端には、匂い発生源2の周囲の環境情報を測定する環境情報測定手段12が設けられている。また、測定ユニット3には、上記実施の形態2と同様に、匂いセンサ10の周囲の環境情報を測定する環境情報測定手段11(
図8では不図示)が設けられている。したがって、環境情報測定手段12が匂い発生源2の周囲の環境情報を測定可能であり、環境情報測定手段11が、匂いセンサ10の周囲の環境情報を測定可能である。
【0068】
情報処理装置4の構成は、上記実施の形態1に係る匂い検出装置1の構成と同じである。すなわち、環境情報測定手段12で測定された環境情報と、環境情報測定手段11で測定された環境情報との差分情報(差分水蒸気量x)が算出され、その差分情報に基づいて、匂いセンサ10で検出された匂い情報(反応値ra〜rc)が補正され、補正された匂い情報(反応値ra’〜rc’)に基づいて、匂いが特定される。
【0069】
本実施の形態に係る匂い検出装置1は、様々な用途に使用可能である。例えば、口臭のチェック等に用いることができる。吹き込み口60に息を吹き込めば、その息に含まれる物質を検出することができる。息の温度は、吹き出した直後と、匂いセンサ10に到達した時には、大きく異なるため、本実施の形態のように、補正を行うことで、匂いを精度良く検出することが可能となる。また、呼気には水分が多く含まれているため、本実施の形態のように、補正を行うことで、匂いを精度よく検出することが可能となる。
【0070】
なお、環境情報測定手段12の位置は、
図8に示すものには限られない。匂い発生源2の周囲の環境情報を計測可能な位置に設けられていればよい。例えば、環境情報測定手段12は、吹き込み口60から引き出し可能としてもよい。
【0071】
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
【0072】
図9に示すように、本実施の形態に係る匂い検出装置1は、環境情報測定手段12が設けられていない点が、
図1に示す上記実施の形態1に係る匂い検出装置1と異なっている。
【0073】
本実施の形態に係る匂い検出装置1では、環境情報測定手段11で、匂い発生源2の周囲の環境情報と、匂いセンサ10の周囲の環境情報とを両方測定する。
図10に示すように、環境情報測定手段11は、測定ユニット3と別体であり、測定ユニット3と着脱可能に伸縮自在な有線ケーブル11aで接続されている。匂い発生源2の周囲の環境情報を測定する際には、有線ケーブル11aを延ばして、匂い発生源2の近傍に環境情報測定手段11を置いて、匂い発生源2の周囲の環境情報を測定する。さらに、匂いセンサ10の周囲の環境情報を測定する際には、有線ケーブル11aを匂いセンサ10に収納して匂いセンサ10の近傍に測定手段を配置し、周囲の環境情報を測定する。
【0074】
本実施の形態に係る情報処理装置4の構成は、上記実施の形態1に係る匂い検出装置1の情報処理装置4の構成と同じである。すなわち、匂い発生源2まで伸ばした環境情報測定手段11で測定された環境情報と、測定ユニット3に収納した環境情報測定手段11で測定された環境情報との差分情報が算出され、その差分情報に基づいて、匂いセンサ10で検出された匂い情報が補正され、補正された匂い情報で匂いが特定される。
【0075】
なお、上記実施の形態2と同様に、匂いセンサ10を有する測定ユニット3と、環境情報測定手段11とは、有線で接続されていてもよい。また、匂いセンサ10を有する測定ユニット3と、環境情報測定手段11とは、無線で接続されていてもよい。
【0076】
実施の形態5
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
【0077】
上記実施の形態では、匂いセンサ10の周辺の環境と、匂い発生源2での環境との違いによる匂い情報の検出誤差を補正した。しかしながら、匂い発生源2の中にはそれ自体が、環境情報としての温度及び湿度を変化させ、本来検出すべき匂い情報に検出誤差を生じさせるものもある。本実施の形態では、匂い発生源2によって生じる匂い情報の検出誤差を補正するシステムを提供する。
【0078】
