特許第6904522号(P6904522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝映像ソリューション株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6904522-放送受信装置 図000002
  • 特許6904522-放送受信装置 図000003
  • 特許6904522-放送受信装置 図000004
  • 特許6904522-放送受信装置 図000005
  • 特許6904522-放送受信装置 図000006
  • 特許6904522-放送受信装置 図000007
  • 特許6904522-放送受信装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904522
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】放送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/426 20110101AFI20210701BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20210701BHJP
   H04N 21/422 20110101ALI20210701BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
   H04N21/426
   H04N21/442
   H04N21/422
   H04B1/16 G
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-233601(P2017-233601)
(22)【出願日】2017年12月5日
(65)【公開番号】特開2019-103033(P2019-103033A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2019年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】志岐 卓也
(72)【発明者】
【氏名】木村 崇博
(72)【発明者】
【氏名】山下 丈次
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 昌美
【審査官】 鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−148810(JP,A)
【文献】 特開2016−105532(JP,A)
【文献】 特開2011−223196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
H04B 1/06
H04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信し、前記放送信号からリモートコントローラのワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うための設定情報を抽出する抽出部と、
前記設定情報が更新された際に、前記リモートコントローラの前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うか否かを予めユーザに選択させ、前記設定情報に更新があるか否かを判定し、前記設定情報に更新がある場合、前記ユーザによって前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うことが選択されているか否かを判定し、前記ユーザによって前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うことが選択されている場合、更新された前記設定情報に基づいて前記リモートコントローラの前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行い、前記ユーザによって前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行わないことが選択されている場合、前記リモートコントローラの前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行わない制御を行う制御部と、
を備え
