特許第6904893号(P6904893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904893
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/40 20060101AFI20210708BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   H01L23/40 C
   H05K7/20 E
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-228242(P2017-228242)
(22)【出願日】2017年11月28日
(65)【公開番号】特開2019-102491(P2019-102491A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下野 満
【審査官】 井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−332148(JP,A)
【文献】 特開2017−199756(JP,A)
【文献】 特開2001−244668(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0156256(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1705111(CN,A)
【文献】 特開2006−054250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/40
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体部と、
前記第1筐体部に固定される発熱部と、
前記発熱部に形成される第1密着面に密着する第2密着面が形成される第2筐体部と、
前記第1筐体部に設けられる摺動部と、
前記第2筐体部に固定される複数の位置決め部材とを備え、
前記第2密着面に沿う第2平面は、前記摺動部に形成される複数の摺動面に前記複数の位置決め部材がそれぞれ接触するときに、前記第1密着面に沿う第1平面に平行であり、
前記第2筐体部は、前記複数の位置決め部材が前記複数の摺動面にそれぞれ摺動することにより、前記第2密着面が前記第1密着面に接近するように、案内され、
前記摺動部は、前記複数の位置決め部材が前記複数の摺動面にそれぞれ摺動するときに、前記第1平面の法線方向と異なる方向に前記複数の位置決め部材の各々が前記第1筐体部に対して移動するように、形成される
電子機器。
【請求項2】
前記複数の摺動面は、互いに平行である複数の平行面にそれぞれ沿うように形成される
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数の位置決め部材は、前記第2筐体部を前記第1筐体部に固定する複数の締結部材からそれぞれ形成される
請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1筐体部は、前記複数の位置決め部材にそれぞれ嵌合される複数の溝が形成され、
前記複数の摺動面は、前記複数の溝の端面をそれぞれ形成する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の溝は、前記摺動部の縁に繋がるように、形成される
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2筐体部は、
前記第2密着面が形成される伝熱部と、
前記伝熱部を介して前記発熱部から伝熱される熱を放熱するヒートシンク部と、
前記ヒートシンク部を介して前記伝熱部に固定されるヒートシンク搭載台とを有し、
前記複数の位置決め部材は、前記ヒートシンク搭載台に固定される
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1筐体部に固定される第1基板と、
前記第1基板に固定される第2基板とをさらに備え、
前記発熱部は、前記第2基板に固定される
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第2筐体部と前記第1筐体部との間に形成される隙間を覆う防塵カバーをさらに備え、
前記発熱部は、前記第1筐体部と前記第2筐体部とに囲まれる空間に配置される
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記防塵カバーは、導体から形成され、前記第1筐体部と前記第2筐体部とに電気的に接続される
請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記発熱部は、前記第1密着面に沿う平面に前記発熱部が正射影された図形が、前記平面に前記複数の位置決め部材がそれぞれ正射影された複数の図形に囲まれるように、配置される
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
第1筐体部と、
前記第1筐体部に固定される発熱部と、
前記発熱部に形成される第1密着面に密着する第2密着面が形成される第2筐体部と、
前記第2筐体部に設けられる摺動部と、
前記第1筐体部に固定される複数の位置決め部材とを備え、
前記第2密着面に沿う第2平面は、前記摺動部に形成される複数の摺動面に前記複数の位置決め部材がそれぞれ接触するときに、前記第1密着面に沿う第1平面に平行であり、
前記第2筐体部は、前記複数の位置決め部材が前記複数の摺動面にそれぞれ摺動することにより、前記第2密着面が前記第1密着面に接近するように、案内され、
前記摺動部は、前記複数の位置決め部材が前記複数の摺動面にそれぞれ摺動するときに、前記第1平面の法線方向と異なる方向に前記複数の位置決め部材の各々が前記第1筐体部に対して移動するように、形成される
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路を構成する複数の電子部品のうちの発熱する発熱電子部品を冷却するために、伝熱部品とヒートシンクとを備える電子機器が知られている。伝熱部品は、その発熱電子部品の熱をヒートシンクに伝熱し、そのヒートシンクは、その伝熱された熱を放熱する。このような電子機器は、発熱電子部品の熱をヒートシンクに適切に伝熱させるために、発熱電子部品と伝熱部品とが密着した状態で伝熱部品を固定している(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−155625号公報
【特許文献2】特開2002−247594号公報
【特許文献3】特開2001−244668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような電子機器は、発熱電子部品が伝熱部品に密着されていないときに、発熱電子部品の熱がヒートシンクに伝熱する伝熱性能が低下し、発熱電子部品が適切に冷却されないという問題がある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、発熱電子部品と伝熱部品とを適切に密着させる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の態様では、電子機器は、第1筐体部と、前記第1筐体部に固定される発熱部と、前記発熱部に形成される第1密着面に密着する第2密着面が形成される第2筐体部と、前記第1筐体部に設けられる摺動部と、複数の位置決め部材とを備えている。前記複数の位置決め部材は、前記第2筐体部に固定される。前記第2密着面に沿う第2平面は、前記摺動部に形成される複数の摺動面に前記複数の位置決め部材がそれぞれ接触するときに、前記第1密着面に沿う第1平面に平行である。前記第2筐体部は、前記複数の位置決め部材が前記複数の摺動面にそれぞれ摺動することにより、前記第2密着面が前記第1密着面に接近するように、案内される。前記摺動部は、前記複数の位置決め部材が前記複数の摺動面にそれぞれ摺動するときに、前記第1平面の法線方向と異なる方向に前記複数の位置決め部材の各々が前記第1筐体部に対して移動するように、形成されている。
