(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貯留部の高圧空気を、前記貯留部の内部圧力に応じておよび使用者の外部からの操作によって外部に排出する減圧バルブが、前記貯留部の周壁に設けられている請求項1から4の何れか一項に記載の流体吐出具。
【背景技術】
【0002】
このような流体吐出具としては、例えば国際公開WO2013/001948号公報(特許文献1)に示す技術がある。
【0003】
特許文献1に記された流体吐出具は、主流路を介して噴射される水に対し、液剤タンクに貯留してある第2の液体を混合して噴射するものである。特に、主流路を通過する水の水圧が増減したときに、これに合わせて主流路に導入される第二の液体の量を調整することができ、噴射される混合水の濃度をほぼ一定に保しようとする装置である。
【0004】
この従来技術では、給水設備から供給される水を通過させる主流路に対して並列に、第二の液体を収容する液剤タンクと、主流路から分岐させた水を収容する水タンクとが備えられている。主流路からの水をまず水タンクに導入し、水タンクの内圧を高めて水タンクの空気を液剤タンクに移動させ、液剤タンクの内圧を高めて第2の液体を主流路に合流させる。例えば主流路の水量が増加する場合には、水タンクに分岐する水量も増加するため液剤タンクから押し出される第2の液体の量が増加し、水に対する第2の液体の混合濃度が安定化するというものである。
【0005】
この従来技術にはたとえば幾つかの水タンクの例が示されている。例えば、
図5には、主流路の水が水タンクに導かれ、水タンクの容積を満たしつつ水タンクの空気を液剤タンクに移動させる例が示されている。この例では、水タンクの容積と液剤タンクの容積とが予め設定されており、水タンクが水で一杯になった時点でほぼ液剤タンクの第2の液体が押し出される。
【0006】
第2の液体を補充するには、液剤タンクを一旦外し、第2の液体を補充したのち装置本体に再装着する。一方の水タンクについても、水タンクを取り外すか水タンクの底部のドレン孔を開放して一杯になった水を排出する。
【0007】
また、
図28には、水タンクの内部に変形自在な液剤タンクが2重に設けられた例が示されている。この場合、水タンクに導入された水および水タンク内で圧縮された空気によって液剤タンクが収縮し、内部の第2の液体を吐出するものである。
【0008】
この例において第2の液体を補充するには、先ず水タンクを外して内部の水を排出し、さらに液剤タンクを取り外す。このあと、第2の液体を補充して液剤タンクを装置本体に装着し、続いて水タンクをその外方に装着することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載された流体吐出具では、水の吐出に際して第2の液体を混合して吐出することができるものの、水流が生じると同時に第2の液体が混合される。つまり、第2の液体だけを任意のタイミングで吐出することができない。
【0011】
また、第2の液体を押し出す圧力は、水タンクに導入された水によって水タンクの内部の空気および液剤タンクの内部の空気が押し出される力に基づくものであり、水タンクへの水の流入に応じて液剤タンクからは第2の液体が排出されるから、第2の液体を押し出す圧力はそれ程高まることはない。
【0012】
さらに、第2の液体の補充に際して、水タンクに溜まった水も排出しなければならず装置の取り扱いが煩雑である。
【0013】
このように、従来の流体吐出具では二種類の流体の吐出態様に対して改善の余地があり、第1流体と第2流体とを異なるタイミングで吐出でき、しかも第2流体を高い圧力で吐出できる流体吐出具の提供が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(特徴構成)
本発明に係る流体吐出具の特徴構成は、
装置本体と、
前記装置本体に設けられ、第1流体を取り入れる取入口、および、前記第1流体を吐出する第1吐出口と、
前記取入口から前記第1吐出口に亘って設けられ、前記第1流体を流通させる第1流路と、
前記装置本体に着脱自在であり、第2流体を貯留する貯留部と、
前記装置本体に設けられ、前記第2流体を吐出する第2吐出口と、
前記貯留部から前記第2吐出口に亘って設けられ、前記第2流体を流通させる第2流路と、
前記第2流路に設けられ、前記第2流体の吐出状態・遮断状態を切り替える操作具と、
前記第1流路の途中に設けられ、前記第1流体の流通時の圧力によって駆動することで前記貯留部の内部に空気を供給して蓄圧する加圧機構と、
を備えている点にある。
【0015】
(効果)
本構成であれば、第1流体である例えば水を流通させる間に、この流水の圧力を利用して、第2流体である例えば洗剤を貯留した貯留部の内圧を高めておくことができる。これにより、別途電気モータを利用した加圧機構や手動によるポンピング動作を要することなく第2流体を第1流体とは別のタイミングで吐出することができる。
【0016】
また、別途のポンピング用のハンドル等を設ける必要がないため、流体吐出具のコンパクト化が容易で、操作性に優れた流体吐出具を得ることができる。
【0017】
(特徴構成)
本発明に係る流体吐出具において、
