(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インナーフレームは、人工呼吸器における吸気を装着者に供給する等のため、装着者に密着して用いられる。インナーフレームは、アウターフレーム及びアウターフレームに取り付けられる帯部材により、装着者の顔面に接触した状態で、装着者に固定される。
【0005】
インナーフレームは、装着者に密着して用いられるため、仮に再利用する場合には、高いレベルの洗浄を行う必要がある。このため、インナーフレームは、装着者毎に使い捨てることがある。
一方、アウターフレームは、装着者の額や髪に接して装着されるものであるため、再利用する場合には、インナーフレームよりも簡易の洗浄で十分な衛生状態の維持が可能である。
このため、アウターフレームを、複数の装着者に対して再利用したい場合がある。
【0006】
しかし、従来のインナーフレームは、装着者に合わせて、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等、複数種類のサイズで作成されていた。また、従来のアウターフレームも、インナーフレームのサイズに対応する複数種類のサイズで作成されていた。このため、新品または再利用のアウターフレームを、新品のインナーフレームに取り付ける際に、アウターフレームのサイズとは異なるサイズのインナーフレームを取り付けようとしてしまうことがあり、取扱い性に改善の余地があった。
【0007】
本開示は、異なるサイズのインナーフレームを用いた、取り扱い性の良好なマスクシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のマスクシステムは、
第一のインナーフレームと、
前記第一のインナーフレームとはサイズが異なる第二のインナーフレームと、
アウターフレームと、
を備え、
前記第一のインナーフレームと前記第二のインナーフレームは、いずれか一方が前記アウターフレームに取り付けられた状態で前記アウターフレームとともに装着者に装着される、マスクシステムであって、
前記アウターフレームは、前記第一のインナーフレーム及び前記第二のインナーフレームに取り付け可能な第一取付部と第二取付部とを有し、前記第一取付部と前記第二取付部は所定距離を有するように設けられており、
前記第一のインナーフレームは、前記第一取付部に取り付けられる第三取付部と、前記第二取付部に取り付けられる第四取付部と、を有し、
前記第二のインナーフレームは、前記第一取付部に取り付けられる第五取付部と、前記第二取付部に取り付けられる第六取付部と、を有し、
前記第三取付部と前記第四取付部との距離は前記所定距離と同一であり、
前記第五取付部と前記第六取付部との距離は前記所定距離と同一である、マスクシステムである。
【0009】
上記構成によれば、アウターフレームにおける第一取付部と第二取付部との距離は、第一のインナーフレームにおける第三取付部と第四取付部との距離と同一であり、かつ、第二のインナーフレームにおける第五取付部と第六取付部との距離と同一であるので、異なるサイズである第一のインナーフレーム及び第二のインナーフレームに一種類のアウターフレームを取り付けることができる。
【0010】
また、本開示のマスクシステムは、
第一のインナーフレームと、
前記第一のインナーフレームとはサイズが異なる第二のインナーフレームと、
アウターフレームと、
を備え、
前記第一のインナーフレームと前記第二のインナーフレームは、いずれか一方が前記アウターフレームに取り付けられた状態で前記アウターフレームとともに装着者に装着される、マスクシステムであって、
前記第一のインナーフレームは、前記アウターフレームに取り付けられる第三取付部と第四取付部とを有し、
前記第二のインナーフレームは、前記アウターフレームに取り付けられる第五取付部と第六取付部とを有し、
前記第三取付部と前記第四取付部との距離は第一の距離であり、
前記第五取付部と前記第六取付部との距離は前記第一の距離とは異なる第二の距離であり、
前記アウターフレームは、前記第三取付部及び前記第五取付部に取り付け可能な第一取付部と、前記第四取付部及び前記第六取付部に取り付け可能な第二取付部と、を有し、
前記第二取付部は、前記第四取付部が取り付け可能であって前記第一取付部との距離が前記第一の距離である第一部と、前記第六取付部が取り付け可能であって前記第一取付部との距離が前記第二の距離である第二部とを有する。
【0011】
