(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0019】
−撮像装置の構成−
まず、撮像装置の各構成要素の基本的な機能について、撮影時の動作を交えて具体的に説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る撮像装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、画像処理装置としての撮像装置10は、撮像部11、信号処理回路26、メモリ制御回路24、SDRAM38、ビデオエンコーダ28、モニタ30、I/F回路34、メモリカード36、JPEGコーデック27、記憶部42、CPU32およびシャッタボタン40を備える。CPU32は、シーン判定部および夕日認識部としての機能を有しており、詳細は後ほど説明する。
【0021】
記憶部42には、
図10に示すような夕日の形状情報およびその周囲の雲等の周囲情報が登録された辞書データが登録されたデータベースDBが記憶されている。辞書データには、例えば、夕日のエッジ情報を抽出し、そのエッジ情報を平均化したデータが登録されている。ここで、
図10に示すように、互いに似ている夕日形状同士をグループ化し、そのグループ内のエッジ情報を平均化して辞書データとし、後述する夕日形状の判別の際に、各グループの辞書データを参照するようにしてもよい。
図10では、グループG1として、略円形形状の夕日形状をグループ化した例を示している。同様に、グループG2は雲がかかった夕日形状をグループ化した例を示し、グループG3は水平線や地平線に沈む夕日の形状をグループ化した例を示している。
【0022】
撮像部11は、ドライバ18a,18b,18cと、ドライバ18a,18b,18cにそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12、絞りユニット14およびイメージセンサ20とにより構成されている。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージセンサ20の受光面に入射される。受光面では、入射された光学像に対し光電変換が施され、光学像に対応する生画像信号が生成される。さらに、イメージセンサ20では、読み出された各フレームの生画像信号に対してノイズ除去とレベル調整が施される。
【0023】
信号処理回路26は、
図2に示すような構成を有し、イメージセンサ20から出力された各フレームの生画像信号(ディジタル信号)に対し、色分離処理、色調整処理、YUV変換処理等を施して画像データを生成する。具体的に、生画像信号を形成する各画素はCy,Ye,MgおよびGのいずれか1つの色情報しか持たないため、まず色分離回路26aによって各画素が不足する色情報が補完される。RGB変換回路26bは色分離回路26aから出力された補色画像信号にRGB変換を施し、白バランス調整回路26cはRGB変換回路26bから出力された原色画像信号に白バランス調整を施す。白バランス調整が施された原色画像信号は、YUV変換回路26dによってYUV信号に変換される。生成されたYUV信号は、Y:U:V=4:2:2の比率を有する。
【0024】
白バランス調整回路26cから出力された原色画像信号は積分回路26eにも入力され、YUV変換回路26dから出力されたYUV信号を形成するY信号もまた積分回路26fに与えられる。
図3に示すように、被写界(画面)は、垂直方向および水平方向の各々において16分割され、画面上には256個のブロックが形成されている。各ブロックには、垂直位置番号i(=0〜15)および水平位置番号j(=0〜15)が割り当てられる。
【0025】
積分回路26eは、原色画像信号を形成するR信号、G信号およびB信号の各々をブロック毎に積分し、積分回路26fは、Y信号をブロック毎に積分する。これによって、R信号に関する256個の積分値r(i,j),G信号に関する256個の積分値g(i,j)およびB信号に関する256個の積分値b(i,j)が積分回路26eから1フレーム期間毎に出力され、Y信号に関する256個の積分値y(i,j)が積分回路26fから1フレーム期間毎に出力される。
【0026】
図1に戻り、信号処理回路26から出力されたYUV信号は、メモリ制御回路24に出力され、メモリ制御回路24によってSDRAM38の表示画像エリア38a(
