特許第6904555号(P6904555)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904555
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】排水路付き閉塞栓
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/179 20060101AFI20210708BHJP
   B29C 63/34 20060101ALI20210708BHJP
   F16L 1/00 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   F16L55/179
   B29C63/34
   F16L1/00 J
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-22125(P2017-22125)
(22)【出願日】2017年2月9日
(65)【公開番号】特開2018-128092(P2018-128092A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】595108572
【氏名又は名称】クロダイト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 禎基
(72)【発明者】
【氏名】岡田 喜文
(72)【発明者】
【氏名】安田 和之
【審査官】 黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−151293(JP,A)
【文献】 特開平07−173866(JP,A)
【文献】 特開2014−020498(JP,A)
【文献】 実開平06−079887(JP,U)
【文献】 特開2004−293670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/179
B29C 63/34
F16L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枝管から投入されて下水管との合流口に配置される排水路付き閉塞栓であって、
前端に流出口を、後端に流入口を設けて、下水管内にライニングされた更生管と枝管とを連通して可撓性を有する排水導管と、該排水導管の周囲に空気の流出入で膨縮自在に設けた内装バッグと、該内装バッグの膨張規制と防護用にこれを被包する外装バッグと、該外装バッグ外周に周着した厚み方向に弾性を有して合流口と該合流口に対応して更生管に開設した連通口との間を閉塞可能なスリーブとから成ることを特徴とする排水路付き閉塞栓。
【請求項2】
排水導管の前端は内装バッグ及び外装バッグより前方へ若干突出し、流出口周囲には外周面が全体に丸みを帯びたカバーリングを設けたことを特徴とする請求項1記載の排水路付き閉塞栓。
【請求項3】
外装バッグは内装バッグに着脱自在に貼着したことを特徴とする請求項1又は2記載の排水路付き閉塞栓。
【請求項4】
スリーブは外装バッグに着脱自在に貼着したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の排水路付き閉塞栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した既設の下水管の内壁に合成樹脂製の更生管をライニングする下水管更生工法において、下水管に合流する枝管との合流口を、該合流口に対応して更生管に開設した連通口と共に閉塞し、且つ枝管からの下水を更生管へ排水させる様にした排水路付き閉塞栓に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、老朽化した既設の下水管の内壁に合成樹脂製の更生管をライニングする下水管更生工法が開示されている。
【0003】
この工法では、先ず下水管内に更生管が挿入され、該更生管を下水管の内壁に密着してライニングする。
【0004】
