(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904557
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】焚き火台
(51)【国際特許分類】
F24B 1/192 20060101AFI20210708BHJP
F24B 1/20 20060101ALI20210708BHJP
A47J 37/07 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
F24B1/192
F24B1/20
A47J37/07
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-74979(P2017-74979)
(22)【出願日】2017年4月5日
(65)【公開番号】特開2018-179324(P2018-179324A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】508346354
【氏名又は名称】有限会社昭和プレス
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】高久 笑一
【審査官】
山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭28−003366(JP,Y1)
【文献】
特開2010−243043(JP,A)
【文献】
特開平08−128643(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3156262(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00−37/07
F24B 1/00−15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室を形成するとともに該燃焼室に通じる開口部を備えた外周壁と、該開口部を開閉する扉と備える焚き火台であって、
前記外周壁は、該外周壁を貫く第一孔と、該第一孔よりも上方に設けられる第二孔とを備え、
前記扉は、前記第一孔に挿入されて該扉を前記外周壁に対して上下方向に揺動可能に支持する支持片と、下方を解放するとともに該扉を閉めた際に該第一孔の縁部に差し込み可能になる扉側スリットと、該扉を閉じた際に前記第二孔に差し込まれるとともに該扉側スリットが該第一孔の縁部に差し込まれると該第二孔の縁部に引っ掛かるフックとを備え、
前記外周壁は、前記開口部の下方に設けられ前記燃焼室に通じる風孔と、前記第二孔よりも上方に設けられて前記フックを差し込み可能な第三孔とを備え、差し込まれた該フックが該第三孔の縁部に引っ掛かることで該風孔が開いた状態で該扉が保持される焚き火台。
【請求項2】
前記外周壁は、前記燃焼室を挟んで前記開口部に対向して設けられ、上方に向けて開口する煙突部を有する請求項1に記載の焚き火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外で焚き火をするのに好適な焚き火台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外でバーベキューや鍋料理等を行う際に好適なものとして、携帯可能なコンロが使用されている。例えば特許文献1には、折り畳んで持ち運ぶことが可能であり、組み立てると箱形になって内側に燃焼室が形成されるコンロが示されている。特許文献1のコンロにおいては、燃焼室を形成する外周壁に回転軸を中心として回動する扉が設けられていて、コンロの上部に鍋や食材を置いて調理をしている最中でも、この扉を開く事によって燃焼室内に燃料を補給することができる、としている。
【0003】
しかし、燃料を燃やすと高温に曝されて熱膨張による変形が生じるため、この種の回転機構は次第に動作不良が起こりやすくなる。特に、携帯を目的として薄い金属板を使用する場合にあっては、このような変形が顕著になるため動作不良につながりやすく、耐久性が低いという問題を抱えている。
【0004】
このような問題に対し、本件出願人は、下記の特許文献2に示した焚き火台を提案している。この焚き火台においては、扉が回転軸を中心に回動するものではなく、扉の両側に設けた挿入部が開口側スリットを出入するものであるため、熱膨張によって板材が多少変形しても扉の開閉動作に影響が及ぶことがない。このため、薄い金属板を使用しても扉の動作を良好な状態で維持することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−88476号公報
