特許第6904928号(P6904928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904928
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20210708BHJP
【FI】
   G06Q10/08 330
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-147395(P2018-147395)
(22)【出願日】2018年8月6日
(65)【公開番号】特開2020-24486(P2020-24486A)
(43)【公開日】2020年2月13日
【審査請求日】2019年3月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】菅野 喬
(72)【発明者】
【氏名】山並 憲弘
(72)【発明者】
【氏名】荒木 星自
【審査官】 永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−031202(JP,A)
【文献】 特開2002−230093(JP,A)
【文献】 特開2004−062736(JP,A)
【文献】 特開2002−063440(JP,A)
【文献】 特開2004−295202(JP,A)
【文献】 特開2005−038259(JP,A)
【文献】 特開2006−195710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の配分上限数を取得する上限数取得部と、
商品の発注可能数を問い合わせる可能数問合せを受け付ける可能数問合受付部と、
前記可能数問合受付部が受け付けた前記可能数問合せを格納する問合格納部と、
前記配分上限数に基づいて発注可能数を決定する可能数決定部と、
複数の前記可能数問合せのそれぞれについて、前記可能数問合せの優先度に応じて回答数を決定する回答数決定部と、
前記回答数に基づいて、商品の発注に用いるチケットを作成するチケット作成部と、
前記チケット作成部が作成した前記チケットの数に応じて商品の配分済み数を更新する配分済数更新部と、
前記回答数決定部によって決定された前記回答数に基づいて前記可能数問合せに対する回答を送信する回答送信部と、
前記チケット作成部が作成したチケットを識別可能なチケット情報を送信するチケット情報送信部と、
前記チケット情報を含む受注の問合せを受け付ける受注問合受付部と、
前記受注の問合せに含まれる前記チケット情報に基づいて、前記商品の配分の引き当てを行う引当処理部と、
前記引当処理部による引当結果に基づいて、前記商品の配分の引当済数を更新する引当数更新部と、
前記チケットが使用される前に当該チケットの有効期限が徒過した場合に、当該チケットのチケット情報を送信した送信先をブラックリストに登録するブラックリスト登録部と
を備え、
前記回答数決定部は、前記ブラックリストにさらに基づいて前記回答数を決定する、管理装置。
【請求項2】
前記チケットには有効期限が設定され、
前記配分済数更新部は、前記チケットが使用される前に当該チケットの有効期限が徒過した場合に、前記配分済み数を更新する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記商品を購入する購入者による前記商品の予約情報を取得する予約情報取得部と、
複数の前記予約情報を格納する予約情報格納部と、
予約に対して割り当てられている前記商品の配分数を示す予約枠を参照して、前記複数の予約情報のそれぞれに対して、予約された商品の受注を可能にする予約チケットを作成する予約チケット作成部と、
前記予約チケット作成部が作成した前記予約チケットの数に応じて、前記予約枠を更新する予約枠更新部と、
前記予約チケットを識別する予約チケット情報を送信する予約チケット情報送信部と、
を備える、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記予約チケットには有効期限が設定され、
前記予約枠更新部は、前記予約チケットが使用される前に当該予約チケットの有効期限が徒過した場合に、前記予約枠を更新する、請求項に記載の管理装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1からのいずれか一項に記載の管理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫内の在庫を管理する在庫管理システムが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−207053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
