【文献】
久井 守,交通流のモデリングと信号制御,計測と制御,日本,公益社団法人計測自動制御学会,2002年 3月10日,第41巻 第3号,193-198ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施形態に関する技術的解決策を説明するために、実施形態の説明において参照される図面の簡単な説明を以下で提供する。明らかに、以下で説明される図面は、本開示のいくつかの実施例又は実施形態にすぎない。当業者は、さらなる創造的な努力をすることなく、これらの図面に従って本開示を他の同様のシナリオに適用することができる。別段の記載がない限り、又は文脈から明らかでない限り、図面中の同一の参照符号は、同じ構造及び動作を指す。
【0016】
本開示及び添付の特許請求の範囲で使用される場合には、「1」、「1つ」の単数形、及び「前記」は、内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。「備える」、「からなる」、「含む」、及び/又は「有する」などの用語は、本開示で使用される場合、言及されるステップ及び要素の存在を明示しているが、1つ以上の他のステップ及び要素の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解される。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態では、システムのいくつかのモジュールを様々な方法で参照することができる。しかし、クライアント端末及び/又はサーバにおいて、任意の数の異なるモジュールを使用し動作させることができる。これらのモジュールは例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではない。システム及び方法の異なる態様において、異なるモジュールを使用することができる。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態では、フローチャートを使用して、システムによって実行される動作を説明する。上記又は下記動作は、順番に実施されてもされなくてもよいことは、明確に理解される。逆に、動作は、逆の順番に、又は同時に実施されてもよい。さらに、1つ以上の他の動作がフローチャートに追加されてもよく、又は1つ以上の動作がフローチャートから省略されてもよい。
【0019】
本開示の実施形態の技術的解決策について、以下のように図面を参照して説明する。説明される実施形態が包括的ではなく、限定的でもないことは明らかである。本開示で説明される実施形態に基づいて、いかなる創造的な作業をすることなく当業者によって得られる他の実施形態は、本開示の範囲内のものとする。
【0020】
一態様では、本開示は、交通状況を判定するためのシステム及び方法に関する。システムは、下流交差点から上流交差点まで車両待ち行列の流動速度を決定することができる。システムは、さらに、道路の流動速度及び交通データに基づいて、全交差点スピルオーバー時間(IST)を決定することができる。交差点スピルオーバー時間は、道路の交通状況を判定し分析するために使用されてもよい。
【0021】
図1は、本開示のいくつかの実施形態に係る、交通状況を判定するための例示的なシステムを示す概略図である。例えば、システム100は、システム100によって取得された車両のトラックデータに基づいて、信号サイクルパターンを決定して車両のスピルオーバーを回避又は低減するプラットフォームであってよい。システム100は、サーバ110、運転手端末120、ストレージデバイス130、ネットワーク140、及び情報源150を含むことができる。サーバ110は、処理エンジン112を含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、サーバ110は、複数の動作を実行して、信号機の信号サイクルパターンを決定することができる。信号機の信号サイクルパターンとは、信号機の点灯の複数の繰り返しサイクルの周期的ルールである。信号機のサイクルは、青信号持続時間及び赤信号持続時間を含むことができる。青信号持続時間は一定した値であってよく、赤信号持続時間は一定した値であってよい。サーバ110は、決定された信号サイクルパターンに従って、信号機を制御することができる。いくつかの実施形態では、サーバ110は、複数の車両のトラックデータを取得することができる。サーバ110は、収集された交通データに基づいて交通状況を判定することができる。いくつかの実施形態では、サーバ110は、単一のサーバ又はサーバグループであってよい。サーバグループは、集中型であっても分散型であってもよい(例えば、サーバ110は、分散型システムであってよい)。いくつかの実施形態では、サーバ110は、ローカルであってもリモートであってもよい。例えば、サーバ110は、ネットワーク140を介して、運転手端末120、情報源150及び/又はストレージデバイス130に格納された情報及び/又はデータにアクセスすることができる。別の例として、サーバ110は、格納された情報及び/又はデータにアクセスするために、運転手端末120及び/又はストレージデバイス130に直接、接続される。いくつかの実施形態では、サーバ110は、クラウドプラットフォームで実装することができる。単に例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、インタークラウド、マルチクラウドなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、サーバ110は、本開示の
図2に示される1つ以上のコンポーネントを有するコンピューティングデバイスで実装することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、サーバ110は、処理エンジン112を含むことができる。処理エンジン112は、交通状況を判定するための信号サイクルパターンを決定することができる。いくつかの実施形態では、処理エンジン112は、1つ以上の処理エンジン(例えば、シングルコア処理エンジン又はマルチコアプロセッサ)を含むことができる。単に例として、処理エンジン112は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、画像処理装置(GPU)、物理演算処理装置(PPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、コントローラ、マイクロコントローラユニット、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、マイクロプロセッサなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、運転手端末120は、車両に関連する測位情報をサーバ110に送信することができる。例えば、運転手端末120は、スマートフォンの位置を特定できる全地球測位システム(GPS)チップセットを搭載したスマートフォンであってよい。運転手端末120は、その位置を経時的に特定し、位置データ(トラックデータと称する)をサーバ110に送信することができる。サーバ110は、運転手端末120の位置が車両の位置と同一(又はほぼ同じ)であるため、位置データを、運転手端末120のユーザに関連する車両のトラックデータとして処理することができる。別の例として、運転手端末120は、車両に設置されGPSチップセットを備えたコンピューティングデバイスであってよい。運転手端末120は、その位置を経時的に特定し、位置データをサーバ110に送信することができる。サーバ110は、さらに、測位情報に対応するトラックデータを取得することができる。例えば、トラックデータは、運転手端末120及び/又は車両の複数の位置を含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、運転手端末120は、モバイルデバイス、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、自動車内の内蔵デバイスなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、スマートホームデバイス、ウェアラブルデバイス、スマートモバイルデバイス、バーチャルリアリティ装置、拡張現実感装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、スマートホームデバイスは、スマート照明装置、インテリジェント電気機器の制御装置、スマート監視装置、スマートテレビ、スマートビデオカメラ、インターフォンなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、スマートブレスレット、スマートフットギア、スマートグラス、スマートヘルメット、スマートウォッチ、スマートクロージング、スマートバックパック、スマートアクセサリーなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、スマートモバイルデバイスは、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ゲーミングデバイス、ナビゲーション装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、自動車内の内蔵デバイスは、車載コンピュータ、車載テレビなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、運転手端末120は、車両の位置を特定する測位技術を備えた装置(例えば、GPSチップセットを備えた装置)を含むことができる。
