(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904818
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】半導体装置および電子装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/50 20060101AFI20210708BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20210708BHJP
【FI】
H01L23/50 K
G01K1/14 Z
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-131585(P2017-131585)
(22)【出願日】2017年7月5日
(65)【公開番号】特開2019-16657(P2019-16657A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2020年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴博
【審査官】
多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−311384(JP,A)
【文献】
特開2015−165551(JP,A)
【文献】
特開2016−001166(JP,A)
【文献】
特開昭63−258050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/00−23/04、23/48−23/50
G01K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと、
前記半導体チップに設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記半導体チップを封止する樹脂体と、
前記樹脂体の第1の頂点を共有する三つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記三つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
前記三つの面の各々の面から前記半導体チップ内の所定の箇所までの三つの距離のうち少なくとも二つの距離が異なり、
前記所定の箇所には、温度センサが設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体チップに設けられた端子が複数で構成されて端子群をなし、前記三つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードが複数で構成されてリード群をなし、前記端子群の端子と前記リード群のリードがそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記三つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリード群の配置パターンが同じであることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記三つの面の各々の面に露出して設けられたリード群の配置パターンが異なることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体チップと、
前記半導体チップに設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記半導体チップを封止する樹脂体と、
前記樹脂体の六つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記六つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
前記六つの面の各々の面から前記半導体チップ内の所定の箇所までの六つの距離のうち少なくとも二つの距離が異なり、
前記所定の箇所には、温度センサが設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
前記半導体チップに設けられた端子が複数で構成されて端子群をなし、前記六つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードが複数で構成されてリード群をなし、前記端子群の端子と前記リード群のリードがそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1面と前記第2面に露出して設けられたリード群の配置パターンが同じであることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第3面と前記第4面に露出して設けられたリード群の配置パターンが同じであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第5面と前記第6面に露出して設けられたリード群の配置パターンが同じであることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1面乃至前記第6面に露出して設けられたリード群の配置パターンが異なることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項11】
半導体チップと、