商品の在庫を適切に配分可能な技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、管理装置が提供される。管理装置は、商品の配分上限数を取得する上限数取得部を備えてよい。管理装置は、商品の発注可能数を問い合わせる可能数問合せを受け付ける可能数問合受付部を備えてよい。管理装置は、可能数問合受付部が受け付けた可能数問合せを格納する問合格納部を備えてよい。管理装置は、配分上限数に基づいて発注可能数を決定する可能数決定部を備えてよい。管理装置は、複数の可能数問合せのそれぞれについて、可能数問合せの優先度に応じて回答数を決定する回答数決定部を備えてよい。管理装置は、回答数に基づいて、商品の発注に用いるチケットを作成するチケット作成部を備えてよい。管理装置は、チケット作成部が作成したチケットの数に応じて商品の配分済み数を更新する配分済数更新部を備えてよい。管理装置は、回答数決定部によって決定された回答数に基づいて可能数問合せに対する回答を送信する回答送信部を備えてよい。
【0005】
上記管理装置は、上記チケット作成部が作成したチケットを識別可能なチケット情報を送信するチケット情報送信部と、上記チケット情報を含む受注の問合せを受け付ける受注問合受付部と、上記受注の問合せに含まれる上記チケット情報に基づいて、上記商品の配分の引き当てを行う引当処理部と、上記引当処理部による引当結果に基づいて、上記商品の配分の引当済数を更新する引当数更新部とを備えてよい。上記チケットには有効期限が設定されてよく、上記配分済数更新部は、上記チケットが使用される前に当該チケットの有効期限が徒過した場合に、上記配分済み数を更新してよい。上記管理装置は、上記チケットが使用される前に当該チケットの有効期限が徒過した場合に、当該チケットのチケット情報を送信した送信先をブラックリストに登録するブラックリスト登録部を備えてよく、上記回答数決定部は、上記ブラックリストにさらに基づいて上記回答数を決定してよい。上記管理装置は、上記商品を購入する購入者による上記商品の予約情報を取得する予約情報取得部と、複数の上記予約情報を格納する予約情報格納部と、予約に対して割り当てられている上記商品の配分数を示す予約枠を参照して、上記複数の予約情報のそれぞれに対して、予約された商品の受注を可能にする予約チケットを作成する予約チケット作成部と、上記予約チケット作成部が作成した上記予約チケットの数に応じて、上記予約枠を更新する予約枠更新部と、上記予約チケットを識別する予約チケット情報を送信する予約チケット情報送信部と、を備えてよい。上記予約チケットには有効期限が設定されてよく、上記予約枠更新部は、上記予約チケットが使用される前に当該予約チケットの有効期限が徒過した場合に、上記予約枠を更新してよい。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータを、上記管理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】管理装置100の一例を概略的に示す。
図2】入荷予定数40の配分例50の一例を概略的に示す。
図3】ショップ枠55の配分例60の一例を概略的に示す。
図4】個別枠62の配分例70の一例を概略的に示す。
図5】ショップ枠A71、ショップ枠B72、及びフリー枠73の一例を概略的に示す。
図6】代理店X84の階層の一例を概略的に示す。
図7】管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図8】管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図9】管理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図10】管理装置100として機能するコンピュータ1000のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、管理装置100の一例を概略的に示す。本実施形態に係る管理装置100は、倉庫20内の商品の在庫を管理する。商品の例として、携帯電話機及びSIMカード等が挙げられるが、これに限らず、管理装置100は、任意の商品を対象として、在庫を管理してよい。また、管理装置100が管理対象とする倉庫20は複数であっても1つであってもよい。
【0011】
管理装置100は、倉庫20に現に収容されている商品の在庫や、入荷予定が決定した商品の在庫を、論理在庫として管理する。管理装置100は、発注者30に対して、論理在庫を予め適切に配分することによって、在庫の偏りを防止する。発注者30に対して配分した論理在庫のことを枠と記載する場合がある。発注者30は、商品を発注して、入荷した商品を顧客に販売する店舗や、商品を発注して、店舗に配分する代理店等であってよい。
【0012】
管理装置100は、例えば、商品の入荷予定が決定した場合に、入荷予定数から、複数の発注者30に対して配分可能な配分総数を決定する。管理装置100は、例えば、入荷予定数の一部を予備として確保して、その残りを配分総数として決定する。
【0013】
管理装置100は、配分総数を複数の発注者30のそれぞれに配分する。管理装置100は、例えば、複数の発注者30のそれぞれの商品販売力に応じて、複数の発注者30のそれぞれの配分数を決定する。商品販売力は、商品の販売履歴に基づいて決定されてよい。
【0014】
管理装置100は、複数の発注者のそれぞれの配分数を決定した後、必要に応じて、配分総数を調整する。例えば、複数の発注者30のそれぞれの配分数を決定した結果、一部の発注者30への配分数が不足している場合には、予備として確保しておいた数の一部を配分総数に加えるなどして、調整する。