前記第1流路が、前記取入口に連通する上手流路と、前記第1吐出口に連通する下手流路とを有し、
前記加圧機構が、
前記上手流路および前記下手流路に接続された流体シリンダと、
前記流体シリンダの内部を、前記上手流路に連通する第1室と、前記下手流路に連通する第2室と、前記第1室と前記第2室との間に形成される中間室とに仕切りつつ、前記流体シリンダの内部で往復移動可能であり、
前記第1室と前記中間室とを仕切る第1仕切部、および、前記第1仕切部に設けられて前記第1室と前記中間室とを連通・遮断する第1弁体、および、
前記中間室と前記第2室とを仕切る第2仕切部、および、前記第2仕切部に設けられて前記中間室と前記第2室とを連通・遮断する第2弁体を有し、
前記往復移動の方向に沿って見たとき、前記第1室に接する面積に対して、前記中間室に接する面積を大きく構成してある流体ピストンと、
前記第1弁体および前記第2弁体の何れか一方が開き状態となり何れか他方が閉じ状態となるように前記第1弁体および前記第2弁体の状態を切り替える弁体駆動部と、
前記流体ピストンに連動する気体ピストンと、
前記気体ピストンを往復移動可能に収容するとともに、前記気体ピストンによって、前記貯留部に第3弁体を介して連通する加圧室と前記装置本体の外部に連通する背圧室とに仕切られる気体シリンダと、を備えていると好都合である。
【0018】
(効果)
本構成であれば、第1流体の流れを利用して流体ピストンおよび気体ピストンを往復移動させることができる。つまり、第1弁体が閉じ状態となり、第2弁体が開き状態にあるとき、第1流体は流体ピストンを第1流体の流通方向に押圧する。この時、第2弁体が開き状態にあるため、中間室および第2室は下手流路を介して大気圧と等しくなっている。よって、流体ピストンが第1室を拡大する方向に移動し、これによって縮小される中間室の第1流体が第2室を介して第1吐出口から吐出される。
【0019】
流体ピストンが往路方向の端部に到達すると弁体駆動部によって第1弁体と第2弁体の開き状態が切り替えられる。この結果、第1室の第1流体は開き状態にある第1弁体を通過して中間室に流入する。一方の第2弁体は閉じ状態にあるから、流入した第1流体の流出が阻止され、中間室の内部で圧力を高めようとする。
【0020】
流体ピストンの形状は、往復移動の方向に沿って見たとき、第1室に接する面積に対して中間室に接する面積を大きく構成してあるから、中間室に流入した第1流体の圧力が第1室にある第1流体の圧力に勝り、流体ピストンを中間室の体積が膨張する方向に移動させる。これにより第2室にある第1流体が第1吐出口から吐出される。
【0021】
さらに、流体ピストンが復路方向の端部に達すると、弁体駆動部によって第1弁体と第2弁体の開き状態が切り替えられる。これにより、流体ピストンが改めて往路方向に移動を始め、以降は往復動作が繰り返される。
【0022】
これに伴い、流体ピストンと連動する気体ピストンも往復移動を繰り返すから、気体シリンダC2の加圧室C21で高圧化した空気を貯留部に供給することができる。
【0023】
このように、本構成であれば、第1流体が流れている状態であれば、第1室と第2室との間で必ず圧力差が生じる。よって、第1流体の流速に拘わらず流体ピストンおよび気体ピストンが往復動作を行い貯留部が確実に加圧される。
【0024】
また、本構成のように流体ピストンが移動する結果、第1吐出口から吐出される第1流体の吐出状態が脈動する。よって、第1流体を用いて例えば自動車の洗車などを行う場合に汚れの除去効果が向上する。
【0025】
(特徴構成)
本発明に係る流体吐出具にあっては、前記貯留部が、前記加圧機構の一部を取り囲む状態に配置されていると好都合である。
【0026】
(効果)
本構成の加圧機構は、流体ピストンなどが往復動作するため、移動方向に沿って所定の寸法を要する。そこで、貯留部の形状を加圧機構の一部を取り囲むものとすることで、流体吐出具の前記移動方向に沿う長さを短縮することができる。
【0027】
また、往復移動する流体ピストンからはある程度の駆動音が生じる。よって、貯留部が加圧機構の少なくとも一部を取り囲むことで、当該駆動音の拡散を緩和することができる。
【0028】
(特徴構成)
本発明に係る流体吐出具にあっては、前記第1吐出口と前記第2吐出口とを異なる位置に設けておくことができる。
【0029】
(効果)
本構成の如く第1吐出口と第2吐出口とを別に設けることで、第1流体と第2流体との混合が防止される。よって、例えば第1流体が洗車用の水であり、第2流体が洗剤である場合等において、夫々の流体の機能が吐出ののち直ちに発揮される。よって流体吐出具の操作性が高いものとなる。
【0030】
(特徴構成)
本発明に係る流体吐出具にあっては、前記貯留部の高圧空気を、前記貯留部の内部圧力に応じておよび使用者の外部からの操作によって外部に排出する減圧バルブが、前記貯留部の周壁に設けられていると好都合である。
【0031】
(効果)
本構成の流体吐出具であれば、貯留部の蓄圧が完了した場合でも、第1流体が流れている間は流体ピストンおよび気体ピストンの往復動作が維持される。よって、貯留部の内圧が過剰に高まる事態が懸念される。そこで、本構成のように減圧バルブを設けることで、貯留部の内圧が所定値に達した段階で開弁し、内圧を一定に維持することができる。この結果、第2流体の吐出の勢いを常に一定に維持することができる。