【発明の効果】
【0007】
開示の電子機器は、発熱電子部品と伝熱部品とを適切に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1の電子機器を示す斜視図である。
図2図2は、実施例1の電子機器を示す斜視断面図である。
図3図3は、実施例1の電子機器を示す断面図である。
図4図4は、実施例1の電子機器を示す分解斜視図である。
図5図5は、複数の溝のうちの1つの溝を示す平面図である。
図6図6は、実施例2の電子機器に形成される複数の長孔のうちの1つの長孔を示す平面図である。
図7図7は、実施例3の電子機器に形成される複数の切欠きのうちの1つの切欠きを示す平面図である。
図8図8は、実施例4の電子機器を示す概略分解斜視図である。
図9図9は、実施例4の電子機器を示す概略断面図である。
図10図10は、実施例5の電子機器を示す概略断面図である。
図11図11は、複数の切欠きのうちの1つの切欠きを示す平面図である。
図12図12は、実施例6の電子機器を示す概略断面図である。
図13図13は、実施例7の電子機器を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる電子機器について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0010】
[電子機器]
図1は、実施例1の電子機器10を示す斜視図である。実施例1の電子機器10は、図1に示されているように、下側筐体1と上側筐体2と防塵カバー3とを備え、複数のコネクタ5を備えている。図2は、実施例1の電子機器10を示す斜視断面図である。下側筐体1は、金属に例示される導体から形成され、図2に示されているように、底板6と4つの側板7とを備えている。底板6は、長方形の板状に形成されている。4つの側板7は、それぞれ、帯状に形成されている。4つの側板7は、天板部分31が沿う平面に垂直である平面に沿うようにそれぞれ配置され、底板6のうちの長方形の4辺に対応する4つの端縁にそれぞれ接合されている。すなわち、下側筐体1は、直方体状の箱型に形成されている。下側筐体1は、1枚の金属板を板金加工することにより、作製される。上側筐体2は、下側筐体1に取り付けられることにより、下側筐体1と上側筐体2とに囲まれる内部空間8を形成する。複数のコネクタ5は、それぞれ、下側筐体1の4つの側板7のうちの1つの側板を貫通し、一部が内部空間8に配置され、他部が下側筐体1の外部に露出している。複数のコネクタ5のうちの外部に配置される部位は、電子機器10と異なる外部機器に一端が接続されるケーブルの他端に設けられるコネクタに接続される。
【0011】
図3は、実施例1の電子機器10を示す断面図である。電子機器10は、図3に示されているように、下側プリント基板11と上側プリント基板12とをさらに備えている。下側プリント基板11は、板状に形成され、表面にプリント配線が形成されている。下側プリント基板11は、底板6に沿う平面に平行である平面に沿うように内部空間8に配置され、複数の固定部材14を介して下側筐体1の底板6に固定されている。上側プリント基板12は、板状に形成され、表面にプリント配線が形成されている。上側プリント基板12は、底板6に沿う平面に平行である平面に沿うように、かつ、下側筐体1の底板6と上側プリント基板12との間に下側プリント基板11が配置されるように、内部空間8のうちの下側プリント基板11の上部に配置されている。上側プリント基板12は、複数の固定部材15を介して下側プリント基板11に固定されている。
【0012】
電子機器10は、複数の電子部品16と発熱電子部品17と支持部材18とをさらに備えている。複数の電子部品16の各々は、内部空間8に配置され、下側プリント基板11または上側プリント基板12に実装されている。複数の電子部品16のうちの下側プリント基板11に実装される電子部品は、下側プリント基板11より上側筐体2の側に配置され、下側プリント基板11に固定されている。複数の電子部品16のうちの上側プリント基板12に実装される電子部品は、上側プリント基板12より上側筐体2の側に配置され、上側プリント基板12に固定されている。発熱電子部品17は、平坦である密着面19が形成されている。発熱電子部品17は、密着面19が上側筐体2に対向するように、かつ、底板6に沿う平面に平行である平面に密着面19が沿うように、内部空間8のうちの上側プリント基板12より上側筐体2の側に配置されている。発熱電子部品17は、上側プリント基板12に実装され、上側プリント基板12に固定されている。
【0013】
複数のコネクタ5は、下側プリント基板11に実装され、下側プリント基板11に固定されている。下側プリント基板11と上側プリント基板12とは、複数のコネクタ5と複数の電子部品16と発熱電子部品17とが実装されることにより、プリント配線を介して複数のコネクタ5と複数の電子部品16と発熱電子部品17とを電気的に接続している。下側プリント基板11と上側プリント基板12とは、複数のコネクタ5と複数の電子部品16と発熱電子部品17とを電気的に接続することにより、電子回路を形成している。その電子回路が作動するときに、発熱電子部品17の発熱量は、複数の電子部品16の各々の発熱量より大きい。
【0014】
支持部材18は、熱伝導率が比較的高い材料(たとえば、銅、アルミニウム)から形成され、柱状に形成されている。支持部材18の一端は、上側プリント基板12のうちの発熱電子部品17が固定されている部位の底板6の側の面に接触し、上側プリント基板12に固定されている。支持部材18は、さらに、下側プリント基板11に形成される支持部材用貫通孔20を貫通し、上側プリント基板12に接触している一端の反対側の他端が下側筐体1に固定されている。支持部材18は、上側プリント基板12が撓んで、発熱電子部品17が下側筐体1の底板6に対して大きく移動しないように、上側プリント基板12を下側筐体1の底板6に固定している。
【0015】
下側筐体1の4つの側板7は、内部空間8を挟んで互いに向き合う2つの側板21−1〜21−2を含んでいる。2つの側板21−1〜21−2は、それぞれ、複数の防塵カバー固定用ねじ孔22が形成されている。また、上側筐体2は、ヒートシンク24とヒートシンク搭載台25と複数のねじ26と伝熱部材27とを備えている。
【0016】
図4は、実施例1の電子機器10を示す分解斜視図である。ヒートシンク24は、図4に示されているように、平板部分28と複数のフィン29とを備えている。平板部分28は、熱伝導率が比較的高い金属(たとえば、銅、アルミニウム)から形成され、長方形の板状に形成されている。複数のフィン29は、それぞれ、平板部分28が形成される金属と同じ金属から形成され、帯状に形成されている。複数のフィン29は、互いに平行である複数の平行面にそれぞれ沿うように配置され、平板部分28の一方の面に接合されている。平板部分28は、複数のフィン29が接合される面の裏側の面に図示されていない複数のねじ孔が形成されている。
【0017】