上記構成によれば、第一のインナーフレームにおける第三取付部と第四取付部との距離と、第二のインナーフレームにおける第五取付部と第六取付部との距離が異なっていても、アウターフレームの第二取付部がそれぞれ異なる距離に対応して取り付け可能となっているので、一種類のアウターフレームを取り付けることができる。
【0012】
また、本開示のインナーフレームは、
互いにサイズが異なる複数のインナーフレームのうち、いずれか一つが前記アウターフレームに取り付けられた状態で前記アウターフレームとともに装着者に装着されるマスクシステムに用いられるインナーフレームであって、
前記アウターフレームは、複数のインナーフレームに取り付け可能な第一取付部と第二取付部とを有し、前記第一取付部と前記第二取付部は所定距離を有するように設けられており、
前記インナーフレームは、前記第一取付部に取り付けられる第三取付部と、前記第二取付部に取り付けられる第四取付部と、を有し、
前記第三取付部と前記第四取付部との距離は前記所定距離と同一である。
【0013】
上記構成によれば、一種類のアウターフレームを、異なるサイズのインナーフレームに装着することができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、異なるサイズのインナーフレームを用いた、取り扱い性の良好なマスクシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示に係るマスクシステム1の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
【0017】
<マスクシステム>
図1は、装着者の顔面に装着されて用いられるマスクシステム1を示している。マスクシステム1は、例えば人工呼吸器(NPPV、非侵襲的陽圧換気法等の機器)に適用可能なマスクシステムである。マスクシステム1は、異なるサイズの複数のインナーフレーム2(21、22)と、複数のインナーフレーム2(21、22)のいずれにも取り付け可能な一種類のサイズのアウターフレーム3とを有している。
【0018】
インナーフレーム2は、
図1に示すように、装着者の口と鼻を覆う大きさに形成されている。アウターフレーム3は、
図1に示すように、インナーフレーム2に取り付けられる。アウターフレーム3の帯取付部31、32にはそれぞれ帯部材4、5が取り付けられて、アウターフレーム3及びインナーフレーム2を装着者に固定する。
【0019】
インナーフレーム2(21、22)は、装着者の口と鼻を密閉するように装着されるものであるため、装着者の顔に合わせたサイズであることが好ましい。このため、インナーフレーム2(21、22)は、装着者の顔に合わせた複数種類のサイズ(Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等)で作成されている。
一方、アウターフレーム3は、装着者の体の一部を密閉するように装着されるものではないため、複数の装着者に対して共通のサイズとすることができる部材である。このため、アウターフレーム3は、一種類のサイズで作成されている。
【0020】
<インナーフレーム>
図2は第一のインナーフレーム21を示している。第一のインナーフレーム21は、一例として小さいサイズ(Sサイズ)のインナーフレームである。
【0021】
第一のインナーフレーム21は、
図1及び
図2に示すように、本体部6と、管挿入部7と、第三取付部23を含む調整片24と、スライド片25と、第四取付部26と、を有している。
【0022】
本体部6は、装着者の口と鼻を覆う部材であり、一例として、
図1に示すように、上下方向に延びる下膨れの略しずく形状で構成されている。本体部6と装着者の顔面との間には、装着者の顔面への密閉性を高めるために、不図示の緩衝材(パッド)を設ける構成としてもよい。本体部6の下部には、酸素供給管等が挿入される管挿入部7が設けられている。
【0023】
第四取付部26は、本体部6の下部に設けられている。
図2の第四取付部26は、本体部6の左右各側面において、左右方向に延びる各1本の軸で構成されている。
【0024】
調整片24は、本体部6の上部から前方向に延びる板状部材で構成されている。調整片24の左側面には、第三取付部23が複数設けられている。
【0025】
第三取付部23は、第三取付部23に取り付けられるアウターフレーム3の第一取付部33(
図3の(A)参照)の形状に合わせて、形成されている。
図2における第三取付部23の形状は、第一取付部33である直方体片を嵌め入れ可能な直方体状の窪みで形成されている。
【0026】