【0032】
また、貯留部に第2流体を補充すべく貯留部を装置本体から取り外す場合には、内部の圧力を下げておき、残留している第2流体の吹き出しを防止するのが良い。そのために、減圧バルブを外部から操作可能にすることで貯留部の高圧空気だけを排出することができ、貯留部の取り外し操作が容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔概要〕
本発明の流体吐出具Tは、第1流体L1を吐出する第1吐出口N1および第2流体L2を吐出する第2吐出口N2を備えつつ、第1流体L1の圧力を利用して第2流体L2を吐出させる点に特徴がある。以下、本発明に係る流体吐出具Tの実施形態につき図面を参照しながら説明する。
【0035】
〔第1実施形態〕
(全体概要)
本実施形態に係る流体吐出具Tの外観を
図1に示す。流体吐出具Tは、例えば操作者が保持するハンドル1を備えた可搬式のものであり、第1流体L1としての水を吐出し、第2流体L2として洗剤を吐出することができる。
【0036】
図2に示すように、流体吐出具Tは、装置本体T1と、当該装置本体T1に設けられた加圧機構Kと、装置本体T1に脱着自在に取り付けられる貯留部T2とで構成される。流体吐出具Tには第1流体L1の一例である水を供給するホースHを接続する取入口2が設けられている。装置本体T1の下部には第2流体L2の一例である液状の洗剤を貯留する貯留部T2が取り付けられる。貯留部T2の取り付けは、ねじ込み式やバヨネット式など各種の方式が用いられる。装置本体T1のうちハンドル1と反対側には、水を吐出する第1吐出口N1と、洗剤を吐出する第2吐出口N2とが並設されている。ハンドル1の近傍には第2吐出口N2を開閉制御する操作具3としてのトリガ部材3aが設けられている。
【0037】
図2には、装置本体T1の内部の構造を示す。装置本体T1の内部には、第1流体L1が流通する第1流路R1と、第2流体L2が流通する第2流路R2とが設けられている。このうち、第1流路R1には、水の流通圧力を利用して駆動する加圧機構Kが設けられている。第1流路R1のうち、加圧機構Kに対して上流側を上手流路R1aと称し、下流側を下手流路R1bと称する。
【0038】
(加圧機構)
加圧機構Kは、水の流通時の圧力によって駆動される。本実施形態の加圧機構Kでは、水の水流圧を受けた流体ピストンP1が往復移動し、これに連動する気体ピストンP2によって貯留部T2の内圧を上昇させる。貯留部T2の内圧は所定の圧力まで昇圧可能であり、トリガ部材3aを操作することで任意のタイミングで洗剤を吐出することができる。
【0039】
本構成であれば、水を流通させている限り畜圧が行われ、別途電気モータ等を利用した加圧機構Kや手動によるポンピング動作を要することなく、洗剤を水とは別のタイミングで吐出することができる。また、別途のポンピング用の操作具等を設ける必要がないため流体吐出具Tのコンパクト化および軽量化が容易である。よって操作性・収納性に優れた流体吐出具Tを得ることができる。さらに、畜圧が完了すれば、装置本体T1をホースHから分離して洗剤を吐出できるため、操作性にも優れ、持ち運びも可能となるため水源から離れた場所や水源がない場所でも使用できる。
【0040】
図3には加圧機構Kの外観を示し、
図4および
図5に加圧機構Kの詳細を示す。加圧機構Kは、第1流体L1である水によって流体ピストンP1が駆動されるピストン駆動部K1と、この流体ピストンP1に連動させて気体ピストンP2を駆動する気体圧縮部K2とを有する。さらにピストン駆動部K1には、後述する第1弁体V1と第2弁体V2とを選択的に開閉させる弁体駆動部KVが設けられている。
【0041】
ピストン駆動部K1は、
図2乃至
図5に示すように、上手流路R1aおよび下手流路R1bに接続された筒状の流体シリンダC1を備える。流体シリンダC1は外部の外筒C11と内部の内筒C12とで略二重に構成される。外筒C11と内筒C12とは互いに螺合されて一体に形成される。流体シリンダC1の内部には流体ピストンP1が配置されている。流体ピストンP1も筒状であり、外方にフランジ状に突出する第1仕切部P11を備えている。第1仕切部P11の外周部には環状のゴム部材などで構成される第1シールS1が設けてある。この第1仕切部P11は第1シールS1を介して外筒C11の内面に当接し、流体シリンダC1の軸芯Xの方向に沿って往復摺動する。
【0042】
流体ピストンP1の下端部の外周面には、環状のゴム部材等で構成された第2シールS2が設けてある。この第2シールS2は内筒C12の内面に当接し、流体シリンダC1の軸芯Xの方向に沿って往復摺動する。これにより、外筒C11の内面と、流体ピストンP1の外面および第1仕切部P11と内筒C12の外面とで、第1流体L1が流体シリンダC1の内部に最初に進入する第1室A1が形成される。尚、流体ピトンは内筒C12に対して外挿する構成であってもよい。
【0043】
一方、流体ピストンP1の下端部の内面側は、第1流体L1を下手流路R1bに排出する第2室A2が形成される。具体的には、第2室A2は、流体ピストンP1の内面と、流体ピストンP1の往復方向に沿って流体ピストンP1の内部空間を分割する第2仕切部P12と、内筒C12の内面とで形成される。第2仕切部P12の一部からは気体ピストンP2のロッドP21が延出している。
