特許第6904958号(P6904958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6904958体腔の断面積を増大させるシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904958
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】体腔の断面積を増大させるシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20210708BHJP
【FI】
   A61B17/02
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-533793(P2018-533793)
(86)(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公表番号】特表2019-500963(P2019-500963A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】US2016068272
(87)【国際公開番号】WO2017112856
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年10月16日
(31)【優先権主張番号】62/387,090
(32)【優先日】2015年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/392,388
(32)【優先日】2016年5月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518220969
【氏名又は名称】プロデオン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Prodeon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ス・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ス・センザン
(72)【発明者】
【氏名】ス・エレン
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−523406(JP,A)
【文献】 米国特許第05882353(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0222802(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔の断面積を増大させる装置において、
相対する第1のおよび第2の組織係合部分、および、前記第1のおよび第2の組織係合部分間の距離が減少した圧縮構成と、前記第1のおよび第2の組織係合部分間の距離が増大した展開構成との間を移行するように構成された少なくとも1つの拡張部材を備える、足場を含み、
前記少なくとも1つの拡張部材は、ハウジング、および、シャフトを備え、
記第1の組織係合部分は、固定された前記ハウジングとともに入れ子式に構成された前記シャフトの第1の端部において前記シャフトに固定されており、前記シャフトは前記ハウジング内部に同軸に位置付けられており、
前記ハウジングは、前記シャフトを前記ハウジングから外側に付勢するための、前記シャフトの第2の端部に固定された駆動要素を有しており、
前記第1のおよび第2の組織係合部分は前記体腔の組織を係合するためのアンカーを有し、
前記第1のおよび第2の組織係合部分は、側方プレートを含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記少なくとも1つの拡張部材は、双方向性拡張部材であり、
前記第1のおよび第2の組織係合部分は、前記双方向性拡張部材の相対する端部に固定されている、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、
前記足場の少なくとも一部が、薬剤でコーティングされている、装置。
【請求項4】
請求項に記載の装置において、
前記薬剤は、痂皮形成防止薬を含む、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
前記足場に形成された少なくとも1つのリザーバ内部に配された薬剤をさらに含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2015年12月22日出願の米国仮特許出願第62/387,090号および2016年5月31日出願の米国仮特許出願第62/392,388号の利益を主張するものであり、これらの仮出願の開示は、参照により全体として組み込まれる。
【0002】
〔本開示の分野〕
本発明は、尿道を塞ぐ前立腺葉組織など、中空体腔を塞ぐ身体組織を管理または治療する装置および方法に関する。
【0003】
〔背景〕
良性前立腺肥大症(BPH)は、50歳を超えた男性の50〜60%、70歳を超えた男性の80〜90%で発症する一般的な疾患である。米国および多くの欧州の国々では、経口薬が第一選択治療として使用されてきた。しかしながら、前立腺の大きさは、一般的に、大部分の男性で、時間と共に増大し続け、さらなる尿道閉塞を引き起こす。これに対応して、処置的介入が、通常、BPHの薬理学的管理中のある時点で、必要となる。現在の処置的介入は、レーザー、マイクロ波もしくは高周波エネルギーまたは他の気化(vaporization)技術によるアブレーションなどの、指向性エネルギーの適用による前立腺の経尿道切除術および組織の目標を定めた除去を含む。しかしながら、このような処置は、膀胱頸部硬化症、性的不能、逆行性射精などといった合併症と関連している。さらに、これらの処置の大部分では、全身または局所麻酔の使用が必要であり、入院が必要になる場合がある。低侵襲の代替案として、BPHの管理のための長期尿道ステントの使用が試みられているが、これは、痂皮形成を受け、除去の際に困難をもたらして、実践が泌尿器科医には不評判となっていることが、分かっている。留置尿道カテーテルまたは間欠自己導尿法などの他の代替案は、患者の著しい不快感および不自由と関連しており、尿路感染症および血尿症のリスクを高める。よって、このような技術は、多くの患者には魅力がないと考えられ得、一般的に、長期BPH管理には不適切である。結果として、患者は、従来の処置的管理の選択肢から選択するのに苦しい思いをしかねない。さらに、多くの患者は、過活動膀胱を経験し、かつ/またはBPHと明確には一致しない臨床的な排尿症状を示す場合があり、BPHの診断(およびその後の管理)が泌尿器科医にとって困難となる。適切な治療オプションがないので、入念な尿力学的評価または試験がしばしば必要となり得る。