【特許文献2】特許第5428088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献2の焚き火台では、下方を解放した扉側スリットを挿入部に設け、扉を閉じた際には、扉側スリットと開口側スリットとが互いに差し込まれるようにして嵌め込まれ、これにより扉が閉じた状態で維持されるように構成している。しかし、熱膨張による変形が挿入部におよぶと、扉側スリットの開口幅が徐々に広がることがあり、扉を閉めても若干開いた状態になることがあった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決することを課題とするものであり、携帯性にすぐれるとともに調理中であっても燃料室内に燃料を補給することが可能であって、しかも、燃料を燃やして高温に曝されても扉を閉じた状態で維持することのできる耐久性の高い焚き火台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、燃焼室を形成するとともに該燃焼室に通じる開口部を備えた外周壁と、該開口部を開閉する扉と備える焚き火台であって、前記外周壁は、該外周壁を貫く第一孔と、該第一孔よりも上方に設けられる第二孔とを備え、前記扉は、前記第一孔に挿入されて該扉を前記外周壁に対して上下方向に揺動可能に支持する支持片と、下方を解放するとともに該扉を閉めた際に該第一孔の縁部に差し込み可能になる扉側スリットと、該扉を閉じた際に前記第二孔に差し込まれるとともに該扉側スリットが該第一孔の縁部に差し込まれると該第二孔の縁部に引っ掛かるフックとを備え
、前記外周壁は、前記開口部の下方に設けられ前記燃焼室に通じる風孔と、前記第二孔よりも上方に設けられて前記フックを差し込み可能な第三孔とを備え、差し込まれた該フックが該第三孔の縁部に引っ掛かることで該風孔が開いた状態で該扉が保持されるものである。
【0010】
また上記焚き火台において、前記外周壁は、前記燃焼室を挟んで前記開口部に対向して設けられ、上方に向けて開口する煙突部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の焚き火台にあっては、外周壁に、扉を揺動可能に支持する支持片が挿入される第一孔と、第一孔よりも上方に設けられる第二孔を設けている。そして、扉を閉めた際に扉のフックが第二孔に差し込まれ、更に、扉を持っていた手を離して扉が自重で下方に移動すると、下方を解放した扉側スリットが第一孔の縁部に差し込まれ、またフックが第二孔の縁部に引っ掛かるように構成している。すなわち閉じた扉の下部は、扉側スリットと第一孔の縁部が互いに嵌め合わされて固定され、扉の上部は、フックが第二孔の縁部に引っ掛かって固定されるため、燃料を燃やして高温に曝されることがあっても扉を閉じた状態で維持することができ、高い耐久性を得ることが可能である。
【0012】
また外周壁に、開口部の下方において燃焼室に通じる風孔を設け、第二孔よりも上方においてフックを差し込み可能な第三孔とを設ける場合は、フックが第三孔に差し込まれるようにして扉を閉じれば、差し込まれたフックが第三孔の縁部に引っ掛かるため、風孔が開いた状態で扉が保持される。すなわち、風孔から燃焼室の下方に空気を送り込むことができるため、効果的に燃料を燃やすことができる。
【0013】
また外周壁に、燃焼室を挟んで開口部に対向するとともに、上方に向けて開口する煙突部を設ける場合は、煙突部内の高温の空気が浮力によって上昇し、これに伴い煙突部の下方から燃焼室の空気が煙突部内に引込まれることになる。すなわち、燃焼室内に空気の流れが形成されるため、燃料を効率よく燃やすことができる。特に、上述した風孔が開いた状態になる構成を採用する場合は、燃料をより効果的に燃やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明である焚き火台の一実施形態を示す、組み立てられた状態での正面からの斜視図である。
【
図2】
図1に示す焚き火台の背面からの斜視図である。
【
図4】
図1に示す焚き火台の前面板を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)に示すA−Aに沿う断面図である。