【0044】
さらに、外筒C11と流体ピストンP1との間には、第1流体L1を第1室A1と第2室A2とに亘って受け渡しする中間室A3が形成される。具体的には、流体ピストンP1の天井面、および、流体ピストンP1の第1仕切部P11、流体ピストンP1の内面、第2仕切部P12とで中間室A3が形成される。
【0045】
図4および
図5、
図7に示すように、ピストン駆動部K1は、第1仕切部P11に設けられた第1弁体V1と、第2仕切部P12に設けられた第2弁体V2と、これら第1弁体V1と第2弁体V2とを保持するキャリッジKV1とを有する。このキャリッジKV1には、このキャリッジKV1を流体ピストンP1の移動方向に沿って往復移動させるノッカーKV2が係合させてある。さらにこのノッカーKV2には、ノッカーKV2の姿勢を切り替えるべく流体ピストンP1の移動方向に沿って往復移動する切替バーKV3がバネ部材KV4を介して接続されている。
【0046】
第1弁体V1は、例えば
図7に示すように、キャリッジKV1の左右に延出した第1弁体保持部KV11に取り付けられている。取り付けが容易となるよう第1弁体保持部KV11の端部には略円筒状のキャッチKV12が形成され、第1弁体V1の胴部V11を無理嵌めすることができるようスリットKV13が形成してある。
図4、
図5、
図7に示すように胴部V11からは下方にくびれ部V12が設けられ、その先に第1傘部V13が設けてある。第1傘部V13の傾斜部には環状の第1弁体シールS3aが取り付けられており、キャリッジKV1が
図4に示すように上方に移動したときに第1弁体シールS3aが第1仕切部P11に設けた第1弁座P1aに密着するように構成してある。
【0047】
図5に示すように第1弁体シールS3aが第1弁座P1aから離間しているときには、第1弁座P1aの内縁部と第1弁体V1のくびれ部V12との間には、第1流体L1が第1仕切部P11を介して流通する隙間が形成される。尚、本実施形態では、第1弁体V1を二個設けた例を示したが一つであっても良いし三個以上であっても良い。
【0048】
第2弁体V2は、例えば
図4および
図5、
図7に示すように、キャリッジKV1の下方に延出した第2弁体保持部KV14に取り付けられている。取り付けが容易となるよう第2弁体保持部KV14にも略円筒状のキャッチKV12が形成され、第2弁体V2の胴部V21を無理嵌めすることができるようスリットKV13が形成してある。
図7に示すように胴部V21の下端部には第2傘部V23が設けてある。第2傘部V23の傾斜部には環状の第2弁体シールS3bが取り付けられており、キャリッジKV1が
図5に示すように下方に移動したときに第2弁体シールS3bが第2仕切部P12に設けた第2弁座P1bに密着するように構成してある。第2傘部V23の下方にはくびれ部V22が設けられ、その先に大径端部V24が形成してある。
【0049】
図4に示すように第2弁体シールS3bが第2弁座P1bから離間しているときには、第2弁座P1bの内縁部と第2弁体V2のくびれ部V22との間には、第1流体L1が第2仕切部P12を介して流通する隙間が形成される。尚、本実施形態では第2弁体V2を一個設けた例を示したが二つ以上であっても良い。
【0050】
キャリッジKV1および第1弁体V1、第2弁体V2をこのように構成することで、キャリッジKV1の動作範囲が規定される。例えば、
図4に示すように第1弁体V1が第1弁座P1aに密着する位置がキャリッジKV1の上端位置であり、
図5に示すように第2弁体V2が第2弁座P1bに密着する位置がキャリッジKV1の下端位置である。
【0051】
キャリッジKV1は
図7に示すように二つの第1弁体保持部KV11と一つの第2弁体保持部KV14とを備えており、その中央に籠状のノッカー係止部KV15を備えている。このノッカー係止部KV15には、後述するノッカーKV2の揺動側の先端部が挿入され、姿勢変化するノッカーKV2の先端部によってノッカー係止部KV15の天井面あるいは床面が押されてキャリッジKV1が移動する。
図7に示すように、キャリッジKV1の両側面には、キャリッジKV1の並進移動をガイドする直線状の第1凸部KV16が夫々設けられている。一方、流体ピストンP1に設けた立壁部P13の内面には図示は省略するが第1凸部KV16と係合する溝部が設けられている。
【0052】
ノッカーKV2は、
図7に示すようにコの字状に形成され、一対の腕部KV21の端部に設けた軸部KV22が立壁部P13に軸支されている。腕部KV21のうち軸部KV22と反対の端部において一対の腕部KV21を繋ぐ連結部KV23がキャリッジKV1の天井面あるいは床面に択一的に当接する。連結部KV23の近傍には一対の腕部KV21に亘って第1ピンKV24が設けられている。この第1ピンKV24は後述する切替バーKV3に設けた第2ピンKV31とバネ部材KV4によって連結される。
【0053】
切替バーKV3はノッカーKV2の姿勢を変更するものであり、
図4および