続いて、上記下水管に接続されている枝管内において、その下流の下水管との合流口近傍を密栓し、下水管の内部から、更生管において前記合流口に対応する部位に小孔を開設し、該小孔からグラウト材を圧入する。
【0005】
グラウト材は、下水管の内壁面とこれに密着している更生管の外壁面との間に滲入し、グラウト材が硬化した後、密栓を取り外し、枝管側から、更生管において合流口に対応する部位が開設され、枝管と下水管内に既にライニングされている更生管とを連通させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−52612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記工法では、グラウト材が硬化するまでの長時間にわたって密栓によって枝管内の下水の下水管への流下が阻止されることになる。
すると、止水により枝管の上流側の水位が高まって支障を来すおそれがあり、このため枝管の上流側に接続された下水道利用者に長時間にわたって排水制限が課せられることがあるなどの課題を有していた。
【0008】
そこで、本発明では、老朽化した既設の下水管の内壁に合成樹脂製の更生管をライニングする下水管更生工法において、下水管に合流する枝管との合流口を、該合流口に対応して更生管に開設した連通口と共に閉塞してグラウト材の更生管への流入と枝管内を流下する下水のグラウト材への混入を阻止し、同時に枝管からの下水を更生管へ排水させる様にした排水路付き閉塞栓を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑み、本発明の排水路付き閉塞栓は、前端に流出口を、後端に流入口を設けた可撓性を有する排水導管と、該排水導管の周囲に空気の流出入で膨縮自在に設けた内装バッグと、該内装バッグの膨張規制と防護用にこれを被包する外装バッグと、該外装バッグ外周に周着した厚み方向に弾性を有するスリーブとから成ることを特徴とする。
又、排水導管の前端は内装バッグ及び外装バッグより前方へ若干突出し、流出口周囲には外周面が全体に丸みを帯びたカバーリングを設けたことを特徴とする。
更に、外装バッグは内装バッグに着脱自在に貼着したり、スリーブは外装バッグに着脱自在に貼着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
要するに本発明に係る排水路付き閉塞栓(以下、閉塞栓とも称する。)は、老朽化した既設の下水管の内壁に合成樹脂製の更生管をライニングする下水管更生工法において使用されるものにして、前後端に流出入口を設けた可撓性を有する排水導管の周囲に空気の流出入で膨縮自在な内装バッグを設け、該内装バッグを膨張規制と防護用の外装バッグで被包し、該外装バッグ外周に厚み方向に弾性を有するスリーブを周着したので、下水管内に挿入した更生管が下水管内壁にライニングされ、下水管に合流する枝管との合流口に対応して更生管に連通口が開設された状態で、内装バッグを外装バッグとスリーブと共に排水導管に密着する様に収縮させて枝管の汚水枡等の上流口から投入すると、閉塞栓は、前記の通り内装バッグ、外装バッグ及びスリーブが収縮して排水導管を中心に密着した略筒型と化しており、その中心に位置する排水導管が可撓性を有して蛇行が容易なため、難なく枝管内を流下させられ、下流の下水管との合流口に簡単容易に到達させることができる。
そして、合流口内に閉塞栓を配置させた状態で内装バッグに空気を供給してその外側の外装バッグとスリーブと共に膨張させると、外装バッグ外周に設けた厚み方向に弾性を有するスリーブが例え合流口及び連通口が歪に開口していても夫々の内面形状に対応して変形し圧着されるため、合流口及び連通口を隙間無く水密状に閉塞し、下水管と更生管との間隙を枝管と水密状に隔絶でき、その間隙への下水の浸入を阻止でき、次工程である前記間隙へのグラウト材注入作業を支障なく進行でき、下水管に更生管を一体的に接着できると共に、排水導管によって枝管と下水管内にライニング中の更生管とが連通して、枝管からの排水を前記グラウト材注入作業からグラウト材の硬化までの間も継続できるので、従来生じていた止水による支障等を解消できる。
【0011】