【0004】
このことから、閉塞性前立腺組織の除去、ステントの設置、留置尿道カテーテルの使用、または間欠自己導尿法を含む、前述した現在の処置的モダリティの問題、および合併症なしに、BPHの適切な管理をもたらす装置および方法を提供することが、望ましい。同様に、外来患者または診察室ベースの環境でBPHの管理をもたらすと共に、麻酔の必要性を減少させることが望ましい。さらに、可逆の臨床効果を持つ、BPHを管理する技術を提供することが望ましい。さらには、入念な尿力学的評価の必要性なしに、臨床的に困難な診断状況においてBPH管理をもたらすことが望ましい。本開示は、これらおよび他の必要性を満たすと共に、製造するのが単純かつ安価で、使用するのが簡単で、使用中頑丈であり、なおかつ、開存性を回復または増大させるために前立腺部尿道などさまざまな中空身体構造で使用される、方法および装置を詳述する。
【0005】
〔概要〕
本開示は、体腔の断面積を増大させるための装置を含む。装置は、相対する組織係合部分、および、組織係合部分間の距離が減少した圧縮構成と、組織係合部分間の距離が増大した展開構成との間を移行するように構成された少なくとも1つの拡張部材を備える、足場であってよい。
【0006】
一態様では、組織係合部分は、側方プレートであってよい。組織係合部分は、アンカーを有することもできる。
【0007】
一態様では、拡張部材のうちの少なくとも1つは、入れ子式であってよい。
【0008】
一態様では、少なくとも1つの拡張部材は、双方向性拡張部材であってよく、組織係合部分は、双方向性拡張部材の相対する端部に固定される。
【0009】
一態様では、一対の一方向性拡張部材が、互いに反対の方向に連結され得、各組織係合部分は、各一方向性拡張部材の一端部に固定される。一対の一方向性拡張部材は、ピボットによって連結され得、ピボットは、付勢されて、一方向性拡張部材を長さ方向に整列させるが、一方向性拡張部材が互いに対して撓むことを可能にする。テザーが、ピボットに固定され得る。
【0010】
一態様では、足場の少なくとも一部が、薬剤でコーティングされ得る。この薬剤は、痂皮形成防止剤であってよい。足場に形成された少なくとも1つのリザーバ内部に薬剤が配されてもよい。
【0011】
本開示はまた、遠位端部にホルダを備えた細長い管状部材を有する、導入器を含む。ホルダは、相対する組織係合部分および少なくとも1つの拡張部材を備えた足場を圧縮構成に解放可能に固定し得る。押圧要素が、細長い管状部材の内腔内部にスライド可能に配されてよく、押圧要素が相対的に遠位に動くと、足場がホルダから切り離される。
【0012】
一態様では、ホルダは、足場の組織係合部分に解放可能に取り付けられる、相対するウィングを有し得る。
【0013】
一態様では、ホルダは、細長い管状部材の遠位端部において固定され得、細長い管状部材と長さ方向に整列した状態と、細長い管状部材に垂直な状態との間で回転するように構成され得る。制御線が、ホルダの相対する端部に固定され得る。
【0014】
本開示は、体腔の断面積を増大させる方法も含む。この方法は、遠位端部にホルダを有する細長い管状部材を備える導入器と、ホルダによって圧縮構成で解放可能に固定される足場と、を提供することを含み得、足場は、相対する組織係合部分および少なくとも1つの拡張部材を有する。細長い管状部材は、足場が体腔内部の所望の位置にくるまで患者の体内を通って前進させられ得る。足場は、圧縮構成と比べて組織係合部分間の距離が増大した展開構成を足場が示すように、ホルダから切り離され得る。
【0015】
一態様では、足場をホルダから切り離すことは、細長い管状部材の内腔内部にスライド可能に配された押圧要素を遠位に動かすことを含み得る。
【0016】
一態様では、足場は、ピボットによって連結された一対の拡張部材を有し得、方法はまた、ピボットに固定されたテザーを提供することと、拡張部材を互いに対して撓ませるように十分な張力をテザーに加えることによって体腔内部で足場を展開構成から動かすことと、を含む。
【0017】
一態様では、ホルダは、細長い管状部材の遠位端部に回転可能に固定されてよく、細長い管状部材は、ホルダが細長い管状部材と長さ方向に整列した状態で、患者の体内を通って前進させられ得る。方法は、足場を切り離す前にホルダを垂直な構成へと回転させることをさらに含み得る。
【0018】
一態様では、足場は、前立腺部尿道内部でホルダから切り離され得、足場の展開構成により、閉塞性前立腺葉組織が転置される。
【0019】
さらなる特徴および利点は、添付図面に例示されるような、本開示の好適な実施形態に関する、以下のさらに具体的な説明から明らかとなるであろう。添付図面では、同様の参照符号は、図面全体にわたって、概して同じ部分または要素を指す。
【0020】
〔詳細な説明〕
最初に、本開示は、特に例示された材料、構成、ルーチン、方法、または構造に制限されず、したがって変化し得ることが、理解されたい。よって、本明細書に記載するものと類似または等価ないくつかのこのようなオプションが、本開示の実行または実施形態において使用され得るが、好適な材料および方法が本明細書に記載される。
【0021】