【0015】
発注者30は、通信端末300により管理装置100にアクセスすることによって、例えば、自らに配分されている枠を照会する。通信端末300は、通信機能を有していればどのような端末であってもよく、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等である。
【0016】
通信端末300と管理装置100とは、ネットワーク10を介して通信してよい。ネットワーク10は、任意のネットワークであってよく、例えば、インターネットと、いわゆる3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の携帯電話網と、公衆無線LAN(Local Area Network)と、専用網との少なくともいずれかを含んでよい。
【0017】
発注者30は、例えば、枠の範囲内で、管理装置100に対して商品の受注登録を行う。管理装置100は、発注者30による商品の受注登録を受け付けた場合、当該発注者30に配分されている枠に対して引当を行う。そして、管理装置100は、枠の引当ができたことに応じて、商品の在庫の引当を行う。その後、管理装置100は、受注登録に対する結果を発注者30に対して通知する。このような流れによって、枠の範囲内、かつ、在庫の範囲内で、適切に発注者30に対して商品を割り当てることができる。
【0018】
図2は、入荷予定数40の配分例50を概略的に示す。管理装置100は、入荷予定数40を任意に配分可能である。ここでは、管理装置100が入荷予定数40を予備枠51、オンライン枠52、法人枠53、量販枠54、及びショップ枠55に配分した場合を例示している。
【0019】
本例において、オンライン枠52は、オンライン販売用の枠であり、法人枠53は、法人取引用の枠であり、量販枠54は、量販用の枠であり、ショップ枠55は、代理店及び店舗等のショップ用の枠である。入荷予定数40の配分はこれに限らず、管理装置100は、入荷予定数40を任意に配分してよい。
【0020】
図3は、ショップ枠55の配分例60の一例を概略的に示す。管理装置100は、ショップ枠55をさらに任意に配分してよい。ここでは、管理装置100がショップ枠55を推奨枠61、個別枠62、特枠63、及び予約枠64に配分した場合を例示している。
【0021】
本例において、推奨枠61は、管理装置100から各店舗や各代理店に対して推奨する枠を示す。管理装置100は、例えば、各店舗及び各代理店の商品の販売実績を分析することにより、各店舗及び各代理店に対して、このくらい発注した方がよいという数を割り出して、例えば、その合計を推奨枠61とする。個別枠62は、個別に枠を設定するための枠であってよい。特枠63は、特殊な事情に対して割り当てる枠であってよい。特殊な事情とは、例えば、代理店による商品販売の特別な施策がある場合等である。予約枠64は、予約販売に対応する枠である。予約枠64は、例えば、予備枠51から配分されたものであってもよい。
【0022】
図4は、個別枠62の配分例70の一例を概略的に示す。管理装置100は、個別枠62をさらに任意に配分してよい。ここでは、管理装置100が個別枠62をショップ枠A71、ショップ枠B72、及びフリー枠73に配分した場合を例示している。
【0023】
図5は、ショップ枠A71、ショップ枠B72、及びフリー枠73の一例を概略的に示す。図5に示す例では、ショップ枠A71は、店舗あ81、店舗い82、及び店舗う83に割り当てられ、ショップ枠B72は、代理店X84、代理店Y85、及び代理店Z86に割り当てられ、フリー枠73は、割当枠a87、割当枠b88、及び割当枠c89に割り当てられている。
【0024】
図6は、代理店X84の階層の一例を概略的に示す。図6に示す階層によれば、代理店X84の下位階層に運営店A91及び運営店B92が位置し、運営店A91の下位階層に店舗あ81、店舗い82、及び店舗う83が位置し、運営店B92の下位階層に店舗か93が位置する。
【0025】
図4図6に示す状況においては、店舗あ81、店舗い82、及び店舗う83は、ショップ枠A71、ショップ枠B72、及びフリー枠73のいずれからも枠を引き当てることができることになる。ここで、店舗あ81、店舗い82及び店舗う83の引当対象は、優先順位に従って決定されてもよい。優先順位として、例えば、店舗単位が最も優先順位が高く、代理店単位、割当枠の順に優先順位が低いものとすると、店舗あ81、店舗い82、及び店舗う83の引当対象は、ショップ枠A71になる。
【0026】
店舗か93は、ショップ枠B72及びフリー枠73から枠を引き当てることができる。引当対象が優先順位に従って決定される場合、店舗か93の引当対象は、ショップ枠B72になる。運営店A91及び運営店B92は、ショップ枠B72及びフリー枠73から枠を引き当てることができる。引当対象が優先順位に従って決定される場合、運営店A91及び運営店B92の引当対象は、ショップ枠B72になる。代理店X84は、ショップ枠B72から枠を引き当てることができる。上述したように、様々な範囲に対して枠を設定可能にすることによって、在庫の配分の自由度を高めることができる。
【0027】