【0026】
ストレージデバイス130は、データ及び/又は命令を格納することができる。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス130は、運転手端末120から取得/入手されたデータを格納することができる。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス130は、サーバ110が本開示で説明される例示的な方法を実施するために実行するか又は使用するデータ及び/又は命令を格納することができる。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス130は、マスストレージ、リムーバブルストレージ、揮発性読み書きメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)など、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。例示的なマスストレージは、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートドライブなどを含むことができる。例示的なリムーバブルストレージは、フラッシュドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、メモリーカード、ジップディスク、磁気テープなどを含むことができる。例示的な揮発性読み書きメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。例示的なRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、サイリスタRAM(T−RAM)、ゼロキャパシタRAM(Z−RAM)などを含むことができる。例示的なROMは、マスクROM(MROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(PEROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD−ROM)、及びデジタルバーサタイルディスクROMなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス130は、クラウドプラットフォームで実装することができる。単に例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、インタークラウド、マルチクラウドなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、ストレージデバイス130は、システム100内の1つ以上のコンポーネント(例えば、サーバ110、運転手端末120など)と通信するために、ネットワーク140に接続される。システム100内の1つ以上のコンポーネントは、ネットワーク140を介して、ストレージデバイス130に格納されたデータ又は命令にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス130は、システム100内の1つ以上のコンポーネント(例えば、サーバ110、運転手端末120など)に直接、接続されるか又はそれらと通信することができる。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス130は、サーバ110の一部であってよい。
【0028】
ネットワーク140は、情報及び/又はデータの変換を円滑化することができる。いくつかの実施形態では、システム100内の1つ以上のコンポーネント(例えば、サーバ110、運転手端末120、ストレージデバイス130)は、ネットワーク140を介して、システム100内の他のコンポーネントに対して、情報及び/又はデータの送信及び/又は受信を行うことができる。例えば、サーバ110は、ネットワーク140を介して、端末から車両の軌跡データを取得/入手することができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク140は、任意のタイプの有線又は無線ネットワーク、又はそれらの組み合わせであってよい。単に例として、ネットワーク140は、ケーブルネットワーク、有線ネットワーク、光ファイバーネットワーク、テレコミュニケーションネットワーク、イントラネット、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆電話交換網(PSTN)、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、ZigBee(登録商標)ネットワーク、近距離無線通信(NFC)ネットワーク、グローバル移動通信システム(GSM(登録商標))ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワーク、GSM進化型高速データレート(EDGE)ネットワーク、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))ネットワーク、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)ネットワーク、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)ネットワーク、無線アプリケーションプロトコル(WAP)ネットワーク、超広帯域(UWB)ネットワーク、赤外線など、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、システム100は、1つ以上のネットワークアクセスポイントを含むことができる。例えば、システム100は、基地局及び/又はインターネット交換ポイント140−1、140−2、・・・などのような有線又は無線のネットワークアクセスポイントを含むことができ、システム100の1つ以上のコンポーネントは、データ及び/又は情報を交換するために、ネットワーク140に接続される。
【0029】
情報源150は、システム100に他の情報を提供するように構成されたソースであってよい。情報源150は、気象条件、交通情報、法令の情報、ニュースイベントなどのようなサービス情報をシステム100に提供することができる。いくつかの実施形態では、情報源150は、履歴及び/又は現在の交通データ(例えば、渋滞期間、信号機パターン)を提供する公の交通データベースを含むことができる。サーバ110は、情報源150から信号機のサイクル長を取得することができる。信号機のサイクル長は、青信号持続時間、赤信号持続時間、及び/又は黄信号持続時間を含む信号機の周期的な持続時間を指す。本開示では、赤信号持続時間及び青信号持続時間は論じられ、黄信号期間は論じられていないが、当業者は、過度の実験を行わずに、本開示の観点から黄信号持続時間をどのように含むかを理解する。いくつかの実施形態では、黄信号持続時間は、青信号持続時間又は赤信号持続時間に含まれると見なされる。情報源150は、単一の中央サーバ、通信リンクを介して接続された複数のサーバ、又は複数のパーソナルデバイスに実装することができる。情報源150が複数のパーソナルデバイスに実装される場合、パーソナルデバイスは、例えば、テキスト、音声、画像、及びビデオをクラウドサーバにアップロードすることによって、コンテンツ(例えば、「ユーザ生成コンテンツ」と呼ばれる)を生成することができる。情報源は、複数のパーソナルデバイス及びクラウドサーバによって生成することができる。
【0030】
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係るコンピューティングデバイスの例示的なコンポーネントを示す概略図である。サーバ110、運転手端末120及び/又はストレージデバイス130は、本開示のいくつかの実施形態に従ってコンピューティングデバイス200に実装することができる。特定のシステムは、機能ブロック図を使用して、1つ以上のユーザインタフェースを含むハードウェアプラットフォームを説明することができる。コンピュータは、汎用又は特定の機能を有するコンピュータであってよい。両方のタイプのコンピュータは、本開示のいくつかの実施形態に係る任意の特定のシステムを実装するように構成される。コンピューティングデバイス200は、本開示で開示される1つ以上の機能を実行する任意のコンポーネントを実装するように構成される。例えば、コンピューティングデバイス200は、本明細書で記載されるように、システム100の任意のコンポーネントを実装することができる。
図1及び