前記制御部は、前記ユーザによって前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行わないことが選択されている状態で前記設定情報が更新された場合、前記設定情報が更新されたことを通知することを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ユーザによって前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うことが選択されている状態で前記設定情報が更新された場合、前記リモートコントローラの前記ワンタッチ選局ボタンの設定を更新したことを通知することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記リモートコントローラの前記ワンタッチ選局ボタンを手動で設定する画面を生成する画面生成部を更に備えることを請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記画面生成部は、前記制御部により前記リモートコントローラの前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定が行われた際に、新たに割り当てられた前記ワンタッチ選局ボタンに新規追加を示す識別子を表示することを特徴とする請求項に記載の放送受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、4K/8Kの超高精細度デジタル放送を提供するサービスとして、高度BS放送の試験放送が行われている。高度BS放送は、2018年12月1日以降に実用放送を開始する予定になっており、標準規格が電波産業会(ARIB)によって策定されている。
【0003】
電波産業会(ARIB)が策定している標準規格の1つとして、放送波からのリモートコントロールキー記述子によって、リモートコントローラ(以下、リモコンという)のワンタッチ選局ボタン(リモコンの1番から12番)に放送局を自動で割り当てるためのリモートコントロールキー記述子に関する規格が存在する。そして、リモートコントロールキー記述子が変更された場合、受信装置はワンタッチ選局ボタンを、例えば自動更新する。
【0004】
しかしながら、ワンタッチ選局ボタンにどの放送局を割り当てるかについては、一度リモートコントロールキー記述子によって割当てた後で、ユーザによってカスタマイズすることができてもよい。このような受信装置では放送波に含まれるリモートコントロールキー記述子が更新された場合、自動更新によってワンタッチ選局ボタンの割り当てが変更されると、ワンタッチ選局ボタンに割り当てる放送局をカスタマイズしているユーザにとってはカスタマイズした割当内容が変わってしまう場合も発生し不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−223196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施の形態は、ワンタッチ選局ボタンの自動更新を行うか否かを設定することができる放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態の放送受信装置は、抽出部と、制御部とを備える。抽出部は、放送信号を受信し、放送信号からリモートコントローラのワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うための設定情報を抽出する。制御部は、設定情報が更新された際に、リモートコントローラのワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うか否かを予めユーザに選択させ、設定情報に更新があるか否かを判定し、設定情報に更新がある場合、ユーザによってワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うことが選択されているか否かを判定し、ユーザによってワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うことが選択されている場合、更新された設定情報に基づいてリモートコントローラのワンタッチ選局ボタンの自動設定を行い、ユーザによってワンタッチ選局ボタンの自動設定を行わないことが選択されている場合、リモートコントローラのワンタッチ選局ボタンの自動設定を行わない制御を行い、前記ユーザによって前記ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行わないことが選択されている状態で前記設定情報が更新された場合、前記設定情報が更新されたことを通知する
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態に係る放送受信装置を示すブロック図である。
図2】ワンタッチ選局ボタンの設定用画面の一例を示す図である。
図3】ワンタッチ選局ボタンの自動設定を選択させるための選択画面の一例を示す図である。
図4】新規に割り当てられたワンタッチ選局ボタンの表示した番組表の画面の一例を示す図である。
図5】第1の実施の形態に係る、ワンタッチ選局ボタンの更新処理の一例を示すフローチャートである。
図6】ワンタッチ選局ボタンの更新を行うか否かを選択させる選択画面の一例を示す図である。
図7】第2の実施の形態に係る、ワンタッチ選局ボタンの更新処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る放送受信装置を示すブロック図である。