前記半導体チップに設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記半導体チップを封止する樹脂体と、
前記樹脂体の前記第1面乃至前記第4面の四つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記第1面乃至第4面の四つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
少なくとも、前記第1面から前記半導体チップ内の所定の箇所までの距離と前記第3面から前記半導体チップ内の所定の箇所までの距離が異なり、
前記所定の箇所には、温度センサが設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記半導体チップに設けられた端子が複数で構成されて端子群をなし、前記第1面乃至前記第4面の各々の面に一部が露出して設けられたリードが複数で構成されてリード群をなし、前記端子群の端子と前記リード群のリードがそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1面と前記第2面に露出して設けられたリード群の配置パターンが同じであることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第3面と前記第4面に露出して設けられたリード群の配置パターンが同じであることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1面乃至前記第4面に露出して設けられたリード群の配置パターンが異なることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の取り付け高さを有する半導体装置および電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置を基板に実装する場合の取り付け高さについて説明する。
図8(a)に示すように、基板挿入型の半導体装置3は、そのリード7が基板10に設けられたスルーホールを貫通して裏面に突き出るようにして、基板10に半田によって取り付けられる。この半導体装置3には温度センサ1を有する半導体チップ2が内蔵されている。
図8(b)は側面図で、被検査対象である発熱体11の温度を感度良く検知するために発熱体11と半導体チップ2の温度センサ1とを近接させ、両者の基板からの高さH1を同一にしている。被検査対象である発熱体11の高さが変化すれば、温度センサ1の基板10からの高さは変更となる。
図8(c)は、温度センサ1の基板10からの取り付け高さを短くした例である。基板10のスルーホールにリード7を深く挿入して取り付け高さH2を得ている。この場合、取り付け高さを精度良く調整して実装する必要がある。
【0003】
取り付け高さを精度良く調整して実装するために、複数のリードの中間部分を側方に突出するように円弧状に屈曲させ、その屈曲部を利用して基板に半導体装置を固定するという半導体リード構造が開示されている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−93978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された半導体リード構造では基板への取り付け高さを一つの所定の高さとすることができるのみで、複数の取り付け高さを選択できない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、複数の取り付け高さを有する半導体装置および電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では以下の手段を用いた。
まず、半導体チップと、
前記半導体チップに設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記半導体チップを封止する樹脂体と、
前記樹脂体の第1の頂点を共有する三つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記三つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
前記三つの面の各々の面から前記半導体チップ内の所定の箇所までの三つの距離のうち少なくとも二つの距離が異なることを特徴とする半導体装置とした。
【0007】
また、半導体チップと、
前記半導体チップに設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記半導体チップを封止する樹脂体と、
前記樹脂体の六つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記六つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
前記六つの面の各々の面から前記半導体チップ内の所定の箇所までの六つの距離のうち少なくとも二つの距離が異なることを特徴とする半導体装置とした。
【0008】
また、半導体チップと、
前記半導体チップに設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記半導体チップを封止する樹脂体と、
前記樹脂体の前記第1面乃至前記第4面の四つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記第1面乃至第4面の四つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