図5に示すように長尺状の部材である。図示は省略するが、切替バーKV3の両側面には自身の並進運動をガイドする長尺状の凸部が夫々設けられている。一方、流体ピストンP1の立壁部P13の内面には当該凸部が係合する溝部が設けられている。さらに、切替バーKV3の中間位置から一方側は流体ピストンP1の第2仕切部P12を貫通している。この貫通部位には中間室A3と第2室A2とを密封状態に仕切るため第4シールS4が設けてある。
【0054】
(流体ピストンの動作)
これらの構造を有するピストン駆動部K1の動作態様を
図6に模式的に示す。
図6(a)〜(f)は、流体ピストンP1が上端位置に向けて移動し、上端位置で第1弁体V1および第2弁体V2の開閉状態を切り替える様子を示している。
【0055】
図6(a)は、流体ピストンP1が第1流体L1に押されて上方に移動している状態を示す。ノッカーKV2が、キャリッジKV1に設けられたノッカー係止部KV15の天井面にバネ部材KV4によって押し付けられている。これにより第1弁体V1が第1弁座P1aに密着し、第2弁体V2が第2弁座P1bから離間している。バネ部材KV4が接続された切替バーKV3は、バネ部材KV4が最も短くなる位置で安定している。つまり、バネ部材KV4の両端が係止されているノッカーKV2の第1ピンKV24と切替バーKV3の第2ピンKV31とを結ぶ仮想線が切替バーKV3の延出方向に直交している。
【0056】
この状態では、第1流体L1が第1仕切部P11を押圧して流体ピストンP1が上昇する。一方、中間室A3および第2室A2は、第2弁体V2が開き状態にあるため下手流路R1bを介して大気圧と等しくなっている。よって、流体ピストンP1が第1室A1を拡大する方向に移動し、これによって縮小される中間室A3の第1流体L1が第2弁座P1bを介して第2室A2に排出される。
【0057】
第1弁体V1の頭部は、第1流体L1によって第1室A1の側から第1弁座P1aに押し付けられる。よって、この押圧力はノッカーKV2およびバネ部材KV4によって第1弁体V1を第1弁座P1aに密着させる押圧力を補助するものとなり、第1弁体V1の密封度がより向上する。
【0058】
図6(b)は、切替バーKV3の先端が外筒C11の一部に設けられた上ストッパ4aに当接した瞬間の状態を示す。
【0059】
図6(c)は、さらに流体ピストンP1が上昇し、ノッカーKV2の第1ピンKV24と切替バーKV3の第2ピンKV31とを結ぶ仮想線の上にノッカーKV2の軸部KV22が重なった状態を示している。これはノッカーKV2が所謂デッドポイントにある状態でバネ部材KV4は最も長く伸ばされた状態である。
【0060】
図6(d)は、流体ピストンP1がさらに上昇してノッカーKV2のデッドポイントを超えた瞬間の状態である。この状態にある時間は極めて僅かである。
【0061】
図6(e)は、バネ部材KV4によってノッカーKV2がノッカー係止部KV15の床面に当接した状態を示す。これにより、第1弁体V1が開き状態となり、第2弁体V2が閉じ状態となる。第1流体L1は第1弁体V1と第1弁座P1aとの隙間から中間室A3に流入する。流入した第1流体L1は流体ピストンP1の略全面に対して下向きの押圧力を作用させる。これに対して、第1流体L1が第1仕切部P11を上向きに押す領域の面積は小さい。よって、流体ピストンP1は図中の下方に向けて反転する。このように、第1流体L1が流れている状態であれば、第1室A1と第2室A2との間で必ず圧力差が生じる。よって、第1流体L1の流速に拘わらず流体ピストンP1を往復動作させることができる。
【0062】
図6(f)は、流体ピストンP1がさらに押し下げられ、第1ピンKV24と第2ピンKV31とを結ぶ仮想線が切替バーKV3の延出方向に直交する状態を示す。この状態ではバネ部材KV4の長さが最短となり、流体ピストンP1に対して切替バーKV3の位置が安定する。この状態となるまで切替バーKV3の先端部は上ストッパ4aに当接した状態を維持する。さらに流体ピストンP1が下方に移動すると、切替バーKV3が上ストッパ4aから離間し、流体ピストンP1と共に下降する。
【0063】
第1弁体V1の第1弁座P1aに対する押し付け力と、第2弁体V2の第2弁座P1bに対する押し付け力とは通常は等しくする。そのためには、例えば、ノッカーKV2がノッカー係止部KV15の天井面に当接する際(例えば
図6(d))の姿勢と、床面に当接する際(例えば
図6(e))の姿勢とが、切替バーKV3に直交する方向を挟んで対称となるようにする。このようにすることで、切替バーKV3が上ストッパ4aあるいは下ストッパに当接した後に動作を反転させるまでの流体ピストンP1の移動ストロークが同じになり、反転時に各部に作用する力の大きさや反転動作時間が等しくなる。
【0064】
流体ピストンP1が下端位置に向けて移動し、下端位置で第1弁体V1および第2弁体V2の開閉状態を切り替える様子は
図6と同様に説明できるため省略する。
【0065】
尚、第1流体L1が第1室A1の側から第1仕切部P11を押圧する際の全押圧力と、第1流体L1が中間室A3の側から第2仕切部P12を押圧する際の全押圧力とに差が生じる場合がある。その場合には、押圧力の差に応じてノッカーKV2の当接姿勢を変化させて流体ピストンP1の反転に要する時間を調節することもできる。
【0066】