ヒートシンク搭載台25は、天板部分31と2つの側板部分32−1〜32−2とを備えている。天板部分31は、金属に例示される導体から形成され、長方形の板状に形成されている。天板部分31は、伝熱部材用貫通孔33と複数の貫通孔34が形成されている。2つの側板部分32−1〜32−2は、それぞれ、天板部分31が形成される材料と同じ材料から形成され、帯状に形成されている。2つの側板部分32−1〜32−2は、天板部分31が沿う平面に垂直である平面に沿うようにそれぞれ配置され、天板部分31のうちの長方形の対辺に対応する2つの端縁にそれぞれ接合されている。2つの側板部分32−1〜32−2は、複数のねじ孔35−1〜35−4が形成されている。複数のねじ孔35−1〜35−4のうちの第1ねじ孔35−1と第2ねじ孔35−2とは、2つの側板部分32−1〜32−2のうちの第1側板部分32−1に形成されている。複数のねじ孔35−1〜35−4のうちの第1ねじ孔35−1と第2ねじ孔35−2とを除く複数のねじ孔は、第4ねじ孔35−4を含み、2つの側板部分32−1〜32−2のうちの第2側板部分32−2に形成されている。ヒートシンク搭載台25は、1枚の金属板を板金加工することにより、作製される。ヒートシンク搭載台25は、複数のねじ26が複数の貫通孔34をそれぞれ貫通し、複数のねじ26がヒートシンク24の平板部分28の複数のねじ孔に締結されることにより、ヒートシンク24に固定されている。
【0018】
伝熱部材27は、熱伝導率が比較的高い材料(たとえば、銅、アルミニウム)から形成され、柱状に形成されている。伝熱部材27は、ヒートシンク搭載台25の伝熱部材用貫通孔33を貫通し、柱体の1つの底面に対応する面がヒートシンク24に密着し、ヒートシンク24に固定されている。伝熱部材27は、上側筐体2が下側筐体1に適切に取り付けられているときに、ヒートシンク24に接触している面の反対側の密着面36(図3参照)が、発熱電子部品17の密着面19に接触している。電子機器10は、図示されていない伝熱グリスをさらに備えている。伝熱グリスは、密着面36と密着面19との間に充填されている。伝熱グリスは、密着面36が密着面19に接触するときに、密着面36と密着面19との間に形成される微細な隙間を埋めることにより、発熱電子部品17から伝熱部材27に熱が伝達される熱抵抗を低減する。
【0019】
防塵カバー3は、天板部分41と4つの側板部分42とを備えている。天板部分41は、金属に例示される導体から形成され、長方形の板状に形成されている。天板部分41は、ヒートシンク用貫通孔43が形成されている。4つの側板部分42は、それぞれ天板部分41が形成される材料と同じ材料から形成され、概ね帯状に形成されている。4つの側板部分42は、天板部分41が沿う平面に垂直である平面に沿うようにそれぞれ配置され、天板部分41うちの長方形の4辺に対応する4つの端縁にそれぞれ接合されている。4つの側板部分42は、さらに複数の嵌合部44が形成されている。防塵カバー3は、1枚の金属板を板金加工することにより、作製される。天板部分41は、防塵カバー3が下側筐体1に適切に取り付けられたときに、ヒートシンク24がヒートシンク用貫通孔43を貫通するように、ヒートシンク搭載台25の天板部分31のうちのヒートシンク24が配置されていない部分に密着する。4つの側板部分42は、防塵カバー3が下側筐体1に適切に取り付けられたときに、下側筐体1の4つの側板7にそれぞれ密着する。防塵カバー3は、複数のねじ45が複数の嵌合部44に嵌合し、複数のねじ45が下側筐体1の複数の防塵カバー固定用ねじ孔22にそれぞれ締結されることにより、下側筐体1に固定される。防塵カバー3は、下側筐体1に適切に取り付けられたときに、下側筐体1と上側筐体2とに接触することにより、下側筐体1に電気的に接触し、上側筐体2に電気的に接触する。
【0020】
下側筐体1の4つの側板7は、2つの側板21−1〜21−2と異なる2つの側板46−1〜46−2をさらに含んでいる。2つの側板46−1〜46−2は、内部空間8を挟んで、互いに向き合っている。2つの側板46−1〜46−2は、複数の溝47−1〜47−4が形成されている。複数の溝47−1〜47−4は、形状が互いに概ね等しい。複数の溝47−1〜47−4のうちの第1溝47−1と第2溝47−2とは、2つの側板46−1〜46−2のうちの第1側板46−1に形成されている。複数の溝47−1〜47−4のうちの第1溝47−1と第2溝47−2とを除く複数の溝は、第4溝47−4を含み、2つの側板46−1〜46−2のうちの第2側板46−2に形成されている。電子機器10は、複数のねじ48−1〜48−4をさらに備えている。複数のねじ48−1〜48−4は、上側筐体2が下側筐体1に適切に取り付けられているときに、複数の溝47−1〜47−4にそれぞれ嵌合し、複数のねじ孔35−1〜35−4にそれぞれ締結されることにより、上側筐体2を下側筐体1に固定する。
【0021】
発熱電子部品17は、電子機器10を上方から見たときに、複数のねじ48−1〜48−4で囲まれた領域に、配置されている。すなわち、密着面19に沿う投影面に発熱電子部品17が正射影された図形は、その投影面に複数のねじ48−1〜48−4がそれぞれ正射影された複数の図形の凸包に含まれている。電子機器10は、発熱電子部品17が複数のねじ48−1〜48−4で囲まれた領域に配置されていることにより、概ね均一な力で密着面36を密着面19に接触させることができ、密着面36を密着面19に適切に密着させることができる。
【0022】
図5は、複数の溝47−1〜47−4のうちの1つの溝を示す平面図である。複数の溝47−1〜47−4のうちの第i溝47−i(i=1,2,3,4)は、図5に示されているように、2つの側板46−1〜46−2のうちの第j側板46−j(j=1,2)に形成されている。第j側板46−jは、底板6に接合される縁の反対側に縁51−jが形成されている。第i溝47−iは、鉛直部分52と導入部分53と傾斜部分54とを含んでいる。鉛直部分52は、発熱電子部品17の密着面19の法線に平行である直線に沿うように、形成されている。導入部分53は、鉛直部分52のうちの縁51−jに近い側の端と縁51−jとの間に形成され、鉛直部分52と縁51−jとを接続している。導入部分53は、さらに、縁51−jに近付くにつれ幅が大きくなるように、形成されている。傾斜部分54は、直線58−iに沿うように、形成されている。直線58−iは、鉛直部分52が沿う直線と平行ではなく、かつ、鉛直部分52が沿う直線と垂直ではない。傾斜部分54は、縁51−jに近い側の端が鉛直部分52のうちの縁51−jから遠い側の端に重なるように形成され、すなわち、鉛直部分52に接続されている。
【0023】
第i溝47−iには、第i摺動面55−iが形成されている。第i摺動面55−iは、第i溝47−iの傾斜部分54を形成する端面の一部を形成し、直線58−iに平行である2つの直線にそれぞれ沿う2つの端面のうちの縁51−jから遠い側の端面を形成している。第i摺動面55−iは、概ね平坦に形成されている。
【0024】
複数のねじ48−1〜48−4のうちの第iねじ48−iは、第i溝47−iに嵌合する。第i溝47−iは、第iねじ48−iが嵌合するときに、第iねじ48−iが第i溝47−iに沿って移動するように、第iねじ48−iを案内する。第i溝47−iは、上側筐体2が下側筐体1に適切に取り付けられているときに、第iねじ48−iが第i溝47−iのうちの傾斜部分54に嵌合するように、形成されている。第iねじ48−iは、第iねじ48−iが第i溝47−iの傾斜部分54に嵌合する場合で、上側筐体2が下方向に適切に押さえられたときに、第i摺動面55−iのうちの第j接触点56−jに接触する。
【0025】
同様にして、複数の溝47−1〜47−4には、複数の摺動面55−1〜55−4がそれぞれ形成されている(図4参照)。このとき、複数の摺動面55−1〜55−4は、互いに平行である複数の平行面にそれぞれ沿うように、形成されている。複数のねじ48−1〜48−4は、複数の溝47−1〜47−4の傾斜部分54にそれぞれ嵌合する場合で、上側筐体2が下方向に押さえられたときに、複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ接触する。複数の摺動面55−1〜55−4は、さらに、複数のねじ孔35−1〜35−4にそれぞれ嵌合する複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ接触するときに、密着面19と密着面36とが平行になるように、形成されている。