図2では、単に便宜上、上記コンピュータ装置が1つのみ示される。当業者は、本願出願時に、処理負荷を分散させるために、本明細書に記載されたサービスに関連するコンピュータ機能が複数の同様のプラットフォームに分散して実装可能であることを理解する。
【0031】
コンピューティングデバイス200は、例えば、データ通信を円滑化するために、それ自体に接続されたネットワークとの間で接続されるCOMポート250を含むことができる。コンピューティングデバイス200は、さらに、プログラム命令を実行するための1つ以上のプロセッサ(例えば、論理回路)の形態のプロセッサ(例えば、プロセッサ220)を含むことができる。例えば、プロセッサ220は、その中にインタフェース回路及び処理回路を含むことができる。インタフェース回路は、バス210から電子信号を受信するように構成され、電子信号は、処理回路が処理するための構造化データ及び/又は命令を符号化する。処理回路は、論理計算を行い、次に、電子信号として符号化された結論、結果及び/又は命令を決定することができる。そして、インタフェース回路は、バス210を介して、電子信号を処理回路から送信することができる。
【0032】
例示的なコンピューティングデバイスは、様々なデータファイルをコンピューティングデバイスで処理及び/又は送信するために、内部通信バス210、プログラムストレージ、及び、例えばディスク270、リードオンリーメモリ(ROM)230又はランダムアクセスメモリ(RAM)240を含む異なる形式のデータストレージを含むことができる。例示的なコンピューティングデバイスは、さらに、ROM230、RAM240、及び/又はプロセッサ220によって実行される他のタイプの非一時的記憶媒体に記憶されたプログラム命令を含むことができる。本開示の方法及び/又はプロセスは、プログラム命令として実装することができる。コンピューティングデバイス200は、さらに、コンピュータと他のコンポーネントとの間の入力及び/又は出力をサポートするI/Oコンポーネント260を含むことができる。コンピューティングデバイス200は、さらに、ネットワーク通信を介してプログラミング及びデータを受信することができる。
【0033】
単なる例示を目的とし、1つのCPU及び/又はプロセッサのみが
図2に示される。複数のCPU及び/又はプロセッサも考えられ、したがって、本開示で説明されるように、1つのCPU及び/又はプロセッサによって実施される動作及び/又は方法ステップは、複数のCPU及び/又はプロセッサによって共同で又は別々に実施されてもよい。例えば、本開示において、コンピューティングデバイス200のCPU及び/又はプロセッサがステップA及びステップBの両方を実行する場合、ステップA及びステップBは、コンピューティングデバイス200において2つの異なるCPU及び/又はプロセッサによって共同で又は別々に実施されてもよい(例えば、第1のプロセッサがステップAを実行し、第2のプロセッサがステップBを実行し、又は第1のプロセッサと第2のプロセッサがステップA及びステップBを共同で実行する)ことが理解される。
【0034】
図3は、本開示のいくつかの実施形態に係る例示的なモバイルデバイスの例示的なハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントを示す概略図である。運転手端末120は、本開示のいくつかの実施形態に従って、モバイルデバイス300に実装することができる。
図3に示すように、モバイルデバイス300は、通信モジュール310、ディスプレイ320、グラフィック処理ユニット(GPU)330、中央処理装置(CPU)340、I/O350、メモリ360、及びストレージ390を含むことができる。CPU340は、その中にインタフェース回路とプロセッサ220に類似する処理回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムバス又はコントローラ(図示せず)を含むがこれらに限定されない任意の他の適切なコンポーネントは、モバイルデバイス300に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、モバイルオペレーティングシステム370(例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows Phone(登録商標)など)及び1つ以上のアプリケーション380は、CPU340によって実行されるように、ストレージ390からメモリ360にロードされてもよい。アプリケーション380は、軌跡データをサーバ110に送信するためのブラウザ又は任意の他の適切なモバイルアプリを含むことができる。情報ストリームとのユーザ対話は、I/O装置350を介して実現され、ネットワーク140を介して、システム100の処理エンジン112及び/又は他のコンポーネントに提供されてもよい。
【0035】
上述した様々なモジュール、ユニット、及びそれらの機能を実装するために、コンピュータハードウェアプラットフォームは、1つ以上の要素(例えば、
図1に記載のサーバ110のコンポーネント)のハードウェアプラットフォームとして使用することができる。これらのハードウェア要素、オペレーティングシステム、及びプログラム言語が共通であるため、当業者がこれらの技法に精通し、本開示で説明される技術に従って制御する信号機に必要な情報を提供可能であると想定される。ユーザインタフェースを備えたコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)、又は任意の他のタイプのワークステーション若しくは端末装置として使用することができる。ユーザインタフェースを備えたコンピュータは、適切にプログラムされた後、サーバとして使用することができる。当業者は、上記の構造、プログラム、又はこのタイプのコンピュータ装置の全般的な動作にも精通していると考えられてもよい。したがって、この図面については、説明を省略する。
【0036】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な処理エンジン112を示すブロック図である。処理エンジン112は、取得モジュール410及び決定モジュール420を含むことができる。
【0037】
取得モジュール410は、道路区間の長さを取得することができる。上流交差点及び下流交差点は、道路区間によってリンクされる。道路区間の長さは、上流交差点の長さを含むことができる。
【0038】
取得モジュール410は、第1の信号機のサイクル長と第2の信号機のサイクル長とを取得することができる。第1の信号機は、下流交差点に位置することができる。第2の信号機は、上流交差点に位置することができる。信号機のサイクル長は、青信号サイクル長及び赤信号サイクル長を含むことができる。例えば、サイクル長は、50秒の赤信号時間及び50秒の青信号時間を含むことができる。
【0039】
取得モジュール410は、道路区間に関する交通データを取得することができる。交通データは、道路区間の車両流量と車両流量に対応する道路区間の車両密度とを含むことができる。いくつかの実施形態では、取得モジュール410は、複数の車両に関する履歴データを取得することができる。履歴データは、複数の車両に関するGPS情報と複数の車両に関する時間情報とを含むことができる。決定モジュール420は、道路区間に対応する自由流速度と道路区間に対応する後進波速度とを決定することができる。
【0040】
決定モジュール420は、道路区間に対応する自由流速度と道路区間に対応する後進波速度とを決定することができる。
【0041】
決定モジュール420は、第1の時点における道路区間の待ち行列の第1の待ち行列長と第2の時点における待ち行列の第2の待ち行列長とを決定することができる。第1の待ち行列長は、
図6に記載の初期待ち行列長l
0と同じであってよい。待ち行列の第2の待ち行列長は、
図6に示すように、最大待ち行列長l
maxと同じであってよい。
【0042】
決定モジュール420は、第1の信号機のサイクル長、第2の信号機のサイクル長、自由流速度、後進波速度、及び第1の待ち行列長に基づいて、第2の待ち行列長の持続時間を決定することができる。具体的には、決定モジュール420は、自由流速度及び後進波速度に基づいて、青信号サイクル長に関する待ち行列の第1の成長パラメータを決定することができる。第1の成長パラメータは、
図6に記載のパラメータl
gと同じであってよい。決定モジュール420は、自由流速度及び後進波速度に基づいて、赤信号サイクル長に関する待ち行列の第2の成長パラメータを決定することができる。第2の成長パラメータは、
図6に記載のパラメータl
rと同じであってよい。決定モジュール420は、第1の成長パラメータ及び第2の成長パラメータに基づいて、待ち行列の第2の待ち行列長を決定することができる。決定モジュール420は、第1の信号機のサイクル長、第2の信号機のサイクル長、自由流速度、後進波速度、及び第1の待ち行列長に基づいて、第2の待ち行列長の持続時間を決定することができる。
【0043】
決定モジュール420は、第2の待ち行列長が道路区間の長さを超えるか否かを判定することができる。
【0044】
決定モジュール420は、第1の信号機のサイクル長、第2の信号機のサイクル長、自由流速度、及び後進波速度に基づいて、待ち行列の基準待ち行列長を決定することができる。基準待ち行列長は、
