特許第6904985号(P6904985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6904985無菌ブリスタパック上の画定された除去部位
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904985
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】無菌ブリスタパック上の画定された除去部位
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20210708BHJP
【FI】
   A61F9/007 200Z
【請求項の数】15
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-568403(P2018-568403)
(86)(22)【出願日】2016年7月18日
(65)【公表番号】特表2019-520911(P2019-520911A)
(43)【公表日】2019年7月25日
(86)【国際出願番号】IB2016054273
(87)【国際公開番号】WO2018015784
(87)【国際公開日】20180125
【審査請求日】2019年7月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】マレック ベーバー
【審査官】 土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5485917(US,A)
【文献】 特開2009−280263(JP,A)
【文献】 特開平7−187249(JP,A)
【文献】 特表2007−536047(JP,A)
【文献】 特開2004−105563(JP,A)
【文献】 米国特許第4671943(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
B65D 75/36
A61B 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリスタパックであって、
無菌の保持領域と、
無菌の眼科手術器具と、
前記ブリスタパックの裏の少なくとも1つの画定された圧点であって、前記無菌の保持領域の近傍に配置されると共に、前記ブリスタパックが、無菌の表面に配置され、かつ、該圧点だけが触れられると共に、押圧されたときの、前記無菌の眼科手術器具の無菌状態を保ちながらの前記ブリスタパックからの前記無菌の眼科手術器具の制御された除去のために構成された、少なくとも1つの画定された圧点と、
含んでおり、
1番目に使用されるべきであることを示すために印が付けられた第1圧点と、
2番目に使用されるべきであることを示すために印が付けられた第2圧点と、
をさらに含む、ブリスタパック。
【請求項2】
ブリスタパックであって、
無菌の保持領域と、
無菌の眼科手術器具と、
前記ブリスタパックの裏の少なくとも1つの可動の突起であって、前記可動の突起は、着脱可能とされ、かつ/又は、回して外すことができ、前記無菌の保持領域の近傍に配置されると共に、前記ブリスタパックが、無菌の表面に配置され、かつ、該可動の突起が移動されたときの、前記無菌の眼科手術器具の無菌状態を保ちながらの前記ブリスタパックからの前記無菌の眼科手術器具の制御された除去のために構成された、少なくとも1つの可動の突起と、
を含むブリスタパック。
【請求項3】
前記可動の突起が作動させられ得る、請求項2に記載のブリスタパック。
【請求項4】
前記無菌の眼科手術器具がレンズ又は圧平コーンである、請求項1又は請求項2に記載のブリスタパック。
【請求項5】
前記圧点の印が付けられている、請求項1に記載のブリスタパック。
【請求項6】
無菌の保持領域と、無菌の眼科手術器具と、を有する、ブリスタパックから、前記無菌の眼科手術器具を除去するための方法であって、
前記ブリスタパックから保護層を除去するステップと、
前記ブリスタパックを逆さにするステップと、
前記ブリスタパックを無菌の表面上に置くステップと、
前記ブリスタパックの裏及び前記無菌の保持領域の近傍に配置された少なくとも1つの画定された圧点に圧力をかけるステップと、
前記眼科手術器具が依然として無菌である状態で、無菌の表面から前記ブリスタパックを除去するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
前記無菌の眼科手術器具がレンズ又は圧平コーンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記圧点の印が付けられている、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ブリスタパックの前記裏の少なくとも1つの画定された圧点に圧力をかける前記ステップが、