【0026】
第i摺動面55−iは、さらに、第i摺動面55−iに沿う直線58−iと所定の直線57−jとがなす角の角度θが15度以上であり、かつ、角度θが30度以下であるように、直線57−jに対して傾斜している。直線57−jは、複数の摺動面55−1〜55−4のうちの第j側板46−jに形成される2つの摺動面のうち、複数のねじ48−1〜48−4のうちの2つのねじがそれぞれ接触する2つの接触点を通っている。すなわち、直線57−jは、第i接触点56−iと、第j側板46−jに形成される他の第k摺動面のうちの第kねじが接触している第k接触点とを通っている。このとき、数kは、数iが1を示すときに2を示し、数iが2を示すときに1を示し、数iが3を示すときに4を示し、数iが4を示すときに3を示している。
【0027】
ユーザは、下側筐体1に上側筐体2を取り付けるときに、発熱電子部品17の密着面19または伝熱部材27の密着面36の所定の位置に所定量の伝熱グリスを塗布する。ユーザは、さらに、複数のねじ48−1〜48−4を上側筐体2のヒートシンク搭載台25の複数のねじ孔35−1〜35−4にそれぞれ嵌合する。ユーザは、伝熱グリスが塗布された後に、上側筐体2に嵌合された複数のねじ48−1〜48−4を下側筐体1の複数の溝47−1〜47−4にそれぞれ嵌合させる。電子機器10は、複数の溝47−1〜47−4の導入部分53が形成されていることにより、複数のねじ孔35−1〜35−4に嵌合している複数のねじ48−1〜48−4を複数の溝47−1〜47−4に嵌合させるユーザの作業を容易にすることができる。
【0028】
ユーザは、複数のねじ48−1〜48−4が複数の溝47−1〜47−4にそれぞれ嵌合した後に、複数のねじ48−1〜48−4が複数の溝47−1〜47−4の傾斜部分54にそれぞれ嵌合するように、上側筐体2を移動させる。ユーザは、複数のねじ48−1〜48−4が複数の溝47−1〜47−4の傾斜部分54にそれぞれ嵌合したときに、上側筐体2を下方向に適切に押さえつけ、複数のねじ48−1〜48−4を複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ接触させる。伝熱部材27は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ接触することにより、密着面19に沿う平面が密着面36に沿う平面と平行となるように、配置される。
【0029】
ユーザは、さらに、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ接触したまま、複数のねじ48−1〜48−4を複数の溝47−1〜47−4の傾斜部分54の奥側に移動させる。上側筐体2は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4に接触したまま移動することにより、発熱電子部品17の密着面19の法線方向に対して傾いている方向に平行移動する。伝熱部材27は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4に接触したまま移動することにより、密着面19に沿う平面が密着面36に沿う平面と平行である状態が維持されたまま、発熱電子部品17に接近する。伝熱部材27の密着面36は、密着面19に沿う平面が密着面36に沿う平面と平行である状態が維持されたまま、伝熱部材27が発熱電子部品17に接近することにより、発熱電子部品17の密着面19に適切に密着する。所定の位置に塗布された伝熱グリスは、密着面36が密着面19に密着することにより、圧し延ばされて、密着面36と密着面19との間に形成される微細な隙間が埋まるように、密着面19と密着面36との間の隙間に適切に充填される。また、電子機器10は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4を摺動可能であることにより、密着面36または密着面19の鉛直方向の位置に製造誤差がある場合でも、密着面36を密着面19に適切に密着させることができる。ユーザは、密着面36が密着面19に密着した後に、上側筐体2の移動を停止し、複数のねじ48−1〜48−4を締め付けることにより、上側筐体2を下側筐体1に固定する。
【0030】
発熱電子部品17の熱は、密着面19と密着面36とが適切に密着し、伝熱グリスが密着面19と密着面36との間の隙間に適切に充填されることにより、伝熱部材27に適切に伝熱される。電子機器10は、発熱電子部品17の熱が伝熱部材27に適切に伝熱されることにより、発熱電子部品17の熱がヒートシンク24に適切に伝熱され、発熱電子部品17を適切に冷却することができる。
【0031】
電子機器10は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4に沿って移動することができるように、2つの側板21−1〜21−2と上側筐体2のヒートシンク搭載台25との間に隙間59(図3参照)が形成されている。ユーザは、上側筐体2が下側筐体1に取り付けられた後に、天板部分41がヒートシンク搭載台25の天板部分31に密着するように、かつ、4つの側板部分42が下側筐体1の4つの側板7にそれぞれ密着するように、防塵カバー3を所定の位置に配置する。防塵カバー3は、所定の位置に配置されるときに、隙間59を覆うことにより、隙間59を閉鎖し、内部空間8を外部から密閉する。電子機器10は、外部から内部空間8が適切に密閉されることにより、塵埃、液体、ガスが外部から内部空間8から入ってくることを防止することができ、内部空間8に配置される電子回路に塵埃、液体、ガスが接触することを防止することができる。
【0032】
ユーザは、防塵カバー3が所定の位置に配置された後に、複数のねじ45を複数の嵌合部44に嵌合させ、複数のねじ45を下側筐体1の複数の防塵カバー固定用ねじ孔22にそれぞれ締結し、防塵カバー3を下側筐体1に固定する。防塵カバー3は、複数のねじ45を介して下側筐体1に固定されることにより、下側筐体1と上側筐体2とに接触することにより、下側筐体1に電気的に接触し、上側筐体2に電気的に接触する。電子機器10は、内部空間8を囲む下側筐体1と上側筐体2と防塵カバー3とが電気的に接触していることにより、内部空間8に配置される電子回路から内部空間8の外部に漏えいする電磁波ノイズを低減することができる。
【0033】
上側筐体2は、角度θが概ね90度である場合で、第kねじが第k接触点で固定されているときに、第iねじ48−iが第i摺動面55−iを滑り、下側筐体1に対して傾斜することがある。密着面19と密着面36とは、上側筐体2が下側筐体1に対して傾斜することにより、適切に密着しないことがある。たとえば、伝熱グリスは、密着面19と密着面36とが適切に密着しないことにより、密着面36と密着面19との間に形成される微細な隙間を適切に埋めず、密着面36と密着面19との間に適切に充填されないことがある。このため、電子機器10は、密着面19と密着面36とが適切に密着しないときに、発熱電子部品17の熱が伝熱部材27に伝熱する伝熱量が低下し、発熱電子部品17を適切に冷却することができないことがある。
【0034】
電子機器10は、角度θが垂直でないことにより、第kねじが第k接触点で固定されているときに、第iねじ48−iが第i摺動面55−iを滑ることを防止する。電子機器10は、第iねじ48−iが第i摺動面55−iを滑ることが防止されることにより、上側筐体2が下側筐体1に対して傾斜することを防止し、密着面19に沿う平面が密着面36に沿う平面と非平行になることを防止することができる。
