特許第6904919号(P6904919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6904919エリア進入通知装置、エリア進入通知システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904919
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】エリア進入通知装置、エリア進入通知システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20210708BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20210708BHJP
   H04W 4/029 20180101ALI20210708BHJP
   H04W 4/44 20180101ALI20210708BHJP
【FI】
   G08G1/00 D
   G08G1/13
   H04W4/029
   H04W4/44
【請求項の数】7
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-65943(P2018-65943)
(22)【出願日】2018年3月29日
(65)【公開番号】特開2019-175368(P2019-175368A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2020年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 聖也
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 洋
(72)【発明者】
【氏名】江川 栄治
(72)【発明者】
【氏名】藤田 剛
【審査官】 佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−026072(JP,A)
【文献】 特開2008−071008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00−10/30
B60W 30/00−60/00
G08G 1/00−99/00
H04W 4/029
H04W 4/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象が現場に進入したことを通知するエリア進入通知装置であって、
検知対象から、当該検知対象の位置を示す位置情報を受信する受信部と、
1つまたは複数のエリアの領域を示した領域情報を記憶した記憶装置または記録装置から、当該領域情報を取得し、前記受信部で受信した位置情報が、前記領域情報で示される領域内であるか否か判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が、領域内を示すものである場合、1つまたは複数の通信端末に通知するエリア進入通知部と、を有し、
前記記憶装置または記録装置には、複数のエリアについての前記領域情報が記憶されており、且つ、エリアごとにいずれの通信端末に通知するかと、エリアごとに通知を行うか否かを示す情報と、エリアごとに通信端末を有する被通知先の状態を示す状態情報と、がそれぞれ前記エリアに対応付けられて設定されており、
前記判定部は、前記受信部で受信した位置情報が、いずれのエリアの領域内であるかを判定し、該当エリアに対応付けられた通信端末を特定し、前記被通知先の状態と、前記状態情報に示される状態とを比較し、当該比較結果に基づき、当該被通知先の通信端末に前記通知を行うか否かを判定し、
前記エリア進入通知部は、前記受信部で受信した位置情報が領域内となったエリアが、前記通知を行う設定となっている場合、前記判定部により特定された通信端末を通知先として前記通知を行い、前記受信部で受信した位置情報が領域内となったエリアが、前記通知を行わない設定となっている場合、前記通知を行わないことを特徴とするエリア進入通知装置。
【請求項2】
検知対象が現場に進入したことを通知するエリア進入通知装置であって、
検知対象から、当該検知対象の位置を示す位置情報を受信する受信部と、
1つまたは複数のエリアの領域を示した領域情報を記憶した記憶装置または記録装置から、当該領域情報を取得し、前記受信部で受信した位置情報が、前記領域情報で示される領域内であるか否か判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が、領域内を示すものである場合、1つまたは複数の通信端末に通知するエリア進入通知部と、を有し、
前記記憶装置または記録装置には、さらに、通知を行ったか否かの通知状態を、検知対象を示す情報とエリアを示す情報とに対応付けて記憶しており、
前記判定部は、検知対象が前記領域情報に示されているエリアの領域内に入ったことによる通知が行われた場合、前記通知状態を通知済みを示すデータに更新することを特徴とするエリア進入通知装置。
【請求項3】
検知対象が現場に進入したことを通知するエリア進入通知装置であって、
検知対象から、当該検知対象の位置を示す位置情報を受信する受信部と、
1つまたは複数のエリアの領域を示した領域情報を記憶した記憶装置または記録装置から、当該領域情報を取得し、前記受信部で受信した位置情報が、前記領域情報で示される領域内であるか否か判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が、領域内を示すものである場合、1つまたは複数の通信端末に通知するエリア進入通知部と、
前記領域情報を更新するエリア更新部と、を有し、
前記記憶装置または記録装置には、検知対象がエリア領域内であるか領域外であるかを示す進入状態情報が、検知対象を示す情報とエリアを示す情報とに対応付けられて記憶されており、
前記判定部は、さらに、領域内であるか否かの前記判定結果に応じて、前記進入状態情報を更新し、
前記エリア更新部は、前記判定部による前記進入状態情報の更新が繰り返し行われる領域を含めるように、前記領域情報を更新することを特徴とするエリア進入通知装置。
【請求項4】
請求項1から3いずれか1項に記載のエリア進入通知装置において、
前記記憶装置または記録装置には、エリアへの進入ルート上に設けられるゲートの位置を示すゲート位置情報が記憶されており、
前記判定部は、前記ゲート位置情報と前記受信部で受信した位置情報とに基づき、前記検知対象が前記ゲートを通過したかを判定し、
前記エリア進入通知部は、前記ゲートを通過したと判定される場合、前記通信端末に通知することを特徴とするエリア進入通知装置。
【請求項5】
自己の位置情報を送信する第1端末装置と、記憶装置または記録装置と、前記第1端末装置から送信される位置情報を受信し、検知対象が現場に進入したことを、第2端末装置に通知するエリア進入通知装置と、を有するエリア進入通知システムであって、