本明細書で使用される用語は、本開示の特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、限定的とすることを意図していないことも、理解されたい。
【0022】
添付図面と関連して以下に記載する詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態の説明とすることが意図されており、本開示が実施され得る唯一の例示的な実施形態を表すことは意図していない。この説明全体で使用される「例示的な」という用語は、「実施例、例、または例示として役立つ」ことを意味しており、必ずしも、他の例示的な実施形態と比べて好適または有利なものと解釈されるべきではない。詳細な説明は、本明細書の例示的な実施形態の全体的な理解をもたらす目的で、特定の詳細事項を含む。本明細書の例示的な実施形態が、これらの特定の詳細事項なしで実施され得ることは、当業者には明らかであろう。場合によっては、本明細書で提示される例示的な実施形態の新規性をあいまいにしないように、周知の構造および装置が、ブロック図の形で示される。
【0023】
便宜上、また明白にする目的でのみ、上部、底部、左、右、上、下、上方、上位(above)、下位(below)、下方(beneath)、後方、後ろ、および前などの、方向を示す用語は、添付図面に関して使用され得る。これらおよび類似の方向を示す用語は、決して本開示の範囲を制限するよう解釈されるべきではない。
【0024】
別段定義のない限り、本明細書で使用される技術的および科学的用語はすべて、本開示が属する分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容で明らかに別様のことが示されていない限り、複数の参照物を含む。
【0025】
前述のとおり、BPHを管理するため、または体腔の開存性の増大もしくは維持と関連する他の処置を行うための、装置および方法を提供することが望ましい。そのために、拡張部材の相対する端部に配された組織係合部分を有する、足場が、設けられ得る。拡張部材は、組織係合部分間に減少した距離を呈する圧縮構成を有してよく、組織係合部分間に増大した距離を呈する展開構成を有してよい。足場は、拡張部材がその圧縮構成にある状態で、体腔内部に位置付けられ得る。その後、拡張部材は、展開構成をとってよく、展開構成では、組織係合部分は、体腔の表面に対して力を及ぼし、組織を横方向に転置させる。したがって、足場は、展開構成にあるときは、体腔に隣接する組織を押し離して、開存性を維持するかまたは増大させることができる。例えば、組織は前立腺(prostrate)であってよく、体腔は尿道であってよく、足場はBPHの管理を容易にする。
【0026】
本開示の態様としての例示を助けるために、図1および図2は、拡張部材14の相対する端部に位置付けられた組織係合部分12を備える、足場10の一実施形態を概略的に描いている。図示のとおり、各組織係合部分12は、側方プレート16および組織アンカー18を有し得る。側方プレート16は、拡張部材14の公称直径と比べて増大した表面積を提示して組織係合を容易にし得るが、オプションであり、他の実施形態では省略され得る。組織アンカー18は、突起または他の鋭い形状などの構成を有して、組織を解放可能に固定し、足場10が意図せずに係合解除される可能性を減少させ得るが、やはりオプションである。この実施形態では、拡張部材14は、いずれの端部も組織係合部分12を形成する、双方向性であってよい。図示のとおり、拡張部材14は、一方の組織係合部分12を支えるシャフト20と、他方の組織係合部分12を支えるハウジング22との間の入れ子式配列を特徴とし得る。本明細書で使用される、用語「入れ子式」は、シャフトの少なくとも一部が、ハウジングの少なくとも一部の内部で同軸に延びるように構成されていることを意味する。シャフト20およびハウジング22の外形は、円形、楕円形、正方形、矩形、または任意の他の適切な形状であってよい。他の実施形態では、拡張部材14は、任意の適切な長さ方向に延びる機構から形成され得る。ばねまたは他の機能的に類似の構造体などの駆動要素24が、ハウジング22内部に同軸に位置付けられ、シャフト20を外向きに付勢し得る。足場10は、図1では圧縮構成で図示され、距離Lが組織係合部分12間の減少した距離に対応している。これに対応して、図2は、組織係合部分12間の距離LがLと比べて増大したことによって特徴付けられる、展開構成にある足場10を描いている。理解されるように、距離Lは、組織が転置されることによって提供される抵抗の量に応じて、変化し得る。
【0027】
例示的な1つの適用では、足場10は、前立腺部尿道の管腔の直径または断面積を増大させることによって、BPHを管理するのに使用され得る。例えば、図3は、膀胱(B)、前立腺(P)、前立腺部尿道(U)、閉塞性前立腺葉組織(X)、ならびに骨盤底筋および外尿道括約筋(M)を含む、患者の解剖学的構造の関連部分を概略的に描いている。この図では概略的に図示されていないが、前立腺部尿道(U)は、閉塞性前立腺葉組織(X)によって部分的に圧縮されるようになり得る。これに対応して、図4は、前立腺部尿道(U)内部において展開構成にある足場10を概略的に描いている。見て分かるように、足場10は、前立腺部尿道(U)および閉塞性前立腺葉組織(X)が、展開構成にある足場10によって転置されるか、または別様に横方向に押し開かれて、前立腺部尿道(U)の断面積を増大させるように、前立腺部尿道(U)内部で展開される。
【0028】