【0035】
[実施例1の電子機器10の効果]
実施例1の電子機器10は、下側筐体1と発熱電子部品17と上側筐体2と2つの側板46−1〜46−2と複数のねじ48−1〜48−4とを備えている。発熱電子部品17は、下側筐体1に固定されている。上側筐体2は、発熱電子部品17に形成される密着面19に密着する密着面36が形成されている。2つの側板46−1〜46−2は、下側筐体1に設けられている。複数のねじ48−1〜48−4は、上側筐体2に固定されている。密着面36に沿う平面は、2つの側板46−1〜46−2に形成される複数の摺動面55−1〜55−4に複数のねじ48−1〜48−4がそれぞれ接触するときに、密着面19に沿う平面に平行である。上側筐体2は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ摺動することにより、密着面36が密着面19に接近するように、案内される。複数の摺動面55−1〜55−4は、複数のねじ48−1〜48−4がそれぞれ摺動するときに、密着面19に沿う平面の法線方向と異なる方向に複数のねじ48−1〜48−4の各々が下側筐体1に対して移動するように、形成されている。
【0036】
このような電子機器10によれば、ユーザは、複数のねじ48−1〜48−4を複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ接触させることにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行になるように上側筐体2を容易に配置することができる。ユーザは、複数のねじ48−1〜48−4を複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ摺動させることにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行である状態が維持されたまま、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。電子機器10は、密着面19が密着面36に適切に密着することにより、発熱電子部品17から発熱した熱を上側筐体2に適切に伝熱させることができる。電子機器10は、発熱電子部品17の熱を上側筐体2に適切に伝熱させることにより、発熱電子部品17を適切に冷却することができ、発熱電子部品17の熱による悪影響を低減することができる。
【0037】
また、実施例1の電子機器10の複数の摺動面55−1〜55−4は、互いに平行である複数の平行面にそれぞれ沿うように形成されている。このような電子機器10は、複数の摺動面55−1〜55−4が複数の平行面に沿うことにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行である状態が維持されたまま、下側筐体1に対して上側筐体2を平行移動させることができる。電子機器10は、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行である状態が維持されたまま下側筐体1に対して上側筐体2が平行移動することにより、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。
【0038】
また、実施例1の電子機器10の複数のねじ48−1〜48−4は、上側筐体2を下側筐体1に固定することに利用されている。このような電子機器10は、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行である状態を維持する部品と、上側筐体2を下側筐体1に固定する部品とが別個である他の電子機器に比較して、部品点数を低減することができ、容易に作製されることができる。
【0039】
また、実施例1の電子機器10の下側筐体1は、複数のねじ48−1〜48−4にそれぞれ嵌合される複数の溝47−1〜47−4が形成されている。複数の摺動面55−1〜55−4は、複数の溝47−1〜47−4の端面の一部をそれぞれ形成している。このような電子機器10は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の溝47−1〜47−4にそれぞれ嵌合することにより、複数の摺動面55−1〜55−4に複数のねじ48−1〜48−4を摺動させる作業を容易にすることができる。
【0040】
また、実施例1の電子機器10の複数の溝47−1〜47−4は、2つの側板46−1〜46−2の縁51−1〜51−2にそれぞれ繋がるように、形成されている。このような電子機器10は、複数のねじ48−1〜48−4が上側筐体2の複数のねじ孔35−1〜35−4に嵌合した後に、複数のねじ48−1〜48−4を複数の溝47−1〜47−4に容易に嵌合させることができる。
【0041】
また、実施例1の電子機器10の上側筐体2は、伝熱部材27とヒートシンク24とヒートシンク搭載台25とを有している。伝熱部材27は、密着面36が形成され、ヒートシンク24に固定されている。ヒートシンク24は、伝熱部材27を介して発熱電子部品17から伝熱される熱を放熱する。ヒートシンク搭載台25は、ヒートシンク24に固定されることにより、ヒートシンク24を介して伝熱部材27に固定されている。複数のねじ48−1〜48−4は、ヒートシンク搭載台25に嵌合される。このような電子機器10は、ヒートシンク搭載台25に複数のねじ48−1〜48−4が嵌合されることにより、複数のねじ48−1〜48−4が嵌合される複数のねじ孔をヒートシンク24に形成する必要がなく、容易に作製されることができる。
【0042】
また、実施例1の電子機器10は、下側筐体1に固定される下側プリント基板11と、下側プリント基板11に固定される上側プリント基板12とをさらに備えている。発熱電子部品17は、上側プリント基板12に固定されている。このような電子機器10は、2段重ねプリント基板を用いて発熱電子部品17を下側筐体1に固定することにより、発熱電子部品17をヒートシンク24の近傍に配置することができる。電子機器10は、発熱電子部品17がヒートシンク24の近傍に配置されることにより、伝熱部材27の高さを低くすることができ、伝熱性能を向上させ、軽量化することができる。
【0043】
また、実施例1の電子機器10は、上側筐体2と下側筐体1との間に形成される隙間59を覆う防塵カバー3をさらに備えている。発熱電子部品17は、下側筐体1と上側筐体2とに囲まれる内部空間8に配置されている。このような電子機器10は、上側筐体2と下側筐体1との間の隙間59を防塵カバー3が覆うことにより、隙間59の大きさが変わっても、隙間59を適切に閉塞することができ、外部から内部空間8を適切に密閉することができる。電子機器10は、外部から内部空間8を適切に密閉することにより、塵埃、液体、ガスが外部から内部空間8から入ってくることを防止することができ、塵埃、液体、ガスが発熱電子部品17に接触することを防止することができる。
【0044】
また、実施例1の電子機器10の防塵カバー3は、導体から形成され、下側筐体1と上側筐体2とに電気的に接続されている。このような電子機器10は、発熱電子部品17が設けられた電子回路から内部空間8の外部に漏えいする電磁波ノイズを低減することができる。
【0045】
また、実施例1の電子機器10の発熱電子部品17は、密着面19に沿う平面に発熱電子部品17が正射影された図形が、平面に複数のねじ48−1〜48−4がそれぞれ正射影された複数の図形の凸包に含まれるように、配置されている。このような電子機器10は、均一な力で密着面36を密着面19に接触させることができ、密着面36を密着面19に適切に接触させることができる。
【0046】