排水導管の前端は内装バッグ及び外装バッグより前方へ若干突出し、流出口周囲には外周面が全体に丸みを帯びたカバーリングを設けたので、内装バッグを外装バッグとスリーブと共に排水導管に密着する様に収縮させて略筒型と化した閉塞栓を枝管の上流口から投入して枝管内を流下させると、前方に突き出るカバーリングはその外形特性により枝管内面に生ずる継ぎ目や付着堆積物による凹凸に引っ掛かることなく、先行して閉塞栓本体を枝管下流へと案内できると共に、排水導管は蛇行が容易な可撓性を有することも相俟って閉塞栓を枝管下流の合流口へ手間無く円滑に到達させることができる。
【0012】
外装バッグは内装バッグに着脱自在に貼着したので、内装バッグと一体化でき、該内装バッグの膨縮にスリーブと共に追従できる。
特に、作業終了後、手の届かない枝管内からの回収時にも、枝管投入時と同様に排水導管に密着する様に収縮させられるので、速やかで円滑な回収作業が行える。
そして、回収後において、スリーブと共に外装バッグを取り外して新規な外装バッグを内装バッグに取り付ければ、閉塞栓の再使用が可能で経済的である。
【0013】
スリーブは外装バッグに着脱自在に貼着したので、閉塞栓の回収後、外装バッグが再度の使用が可能な場合には、スリーブのみを取り外して新規なスリーブを外装バッグに取り付ければ、閉塞栓の再使用が可能でより経済的である等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る排水路付き閉塞栓の側面図である。
図2】同上断面図である。
図3】同上前方の半断面図である。
図4】同上後方の半断面図である。
図5】同上使用状態を示す断面図である。
図6】排水路付き閉塞栓の変形例を示す側面図である。
図7】同上断面図である。
図8】同上前方の半断面図である。
図9】同上後方の半断面図である。
図10】同上使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る排水路付き閉塞栓1(以下、閉塞栓1と称する。)は、老朽化した既設の下水管Dの内壁に合成樹脂製の更生管Rをライニングする下水管更生工法において使用されるものであって、下水管Dに合流する枝管Bとの合流口Cを、該合流口Cに対応して更生管Rに開設した連通口R1と共に閉塞して下水管Dと更生管Rとの間隙Sに注入されるグラウト材(図示せず)の更生管Rへの流入と枝管B内を流下する下水のグラウト材への混入を阻止し、同時に枝管Bからの下水を更生管Rへ排水させる様にしたものである。
【0016】
この閉塞栓1は、前端に流出口2aを、後端に流入口2bを設けた可撓性を有する排水導管2と、該排水導管2の周囲に空気の流出入で膨縮自在に設けた内装バッグ3と、該内装バッグ3の膨張規制と防護用にこれを被包する外装バッグ4と、該外装バッグ4外周に周着した厚み方向に弾性を有する発泡ウレタンゴム等の合成ゴム製のスリーブ5とから主に構成している。
【0017】
排水導管2は、枝管Bよりも小径な所定口径と所定長さを有する軟質塩化ビニルなどの軟質な合成樹脂製から成り、その内部を排水路2cと成し、該排水路2cの前後方の夫々には薄肉で所定幅を有するステンレス製の補強リング6を挿嵌固定している。
【0018】
排水導管2の前端及び後端は、内装バッグ3及び外装バッグ4より前方及び後方へ若干突出させており、流出口2a周囲には外周面が全体に丸みを帯びたカバーリング7を設けている。
カバーリング7はABS樹脂製からなり、図示例では、排水導管2前端に外嵌したカバーリング7の基端の十字方向にボルトを挿通し、該ボルトをナットで締結することにより、排水導管2前端にカバーリング7を一体的に固定しているが、接着剤にて固定しても良い。
【0019】
内装バッグ3は、気密性及び柔軟性を有するゴム製シートを樽状に形成、具体的には、前後に排水導管2の前後方外周の夫々に弾性的に装着可能な筒口3aを設けた漏斗部3bと、各漏斗部3bの大径部に連続する長尺な円筒状の胴部3cとから成る。
【0020】
そして、排水導管2を介した補強リング6上の各筒口3a外周には所定径のナイロン糸8を捲回して緊締することにより排水導管2外周に気密性が保持された内装バッグ3が形成される。