図4参照)に書き込まれ、その後、メモリ制御回路24によって表示画像エリア38aから読み出される。
【0027】
ビデオエンコーダ28は、SDRAM38の表示画像エリア38aに格納された各フレームの画像データがメモリ制御回路24に読み出されると、この画像データをNTSCフォーマットのコンポジット画像信号にエンコードする。ビデオエンコーダ28は、コンポジット画像信号をモニタ30に出力する。これにより、モニタ30には、被写体のリアルタイム動画像(スルー画像)が表示される。
【0028】
図2に示す積分回路26fから出力された256個の積分値y(i,j)は、CPU32によって取り込まれ、レジスタrgst1に設定される。積分値y(i,j)は1フレーム期間毎に生成されるため、レジスタrgst1の設定値は1フレーム期間毎に更新される。
【0029】
シャッタボタン40が半押しされると、そのことを示す状態信号がCPU32に与えられる。CPU32は、シャッタボタン40の半押し後に積分回路26fから出力された256個の積分値y(i,j)をレジスタrgst2に設定する。この結果、連続する2フレームの積分値y(i,j)がレジスタrgst1およびrgst2内に得られる。CPU32は、こうして得られた積分値y(i,j)に基づいて被写界がスポーツシーンか否かを判定する。スポーツシーンの可能性判断が完了すると、CPU32は、フォーカス調整を行う。フォーカスレンズ12は、ドライバ18bによって光軸方向に移動し、合焦位置に設定される。フォーカス調整が完了すると、CPU32は、積分回路26eから出力された積分値r(i,j),g(i,j)およびb(i,j)並びに積分回路26fから出力された積分値y(i,j)をレジスタrgst3に設定する。1フレーム分の積分値r(i,j),g(i,j),b(i,j)およびy(i,j)の取り込みが完了すると、CPU32は、ポートレートシーンの可能性,夕景シーンの可能性および夜景シーンの可能性を判別する。各シーンの判別については、後述する「撮像装置の動作」において詳細に説明する。
【0030】
スポーツシーン、ポートレートシーン、夕景シーンおよび夜景シーンの各々の可能性が算出されると、最も可能性が高いシーンが被写界のシーンとして確定する。カメラ設定つまり撮影モードは、確定したシーンに応じて変更され、モニタ44には確定したシーンに対応するメッセージが表示され、シーンに応じた露光調整が実行される。
【0031】
露光調整が完了した後に、撮影者がシャッタボタン40を全押しすると、撮像装置10では、撮影処理および記録処理が実行される。まず、CPU32は、イメージセンサ20に本露光を実行させ、本露光によって得られた1フレーム分の生画像信号をイメージセンサ20から読み出させる。この生画像信号は、メモリ制御回路24に与えられ、メモリ制御回路24によってSDRAM38の生画像エリア38b(
図4参照)に書き込まれる。
【0032】
生画像エリア38bへの書き込みが完了した後、メモリ制御回路24は、当該生画像信号を読み出す。メモリ制御回路24によって読み出された生画像信号は、信号処理回路26に与えられる。信号処理回路26では、色分離,RGB変換,白バランス調整およびYUV変換の一連の処理が実行され、YUV信号(主要YUV信号)が生成される。
【0033】
信号処理回路26から出力された主要YUV信号は、メモリ制御回路24に与えられ、メモリ制御回路24によってSDRAM38の主画像エリア38c(
図4参照)に書き込まれる。書き込みが完了すると、CPU32が主要YUV信号に基づいて縮小YUV信号を作成する。具体的には、CPU32は、メモリ制御回路24を介してSDRAM38にアクセスし、ソフトウェア処理によって縮小YUV信号を生成する。生成された縮小YUV信号は、SDRAM38の縮小画像エリア38d(
図4参照)に書き込まれる。
【0034】
メモリ制御回路24は、主要YUV信号および縮小YUV信号をSDRAM38から読み出し、各々のYUV信号をJPEGコーデック27に与える。JPEGコーデック27は、与えられた主要YUV信号および縮小YUV信号をJPEGフォーマットに従って圧縮し、圧縮主要YUV信号および圧縮縮小YUV信号を生成する。生成された圧縮主要YUV信号および圧縮縮小YUV信号は、メモリ制御回路24によってSDRAM38の圧縮主画像エリア38eおよび圧縮縮小画像エリア38f(
図4参照)に書き込まれる。
【0035】