ところで、既述の実施例1の電子機器10の複数の溝47−1〜47−4は、複数の摺動面55−1〜55−4が複数の溝47−1〜47−4の端面の一部として形成されているが、複数の摺動面55−1〜55−4が他の構造物の一部として形成されてもよい。
【実施例2】
【0047】
実施例2の電子機器は、既述の実施例1の電子機器10の複数の溝47−1〜47−4が複数の長孔に置換されている。図6は、実施例2の電子機器に形成される複数の長孔のうちの1つの長孔を示す平面図である。複数の長孔のうちの第j側板46−jに形成される第i長孔61−iは、図6に示されているように、直線58−iに沿うように、形成されている。第i長孔61−iを形成する端面の一部は、第i摺動面55−iから形成されている。第i摺動面55−iは、直線58−iに平行である2つの直線にそれぞれ沿う2つの端面のうちの縁51−jから遠い側の端面を形成している。第i長孔61−iは、第iねじ48−iが嵌合するときに、第iねじ48−iが第i摺動面55−iに接触したまま、第iねじ48−iが第i長孔61−iに沿って移動するように、第iねじ48−iを案内する。複数の長孔のうちの第i長孔61−iと異なる他の長孔も、第i長孔61−iと同様に形成されている。
【0048】
実施例2の電子機器は、既述の実施例1の電子機器10と同様にして、複数の摺動面55−1〜55−4が形成されていることにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行になるように上側筐体2を容易に配置することができる。実施例2の電子機器は、さらに、既述の実施例1の電子機器10と同様にして、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ摺動することにより、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。
【実施例3】
【0049】
実施例3の電子機器は、既述の実施例1の電子機器10の複数の溝47−1〜47−4が複数の切欠きに置換されている。図7は、実施例3の電子機器に形成される複数の切欠きのうちの1つの切欠きを示す平面図である。複数の切欠きのうちの第j側板46−jに形成される第i切欠き62−iは、図7に示されているように、直線58−iに沿うように、形成されている。第i切欠き62−iを形成する端面の一部は、第i摺動面55−iから形成されている。複数の切欠きのうちの第i切欠き62−iと異なる他の切欠きも、第i切欠き62−iと同様に形成されている。複数のねじ48−1〜48−4は、複数の切欠きに嵌合する場合で、上側筐体2が下方向に適切に押さえられたときに、複数の摺動面55−1〜55−4に接触し、複数の接触点56−1〜56−4に接触する。
【0050】
実施例3の電子機器は、既述の実施例1の電子機器10と同様にして、複数の摺動面55−1〜55−4が形成されていることにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行になるように上側筐体2を容易に配置することができる。実施例3の電子機器は、さらに、既述の実施例1の電子機器10と同様にして、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ摺動することにより、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。
【0051】
ところで、既述の実施例1の電子機器10は、上側筐体2がヒートシンク搭載台25を備えているが、ヒートシンク搭載台25が省略されてもよい。
【実施例4】
【0052】
図8は、実施例4の電子機器を示す概略分解斜視図である。実施例4の電子機器は、図8に示されているように、既述の実施例1〜実施例3の電子機器のヒートシンク24が他のヒートシンク63に置換されている。ヒートシンク63は、既述の実施例1〜実施例3の電子機器のヒートシンク24と同様にして、平板部分28と複数のフィン29とを備えている。平板部分28は、さらに、複数のねじ48−1〜48−4に締結される複数のねじ孔65−1〜65−4が形成されている。
【0053】
図9は、実施例4の電子機器を示す概略断面図である。ヒートシンク63は、図9に示されているように、伝熱部材27が固定されている。ヒートシンク63は、複数のねじ孔65−1〜65−4にそれぞれ嵌合される複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4が接触することにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行になるように、形成されている。ヒートシンク63は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4が接触しているときに、複数のねじ48−1〜48−4が複数のねじ孔65−1〜65−4にそれぞれ締結されることにより、下側筐体1に固定される。
【0054】
防塵カバー3は、天板部分41がヒートシンク63の平板部分28のうちの複数のフィン29が接合されていない部分に密着し、4つの側板部分42が下側筐体1の4つの側板7にそれぞれ密着している。防塵カバー3は、このように配置されることにより、下側筐体1の4つの側板7とヒートシンク63との間に形成される隙間66を覆い、隙間66を閉鎖し、内部空間8を外部から密閉する。
【0055】
実施例4の電子機器は、既述の実施例1〜実施例3の電子機器と同様にして、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ摺動することにより、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。実施例4の電子機器は、ヒートシンク搭載台25が省略されることにより、既述の実施例1〜実施例3の電子機器に比較して、部品点数が少なく、容易に作製されることができる。これに対して、既述の実施例1〜実施例3の電子機器のヒートシンク24は、複数のねじ孔65−1〜65−4を形成する必要がなく、実施例4の電子機器のヒートシンク63に比較して、容易に作製されることができる。
【0056】
ところで、既述の実施例1〜実施例3の電子機器は、下側筐体1の4つの側板7の内側に上側筐体2が配置されているが、上側筐体2の2つの側板部分32−1〜32−2の内側に下側筐体1が配置されてもよい。
【実施例5】
【0057】
図10は、実施例5の電子機器を示す概略断面図である。実施例5の電子機器は、図10に示されているように、既述の実施例1の電子機器10の4つの側板7のうちの複数の溝47−1〜47−4が形成されている2つの側板が他の2つの側板71−1〜71−2に置換されている。2つの側板71−1〜71−2は、複数のねじ48−1〜48−4にそれぞれ締結される複数のねじ孔73が形成されている。
【0058】
実施例5の電子機器は、さらに、ヒートシンク搭載台25が他のヒートシンク搭載台72に置換されている。ヒートシンク搭載台72は、天板部分74と2つの側板部分75−1〜75−2とを備えている。天板部分74は、金属に例示される導体から形成され、長方形の板状に形成されている。ヒートシンク搭載台72は、図示されていない複数のねじを介して天板部分74がヒートシンク24に固定されることにより、ヒートシンク24に固定されている。2つの側板部分75−1〜75−2は、それぞれ、天板部分74が形成される材料と同じ材料から形成され、帯状に形成されている。2つの側板部分75−1〜75−2は、天板部分74が沿う平面に垂直である平面に沿うようにそれぞれ配置され、天板部分74のうちの長方形の対辺に対応する2つの端縁にそれぞれ接合されている。2つの側板部分75−1〜75−2は、複数の切欠き76−1〜76−4が形成されている。複数の切欠き76−1〜76−4のうちの第1切欠き76−1と第2切欠き76−2とは、2つの側板部分75−1〜75−2のうちの第1側板部分75−1に形成されている。複数の切欠き76−1〜76−4のうちの第3切欠き76−3と第4切欠き76−4とは、2つの側板部分75−1〜75−2のうちの第2側板部分75−2に形成されている。