第三取付部23の各窪み部は、側面視において、第四取付部26から等しい距離を有する複数の窪み部で構成されている。すなわち、第三取付部23は、
図4に示すように、第四取付部26を中心とする半径C1の円弧上に複数形成されている。より詳細には、複数の第三取付部23の各窪み部の前側の辺の中点が、第四取付部26の軸の中心点を中心とする半径C1の円弧上に位置するように、複数の第三取付部23が形成されている。
【0027】
スライド片25は、本体部6の上部において、調整片24に対して右方向に所定の距離だけ離れた位置に設けられている。スライド片25は、調整片24と略同一の外形を有する板状部材で構成されている。スライド片25の右側面には、
図2に破線で示すように、スライド溝27が設けられている。スライド溝27は、アウターフレーム3のスライドガイド35(
図3の(A)参照)をスライドさせる溝であり、スライド片25の長手方向に設けられている。
【0028】
第二のインナーフレーム22は、一例として、第一のインナーフレーム21よりも大きいサイズ(Mサイズ)のインナーフレームである。
【0029】
第二のインナーフレーム22は、第一のインナーフレーム21と共通する形状で構成されている。すなわち、第二のインナーフレーム22は、
図2に示すように、本体部6と、管挿入部7と、第五取付部28を含む調整片24と、スライド片25と、第六取付部29と、を有している。第六取付部29は、第四取付部26と同様に、本体部6の上面の左右各側面において、左右方向に延びる各1本の軸で構成されている。
【0030】
また、第五取付部28は、第三取付部23と同様に、側面視において、調整片24の左側面に、第六取付部29から等しい距離を有する複数の窪み部で構成されている。すなわち、第五取付部28は、
図4に示すように、第六取付部29を中心とする半径C1の円弧上に複数形成されている。より詳細には、複数の第五取付部28の各窪み部の前側の辺の中点が、第六取付部29の軸の中心点を中心とする半径C1の円弧上に位置するように、複数の第五取付部28が形成されている。
【0031】
第二のインナーフレーム22の本体部6は、第一のインナーフレーム21の本体部6よりも大きいサイズで構成されている。この本体部6のサイズの違いにより、第二のインナーフレーム22の調整片24は、第一のインナーフレーム21の調整片24よりも、前後方向に短い板状部材で構成されている(
図4参照)。このため、第三取付部23と、第五取付部28は、調整片24上において、本体部6と調整片24との接合部分からの距離が異なるように設けられている。
【0032】
第一のインナーフレーム21における、側面視における第三取付部23と第四取付部26との距離L2を、
図4に示す。距離L2は、
図4に示す第三取付部23である窪み部の前側の長辺の中点と、
図4に示す第四取付部26である軸の中心点との距離である。また、第二のインナーフレーム22における、側面視における第五取付部28と第六取付部29との距離L3を、
図4に示す。距離L3は、
図4に示す第五取付部28である窪み部の前側の長辺の中点と、
図4に示す第六取付部29である軸の中心点との距離である。
図4に示す通り、距離L2と距離L3は同一である。
【0033】
<アウターフレーム>
アウターフレーム3は、インナーフレーム2(21、22)を装着者に取り付けるための取付部材である。アウターフレーム3は、
図1、
図3の(A)に示すように、前方から見てY字状の二股に形成されている。アウターフレーム3は、第一取付部33と、第二取付部34と、スライドガイド35と、帯取付部31、32と、額当て部36と、帯取付部31、32及び額当て部36と連続するY字状で形成されている本体部37と、を有している。額当て部36は、
図1及び
図3の(A)に示すように、左右の帯取付部31、31の間に配置されている。なお、アウターフレーム3は、額当て部36と装着者の額との間に、不図示の緩衝材(パッド)を取り付ける構成としてもよい。
【0034】
第一取付部33は、
図1及び
図3の(A)に示すように、本体部37のY字状の分岐部分の内側で、装着者の鼻の近傍に配置されるように設けられている。
図3の(A)及び(C)に示すように、第一取付部33は、直方体片で構成されている。
【0035】
第二取付部34は、第四取付部26または第六取付部29を取り付ける部材である。第二取付部34は、本体部37の二股に分かれた先端側に、各一つ設けられている。
図3の(B)及び(C)に示すように、第二取付部34は、一部を欠いた円弧形状の内周縁部で構成されている。