【
図5】
図1に示す焚き火台の扉を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【
図6】
図4(b)に示す前面板と
図5(b)に示す扉を用いて扉の開閉状況を説明する図であって、(a)は扉を閉じた状態(風孔も閉じている)であり、(b)は扉を上方に引き上げた状態であり、(c)は扉を開いた状態であり、(d)は扉を閉じた状態(風孔は開いている)である。
【
図7】
図4(a)に示す前面板と
図5(a)に示す扉を用いて扉の開閉状況を説明する図であって、(a)は扉を閉じた状態(風孔も閉じている)であり、(b)は扉を上方に引き上げた状態であり、(c)は扉を開いた状態であり、(d)は扉を閉じた状態(風孔は開いている)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に従う焚き火台の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書等における「上下」とは、
図3において符号1で示す底板が下方に位置し、符号9で示す天板が上方に位置する状態での向きをいう。また、「前後」とは、
図3において符号3で示す前面板が前方に位置し、符号5で示す背面板が後方に位置する状態での向きをいう。また「左右」とは、「前」から「後」に向かって焚き火台を視る際の向きをいう。
【0016】
図1〜
図3に示すように本実施形態の焚き火台は、底板1、側板2、前面板3、扉4、背面板5、背面カバー6、孔開き板7、ロストル8、天板9を備えている。なお、これらの部材は、主として薄い金属板(例えばステンレス板やチタン板)を使用し、溶接等は行わずに金属板を折り曲げることによって形成されている。ここで側板2、前面板3、背面板5は、組み立てられた際に焚き火台の外周壁をなすものであって、この外周壁の内側に燃焼室が形成される。
【0017】
底板1は、概略、金属板の四隅を下方に折り曲げて箱状に形成されたものである。底板1の前方には、左右方向に延在する長孔1aが2つ設けられている。また、底板1の後方にも、長孔1aと同様の形状になる長孔1bが2つ設けられている。
【0018】
側板2は、概略、金属板の上方、前方、後方を内側に折り曲げるとともに、下方の中央部を上方に向けて切り欠いた形態をなすものである。側板2の前方上部には、上方を解放した前側スリット2aが設けられている。また、側板2の後方上部にも、前側スリット2aと同様の形状になる後側スリット2bが設けられている。そして側板2の前方中間部には、内側に折り曲げた部分を切り欠いた形状になる前方切り欠き部2cが設けられていて、後方中間部には、前方切り欠き部2cと同様の形状になる後方切り欠き部2dが設けられている。また、側板2の下方中央部には、内側に向けて折り曲げられた後に上方へ向けて折り曲げられ、縦断面形状が上方を解放したコ字状になる折り曲げ部2eが設けられている。
【0019】
前面板3は、概略、板状をなすものであって、
図4に示すようにその上部には、縦断面形状がL字状になるように折り曲げられた上部差し込み部3aが2つ設けられている。また、前面板3の下部には、上部差し込み部3aと同様の形態になる下部差し込み部3bが2つ設けられている。また前面板3の中央部には、前面板3を貫通するとともに四隅が円弧状になる概略矩形状の前方開口部3cが設けられている。そして前方開口部3cの下部左側、及び下部右側には、前面板3を貫通するとともに縦長矩形状になる第一孔3dが対をなすように設けられている。また、第一孔3dの上方には、第一孔3dよりも上下方向の長さが短い矩形状の第二孔3eが一対設けられていて、更に第二孔3eの上方には、第三孔3fが一対設けられている。また、第一孔3dの左右方向外側には、下方を解放した前面板スリット3gが一対設けられている。そして前方開口部3cの下方には、前面板3を貫通する横長楕円状の前方風孔3hが、列をなすように複数設けられている。
【0020】
扉4は、概略、板状をなすものであって、
図5に示すようにその上部には、縦断面形状が下向き解放のコ字状になるように折り曲げられた摘まみ4aが設けられている。また扉4の上部左側、及び上部右側には、後方に向けて折り曲げられ、その先端を下方に向けて膨出させたフック4bが対をなすように設けられている。そして扉4の下部左側、及び下部右側には、後方に向けて折り曲げられた支持片4cが対をなすように設けられている。ここで支持片4cには、左右方向外側に向けて突出する円柱状のストッパー4dが設けられていて、支持片4cの下部根元には、下方を解放した扉側スリット4eが設けられている。なお、