前記記憶装置または記録装置は、1つまたは複数のエリアの領域を示した領域情報を記憶しており、
前記エリア進入通知装置は、
検知対象に備えられる前記第1端末装置から、当該検知対象の位置を示す位置情報を受信する受信部と、
前記記憶装置または記録装置から前記領域情報を取得し、前記受信部で受信した位置情報が、前記領域情報で示される領域内であるか否か判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が、領域内を示すものである場合、1つまたは複数の前記第2端末装置に通知するエリア進入通知部と、を有し、
前記記憶装置または記録装置には、複数のエリアについての前記領域情報が記憶されており、且つ、エリアごとにいずれの通信端末に通知するかと、エリアごとに通知を行うか否かを示す情報と、エリアごとに通信端末を有する被通知先の状態を示す状態情報と、がそれぞれ前記エリアに対応付けられて設定されており、
前記判定部は、前記受信部で受信した位置情報が、いずれのエリアの領域内であるかを判定し、該当エリアと対応付けられた通信端末を特定し、前記被通知先の状態と、前記状態情報に示される状態とを比較し、当該比較結果に基づき、当該被通知先の通信端末に前記通知を行うか否かを判定し、
前記エリア進入通知部は、前記受信部で受信した位置情報が領域内となったエリアが、前記通知を行う設定となっている場合、前記判定部により特定された通信端末を通知先として前記通知を行い、前記受信部で受信した位置情報が領域内となったエリアが、前記通知を行わない設定となっている場合、前記通知を行わないことを特徴とするエリア進入通知システム。
【請求項6】
自己の位置情報を送信する第1端末装置と、記憶装置または記録装置と、前記第1端末装置から送信される位置情報を受信し、検知対象が現場に進入したことを、第2端末装置に通知するエリア進入通知装置と、を有するエリア進入通知システムであって、
前記記憶装置または記録装置は、1つまたは複数のエリアの領域を示した領域情報を記憶しており、
前記エリア進入通知装置は、
検知対象に備えられる前記第1端末装置から、当該検知対象の位置を示す位置情報を受信する受信部と、
前記記憶装置または記録装置から前記領域情報を取得し、前記受信部で受信した位置情報が、前記領域情報で示される領域内であるか否か判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が、領域内を示すものである場合、1つまたは複数の前記第2端末装置に通知するエリア進入通知部と、を有し、
前記記憶装置または記録装置には、さらに、通知を行ったか否かの通知状態を、検知対象を示す情報とエリアを示す情報とに対応付けて記憶しており、
前記判定部は、検知対象が前記領域情報に示されているエリアの領域内に入ったことによる通知が行われた場合、前記通知状態を通知済みを示すデータに更新することを特徴とするエリア進入通知システム。
【請求項7】
自己の位置情報を送信する第1端末装置と、記憶装置または記録装置と、前記第1端末装置から送信される位置情報を受信し、検知対象が現場に進入したことを、第2端末装置に通知するエリア進入通知装置と、を有するエリア進入通知システムであって、
前記記憶装置または記録装置は、1つまたは複数のエリアの領域を示した領域情報を記憶しており、
前記エリア進入通知装置は、
検知対象に備えられる前記第1端末装置から、当該検知対象の位置を示す位置情報を受信する受信部と、
前記記憶装置または記録装置から前記領域情報を取得し、前記受信部で受信した位置情報が、前記領域情報で示される領域内であるか否か判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が、領域内を示すものである場合、1つまたは複数の前記第2端末装置に通知するエリア進入通知部と、
前記領域情報を更新するエリア更新部と、を有し、
前記記憶装置または記録装置には、検知対象がエリア領域内であるか領域外であるかを示す進入状態情報が、検知対象を示す情報とエリアを示す情報とに対応付けられて記憶されており、
前記判定部は、さらに、領域内であるか否かの前記判定結果に応じて、前記進入状態情報を更新し、
前記エリア更新部は、前記判定部による前記進入状態情報の更新が繰り返し行われる領域を含めるように、前記領域情報を更新することを特徴とするエリア進入通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場向けの施工管理における通知の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設現場ではダンプトラックで土を運び、運ばれた土を用いてショベルで盛り土を行い、ショベルで掘削した土をダンプトラックに積み指定の捨て場に運搬することが行われている。最終的には、盛土や掘削をすることで堤防や道路などの目的の形を作っていく。
【0003】
建設現場では、この土の運搬と土の掘削・形成をいかに効率よく行うかが作業の効率化として重要となる。そのため、現場ではダンプの到着と同時にショベルの積込が開始できるように、トランシーバーで連絡をとりあいタイミングの調整が行われている。しかしながら、トランシーバーでの連絡のため、ダンプの運転手や警備員が連絡を忘れてしまったり、連絡タイミングが状況に応じてそれぞれ異なったりする。これにより、ダンプの到着後に当該ダンプを待機させたり、ショベルがダンプの到着を待ったりして作業の停滞が発生してしまう。特に街中の現場においては、ダンプが一般道で待機するのが困難な場合は現場周囲を走行して時間を費やすこととなり、その分作業効率のロスや燃料費などの出費が発生する。
【0004】
上記問題を解決するため、道路上に仮想的なゲートを設定し、ダンプが該当位置を通過すると自動的にショベルに通知される技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−71008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の手法では、ゲートの設定忘れや想定外のルートを通って仮想ゲートを通過しない場合は、通知されないという問題が発生する。また、実施している作業によってはダンプの到着を知る必要がなく、毎回通知されると煩わしくなるという課題がある。
【0007】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたもので、ショベルのオペレータや現場監督がダンプの到着を事前に知ることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、代表的な本発明のエリア進入通知装置は、検知対象が現場に進入したことを通知するエリア進入通知装置であって、
検知対象から、当該検知対象の位置を示す位置情報を受信する受信部と、
