(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1発光部は、それぞれが警報を発するために点灯制御される2つの警報発光部と、警報器の通電状態を表示するために点灯制御される1つの通電発光部とを含み、それぞれが前記ケース本体の幅方向に沿って間隔を隔てて配置されている
請求項1から7のいずれか記載の警報器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、非常照明には警報器の周囲を照らすだけの明るさが要求されることから、非常照明は明るく光ることとなる。一方、警報時に点灯される発光部は、非常照明と比較して明るさが弱いため、非常照明と比較して目立ち難い傾向にある。また、警報時に点灯される発光部には、有彩色、例えば黄色が用いられることがあり、非常照明と比較して目立ち難い傾向にある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、警報器の周囲を照明する機能を備えつつ、周囲に情報を報知するための発光をより目立ち易い形態で実現することができる警報器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、本発明は、監視センサからの信号に基づいて監視領域内に異常な状態が発生していると判断した場合に警報を発する警報器において、警報器の筐体を構成するケース本体と、ケース本体内に収容され、警報器の周囲に情報を報知するために点灯制御される第1発光部と、ケース本体内に収容され、警報器の周囲を照明するために点灯制御される複数の第2発光部と、ケース本体の正面下部に設けられ、第1発光部及び複数の第2発光部から照射される光を受けて面発光するレンズ部材と、を有している。この場合、レンズ部材は、ケース本体の幅方向に延在する幅広形状を有し、第1発光部及び複数の第2発光部は、レンズ部材の背後に配置されている。
【0008】
ここで、本発明において、レンズ部材は、ケース本体の幅方向のサイズと同一のサイズに設定されていることが好ましい。
【0009】
また、本発明において、複数の第2発光部は、それぞれがケース本体の幅方向に沿って間隔を隔てて配置されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明において、レンズ部材は、上端側から下端側にかけてケース本体の背面側に向かって傾斜するテーパー形状を有することが好ましい。
【0011】
また、本発明において、複数の第2発光部は、第1発光部よりも上方にそれぞれ配置されていることが好ましい。
【0012】
この場合、レンズ部材の上端は、ケース本体の正面下端部に対して重なり合って構成されており、複数の第2発光部は、ケース本体の正面下端部と向かい合う位置に配置されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明において、複数の第2発光部は、第1発光部の側方にそれぞれ配置されていてもよい。
【0014】
さらに、本発明において、第1発光部は、それぞれが警報を発するために点灯制御される2つの警報発光部と、警報器の通電状態を表示するために点灯制御される1つの通電発光部とを含み、それぞれがケース本体の幅方向に沿って間隔を隔てて配置されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る警報器によれば、警報器の周囲を照明する機能を備えつつ、周囲に情報を報知するための発光をより目立ち易い形態で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態に係る警報器1について説明する。この警報器1は、監視センサからの信号に基づいて監視領域内に異常状態が発生していると判断した場合に警報を発するものである。本実施形態の特徴の一つとして、警報器1には、非常時に警報器1の周囲を照明する非常灯としての機能が装備されている。ここで、
図1は、本実施形態に係る警報器1の構成を模式的に示すブロック図である。また、
図2は、本実施形態に係る警報器1の構成を模式的に示す正面図である。
図3は、
図2に示す線分AAに沿う警報器1の断面図である。
【0018】
本実施形態に係る警報器1は、ガス漏れ(異常な状態の一例)や不完全燃焼等の一酸化炭素の高濃度状態(異常な状態の一例)の発生を警報するガス警報器である。この警報器1は、例えば都市ガス向けのガス警報器であり、天井から一定距離(例えば30cm)以内かつガスコンロから一定距離(例えば8m)以内の条件を満たす壁面に設置される。また、警報器1は、差込プラグ9を介して外部電源、例えば商用交流電源に接続されており、外部電源から供給された電力により動作する。