図5では説明上、ストッパー4dを支持片4cに取り付けた状態で図示しているが、実際には、支持片4cを前面板3の第一孔3dに挿入した状態でストッパー4dを支持片4cに固定していて、前面板3と扉4とは、使用時において一部材として取り扱うことができるように構成されている。また、扉4の中央部には、ガラス4fが設けられている。なおガラス4fは、扉4に予め形成した矩形状貫通孔を塞ぐように設けられていて、箱状に形成された保持板4gを扉4の後方からリベット止めすることによって、扉4に固定されている。
【0021】
背面板5は、概略、板状をなすものであって、その上部には、縦断面形状がL字状になるように折り曲げられた上部差し込み部5aが2つ設けられている。また、背面板5の下部には、上部差し込み部5aと同様の形態になる下部差し込み部5bが2つ設けられている。また背面板5の中央部には、背面板5を貫通し、概略矩形状をなすとともに上方隅部に傾斜部をもつ形態となる後方開口部5cが設けられている。また、後方開口部5cの下方には、背面板5を貫通する円形状の後方風孔5dが、列をなすように複数設けられている。そして、後方開口部5cの左右方向外側には、下方を解放した背面板スリット5eが一対設けられている。
【0022】
背面カバー6は、概略、上方を解放した箱形に形成されるものである。背面カバー6の下方には、下方鍔部6aが設けられている。また背面カバー6の左側及び右側には、側方鍔部6bが設けられている。
【0023】
孔開き板7は、概略、中央部が前方に向けて突出するように折り曲げられた形態をなすものである。孔開き板7には、孔開き板7を貫通するとともに円形状、或いは楕円状となる多数の通気孔7aが設けられている。また孔開き板7の左右方向外側には、下方を解放した孔開き板スリット7bが一対設けられている。
【0024】
ロストル8は、複数の板を組み合わせてはしご形に形成されるものである。本実施形態では、前後方向に延在する2つの第一板8aと、左右方向に延在する5つの第二板8bとで構成されている。なお、図示は省略するが、第一板8aと第二板8bにはそれぞれスリットが設けられていて、スリット同士を差し込んで互いに嵌め込むことではしご形にして固定することができる。
【0025】
天板9は、概略、金属板の四隅を下方に折り曲げて箱状に形成されたものである。天板9の後方には、天板9を貫通する矩形状の上方風孔9aが一対設けられている。なお、図示は省略するが、天板9の下面前方には、長孔1aの如き形態をなし、組み立てられた際に前面板3の上部差し込み部3aが挿入される長孔が設けられている。また、天板9の下面後方には、長孔1bの如き形態をなし、組み立てられた際に背面板5の上部差し込み部5aが挿入される長孔が設けられている。
【0026】
このような構成になる本実施形態の焚き火台は、
図3を参照して明らかなように、上述した部材単位で分解することができるため、これらの部材を重ね合わせてコンパクトなサイズで持ち運ぶことができる。
【0027】
また、焚き火台として使用するにあたっては、
図3に示すようにして組み立てを行う。具体的には、左側の側板2(右側の側板2から組み立て始めてもよい)の折り曲げ部2eを底板1の左側縁部の下方に引っ掛けつつ、底板1の左側端部を前方切り欠き部2cと後方切り欠き部2dに挿入して、左側の側板2と底板1とを組み合わせる。また、右側の側板2も同様にして底板1と組み合わせる。
【0028】
次いで、前面板スリット3gを前側スリット2aに差し込んで互いを嵌め合わせ、更に下部差し込み部3bを長孔1aに差し込んで、前面板3を左右の側板2と組み合わせる。また背面板5は、背面カバー6が背面板5の外側に出るように組み合わせた後、背面カバー6とともに左右の側板2と組み合わせる。具体的には、前方から後方に向けて下方鍔部6aを後方開口部5cに挿入して、背面カバー6を背面板5の外側に位置させる。この時、側方鍔部6bは背面板5に引っ掛かるため、背面カバー6は背面板5に保持される。そして、背面板5と孔開き板7を重ね合わせ、背面板スリット5e及び孔開き板スリット7bを後方切り欠き部2dに差し込んで互いに嵌め合わせ、更に下部差し込み部5bを長孔1bに差し込んで、左右の側板2と組み合わせる。
【0029】