1つまたは複数のエリアの領域を示した領域情報を記憶した記憶装置または記録装置から、当該領域情報を取得し、前記受信部で受信した位置情報が、前記領域情報で示される領域内であるか否か判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が、領域内を示すものである場合、1つまたは複数の通信端末に通知するエリア進入通知部と、を有し、
前記記憶装置または記録装置には、複数のエリアについての前記領域情報が記憶されており、且つ、エリアごとにいずれの通信端末に通知するかと、エリアごとに通知を行うか否かを示す情報と、エリアごとに通信端末を有する被通知先の状態を示す状態情報と、がそれぞれ前記エリアに対応付けられて設定されており、
前記判定部は、前記受信部で受信した位置情報が、いずれのエリアの領域内であるかを判定し、該当エリアに対応付けられた通信端末を特定し、前記被通知先の状態と、前記状態情報に示される状態とを比較し、当該比較結果に基づき、当該被通知先の通信端末に前記通知を行うか否かを判定し、
前記エリア進入通知部は、前記受信部で受信した位置情報が領域内となったエリアが、前記通知を行う設定となっている場合、前記判定部により特定された通信端末を通知先として前記通知を行い、前記受信部で受信した位置情報が領域内となったエリアが、前記通知を行わない設定となっている場合、前記通知を行わないことを特徴とする
【発明の効果】
【0009】
ショベルのオペレータや現場監督がダンプの到着を事前に知ることができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態のシステム構成を説明するための説明図である。
図2】実施形態の施工管理装置のハードウェア・ソフトウェア構成例を示す図である。
図3】実施形態の通信端末のハードウェア・ソフトウェア構成図である。
図4】実施形態における、通知エリアの概念を説明するための平面図である。
図5】実施形態における、通信端末での通知例を示す図である。
図6】実施形態における、通知エリア設定時の画面イメージを例示する図である。
図7】実施形態における、通知エリア設定のテーブル構成例を示す図である。
図8】実施形態における、エリア進入状態のテーブル構成例を示す図である。
図9】実施形態における、通知メッセージ状態のテーブル構成例を示す図である。
図10】実施形態における、通知エリアの自動更新の適用例を示す平面図である。
図11】実施形態における、位置情報更新・通知の動作例を示すフローチャートである。
図12】実施形態における、位置情報更新・通知時のエリア進入状態更新の動作例を示すフローチャートである。
図13】実施形態における、位置情報更新・通知時の通知メッセージ状態更新の動作例を示すフローチャートである。
図14】実施形態における、通知エリア自動更新の動作例を示すフローチャートである。
図15】第2実施形態における、通知エリアと通知ゲートの概念を説明するための平面図である。
図16】第2実施形態における、施工管理装置のハードウェア・ソフトウェア構成例を示す図である。
図17】第2実施形態における、通知ゲート設定のテーブル構成例を示す図である。
図18】第2実施形態における、通知ゲート通過状態のテーブル構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、本実施形態を説明するための全図において同一の機能を有するものは同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、実施形態の施工管理装置6(エリア進入通知装置)を含む施工現場全体を含んだ施工管理システムの構成を示す図である。施工管理システム100(エリア進入通知システム)は、建設現場での使用を想定しており、建設現場は、ショベルやダンプトラック、作業員や現場監督といった人が混在した環境を想定する。施工管理システム100は、建設現場のショベル1やダンプ2、作業員や現場監督といった人3、また、ショベル1やダンプ2、人3が保持する通信端末4、施工管理装置6の設定を編集し、日報などを参照する操作端末7を有する。尚、施工管理システム100を利用しているショベル1やダンプ2、人3を、以降の説明では「ユーザ」と称する場合もある。
【0013】
通信端末4は、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システム8を利用し、自己の位置を測位する機能と、施工管理装置6と通信を行い、位置情報を送信する機能を有する。尚、ここでは衛星測位システムを想定しているが、ビーコンなどを用いたほかの測位方法を用いて自身の位置を測位してもよい。また通信端末4は、施工管理装置6からの通知を受信してユーザに知らせる機能を持つ通信端末4a(第2端末装置)と、通知を受信する機能を持たない通信端末4b(第1端末装置)がある。本実施形態では、現場監督、ショベルのオペレータは、自己の位置情報を送信し、且つ通知を受信する機能を有する通信端末4aを所持しているものとする。またダンプトラックの運転者は、通知を受信する機能の無い、自己の位置情報のみを送信する通信端末4bを所持しているものとする。尚、通信端末4は、ショベルやダンプトラックに組み込まれていてもよい。
【0014】
通信端末4と施工管理装置6は、携帯電話の無線帯域11を利用し、携帯電話の基地局5、公衆通信回線12を経由して接続される。または、全てのシステムを施工現場内に構築し、現場内のイントラネットに施工管理装置6を設置し、現場内の無線LAN(Local Area Network)を用いて通信端末4と施工管理装置6の通信を行ってもよい。通信端末4は、自身の位置情報を測位し、定期的に位置情報や速度、自身を識別するための識別情報(以下、必要に応じて「ID」と称する)を施工管理装置6に送信する。通信端末4は、例えばスマートフォンや車載の専用端末などである。
【0015】
操作端末7は、公衆通信回線12を介して施工管理装置6に接続する。操作端末7としては、一般的なパーソナルコンピュータやタブレット、スマートフォンなどであり、専用のアプリケーションやWebブラウザを用いて施工管理装置6を操作する。また、図1では通信端末4と操作端末7とを異なる端末として記載しているが、現場監督が通信端末4としてスマートフォンのコンピュータシステムを用いる場合、そのスマートフォンを操作端末7として利用することも可能である。
【0016】
図2は、施工管理装置6のハードウェアおよびソフトウェア構成例を示した図である。施工管理装置6は、CPU201、通信I/F202、メモリ204、ストレージ205(記憶装置または記録装置)とこれらを接続するための内部バス203を有する。このように施工管理装置6は、一般的なパーソナルコンピュータやサーバなどである。尚、図2ではストレージ205とプログラムを実行するためのCPUを同一装置として記載しているが、ストレージ205をデータベースサーバとするなど、複数の装置を用いて実現してもよい。