図11に示すように、本実施の形態では、測定ユニット3では、匂いセンサ10と、環境情報測定手段11とが一体化している。本実施の形態に係る匂い検出装置1では、環境情報測定手段12は、設けられていない。また、情報処理装置4は、非検出時環境情報取得手段21aと、検出時環境情報取得手段21bと、切り替え手段24と、をさらに備える。
【0079】
図12(A)に示すように、匂いセンサ10の周辺に匂い発生源2が存在せず、匂いセンサ10によって匂いが検出されていない状態では、切り替え手段24は、環境情報測定手段11によって測定される環境情報が非検出時環境情報取得手段21aによって取得されるように切り替える。この切り替えは、操作者の操作入力による指示で行うことができる。また、切り替え手段24は、匂いセンサ10の検出値に基づいて匂いが検出されているか否かを判定し、その判定結果に基づいて切り替えを行うようにしてもよい。
【0080】
図12(B)に示すように、匂いセンサ10の周辺に匂い発生源2が存在し、匂いセンサ10によって匂いが検出されている状態では、切り替え手段24は、環境情報測定手段11によって測定される環境情報が検出時環境情報取得手段21bによって取得されるように切り替える。
【0081】
差分情報取得手段21は、非検出時環境情報取得手段21aによって測定された環境情報と、検出時環境情報取得手段21bによって測定された環境情報との差を示す差分情報を取得する。
【0082】
補正手段22は、差分情報取得手段21で取得された差分情報に基づいて、補正値を算出し、匂い情報を補正する。匂い特定手段23は、補正された匂い情報に基づいて、匂いを特定する。
【0083】
次に、本実施の形態に係る匂い検出装置1の動作について説明する。本実施の形態に係る匂い検出方法は、匂い検出装置1の情報処理装置4によって実行される。
【0084】
図13に示すように、まず、匂い検出装置1は、匂いが検出されていないときの環境情報の測定を行う(ステップS11;第1の測定ステップ)。具体的には、
図11に示すように、非検出時環境情報取得手段21aが、環境情報測定手段11で測定された環境情報を取得する。
【0085】
次に、匂い検出装置1は、匂いセンサ10で検出された匂い情報を検出するとともに、匂いセンサ10で匂い情報が検出されている状態で、匂いセンサ10の周囲の環境情報を測定する(ステップS12;第2の測定ステップ)。具体的には、
図11に示すように、匂い情報収集手段20が、匂いセンサ10で検出される匂い情報を収集するとともに、検出時環境情報取得手段21bが、環境情報測定手段11で測定された環境情報を取得する。
【0086】
次に、匂い検出装置1は、上述のステップS11で測定された環境情報と、上述のステップS12で測定された環境情報との差分を示す差分情報を取得する(ステップS13;差分情報取得ステップ)。具体的には、
図11に示すように、差分情報取得手段21は、匂い発生源2が近くになく匂い情報が検出されていない状態で測定された匂いセンサ10の周囲の環境情報と、匂い発生源2が近くにあり、匂いセンサ10で匂い情報が検出されている状態での環境情報との差を示す差分情報を取得する。
【0087】
次に、匂い検出装置1は、上述のステップS12で測定された匂い情報を、上述のステップS13で取得された差分情報に基づいて補正する(ステップS14;補正ステップ)。具体的には、補正手段22は、
図14(A)に示すように、差分情報としての差分水蒸気量xと補正値との特性に基づいて、差分情報取得手段21で取得された差分水蒸気量diff_hに対応する補正値ya,yb,ycを求める。そして、補正手段22は、
図14(B)に示すように、匂い情報収集手段20で収集された物質a〜cの反応値ra,rb,rcを補正値ya,yb,ycで補正し、補正された物質a〜cの反応値ra’,rb’,rc’を算出する。
【0088】
次に、匂い検出装置1の匂い特定手段23は、補正された匂い情報(物質a〜cの反応値ra’,rb’,rc’)に基づいて、匂いを特定する(ステップS15;匂い特定ステップ)。
【0089】
なお、本実施の形態では、匂いセンサ10で匂い情報が検出されていない状態で環境情報を検出してから、匂いセンサ10で匂い情報が検出されている状態で環境情報を検出した。しかしながら、これには限られず、逆であってもよい。
【0090】