こうして撮影処理が完了すると、CPU32は、記録処理を実行する。具体的には、CPU32は、メモリ制御回路24を介してSDRAM38にアクセスし、圧縮主要YUV信号および圧縮縮小YUV信号を圧縮主画像エリア38eおよび圧縮縮小画像エリア38fからそれぞれ読み出す。さらに、CPU32は、読み出された圧縮主要YUV信号および圧縮縮小YUV信号をファイル形式で記録媒体50に記録する。なお、記録媒体50は着脱自在であり、記録媒体50へのアクセスはI/F48を介して行われる。
【0036】
−撮像装置の動作−
次に、撮像装置10の起動後の動作について、夕景シーンの可能性判断を中心に、
図5〜
図8のフローチャートを参照しつつ、具体的に説明する。以下の説明において、特に説明する場合を除いて、制御の主体はCPU32であるものとする。
【0037】
図5のステップS1において、電源が投入されると、撮像装置10では、ドライバ18a,18b,18c、信号処理回路26およびビデオエンコーダ28に、CPU32からスルー画像処理に係る処理命令が与えられ、スルー画像処理が開始される。
【0038】
スルー画像処理に係る動作は、「撮像装置の構成」で説明したとおりであり、具体的には、信号処理回路26が、イメージセンサ20から出力された生画像信号(ディジタル信号)に基づいて画像データを生成し、その画像データをメモリ制御回路24がSDRAM38の画像エリアに格納する。その後、メモリ制御回路24によってSDRAM38の画像エリアから各フレームの画像データが読み出され、ビデオエンコーダ28がその画像データをコンポジット画像信号にエンコードしてモニタ30に表示させる。
【0039】
その後、シャッタボタン40が半押しされると(S11でYES)、CPU32は、被写界がスポーツシーンである可能性を算出する(ステップS2)。具体的な算出方法は、従来技術の適用が可能であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0040】
ステップS3では、被写界がポートレートシーンである可能性を算出する。具体的な算出方法は、従来技術の適用が可能であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0041】
ステップS4では、被写界が夕景シーンである可能性を算出する。具体的に、夕景シーンの可能性判断処理は、
図6〜
図8に示すサブルーチンに従う。
【0042】
(夕景シーンの可能性判断)
まず、
図6のステップS41では、被写界に夕日があるかどうかの判定を行う。具体的な判定フローの一例は、
図7に示している。
【0043】
図7のステップS411では、被写界に含まれる形状情報の認識および色情報の認識を行う。具体的な形状情報の認識方法は、特に限定されないが、例えば、被写界のエッジ情報の分布を取り、それを平均化することで認識できる。同様に、具体的な色情報の認識方法は、特に限定されず、従来技術を適用することができる。
【0044】
ステップS412では、ステップS411で認識された形状情報に、夕日の形状が含まれているかどうかを判断する。以下、
図9(a)および
図10を用いて具体的に説明する。ここで、
図9(a)は、被写界の画像データを示しているものとする。
【0045】
まず、CPU32は、被写界の画像データからエッジ情報のベクトル成分を抽出し、そのベクトル成分の分布を取って平均化する。その後、辞書データの各グループの情報と、被写界の画像データから抽出した情報とを比較し、被写界の画像データ中に夕日の形状情報が含まれるかどうかを判断する。
【0046】
被写界の画像データに夕日形状が含まれていないと判断した場合(S412でNO)、フローはステップS419に進み、CPU32は、「夕景シーンの可能性」を算出するためのパラメータとして通常パラメータを設定し、上階層のルーチンに復帰する。一方で、被写界の画像データに夕日形状が含まれていると判断した場合(S412でYES)、フローはステップS413に進み、CPU32は、夕日形状部分の色が夕日色かどうかを判断する。
【0047】