【0017】
施工管理装置6は、通知エリア設定部211、更新部221、エリア調整部231を有する。通知エリア設定部211は、CPU201がストレージ205に事前に導入されている通知エリア設定プログラムをメモリ204に展開し、実行することで実現される。更新部221、エリア調整部231も同様に、CPU201がストレージ205に事前に導入されている更新プログラム、エリア調整プログラムをメモリに展開し、実行することで実現される。
【0018】
ストレージ205には、通知エリア設定241、位置履歴242、エリア進入状態243、通知メッセージ状態244、失敗パターン245が記憶される。
【0019】
通知エリア設定部211は、通知エリア設定更新部212を有し、操作端末7からの操作で通知エリアの設定情報を受信し、通知エリア設定241に該当情報を登録する。
【0020】
更新部221は、位置情報更新部222、エリア進入状態更新部223、通知メッセージ状態更新部224、エリア進入通知部225を有する。更新部221は、通信端末4から位置情報を受信すると、位置履歴242に該当情報を登録し、該当情報を元にエリア進入状態243を更新し、またエリア進入状態243で示されている状態に応じて通知メッセージ状態244を更新する。またエリア進入のオン・オフが頻繁に繰り返し行われるなど、通知エリアの設定が失敗している場合、その失敗した内容を失敗パターン245に登録する。
【0021】
エリア調整部231は、エリア更新部232を有し、定期的に施工管理装置6内で実行され、失敗パターン245に応じて通知エリア設定241を更新する。
【0022】
通知エリア設定241は、通知エリア設定部211により更新されるデータであり、ダンプの進入を検出して通知するための通知エリアの範囲や進入の検出対象、検出した際の通知先などを設定する。
【0023】
位置履歴242は、更新部221により随時登録されるデータであり、施工現場で稼動するショベル1やダンプ2、人3の保有する通信端末4から送信される位置情報が登録される。
【0024】
エリア進入状態243は、更新部221により随時更新されるデータで、システムで管理しているショベル1、ダンプ2、人3がそれぞれのエリアに進入しているかどうかの状態を管理する。
【0025】
通知メッセージ状態244は、更新部221により随時更新されるデータで、検出されたショベル1、ダンプ2、人3のエリアへの進入が通知対象に対して通知されたかどうかの状態を管理する。
【0026】
失敗パターン245は更新部221により随時更新され、エリア調整部231により参照される。失敗パターン245は、現在の通知エリアの設定を用いた時に、通知エリアの設定範囲が問題となり通知のON/OFFの繰り返しが頻発した場合のエラーパターンが登録される。例えば、通知エリアの外に出てからエリア内に再度進入するまでの経過時間が、予め定められた時間閾値よりも小さい場合、通知エリアの外に出てから再度進入するまでの経路を、失敗パターン245として登録する。
【0027】
尚、位置情報更新部222、エリア進入状態更新部223、通知メッセージ状態更新部224をまとめて、判定部としてもよい。
【0028】
図3は、ユーザへの通知機能を有した通信端末4aのハードウェアおよびソフトウェア構成例を示す図である。通信端末4aは、位置測位I/F301(I/F:インターフェイス)、通信I/F302、CPU303、画面出力I/F304、メモリ305、ストレージ306と、これらを接続する内部バス307を有する。また、GPSなどの衛星測位システムを用い、衛星測位用の電波を受信するアンテナ308が位置測位I/F301に接続される。施工管理装置6との通信のために、携帯電話網を利用するためのアンテナ309が通信I/F302に接続される。
【0029】
ストレージ306には、通知受信プログラムと現在位置送信プログラムが事前に導入されている。通信端末4aを起動すると、これら各プログラムがメモリ305上に展開され、CPU303がこれを実行する。これにより、通知受信部311、現在位置送信部312が実現される。
【0030】
通知受信部311は、施工管理装置6から通知メッセージを受信すると、画面出力I/F304を介して通知内容を通信端末4aの画面に出力し、ユーザに通知内容を伝える。現在位置送信部312は、位置測位I/F301から現在位置を受信すると、該当情報を通信I/F302を介して施工管理装置6に送信する。尚、通信端末4bは、図3に示す構成と同様であるものとするが、画面出力I/F304を有さない構成であってもよい。
【0031】
図4は、第1実施形態で想定される通知エリアの設定例を示している。施工現場全体では、3つの通知エリアが設定されており、これらを通知エリアA401、通知エリアB402、通知エリアC403とする。図4の例では、通知エリアB402と通知エリアC403は一部エリアが重複しているケースを示している。また図4では、ダンプAは、通知エリアA401、通知エリアB402、通知エリアC403全てのエリアの中にいることを示し、ダンプBは通知エリアA401の中のみにいることを示している。
【0032】
図5は、通信端末4aの画面上での通知内容を示す図である。図5aは通知が無い場合501を示しており、例えば自身がショベルの場合、自身を中心とした地図情報と検出している周辺の車両の位置が表示される。図5bは通知があった場合511を示しており、通知情報としては誰がどこに進入したのかがわかる通知メッセージ512が表示される。図5bでは、図4に示すようなケースで通知エリアaにダンプBが進入したときに受信した通知の例を示している。本実施形態では、この通知の有無を設定により変更することができる。
【0033】
図6は、操作端末7から通知エリアの設定を行うときの画面例を示している。この通知エリア設定画面601で設定を編集し、更新ボタンを押すことで設定内容は施工管理装置6に送信され、施工管理装置6内では通知エリア設定部211が動作して通知エリア設定241が更新される。この通知エリア設定画面601の各項目については、下記の図7で説明する。
【0034】
図7は、通知エリア設定241の構成を示した図である。通知エリア設定241は、ID701、有効・無効702、通知エリア名703、エリア範囲704(領域情報)、検知対象705、通知対象706、通知対象状態707(状態情報)、自動補正708からなる。
【0035】
ID701は各エリアを一意に識別するための識別子である、有効・無効702は、登録されている該当エリアによる通知を実施するか否かを判定するための情報である。「有効」と設定されている場合、通知を実施し、「無効」と設定されている場合、通知を実施しない。
【0036】
エリア範囲704は各エリアの範囲を示すための座標を示す。本実施形態では、多角形を想定しており、各頂点の緯度・経度をエリア範囲704に設定する。例えば通知エリアA401の場合は、図7の下段に示すように、6個の頂点からなる多角形で定義されており、頂点a1〜a6の緯度・経度が設定される。尚、エリアの設定は多角形に限定されるわけではないため、中心点と半径を用いて円形に設定するなど様々な設定の仕方が考えられる。