【0019】
警報器1は、ガスセンサ2と、ガスセンサ2からの検出結果が供給されるマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)3と、を備えている。また、警報器1は、複数の発光部4と、スピーカ5と、複数の発光部4を駆動するための発光駆動部6と、スピーカ5を駆動するためのスピーカ駆動部7と、警報器1を操作するためのスイッチ8と、を備えている。
【0020】
ガスセンサ2は、ガスを検出するセンサ(監視センサの一例)であり、例えば接触燃焼式ガスセンサである。ガスセンサ2は、COやCH
4などの検出対象ガスのガス濃度を検出し、その濃度に応じた検出信号をマイコン3に出力する。なお、ガスセンサ2としては、半導体ガスセンサ等の周知のガスセンサを用いることもできる。
【0021】
マイコン3は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されている。マイコン3は、これを機能的に捉えた場合、検出処理部3Aと、警報処理部3Bと、点灯処理部3Cとを備えている。
【0022】
検出処理部3Aには、ガスセンサ2の検出結果が供給されている。検出処理部3Aは、ガスセンサ2の検出結果からガス漏れ又は一酸化炭素の高濃度異常が発生しているか否かを判断する。
【0023】
警報処理部3Bは、検出処理部3Aがガス漏れなどの発生を判断した場合に、所定の発光部4を点灯制御したり、スピーカ5を出力制御したりする。具体的には、警報処理部3Bは、検出処理部3Aがガス漏れなどの発生を判断した場合に、発光駆動部6を通じて所定の発光部4を点灯又は点滅させる。これにより、ガス漏れなどについての警報が視覚的に発せられる。また、警報処理部3Bは、検出処理部3Aがガス漏れなどの発生を判断した場合に、スピーカ駆動部7を通じてスピーカ5から所定の警報音又は警報音声を出力させる。これにより、ガス漏れなどについての警報が聴覚的に発せられる。
【0024】
点灯処理部3Cは、非常灯の点灯条件を判断した場合に、発光駆動部6を通じて所定の発光部4を点灯制御する。非常灯の点灯条件は、例えば外部電源からの電力供給が遮断されたことである。また、点灯処理部3Cは、外部電源から電力が供給されている場合、警報器1の通電状態を報知するために所定の発光部4を点灯制御する。
【0025】
複数の発光部4は、電力の供給を受けて可視光を発光するものである。個々の発光部4は、例えばLEDから構成されており、赤色、黄色、緑色及び白色に対応するものが用意されている。赤色に対応する発光部4R、黄色に対応する発光部4Y、緑色に対応する発光部4Gは、それぞれ1つ用意され、白色に対応する発光部4Wは、複数、例えば3つ用意されている。
【0026】
赤色に対応する発光部4Rは、主として、ガス漏れが発生していると判断した場合に点灯制御される。黄色に対応する発光部4Yは、主として、一酸化炭素の高濃度異常が発生していると判断した場合に点灯制御される。また、緑色に対応する発光部4Gは、主として、外部電源から電力が供給されている場合に警報器1の通電状態を報知するために点灯制御される。有彩色に対応する3つの発光部4R,4Y,4Gは、警報器1の周囲に情報を報知するために点灯制御される第1発光部に該当する。とりわけ、赤色及び黄色に対応する2つの発光部4R,4Yは、警報を発するための警報発光部に相当し、緑色に対応する1つの発光部4Gは、警報器1の通電状態を表示するための通電発光部に相当する。一方、白色に対応する3つの発光部4Wは、非常灯の点灯条件を判断した場合に警報器1の周囲(特に下方)を照明する非常灯として点灯制御される。
【0027】
さらに、警報器1は、差込プラグ9と、電源部10と、予備電源部11と、停電検知部12とを有している。
【0028】
差込プラグ9は、外部電源、例えば商用交流電源と、警報器1との電気的な接続を行う。差込プラグ9は、壁面に設置されて外部電源と電気的に接続されたプラグ受けに対して挿抜可能とされている。
【0029】
電源部10は、差込プラグ9を介して外部電源に接続される。電源部10は、外部電源から供給された電力を、警報器1の各部へと供給する。また、電源部10は、外部電源からの交流電力を直流に変換する機能も備えている。
【0030】
予備電源部11は、自己が保有する電力を警報器1の各部へと供給する電源である。予備電源部11としては、バッテリといった二次電池や、一次電池などを用いることができる。