管理装置100は、例えば、代理店等の発注者30から、複数の枠のいずれかについての、商品の発注可能数を問い合わせる可能数問合せを受け付けた場合、問い合わせの優先度に応じて回答数を決定し、回答してよい。
【0028】
図7は、管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、発注者30から特枠63に対する可能数問合せを受けた場合を例に挙げて説明する。なお、特枠63の配分上限数は既に決定されているものとして説明する。
【0029】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、管理装置100が、発注者30から可能数問合せを受け付ける。管理装置100は、可能数問合せを通信端末300から受信する。
【0030】
S104では、管理装置100が、予め定められた期間が経過したか否かを判定する。予め定められた期間は、半日及び一日等、任意に定められてよい。経過していないと判定した場合、S102に戻り、経過したと判定した場合、S106に進む。
【0031】
S106では、管理装置100が、商品の配分上限数に基づいて、発注可能数を決定する。管理装置100は、配分上限数を超えないように、発注可能数を決定する。
【0032】
S108では、管理装置100が、複数の可能数問合せのそれぞれについて、可能数問合せの優先度に応じて回答数を決定する。管理装置100は、優先度がより高い可能数問合せに対して、より多くの数を割り当てるように回答数を決定する。優先度に応じた回答数の決定についての詳細は後述する。
【0033】
S110では、管理装置100が、S108において決定した回答数に基づいて、複数の可能数問合せのそれぞれについて、商品の発注に用いるチケットを作成する。S112では、管理装置100が、S110において作成したチケットの数に応じて、商品の配分済み数を更新する。管理装置100は、作成したチケットの数を、配分済み数に加算してよい。
【0034】
S114では、管理装置100が、S108において決定した回答数に基づいて可能数問合せに対する回答を発注者30に対して送信する。管理装置100は、回答数と、作成したチケットを識別するチケット情報とを発注者30に送信してよい。
【0035】
発注者30は、問い合わせに対する回答を参照することによって、いくつの発注が可能であるかを把握できる。また、発注者30は、送信されたチケット情報を用いて、管理装置100に対して、商品の発注を行うことができる。
【0036】
図8は、管理装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、可能数問合せの優先度に応じて、回答数を決定する決定処理の一例を概略的に示す。
【0037】
S202では、問合せの優先度が1であるか否かを判定する。優先度が1である場合、S214に進み、1でない場合、S204に進む。問合せの優先度は、予め任意に決定されてよい。
【0038】
優先度1の問合せの具体例としては、「クレーム」、「店舗受取り」及び「初期不良」が挙げられる。本例において、「クレーム」は、機器故障によるクレーム交換のため代理店が追加で発注する際に対応する枠であってよい。また、「店舗受取り」は、予約受付完了後の店頭受け取りに関する追加枠であってよい。また、「初期不良」は、初期不良による交換のため代理店が追加で発注する際に対応する枠であってよい。優先度2の問合せの具体例としては、「在庫枯渇」が挙げられる。「在庫枯渇」は、代理店が在庫不足と感じ追加で発注する際に対応する枠であってよい。優先度3の問合せの具体例としては、「店舗/代理店施策」及び「その他」が挙げられる。「店舗/代理店施策」は、店舗のイベント出店などの販売増が見込める場合に追加発注する際に対応する枠であってよい。「その他」は、代理店が他の理由で追加で発注する際に対応する枠であってよい。これらは例示であって、問合せの優先度は任意に定められてよい。
【0039】
S204では、管理装置100が、問合せに対して配分を拒否するか否かを判定する。管理装置100は、例えば、問合せ元の発注者30が、ブラックリストに登録されている発注者30である場合、拒否すると判定し、ブラックリストに登録されていない場合、拒否しないと判定する。拒否すると判定した場合、S206に進み、拒否しないと判定した場合、S208に進む。S206では、管理装置100が、問合せに対する配分上限数を0に設定する。
【0040】
S208では、管理装置100が、問合せが特例に該当するか否かを判定する。管理装置100は、例えば、問合せ元の発注者30が、特例リストに登録されている発注者30である場合、特例に該当すると判定し、特例リストに登録されていない場合、特例に該当しないと判定する。
【0041】
S210では、管理装置100が、問合せ元の発注者30の在庫が、在庫月数上限より低いか否かを判定する。在庫月数は、発注者30の現在庫が、その発注者30にとって何か月分の在庫に相当するかを示す値であってよい。在庫月数は、任意の算出方法で算出されてよい。例えば、在庫月数は、以下の式によって算出される。
【0042】
【数1】
【0043】