図7A及び7Bに記載のパラメータl
xと同じであってよい。
【0045】
決定モジュール420は、基準待ち行列長が道路区間の長さより長いか否かを判定することができる。決定モジュール420が、基準待ち行列長が道路区間の長さ以下であると判定した場合、決定モジュール420は、待ち行列の第2の待ち行列長と道路区間の長さとの間の第1の長さの差を決定することができる。決定モジュール420は、待ち行列の第2の待ち行列長と基準待ち行列長との間の第2の長さの差を決定することができる。決定モジュール420は、第1の長さの差の、第2の長さの差に対する比率に基づいて、青信号スピルオーバー持続時間を決定することができる。決定モジュール420は、基準待ち行列長と道路区間の長さとの間の差の、待ち行列の第2の待ち行列長と基準待ち行列長との間の差に対する比率に基づいて、赤信号スピルオーバー持続時間を決定することができる。
【0046】
決定モジュール420が、基準待ち行列長が道路区間の長さより長いと判定した場合、決定モジュール420は、青信号スピルオーバー持続時間を決定することができる。
【0047】
処理エンジン112に関する上記説明は、例示を目的として提供されたものであり、本開示の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。当業者は、本開示の指示下で様々な変形及び修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。例えば、処理エンジン112は、さらにストレージモジュール(
図4に図示せず)を含むことができる。ストレージモジュールは、処理エンジン112内の任意のコンポーネントによって実行される任意の処理中に生成されたデータを格納するように構成される。別の例として、処理エンジン112の各コンポーネントは、ストレージモジュールに関連することができる。付加的に又は代替的に、処理エンジン112のコンポーネントは、共通のストレージモジュールを共有することができる。同様の修正は、本開示の範囲内に含まれるものとする。
【0048】
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る例示的な一方通行道路網を示す概略図である。
図5Aは、道路区間502によって接続された上流交差点504(すなわち、交差点A)と下流交差点506(すなわち、交差点B)とを含む簡略化された一方通行道路網である。いくつかの実施形態では、一方通行道路網500内で車両の旋回移動が禁止される。いくつかの実施形態では、道路区間502である期間に交通状況が渋滞しているとき、待ち行列内の複数の車両は、道路区間502上で停止して待機し、下流交差点506を通過する。待ち行列が下流交差点506での信号機のサイクル内に完全に流動できない場合、残留待ち行列が形成され、そして上流交差点504まで流出することさえあり、これは上流交差点504の渋滞を引き起こす可能性がある。一方、渋滞は、1つの道路区間(又はリンク)上の待ち行列の延伸から始まり、次に近傍の道路区間(又はリンク)に拡大することがある。待ち行列の延伸が減少又は制御されると、渋滞を防止することができる。待ち行列の延伸についてのより詳細な説明は、本開示の他の箇所(例えば、
図6、
図7A〜7B、
図8A〜8B、及びそれらの説明)で確認することができる。
【0049】
上記説明は、説明のみを目的とするものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。当業者は、本開示の教示下で複数の変形及び修正を行うことができる。例えば、一方通行道路網500は、2つの交差点を含むが、これらに限定されず、例えば、3つの交差点を含むことができる。
【0050】
図5Bは、道路区間の交通流量と道路区間の交通密度との例示的な関係性を示す図である。本開示で使用される道路区間の「交通流量」(又は「車両流量」)という用語は、車両が道路区間の固定点を通過する流率を指す。本開示で使用される道路区間の「交通密度」(又は「車両密度」)という用語は、道路区間の一区間にわたる車両の数量を指す。道路区間の交通流量及び交通密度の両方は、収集された道路区間の交通データに基づいて決定されてもよい。例えば、道路区間の交通流量及び交通密度は、移動観測者の技法に基づいて決定されてもよい。交通データは、道路区間の固定点を通過する車両の数量又は道路区間の固定点を通過する車両の速度を含むことができる。交通データは、手動計測技術に基づいて収集されてもよく、これには、人を割り当て、車両通過時に交通量を記録させることが含まれる。代替的に又は付加的に、交通データは、自動計測技術に基づいて収集されてもよく、これには、道路区間の固定点に検出器を設置し、車両通過時に交通量を記録することが含まれる。交通データを収集するための例示的な検出器は、エアシュータ、誘導ループ、動態荷重測定センサ、レーダ検出器、ビデオカメラなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0051】
図5Bに示すように、自由流状態、飽和状態、及び容量状態を含むがこれに限定されない道路区間のいくつかの状態が生じる可能性がある。自由流状態では、
図5Bに示す510から520への第1のベクトルで表される交通密度は十分に低く(
図5Bに示す臨界密度kcより下である)、車両は互いに妨げられず、
図5Bに示す第1のベクトルの勾配で表される自由流速度vで走行する。いくつかの実施形態では、自由流速度vは、法律によって規制された道路区間の制限速度に関連することができる。飽和状態では、
図5に示すように、交通密度は最大であり、ジャム密度k
jに設定される。車両は移動せず、待ち行列で待機する。容量状態では、
図5Bに示す520から530への第2のベクトルで表される交通密度は、k
cとk
jとの間にある。結果として、車両は、互いに干渉し、それに応じて速度が低下する可能性がある。第2のベクトルの勾配は、後進波速度wに関連する。後進波速度wは、式(1)に基づいて決定される。
【0053】
式中、q
cとρ
cは、それぞれ容量状態の交通流量と交通密度を示し、q
jとρ
jは、それぞれ飽和状態の交通流量と交通密度を示す。
【0054】
図6は、本開示のいくつかの実施形態に係る道路区間の例示的な待ち行列長の軌跡を示す概略図である。
図6は、待ち行列長の軌跡(すなわち、道路区間内の最後に待ち行列に入る車両の位置)が時空間分布図内でどのように移動するかの一例を示す。いくつかの実施形態では、待ち行列長の軌跡は、道路区間内の最後に待ち行列に入る車両の経路を指す。時空間分布図の水平軸は、時間を表し、時空間分布図の垂直軸は、ある時点の最後に待ち行列に入る車両の位置を表す。信号機は、下流交差点(本明細書では第1の信号機と称する)に位置し、また、信号機は、上流交差点(本明細書では第2の信号機と称する)に位置することができる。下流交差点(例えば、
図5Aに示す下流交差点506)と上流交差点(例えば、
図5Aに示す上流交差点504)とは、道路区間(例えば、
図5Aに示す道路区間502)によって接続されてもよい。Lは道路区間の長さを表し、上流交差点から下流交差点までの距離である。zは上流交差点の長さを表す。2つのグループの平行な補助線、例えば補助線601、603、605と補助線602、604、606は、待ち行列長の決定支援用に描かれている。補助線601、603、605を含む1つのグループは、上流信号機の現示切り替え時間から始まり、自由流速度vで右下に向かって移動することができる。補助線602、604、606を含む他のグループは、下流信号機の現示切り替え時間から始まり、後進波速度wで右上に向かって移動することができる。待ち行列長の軌跡は、段階(1)、段階(2)、・・・などの多くの段階からなる複数の太い黒線によって示されてもよい。
【0055】
車両が上流から待ち行列に加わる場合(例えば、
図6に示す段階(4))、待ち行列長の軌跡は増加し、車両が上流から来ない場合、待ち行列長の軌跡は横ばいである(例えば、
図6に示す段階(5))。下降線(例えば、
図6の段階(6)に示す破線)は、流動している待ち行列の最後の車両の位置を表す。いくつかの実施形態では、時点t=t
0の初期状況は、n
0車両を有する待ち行列(すなわち、車両の数量はn
0に等しい)が道路上に累積すると仮定される。初期待ち行列長l
0は、l
0=n
0×ρ
jにより求められる。l
0の初期値が比較的大きいため、初期待ち行列は、第1のサイクルには解消されず、第2のサイクルで解消される場合がある。この場合に、l
0は、式(2)を満たすことができる:
l
r+l
g<l
0+l
g≦2(l
r+l
g) (2)
式中、l
gは、青信号持続時間に関する待ち行列の第1の成長パラメータを表し、l
rは、赤信号持続時間に関する待ち行列の第2の成長パラメータを表す。第1の成長パラメータは、1つの青信号周期における待ち行列長の成長に対応し、第2の成長パラメータは、1つの赤信号周期における待ち行列長の成長に対応することができる。
図6に示すように、第1の成長パラメータは、補助線603及び604と、青信号サイクル長を含む水平軸とによって形成される三角形に基づいて決定されてもよい。第2の成長パラメータは、補助線605及び606と、赤信号サイクル長を含む水平軸とによって形成される三角形に基づいて決定されてもよい。補助線603又は605の勾配は自由流速度vであり、補助線604又は606の勾配は後進波速度wである。いくつかの実施形態では、l