少なくとも、前記第1面から前記半導体チップ内の所定の箇所までの距離と前記第3面から前記半導体チップ内の所定の箇所までの距離が異なることを特徴とする半導体装置とした。
【0009】
また、電子部品と、
前記電子部品に設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記電子部品を内蔵する構造体と、
前記構造体の第1の頂点を共有する三つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記三つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
前記三つの面の各々の面から前記電子部品内の所定の箇所までの三つの距離のうち少なくとも二つの距離が異なることを特徴とする電子装置とした。
【0010】
また、電子部品と、
前記電子部品に設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記電子部品を内蔵する構造体と、
前記構造体の六つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記六つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
前記六つの面の各々の面から前記電子部品内の所定の箇所までの六つの距離のうち少なくとも二つの距離が異なることを特徴とする電子装置とした。
【0011】
また、電子部品と、
前記電子部品に設けられた端子と、
第1面、前記第1面に対向する第2面、前記第1面と前記第2面に直交して互いに対向する第3面と第4面、前記第1面から前記第4面に直交して互いに対向する第5面と第6面からなる六つの面を有する直方体形状をなし、前記電子部品を内蔵する構造体と、
前記構造体の前記第1面乃至前記第4面の四つの面の各々の面に、一部が露出して設けられたリードと、
を有し
前記端子と前記第1面乃至第4面の四つの面の各々の面に一部が露出して設けられたリードとが接続され、
少なくとも、前記第1面から前記電子部品内の所定の箇所までの距離と前記第3面から前記電子部品内の所定の箇所までの距離が異なることを特徴とする電子装置とした。
【発明の効果】
【0012】
上記手段を用いることで、複数の取り付け高さを有する半導体装置および電子装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の上面透視図および側面透視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の基板実装図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の上面透視図および側面透視図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の斜視図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の上面透視図および側面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の符号を付す。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の斜視図である。
【0015】
図1に示す半導体装置100は、リードレスパッケージに分類される表面実装型の半導体装置である。半導体装置100は、温度センサ101を有する半導体チップ102が樹脂によって封止され、この樹脂体112は長方形の6面で覆われた直方体形状である。すなわち、樹脂体112は、リード106aが設けられた面100Aとこれに対向する面100D、リード106bが設けられた面100Bとこれに対向する面100E、そしてリード106cが設けられた面100Cとこれに対向する面100Fの6面を有し、面100Bと面100Eは面100Aと面100Dに直交し、面100Cと面100Fは面100Aと面100Dと面100Bと面100Eの4つの面に直交するという位置関係にある6面に覆われた直方体形状である。これら6面のうちリードが設けられた3面100A、100B、100Cは互いに垂直関係であって、一つの頂点113を共有する。
【0016】
斜視図は等角図であり、右手前の側面100Aにはアウターリードに相当するリード106aの一部が樹脂体112から露出している。リード106aは平面100A上に3箇所設けられてリード群を成し、リード106aのそれぞれが半導体チップ102の表面に設けられた3箇所の端子と個々に電気的に接続されている。リード106bも平面100B上に3箇所設けられてリード群を成し、リード106bのそれぞれが半導体チップ102の表面に設けられた3箇所の端子と個々に電気的に接続されている。同様にリード106cも平面100C上に3箇所設けられてリード群を成し、リード106cのそれぞれが半導体チップ102の表面に設けられた3箇所の端子と個々に電気的に接続されているという構成である。
【0017】
他の表現を用いると、半導体チップ102上の3箇所の端子の一つである第1の端子と平面100Aと平面100Bと平面100Cのそれぞれに設けられたリード群の第1のリードとが電気的に接続される。また、半導体チップ102上の第2の端子と平面100Aと平面100Bと平面100Cのそれぞれに設けられたリード群の第2のリードとが電気的に接続され、半導体チップ102上の第3の端子と平面100Aと平面100Bと平面100Cのそれぞれに設けられたリード群の第3のリードとが電気的に接続されるという構成、とも言うことができる。
【0018】