上記在庫数は、前日時点の有効在庫を対象とする。また、上記入荷予定数は、前日時点で本日以降の入荷予定となっている受注を対象とする。また、上記問合せ配分数は、問合せ未回収の配分数を示してよい。店舗単位に配分された枠数は代理店の在庫月数チェックでは対象となる。問合せ配分数以外の枠数は在庫月数チェック対象とならない。また、上記問合せ希望数は、回答のタイミングで対象となる問合せを対象とする。例えば、問合せで10台を所望している場合には、問合せ希望数は10である。上記推奨提案数は、当日の推奨提案数を示してよい。推奨提案数は、管理装置100によって、例えば、複数の発注者30のそれぞれについて、毎日提示される。管理装置100による、その日の推奨提案数の提示がまだされていない場合には、推奨提案数を0として計算してよい。上記販売数は、前日までの販売実績を示してよい。例えば、過去90日の販売実績を30日単位で合計し、3つの合計値のうち、最大の合計値を販売数とする。管理装置100は、例えば、在庫月数が1.0になるまで配分を認めるものとして、在庫月数上限を定めてよい。
【0044】
問合せ元の発注者30の在庫が、在庫月数上限より低いと判定した場合、S214に進み、低いと判定しなかった場合、S212に進む。S212では、管理装置100が、問合せに対する配分上限数を決定する。
【0045】
S214では、管理装置100が、複数の問合せに対して、枠の残りが充分であるか否かを判定する。充分であると判定した場合、S216に進み、十分でないと判定した場合、S218に進む。S216では、複数の問合せのそれぞれに対して、枠を配分する。S218では、複数の問合せのそれぞれに対して、枠を按分配分する。枠のうち、按分できない数については、問合せの確定日時がより早かった問合せに対して配分する。問合せの確定日時は、通信端末300が問合せを送信した時刻であってよく、また、管理装置100が問合せを受け付けた時刻であってもよい。例えば、優先度の等しい3つの問合せのそれぞれの所望数が10であり、枠の残りが10である場合、3つの問合せのそれぞれに対してまず3を配分し、残りの1つを、3つの問合せのうち、最も確定日時が早かった問合せに配分する。S220では、管理装置100が、上述の処理によって配分した数を、回答数として決定する。
【0046】
図9は、管理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。管理装置100は、配分数取得部102、可能数問合受付部104、問合格納部105、可能数決定部106、回答数決定部108、チケット作成部110、配分済数更新部112、回答送信部114、チケット管理部116、チケット情報送信部118、受注問合受付部120、引当処理部122、引当数更新部124、ブラックリスト登録部126、予約情報取得部130、予約情報格納部132、予約チケット作成部134、予約枠更新部136、予約チケット管理部138、予約チケット情報送信部140、及び予約発注受付部142を備える。なお、管理装置100がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
【0047】
配分数取得部102は、商品の配分数を取得する。配分数取得部102は、例えば、商品の配分上限数を取得する。配分数取得部102は、枠ごとに配分数を取得してもよい。
【0048】
可能数問合受付部104は、商品の発注可能数を問い合わせる可能数問合せを受け付ける。可能数問合受付部104は、例えば、通信端末300から可能数問合せを受信する。可能数問合せは、商品の所望数を含んでもよい。可能数問合受付部104は、受け付けた可能数問合せを問合格納部105に格納する。
【0049】
可能数決定部106は、配分数取得部102が取得した配分上限数に基づいて、商品の発注可能数を決定する。可能数決定部106は、配分上限数の範囲内で、発注可能数を決定してよい。
【0050】
回答数決定部108は、問合格納部105に格納されている複数の可能数問合せのそれぞれについて、可能数問合せの優先度に応じて回答数を決定する。
【0051】
チケット作成部110は、回答数決定部108によって決定された回答数に基づいて、商品の発注に用いるチケットを作成する。
【0052】
配分済数更新部112は、チケット作成部110が作成したチケットの数に応じて、商品の配分済み数を更新する。配分済数更新部112は、チケット作成部110が作成したチケットの数を、商品の配分済み数に加算してよい。
【0053】
回答送信部114は、回答数決定部108によって決定された回答数に基づいて、可能数問合せに対する回答を送信する。回答送信部114は、可能数問合せの問合せ元の発注者30の通信端末300に対して回答を送信してよい。
【0054】
チケット管理部116は、チケット作成部110によって作成されたチケットを管理する。チケット作成部110は、チケットに有効期限を設定してよく、チケット管理部116は、各チケットについて、有効期限を徒過したか否かを管理してよい。
【0055】
チケット情報送信部118は、チケット管理部116が作成したチケットを識別するチケット情報を送信する。チケット情報送信部118は、可能数問合せの問合せ元の発注者30の通信端末300に対してチケット情報を送信してよい。チケット情報は、例えば、チケットを一意に識別可能な識別番号である。
【0056】
受注問合受付部120は、商品の受注の問合せを受け付ける。受注問合受付部120は、例えば、チケット情報を含む受注の問合せを、発注者30の通信端末300から受信する。