夕日形状部分の色が夕日色であった場合、フローは、ステップS414に進み、夕日形状部分の周囲の情報(以下、単に周囲情報という)が、夕景シーンの特徴や傾向と合致するかどうかを判断する。そして、周囲情報が夕景シーンの特徴や傾向と合致する場合、フローはステップS415に進み、CPU32は、「夕景シーンの可能性」を算出するためのパラメータとして夕日パラメータを設定する。夕日パラメータとは、「夕日がある」と認識された場合用のパラメータである。このように、夕日の形状情報や色情報に加えて、周囲情報を夕日の認識に用いることで、夕日の判別精度を高めることができる。なお、詳細は後ほど説明するが、夕日パラメータは、通常パラメータと比較して、判定基準が緩和されたパラメータとなっており、夕日パラメータを用いることにより夕景シーンと判定されやすくなる。
【0048】
ここで、夕景シーンの特徴や傾向とは、例えば、夕日の周囲では夕日を中心としてその外側に向かって徐々に輝度が下がる傾向がある。また、
図10のグループG2に示すように、雲の形状が水平方向に沿って筋状に延びる傾向がある。また、
図10のグループG3に示すように、夕日が水平線や地平線に沈む際には、夕日の下側部分が水平線や地平線によって切り欠かれるとともに、水面や地面に光が写るという特徴がある。そこで、ステップS414では、夕日形状部分の周囲情報が上記のような特徴や傾向を有するかどうかが判断される。
【0049】
なお、夕日形状部分の周囲情報は、
図10に示すように、辞書データの一部として、各夕日形状情報に組込まれたり、紐付けされていたりしてもよい。また、周囲情報にかかる辞書データ(以下、周囲辞書データという)を、夕日形状を示す辞書データ(以下、夕日辞書データという)と別に設けて、夕日辞書データと周囲辞書データとを個別に組み合わせて被写界に夕日があるかどうかを判別できるようにしてもよい。また、夕日形状部分の周囲とは、夕日形状の周り(夕日に雲がかかっている場合にはその雲を含む)に任意の広さで定義することができる。例えば、認識された夕日形状部分の中心から円形状に所定の広さを持つ領域を夕日形状部分の周囲と定義してもよいし、夕日形状部分の外側の輪郭から所定の広がりを持つ部分を夕日形状部分の周囲と定義してもよい。
図10では、破線で周囲情報を取得する範囲の一例を示している。また、被写界全体を周囲と定義するようにしてもよい。また、撮影された夕日の被写界全体に対する大きさや位置等に応じて、夕日形状部分の周囲の定義を変更するようにしてもよい。
【0050】
図7のステップS413,S414に戻り、夕日形状部分が夕日色でない場合(S413でNO)、または、夕日の周辺情報が夕景シーンの特徴と異なる場合(S414でNO)には、フローはS418に進む。ステップS418では、被写界の画像データ内に、他の夕日形状が認識されていないかどうかを確認する。そして、他の夕日形状が認識されていた場合(S418でNO)、その形状に対して再びステップS413およびステップS414の確認処理を実行する。一方で、すべての夕日形状部分の確認が終了していた場合(S418でYES)、フローはステップS419に進み、CPU32は、「夕景シーンの可能性」を算出するためのパラメータとして通常パラメータを設定し、上階層のルーチンに復帰する。
【0051】
次に、
図6のステップS43の夕景シーンの可能性算出について、
図8を参照しながら具体的に説明する。
【0052】
まず、
図8のステップS181で変数Cssを“0”に設定し、ステップS183で垂直位置番号iを“0”に設定し、そしてステップS185で水平位置番号jを“0”に設定する。
【0053】
次のステップS189では、レジスタrgst3に設定された積分値r(i,j),g(i,j)およびb(i、j)を読み出し、以下の式(1),(2)に従ってブロック(i,j)の色評価値RおよびGを算出する。
【0054】
R=r(i,j)/(r(i,j)+g(i,j)+b(i、j)) ・・・(1)
G=g(i,j)/(r(i,j)+g(i,j)+b(i、j)) ・・・(2)
【0055】
ステップS191では、算出された色評価値RおよびGが
図11に示す夕景色領域EVEN1,EVEN2に属するかどうかを判断する。
図11では、斜め格子線で通常パラメータに係る景色領域EVEN1を示しており、斜め格子線および斜線で夕日パラメータに係る景色領域EVEN2を示している。ステップS191において、YESであればステップS195に進み、ステップS195で変数CssをインクリメントしてからステップS197に進む。一方で、ステップS191においてNOの場合、上記変数Cssをインクリメントせずに、フローはステップS197に進む。
【0056】