さらに、流体ピストンP1が上方あるいは下方に移動する速度は、第1仕切部P11の面積あるいは第2仕切部P12の面積、さらには第1弁体V1の開口面積や第2弁体V2の開口面積に応じて変化する可能性がある。その場合、第1流体L1の吐出量が周期的に変化して使用者が違和感を抱く可能性がある。よって、ピストン駆動部K1がバランスよく往復移動するように各部の構成を適宜調節するのが望ましい。
【0067】
バネ部材KV4については、引張強さが弱いほど、流体ピストンP1の反転動作が迅速になる。ただし、弱すぎる場合、第1流体L1が第1室A1から第1弁体V1を押す力に勝つことができず、第1弁体V1の開き動作が不可能になる。これは第1流体L1の流量が多くなるほど顕著になる。よって、バネ部材KV4の引張強さは第1弁体V1および第2弁体V2の大きさや第1流体L1の流通量の変動幅等に応じて適宜設定すると良い。
【0068】
尚、本構成のように流体ピストンP1が往復移動する結果、第1吐出口N1から吐出される第1流体L1の吐出状態が脈動する。よって、第1流体L1を用いて例えば自動車の洗車などを行う場合に汚れの除去効果が向上する。
【0069】
(気体ピストン)
図2および
図4、
図5に示すように、流体シリンダC1の内筒C12には気体シリンダC2が接続され、その内部には気体ピストンP2が設けられている。気体ピストンP2は流体ピストンP1と一体に形成されている。気体ピストンP2は、気体シリンダC2の内部を、貯留室A4に第3弁体V3を介して連通する加圧室C21と装置本体T1の外部に連通する背圧室C22とに仕切っている。
【0070】
図8に示すように、気体ピストンP2の外周部には溝部P22が形成してあり、環状の第5シールS5が装着されている。第5シールS5は加圧室C21と背圧室C22とを確実に仕切るよう各種のゴム材料などで形成される。第5シールS5は、気体ピストンP2の往復移動に際して溝部P22の内部で移動可能である。即ち、気体ピストンP2が加圧室C21を加圧する際には、第5シールS5は溝部P22の第1面P22aに当接し、加圧室C21と背圧室C22とを確実に密封する。
【0071】
加圧室C21で加圧された空気は、気体シリンダC2の先端に少なくとも一つ形成された第1開口C23から貯留室A4に排出される。第1開口C23の外部には、例えば弾性を有するゴム材料などで形成された傘状の第3弁体V3を設けてあり、加圧室C21の空気を貯留室A4に排出する際には第3弁体V3が開き動作する。気体ピストンP2が引かれる際には第3弁体V3が貯留室A4の気圧に押され第1開口C23を密閉する。
【0072】
一方、気体ピストンP2が加圧室C21を広げる側に引かれる場合には、第5シールS5は溝部P22の第2面P22bに当接し、第1面P22aとの間には隙間を生じさせる。このとき、溝部P22の底部に形成した通気口P23(第2面P22bに形成したスリットでもよい)が加圧室C21と連通する。気体ピストンP2の外径寸法は気体シリンダC2の内径寸法よりも僅かに小さく形成されており、両者の間には隙間が存在する。よって、通気口P23はさらに背圧室C22とも連通する。背圧室C22の上方位置には装置本体T1の外部と通じる第2開口C24が設けてあり、気体ピストンP2が上昇する際には、外部の空気が通気口P23を介して加圧室C21に導入されることで気体ピストンP2が円滑に上昇する。
【0073】
(貯留部)
図2および
図9に示すように、第2流体L2を貯留し、気体ピストンP2によって内圧を高める貯留部T2は、装置本体T1に螺合固定される。装置本体T1の下端部に貯留部T2を羅合するネジ部T13が形成してある。これにより、貯留部T2に所定量の第2流体L2を注入したのち貯留部T2を、装置本体T1に螺合する。貯留部T2の下方には台座部22が設けられ、流体吐出具Tの載置姿勢を安定なものにしている。
【0074】
装置本体T1は、耐圧性を高めるために略球状に形成されており、装置本体T1の底部T11から気体シリンダC2の端部が貯留室A4の側に突出している。気体シリンダC2の外面と装置本体T1の底部T11に設けた開口T12の内面との間には第6シールS6が設けられている。装置本体T1の内方空間には流体シリンダC1と気体シリンダC2とが配置されるが、これらシリンダの外面と装置本体T1の内面とで形成される空間は装置本体T1の外部と通じている。気体シリンダC2の一部に設けた第2開口C24は装置本体T1のこの内方空間に開口している。
【0075】
(第2流路)
図9に示すように、貯留室A4に貯留された第2流体L2は、貯留部T2の底部近傍に端部を位置させた筒状の第2流路R2を介して吐出される。第2流路R2の端部には、貯留室A4に存在する異物を除去するフィルタR21が設けてある。第2流路R2のもう一方の端部は、装置本体T1の一部に設けた取付孔T14に固定される。この端部には、各種の樹脂材料で構成された筒状のジョイント5が外挿してあり、さらにこのジョイント5が取付孔T14に挿入固定される。ジョイント5と取付孔T14との隙間6は、加圧された貯留室A4の空気が通過可能である。これにより、第2流路R2の内部を流通する第2流体L2と当該隙間6を通過した空気とが混合され、泡状あるいは霧状の第2流体L2が第2吐出口N2から吐出される。
【0076】
(第2吐出口)