【0059】
実施例5の電子機器は、さらに、図示されていない防塵ゴムを備えている。防塵ゴムは、電導性を有する電導性ゴムから形成されている。防塵ゴムは、下側筐体1とヒートシンク搭載台72との間に形成される隙間に配置され、弾性変形することにより、その隙間を閉鎖し、内部空間8を外部から密閉している。実施例5の電子機器は、防塵ゴムが設けられていることにより、塵埃、液体、ガスが外部から内部空間8から入ってくることを防止することができ、内部空間8に配置される電子回路に塵埃、液体、ガスが接触することを防止することができる。防塵ゴムは、その隙間を閉鎖するときに、さらに、下側筐体1に電気的に接触し、ヒートシンク搭載台72とヒートシンク24と電気的に接触している。実施例5の電子機器は、防塵ゴムが電導性を有することにより、内部空間8に配置される電子回路から内部空間8の外部に漏えいする電磁波ノイズを低減することができる。
【0060】
図11は、複数の切欠き76−1〜76−4のうちの1つの切欠きを示す平面図である。複数の切欠き76−1〜76−4のうちの第i切欠き76−iは、図11に示されているように、2つの側板部分75−1〜75−2のうちの第j側板75−jに形成されている。第i切欠き76−iには、第i摺動面78−iが形成されている。第i摺動面78−iは、第i切欠き76−iを形成する端面の一部を形成している。第i摺動面78−iは、概ね平坦に形成されている。複数のねじ48−1〜48−4のうちの第iねじ48−iは、第i切欠き76−iに嵌合する。第iねじ48−iは、第iねじ48−iが第i切欠き76−iに嵌合する場合で、上側筐体2が下方向に適切に押さえられたときに、第i摺動面78−iのうちの第i接触点79−iに接触する。
【0061】
同様にして、複数の切欠き76−1〜76−4には、複数の摺動面78−1〜78−4がそれぞれ形成されている。このとき、複数の摺動面78−1〜78−4は、互いに平行である複数の平行面にそれぞれ沿うように、形成されている。複数のねじ48−1〜48−4は、複数の切欠き76−1〜76−4の傾斜部分54にそれぞれ嵌合する場合で、上側筐体2が下方向に押さえられたときに、複数の摺動面78−1〜78−4にそれぞれ接触する。複数の摺動面78−1〜78−4は、さらに、複数のねじ孔73にそれぞれ嵌合する複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面78−1〜78−4にそれぞれ接触するときに、密着面19と密着面36とが平行になるように、形成されている。
【0062】
第i摺動面78−iは、さらに、第i摺動面78−iに沿う直線77−iと所定の直線80−jとがなす角の角度θが15度以上であり、かつ、角度θが30度以下であるように、直線80−jに対して傾斜している。直線80−jは、複数の摺動面78−1〜78−4のうちの第j側板75−jに形成される2つの摺動面のうち、複数のねじ48−1〜48−4のうちの2つのねじがそれぞれ接触する2つの接触点を結んでいる。すなわち、直線80−jは、第i接触点56−iと、第j側板75−jに形成される他の第k摺動面のうちの第kねじが接触している第k接触点とを通っている。
【0063】
実施例5の電子機器は、角度θが垂直でないことにより、既述の実施例1〜4の電子機器と同様にして、第kねじが第k接触点で固定されているときに、第iねじ48−iが第i摺動面78−iを滑ることを防止する。実施例5の電子機器は、第iねじ48−iが第i摺動面78−iを滑ることが防止されることにより、密着面19に沿う平面が密着面36に沿う平面と非平行になることを防止することができる。実施例5の電子機器は、第iねじ48−iが第i摺動面78−iを滑ることが防止されることにより、密着面19に沿う平面が密着面36に沿う平面と非平行になることを防止することができる。さらに、ユーザは、複数のねじ48−1〜48−4を複数の摺動面78−1〜78−4にそれぞれ摺動させることにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行である状態を維持したまま、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。
【0064】
[実施例5の電子機器の効果]
実施例5の電子機器は、下側筐体1と発熱電子部品17と上側筐体2と2つの側板部分75−1〜75−2と複数のねじ48−1〜48−4とを備えている。発熱電子部品17は、下側筐体1に固定されている。上側筐体2は、発熱電子部品17に形成される密着面19に密着する密着面36が形成されている。2つの側板部分75−1〜75−2は、上側筐体2に設けられている。複数のねじ48−1〜48−4は、下側筐体1に固定されている。密着面36に沿う平面は、2つの側板部分75−1〜75−2に形成される複数の摺動面78−1〜78−4に複数のねじ48−1〜48−4がそれぞれ接触するときに、密着面19に沿う平面に平行である。上側筐体2は、複数のねじ48−1〜48−4が複数の摺動面78−1〜78−4にそれぞれ摺動することにより、密着面36が密着面19に接近するように、案内される。複数の摺動面78−1〜78−4は、複数のねじ48−1〜48−4がそれぞれ摺動するときに、密着面19に沿う平面の法線方向と異なる方向に複数のねじ48−1〜48−4の各々が下側筐体1に対して移動するように、形成されている。
【0065】
このような電子機器によれば、ユーザは、複数のねじ48−1〜48−4を複数の摺動面78−1〜78−4にそれぞれ接触させることにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行になるように上側筐体2を容易に配置することができる。ユーザは、複数のねじ48−1〜48−4を複数の摺動面78−1〜78−4にそれぞれ摺動させることにより、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行である状態が維持されたまま、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。
【0066】
ところで、既述の実施例の電子機器は、複数の電子部品16と発熱電子部品17とが実装されるプリント基板が、下側プリント基板11と上側プリント基板12との複数のプリント基板を含んでいるが、1つのプリント基板から形成されてもよい。
【実施例6】
【0067】
図12は、実施例6の電子機器を示す概略断面図である。実施例6の電子機器は、図12に示されているように、既述の実施例5の電子機器の下側プリント基板11と上側プリント基板12とが他のプリント基板81に置換され、支持部材18が他の支持部材82に置換されている。プリント基板81は、板状に形成され、表面にプリント配線が形成されている。プリント基板81は、底板6に沿う平面に平行である平面に沿うように内部空間8に配置され、複数の固定部材83を介して下側筐体1の底板6に固定されている。このとき、複数の電子部品16と発熱電子部品17とは、内部空間8のうちのプリント基板81の上側に配置されている。複数のコネクタ5と複数の電子部品16と発熱電子部品17とは、プリント基板81に実装され、プリント基板81に固定されている。
【0068】
支持部材82は、熱伝導率が比較的高い材料(たとえば、銅、アルミニウム)から形成され、柱状に形成されている。支持部材82の一端は、プリント基板81のうちの発熱電子部品17が固定されている部位の底板6の側の面に接触し、プリント基板81に固定されている。支持部材82は、さらに、プリント基板81に接触している一端の反対側の他端が下側筐体1の底板6に固定されている。支持部材82は、両端が下側筐体1とプリント基板81とにそれぞれ固定されることにより、プリント基板81が撓んで、発熱電子部品17が下側筐体1の底板6に対して大きく移動しないように、プリント基板81を下側筐体1の底板6に固定している。