【0057】
引当処理部122は、受注問合受付部120が受け付けた受注の問合せに対して、当該受注の問合せに含まれるチケット情報に基づいて、商品の配分の引当を行う。引当処理部122は、受注の問合せに含まれるチケット情報が有効であるか否かをチケット管理部116に問合せ、有効であると判定した場合、商品の配分の引当を行う。引当処理部122による商品の引当が行われた場合、チケット管理部116は、チケット情報に対応するチケットを無効にしてよい。
【0058】
引当数更新部124は、引当処理部122によって商品の配分の引当が行われた場合に、商品の引当数を更新する。引当数更新部124は、引当処理部122によって配分の引当が行われた数を、引当数に加算してよい。
【0059】
チケット管理部116は、管理しているチケットについて、商品の配分の引当に使用される前に有効期限が徒過した場合、当該チケットを無効にするとともに、その旨を配分済数更新部112に通知する。配分済数更新部112は、有効期限の徒過によって無効にされたチケットの数によって、商品の配分済み数を更新する。配分済数更新部112は、無効にされたチケットの数を、商品の配分済み数から減算してよい。このように、チケットに有効期限を設定することによって、チケットを作成してチケット情報を送信したにもかかわらず、当該チケットが使用されないような場合に、枠を割り当てた状態が継続してしまうことを防止できる。
【0060】
チケット管理部116は、管理しているチケットについて、商品の配分の引当に使用される前に有効期限が徒過した場合、当該チケットのチケット情報を送信した送信先の発注者30を識別する情報をブラックリスト登録部126に登録してよい。回答数決定部108は、可能数問合せに対する回答数を決定する場合に、ブラックリスト登録部126を参照して決定してもよい。例えば、回答数決定部108は、可能数問合せの問合せ元の発注者30がブラックリスト登録部126に登録されている場合、当該発注者30に対する回答数を0にする。
【0061】
予約情報取得部130は、商品を店舗等で購入する購入者による商品の予約情報を取得する。予約情報取得部130は、複数の発注者30のそれぞれから、予約情報を受信してよい。予約情報格納部132は、予約情報取得部130が取得した予約情報を格納する。
【0062】
予約チケット作成部134は、予約に対して割り当てられている商品の配分数を示す予約枠を参照して、予約情報格納部132に格納されている複数の予約情報のそれぞれに対して、発注者30による予約された商品の受注を可能にする予約チケットを作成する。
【0063】
予約枠更新部136は、予約チケット作成部134によって作成された予約チケットの数に応じて、予約枠を更新する。予約枠更新部136は、予約チケット作成部134によって作成された予約チケットの数を予約枠から減算してよい。
【0064】
予約チケット管理部138は、予約チケット作成部134によって作成された予約チケットを管理する。予約チケット作成部134は、予約チケットに有効期限を設定してよく、予約チケット管理部138は、各チケットについて、有効期限を徒過したか否かを管理してよい。
【0065】
予約チケット情報送信部140は、予約チケットを識別する予約チケット情報を送信する。予約チケット情報送信部140は、予約情報格納部132が格納している予約情報を参照して、予約情報を送信した発注者30に対して、予約チケット情報を送信してよい。予約チケット情報は、例えば、予約チケットを一意に識別可能な識別番号である。
【0066】
予約発注受付部142は、予約商品の発注を受け付ける。予約発注受付部142は、例えば、予約チケット情報を含む予約商品の発注を、発注者30から受信する。予約チケット情報送信部140が予約商品の発注を受け付けた場合、予約チケット管理部138は、予約商品の発注に含まれる予約チケット情報を参照して、当該予約チケット情報により識別される予約チケットが有効である場合、予約商品の発注を受け付ける。
【0067】
予約チケット管理部138は、管理している予約チケットについて、使用される前に有効期限が徒過した場合、当該予約チケットを無効にするとともに、その旨を予約枠更新部136に通知する。予約枠更新部136は、有効期限の徒過によって無効にされた予約チケットの数によって、予約枠を更新する。予約枠更新部136は、無効にされたチケットの数を、予約枠に加算してよい。このように、予約チケットに有効期限を設定することによって、予約チケットを作成して予約チケット情報を送信したにもかかわらず、当該予約チケットが使用されないような場合に、枠を割り当てた状態が継続してしまうことを防止できる。
【0068】
図10は、管理装置100として機能するコンピュータ1000のハードウェア構成の一例を概略的に示す。本実施形態に係るコンピュータ1000は、ホストコントローラ1092により相互に接続されるCPU1010、RAM1030、及びグラフィックコントローラ1085を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1094によりホストコントローラ1092に接続されるROM1020、通信I/F1040、ハードディスクドライブ1050、DVDドライブ1070及び入出力チップ1080を有する入出力部を備える。