本開示の別の実施形態が、足場30に関して、図5図7に概略的に描かれており、足場30も、一対の一方向性拡張部材34の相対する端部に位置付けられた組織係合部分32を有する。前述したように、各組織係合部分32は、前述したのと同じように、側方プレート36および組織アンカー38を有し得る。各一方向性拡張部材34は、1つの組織係合部分32をそれぞれ支えるシャフト40と、ハウジング42との間の、入れ子式配列を含み得る。他の実施形態で見られるように、各拡張部材34の外形は、任意の望ましい形状であってよく、入れ子式の実施形態に匹敵する伸び能力を有する、当業者に知られるような任意の適切な拡張可能な機構を使用し得る。概して、拡張部材は、半径方向の伸長よりも、長さ方向の伸長を示すとみなされ得る。駆動要素44は、各ハウジング42内部で同軸に位置付けられ、シャフト40を外向きに付勢するように構成されている。一方向性拡張部材34は、ハウジング42がピボット46によって連結され得、ピボット46は、拡張部材34を長さ方向に整列した構成に付勢するが接合部において撓みを可能にして足場30の体腔への挿入および/または体腔からの除去を容易にする、ばねまたは他の同様に弾性の部材であってよい。足場30は、図5では、前記で説明したのと同じように組織係合部分32間の距離が減少した、圧縮構成で示され、図6では、やはり組織係合部分32間の距離が増大したことによって特徴付けられる、展開構成で示されている。さらに、図7は、ピボット46において生じる、一方向性拡張部材34間の撓みを概略的に描いている。拡張部材34が展開構成にある間に生じる撓みの観点から示したが、図5に示すように、拡張部材34が圧縮構成にある場合にピボット46がやはり撓みを可能にすることが、認識されるであろう。
【0029】
図8は、展開構成にある足場30を概略的に描いている。図示のとおり、前立腺部尿道(U)および閉塞性前立腺葉組織(X)は、展開構成にある足場30によって転置されるか、または別様に横方向に押し開かれて、前立腺部尿道(U)の断面積を増大させる。
【0030】
関連実施形態が、図9図11に概略的に描かれており、足場50はやはり、それぞれが前述したように側方プレート56および組織アンカー58を備える、組織係合部分52および一対の一方向性拡張部材54を有する。また、同様に、一方向性拡張部材54の入れ子式配列は、それぞれが1つの組織係合部分52を支えるシャフト60と、ハウジング62と、によって形成されている。しかしながら、この代替的な実施形態では、各拡張部材54は、シャフト60に長さ方向に隣接して位置付けられてシャフト60を外向きに付勢するように構成された、1つ以上の駆動要素64を有する。特に、1つ以上の駆動要素64が、シャフト60の周囲の周りの地点に位置付けられ得るか、または、単一の駆動要素64が、シャフト60の周りに同軸に配され得る。ここでも、一方向性拡張部材54は、前述したように、ハウジング62がピボット66によって連結され得る。足場50は、図9では、前述したのと同じように組織係合部分52間の距離が減少した圧縮構成で示され、図10では、やはり組織係合部分52間の距離が増大したことによって特徴付けられる展開構成で示されている。なおさらに、図11は、ピボット66において生じる、一方向性拡張部材54間の撓みを概略的に描いている。足場50は、図8に示すような足場30と同じように使用され得る。
【0031】
さらに、図12は、ピボット66に取り付けられたテザー68を備える足場50を概略的に描いている。認識されるように、テザー68に対して、示された方向に加えられた張力は、拡張部材54をピボット66において撓ませるのを助けて、患者の管腔内部での足場50の設置および/または除去をさらに容易にすることができる。さらに、図12はまた、オプションのコーティング70を有する足場50を示す。この実施形態では、コーティング70は、ハウジング62の外側に付けられているが、足場50の任意の表面部分に付けられてよく、実質的に外側表面全体を含む、足場50の任意の所望の量を覆うことができる。コーティング70は、単独で1つ以上の治療薬であってよく、または、薬剤を制御された形で放出するように構成されたポリマーマトリックス内に保持された1つ以上の薬剤であってよい。コーティング70は、泌尿器環境において痂皮形成を防ぐか、または減少させる薬剤を含み得る。内皮化(endotheliazation)または他の組織の内方成長を防ぐか、または減少させる薬剤が提供されてもよい。なおさらに、薬剤は、任意の適切な治療目的に使用され得る。あるいは、または、さらに、単独の、またはポリマーマトリックスに入った、1つ以上の薬剤は、リザーバ72内に入れられ得る。1つ以上など、任意の所望の数のリザーバ72が、送達される薬剤の量などの要因次第で、必要に応じて使用され得る。
【0032】
本開示のさらに別の実施形態が、足場80に関して、図13図15に概略的に描かれており、足場80はやはり、一対の一方向性拡張部材84の相対する端部に位置付けられた組織係合部分82を有する。前述したように、各組織係合部分82は、前述したように、ここでも、側方プレート86および組織アンカー88を有し得る。各一方向性拡張部材84は、シャフト90とハウジング92との間の入れ子式配列を含み得る。この実施形態では、各組織係合部分82は、各ハウジング92の端部に配される。ここでも、各拡張部材84の外形は、任意の望ましい形状であってよく、また、当業者に知られるような入れ子式の実施形態に匹敵する伸び能力を有する任意の適切な拡張可能な機構を使用することができる。駆動要素94が、各ハウジング92内部に同軸に位置付けられ、ハウジング92を外向きに付勢するように構成されている。一方向性拡張部材84は、シャフト90がピボット96によって連結され得、ピボット96は、拡張部材84を長さ方向に整列した構成へと付勢するが接合部での撓みを可能にして足場80の体腔への挿入および/または体腔からの除去を容易にする、ばねまたは他の同様に弾性の部材であってよい。足場80は、図13では、前述したのと同じような、組織係合部分82間の距離が減少した圧縮構成で示され、図14では、やはり組織係合部分82間の距離が増大したことによって特徴付けられる展開構成で示されている。同様に、図15は、ピボット96において生じる、一方向性拡張部材84間の撓みを概略的に描いている。足場80は、図8に示すような足場30と同じように使用され得る。
【0033】