【0010】
図1において、アンテナ21は、高度BS放送及び高度広域帯CS放送(以下、これらを高度広帯域放送という)を受信して高度広帯域放送信号を放送受信装置1の入力端子2aに供給する。入力端子2aに入力された高度広帯域放送信号はチューナ部Tuに供給される。
【0011】
放送受信装置1は、制御部10を備えている。制御部10は、CPU等を用いたプロセッサによって構成されて、ROM10aに記憶されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。
【0012】
チューナ部Tuは、複数のチューナTu1,Tu2,…(以下、これらを代表してチューナTunという)を有している。チューナTunは、制御部10に制御されて、それぞれ入力された高度広帯域放送信号の中から所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局した信号を信号処理部3に出力する。信号処理部3は、入力された放送信号を復調する。
【0013】
図1の例では1つの高度広帯域放送に対応するアンテナ21のみを示したが、地上デジタル放送、BS放送、広域帯CS放送に対応するアンテナを設けて、各アンテナからの信号をチューナ部Tuに供給するようになっていてもよい。この場合には、信号処理部3は、各放送の変調方式に対応した復調を行う。これにより、信号処理部3において、各放送信号のストリームが得られる。なお、図1では、各放送信号がアンテナを介して入力される例を示したが、放送信号の伝送路は特に限定されるものではなく、空中線を介さずインターネット回線を介して受信するIP放送や、ケーブルテレビジョン放送網を介して受信するものであってもよい。
【0014】
例えば、高度広帯域放送信号については、信号処理部3の復調によってTLV(Type Length Value)ストリームが得られる。信号処理部3は、TLVストリームに含まれるIPパケットを分離し、IPパケット中に含まれる映像データ、音声データ、字幕データ、文字スーパー、アプリケーションデータ及びECM(Entitlement Control Message),EMM(Entitlement Management Message)を含む各種メッセージ、及び、リモートコントロールキー記述子を抽出する。なお、リモートコントロールキー記述子については、後述する。
【0015】
なお、信号処理部3は、地上デジタル放送信号については、復調処理によってトランスポートストリーム(MPEG−2 Systems規格により多重されたトランスポートストリーム)を抽出する。更に、信号処理部3は、トランスポートストリームから映像データ及び音声データを抽出すると共に、ECM,EMMを含む各種メッセージを抽出するようになっている。
【0016】
更に、信号処理部3は、各放送方式の映像データ及び音声データに対するデコード処理を行った後所定の信号処理を施し、映像データ及び音声データを得る。信号処理部3は、映像データ及び音声データをそれぞれグラフィック処理部4又は音声処理部7に与え、その他のデータを制御部10に与える。OSD信号生成部5は、制御部10から与えられた情報に基づいて、スーパーインポーズ表示するための画像情報(OSD信号)を生成してグラフィック処理部4に供給する。
【0017】
グラフィック処理部4は、信号処理部3からのデジタルの映像データと、OSD信号生成部5からのGUI(Graphical User Interface)に基づく画像等を重ね合わせ、重ね合わせた画像を映像処理部6に送る。
【0018】
例えば、グラフィック処理部4には、映像データの他、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報,字幕情報等が与えられ、グラフィック処理部4は、これら入力された情報に基づいてEPG,字幕等を表示するための画像生成処理を行うことができる。
【0019】
映像処理部6は、制御部10に制御されて、グラフィック処理部4からのデジタル放送信号を映像表示部8で表示可能なフォーマット(画素数、フレーム周波数、走査方式)に変換したり、表示色を任意に調整したりして、映像表示部8に出力する。これにより、映像表示部8の表示画面上において、映像を表示させることができる。
【0020】
また、音声処理部7は、信号処理部3からのデジタルの音声データを、スピーカ9で再生可能なアナログ信号に変換した後、スピーカ9に出力して音声を再生させる。なお、放送受信装置がセット・トップ・ボックス等の場合には、映像表示部8やスピーカ9を備えている必要はない。
【0021】
放送受信装置1にはカードインタフェース(I/F)13、通信I/F16、USBI/F17及びHDMII/F18が設けられている。カードI/F13は、カードホルダ14に装着されたICカード23と、制御部10との間でデータの送受信を可能にする。例えば、ICカード23として現行デジタル放送に対応したCASカードを採用した場合には、カードI/F13は、現行放送のデスクランブルに関するデータの送受を行う。