【0069】
このとき、プリント基板81は、既述の実施例の電子機器の上側プリント基板12に比較して、ヒートシンク24から離れた位置に配置されている。実施例6の電子機器は、プリント基板81がこのように配置されることにより、複数の電子部品16が発熱電子部品17の厚さより厚い電子部品を含む場合でも、その厚い電子部品がヒートシンク24に接触することを防止することができる。
【0070】
実施例6の電子機器は、さらに、既述の伝熱部材27が他の伝熱部材84に置換されている。伝熱部材84は、同様にして、一端に密着面85が形成され、他端がヒートシンク24に密着し、ヒートシンク24に固定されている。伝熱部材84は、さらに、伝熱部材27に比較して、高さが高い。実施例6の電子機器は、伝熱部材84が設けられることにより、プリント基板81がヒートシンク24から離れた位置に配置されている場合でも、伝熱部材84の密着面85を発熱電子部品17の密着面19に接触させることができる。
【0071】
実施例6の電子機器は、既述の実施例5の電子機器と同様にして、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行である状態を維持したまま、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。
【0072】
実施例6の電子機器は、伝熱部材84の高さが高くなることにより、伝熱性能が低下し、重量が重くなることがある。既述の実施例の電子機器は、実施例6の電子機器に比較して、発熱電子部品17がヒートシンク24の近傍に配置されることにより、伝熱部材27の高さを低くすることができ、伝熱性能を向上させ、軽量化することができる。
【実施例7】
【0073】
図13は、実施例7の電子機器を示す概略断面図である。実施例7の電子機器は、図13に示されているように、既述の実施例5の電子機器の下側プリント基板11と上側プリント基板12とが他のプリント基板91に置換され、支持部材18が他の支持部材92に置換されている。プリント基板91は、板状に形成され、表面にプリント配線が形成されている。プリント基板91は、底板6に沿う平面に平行である平面に沿うように内部空間8に配置され、複数の固定部材93を介して下側筐体1の底板6に固定されている。このとき、複数の電子部品16は、内部空間8のうちのプリント基板91より底板6に近い側に配置されている。発熱電子部品17は、内部空間8のうちのプリント基板91よりヒートシンク24に近い側に配置されている。複数のコネクタ5と複数の電子部品16と発熱電子部品17とは、プリント基板91に実装され、プリント基板91に固定されている。
【0074】
支持部材92は、熱伝導率が比較的高い材料(たとえば、銅、アルミニウム)から形成され、柱状に形成されている。支持部材92の一端は、プリント基板91のうちの発熱電子部品17が固定されている部位の底板6の側の面に接触し、プリント基板91に固定されている。支持部材92は、さらに、プリント基板91に接触している一端の反対側の他端が下側筐体1の底板6に固定されている。支持部材92は、両端が下側筐体1とプリント基板91とにそれぞれ固定されることにより、プリント基板91が撓んで、発熱電子部品17が下側筐体1の底板6に対して大きく移動しないように、プリント基板91を下側筐体1の底板6に固定している。
【0075】
このとき、プリント基板91は、プリント基板91からヒートシンク24までの距離が、既述の実施例の電子機器の上側プリント基板12からヒートシンク24までの距離と概ね等しくなるように、配置されている。実施例7の電子機器は、プリント基板91がこのように配置されることにより、伝熱部材27を高さが高い他の伝熱部材に置換する必要がなく、実施例6の電子機器に比較して、伝熱性能を向上させ、軽量化することができる。
【0076】
実施例7の電子機器は、既述の実施例5の電子機器と同様にして、密着面19が沿う平面と密着面36が沿う平面とが平行である状態を維持したまま、密着面36に密着面19を適切に密着させることができる。実施例7の電子機器は、複数の電子部品16がプリント基板91の底板6に近い側に配置されていることにより、複数の電子部品16に高さが高い電子部品が含まれている場合でも、複数の電子部品16がヒートシンク24に干渉することを防止することができる。実施例7の電子機器は、複数の電子部品16がプリント基板91の底板6に近い側に配置されていることにより、さらに、伝熱部材27の厚さを薄くすることができ、伝熱性能の向上と軽量化とを図ることができる。
【0077】
ところで、既述の実施例の電子機器は、発熱電子部品17の密着面19と伝熱部材27、84の密着面36との間に伝熱グリスが充填されているが、密着面19と密着面36との間に伝熱グリスが充填されなくてもよい。既述の実施例の電子機器は、伝熱グリスを備えていない場合でも、密着面19と密着面36とが適切に密着することにより、発熱電子部品17の熱が伝熱部材27、84に適切に伝熱され、発熱電子部品17を適切に冷却することができる。
【0078】
ところで、既述の実施例の電子機器の複数のねじ28−1〜28−4は、上側筐体2を位置合わせすることと、上側筐体2を固定することとの両方の用途に利用されているが、両方の用途にそれぞれ利用される2つの部材が別個に設けられてもよい。たとえば、電子機器は、下側筐体1に上側筐体2を固定する複数のねじを備えている。さらに、上側筐体2は、複数の摺動面55−1〜55−4にそれぞれ摺動する複数の突起が形成され、または、下側筐体1は、複数の摺動面78−1〜78−4にそれぞれ摺動する複数の突起が形成されている。このような電子機器も、既述の実施例の電子機器と同様にして、複数の突起が複数の摺動面55−1〜55−4、78−1〜78−4にそれぞれ摺動することにより、密着面19と密着面36とを適切に密着させることができる。
【0079】
ところで、既述の実施例の電子機器の複数の摺動面55−1〜55−4、78−1〜78−4は、互いに平行である複数の平行線に沿って形成されているが、複数の平行線にそれぞれ沿わないように形成されてもよい。たとえば、複数の摺動面は、発熱電子部品17の密着面19と直交する回転軸を中心に伝熱部材27、84が回転しながら、伝熱部材27、84が発熱電子部品17に接近するように、複数のねじ48−1〜48−4を案内してもよい。このような場合も、電子機器は、密着面19に沿う平面が密着面36に沿う平面と平行である状態が維持されたまま、発熱電子部品17に接近させ、密着面19と密着面36とを適切に密着させることができる。
【0080】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0081】
10 :電子機器
1 :下側筐体
2 :上側筐体
3 :防塵カバー
8 :内部空間
11 :下側プリント基板
12 :上側プリント基板
16 :複数の電子部品
17 :発熱電子部品
18 :支持部材
19 :密着面
24 :ヒートシンク
25 :ヒートシンク搭載台
27 :伝熱部材
35−1〜35−4:複数のねじ孔
36 :密着面
46−1〜46−2:2つの側板
47−1〜47−4:複数の溝
48−1〜48−4:複数のねじ
51−1〜51−2:縁
52 :鉛直部分
53 :導入部分
54 :傾斜部分
55−1〜55−4:複数の摺動面
57−j:直線
58−i:直線
59 :隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13