【0037】
検知対象705は該当エリアへの進入を検出する対象のユーザの名称や識別情報、車両の名称や識別情報である。通知対象706は、検知対象705が該当エリアに進入したときに通知を送付する相手先である。1つの検知対象705、通知エリア名703に対して、複数の通知対象を設定してもよい。例えばIDが「2」のレコードの場合、ダンプAが通知エリアBに侵入した場合、現場監督の所持している通信端末4、およびショベルAの通信端末4に通知される。
【0038】
通知対象状態707は、通知対象706がどのような状態である場合に通知を行うかを判定するためのデータである。この設定は、通知エリア名703、検知対象705、通知対象706毎に設定される。「全て」と設定した場合は通知対象706の状態に関わらず毎回通知することを意味する。図7の例のうち、ID701が「3」の設定では、「通知エリアC」に、検知対象705「ダンプA」もしくは「ダンプB」が進入した場合、通知対象706「現場監督」には「現場監督」の状態に関わらず毎回通知を行い、「ショベルA」には「ショベルA」が通知エリアCの中にいる時だけ通知を行うことを意味する。これは、現場監督は現場の状況を全般的に把握する必要がある一方、通知エリアC以外の他エリアでショベルAが積込み以外の作業を行っている場合、当該通知はショベルAにとっては不要であり、かえって邪魔となるケースを想定している。尚、ショベルAがいずれのエリアにいるのかは、ショベルAの通信端末4から得られる位置情報と、エリア範囲704で示される各エリア領域とに基づき判定される。本実施形態では、通知対象状態707に示される状態と被通知先(通知対象706で示されるユーザ)の状態とが一致する場合に、通知を行うものとするが、通知対象状態707に示される状態と被通知先の状態とが不一致となっている場合に、通知を行うとしてもよい。
【0039】
また、ID701が「4」の通知エリア名703「通知エリアD」の場合は、ダンプBが該当エリアに進入した際にショベルBに通知を行うが、その時の条件として、通知対象状態707の設定にあるように、ショベルBの作業状態が掘削中の場合のみに限定する。尚、ショベルの作業状態はショベルに設置されたセンサを用いて、動作内容を推定し、この結果を用いるなどの方法がある。
【0040】
自動補正708は、通知エリア名703のエリア範囲704について、ダンプトラックの運行履歴から動的に補正を行うか行わないかを示す。「無」と設定した場合は動的に補正を行わないことを示し、「有」と設定した場合は動的に補正を行うことを示す。
【0041】
図8は、エリア進入状態243の構成を示している。エリア進入状態243は、通知エリア設定241が生成された際に検知対象705と通知エリア名703の組み合わせから動的に対象ユーザ801、対象通知エリア802が設定される。エリア進入状態243は、ユーザ(ダンプトラック)が、各通知エリアに進入しているか否かを示したテーブルとなっており、また、その進入状態となった時刻や、どのような通知状態となっているかを示したテーブルとなっている。エリア進入状態243は、対象ユーザ801、対象通知エリア802、進入状態803(進入状態情報)、状態更新時刻804、対象通知メッセージID805からなる。
【0042】
対象ユーザ801は、ユーザの名称であり、対象通知エリア802は、通知エリアを示している。進入状態803は、対象通知エリア802に対する対象ユーザ801の状態を示している。ここでは、通知エリアの中にいることを示す「進入中」か、通知エリアの外にいることを示す「エリア外」が設定される。状態更新時刻804は、進入状態803が更新された時刻を示す。対象通知メッセージID805は、後述の通知メッセージ状態244の通知メッセージID901が示されている。
【0043】
図9は、通知メッセージ状態244の構成を示した図である。通知メッセージ状態244は、通知メッセージID901、通知対象ユーザ902、状態903、対象エリア904、対象ユーザ905、更新時刻906から構成される。通知メッセージ状態244は、ユーザに通知を行ったか否かなどの通知状態を示すためのデータである。
【0044】
通知メッセージID901は、エリア進入状態243で進入状態803が「進入中」に変更した時に、エリア進入状態243のレコード単位で設定されるIDを示している。通知メッセージID901は、該当通知メッセージがエリア進入状態243のどのレコードと対応する通知メッセージなのかを示したものである。このため、通知メッセージID901は、通知メッセージ状態244のレコードを一意に示すものではない。
【0045】
通知対象ユーザ902は、該当通知メッセージの通知対象となるユーザを示している。
【0046】
状態903は、該当メッセージの通知状態を示している。「通知済」は、通知が完了したことを示す。「通知不要(済)」は、「通知済」の状況から、対象となるエリア進入状態243の進入状態803が「エリア外」になり、通知の必要性がなくなっている状態を示す。この状態を設けることで、一瞬エリアの外に出て戻った時に再度通知が発生することを防ぐ。通知エリアからダンプ2が抜けると、「通知済」の状態から「通知不要(済)」となる。この状態となってから規定時間以内に再び当該ダンプ2の進入を検出した場合、施工管理装置6は、「通知不要(済)」の状態となっていることを理由に再進入とみなし、再度通知を行わないように通知を抑制することができる。
【0047】
「通知待」は、通知するために対象ユーザとの通信を待っている状態を示す。本実施形態では、通信端末4から通知有無の問い合わせを受信してから、施工管理装置6が通知を行う実装を想定している。このため、施工管理装置6がダンプ2から位置情報を受信して進入を検知してから、通信端末4の問い合わせを受信するまでの間に、タイムラグが発生する。本実施形態では、この進入検知から問い合わせを受けるまでの間、状態903に「通知待」を設定する。
【0048】
「通知不要(未)」は、「通知待」の状況において、対象となるエリア進入状態243の進入状態803が「エリア外」になり、通知の必要性がなくなっている状態を示す。すなわち、対象となるダンプトラックが一旦通知エリアに侵入したが、通信を待っている間に「エリア外」となったことを施工管理装置6が検知した場合、この「通知不要(未)」の状態となる。
【0049】
このように、通知を行ったか否かのステータスを保持することで、一旦通知を行ったものについては再度通知しないようにする実装が可能となる。
【0050】
対象エリア904は、進入検出の対象としている通知エリアを示している。対象ユーザ905は、進入検出の対象としているユーザを示す。更新時刻906は状態903が変更された時刻が設定される。
【0051】