1番目に使用されるべきであることを示すために印が付けられた第1圧点を押すことと、2番目に使用されるべきであることを示すために印が付けられた第2圧点を押すことと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記圧点が可動の突起である、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ブリスタパックの前記裏の少なくとも1つの画定された圧点に圧力をかけるステップが、前記突起を引き寄せることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ブリスタパックの前記裏の少なくとも1つの画定された圧点に力をかけるステップが、前記突起を回して外すことを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ブリスタパックの前記裏の少なくとも1つの画定された圧点に圧力をかけるステップが、前記突起を作動させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記無菌の眼科手術器具がレンズ又は圧平コーンである、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ブリスタパックの前記裏の少なくとも1つの画定された圧点に圧力をかける前記ステップが、
1番目に使用されるべきであることを示すために印が付けられた第1突起を動かすことと、
2番目に使用されるべきであることを示すために印が付けられた第2突起を動かすことと
を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科手術中の使用のための、ブリスタパックからの無菌製品の系統的な、制御された除去のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
屈折矯正手術など眼科手術中に、無菌製品がブリスタパックに入った状態で提供されることが多い。これらの製品は、レンズなどの繊細な表面を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、手術室担当看護師など非無菌ユーザがブリスタパックを開ける。ブリスタパックの外側は無菌ではなく、閉じたブリスタパックを開くために触れなければならない。次いで、非無菌ユーザは、開かれたブリスタパックから物品を除去する前に手の消毒を行わなければならない。これは外科手術を複雑にするとともに長引かせ、偶発的な汚染および無菌状態の喪失の可能性を高める。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この開示は、非無菌ユーザが手の消毒を行うことを必要とせずに、ブリスタパックからの繊細な表面を備えた無菌の物品の除去を可能にする方法を提供する。
【0005】
一実施形態において、本開示は、内部に無菌製品を備えたブリスタパックを使用する、ブリスタパックから保護層を除去する、ブリスタパックを逆さにする、ブリスタパックを無菌の表面上に置く、ブリスタパックの裏の少なくとも1つの画定された圧点を押す、および、ブリスタパックを除去する方法に関する。
【0006】
別の実施形態において、本開示は、内部に無菌製品を備えたブリスタパックを使用する、ブリスタパックから保護層を除去する、ブリスタパックを逆さにする、ブリスタパックを無菌の表面上に置く、ブリスタパックの裏の少なくとも1つの画定された点から着脱可能な突起を除去する、およびブリスタパックを除去する方法に関する。
【0007】
別の実施形態において、本開示は、無菌の保持領域と、無菌の眼科手術器具と、無菌の眼科手術器具の制御された除去のためにブリスタパックの裏の裏に印が付けられた少なくとも1つの点とを備えたブリスタバックに関する。
【0008】
以下の明細書、特許請求の範囲、および図面を考慮すると、他の技術的利点が当業者には明らかとなる。
【0009】
本発明ならびにその特徴および利点のより完全な理解のために、添付図面と併せて以下の説明がここで参照される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】2つの無菌の眼科手術器具と画定された圧点とを備えたブリスタパックの表の正確な縮尺ではない概略図である。
図2図1のブリスタパックの裏の正確な縮尺ではない概略図である。
図3】画定された圧点を備えたブリスタパックを使用するための方法のフローチャートである。
図4】画定された圧点を備えたブリスタパックの表の立面図である。
図5図4のブリスタパックの裏の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この開示は、非無菌ユーザが手の消毒を行うことを必要とせずに、ブリスタパックからの繊細な表面を備えた無菌の物品の除去を可能にする方法を提供する。この開示は、画定された圧点を備えたブリスタパックと、その使用の方法とを提供する。
【0012】
以下の説明において、詳細は、開示された主題の議論を円滑にするために一例として明らかにされる。しかしながら、開示された実施形態は例示的であるとともに、全ての可能な実施形態を網羅したものではないことが、当業者には明らかであるはずである。
【0013】