gは、式(3)により求められる。
【0057】
式中、g
0は青信号持続時間を表し、l
rは、式(4)により求められる。
【0059】
式中、cは、青信号持続時間と赤信号持続時間とを含む信号機の周期を表す。
【0060】
待ち行列長の軌跡は、最終的に、
図6の段階(7)〜(10)の組み合わせによって示される周期的な反復パターンに収束することができる。この場合に、最大待ち行列長l
maxは、式(5)により求められる。
l
max=l
0+2l
g (5)
【0061】
この場合に、T
maxは、最大待ち行列長l
maxが継続する持続時間を表す。式(6)は、以下のように、三角形の類似性に基づいて決定されてもよい。
【0063】
次に、T
maxの値は、以下のように、式(7)によって決定されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、l
0の初期値が異なると、処理エンジン112は、以下のように、l
max及びT
maxの一般式を決定することができる。
【0067】
ここで、関数ceil(x)は、xを無限大に向かって最も近い整数に四捨五入し、関数floor(x)は、xを負の無限大に向かって最も近い整数に四捨五入し、そして関数mod(x,y)は、xをyで除算した剰余を表す。
【0068】
図7Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る1つの道路区間上のスピルオーバーにおける例示的な待ち行列長の軌跡を示す概略図である。
図7Aは、時空間分布図である。
図7Aに示すように、Lは道路区間の長さを表し、上流交差点から下流交差点までの距離である。zは上流交差点の長さを表す。第1の信号機は、下流交差点に位置する。第2の信号機は、上流交差点に位置する。
【0069】
道路区間上の実際の待ち行列長軌跡は、
図7Aの多くの段階からなる太い黒線であるが、第1の場合の基準軌跡701(すなわち、
図7Aに示す初期軌跡)も比較用に示される。時間t=t
sで、待ち行列長の軌跡は上流交差点の停止線に到達し、待ち行列は上流に流出し、上流交差点を完全に遮断する。信号機がすでに赤に変わったときに、道路区間の長さ(すなわち、L)に等しい実際の最大待ち行列長(すなわち、l
max)は、下流交差点からの後進波が上流交差点に到達するまで保持される。待ち行列長の軌跡は、
図7Aの多くの段階からなる複数の太い黒線によって示されてもよい。初期軌跡は701で表される。スピルオーバーを含む部分時空間分布図は702で表される。部分時空間分布
図702についての拡大時空間分布図は、
図7Bに示される。
【0070】
全交差点スピルオーバー時間(IST)は、待ち行列長の軌跡が上流交差点を遮断する持続時間を指す。いくつかの実施形態では、全交差点スピルオーバー時間(IST)は、2つの別個の部分、すなわち、後方交差点スピルオーバー時間(BIST)及び垂直交差点スピルオーバー時間(PIST)に分割されてもよい。BISTは、本開示では、青信号スピルオーバー持続時間と称する。PISTは、本開示では、赤信号スピルオーバー持続時間と称する。道路区間でスピルオーバーが発生すると、一方で、スピルオーバーは道路区間に沿って後方に広がる可能性があり、これは、上流からの車両が青信号持続時間の終わり近くで道路に進入することができないことを意味する。したがって、リンクに入る上流交通を待ち行列長の軌跡が妨げる、後方交差点スピルオーバー時間(BIST)が、この状況で生じる可能性がある。他方で、スピルオーバーは道路に垂直に広がる可能性があり、これは、交差道路からの車両がその青信号持続時間の開始時(記載の道路の赤信号持続時間)に交差点を通過することができないことを意味する。したがって、待ち行列長の軌跡が交差道路からの交通量を遮断する垂直交差点スピルオーバー時間(PIST)は、この状況で生じる可能性がある。時空間分布図のスピルオーバー部分は、破線のボックス702で表される。いくつかの実施形態では、全交差点スピルオーバー時間は、式(10)のように記述される。
IST=BIST+PIST (10)
【0071】
図7Bは、
図7Aのボックス702(すなわち、スピルオーバー部分)の拡大図を示す。
図7Bに示すように、ボックスACDEは、平行四辺形であってよい。その結果、IST(
図7BにおいてACの長さによって示される)は、T
max(
図7BにおいてDEによって示される)に等しく、式(11)において計算される。
【0073】
この場合に、ABの長さはBISTを示し、BCの長さはPISTを示す。三角形EAB、XCB、及びXDEの類似度に応じて、BIST及びPISTは、それぞれ、式(12)及び式(13)に従って決定されてもよい。
【0075】
式中、xは、上流の赤信号波と下流の青信号波の両方に同時に位置する上流交差点に最も近いクロスオーバー点である。l
maxの値とT
maxの値は、式(8)及び式(9)において求められ、xの位置は、以下のように、式(14)に従って決定されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、BISTはゼロに等しく、ISTはPISTに等しい。例えば、破線円703は
図7Bに示される。PISTは、B’C’の長さに等しい。
【0078】
また、
図7A及び
図7Bに示される場合に限定されるものではない。いくつかの実施形態では、クロスオーバー点Xは、
図8A及び
図8Bに示すように、リンク長を超える。
図8Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る1本の道路上のスピルオーバーにおける例示的な待ち行列長の軌跡を示す概略図であり、
図8Bは、
図8Aのスピルオーバー部分802の拡大図である。
【0079】
下流交差点から始まる流動波が青信号時間帯に上流停止線に到達するとき、
図8A及び
図8Bに示される場合が発生する可能性がある。第2の場合に、待ち行列が上流交差点で停止する可能性があり、待ち行列が上流交差点に到達するのと同じ青信号持続時間で常に解消することができる。結果として、PISTは発生せず、急勾配の側道は影響を受けない。
図8Aに示すように、BIST及びPISTの式は、以下のように、式(15)および(16)から直接導出されてもよい。
BIST=T
max (15)
PIST=0 (16)
【0080】
なお、
図8A及び
図8Bに示すように、式(15)及び(16)は依然として成り立つことに留意する。
図4及び
図5に示すように、スピルオーバー発生時、いくつかの車両は、青信号持続時間に上流交差点から道路区間に進入できない。スピルオーバーにより上流交差点からの流入量が減少し、次のサイクルの待ち行列長が初期値より短くなる。差Δlは、式(17)のように記述される。
【0082】
その後、待ち行列は流動し、
図7A及び
図7Bと同様に周期的に再形成される。待ち行列長の軌跡は、最大値が正確に道路区間の長さである新しい周期的パターンに収束することが容易に分かる。さらに、待ち行列は、各サイクルの上流停止線に到達するが、上流からのいかなる流入交通量も遮断しない。第1の場合に(
図7Aに示すように)、待ち行列長は、青信号持続時間の終わりに最大値(すなわち、道路区間の長さL)に等しい。第2の場合に(
図7Bに示すように)、待ち行列は、その長さが最大値(すなわち、道路区間の長さL)に到達直後に解消される。その結果、さらなるサイクルのいずれにおいてもBISTは存在しない。
【0083】
PISTの長期的な影響は重要である。
図7Aでは、待ち行列に入る車両が青信号持続時間の終わりに上流交差点を占有する限り、PISTが発生する可能性がある。そして、PISTの値は、下流交差点からの後進波が上流交差点に到達するとき、サイクル内の相対時間によって決定されてもよく、これは各サイクルにおいて不変である。したがって、B’C’の長さは、
図8BのBCの長さに等しい。PIST発生時、需要が十分であり運転手が流入する限り、将来のサイクルごとに一定の値で持続することができる。第1の場合と第2の場合とを比較すると、下流交差点からの流動波が上流停止線に到達するサイクル内の相対時間は、PISTが生じて持続するか否かを判定する道路区間の重要な特性である。θ
iで表される1つのバイナリ変数は、道路区間(i)上の下流の流動波が青信号又は赤信号持続時間に上流停止線に到達するか否かを示し、以下のように、式(18)に従って決定されてもよい。
【0085】
式中、状況1は、道路区間(i)上の下流流動波が青信号時間帯に上流停止線に到達することであり、状況2は、道路区間(i)上の下流流動波が赤信号時間帯に上流停止線に到達することである。
【0086】
図9は、本開示のいくつかの実施形態に係る、交通状況を判定するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス900は、システム100によって実行することができる。例えば、プロセス900は、ストレージデバイス130に格納された一連の命令(例えば、アプリケーション)として実装することができる。処理エンジン112は、一連の命令を実行することができ、そして命令を実行するとき、プロセス900を実行するように構成される。以下に提示される図示のプロセスの動作は、例示を意図したものである。いくつかの実施形態では、プロセス900は、記載のない1つ以上の追加的動作と共に達成され、及び/又は1つ以上の記載の動作を伴わずに達成されてもよい。さらに、