別の関連実施形態が、図16図18に概略的に描かれており、足場100はやはり、それぞれが前述したように側方プレート106および組織アンカー108を備える、組織係合部分102および一対の一方向性拡張部材104を有する。また同様に、一方向性拡張部材104の入れ子式配列は、シャフト110と、それぞれが1つの組織係合部分102を支えるハウジング112と、によって形成されている。この代替的な実施形態では、各拡張部材104は、シャフト110に長さ方向に隣接して位置付けられてハウジング112を外向きに付勢するように構成された、1つ以上の駆動要素114を有する。特に、1つ以上の駆動要素114が、シャフト110の周囲の周りの地点に位置付けられてよく、または、単一の駆動要素114が、シャフト110の周りに同軸に配され得る。ここでも、一方向性拡張部材104は、シャフト110がピボット116によって連結され得る。足場100は、図16では、前述したのと同じように組織係合部分102間の距離が減少した圧縮構成で示され、図17では、やはり組織係合部分102間の距離が増大したことによって特徴付けられる展開構成で示されている。なおさらに、図18は、ピボット116において生じる、一方向性拡張部材104間の撓みを概略的に描いている。足場100は、図8の足場30に関して示したのと同じように使用され得る。
【0034】
本開示の別の実施形態が、図19および図20に概略的に描かれている。図示のとおり、足場120は、双方向性拡張部材124の相対する端部に位置付けられた組織係合部分122を有する。前述の検討と一致して、各組織係合部分122は、側方プレート126および組織アンカー128を有し得る。この実施形態では、拡張部材124は、ばねとして構成された、長さ方向に伸長可能な構造体であってよい。足場120は、図19では、組織係合部分122間の距離が減少した圧縮構成で示され、拡張部材124は、組織係合部分122間の距離が増大した、図20に示すような展開構成に向かって付勢され得る。足場120は、前立腺部尿道の管腔の直径または断面積を増大させることによって、前述したその他の実施形態と同じようにBPHを管理するのに使用され得る。例示目的では不図示であるが、図21に概略的に描かれるように、足場120が前立腺部尿道(U)内部に展開構成で位置付けられると、閉塞性前立腺葉組織(X)は、転置されるか、または別様に横方向に押し開かれ得る。よって、足場120は、その展開構成にあるときは、前立腺部尿道(U)の断面積を増大させることができる。
【0035】
前述したとおり、本開示の足場のさまざまな組織係合部分は、いくつかの実施形態では、オプションとして、側方プレートおよび/またはアンカーを特徴とし得る。さまざまな例示的な構成が図22図25に示され、図22は、側方プレート130を有し、アンカーがない、組織係合部分を概略的に示し、図23は、側方プレート132および単一の突起134によって形成されたアンカーを有する組織係合部分を概略的に示し、図24は、側方プレート136および一対の突起138によって形成されたアンカーを有する組織係合部分を概略的に示し、図25は、側方プレート140および3つの突起142によって形成されたアンカーを有する組織係合部分を概略的に示している。アンカーは、摩擦を強化し、足場装置と体腔を塞ぐ標的の身体組織(尿道を塞ぐ前立腺葉組織など)との間の接触をさらに確実にして、足場装置の係合解除を低減するのに役立つように設計された、任意の適切な構成であってよい。これらの実施形態における突起は、細長くてよく、標的の身体組織内への貫通を可能にする針および/またはスパイクなどの、エッジが鋭い形態を備える。任意の他のデザイン、構成および/または寸法が、本開示の他の実施形態で使用されてもよい。
【0036】
1つ以上の拡張部材の相対する端部に組織係合部分を有する足場の送達は、任意の適切な導入器またはアプリケータを使用して達成され得る。例えば、図26は、可撓性内視鏡152と共に使用されるように構成された導入器150を概略的に描いている。導入器150は、遠位端部156に解放可能に固定された足場を備える、可撓性の細長い管状部材154を有し得る。導入器150は、近位端部にアクチュエータ158を有し得、アクチュエータ158は、足場がBPHの管理に使用される場合に、前立腺部尿道など、体腔内部の所望の位置での足場の適切な設置および解放を可能にするように構成されている。導入器150は、細長い部材154の少なくとも一部と長さ方向に整列され、内視鏡152を受容する内腔(この図では不図示)を有する、管状ガイド160も特徴とする。以下でさらに詳細に説明するように、遠位端部156は、例えば前立腺部尿道を含む身体内腔内部での足場の解放を容易にする構成にある。別の実施形態が、硬性内視鏡172と共に使用されるように構成された導入器170に関して、図27に例示されている。前述したように、導入器170は、遠位端部176に解放可能に固定された足場、および体腔内部の所望の場所での足場の適切な設置および解放を可能にするように構成された、近位端部におけるアクチュエータ178を備える細長い管状部材174を有し得る。同様に、管状部材174内部のボア(この図では不図示)が、内視鏡172を受容し得る。他の実施形態では、どの導入器のデザインも、内視鏡のワーキングチャネル内部に配されるように構成され得る。この実施例では、遠位端部176は、体腔を通る前進を容易にする、縮小された外形を備えた構成にある。前述した実施形態で説明したように導入器を内視鏡と整列させることによって、オペレータは、導入器の遠位端部をより容易に可視化して、体腔内部で所望されるような足場の設置を容易にすることができる。
【0037】