【0036】
第一取付部33と第二取付部34は、側面視で所定距離L1を有するように設けられている(
図3の(C)参照)。距離L1は、
図3の(C)に示す第一取付部33である直方体片の前側の長辺の中点と、
図3の(C)に示す第二取付部34である内周に関する円弧の中心点との距離である。
【0037】
また、
図3の(C)に示すアウターフレーム3における第一取付部33と第二取付部34の距離L1は、
図4に示す距離L2及び距離L3と同一である。距離L1と距離L2と距離L3とを同一とすることにより、アウターフレーム3は、すべてのサイズのインナーフレーム2(21、22)に取り付け可能に構成されている。
【0038】
<マスクシステムの取り付け>
次に、マスクシステム1の取り付けについて説明する。
最初に、装着者の顔のサイズに合わせて、使用するのに適切なサイズのインナーフレーム2(21、22)を選択する。アウターフレーム3を、選択した第一のインナーフレーム21(または第二のインナーフレーム22)に嵌め込む。すなわち、第一取付部33を、第三取付部23または第五取付部28に取り付ける。また、第四取付部26または第六取付部29を第二取付部34に取り付ける。
【0039】
アウターフレーム3を第一のインナーフレーム21(または第二のインナーフレーム22)に取り付けた後、マスクシステム1を、
図1に示すように装着者の顔面に装着する。このとき、第一取付部33は、第二取付部34を中心に回動するので、アウターフレーム3の額当て部36も、第二取付部34を中心として、回動する。第一取付部33は、複数の第三取付部23または第五取付部28のうち、一箇所に選択的に取り付け可能である。第一取付部33の取付箇所の選択によって、額当て部36の位置を調整することができる。すなわち、第四取付部26または第六取付部29を中心に、額当て部36の角度を調整することができる。額当て部36の調整により、マスクシステム1のインナーフレーム2(21、22)は、装着者の顔面に、装着者の鼻と口とを密閉した状態で固定される。
【0040】
以上説明したように、本開示のマスクシステム1によれば、第一取付部33と第二取付部34との距離L1は、第三取付部23と第四取付部26との距離L2と同一であり、かつ、第五取付部28と第六取付部29との距離L3と同一であるので、異なるサイズである第一のインナーフレーム21及び第二のインナーフレーム22に一種類のサイズのアウターフレーム3を取り付けることができる。
【0041】
また、本開示のマスクシステム1によれば、第三取付部23は、第四取付部26を中心とする円弧上に複数形成され、第五取付部28は、第六取付部29を中心とする円弧上に複数形成されているので、装着者がインナーフレーム2(21、22)を装着するときに、第四取付部26(または第六取付部29)を中心に、額当て部36の角度調整を行うことができる。
【0042】
また、本開示のインナーフレーム2(21、22)によれば、一種類のサイズのアウターフレーム3を用いて、異なるサイズのインナーフレーム21、22を装着することができる。
【0043】
<変形例>
次に、マスクシステム1の変形例を説明する。
【0044】
本変形例において、側面視における第一のインナーフレーム21の第三取付部23と第四取付部26との距離L2(第一の距離の一例)は、側面視における第二のインナーフレーム22の第五取付部28と第六取付部29との距離L3(第二の距離の一例)と異なる。
【0045】
図5には、マスクシステム1の変形例におけるアウターフレーム3Aが示されている。
アウターフレーム3Aは、アウターフレーム3と比較して、第二取付部34Aの構成のみが異なる。
【0046】
第二取付部34Aは、
図5に示すように、第一部38及び第二部39を有している。第一部38、第二部39は、第二取付部34と同様に、一部を欠いた円弧形状の内周縁部で構成されている。
【0047】
第一部38と第一取付部33との距離は、側面視において、
図5に示す距離L4(第一の距離の一例)である。第二部39と第一取付部33との距離は、側面視において、
図5に示す距離L5(第二の距離の一例)である。距離L4は、距離L5と異なる距離である。距離L5は、距離L4より長い距離である。
【0048】
側面視において、本変形例の第一のインナーフレーム21の第三取付部23と第四取付部26との距離L2は、
図5に示す距離L4と同一である。また、側面視において、本変形例の第二のインナーフレーム22の第五取付部28と第六取付部29との距離L3(第二の距離)は、