図10は、エリアの自動更新を説明するための図である。ここでは、通知エリアC403を自動更新する場合を示しており、図10の上段が更新前、図10の下段が更新後となっている。また図10上段の図において、右側の領域には、通知エリアC403の外の道路上にマークが付されているが、これは失敗パターン245の事例を示したものである。自動更新では、図で示すように失敗パターンとして保存された経路を取り込むように、エリアを設定する(図10下段参照)。
【0052】
施工管理装置6は、通知対象のダンプ2が一旦エリア外となった後に再び当該エリアに侵入する間にも、当該ダンプ2から位置情報を受信している。施工管理装置6は、この間に得られた位置情報(移動経路)を失敗パターン245に記憶しておく。施工管理装置6は、同じ位置情報(移動経路)を失敗パターン245に頻繁に記憶している場合、施工管理装置6は、この失敗パターン245の各座標を覆うような矩形領域を新たに設けて、通知エリアC403に組み入れる。施工管理装置6は、該当エリアについてのエリア範囲704(図7参照)を修正することで、エリアを拡張する。このエリアの修正は、エリア調整部231のエリア更新部232により行われる。
【0053】
図11は、更新部221による位置履歴242、エリア進入状態243、通知メッセージ状態244、失敗パターン245の更新と、通知メッセージを生成する時のフローチャートである。
【0054】
通信端末4から位置情報を受信すると施工管理装置6の更新部221は、位置情報更新部222を動作させて(S1101)、そして処理はS1102に移る。S1102で、位置情報更新部222は、該当車両の位置情報を位置履歴242に登録してS1103に移る。通信I/F202は、各通信端末4から送信される位置情報を受信するが、ここで受信される位置情報には、少なくともダンプトラックを一意に示すID、位置座標、時間情報が含まれている。位置情報更新部222は、これら情報を対応付けて位置履歴242に登録する。
【0055】
S1103で、エリア進入状態更新部223は、通知エリア設定241の情報および登録された位置履歴242の情報から、該当車両がどの通知エリアにいるかを判定し、S1104に進む。S1104で、エリア進入状態更新部223は、エリア進入状態243を更新し、S1106に進む。S1104の詳細は図12を用いて改めて説明する。
【0056】
S1106で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244を更新し、S1107に進む。S1106の詳細は図13を用いて説明する。
【0057】
S1107で、エリア進入通知部225は、通知メッセージ状態244から該当車両に関する通知メッセージがあるかを検索する。有る場合S1108に進み、ない場合処理を終了する。S1108で、エリア進入通知部225は、通知メッセージ状態244に基づきエリア進入通知を生成し、通知メッセージを通知対象ユーザ902で指定されたユーザに送信する。そしてエリア進入通知部225は、通知メッセージ状態244の該当レコードについて、状態903を「通知済」に変更し、さらに更新時刻906を更新し、処理を終了する。
【0058】
図12は、エリア進入状態更新部223による位置履歴242、エリア進入状態243、失敗パターン245を更新する時のフローチャートを示す。
【0059】
本フローは図11から呼び出される。S1104が呼び出されると、S1202に進む。本フローの呼び出しは位置情報を受信した時に行われる。S1202で、エリア進入状態更新部223は、エリア進入状態243内のレコード分ループ処理を繰り返す。
【0060】
S1203で、エリア進入状態更新部223は、該当ユーザが該当する通知エリア内にいるか否かを判定し、エリア内にいる場合はS1204に進み、エリア外の場合はS1205に進む。尚、該当するレコードが無い場合、対象ユーザ801や対象通知エリア802などの各項目が新規登録されてもよい。S1204で、エリア進入状態更新部223は、エリア進入状態243に今現在設定されている進入状態803を確認し、当該状態が、エリア内を意味する「進入中」の時はS1206に進み、「エリア外」の時はS1207に進む。S1206では何もせず、S1215に進む。
【0061】
S1207で、エリア進入状態更新部223は、エリア進入状態243の進入状態803を「エリア外」から「進入中」に変更し、S1210に進む。S1210で、エリア進入状態更新部223は、エリア進入状態243の状態更新時刻804を確認し、現在時刻までの経過時間が閾値以内か確認し、閾値以内の場合はS1212に進み、閾値より大きい場合はS1214に進む。
【0062】
S1212で、エリア進入状態更新部223は、現在設定されているエリアが狭かったとして、状態更新時刻804から現在時刻までの間の位置履歴を、設定エリアが狭かった場合の失敗パターンとして、失敗パターン245に登録し、S1214に進む。S1214で、エリア進入状態更新部223は、状態更新時刻804を更新し、S1215に進む。
【0063】
一方、S1205で、エリア進入状態更新部223は、エリア進入状態243に今現在設定されている進入状態803を確認し、状態が「進入中」の時はS1208に進み、「エリア外」の時はS1209に進む。S1209では何もせず、S1215に進む。
【0064】
S1208で、エリア進入状態更新部223は、エリア進入状態243の進入状態803を「進入中」から「エリア外」に変更し、S1211に進む。S1211で、エリア進入状態更新部223は、エリア進入状態243の状態更新時刻804を確認し、現在時刻までの経過時間が閾値以内か確認し、閾値以内の場合はS1213に進み、閾値より大きい場合はS1214に進む。
【0065】
S1213で、エリア進入状態更新部223は、今現在設定されているエリアが広かったとし、状態更新時刻804から現在時刻までの間の位置履歴を、設定エリアが広かった場合の失敗パターンとして、失敗パターン245に登録しS1214に進む。
【0066】
S1215で、エリア進入状態更新部223は、対象とする通知エリア全てに対する処理が完了したかを確認する。完了している場合は処理を終了し、完了していない場合はS1202に進む。
【0067】
図13は、通知メッセージ状態更新部224による通知メッセージ状態244を更新する時のフローチャートを示した図である。
【0068】
本フローは図11から呼び出される。S1106が呼び出されると、S1319に進む。S1319で、通知メッセージ状態更新部224は、進入のあったエリアに対応付けられた通知先ユーザ(通知対象706)を、通知エリア設定241から特定する。そして通知メッセージ状態更新部224は、通知先ユーザ(通知対象706)ごと、且つエリア進入状態243のレコードごとに、ループ内処理を行う。また、この処理対象のレコードを注目レコードと称し、注目レコード内の対象ユーザ、および対象通知エリアを注目ユーザ、注目エリアと称する。