本開示の他の態様は、図28図31に示す導入器150の遠位端部154の概略的な詳細図に照らして、理解され得る。この実施形態との関連で論じるが、この技術は、導入器170または任意の他の適切な導入器もしくはアプリケータに適用され得る。図28に示すように、ピボット186によって接続された一対の一方向性拡張部材184の相対する端部に組織係合部分182を有する、足場180は、遠位端部154のホルダ188によって解放可能に固定され得る。この実施形態では、ホルダ188は、足場180の組織係合部分182を受容する、相対するウィング190を特徴とする。他の実施形態では、任意の適切な構成を使用し得る。足場180は、任意の所望の方法で、解放可能に固定され得る。例えば、拡張部材184の付勢と関連する外向きの力は、組織係合部分182とウィング190との間で十分な摩擦を引き起こして、体腔内部の所望のエリアに位置付けられるまで足場180を保持することができる。押圧要素192が、足場180の設置中に各拡張部材184に係合しピボット186における望ましくない撓みを減少させるように構成された一対の突出部194を備える遠位端部を有する。
【0038】
さらに、押圧要素192は、導入器150の内腔内部にスライド可能に配され得るため、相対的に遠位に動くと、図29図31により概略的に示されるように、足場180が駆動されてホルダから外れる。例えば、図29は、組織係合部分182が前立腺(P)の閉塞性前立腺葉組織(X)の一部に隣接するように、足場180が前立腺部尿道内部に位置付けられる位置まで、遠位端部156が前進されたところを示している。押圧要素192が遠位に動くと、組織係合部分184がホルダ188のウィング190から切り離され、拡張部材184は、葉組織(X)に外向きの力を加えることができる。足場180の展開後、ホルダ188および押圧要素192を備えた遠位端部156が後退され得、体腔内部に位置付けられた足場180を残し、閉塞性前立腺葉組織(X)を転置させるか、または別様に横方向に押し開き、前立腺部尿道の断面積を増大させて、例えばBPHの管理を助ける。足場180と、ホルダ188および押圧要素192を備えた遠位端部156とのこの構成の立面図が、図31に概略的に描かれている。図示のとおり、足場180は、押圧要素192の相対的な遠位への動きによってホルダ188から切り離されている。この図は、組織係合部分182が前述したように側方プレート196およびアンカー198を有し得ることを示す。アンカー198は、展開前に足場180を解放可能に固定するのを助けるため、ウィング190のスロット200内部に嵌まるように構成され得る。
【0039】
本開示の別の実施形態が、図32図37に描かれ、これらは、導入器170の遠位端部176が、図27に示すものなどの縮小した送達外形から、足場210が体腔内部で展開のために切り離され得る、展開外形へと移行するのを示している。図32に示す縮小した外形は、ピボット216において連結された一対の拡張部材214に相対する組織係合部分212を備えた、足場210を特徴とする。この実施形態に関連して論じるが、この技術は、導入器150または任意の他の適切な導入器もしくはアプリケータに適用され得る。足場210は、前述した技術を含む、任意の適切な方法で、ホルダ218に解放可能に固定される。導入器170は、細長い部材174の内腔内部にスライド可能に配された押圧要素220も有し得る。ホルダ218は、軸224によって細長い部材174の遠位端部176において延長部222に回転可能に取り付けられる。制御線226が、ホルダ218の両端部に取り付けられ得る。図32に示す構成では、ホルダ218は、概して、細長い部材174と長さ方向に整列していてよい。これに対応して、外形全体が縮小されて、体腔を通じた導入器170および足場210の前進が容易になる。
【0040】
いったん足場210が体腔内部の所望の場所に位置付けられると、制御線226の適切な操作により、軸224の周辺でのホルダ218の回転を調節して、展開構成を与えることができる。例えば、図33は、縮小された外形から、軸224の周辺で部分的に回転された後のホルダ218を示す。ホルダ218のさらなる回転は、ホルダ218が図34に示すように細長い部材174の長さ方向軸に概ね垂直になる構成をもたらし得る。この構成では、押圧要素220は、前述した実施形態と同じように、図35に示す矢印の方向へと遠位に動かされて、足場210をホルダ218から切り離すことができる。押圧要素220は、ホルダ218の開口部228(この図では不図示)を通って延びて、足場210に係合し、また足場210を切り離すことができる。特に、図36は、足場210の展開と、遠位端部176およびホルダ218の後退と、を示す。足場210および遠位端部176のこの構成の立面図は、図37に概略的に描かれている。図示のとおり、足場210は、ホルダ218から切り離されており、押圧要素220(透視図で示す)は、開口部228を通って、細長い部材174内部で、近位に後退されている。代替的な実施形態では、軸224における延長部222へのホルダ218の回転取り付けは、ばねまたは類似の要素によって駆動されて、(ホルダ218が細長い部材174と長さ方向に整列した)縮小した外形と、(ホルダ218が細長い部材174の長さ方向軸に概ね垂直である)展開外形との間での移行を自動的に引き起こすことができ、そのため制御線226が必要ない。
【0041】
本開示の足場および/または導入器の構成要素部分は、ポリマーおよび金属合金を含む、任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成され得る。いくつかの実施形態では、足場の構成要素のうちの1つ以上は、生分解性かつ/または生体吸収性であってよい。前述したとおり、足場のいくつかの部分またはすべての部分が、泌尿器環境内部での痂皮形成を減少させるように構成された材料で処理またはコーティングされ得る。足場は、任意の他の治療薬または他の活性薬剤でコーティングされてもよい。希望に応じて、本開示の導入器は、再利用可能または使い捨てであってよい。
【0042】