【0022】
通信I/F16は、IEEE1394等の所定の通信路に対応したインタフェースであり、端子2bを介して図示しない外部機器に接続されて外部機器と制御部10との間でデータの送受信を可能にする。また、HDMII/F18は、HDMI(登録商標)規格に対応したインタフェースであり、端子2dを介して図示しない外部機器に接続されて外部機器からのHDMI信号を受信して制御部10に出力したり、制御部10からのHDMI信号を、端子2dを介して外部機器に出力したりすることができる。
【0023】
USBI/F17は、USB規格に対応したインタフェースであり、端子2cを介してHDD24等のUSB対応機器に接続されてUSB対応機器と制御部10との間でデータの送受信を可能にする。例えば、端子2cにHDD24が接続された場合には、制御部10は、USBI/F17及び端子2cを介して映像データをHDD24に与えて記録させることが可能である。なお、内蔵したHDDや光ディスクドライブ、SD(登録商標)カードリーダライタ等によって記録部を構成することで、制御部10は、放送番組の信号を記録することも可能である。
【0024】
放送受信装置1には操作部11及び受信部12が設けられている。操作部11は図示しないスイッチ、キー、ボタン等によって構成されて、ユーザ操作に基づく操作信号を制御部10に出力する。また、受信部12は、リモートコントローラ(以下、リモコンという)22からユーザ操作に基づく操作信号を受信し、この受信した操作信号を制御部10に出力する。制御部10は、操作部11及び受信部12からの操作信号に基づいて、放送受信装置1の各部を制御する。例えば、リモコン22によって、アップ/ダウンキーやワンタッチ選局ボタン等によって受信チャンネル番号を指定する操作が行われた場合には、各チューナTunは、リモコン22からの操作信号に応じた選局動作を行う。
【0025】
放送受信装置1にはCASモジュール15が設けられている。CASモジュール15は、限定受信方式の制御のために用いられる。CASモジュール15には、モジュール固有のマスターキーKmが記憶されている。信号処理部3において抽出されたEMMにはスクランブルを解除するためのワーク鍵Kwが含まれる。このEMMは、モジュール毎に個別のマスターキーKmで暗号化されており、CASモジュール15は、制御部10から与えられたEMMを、マスターキーKmを用いて復号してワーク鍵Kwを取得する。
【0026】
放送データはスクランブル鍵Ksにより暗号化されている場合がある。このスクランブル鍵Ksは、ECMに多重されて伝送される。このECMは放送事業者毎に可変のワーク鍵Kwによって暗号化されており、CASモジュール15は、保存しているワーク鍵Kwを用いて、制御部10から与えられたECMを復号してスクランブル鍵Ksを取得する。CASモジュール15からのスクランブル鍵Ksは制御部10を介して信号処理部3に供給され、信号処理部3は、スクランブル鍵Ksを用いて、デスクランブル処理を行うようになっている。
【0027】
なお、スクランブル鍵Ksは、比較的短い時間で更新されており、CASモジュール15は、スクランブルが施された番組の視聴中は、常にスクランブル鍵Ksの取得及び信号処理部3への出力を行う。なお、ICカード23としてCASカードを用いた場合には、このCASカードの復号動作もCASモジュール15と同様である。
【0028】
ここで、リモートコントロールキー記述子について説明する。リモートコントロールキー記述子は、高度BS放送の標準規格の1つであり、高度広帯域放送信号のうち、特に高度BS放送の放送信号に含まれている。放送信号に含まれるリモートコントロールキー記述子によって、リモコン22のワンタッチ選局ボタンに放送局を自動で割り当てるようになっている。
【0029】
上述したように、リモートコントロールキー記述子は、信号処理部3によって高度広帯域放送信号から抽出される。信号処理部3は、抽出したリモートコントロールキー記述子を制御部10に出力する。すなわち、信号処理部3は、放送信号を受信し、放送信号からリモコン22のワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うための設定情報(リモートコントロールキー記述子)を抽出する抽出部を構成する。
【0030】
制御部10は、信号処理部3からのリモートコントロールキー記述子に基づいて、リモコン22のワンタッチ選局ボタンに放送局(放送事業者)を自動で割り当てたリモコン設定情報を生成する。制御部10は、信号処理部3からのリモートコントロールキー記述子、及び、生成したリモコン設定情報を不揮発性メモリ10cに記憶する。ユーザがワンタッチ選局ボタン等によって受信チャンネル番号を指定する操作を行うと、リモコン22から受信部12を介して操作信号が制御部10に入力される。制御部10は、操作信号が入力されると、不揮発性メモリ10cに記憶しているリモコン設定情報を参照し、操作信号に応じた選局動作を行う。