このように、匂い発生源2の中には、その周辺の飽和水蒸気量の多さによって、匂いセンサ10で検出される匂い検出値がずれる場合がある。本実施の形態では、匂いが検出されていない状態での環境情報と、匂いが検出されているときの環境情報との差分を示す差分情報で、匂い情報の補正値を求め、その補正値で匂い情報を補正することにより、匂い発生源2の影響による計測結果の精度のばらつきを抑制することができる。
【0091】
以上詳細に説明したように、上記実施の形態によれば、匂いセンサ10の周囲の気体に含まれる水蒸気量と相関性のある環境情報と、匂い発生源2の周囲の気体に含まれる水蒸気量と相関性のある環境情報とを測定し、測定された環境情報同士の差分情報(差分水蒸気量x)に基づいて、周囲の気体に含まれる水蒸気量によって変化する匂いセンサ10の匂い情報(反応値ra〜rc)を補正する。これにより、匂いセンサ10の周囲の気体に含まれる水蒸気量と匂い発生源2の周囲の気体に含まれる水蒸気量との違いによる匂い情報の誤差を低減することができるので、計測結果の精度のばらつきを抑制することができる。
【0092】
以上詳細に説明したように、上記実施の形態によれば、匂いセンサ2で匂い情報が検出されていないときの気体に含まれる水蒸気量と相関性のある環境情報と、匂いセンサ2で匂い情報が検出されているときの気体に含まれる水蒸気量と相関性のある環境情報とを測定し、測定された環境情報同士の差分情報(差分水蒸気量x)に基づいて、周囲の気体に含まれる水蒸気量によって変化する匂いセンサ10の匂い情報(反応値ra〜rc)を補正する。これにより、匂い発生源2が近くにない気体に含まれる水蒸気量と匂い発生源2が近くにある気体に含まれる水蒸気量との違いによる匂い情報の誤差を低減することができるので、計測結果の精度のばらつきを抑制することができる。
【0093】
また、本実施の形態では、差分水蒸気量と物質a〜cの反応値ra〜rcの補正値とが線形関係とみなすことができる範囲内で補正を行うため、高精度な補正が可能となる。すなわち、この匂い検出装置1は、環境情報自体でなく、環境情報の差分に基づいて線形関係が保たれた範囲で補正を高精度に行うことができる点が利点の1つとなる。
【0094】
また、上記実施の形態によれば、匂いセンサ10は、反応する物質a〜cが互いに異なる複数の感応膜5(5a,5b,5c)を有しており、物質a〜cの反応結果を示す情報を、感応膜5毎に匂い情報として出力する。この一方、補正手段22は、匂い情報(反応値ra〜rc)を、感応膜5毎に補正する。このようにすれば、複数の種類の物質a〜cから構成される匂いを精度良く検出することができる。
【0095】
また、上記実施の形態によれば、匂いセンサ10の周囲の空気の環境情報と、匂い発生源2の周囲の空気の環境情報の差分を示す差分情報と、感応膜5毎の補正値との関係を記憶する記憶部25を備えており、補正手段22は、記憶部25に記憶された関係に基づいて、差分情報に対応する補正値を求め、求められた補正値で匂い情報を補正する。このようにすれば、感応膜5毎に反応値を正確に補正することができる。
【0096】
また、上記実施の形態1〜3に係る匂い検出装置1は、匂いセンサ10の周囲の環境情報を測定する環境情報測定手段11と、匂い発生源2の周囲の環境情報を測定する環境情報測定手段12と、を備えている。また、補正手段22は、環境情報測定手段12で測定された環境情報と、環境情報測定手段11で測定された環境情報との差分情報に基づいて、匂い情報(反応値ra〜rc)を補正する。このようにすれば、匂いセンサ10の周囲の環境情報と、匂い発生源2の周囲の環境情報とを、同時に測定することが可能である。
【0097】
また、上記実施の形態によれば、匂いセンサ10に気体を吹き込むための吹き込み口60が設けられている。環境情報測定手段12は、吹き込み口60に設けられている。このようにすれば、匂い発生源2から発せられ、匂いセンサ10で検出される空気を確実に捕捉して、その環境情報を測定することが可能となる。
【0098】
また、上記実施の形態では、匂いセンサ10と、環境情報測定手段11とが、一体化しているようにしてもよい。このようにすれば、匂いセンサ10の周囲の環境情報を精度良く検出することができる。
【0099】