前記の検討から、本開示の足場が、体腔の断面積を増大させるために使用され得ることが、認識されるであろう。足場は、長さ方向の伸長および非半径方向の拡張を示す、1つ以上の拡張部材を有し得る。拡張部材は、相対する組織係合部分間の距離が減少した、圧縮構成と、相対する組織係合部分間の距離が増大した、展開構成との間で移行する。展開構成にあるとき、足場は、体腔の断面積を増大させ得る。足場は、体腔に固定して取り付けられることができるインプラントであってよく、また取り外し可能であってよい。取り外し中、拡張部材のうちの1つ以上が、圧縮構成に戻り得る。足場は、体腔内の、良性前立腺肥大症の管理または治療に使用される、尿道内部などの泌尿器系、血管内部などの心臓血管系、胆管内部などの胃腸系、および気管内部などの呼吸器系を含む、さまざまな場所で展開され得る。足場は、例えば内視鏡のガイダンスによって、前述したように導入器と共に設置され得る。さらに、体腔からの足場の取り外しは、内視鏡の使用を必要としない場合がある。例えば、一対の拡張部材を連結するピボットに固定されたテザーを引っ張ると、足場は撓んで、体腔からの後退を容易にすることができる。
【0043】
本明細書には、特定の例示的な実施形態が記載されている。しかしながら、これらの実施形態に関連する当業者は、本開示の原理が、適切な改変により、他の適用まで容易に拡張され得ることを、理解するであろう。
【0044】
〔実施の態様〕
(1) 体腔の断面積を増大させる装置において、
相対する組織係合部分、および、前記組織係合部分間の距離が減少した圧縮構成と、前記組織係合部分間の距離が増大した展開構成との間を移行するように構成された少なくとも1つの拡張部材を備える、足場を含む、装置。
(2) 実施態様1に記載の装置において、
前記組織係合部分は、側方プレートを含む、装置。
(3) 実施態様2に記載の装置において、
前記組織係合部分は、アンカーをさらに含む、装置。
(4) 実施態様1に記載の装置において、
前記少なくとも1つの拡張部材は、入れ子式である、装置。
(5) 実施態様1に記載の装置において、
前記少なくとも1つの拡張部材は、双方向性拡張部材であり、
前記組織係合部分は、前記双方向性拡張部材の相対する端部に固定されている、装置。
【0045】
(6) 実施態様1に記載の装置において、
一対の一方向性拡張部材が、互いに反対の方向に連結され、
各組織係合部分は、各一方向性拡張部材の一端部に固定されている、装置。
(7) 実施態様6に記載の装置において、
前記一対の一方向性拡張部材は、ピボットによって連結され、
前記ピボットは、前記一方向性拡張部材を長さ方向に整列させるように付勢されるが、前記一方向性拡張部材が互いに対して撓むことを可能にする、装置。
(8) 実施態様7に記載の装置において、
前記ピボットに固定されたテザーをさらに含む、装置。
(9) 実施態様1に記載の装置において、
前記足場の少なくとも一部が、薬剤でコーティングされている、装置。
(10) 実施態様9に記載の装置において、
前記薬剤は、痂皮形成防止薬を含む、装置。
【0046】
(11) 実施態様1に記載の装置において、
前記足場に形成された少なくとも1つのリザーバ内部に配された薬剤をさらに含む、装置。
(12) 導入器において、
遠位端部にホルダを有する細長い部材であって、前記ホルダは、相対する組織係合部分および少なくとも1つの拡張部材を備えた足場を圧縮構成に解放可能に固定する、細長い部材と、
前記細長い部材の内腔内部にスライド可能に配された押圧要素であって、前記押圧要素の相対的な遠位への動きが、前記足場を前記ホルダから切り離す、押圧要素と、
を含む、導入器。
(13) 実施態様12に記載の導入器において、
前記ホルダは、前記足場の前記組織係合部分に解放可能に取り付けられる、相対するウィングを含む、導入器。
(14) 実施態様12に記載の導入器において、
前記ホルダは、前記細長い管状部材の前記遠位端部において固定され、前記細長い部材と長さ方向に整列された状態と、前記細長い部材に垂直な状態との間で、回転するように構成されている、導入器。
(15) 実施態様14に記載の導入器において、
前記ホルダの相対する端部に固定された制御線(control lines)をさらに含む、導入器。
【0047】
(16) 体腔の断面積を増大させる方法において、
遠位端部にホルダを有する細長い部材を備えた導入器、および圧縮構成で前記ホルダによって解放可能に固定された足場を提供することであって、前記足場は、相対する組織係合部分および少なくとも1つの拡張部材を有する、ことと、
前記足場が前記体腔内部の所望の位置にくるまで、患者の体内を通じて前記細長い管状部材を前進させることと、
前記圧縮構成と比べて前記組織係合部分間の距離が増大した展開構成を前記足場が示すように、前記足場を前記ホルダから切り離すことと、
を含む、方法。
(17) 実施態様16に記載の方法において、
前記足場を前記ホルダから切り離すことは、前記細長い管状部材の内腔内部にスライド可能に配された押圧要素を遠位に動かすことを含む、方法。
(18) 実施態様16に記載の方法において、
前記足場は、ピボットによって連結された一対の拡張部材を含み、
前記ピボットに固定されたテザーを提供することと、
前記拡張部材を互いに対して撓ませるように十分な張力を前記テザーに加えることによって前記体腔内部で前記足場を前記展開構成から動かすことと、をさらに含む、方法。
(19) 実施態様16に記載の方法において、
前記ホルダは、前記細長い管状部材の前記遠位端部に回転可能に固定され、前記細長い管状部材は、前記ホルダが前記細長い部材と長さ方向に整列した状態で、前記患者の体内を通って前進させられ、
前記足場を切り離す前に前記ホルダを垂直な構成へと回転させることをさらに含む、方法。
(20) 実施態様16に記載の方法において、
前記足場は、前立腺部尿道内部で前記ホルダから切り離され、
前記足場の前記展開構成により、閉塞性前立腺葉組織が転置される、方法。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】一実施形態による、圧縮構成にある双方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図2】一実施形態による、展開構成にある双方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図3】前立腺部尿道および周辺の解剖学的構造の概略図を描いている。