【0031】
また、本実施の形態では、ワンタッチ選局ボタンの設定を手動で設定することができるようになっている。
【0032】
図2は、ワンタッチ選局ボタンの設定用画面の一例を示す図である。ユーザがリモコン22の「設定」キーを押下し、ワンタッチ選局ボタンの設定を選ぶと、図2に示すワンタッチ選局ボタンの設定用画面31が映像表示部8に表示される。ワンタッチ選局ボタンの設定用画面31は、制御部10の制御によりOSD信号生成部5によって生成される。
【0033】
ユーザはリモコン22の所定のボタンを操作することで、任意のワンタッチ選局ボタンに任意の放送局を設定することができる。この機能により、ワンタッチ選局ボタンにどの放送局を割り当てるのかは、ユーザによってカスタマイズすることができる。また、ユーザがリモコン22の[青]ボタンを押下することで、不揮発性メモリ10cに記憶されたリモートコントロールキー記述子の情報に基づいて、ワンタッチ選局ボタンに放送局を自動で割り当てることができる。
【0034】
なお、ユーザがリモコン22の[青]ボタンを押下した場合、信号処理部3が放送信号から抽出したリモートコントロールキー記述子(リモコン22のワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うための設定情報)を用いて、ワンタッチ選局ボタンに放送局を自動で割り当てるようにしても良い。
【0035】
また、リモートコントロールキー記述子は、ワンタッチ選局ボタンの更新情報がない場合でも、高度BS放送の放送信号に所定の間隔で定期的に含まれている。そのため、制御部10には、信号処理部3から所定の間隔でリモートコントロールキー記述子が入力される。制御部10は、入力されたリモートコントロールキー記述子と、不揮発性メモリ10cに記憶されているリモートコントロールキー記述子と比較を行う。制御部10は、比較結果が同じ場合、すなわち、ワンタッチ選局ボタンの更新情報がない場合にはリモコン設定情報を更新しない。一方、制御部10は、比較結果が異なる場合、すなわち、ワンタッチ選局ボタンの更新情報がある場合にはリモコン設定情報を更新する。
【0036】
しかしながら、リモコン22のワンタッチ選局ボタンに割り当てる放送局をユーザがカスタマイズしている場合、リモコン設定情報を更新することは、ユーザにとって不便である。
【0037】
そのため、本実施の形態の放送受信装置1は、ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うか否かをユーザによって選択することができるように構成されている。
【0038】
図3は、ワンタッチ選局ボタンの自動設定を選択させるための選択画面の一例を示す図である。ユーザがリモコン22の「設定」キーを押下し、ワンタッチ選局ボタンの自動設定を選ぶと、図3に示すワンタッチ選局ボタンの自動設定を選択させるための選択画面32が映像表示部8に表示される。選択画面32は、制御部10の制御によりOSD信号生成部5によって生成される。
【0039】
ユーザは、映像表示部8に選択画面32が表示されている際に、リモコン22のアップ/ダウンキーにより「更新する」又は「更新しない」を選択し、リモコン22の決定キーを押下する。これにより、ユーザは、ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うか否かを設定することができる。
【0040】
制御部10は、入力されたリモートコントロールキー記述子と、不揮発性メモリ10cに記憶されているリモートコントロールキー記述子との比較結果が異なり、かつ、ワンタッチ選局ボタンの自動設定で「更新する」が選択されている場合、更新されたリモートコントロールキー記述子に基づいて、リモコン22のワンタッチ選局ボタンに放送局を自動で割り当てたリモコン設定情報を生成する。
【0041】
制御部10は、ワンタッチ選局ボタンの自動設定で「更新する」が選択されている状態で、ワンタッチ選局ボタンの更新情報があった場合、ワンタッチ選局ボタンの更新を行うと共に、ワンタッチ選局ボタンが更新された旨をユーザに通知する。制御部10は、例えば、本機からのお知らせを発行しユーザが所定のメニューから通知を見られるようにしたり、OSD信号生成部5を制御してポップアップメッセージを映像表示部8に表示する。
【0042】
また、制御部10は、ワンタッチ選局ボタンが自動で更新された場合、例えば、新規に割り当てられたワンタッチ選局ボタンがユーザに認識できるように表示する。
【0043】
図4は、新規に割り当てられたワンタッチ選局ボタンの表示した番組表の画面の一例を示す図である。
【0044】
制御部10は、例えば、ワンタッチ選局ボタンの「8」番に「HHH」の放送局が新たに割り当てられた場合、図4に示すように、OSD信号生成部5を制御し、新たに割り当てられたワンタッチ選局ボタンに新規追加を示す識別子としてのロゴ42を表示する。このロゴ42の表示については一度表示したら次から表示されないようにしても良いし、所定期間例えば数日間表示されてもよい。