尚、各筒口3aと排水導管2とは、上記に限らず、接着等その他の手段によって内装バッグ3の気密性を保持しても良い。
【0021】
又、内装バッグ3の内側を気密状に区画する排水導管2の管壁において、その後方には、先端が内装バッグ3内部に突入する様に排水路2c内から気密状に挿嵌され、基端が排水路2c内面に沿って流入口2bに指向するL字状の管継手9が配置されており、該管継手9の基端に枝管Bよりも長尺な可撓性を有するエアホース10の一端を気密状に挿嵌連結し、該エアホース10の他端は、枝管Bの排水枡等の上流口(図示せず)近傍の屋外に配置した図示しないエアーポンプに連結される。
【0022】
外装バッグ4は、引張強さ及び摩擦係数が大きく、透水率が小さくて柔軟性を有するガラス繊維入り不織布などの布製から成り、内装バッグ3を被包する様に収容し、内装バッグ3より大きい樽状(その形状については上記と同様なため説明は省略する。)に形成され、その円筒状の胴部4cの前後に連続して設けた漏斗部4bにおける筒口4aの付け根に締結具11を外嵌し、該締結具11の圧着にて内装バッグ3の筒口3aの付け根を介して排水導管2に括り付けている。
これにより、外装バッグ4は、内装バッグ3の過度の膨張を規制し、その膨張時形状を維持すると共に、内装バッグ3の損傷、破裂などを誘引する突起物などから保護している。
【0023】
締結具11はステンレス製のホースバンドであり、長さ方向全域にわたって斜め横向きの係合溝12aを所定ピッチで穿設したバンド12と、該バンド12の一端部上方に軸線がバンド12の長さ方向に合致する様に固定された筒状のハウジング13と、該ハウジング13とバンド12の一端部間に進退自在に挿通されたバンド12の他端側の係合溝12aに噛合する様にハウジング13に転動自在に内蔵されたウォームギア(図示せず)と、該ウォームギヤの一端よりハウジング13外部に回転自在に突出してその突端面にネジ回しを差し込む十字穴を刻設した操作軸14とから成る。
【0024】
そして、操作軸14の回動にてハウジング13内のウォームギアを転動させることにより、ウォームギアに噛合するバンド12(係合溝12a)を進退させて一周して成るバンド12の輪状の口径を拡縮径自在と成し、バンド12の輪状の縮径による上記圧着にて外装バッグ4を内装バッグ3を介して排水導管2に括り付け、バンド12の輪状の拡径による圧着解除にて排水導管2から離脱可能と成している。
尚、締結具11は、合成樹脂製の結束用バンド(図示せず)であっても良い。
【0025】
又、外装バッグ4の内面と内装バッグ3外面とは、図示しない両面テープを介して着脱自在に貼着している。
これにより、外装バッグ4は内装バッグ3と一体化でき、該内装バッグ3の膨縮にスリーブ5と共に追従する様に成しており、外装バッグ4の取り外しに際しては、締結具11による圧着解除後、内装バッグ3から引き剥がすことで成し得る。
【0026】
スリーブ5は外装バッグ4に図示しない両面テープを介して着脱自在に貼着している。
尚、スリーブ5は、合流口Cに配した閉塞栓1を膨張させた時に、合流口Cと連通口R1の両方を、各内面形状が歪であっても対応して両口C、R1を水密状に閉塞する様に外装バッグ4外面に貼着したものであるので、図示例の様に、外装バッグ4の胴部4cの外面前方にのみに貼着するのが経済的で望ましいが、胴部4c外面全体を被覆する様に成しても良い。
【0027】
次に、閉塞栓1の変形例について、図6〜9に基づき説明する。この閉塞栓1は、主に排水導管2と、エアホース10の取付け位置を変更したものであり、その他については上記と基本構造を同様としているので、上記と同一又は相当部分には同じ符号を図面に付し、説明を省略する。
【0028】
排水導管2は、可撓性を有するステンレス製の蛇腹管から成り、上記のものより強度を向上させている。
【0029】
そして、内装バッグ3の筒口3aを装着した排水導管2の前後方外周の各襞部には、シリコーン樹脂系のコーキング材や合成ゴム製のパッキン等のシール部材15を入り込ませて装填し、前後の筒口3a外周にナイロン糸8を良好に捲回して緊締できる様にして排水導管2外周に気密性が保持された内装バッグ3を形成している。
【0030】