図10に示すように、第2流路R2の途中には第4弁体V4が設けられている。第4弁体V4は、バネ部材7によって第2ノズル基部N22aの内面に形成された第4弁座N21に向けて常時付勢される。
図10に示すように第4弁体V4の一方の端部は、操作具3であるトリガ部材3aに係止されている。操作者がトリガ部材3aを操作することで、トリガ部材3aの先端が第4弁体V4を引き込み、第2流体L2が第2吐出口N2から吐出される。
【0077】
第2ノズル基部N22aの先端には、第2ノズルN22が回転自在に設けられている。第2ノズルN22の先端には第2吐出口N2が形成されている。第2吐出口N2の周囲には、第2流体L2が例えば楕円状の領域あるいは直線状の領域に吐出されるように一対の壁部N23が設けられている。第2ノズルN22を回転させることで第2流体L2の吐出領域が回転し、操作者から見て第2流体L2を縦に広げた状態や横に広げた状態に吐出させることができる。
【0078】
本実施形態では、第2吐出口N2は第1吐出口N1とは異なる位置に設けてある。これにより、第1流体L1と第2流体L2とは完全に独立して吐出することができる。よって、例えば第1流体L1が洗車用の水であり、第2流体L2が洗剤である場合等において、夫々の流体の機能が吐出ののち直ちに発揮される。特に、洗剤を吐出したのちに水を吐出する場合には洗剤の早期除去が可能となるなど流体吐出具Tの操作性が高いものとなる。
【0079】
尚、第2ノズルN22の別実施形態としては、例えば
図12に示す構成とすることができる。ここでは、第4弁体V4が当接する第4弁座N21を第4弁座体N26に設け、この第4弁座体N26を装置本体T1に羅合する構造とする。さらに第4弁座体N26の外側には、ノズルキャップN25を装置本体T1に螺合して設ける。第4弁座体N26の先端部は略球殻状に形成し、ここに球状部N24aを有する回動ノズルN24を配置する。第4弁座体N26の先端とノズルキャップN25の内面および球状部N24aの外面で形成される空間には第7シールS7を設け、第2流体L2がノズルキャップN25と球状部N24aとの隙間から漏れ出るのを防止する。本構成であれば、操作者が回動ノズルN24の位置を変えることで第2流体L2の吐出方向を変更することができる。
【0080】
また、第2ノズルN22の別実施形態としては、例えば
図13に示す構成とすることができる。ここでは、第2ノズルN22に設けた第2吐出口N2の向きを第2ノズル基部N22aの延出方向に対して傾けておく。これにより、操作者が第2ノズルN22を回転させることで、第2流体L2の吐出方向を変更することができる。
【0081】
(第1吐出口)
一方、第1吐出口N1は、
図2に示すように例えばストレート形状の水流とシャワー形状の水流とを選択できる一般の切替機構N11を備えて構成する。本構成の流体吐出具Tを特に洗車に用いる場合、ストレート水流は流速を遅く設定する方が洗剤の除去効果に優れたものとなる。また、シャワー水流の場合にはシャワー水流全体の径が大きく、個々の水流径が大きいものが望ましい。
【0082】
(減圧バルブ)
図11に示すように、装置本体T1の側面には貯留室A4の空気を排出して内圧を下げる減圧バルブ8を設けてある。具体的には、装置本体T1に第5弁座T15を設け、これに当接離間可能な第5弁体V5を設けてある。第5弁体V5は、バネ部材9によって常に第5弁座T15の側に付勢されている。バネ部材9の一方は装置本体T1に螺合されるアジャストキャップ10の内面に当接している。アジャストキャップ10を適宜回転させることで、自身の内面の位置が変化し、第5弁体V5に対する押圧力を調節することができる。これにより、貯留部T2の内圧が所定の値にまで高まったとき、自動的に減圧することができる。この結果、第2流体L2の吐出の勢いを常に一定に維持することができる。
【0083】
また、第5弁体V5の端部には、操作者が引っ張り操作可能なつまみV51が設けられている。これにより、例えば、貯留部T2を取り外す前に貯留部T2の内圧を下げることができ、貯留室A4にある第2流体L2の吹き出し等を防止しながら貯留部T2を取り外すことができる。
【0084】
(構成材料)
本実施形態の流体吐出具Tにおいては、例えば、第1弁体V1および第2弁体V2、切替バーKV3、ノッカーKV2、キャリッジKV1、流体ピストンP1および気体ピストンP2、装置本体T1などは、金属材料、樹脂材料、ゴム材料等により形成することができる。特に耐久性の観点からは樹脂材料または金属材料が好ましい。また、材料コストと生産性の観点からは樹脂材料が好ましい。さらに、樹脂材料の中でも成形の容易性の観点からは熱可塑性樹脂材料が好ましい。熱可塑性樹脂材料の中では生産性の理由からポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ABS樹脂が好ましく、その中でも耐衝撃性・耐摩耗性・自己潤滑性を有する点でPOMやABS樹脂が好ましい。特にコスト削減が可能な点ではABS樹脂が好ましい。
【0085】