なお、本発明は3端子に限定されるものではなく、4端子であってもよく、その場合は、半導体チップ上に4つの端子からなる端子群が設けられ、それらが一平面に設けられた4箇所のリードからなるリード群の各リードと個々に接続され、同様に他の平面に設けられた4箇所のリードからなるリード群の各リードと個々に接続されることになる。1端子の場合は、半導体チップ上に1つの端子が設けられ、それが一平面に設けられた1箇所のリードと接続され、同様に他の平面に設けられた1箇所のリードと接続されることになる。もし、半導体チップ上にn個の端子からなる端子群が設けられた場合、直方体の個々の平面にはn個のリードからなるリード群が形成される。そしてリード群がm個の平面に形成されるとすれば、端子群のうちの一つの端子からはm個のリードに接続されることになるから、樹脂体の表面に露出するリードの総数は(n×m)個となる。
【0019】
次に、リードの形状や配置パターンについて説明する。リードの形状や配置は実装される基板側のランドパターン(電極配置)に対応する必要があり、通常、基板側の制約により3面100A、100B、100Cにおけるリードの形状や配置パターンは同一であることが望ましい。ただ、誤実装防止のためにセンサの取り付け高さに応じて基板側のランドパターンを変えることもあり、その場合は、
図1に示すように、各面毎にリードの形状や配置を異なるパターンとすることで対応可能となる。
【0020】
以上では、直方体の6面のうち3面にリードが配置されるものの、それらに対向する面にはリードが配置されない実施例について説明したが、該3面のみに配置制限するものではなく、該3面と対向し、他の一つの頂点114を共有する他の3面100D、100E、100Fにもリードを追加配置することで、センサの取り付け高さの選択数を増やすことができる。6面全てにリードを配置した場合の形状や配置パターンも実装する基板のランドパターンに応じる必要があり、通常、基板側の制約により6面100A、100B、100C、100D、100E、100Fにおけるリードの形状や配置パターンは同一であることが望ましい。ただ、誤実装防止のためにセンサの取り付け高さに応じて基板側のランドパターンを変えることもあり、その場合は、各面毎にリードの形状や配置を異なるパターンとすることで対応可能となる。温度センサ101が樹脂体112の中心に配置されている場合は、対向する2面のいずれを用いても同一の取り付け高さが得られることから、対向する面同士のリードを同一形状・同一配置パターンとすることで実装作業性が高まるという利点が得られる。
なお、図には半導体チップ102を載置するダイパッドを示していないが、リード配置などに制約が生じなければダイパッドを設けたほうが良い。
【0021】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の上面透視図および側面透視図である。
図2(a)が上面透視図、
図2(b)および
図2(c)が側面透視図である。
図2(a)は面100Fからの透視図で、面100Cに露出するリード106cおよび内蔵されている半導体チップ2を点線で図示している。長方形の上面100Fの周囲の4辺のうち、上辺は側面100Eと共有する辺、下辺は側面100Bと共有する辺、右辺は側面100Aと共有する辺、左辺は側面100Dと共有する辺である。面100Fの中央部に温度センサ101を有する半導体チップ102が配置され、温度センサ101は右辺からHa1の距離、下辺からHb1の距離に配置されている。半導体チップ102上には3箇所の端子115が設けられ、端子115のそれぞれがワイヤ116を介してリード106cと電気的に接続されている。便宜上、本図ではリード106cへの接続のみを図示し、他のリードへの接続は省略した。
【0022】
図2(b)には、面100Aに設けられたリード106aと内蔵されている半導体チップ102が図示されている。半導体チップ102上には3箇所の端子115が設けられ、端子115のそれぞれがワイヤ116を介してリード106aと電気的に接続されている。本図でもリード106aへの接続のみを図示し、他の接続は省略した。また、
図2(c)には、面100Bに設けられたリード106bと内蔵されている半導体チップ102、さらに面100Cから半導体チップ上面までの距離Hc1が図示されている。半導体チップ102上には3箇所の端子115が設けられ、端子115のそれぞれがワイヤ116を介してリード106bと電気的に接続されている。本図でもリード106bへの接続のみを図示し、他の接続は省略した。
【0023】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の基板実装図である。
図3(a)は、面100Aに設けられたリード106aを基板10に実装した図で、基板10から半導体チップ102の温度センサ101の中心の1点までの距離、すなわち温度センサ101の基板10からの取り付け高さはHa1となる。
図3(b)は、面100Bに設けられたリード106bを基板10に実装した図で、基板10から半導体チップ102の温度センサ101までの距離、すなわち温度センサ101の基板10からの取り付け高さはHb1となる。また、
図3(c)は、面100Cに設けられたリード106cを基板10に実装した図で、基板10から半導体チップ102の温度センサ101までの距離、すなわち温度センサ101の基板10からの取り付け高さはHc1となる。
【0024】
以上のように、本発明の半導体装置100では、直方体の異なる面に設けられたリードを利用することで温度センサの基板からの取り付け高さをHa1、Hb1、Hc1(Ha1≠Hb1≠Hc1)というように異なる高さとすることができる。なお、本発明の半導体装置はリードレスパッケージに分類される表面実装型の半導体装置であるため、基板への実装は容易であり、取り付け高さに関しても精度良く実装できる。