【0031】
停電検知部12は、外部電源からの電力供給が遮断されたことを検知する。外部電源からの電力供給が遮断される状況としては、主として停電が挙げられる。停電検知部12としては、例えばトランジスタ、フォトカプラー、リレーなどを用いることができる。停電検知部12は、マイコン3の入力ポートと接続されており、検知結果に応じた状態信号を出力する。マイコン3は、入力ポートの状態変化(High状態、Low状態)に応じて、外部電源からの電力供給の遮断の有無を判断することができる。
【0032】
外部電源からの電力供給がある場合には、警報器1の各部への電力は電源部10(外部電源)から供給される。一方、外部電源からの電力供給が遮断されると、停電検知部12により警報器1の電源の切り替えが行われる。この切り替えにより、警報器1の各部への電力は予備電源部11から供給される。また、外部電源からの電力供給が復活すると、停電検知部12により警報器1の電源の切り替えが行われる。この切り替えにより、警報器1の各部への電力は電源部10から供給される。
【0033】
なお、予備電源部11が保有する電力は有限であるため、予備電源部11から電力供給を行う場合には、電力の供給先を制限してもよい。具体的には、後述する非常灯機能を実現するために必要な箇所に電力を限定的に供給し、電力消費の大きなガスセンサ2には電力を供給しないといった如くである。
【0034】
6つの発光部4R,4Y,4G,4Wを含む各要素は、回路基板15上に実装され、ケース本体20内に収容されている。ケース本体20は、警報器1の筐体を構成するものであり、壁面への設置時に背面側となる下ケースと、正面側となる上ケースとを嵌め合わせて構成されている。
【0035】
ケース本体20の正面20aには、スピーカ開口部21、ガス検知部22、レンズ部材23が設けられている。
【0036】
スピーカ開口部21は、スピーカ5から出力される音響をケース本体20の外部へ出力する開口部である。スピーカ開口部21は、例えばケース本体20を貫通する複数の小孔で構成されており、ケース本体20に収容されたスピーカ5の正面位置に設けられている。
【0037】
ガス検知部22は、周囲の雰囲気が警報器1の内部(センサ室)に流入するための開口部である。ガス検知部22は、当該ケース本体20の内外を貫通する複数のスリットから構成されており、ガスセンサ2を含むようにケース本体20内に画定された空間であるセンサ室と対応する位置に形成されている。
【0038】
レンズ部材23は、6つの発光部4R,4Y,4G,4Wからの光をケース本体20(警報器1)の外部へ出力する部位である。ケース本体20の正面20aの下部には、ケース本体20の一部を所要の形状に切り抜いた開口が形成されており、この開口を塞ぐようにレンズ部材23が配置されている。このため、ケース本体20を正面視した際に、ケース本体20の正面20aの下部にレンズ部材23が視認される。
【0039】
レンズ部材23は、合成樹脂などで形成されており、光を拡散して透過させる拡散透過性を備えている。例えば、レンズ部材23は、乳白色など半透明体から構成されたり、その表面に微細な凹凸形状を付与するシボ加工が施されたり、或いは、これらの両方を用いて構成されている。このため、レンズ部材23は、回路基板15に実装されてケース本体20内に収容された6つの発光部4R,4Y,4G,4Wから照射される光を受けて面発光する。
【0040】
レンズ部材23は、ケース本体20の幅方向(
図2における左右方向)に沿って延在する幅広形状を有している。本実施形態において、レンズ部材23は、ケース本体20の幅方向のサイズと同一のサイズに設定されている。このため、レンズ部材23は、ケース本体20の正面20aのみならず、左右の側面20c,20dに及んだ構成とされている。
【0041】
また、レンズ部材23は、上端側から下端側にかけてケース本体20の背面20b側に向かって傾斜するテーパー形状を有している。このため、レンズ部材23は、ケース本体20の下面20eにも及んだ構成とされている。
【0042】
ケース本体20内において、有彩色に対応する3つの発光部4R,4Y,4G、すなわち、情報報知用の3つの発光部4R,4Y,4Gは、それぞれがケース本体20の幅方向に沿って間隔を隔てて配置されている。そして、3つの発光部4R,4Y,4Gは、ケース本体20を正面視した際に、レンズ部材23の背後に配置されている。すなわち、3つの発光部4R,4Y,4Gは、ケース本体20を正面視した際に、レンズ部材23の設置範囲内に配置されている。
【0043】