貯留部T2の材料としては、金属材料、樹脂材料、ゴム材料などを用いることができる。特に、耐久性の観点からは樹脂材料または金属材料が好ましい。その中でも、材料コストと生産性において樹脂材料が好ましい。さらに、樹脂材料の中でも成形の容易性から熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の中では生産性の観点からメタクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、PP、POM、ABS樹脂が好ましい。耐圧性の観点からは、PC、PE、POMが好ましく、さらに貯留部T2のように比較的大きな部品の成形性に優れ、コストの低減も可能という観点からPEが好ましい。
〔第2実施形態〕
【0086】
(バイパス流路)
第1実施形態の流体吐出具Tでは、第1流体L1が流通している間は流体ピストンP1が作動する。よって、その間は流体ピストンP1の作動音および振動が常に発生することとなる。特に、貯留室A4の内圧が十分に高まった後では、流体ピストンP1の動作は不要であり、当該動作のために第1流体L1の流速が阻害されて吐出の勢いが削減されることにもなる。そこで、
図14に示すようなバイパス流路R3を設けても良い。
【0087】
第1流路R1の上手流路R1aの途中に開閉可能なバイパス開口11を設け、流体ピストンP1を迂回して下手流路R1bに合流するバイパス流路R3を形成する。
図14の例は、バイパス流路R3と称するものの単にバイパス開口11が形成されるシンプルな構成である。バイパス開口11には、例えば一定パターンの孔部を設けておき、同じパターンの孔部を有するシャッター13を重ねて配置する。このシャッター13をバイパス開口11に対して相対移動させ、双方の孔部が連通する状態と非連通となる状態とを切り替える。
【0088】
シャッター13は、例えば貯留室A4の一部に設けたバイパスピストン14によって駆動する。バイパスピストン14と装置本体T1の底部T11との間にはバネ部材15が設けてあり、バイパスピストン14は常に貯留室A4の側に付勢される。バイパスピストン14の端面は貯留室A4に面しており、貯留室A4の内部の空気によってバイパスピストン14は押し込み方向に力を受ける。バイパスピストン14にはシャッター13が接続してある。本構成により、貯留室A4の内部の高圧空気によってバイパスピストン14が押し上げられるとシャッター13が押され、バイパス流路R3が連通する。この状態になれば、流体ピストンP1の第1室A1と第2室A2との間に所定の圧力差が形成されず、流体ピストンP1は流体シリンダC1の内部の何れかの位置で停止する。
【0089】
本構成であれば、貯留室A4の内圧が所定圧に高まると流体ピストンP1を停止させることができる。よって、流体ピストンP1の作動音や振動の発生が極力抑えられ、第1流体L1の流通抵抗の増大を抑えた流体吐出具Tを得ることができる。
【0090】
〔第3実施形態〕
流体吐出具Tの全体の構成としては、
図15に示すように、加圧機構Kの多くの領域を貯留室A4が取り囲むように構成することができる。
【0091】
加圧機構Kは、流体ピストンP1などが往復動作するため、移動方向に沿って所定の寸法を要する。そこで、貯留部T2によって形成される貯留室A4の形状を加圧機構Kの一部を取り囲むものにすることで、流体ピストンP1などの移動方向沿った流体吐出具Tの長さを短縮することができる。また、往復移動する流体ピストンP1からは所定の駆動音が生じる。よって、貯留室A4が加圧機構Kの少なくとも一部を取り囲むことで、当該駆動音の拡散を緩和することができる。
【0092】
尚、
図15に示す例では、トリガ部材3aの形状が異なっている。このトリガ部材3aは、中央の加圧機構Kと取り巻くように環状に構成されており、トリガ部材3aの反対側の端部3a1が装置本体T1の溝部に係合している。トリガ部材3aの操作側の端部を、ハンドル1を握りつつ親指で押し下げると、トリガ部材3aは端部3a1を中心に回動する。これにより、第4バルブのV4の端部V41が引かれ、第2流体L2が第2吐出口N2から吐出される。
【0093】
〔第4実施形態〕
貯留室A4の内圧を高める構造としては、
図16に示すように、第1流路R1に回転羽根17を設けるものであっても良い。回転羽根17としては、例えば回転軸17aに沿って第1流体L1を供給し、径外方向に流動させつつ回転可能なものを利用する。この回転軸17aには第1ギヤ18を設けておき、さらに第1ギヤ18に歯合するものとして傘歯車であって第1ギヤ18の回転軸17aに直角な回転軸を有する第2ギヤ19を設けておく。第2ギヤ19の裏面にはクランク支軸20を設けておき、ここにクランクアーム21を連結し、さらにクランクアーム21の他端側に気体ピストンP2を軸支連結する。気体ピストンP2の構造・機能は、第1実施形態に示したものと同じである。
【0094】
本構成の場合、回転羽根17が円滑に回転するため、第1実施形態の流体ピストンP1のように作動音や振動が発生しない。また、第1流体L1を流通させる際には回転羽根17が連続的に回転するため吐出される第1流体L1に脈動が生じない。さらに、第1実施形態のような切替バーKV3が存在しないため加圧機構Kの高さが抑えられ、コンパクトな流体吐出具Tを得ることができる。
〔その他の実施形態〕
【0095】
本発明の流体吐出具Tは、例えば浴室で利用することもできる。本機構を混合栓の根元に接続しておき、入浴中に使用される湯量によって畜圧して洗顔フォームやボディーソープ等の泡洗剤を吐出するように構成することができる。