【0045】
なお、本実施の形態では、識別子としてロゴ42を用いているが、識別子はロゴ42に限定されることなく、アイコン、あるいは、文字の色を変更する等、新規追加があったことを識別できるものであればどのようなものでも良い。
【0046】
一方、制御部10は、入力されたリモートコントロールキー記述子と、不揮発性メモリ10cに記憶されているリモートコントロールキー記述子との比較結果が異なり、かつ、ワンタッチ選局ボタンの自動設定で「更新しない」が選択されている場合、ワンタッチ選局ボタンの更新を行わないようにする。
【0047】
制御部10は、ワンタッチ選局ボタンの自動設定で「更新しない」が選択されている状態で、ワンタッチ選局ボタンの更新情報があった場合(現在のワンタッチ選局ボタンの割当てから、少なくとも1つのワンタッチ選局ボタンについて割当てが変わるリモートコントロールキー記述子を受けた場合)、ワンタッチ選局ボタンの更新情報がある旨をユーザに通知する。制御部10は、例えば、本機からのお知らせを発行しユーザが所定のメニューから通知を見られるようにしたり、OSD信号生成部5を制御してポップアップメッセージを映像表示部8に表示する。制御部10は、例えば、受信できない放送局に関して、現在割当てていない番号に変わるようなリモートコントロールキー記述子を受信した場合には、受信装置としては現在のワンタッチ選局ボタンについて割当ては何ら変わらないため、このような場合にはワンタッチ選局ボタンの更新情報がある旨をユーザに通知しない。
【0048】
次に、図5を参照して、本実施の形態のワンタッチ選局ボタンの更新処理について説明する。
【0049】
図5は、第1の実施の形態に係る、ワンタッチ選局ボタンの更新処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
まず、信号処理部3が放送信号からリモートコントロールキー記述子を抽出する(S1)。次に、制御部10は、信号処理部3によって抽出されたリモートコントロールキー記述子と、不揮発性メモリ10cに記憶されていた以前のリモートコントロールキー記述子とを比較する(S2)。
【0051】
制御部10は、比較結果が一致しているか否かを判定する(S3)。制御部10は、比較結果が一致していると判定した場合(S3:YES)、すなわち、リモートコントロールキー記述子が更新されていない場合、S1の処理に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0052】
一方、制御部10は、比較結果が一致していないと判定した場合(S3:NO)、すなわち、リモートコントロールキー記述子が更新された場合、ワンタッチ選局ボタンの自動更新が設定されているか否かを判定する(S4)。
【0053】
制御部10は、ワンタッチ選局ボタンの自動更新が設定されていると判定した場合(S4:YES)、更新されたリモートコントロールキー記述子に基づいて、ワンタッチ選局ボタンを更新し(S5)、処理を終了する。
【0054】
一方、制御部10は、ワンタッチ選局ボタンの自動更新が設定されていないと判定した場合(S4:NO)、ワンタッチ選局ボタンを更新せずに(S6)、処理を終了する。
【0055】
以上のように、本実施の形態の放送受信装置1は、ワンタッチ選局ボタンの自動設定を選択させるための選択画面32によって、ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行うか否かをユーザに選択させる。ワンタッチ選局ボタンの割り当てをカスタマイズしており、ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行いたくないユーザは、予め選択画面32でワンタッチ選局ボタンの自動設定を「更新しない」に設定しておく。この結果、ワンタッチ選局ボタンの自動設定を行いたくないユーザは、リモートコントロールキー記述子の更新があった場合でも、ワンタッチ選局ボタンの割り当てが変更されない。
【0056】
一方、ワンタッチ選局ボタンの割り当てを常に最新の情報に更新したいユーザは、予め選択画面32でワンタッチ選局ボタンの自動設定を「更新する」に設定しておく。この結果、ワンタッチ選局ボタンの割り当てを常に最新の情報に更新したいユーザは、リモートコントロールキー記述子の更新があった場合、ワンタッチ選局ボタンの割り当てが常に最新の情報に変更される。
【0057】
よって、本実施の形態の放送受信装置1によれば、ワンタッチ選局ボタンの自動更新を行う否かを設定することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0058】
第2の実施の形態の放送受信装置1の全体構成は、図1の第1の実施の形態と同様である。以下の説明では、第1の実施の形態と異なる処理についてのみ説明する。