【0025】
図3においては、半導体チップ102の端子と3つの面100A、100B、100Cに設けられたリードの全てを接続し、3つの取り付け高さを選択できる例について説明したが、3つの面のうちの2つの面に設けられたリードと端子を接続し、2つの取り付け高さを選択できるという構成でも構わない。
【0026】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の斜視図である。
本実施形態の半導体装置と
図1に示した第1の実施形態に係る半導体装置との違いは、樹脂体212の上面200Fおよび底面200Cが正方形である点である。以下、図を用いて説明する。
【0027】
図4に示す半導体装置200は、温度センサ201を有する半導体チップ202が樹脂によって封止され、この樹脂体212は正方形の上面200Fおよび底面200Cの2面、そして長方形の4つの側面200A、200B、200D、200Eの計6面で覆われた直方体形状であり、6面のうち3つの面200A、200B、200Cのそれぞれにはリードが設けられている。
【0028】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の上面透視図および側面透視図である。
図5(a)が上面透視図、
図5(b)および
図5(c)が側面透視図である。
図5(a)は、直方体の上面200Fからの透視図で、面200Cに設けられたリード206cおよび内蔵されている半導体チップ202を点線で図示している。温度センサ201は正方形の面200Fの中心にあって、右辺および左辺からHa2の距離、下辺および上辺からHb2の距離に配置されている。
【0029】
半導体チップ202上には3箇所の端子215が設けられ、端子215のそれぞれがワイヤ216を介してリード206cと電気的に接続されている。
図5(b)には、面200Aに設けられたリード206aと内蔵されている半導体チップ202が図示されている。半導体チップ202上には3箇所の端子215が設けられ、端子215のそれぞれがワイヤ216を介してリード206aと電気的に接続されている。また、
図5(c)には、面200Bに設けられたリード206bと内蔵されている半導体チップ202、そして面200Cから半導体チップ202上面までの距離Hc2が図示されている。半導体チップ202上には3箇所の端子215が設けられ、端子215のそれぞれがワイヤ216を介してリード206bと電気的に接続されている。
【0030】
図示していないが、この半導体装置200を基板に実装した場合、面200Aを基板側に向けて実装すると、基板から半導体チップ202の温度センサ201までの距離、すなわち温度センサ201の基板からの取り付け高さはHa2となり、面200Bを基板側に向けて実装した場合、基板から半導体チップ202の温度センサ201までの距離、すなわち温度センサ201の基板からの取り付け高さはHb2となる。また、面200Cを基板側に向けて実装した場合、基板から半導体チップ202の温度センサ201までの距離、すなわち温度センサ201の基板からの取り付け高さはHc2となる。本実施形態では、樹脂体の上面200Fおよび底面200Cは正方形であるから、Ha2=Hb2≠Hc2という関係であり、2種の取り付け高さを選択できることになる。ただ、Ha2=Hb2であるから面200Aと面200Bのいずれを基板実装しても同じ取り付け高さを得ることができ実装作業性が高いという利点を有する。
【0031】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の斜視図である。
本実施形態の半導体装置が
図1に示した第1の実施形態に係る半導体装置との違いは、樹脂体312の4つの側面全てにリードを配置した点である。以下、図を用いて説明する。
【0032】
図6に示す半導体装置300は、温度センサ301を有する半導体チップ302が樹脂によって封止され、この樹脂体312は長方形の6面で覆われた直方体形状である。すなわち、樹脂体112は、面300Aとこれに対向する面300D、面300Bとこれに対向する面300E、そして面300Cとこれに対向する面300Fの6面を有し、面300Bと面300Eは面300Aと面300Dに直交し、面300Cと面300Fは面300Aと面300Dと面300Bと面300Eの4つの面に直交するという位置関係にある6面に覆われた直方体形状であり、これら6面のうち4面300A、300B、300D、300Eのそれぞれにリードが設けられている。
【0033】
斜視図は等角図であり、右手前の側面300Aにはリード306aの一部が樹脂体312から露出している。この半導体チップ302は3端子であり、リード306aは面300Aに設けられ、これと対向する面300Dにはリード306dが設けられている。また、面300Bにはリード306bが設けられ、これと対向する面300Eにはリード306eが設けられている。図示するように、対向する面に設けられたリードの形状や配置パターンは同一である。このようにすることで、基板側のランドパターンが同一であっても複数の取り付け高さを選べるという利点がある。
【0034】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の上面透視図および側面透視図である。
図7(a)が上面透視図、
図7(b)および
図7(c)が側面透視図である。