このように、景色領域EVEN1よりも景色領域EVEN2の領域を広く設定することで、夕日パラメータの方が通常パラメータよりもステップS191でYES判定されやすくなっている。すなわち、夕日パラメータは、通常パラメータよりも色評価値が夕景色であると判断される可能性が高くなるようにしている。
【0057】
ステップS197では、水平位置番号jをインクリメントし、ステップS199ではインクリメントされた水平位置番号jを“16”と比較する。そして、j<16であればステップS189に戻るが、j=16であればステップS201に進む。ステップS201では、垂直位置番号iをインクリメントし、ステップS203ではインクリメントされた垂直位置番号iを“16”と比較する。そして、i<16であればステップS185に戻るが、i=16であれば、処理は次のステップS204に進む。
【0058】
このような処理を実行することで、各々のブロックについて、夕景色であるかどうかの判別処理が行われる。変数Cssは、夕景色のブロックの数を示すこととなる。
【0059】
ステップS204では、レジスタrgst3に設定された積分値y(i,j)を読み出し、当該積分値y(i,j)と現在の露出設定値から推定される現在の被写体輝度が所定の閾値を超えるかどうかを判断する。
【0060】
具体的に、通常パラメータの場合、以下の式(3)を満たし、かつ、フォーカス距離が遠ければ(S205でYES)、追加の処理をすることなく、上階層のルーチン(
図6のステップS43)に復帰する。
【0061】
y(i,j)>Yth1 ・・・(3)
【0062】
同様に、夕日パラメータの場合、以下の式(4)を満たし、かつ、フォーカス距離が遠ければ(S205でYES)、追加の処理をすることなく、上階層のルーチン(
図6のステップS43)に復帰する。
【0063】
y(i,j)>Yth2 ・・・(4)
ここで、Yth2<Yth1である。
【0064】
一方で、ステップS204,S205においてNOの場合、ステップS210に進み、夕景シーンの可能性はない、すなわち夕景シーンの可能性を「0」に設定して、上階層のルーチン(
図6のステップS43)に復帰する。
【0065】
このように、夕日パラメータの判定の閾値Yth2と通常パラメータの判定の閾値Yth1とを互いに異ならせ、かつ、Yth2<Yth1とすることで、夕日パラメータの方が通常パラメータよりもステップS204でYES判定されやすくなっている。すなわち、夕日パラメータは、通常パラメータよりも輝度が所定の閾値を超えていると判断される可能性が高くなるようにしている。以下の説明では、説明の容易化のために、「輝度が所定の閾値を超えていること」を、「高輝度」であると表現するものとする。
【0066】
図6のステップS43に戻ると、CPU32は、以下の式(5)に従って、夕景シーンの可能性を算出し、その算出を終えると、上階層のルーチン(
図5のステップS5)に復帰する。
【0067】
Peven=Css/112*100 ・・・(5)
【0068】
図5のステップS5では、CPU32は、被写界が夜景シーンである可能性を算出する。具体的な算出方法は、従来技術の適用が可能であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0069】
ステップS6では、ステップS2〜S5で求められた可能性の中からパーセンテージが最も高い可能性を特定し、特定した可能性に対応するシーンを被写界に対応するシーンとして確定し、その確定したシーンに対応するカメラ設定(撮影モード設定)を行う。被写界がスポーツシーンに確定したときは、動きのある被写体が鮮明に撮影されるようにプログラム線図を補正する(スポーツモード設定)。被写界がポートレートシーンに確定したときは、背景がぼけるようにプログラム線図を補正し、かつ人物の肌色の変化が抑えられるように白バランス調整ゲインを補正する(ポートレートモード設定)。被写界が夕景シーンに確定したときは、遠景が鮮明に撮影されるようにプログラム線図を補正し、夕焼けの色の変化が抑えられるように白バランス調整ゲインを補正する(夕景モード設定)。被写界が夜景シーンに確定したときは、イルミネーションが際立つようにプログラム線図を補正する(夜景モード設定)。
【0070】
その後、レジスタrgst2に設定された積分値y(i,j)と上記の撮影モード設定によって補正されたプログラム線図とに基づいて最適絞り量および最適露光時間を特定し、最適絞り量をドライバ18bによって絞りユニット14に設定する。
【0071】