図4】一実施形態による、前立腺部尿道内で展開された双方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図5】一実施形態による、拡張部材のシャフトに組織係合部分が固定された、圧縮構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図6】一実施形態による、拡張部材のシャフトに組織係合部分が固定された、展開構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図7】一実施形態による、拡張部材のシャフトに組織係合部分が固定された、撓み構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図8】一実施形態による、前立腺部尿道内で展開されている、拡張部材のシャフトに組織係合部分が固定された、撓み構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図9】別の実施形態による、拡張部材のシャフトに組織係合部分が固定された、圧縮構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図10】別の実施形態による、拡張部材のシャフトに組織係合部分が固定された、展開構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図11】別の実施形態による、拡張部材のシャフトに組織係合部分が固定された、撓み構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図12】別の実施形態による、拡張部材を連結するピボットにテザーが固定された、撓み構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図13】一実施形態による、拡張部材のハウジングに組織係合部分が固定された、圧縮構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図14】一実施形態による、拡張部材のハウジングに組織係合部分が固定された、展開構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図15】一実施形態による、拡張部材のハウジングに組織係合部分が固定された、撓み構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図16】別の実施形態による、拡張部材のハウジングに組織係合部分が固定された、圧縮構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図17】別の実施形態による、拡張部材のハウジングに組織係合部分が固定された、展開構成にある一方向性拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図18】別の実施形態による、拡張部材のシャフトに組織係合部分が固定された、撓み構成にある一方向性ハウジング部材を有する足場の概略図を描いている。
図19】一実施形態による、圧縮構成にある双方向性の非入れ子式拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図20】一実施形態による、展開構成にある双方向性の非入れ子式拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図21】一実施形態による、前立腺部尿道内で展開された双方向性の非入れ子式拡張部材を有する足場の概略図を描いている。
図22】ある実施形態による、足場の組織係合部分の側方プレートおよびアンカーの構成の概略図を描いている。
図23】別の実施形態による、足場の組織係合部分の側方プレートおよびアンカーの別の構成の概略図を描いている。
図24】別の実施形態による、足場の組織係合部分の側方プレートおよびアンカーの別の構成の概略図を描いている。
図25】別の実施形態による、足場の組織係合部分の側方プレートおよびアンカーの別の構成の概略図を描いている。
図26】一実施形態による、可撓性内視鏡と共に使用される足場導入器の概略図を描いている。
図27】一実施形態による、硬性内視鏡と共に使用される足場導入器の概略図を描いている。
図28】一実施形態による、足場が解放可能に固定された、導入器の遠位端部の概略図を描いている。
図29】一実施形態による、足場を切り離す押圧要素を備えた、導入器の遠位端部の概略図を描いている。
図30】一実施形態による、展開された足場から後退している導入器の遠位端部の概略図を描いている。
図31】一実施形態による、ホルダ、および切り離された、展開された足場の部分立面図を描いている。
図32】一実施形態による、縮小外形構成にあるホルダを備えた導入器の遠位端部の概略図を描いている。
図33】一実施形態による、ホルダが展開構成へと部分的に回転された、導入器の遠位端部の概略図を描いている。
図34】一実施形態による、ホルダが展開構成へと回転された、導入器の遠位端部の概略図を描いている。
図35】一実施形態による、ホルダが展開構成へと回転され、押圧要素が足場を切り離すように遠位に動かされた、導入器の遠位端部の概略図を描いている。
図36】一実施形態による、展開構成へと回転されたホルダが、展開された足場から後退されている、導入器の概略図を描いている。
図37】一実施形態による、展開構成へと回転されたホルダ、および切り離された、展開された足場の部分立面図を描いている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
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図32
図33
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図37