図9に示され以下に説明されるプロセスの動作の順序は、限定的であることを意図しない。
【0087】
910において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の取得モジュール410)は、道路区間の長さを取得することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、情報源150を介して、道路区間の長さを取得することができる。上流交差点及び下流交差点は、道路区間によってリンクされる。道路区間の長さは、上流交差点から下流交差点までの距離であってよい。
【0088】
920において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の取得モジュール410)は、第1の信号機のサイクル長及び第2の信号機のサイクル長を取得することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、情報源150を介して、信号機のサイクル長を取得することができる。第1の信号機は、下流交差点に位置することができる。第2の信号機は、上流交差点に位置することができる。信号機のサイクル長は、青信号持続時間、赤信号持続時間、及び/又は黄信号持続時間を含む信号機の周期的な持続時間を指す。本開示では、赤信号持続時間及び青信号持続時間は論じられ、黄信号期間は論じられていないが、当業者は、過度の実験を行わずに、本開示の観点から黄信号持続時間をどのように含むかを理解する。いくつかの実施形態では、黄信号持続時間は、青信号持続時間又は赤信号持続時間に含まれると見なされる。
【0089】
930において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、道路区間に対応する自由流速度と道路区間に対応する後進波速度とを決定することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、交通データに基づいて自由流速度及び後進波速度を決定することができる。
【0090】
プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、情報源150を介して、道路区間に関する交通データを取得することができる。いくつかの実施形態では、道路区間に関する交通データは、道路区間の交通流量及び交通密度を含むことができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、交通流量及び交通密度に基づいて、道路区間に対応する自由流速度と道路区間に対応する後進波速度とを決定することができる。
【0091】
例えば、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、道路区間に関する交通データに基づいて、道路区間の車両流量が車両流量に対応する道路区間の車両密度に正相関することである道路区間の第1の状態に対応する第1のベクトルを決定することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、第1のベクトルに基づいて、自由流速度を決定することができる。例えば、
図5Bに示すように、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、情報源150を介して、道路区間に関する交通データ(交通流量及び交通密度)を取得することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、道路の自由流状態に関する第1のベクトル(
図5Bに示すように510から520まで指し示す第1のベクトルで表される)を決定し、かつ道路の自由流状態に関する第1のベクトルの勾配に基づいて、自由流速度を決定することができる。
【0092】
プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、さらに、道路区間に関する交通データに基づいて、道路区間の車両流量が車両流量に対応する道路区間の車両密度に負相関することである道路区間の第2の状態に対応する第2のベクトルを決定することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、第2のベクトルに基づいて、後進波速度を決定することができる。例えば、
図5Bに示すように、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、情報源150を介して、道路区間に関する交通データ(交通流量及び交通密度)を取得することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、道路の容量状態に関する第2のベクトル(
図5Bに示すように520から530まで指し示す第2のベクトルで表される)を決定し、かつ道路の容量状態に関する第2のベクトルの勾配に基づいて、後進波速度を決定することができる。
【0093】
940において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、第1の時点における道路区間の待ち行列の第1の待ち行列長と第2の時点における待ち行列の第2の待ち行列長とを決定することができる。第1の待ち行列長は、
図6に示すように、初期待ち行列長l
0であってよい。いくつかの実施形態では、時点t=t
0(例えば、第1の時点)の初期状況は、n
0台の車両を有する待ち行列(すなわち、車両の数量はn
0に等しい)が道路上に累積すると仮定される。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、l
0=n
0×ρ
jに基づいて、初期待ち行列長l
0(例えば、第1の待ち行列長)を決定することができる。
【0094】
待ち行列の第2の待ち行列長は、
図6に示すように、最大待ち行列長l
maxであってよい。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、式(8)に基づいて、待ち行列の第2の待ち行列長を決定することができる。待ち行列の第2の待ち行列長に関する詳細な説明は、本開示の他の箇所(例えば、
図10及びその説明)で確認することができる。
【0095】
950において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、第1の信号機のサイクル長、第2の信号機のサイクル長、自由流速度、後進波速度、及び第1の待ち行列長に基づいて、第2の待ち行列長の持続時間を決定することができる。第2の待ち行列長の持続時間は、第2の待ち行列長(例えば、最大待ち行列長)が持続する持続時間であってよい。例えば、
図6に示すように、第2の待ち行列長の持続時間は、段階(5)又は段階(10)の持続時間であってよい。
【0096】
プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、式(9)に基づいて、第2の待ち行列長の持続時間を決定することができる。いくつかの実施形態では、第2の待ち行列長の持続時間は、青信号スピルオーバー持続時間のみを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の待ち行列長の持続時間は、赤信号スピルオーバー持続時間のみを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の待ち行列長の持続時間は、青信号スピルオーバー持続時間及び赤信号スピルオーバー持続時間を含むことができる。第2の待ち行列長の持続時間に関する詳細な説明は、本開示の他の箇所(例えば、
図11及びその説明)で確認することができる。
【0097】
960において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、第2の待ち行列長が道路区間の長さを超えるか否かを判定することができる。プロセッサが第2の待ち行列長が道路区間の長さを超えると判定した場合、プロセッサは、道路区間にスピルオーバーがあると判定することができ、つまり、道路区間に渋滞がある可能性がある。
【0098】
970において、プロセッサは、第2の待ち行列長が道路区間の長さを超える(これは道路区間に渋滞がある可能性があることを意味する)という判定の結果に基づいて、第2の待ち行列長の持続時間に関する交通状況の視覚的表現を表示装置に表示させることができる。例えば、プロセッサが第2の長さが道路区間の長さを超えると判定した場合、プロセッサは、第2の待ち行列長の持続時間及び道路区間に関する警告(例えば、道路区間にスピルオーバーがある)を表示装置に表示させることができる。プロセッサは、第2の待ち行列長の持続時間及び警告の情報を乗客端末及び/又は運転手端末に送信することができる。