【0059】
図6は、ワンタッチ選局ボタンの更新を行うか否かを選択させる選択画面の一例を示す図である。
【0060】
第2の実施の形態の制御部10は、信号処理部3から入力されたリモートコントロールキー記述子と、不揮発性メモリ10cに記憶されているリモートコントロールキー記述子と比較を行う。そして、制御部10は、比較結果が異なる場合、図6に示すワンタッチ選局ボタンの更新を行うか否かを選択させる選択画面51を映像表示部8に表示する。選択画面51は、制御部10の制御によりOSD信号生成部5によって生成される。
【0061】
ユーザは、映像表示部8に選択画面51が表示されている際に、リモコン22のアップ/ダウンキーにより「更新する」又は「更新しない」を選択し、リモコン22の決定キーを押下する。これにより、ユーザは、ワンタッチ選局ボタンの更新を行うか否かを選択することができる。
【0062】
このように、画面生成部としてのOSD信号生成部5は、リモートコントロールキー記述子が更新された際に、リモコン22のワンタッチ選局ボタンの更新を行うか否かを選択させる選択画面51を生成する。
【0063】
すなわち、第1の実施の形態は、リモートコントロールキー記述子に更新があった際に、ワンタッチ選局ボタンの更新を行う否かを選択画面32を用いてユーザが事前に設定していた。
【0064】
これに対して、本実施の形態は、リモートコントロールキー記述子に更新があると、選択画面51を映像表示部8に表示し、ワンタッチ選局ボタンの更新を行う否かをユーザがその都度、選択(設定)するように構成されている。
【0065】
なお、リモートコントロールキー記述子が更新された場合であっても、例えば、受信できない放送局に関して、現在割当てていない番号に変わるようなリモートコントロールキー記述子を受信した場合には、受信装置としては現在のワンタッチ選局ボタンについて割当ては何ら変わらないため、このような場合にはワンタッチ選局ボタンの更新情報がある旨をユーザに通知しないようにしても良い。このようにすることによりユーザによる通知に対する無駄な操作を省略することができる。
【0066】
また、本実施の形態では、リモートコントロールキー記述子に更新があると、選択画面51を映像表示部8に表示し、ワンタッチ選局ボタンの更新を行う否かをユーザがその都度、選択(設定)させるため、ワンタッチ選局ボタンの更新を行う否かを、図3の選択画面32を用いてユーザに事前に設定させる処理を省いても良い。
【0067】
次に、図7を参照して、本実施の形態のワンタッチ選局ボタンの更新処理について説明する。
【0068】
図7は、第2の実施の形態に係る、ワンタッチ選局ボタンの更新処理の一例を示すフローチャートである。なお、図7において、図5と同一の処理は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
制御部10は、S3の処理において、比較結果が一致していないと判定した場合(S3:NO)、OSD信号生成部5を制御し、ワンタッチ選局ボタンの更新を行うか否かを選択させる選択画面51を映像表示部8に表示する(S11)。
【0070】
次に、制御部10は、ワンタッチ選局ボタンの更新を行うか否かを判定する(S12)。ユーザが選択画面51で「更新する」を選択した場合、制御部10は、ワンタッチ選局ボタンの更新を行うと判定し(S12:YES)、更新されたリモートコントロールキー記述子に基づいて、ワンタッチ選局ボタンを更新し(S5)、処理を終了する。
【0071】
一方、ユーザが選択画面51で「更新しない」を選択した場合、制御部10は、ワンタッチ選局ボタンの更新を行わないと判定し(S12:NO)、ワンタッチ選局ボタンを更新せずに(S6)、処理を終了する。
【0072】
以上の処理により、放送受信装置1は、リモートコントロールキー記述子に更新があった際に、ワンタッチ選局ボタンの更新を行うか否かをユーザが選択することができ、ワンタッチ選局ボタンを更新したくないユーザ、及び、ワンタッチ選局ボタンを常に最新の情報に更新したいユーザの両者にとって有益となる。
【0073】
よって、本実施の形態の放送受信装置1によれば、第1の実施の形態と同様に、ワンタッチ選局ボタンの自動更新を行う否かを設定することができる。
【0074】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0075】
1…放送受信装置、2a…入力端子、2b〜2d…端子、3…信号処理部、4…グラフィック処理部、5…OSD信号生成部、6…映像処理部、7…音声処理部、8…映像表示部、9…スピーカ、10…制御部、11…操作部、12…受信部、13…カードI/F、14…カードホルダ、15…CASモジュール、16…通信I/F、17…USBI/F、18…HDMII/F、21…アンテナ、22…リモートコントローラ、23…カード、24…HDD。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7