【0069】
S1301で、注目レコードの進入状態803を取得する。得られた進入状態が、エリア内を意味する「進入中」である場合はS1317に進み、「エリア外」である場合はS1303に進む。
【0070】
S1317で、通知メッセージ状態更新部224は、通知エリア設定241を参照し、通知対象706、通知エリア名703が注目ユーザ、注目エリアと合致しているレコードを取得する。そして通知メッセージ状態更新部224は、取得したレコード内の通知対象状態707を参照し、通知先ユーザが通知すべき状態(対象状態)であるかを、当該通知先ユーザの状態を取得して比較し、この比較結果を得る。通知先ユーザの状態の特定は、例えば、当該被通知先(通知先ユーザ)の位置情報に基づき特定のエリアにいるかを判定する方法や、当該被通知先に備えられる各種センサの読み取り値を取得することで、掘削作業か積込作業かなどの作業内容を推定する方法などがある。対象状態の場合はS1302に進み、非対象の場合はS1303に進む。
【0071】
S1302で、通知メッセージ状態更新部224は、エリア進入状態243の対象通知メッセージID805と同一の値となっている、通知メッセージ状態244の通知メッセージID901のレコードを取得する。そして通知メッセージ状態更新部224は、取得したレコードの中の、通知先ユーザが通知対象ユーザ902に設定されているレコードの状態903を参照する。状態903が「通知済」または「通知待」の場合はS1304に進み、「通知不要(未)」の場合はS1308に進み、「通知不要(済)」の場合はS1305に進む。尚、通知メッセージ状態244に、該当レコードが存在しない場合は新たに通知メッセージ状態244にレコードが追加される。そして通知メッセージ状態更新部224は、状態903に「通知不要(未)」を設定するとともに、エリア進入状態243の対象通知メッセージID805に、この通知メッセージID901の値を設定し、S1308に進む。
【0072】
S1304では何もせずS1318に進む。S1305で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の更新時刻906と現在時刻を比較し、経過時間が閾値以内かを判定する。閾値以内の場合はS1310に進み、閾値より大きい場合はS1308に進む。
【0073】
S1308で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の状態903を「通知待」に設定しS1309に進む。S1309で通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の更新時刻906を現在時刻に更新し、S1318に進む。
【0074】
S1310で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の状態903を「通知済」に設定し、S1311に進む。S1311で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の更新時刻906を現在時刻に更新し、S1318に進む。
【0075】
S1303で、通知メッセージ状態更新部224は、エリア進入状態243の対象通知メッセージID805と同一の値となっている、通知メッセージ状態244の通知メッセージID901のレコードを取得する。そして通知メッセージ状態更新部224は、取得したレコードの中の、通知先ユーザが通知対象ユーザ902に設定されているレコードの状態903を参照する。状態903が「通知不要(未)」の場合はS1306に進み、「通知待」の場合はS1312に進み、「通知不要(済)」の場合はS1307に進み、「通知済」の場合はS1315に進む。尚、通知メッセージ状態244に該当レコードが存在しない場合はS1306に進む。
【0076】
S1306で、通知メッセージ状態更新部224は、何もせずS1318に進む。S1307で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の更新時刻906と現在時刻を比較し、経過時間が閾値以内かを判定する。閾値以内の場合はS1314に進み、閾値より大きい場合はS1312に進む。
【0077】
S1312で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の状態903を「通知不要(未)」に設定しS1313に進む。S1313で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の更新時刻906を現在時刻に更新し、S1318に進む。S1314では何もせずS1318に進む。
【0078】
S1315で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の状態903を「通知不要(済)」に設定し、S1316に進む。S1316で、通知メッセージ状態更新部224は、通知メッセージ状態244の更新時刻906を現在時刻に更新しS1318に進む。
【0079】
S1318で、通知メッセージ状態更新部224は、エリア進入状態243の該当する行全てに対して処理が完了したかを判定し、且つ、全ての送信先ユーザついて処理をおこなったかを判定する。処理が完了していない場合はS1319に進み、完了している場合、処理は終了となる。
【0080】
図14は、エリア調整部231による通知エリア設定241更新時のフローチャートを示す。
【0081】
施工管理装置6は、エリア調整部231のエリア更新部232を動作させ、定期的にエリア自動更新を実行し(S1401)、S1402に進む。S1402で、エリア更新部232は、失敗パターン245から同一地点での発生頻度を確認し、S1403に進む。S1403で、エリア更新部232は、発生頻度が閾値以上か確認する。閾値以上の場合はS1404に進み、閾値未満の場合は処理を終了する。S1404で、エリア更新部232は、通知エリア設定241において対象となる通知エリアの自動補正708が「有」であるかを確認する。自動補正708が「有」の場合、エリア更新部232は、該当地点をエリアに取り込むようにエリア範囲704を修正する。「無」の場合は処理を終了する。
【0082】
本実施形態により、エリアという面領域を用いて、当該エリアにダンプが進入したかを通知することが可能となる。また、まずは内側エリアを設け、当該内側エリアの一部または全てを包含するように外側エリアを設けるなど、階層的にエリアを設けることができる。このうようにすることで、全体の状況を把握する必要のある現場監督は、外側エリアをダンプが進入した段階から通知を受け、ショベルのオペレータは、内側エリアに進入したときのみ通知を受けるなどの態様も可能となる。
【0083】