上記実施の形態では、匂いセンサ10を有する測定ユニット3と、環境情報測定手段12が、有線で接続されていることとしてもよいし、匂いセンサ10を有する測定ユニット3と、環境情報測定手段12が、無線で接続されているようにしてもよい。測定ユニット3と、環境情報測定手段12とを無線で接続すれば、その無線通信が可能な距離内で、それらの位置関係を自由に変更することができる。
【0100】
また、上記実施の形態4に係る匂い検出装置1は、測定ユニット3とは別体の環境情報測定手段11を備えるものとし、環境情報測定手段11は、測定ユニット3に対して着脱自在に接続されるものとした。しかしながら、本発明はこれには限られない。匂いセンサ10と一体化した環境情報測定手段11で、匂い発生源2の周囲の環境情報と、匂いセンサ10の周囲の環境情報とを、測定するようにしてもよい。このようにすれば、環境情報を測定する測定手段を複数設ける必要がなくなる。匂いセンサ10を有する測定ユニット3と、環境情報測定手段11とが、無線で接続されているようにしてもよい。測定ユニット3と、環境情報測定手段11とを無線で接続すれば、その無線通信が可能な距離内で、それらの位置関係を自由に変更することができる。
【0101】
また、上記実施の形態によれば、環境情報は、温度及び湿度を含んでいる。しかしながら、本発明はこれには限られない。環境情報として、温度又は湿度が測定されるだけでもよい。また、周囲の空気の水蒸気量に影響を与える環境情報であれば、測定される環境情報は、温度及び湿度には限られない。
【0102】
また、感応膜5毎に、環境情報測定手段11を備えるようにしてもよい。匂い発生源2が複数存在する場合には、環境情報測定手段12を複数備えるようにしてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態では、補正手段22が記憶部25を備え、匂い特定手段23が記憶部26を備えるものとしたが、本発明はこれには限られない。匂い検出装置1が記憶部25,26を備えていればよい。
【0104】
その他、匂い検出装置1のハードウエア構成やソフトウエア構成は一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0105】
匂い情報収集手段20、差分情報取得手段21、補正手段22及び匂い特定手段23などから構成される匂い検出装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前述の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前述の処理を実行する匂い検出装置1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで匂い検出装置1を構成してもよい。
【0106】
匂い検出装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムとの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0107】
搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS;Bulletin Board System)にコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【0108】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【解決手段】匂い検出装置1は、匂いセンサ10と、環境情報測定手段11と、匂い情報収集手段20と、差分情報取得手段21と、補正手段22と、を備える。匂いセンサ10は、匂い発生源2から発せられる匂い情報を検出する。環境情報測定手段11は、周囲の気体に含まれる水蒸気量と相関性のある環境情報を測定する。差分情報取得手段21は、匂いセンサ10で匂い情報が検出されていない状態で測定された環境情報と、匂いセンサ10で匂い情報が検出されている状態で測定された環境情報との差を示す差分情報を取得する。補正手段22は、匂い情報収集手段20で収集された匂い情報を、差分情報取得手段21で取得された差分情報に基づいて補正する。