ステップS7では、CPU32は、シャッタボタン40が全押しされたかどうか判断し、ステップS9ではシャッタボタン40の操作が解除されたかどうか判断する。シャッタボタン40が全押しされたときは、フローはステップS8の撮影処理/記録処理に進む。撮影処理では、絞りユニット14とイメージセンサ20との間に配置されたシャッタ機構(図示省略)が、本露光の開始から最適露光時間が経過した時点で駆動する。そして、撮影処理および記録処理によって、被写界像がメモリカード36に記録され、その後フローはステップS11に戻る。
【0072】
シャッタボタン40の操作が解除されたときには(ステップS9でYES)、撮影処理/記録処理を行うことなくフローはステップS11に戻る。
【0073】
以上のように、本実施形態によると、夕景シーンの可能性判定において、被写界の画像データに夕日があるかどうかを判別し、夕日があると認識された場合に、通常パラメータよりも夕景シーンと判定されやすくした夕日パラメータを用いて夕景シーンの判定を行うようにしている。これにより、夕景シーンの判別精度を高めることができる。
【0074】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、種々の改変が可能である。
【0075】
例えば、上記の実施形態における夕景シーンの判定において、被写界の上下の輝度差(明暗コントラスト差)による判定条件を追加するようにしてもよい。以下、
図12〜
図14を用いて具体的に説明する。
【0076】
図13のステップS41,S43は、
図6と同じである。
【0077】
図13のステップS43では、
図8のサブルーチン終了後、すなわち、ステップS203でNO判定となった後に、
図14のサブルーチン(ステップS205)に進む点で前述の実施形態の説明と異なる。
【0078】
図14のステップS205では、各辺の輝度値である、上辺輝度値Yupper、下辺輝度値Ylower、左辺輝度値Yleftおよび右辺輝度値Yrightを“0”に設定する。また、ステップS207およびS209では垂直位置番号iおよび水平位置番号jを“0”に設定する。ステップS211では0≦i≦1の条件が満たされるかどうかを判断し、ステップS215では14≦i≦15の条件が満たされるかどうかを判断し、ステップS219では0≦j≦1の条件が満たされるかどうかを判断し、そしてステップS225では14≦j≦15の条件が満たされるかどうかを判断する。
【0079】
ステップS211でYESと判断されるとステップS213に進み、レジスタrgst3に格納された積分値y(i,j)を上辺輝度値Yupperに加算する。ステップS215でYESと判断されるとステップS217に進み、レジスタrgst3に格納された積分値y(i,j)を下辺輝度値Ylowerに加算する。ステップS219でYESと判断されるとステップS221に進み、レジスタrgst3に格納された積分値y(i,j)を左辺輝度値Yleftに加算する。ステップS225でYESと判断されるとステップS227に進み、レジスタrgst3に格納された積分値y(i,j)を右辺輝度値Yrightに加算する。
【0080】
ステップS229では水平位置番号jをインクリメントし、ステップS231ではインクリメントされた水平位置番号jを“16”と比較する。そして、j<16であればステップS211に戻るが、j=16であればステップS233に進む。ステップS233では垂直位置番号iをインクリメントし、ステップS235ではインクリメントされた垂直位置番号iを“16”と比較する。そして、i<16であればステップS209に戻るが、i=16であれば、上階層のルーチンに復帰する。
【0081】
このような処理によって求められた上辺輝度値Yupper、下辺輝度値Ylower、左辺輝度値Yleftおよび右辺輝度値Yrightはそれぞれ、
図12に斜線および太線で示す上辺領域ARD2a、下辺領域ARD2b、左辺領域ARD2cおよび右辺領域ARD2dの輝度を示す。
【0082】
図13に戻り、ステップS44では、次のステップS45で使用する輝度差の閾値設定を行う。具体的に、
図7のフローにおいて、夕日があると認識されていた場合、すなわち、
図7のステップS415を通過していた場合、輝度差の閾値としてYth3(夕日パラメータ)を設定する。一方で、
図7のフローにおいて、夕日がないと認識されていた場合、すなわち、
図7のステップS419を通過していた場合、輝度差の閾値としてYth4(通常パラメータ)を設定する。