【0069】
CPU1010は、ROM1020及びRAM1030に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などがRAM1030内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ1090上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などが生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0070】
通信I/F1040は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信I/F1040は、通信を行うハードウェアとして機能する。ハードディスクドライブ1050は、CPU1010が使用するプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1070は、DVD−ROM1072からプログラム又はデータを読み取り、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供する。
【0071】
ROM1020は、コンピュータ1000が起動時に実行するブート・プログラム及びコンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。入出力チップ1080は、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポートなどを介して各種の入出力装置を入出力コントローラ1094へと接続する。
【0072】
RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供されるプログラムは、DVD−ROM1072、又はICカードなどの記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050にインストールされ、CPU1010において実行される。
【0073】
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000を管理装置100として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、管理装置100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である配分数取得部102、可能数問合受付部104、問合格納部105、可能数決定部106、回答数決定部108、チケット作成部110、配分済数更新部112、回答送信部114、チケット管理部116、チケット情報送信部118、受注問合受付部120、引当処理部122、引当数更新部124、ブラックリスト登録部126、予約情報取得部130、予約情報格納部132、予約チケット作成部134、予約枠更新部136、予約チケット管理部138、予約チケット情報送信部140、及び予約発注受付部142として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の管理装置100が構築される。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0075】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0076】
10 ネットワーク、20 倉庫、30 発注者、40 入荷予定数、50 配分例、51 予備枠、52 オンライン枠、53 法人枠、54 量販枠、55 ショップ枠、60 配分例、61 推奨枠、62 個別枠、63 特枠、64 予約枠、70 配分例、71 ショップ枠A、72 ショップ枠B、73 フリー枠、81 店舗あ、82 店舗い、83 店舗う、84 代理店X、85 代理店Y、86 代理店Z、87 割当枠a、88 割当枠b、89 割当枠c、91 運営店A、92 運営店B、93 店舗か、100 管理装置、102 配分数取得部、104 可能数問合受付部、105 問合格納部、106 可能数決定部、108 回答数決定部、110 チケット作成部、112 配分済数更新部、114 回答送信部、116 チケット管理部、118 チケット情報送信部、120 受注問合受付部、122 引当処理部、124 引当数更新部、126 ブラックリスト登録部、130 予約情報取得部、132 予約情報格納部、134 予約チケット作成部、136 予約枠更新部、138 予約チケット管理部、140 予約チケット情報送信部、142 予約発注受付部、300 通信端末、1000 コンピュータ、1010 CPU、1020 ROM、1030 RAM、1040 通信I/F、1050 ハードディスクドライブ、1070 DVDドライブ、1072 DVD−ROM、1080 入出力チップ、1085 グラフィックコントローラ、1090 ディスプレイ、1092 ホストコントローラ、1094 入出力コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10