又、カバーリング7はその外形を先端に向かうに従い徐々に縮径した弾頭形に形成している。
【0031】
管継手9は、その先端が内装バッグ3後方の漏斗部3bに突入する様に挿通され、管継手9において内装バッグ3内外側の夫々に螺着した一対のナット9aで内装バッグ3の内外面を気密状に挟持することにより内装バッグ3に固着され、該内装バッグ3より外方突出する管継手9の基端にエアホース10の一端を着脱可能に連結している。
【0032】
又、外装バッグ4における管継手9の対応部位には、ナット9aを挿通可能な透孔16が穿設されている。
【0033】
上記の様に構成された閉塞栓1にあっては、老朽化した既設の下水管D内に挿入した更生管Rが下水管D内壁にライニングされ、枝管Bの下水管Dとの合流口Cに対応して更生管Rに連通口R1が開設された状態において使用される。
【0034】
この使用に際し、閉塞栓1はエアホース10を介してエアポンプに接続されており、内装バッグ3を外装バッグ4とスリーブ5と共に排水導管2に密着する様に収縮させた状態で枝管Bの汚水枡等の上流口(図示せず)から投入される。
【0035】
枝管B内において、閉塞栓1は、上記の通り内装バッグ3、外装バッグ4及びスリーブ5が収縮して排水導管2を中心に密着した略筒型と化しており、その中心に位置する排水導管2が可撓性を有して蛇行が容易であり、しかも排水導管2前端の前方に突き出るカバーリング7は、外周面が全体に丸みを帯びた外形特性を有しているので、枝管B内面に生ずる継ぎ目や付着堆積物による凹凸に引っ掛かることなく、先行して閉塞栓1本体を枝管B下流へと案内できるから、閉塞栓1は難なく枝管B内を流下し、下流の下水管Dとの合流口Cに手間無く円滑に到達させられる。
【0036】
そして、合流口C内に閉塞栓1を配置させた状態で、内装バッグ3にエアポンプから空気を供給し、その外側の外装バッグ4とスリーブ5と共に膨張させる。
すると、外装バッグ4外周に設けた厚み方向に弾性を有するスリーブ5は、例え合流口C及び連通口R1が歪に開口していても夫々の内面形状に対応して変形し圧着されるため、合流口C及び連通口R1を隙間無く水密状に閉塞する。
【0037】
これにより、下水管Dと更生管Rとの間隙Sを枝管Bと水密状に隔絶でき、その間隙Sへの下水の浸入を阻止できる。
【0038】
したがって、次工程である上記間隙Sへのグラウト材注入作業を支障なく進行でき、下水管Dに更生管Rを一体的に接着できると共に、排水導管2の排水路2cによって枝管Bと下水管D内にライニング中の更生管Rとが連通して枝管Bからの排水を前記グラウト材注入作業からグラウト材の硬化までの間も留めることなく継続できる。
【0039】
間隙Sに注入されたグラウト材が硬化して、該グラウト材を介して下水管Dが更生管Rと一体化してライニングが完了した作業終了後において、閉塞栓1を回収するにあたっては、エアポンプによって内装バッグ3内の空気を吸引排気する。
【0040】
この時、外装バッグ4は内装バッグ3に両面テープを介して一体的に貼着されているので、内装バッグ3の収縮にスリーブ5と共に追従できるから、閉塞栓1の枝管Bへの投入時と同様に内装バッグ3等を排水導管2に密着する様に収縮させられるので、速やかで円滑な回収作業が行える。
【0041】
そして、閉塞栓1の回収後において、操作軸14をネジ回しを用いて回動することにより、ハウジング13内のウォームギアを転動させて、バンド12による外装バッグ4に対する圧着を解除すると共に、両面テープと共に外装バッグ4を内装バッグ3から剥がすことで、閉塞栓1から外装バッグ4をスリーブ5と共に取り外し、新規な外装バッグ4を内装バッグ3に取り付ければ、閉塞栓1の再使用が可能である。
【0042】
又、外装バッグ4の継続使用が可能で、スリーブ5を廃棄する場合には、該スリーブ5を両面テープと共に外装バッグ4から剥ぎ取り、新規なスリーブ5を外装バッグ4に取り付ければ良い。
【符号の説明】
【0043】
2 排水導管
2a 流出口
2b 流入口
3 内装バッグ
4 外装バッグ
5 スリーブ
7 カバーリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10