図5に示す距離L5と同一である。
【0049】
<マスクシステムの取り付け(動作)>
次に、本変形例におけるマスクシステム1の取り付けについて説明する。
装着者の顔のサイズに合わせて、使用するのに適切なサイズのインナーフレーム(第一のインナーフレーム21または第二のインナーフレーム22)を選択する。第一のインナーフレーム21を選択した場合、第四取付部26である軸の外周を、第一部38の内周縁部に嵌め込む。第二のインナーフレーム22を選択した場合、第六取付部29である軸の外周を、第二部39の内周縁部に嵌め込む。また、第一取付部33を、第三取付部23または第五取付部28に取り付ける。このように、アウターフレーム3を第一のインナーフレーム21または第二のインナーフレーム22に取り付けた後、マスクシステム1を、
図1に示すように装着者の顔面に装着する。
【0050】
上記構成によれば、第三取付部23と第四取付部26との距離L2が第一の距離L4と同一である第一のインナーフレーム21と、第五取付部28と第六取付部29との距離L3が第二の距離L5と同一である第二のインナーフレーム22に、一種類のアウターフレーム3Aを取り付けることができる。すなわち、第三取付部23と第四取付部26との距離L2と、第五取付部28と第六取付部29との距離L3とが異なっていても、アウターフレーム3Aの第二取付部34Aがそれぞれ異なる距離L2、L3に対応して取り付け可能となっているので、一種類のアウターフレーム3Aを異なるサイズのインナーフレーム21、22に取り付けることができる。
【0051】
なお、上記実施形態における距離L1、L2、L3、L4、L5は、上記した構成に限らない。距離L1、L2、L3、L4、L5は、第一取付部、第二取付部、第三取付部、第四取付部、第五取付部、第六取付部の形状、構成等に合わせて適宜定めることができる。
【0052】
例えば、距離L1、L2、L3、L4、L5は、インナーフレームまたはアウターフレームのいずれか、または両方を、変形可能な材質で構成することにより調整されて定められる距離であってもよい。インナーフレームが変形せず、アウターフレームが変形する一例として、複数のサイズの硬質な樹脂等で構成される変形しないインナーフレームと、弾性変形可能な材質で構成されるアウターフレームとを用いる場合を説明する。この例において、アウターフレームは、インナーフレームにおける距離L2、L3、L4と、アウターフレームにおける距離L1とが同一となるように、所望の状態に弾性変形された状態で、インナーフレームに取り付けられる。アウターフレームが変形せず、インナーフレームが変形する一例として、硬質のアウターフレームと、複数の伸縮可能なゴム、シリコン、塩化ビニル等で構成されるインナーフレームとを用いる場合を説明する。この例において、インナーフレームにおける距離L2、L3、L4と、アウターフレームにおける距離L1とが同一となるように、伸縮でサイズの微調整が行われたインナーフレームに対して、一種類のサイズのアウターフレームが取り付けられる。
【0053】
また、インナーフレームまたはアウターフレームのいずれか、または両方を、変形可能とする構成は、上記した材質による構成に限らない。変形は、弾性変形でもよく、その他の構成等による変形でもよい。例えば、距離L1について、アウターフレーム3、3Aの第二取付部34、34Aを、本体部37に対してスライド可能に構成し、第二取付部34、34Aのスライドにより距離L1を定めるようにしてもよい。
また、変形可能とする箇所を、インナーフレームまたはアウターフレームの全体としてもよく、インナーフレームまたはアウターフレームの一部としてもよい。例えば、アウターフレーム3の本体部37における二股の先端側と、帯取付部32及び第二取付部34、34Aとの境界部40(
図3の(A)、
図5参照)を、変形可能に構成してもよい。
【0054】
また、第一取付部、第二取付部、第三取付部、第四取付部、第五取付部、第六取付部の形状や構成も、上記した構成に限らず、各種の形状や構成とすることができる。例えば、第三取付部23、第五取付部28を、孔や切り欠き等で構成してもよい。第四取付部26、第六取付部29を、突条や突片等で構成してもよい。また、第一取付部、第二取付部、第三取付部、第四取付部、第五取付部、第六取付部の凹凸を逆としてもよい。
【0055】
本開示は、上述した実施形態や変形例に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、形態、数、配置場所等は、本開示を達成できるものであれば任意であり、限定されない。