また、物理的なゲートの通過でダンプの進入を判定する場合、1つまたは複数のゲートを、進入経路それぞれに設ける必要があるが、この分費用が発生する。またゲートを設けることができるのは、通常、当該建設現場が管轄している領域内のみであり、一般道などにゲートを設けるのは困難となる。本実施形態のように、エリアでダンプの進入を判定することで、費用を抑え、また管轄外となる一般道などを含めて進入判定を行うことができる。
【0084】
本実施形態により、ショベルが積込作業と関連の無い別作業をしている場合は通知を抑制する、などの態様も実現することができる。
【0085】
本実施形態により、ダンプの到着までにショベルは積込の準備を完了させることができるとともに、ダンプ到着直前までは他の作業を進めることも可能となり、現場の作業効率の向上につながる。
【0086】
(第2実施形態)
第1実施形態では、ダンプがエリア内にいるか否かについて判定し、通知を行うことができる態様について説明した。しかしながら、当該ダンプがいずれの経路をから進入したのかまでを判定することができず、また、実際エリア内のいずれの位置にいるのかまで判定することができない。第2実施形態では、進入経路ごと、または主要となる経路に、通過を検出するための仮想的なゲートを設ける実装例について説明する。尚、第2実施形態は、第1実施形態とシステム構成やハードウェア構成は変わらず、通知のための設定にエリアだけでなくゲートが追加される。
【0087】
図15は、第2実施形態における通知エリアとゲートとの関係を示した図である。通知エリアは第1実施形態と同様であるが、ここでは追加で道路上にゲートDが設定される。第2実施形態では、第1実施形態を用いた通知に加え、ゲートの通過を検出して通知を行う。図15の例では、ゲートDは通知エリア内に設けているが、エリア外に設けてあってもよい。
【0088】
図16は、第2実施形態における施工管理装置6のハードウェアおよびソフトウェア構成例を示した図である。ハードウェア構成は、第1実施形態と同様である。ソフトウェア構成は、基本的な構成は第1実施形態と同様だが、通知エリア設定部211の機能として、通知ゲート設定更新部1701が追加される。また、更新部221のエリア進入状態更新部223がエリア進入/ゲート通過状態更新部1702に変更され、ストレージ205に通知ゲート設定1703とゲート通過状態1704が追加される。
【0089】
通知ゲート設定更新部1701は、操作端末7からの操作により通知ゲートの設定情報を受信し、通知ゲート設定1703に該当情報を登録する。
【0090】
エリア進入/ゲート通過状態更新部1702は、第1実施形態のエリア進入状態更新部223がエリア進入状態243を更新するのみであるのに対し、エリア進入状態243の更新に加え、通知ゲート設定1703に設定されているゲートを対象車両が通過したかどうかを判定する。そして、エリア進入/ゲート通過状態更新部1702は、その結果をゲート通過状態1704に登録する。
【0091】
通知ゲート設定1703は、通知エリア設定部211により更新されるデータで、ダンプのゲートの通過を検出して通知するための通知ゲートや進入の検出対象、検出した際の通知先などが設定される。
【0092】
ゲート通過状態1704は、更新部221により随時更新されるデータで、施工管理システム100で管理しているショベル1、ダンプ2、人3がそれぞれのゲートを通過したかどうかの状態を管理する。
【0093】
図17は、通知ゲート設定1703を示した図である。通知ゲート設定1703は、ID1601、有効・無効1602、通知ゲート1603、ゲート範囲1604(ゲート位置情報)、検知対象1605、通知対象1606、対象状態1607からなる。設定情報は、基本的には通知エリア設定241と同様である。異なる点は通知ゲート1603とゲート範囲1604である。
【0094】
通知ゲート1603は通知ゲートの名称を示す。ゲート範囲1604は該当ゲートを設定するための2点の座標を示している。
【0095】
図18は、ゲート通過状態1704を示した図である。ゲート通過状態1704は、対象ユーザ1801、対象通知ゲート1802、通過状態1803、状態更新時刻1804、対象通知メッセージID1805からなる。
【0096】
ゲート通過状態1704は、通知ゲート設定1703が生成された際に検知対象1605と通知ゲート1603の組み合わせから自動的に対象ユーザ1801、対象通知ゲート1802が設定される。対象ユーザ1801は、該当レコードが管理対象とするユーザを示している。
【0097】
対象通知ゲート1802は、該当レコードが管理対象とする通知ゲートを示している。通過状態1803は、対象通知ゲート1802に対して対象ユーザ1801の状態を示している。通知ゲートを通過したことを示す「通過」、もしくは通知ゲートを通過していないことを示す「未通過」が設定される。
【0098】
状態更新時刻1804は、通過状態1803が更新された時刻または対象通知ゲート1802を新たに通過した時刻を示している。対象通知メッセージID1805は、通知メッセージ状態244の対応する通知メッセージID901を示す。
【0099】
エリア進入/ゲート通過状態更新部1702は、進入ルート上に設けられたゲートの位置情報と、受信したダンプの位置情報とに基づき、ダンプがゲートを通過したかを判定する。そして、エリア進入通知部は、ゲートを通過したと判定される場合に、この判定結果を含めて現場監督やショベル1のオペレータに通知する。よって、現場監督やショベル1のオペレータは、ゲートの位置および通過してからの経過時間から、該当ダンプの現在位置を把握することができる。
【0100】
上記各実施形態では、積込機械の一例として、油圧ショベルを例示したが、ホイールローダでもよく、クローラクレーンなどの吊作業を行う機械でもよい。また、進入の検知対象としてダンプを例示したが、これに限定されず、普通乗用車などの車両でもよく、また人であってもよい。また検知対象は、具体的には車両に備えられ、また人が所持している通信端末であるが、通信端末を備えた車両自体や通信端末を所持している人自体を検知対象とみなすことも可能である。
【0101】
以上に詳説したように、本実施形態によって、ショベルのオペレータや現場監督がダンプの到着を事前に知ることができる。
【0102】
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0103】
1:ショベル
2:ダンプ
4:通信端末
4a:通信端末
4b:通信端末
6:施工管理装置
7:操作端末
8:衛星測位システム
100:施工管理システム
211:通知エリア設定部
212:通知エリア設定更新部
221:更新部
222:位置情報更新部
223:エリア進入状態更新部
224:通知メッセージ状態更新部
225:エリア進入通知部
231:エリア調整部
232:エリア更新部
311:通知受信部
312:現在位置送信部
1701:通知ゲート設定更新部
1702:ゲート通過状態更新部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18