図7(a)は、直方体の上面300Fからの透視図で、面300Cに設けられたリード306cおよび内蔵されている半導体チップ302を点線で図示している。面300Fの4辺のうち、上辺は側面300Eと共有する辺、下辺は側面300Bと共有する辺、右辺は側面300Aと共有する辺、左辺は側面300Dと共有する辺である。面300Fの中央から外れた位置に温度センサ301を有する半導体チップ302が配置され、温度センサ301は右辺からHa3の距離、左辺からHd3の距離、下辺からHb3の距離、上辺からHe3の距離に配置されている。
図7(b)には、リード306aが実線で、対向する側面300Dに設けられたリード306dと内蔵される半導体チップ302が点線で図示されている。半導体チップ302上には3箇所の端子315が設けられ、端子315のそれぞれがワイヤ316を介してリード306aおよびリード306dと電気的に接続されている。
図7(c)には、リード306bが実線で、対向する側面300Eに設けられたリード306eと内蔵される半導体チップ302が点線で図示されている。半導体チップ302上の3箇所の端子315のそれぞれがワイヤ316を介してリード306bおよびリード306eと電気的に接続されている。
【0035】
図示していないが、この半導体装置300を基板に実装した場合、リード306aを基板に実装すると、基板から半導体チップ302の温度センサ301までの距離、すなわち温度センサ301の基板からの取り付け高さはHa3となり、リード306bを基板10に実装した場合、基板から半導体チップ302の温度センサ301までの距離、すなわち温度センサ301の基板からの取り付け高さはHb3となる。また、リード306dを基板に実装すると、基板から半導体チップ302の温度センサ301までの距離、すなわち温度センサ301の基板からの取り付け高さはHd3となり、リード306eを基板に実装した場合、基板から半導体チップ302の温度センサ301までの距離、すなわち温度センサ301の基板からの取り付け高さはHe3となる。このように、温度センサ301を面300Fの中心ではなく、Ha3≠Hb3≠Hd3≠He3となる位置に配置することで、半導体装置300を基板に実装するときに少なくとも4つの高さを選択することが可能である。
【0036】
これまでの説明では、被検査対象の温度を検出するセンサについて説明したが、温度以外の被検出対象、たとえば湿度や光や磁界などの検出に関しても本発明の実施形態の半導体装置を活用することが可能であることは言うまでもない。
【0037】
以上では、センサを有する半導体チップを内蔵する半導体装置について説明したが、本発明は、抵抗器やコイルやコンデンサなどの電子部品を直方体形状の樹脂体で被覆した電子装置に適用することも可能である。
【0038】
先に説明した
図1乃至
図7において、センサを有する半導体チップを電子部品とし、半導体装置を電子装置に置き換え、センサの部分を電子部品の中心とすれば本発明の電子装置となる。ここで、電子部品が抵抗やコイルの場合、抵抗やコイルの両端からの中心が電子部品の中心であり、コンデンサの場合、リードを除くコンデンサ本体の中心が電子部品の中心である。このようにすることで、これら電子部品の中心である1点の高さが異なる複数の取り付け高さを有する電子装置とすることができる。
【0039】
また、内蔵される電子部品は樹脂体によって完全に被覆されるという構成のほかに、中空構造の樹脂やセラミックやガラスなどの材料からなる構造体のなかに電子部品が収納されるという構成でも良い。
【0040】
以上説明したように、本発明の半導体装置や電子装置を用いることで、基板への実装が容易で、複数の取り付け高さを選択可能となる。また、表面実装型の半導体装置であるためリードが基板のスルーホールを通して反対側に突き出ることがなく、基板の反対側に電子部品を取り付けることも可能である。
【符号の説明】
【0041】
1、101、201、301 温度センサ(電子部品の中心)
2、102、202、302 半導体チップ(電子部品)
3、100、200、300 半導体装置(電子装置)
106a、106b、106c リード
206a、206b、206c リード
306a、306b、306d、306e リード
7 リード
9 半田
10 基板
11 発熱体
112、212、312 樹脂体(構造体)
113,114 頂点
115、215、315 端子
116、216、316 ワイヤ
100A リード106aが設けられた面
200A リード206aが設けられた面
300A リード306aが設けられた面
100B リード106bが設けられた面
200B リード206bが設けられた面
300B リード306bが設けられた面
100C リード106cが設けられた面
200C リード206cが設けられた面
300C リード306cが設けられた面
100D 面100Aに対向する面(リード106dが設けられた面)
200D 面200Aに対向する面(リード206dが設けられた面)
300D 面300Aに対向する面(リード306dが設けられた面)
100E 面100Bに対向する面(リード106eが設けられた面)
200E 面200Bに対向する面(リード206eが設けられた面)
300E 面300Bに対向する面(リード306eが設けられた面)
100F 面100Cに対向する面
200F 面200Cに対向する面
300F 面300Cに対向する面
H1、H2 センサ取り付け高さ
Ha1、Ha2、Ha3 センサ取り付け高さ
Hb1、Hb2、Hb3 センサ取り付け高さ
Hc1、Hc2、Hc3 センサ取り付け高さ
Hd1、Hd2、Hd3 センサ取り付け高さ
He1、He2、He3 センサ取り付け高さ