【0083】
ステップS45では、上辺輝度値Yupperと下辺輝度値Ylowerとの差分を検出し、当該差分に基づいて画面の上下の輝度差が所定の基準値よりも大きいかどうかを判断する。この判断は、
図12に示すように、上辺領域ARD2aおよび下辺領域ARD2bの全体の値を用いて輝度差を求めるようにしてもよいし、
図9(b)に斜め格子線でしめすように上辺領域ARD2aおよび下辺領域ARD2bの一部(例えば、90%程度)の領域内の値に基づいて輝度差を求めるようにしてもよい。
【0084】
具体的に、夕日パラメータの場合、以下の式(6)を満たしていれば(S45でYES)、そのまま上階層のルーチンに復帰する。
【0085】
Yupper(上辺輝度値)−Ylower(下辺輝度値)>Yth3 ・・・(6)
同様に、通常パラメータの場合、以下の式(7)を満たしていれば(S45でYES)、そのまま上階層のルーチンに復帰する。
【0086】
Yupper(上辺輝度値)−Ylower(下辺輝度値)>Yth4 ・・・(7)
ここで、Yth3<Yth4である。一方で、ステップS45においてNOの場合、夕景シーンの可能性はない、すなわち夕景シーンの可能性を「0」に設定して、上階層のルーチンに復帰する。
【0087】
このように、夕日パラメータの判定の閾値Yth3と通常パラメータの判定の閾値Yth4とを互いに異ならせ、かつ、Yth3<Yth4に設定することで、夕日パラメータの方が通常パラメータよりもステップS45でYES判定されやすくなっている。すなわち、夕日パラメータは、通常パラメータよりも上下の輝度差が所定の閾値を超えていると判断される可能性が高くなるようにしている。これにより、夕景シーンの判別精度を高めることができる。
【0088】
また、上記の実施形態では、夕日の有無を判定する際に、夕日の周囲情報を参照するものとしたが、これに限定されない。例えば、夕日形状および夕日形状部分の色に基づいて、夕日の有無を判定するようにしてもよい。その場合、
図7において、ステップS414を省くようにすればよい。
【0089】
また、上記の実施形態に加えて、夕日の有無を判定する際に、夕日形状があっても夕日と判定しない領域制限を設けるようにしてもよい。例えば、
図12の下辺領域ARD2bを夕日判定領域から除外し、下辺領域ARD2bに夕日形状があっても夕日と判定しないようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、
図5のステップS6において、ステップS2〜S5で求められた可能性の中からパーセンテージが最も高い可能性を特定し、特定した可能性に対応するシーンを被写界に対応するシーンとして確定するものとしたが、これに限定されない。例えば、
図5の撮影シーンの確定方法に代えて、優先度の高いモードから順次判定し、その途中で判定が適合すれば、それ以降の優先度の低いモードの判定は行わないとしてもよい。具体的に、例えば、以下の(1)〜(7)のような優先度をつけ、(1)から順番に判定を行うようにしてもよい。
(1)夜景&人物モード:被写界が夜景シーンでありかつ被写界に人物が含まれていると判定された場合に適用される。夜景シーンであるかどうかの判定は、実施形態の説明と同様である。人物が含まれているかどうかの判定は、例えば、人物の顔が検知されているか否かで判定することができる。
(2)人物モード:被写界が夜景シーンではないが、被写界に人物が含まれていると判定された場合に適用される。
(3)マクロモード:被写界のフォーカス距離が近い場合に適用される。フォーカス距離の遠近は、例えば、
図8のステップS205の情報を使用することができる。
(4)夜景モード:被写界が夜景シーンと判定された場合に適用される。
(5)夕景モード:被写界が夕景シーンと判定された場合に適用される。
(6)風景モード:被写界が夜景シーンおよび夕景シーン以外の風景シーンと判定された場合に適用される。風景シーンか否かの判定は、高輝度かつフォーカス距離が十分遠いかどうかで判断できる。高輝度の判定およびフォーカス距離の判定は、例えば、
図8のステップS204、S205の情報を使用することができる。
(7)AUTOモード:上記(1)〜(6)に該当しない場合に適用される。
【0091】
なお、上記の(1)〜(7)の具体的な撮影モードの設定方法については、前述の実施形態に記載した技術または従来技術を適用することができるので、ここではその詳細な説明を省略する。