【0099】
乗客端末及び/又は運転手端末は、道路区間に関する交通状況を表示し、かつ地図上の道路区間にスピルオーバーがあるか否かを表示することができる。いくつかの実施形態では、乗客端末及び/又は運転手端末は、それぞれ、複数の道路区間に関する交通状況を表示し、地図上の複数の道路区間にスピルオーバーがあるか否かを表示することができる。いくつかの実施形態では、乗客端末及び/又は運転手端末は、乗客端末に関連する乗客及び/又は運転手端末に関連する運転者が渋滞を回避するために、複数の道路区間に関する交通状況に基づいて、合理的な経路を計画することができる。例えば、計画された経路では、渋滞のある道路区間を回避することができる。
【0100】
プロセス900の上記説明は、例示を目的として提供されるものであり、本開示の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。当業者は、本開示の原理から逸脱することなく、上記方法及びシステムの適用の形態及び詳細における様々な修正及び変更を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正も本開示の範囲内に含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上のステップを追加又は省略することができる。例えば、ステップ901及び902を1つのステップに併合することができる。
【0101】
図10は、本開示のいくつかの実施形態に係る、待ち行列の第2の待ち行列長を決定するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス1000は、システム100によって実行することができる。例えば、プロセス1000は、ストレージデバイス130に格納された一連の命令(例えば、アプリケーション)として実装することができる。処理エンジン112は、一連の命令を実行することができ、そして命令を実行するとき、プロセス1000を実行するように構成される。以下に提示される図示のプロセスの動作は、例示を意図したものである。いくつかの実施形態では、プロセス1000は、記載のない1つ以上の追加的動作と共に達成され、及び/又は1つ以上の記載の動作を伴わずに達成されてもよい。さらに、
図10に示され以下に説明されるプロセスの動作の順序は、限定的であることを意図しない。いくつかの実施形態では、上記プロセス900の動作940における待ち行列の第2の待ち行列長の決定は、プロセス1000に従う決定である。
【0102】
1010において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、自由流速度及び後進波速度に基づいて、青信号サイクル長に関する待ち行列の第1の成長パラメータを決定することができる。第1の成長パラメータは、1つの青信号周期における待ち行列長の成長に対応することができる。
図6に示すように、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、補助線603及び604と、青信号サイクル長を含む水平軸とによって形成された三角形基づいて、第1の成長パラメータを決定することができる。補助線603の勾配は自由流速度であり、補助線604の勾配は後進波速度wである。流動速度及び後進波速度の決定に関する詳細な説明は、本開示の他の箇所(例えば、
図5及びその説明)で確認することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、さらに、上記式(3)に基づいて、第1の成長パラメータを決定することができる。
【0103】
1020において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、自由流速度及び後進波速度に基づいて、赤信号サイクル長に関する待ち行列の第2の成長パラメータを決定することができる。第2の成長パラメータは、1つの赤信号周期における待ち行列長の成長に対応することができる。
図6に示すように、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、補助線605及び606と、赤信号サイクル長を含む水平軸とによって形成された三角形に基づいて、第2の成長パラメータを決定することができる。補助線605の勾配は自由流速度vであり、補助線606の勾配は後進波速度wである。流動速度及び後進波速度の決定に関する詳細な説明は、本開示の他の箇所(例えば、
図5及びその説明)で確認することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、さらに、上記式(4)に基づいて、第2の成長パラメータを決定することができる。
【0104】
1030において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、第1の成長パラメータ及び第2の成長パラメータに基づいて、待ち行列の第2の待ち行列長を決定することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、式(9)に基づいて、待ち行列の第2の待ち行列長を決定することができる。
【0105】
待ち行列の第2の待ち行列長を決定するためのプロセスの上記説明は、例示を目的として提供されるものであり、本開示の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。当業者は、様々な方法でモジュールを組み合わせるか又はサブシステムとして他のモジュールと接続することができる。本開示の指示下で様々な変形及び修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。
【0106】
図11は、本開示のいくつかの実施形態に係る、青信号スピルオーバー持続時間及び/又は赤信号スピルオーバー持続時間を決定するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。プロセス1100は、システム100によって実行することができる。例えば、プロセス1100は、ストレージデバイス130に格納された一連の命令(例えば、アプリケーション)として実装することができる。処理エンジン112は、一連の命令を実行することができ、そして命令を実行するとき、プロセス1100を実行するように構成される。以下に提示される図示のプロセスの動作は、例示を意図したものである。いくつかの実施形態では、プロセス1100は、記載のない1つ以上の追加的動作と共に達成され、及び/又は1つ以上の記載の動作を伴わずに達成されてもよい。さらに、
図11に示され以下に説明されるプロセスの動作の順序は、限定的であることを意図しない。いくつかの実施形態では、プロセス1100によって、プロセス900の動作950を実行することができる。
【0107】
1110において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、第1の信号機のサイクル長、第2の信号機のサイクル長、自由流速度、及び後進波速度に基づいて、待ち行列の基準待ち行列長を決定することができる。基準待ち行列長は、
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bに示す時空間分布図におけるクロスオーバー点Xの位置であってよい。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、上記式(14)に基づいて、基準待ち行列長を決定することができる。時空間分布図(l
x)におけるクロスオーバー点Xの位置に関する詳細な説明は、本開示の他の箇所(例えば、
図7A、
図7B、
図8A、
図8B、及びそれらの説明)で確認することができる。
【0108】
1120において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、基準待ち行列長が道路区間の長さより長いか否かを判定することができる。プロセッサが基準待ち行列長が道路区間の長さより長いと判定した場合、第2の待ち行列長の持続時間は青信号スピルオーバーだけを含むことができ、プロセス1100は1170に進む。プロセッサが基準待ち行列長が道路区間の長さ以下であると判定した場合、第2の待ち行列長の持続時間は青信号スピルオーバー及び/又は赤信号スピルオーバーを含むことができ、プロセス1100は1130に進む。
【0109】
1130において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、待ち行列の第2の待ち行列長と道路区間の長さとの間の第1の長さの差を決定することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、(l
max−L)に基づいて第1の長さの差を決定することができる。
【0110】
1140において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、待ち行列の第2の待ち行列長と基準待ち行列長との間の第2の長さの差を決定することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、(l