その後は、はしご形に組み立てたロストル8を底板1に載置する。そして、上部差し込み部3aを天板9の長孔(不図示)に差し込むとともに、上部差し込み部5aを天板9の長孔(不図示)に差し込むことで、天板9を組み合わせることができる。なお、
図2に示すように背面板5と背面カバー6を組み合わせることによって、組み立てられた焚き火台の後方には、上方に向けて開口する煙突部Cが形成される。
【0030】
このような形態になる焚き火台において、
図6(a)、
図7(a)に示すように扉4を閉じた状態にすると、扉側スリット4eは、第一孔3dの縁部に差し込まれて互いに嵌め合わされ、また扉4を閉じた際に第二孔3eに差し込まれるフック4bは、第二孔3eの縁部に引っ掛かることになる。すなわち扉4は、上部と下部が前面板3に保持されることになるため、燃料を燃焼室で燃やして高温に曝されることがあっても、閉じた状態のまま維持される。
【0031】
なお、扉4を開く際には、摘まみ4に指をかけて、
図6(b)、
図7(b)に示すように扉4を上方に持ち上げる。これにより、扉側スリット4eと第一孔3dの縁部との係合が解かれ、またフック4bと第二孔3eの縁部との係合も解かれることになる。その後は、
図6(c)、
図7(c)に示すように、扉4を前方に向けて揺動させることによって扉4を開くことができる。なお、開いた扉4は、略90度回動した位置において、その下端部が前面板3の前面に当接し、ストッパー4dが前面板3の後面に当接するため、この位置で安定的に保持される。そしてこの状態にあっては、
図7(c)に示すように、扉4に隠れていた前方開口部3cが現出するため、前方開口部3cから燃料を補給することができる。
【0032】
本実施形態の扉4は、
図6(d)、
図7(d)に示すようにして閉じる事も可能である。この状態にあっては、
図6(a)、
図7(a)に示す状態よりも上方に引き上げつつ、フック4bが第三孔3fに差し込まれるようにして扉4を閉じる。この時、フック4bは、第三孔3fの縁部に引っ掛かるため、扉4を閉じた状態で維持することができる。またこの状態にあっては、
図7(d)に示すように前方風孔3hが現出した状態で扉4が保持されるため、前方風孔3hから燃焼室の下方に空気を送り込むことができ、効果的に燃料を燃やすことができる。また燃料の燃え具合を抑えたい場合は、
図6(a)、
図6(b)に示す位置で扉4を閉じれば、扉4によって前方風孔3hを閉じることができる。すなわち、扉4を閉じる位置を変えることによって、燃料の燃え具合を簡単に調整することが可能である。
【0033】
特に本実施形態にあっては、
図2に示すように、後方に煙突部Cが形成されることになるため、煙突部C内の高温の空気は浮力によって上昇し、これに伴い燃焼室の空気は、後方風孔5dや通気孔7aを介して煙突部Cの下方から煙突部C内に引込まれることになる。すなわち、燃焼室内へは前方風孔3hから空気が取り込まれるため、前方風孔3hから燃焼室を通過し、後方風孔5dや通気孔7aを介して煙突部Cから排気される空気の流れが形成されることになる。よってこの状態にあっては、燃料をより効果的に燃やすことができる。
【0034】
本発明に従う焚き火台は、これまでに説明した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に従う範疇で種々の変更を加えたものも含まれる。例えばフック4bは、本実施形態のように左右方向に1つずつ設けることが好ましいが、1つであってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1:底板
1a:長孔
1b:長孔
2:側板(外周壁)
2a:前側スリット
2b:後側スリット
2c:前方切り欠き部
2d:後方切り欠き部
2e:折り曲げ部
3:前面板(外周壁)
3a:上部差し込み部
3b:下部差し込み部
3c:前方開口部(開口部)
3d:第一孔
3e:第二孔
3f:第三孔
3g:前面板スリット
3h:前方風孔(風孔)
4:扉
4a:摘まみ
4b:フック
4c:支持片
4d:ストッパー
4e:扉側スリット
4f:ガラス
4g:保持板
5:背面板(外周壁)
5a:上部差し込み部
5b:下部差し込み部
5c:後方開口部
5d:後方風孔
5e:背面板スリット
6:背面カバー
6a:下方鍔部
6b:側方鍔部
7:孔開き板
7a:通気孔
7b:孔開き板スリット
8:ロストル
8a:第一板
8b:第二板
9:天板
9a:上方風孔
C:煙突部