ここで図面を参照すると、図1および図2は、ブリスタパック100である。図1に示された実施形態において、ブリスタパック100の表110は、2つの無菌の保持領域120、130を含む。各無菌の保持領域は、単一の無菌の眼科手術器具(例えば、無菌の眼科手術器具122、無菌の眼科手術器具132)とともに示されている。単一の無菌の保持領域を備えたブリスタパックも可能である。2つ以上の無菌の眼科手術器具が単一の無菌の保持領域に配置されてもよい。図2に示される実施形態において、ブリスタパック100の裏190が示されている。無菌の保持領域120および130ならびに圧点140、150、160、および170の位置が示されている。圧点140、150、160、および170は、無菌の保持領域120および130内に位置する。
【0014】
屈折矯正手術など眼科手術中に使用され得る無菌の眼科手術器具の非限定的な例は、圧平コーンまたはレンズである。
【0015】
図1および図2は、図示のとおり、実際には、圧点140、150、160、および170に、丸で囲まれた「X」で印が付けられている。そのような印は、任意のまたは全ての圧点140、150、160、および170について任意選択的であり、印が付けられる場合、他の表示、例えば、「X」印または「押す」などのエンボス加工された言葉が使用されてもよい。任意選択的に、圧点140、150、160、および170は、ブリスタパック100の裏面190に印が付けられており、表面110には印が付けられていない。ブリスタパックが、圧点が特定の順番または特定の組合せで押されることを求める場合、ブリスタパックにはそのように印が付けられる。
【0016】
本発明は、ブリスタパック100の裏面190が無菌であることを求めない。
【0017】
圧点は、無菌の眼科手術器具上の繊細なスポットまたは脆弱なスポットを回避するように配置される。単純な無菌の障壁を備えたパッケージ設計の場合、そのような画定された圧点が無いことは、特に無菌の眼科手術器具の除去中に繊細な表面へ損傷を与えるリスクが増加することを意味する。圧点を使用した、無菌の眼科手術器具の制御された除去を可能にすることにより、無菌の眼科手術器具は、制御された時間に、制御されたやり方で脱落するはずである。
【0018】
図示されない別の実施形態において、ブリスタパック100は、圧点の任意の1つまたは複数の代わりに可動の突起を含んでもよい。可動の突起は、それらが動かされるとき、例えば作動させられる、除去される、動かされる、または回して外されるときに、ブリスタパック100の内部を無菌に保つように設計される。
【0019】
図3は、画定された圧点を備えたブリスタパック200の表の立面図である。図3に示された実施形態において、ブリスタパック200の表210は、2つの無菌の保持領域220、230を含む。各無菌の保持領域は、単一の無菌の眼科手術器具(例えば、無菌の眼科手術器具222、無菌の眼科手術器具232)とともに示されている。単一の無菌の保持領域を備えたブリスタパックも可能である。2つ以上の無菌の眼科手術器具が、単一の無菌の保持領域に配置されてもよい。無菌の保持領域220および230ならびに圧点240、250、および260の位置が示されている。
【0020】
図4は、画定された圧点を備えたブリスタパック200の裏の立面図である。図4に示される実施形態において、ブリスタパック200の裏290が示されている。無菌の保持領域220および230ならびに圧点240、250、および260の位置が示されている。圧点240、250、および260は、無菌の保持領域220および230の近くに位置する。
【0021】
図5は、画定された除去部位を備えたブリスタパック、例えばブリスタパック100を使用する方法のフローチャートである。
【0022】
この実施形態において、手術室(OR)の準備または眼科手術が開始される、302。
【0023】
保護カバーがブリスタパックから除去される、304。
【0024】
次いで、ブリスタパックは無菌の表面上へ逆さまにされる、306。ブリスタパックの表面および内部を両方とも無菌状態で維持することが重要である。
【0025】
次に、少なくとも1つの、恐らくは全ての圧点が押される、308。ブリスタパックが、圧点が特定の順番または特定の組合せで押されることを求める場合、ブリスタパックにはそのように印が付けられる。別の実施形態において、圧点は、このステップで除去される着脱可能な突起である。
【0026】
最後に、ブリスタパックが無菌の表面から除去される、310。
【0027】
上記で開示された主題は、例示的なものとみなされ、限定的なものとはみなされず、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨および範囲内に該当する全ての修正形態、改良形態、および他の実施形態をカバーすることを意図される。したがって、法により許される最大限、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物の許容される最も幅広い解釈により決定され、前述の詳細な説明により制限も限定もされるものではない。例えば、本明細書における多くの例示的実施形態は、ブリスタパックを使用して図示および説明されている。様々なタイプの無菌の眼科手術器具が、ブリスタパック設計の複雑さを相応して増加させつつ、そのような実施形態において使用され得ることは当業者には明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5