max−l
x)に基づいて第2の長さの差を決定することができる。
【0111】
1150において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、第1の長さの差の、第2の長さの差に対する比率に基づいて、青信号スピルオーバー持続時間を決定することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、上記式(13)に基づいて、青信号スピルオーバー持続時間を決定することができる。この場合に、
図9の交通状況を判定するための方法は、表示装置によって、青信号スピルオーバー持続時間に関する第2のインジケータの視覚的表現を表示することを含むことができる。
【0112】
1160において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、基準待ち行列長と道路区間の長さとの間の差の、待ち行列の第2の待ち行列長と基準待ち行列長との間の差に対する比率に基づいて、赤信号スピルオーバー持続時間を決定することができる。プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、上記式(14)に基づいて、青信号スピルオーバー持続時間を決定することができる。この場合に、
図9の交通状況を判定するための方法は、表示装置によって、赤信号スピルオーバー持続時間に関する第3のインジケータの視覚的表現を表示することを含むことができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、さらに、青信号スピルオーバー持続時間及び赤信号スピルオーバー持続時間の合計を第2の待ち行列長の持続時間として決定することができる。
【0114】
1170において、プロセッサ(例えば、処理エンジン112の決定モジュール420)は、基準待ち行列長が道路区間の長さを超えるという判定の結果に基づいて、青信号スピルオーバー持続時間を第2の待ち行列長の持続時間として決定することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、
図9の交通状況を判定するための方法は、表示装置によって、青信号スピルオーバー持続時間に関する第4のインジケータの視覚的表現を表示することを含むことができる。
【0116】
青信号スピルオーバー持続時間及び/又は赤信号スピルオーバー持続時間を決定するプロセスの上記説明は、例示を目的として提供されたものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。当業者は、様々な方法でモジュールを組み合わせるか又はサブシステムとして他のモジュールと接続することができる。本開示の指示下で様々な変形及び修正を行うことができる。しかしながら、これらの変形及び修正は、本開示の範囲から逸脱するものではない。
【0117】
本開示に記載の様々なモジュール、ユニット、及びそれらの機能を実装するために、コンピュータハードウェアプラットフォームは、本明細書に記載の要素のうちの1つ以上のためのハードウェアプラットフォームとして使用することができる。ユーザインタフェース要素を備えたコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)、又は他の任意のタイプのワークステーション若しくは端末装置を実装するために使用することができる。コンピュータは、適切にプログラムされる場合にはサーバとして機能することができる。
【0118】
以上のように基本概念を説明してきたが、この詳細な開示を読んだ当業者には、上記の詳細な開示は、単なる例として提示されているに過ぎず、限定的ではないことは明らかである。本明細書には明示的に述べられていないが、様々な変更、改良、及び修正が想起され、それらは当業者に意図される。これらの変更、改良、及び修正は、本開示によって示唆されることが意図されており、本開示の例示的な実施形態の精神及び範囲内にある。
【0119】
さらに、所定の用語が、本開示の実施形態を説明するために使用されている。例えば、「一実施形態」、「実施形態」、及び/又は「いくつかの実施形態」という用語は、この実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「実施形態」又は「一実施形態」又は「代替実施形態」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施形態を指しているわけではないことを強調し、それを理解するものとする。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、本開示の1つ以上の実施形態において適切に組み合わせられてもよい。
【0120】
さらに、当業者には理解されるように、本開示の態様は、本明細書において、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製造、又は組成物、又はそれらの新規で有用な改善を含む、多くの特許性のある種類又は文脈のいずれかで例示及び説明されてもよい。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェア、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによる実装により実施されてもよく、実装は、本明細書では、一般に、「ユニット」、「モジュール」、又は「システム」と総称されてもよい。さらに、本開示の態様は、具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることもできる。
【0121】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドに、又は搬送波の一部として組み込まれたコンピュータ可読プログラムコードを有する伝搬データ信号を含む。このような伝搬信号は、電磁気、光学など、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではないが、命令実行システム、機器若しくは装置によって使用されるか又はこれらに関連させて使用するためのプログラムを通信、伝搬又は伝送し得る任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読信号媒体に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含む任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。
【0122】
本開示の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby、Groovyなどの動的プログラミング言語、又は他のプログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。プログラムコードは、全体的にユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータで、部分的にリモートコンピュータで、又は全体的にリモートコンピュータ若しくはサーバで実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、或いは、接続は、外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)若しくはクラウドコンピューティング環境で行われるか、又はサービスとしてのソフトウェア(SaaS)などのサービスとして提供されてもよい。
【0123】
さらに、処理要素若しくはシーケンス、又はそれに対する数、文字若しくは他の名称の使用の、列挙された順序は、特許請求の範囲に特定さ得るものを除き、請求された処理及び方法を任意の順序に限定することを意図するものではない。上記開示は、現在、本開示の様々な有用な実施形態であると現在考えられる様々な実施例を通して論じているが、そのような詳細事項は説明を目的としてなされているに過ぎず、添付の特許請求の範囲は、開示される実施形態に限定されず、むしろ、開示される実施形態の精神及び範囲内にある変形例及び均等な構成を包含するように意図されることが理解されるべきである。例えば、上述した様々な構成要素の実装は、ハードウェア装置で具体化されるが、ソフトウェアのみの解決策として、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイス上にインストールとして実装されてもよい。
【0124】
同様に、本開示の実施形態の前述の説明では、本開示を簡素化し、1つ以上の様々な実施形態の理解に資するため、様々な特徴が単一の実施形態、図、又はその説明にまとめられる場合があることが理解されるべきである。しかしながら、本開示の方法は、特許請求された主題が各請求項において明示的に記載されるものより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、特許請求された主題は、前述の単一の開示される実施形態のすべての特徴よりも少ない範囲にある。