また、ケース本体20内において、白色に対応する3つの発光部4W、すなわち、非常灯用の3つの発光部4Wは、それぞれがケース本体20の幅方向に沿って間隔を隔てて配置されている。また、白色に対応する3つの発光部4Wは、有彩色に対応する3つの発光部4R,4Y,4Gの上方に位置づけられている。そして、白色に対応する3つの発光部4Wは、ケース本体20を正面視した際に、レンズ部材23の背後に配置されている。なお、レンズ部材23をケース本体20に組み付ける構造上、レンズ部材23の上端は、ケース本体20の正面20aの下端部に対して、その背面側に重なり合って構成されている。そのため、白色に対応する3つの発光部4Wは、ケース本体20を正面視した際に、レンズ部材23の設置範囲内、かつ、ケース本体20の正面20aの下端部と向かい合う位置に配置されている。
【0044】
以下、本実施形態の特徴の一つである警報器1の動作について説明する。まず、外部電源から電力が供給されている場合、警報器1の通電状態を報知するために、点灯処理部3Cは、発光駆動部6を制御して、緑色に対応する発光部4Gを点灯する。緑色に対応する発光部4Gが点灯すると、この発光部4Gから照射される光に応じてレンズ部材23が緑色に面発光する。このレンズ部材23の面発光により、外部電源による通電を視覚的に認識することができる。
【0045】
一方、警報処理部3Bは、検出処理部3Aがガス漏れの発生を判断した場合に、発光駆動部6を通じて、緑色に対応する発光部4Gを消灯させるとともに、赤色に対応する発光部4Rを点灯又は点滅させる。赤色に対応する発光部4Rが点灯又は点滅すると、この発光部4Rから照射される光に応じてレンズ部材23が赤色に面発光する。このレンズ部材23の面発光により、ガス漏れについて警報を発することができる。
【0046】
また、警報処理部3Bは、検出処理部3Aが一酸化炭素の高濃度異常の発生を判断した場合に、発光駆動部6を通じて、緑色に対応する発光部4Gを消灯させるとともに、黄色に対応する発光部4Yを点灯又は点滅させる。黄色に対応する発光部4Yが点灯又は点滅すると、この発光部4Yから照射される光に応じてレンズ部材23が黄色に面発光する。このレンズ部材23の面発光により、一酸化炭素の高濃度異常について警報を発することができる。
【0047】
これに対して、停電の発生により外部電源からの電力供給が遮断されると、停電検知部12により電源の切り替えが行われる。この切り替えにより予備電源部11から警報器1の各部へと電力が供給される。点灯処理部3Cは、入力ポートの状態変化を監視することで、外部電源からの電力供給が遮断されたことを判断すると、発光駆動部6を制御して、緑色に対応する発光部4Gを消灯させるとともに、白色に対応する3つの発光部4Wを点灯させる。これらの発光部4Wが点灯すると、これらの発光部4Wから照射される光に応じてレンズ部材23が白色に面発光する。このレンズ部材23の面発光により、警報器1の周囲を照明することができる。
【0048】
また、外部電源からの電力供給が復活すると、停電検知部12により、警報器1の電源が電源部10(外部電源)へと切り替えられる。点灯処理部3Cは、入力ポートの状態変化を監視することで外部電源からの電力供給が復帰したことを判断すると、発光駆動部6を制御して、白色に対応する3つの発光部4Wを消灯させるとともに、緑色に対応する発光部4Gを点灯させる。緑色に対応する発光部4Gが点灯すると、この発光部4Gから照射される光に応じてレンズ部材23が緑色に面発光する。このレンズ部材23の面発光により、外部電源による通電の再開を視覚的に認識することができる。
【0049】
このように本実施形態によれば、レンズ部材23は、ケース本体20の幅方向に延在する幅広形状に構成されている。この幅広形状のレンズ部材23の背後には、非常灯の光源である3つの発光部4Wが配置されているため、これらの発光部4Wによりレンズ部材23が適切に面発光し、レンズ部材23を明るく光らせることができる。これにより、警報器1の周囲を明るく照明することができる。また、都市ガス用の警報器1は、天井に近い壁面の高い位置に設置される。このため、レンズ部材23をケース本体20の正面下部に配置することで、台所などの室内の下部へと光が導かれ易い傾向となるので、警報器1の周囲、特に下方を明るく照明することができる。これにより、非常灯としての明かりを所望の範囲に適切に導くことができる。
【0050】
また、本実施形態において、警報器1の周囲に情報を報知する発光部4R,4Y,4Gは、レンズ部材23の背後に配置されている。したがって、発光部4R,4Y,4Gのいずれかが点灯又は点滅した場合には、幅広形状のレンズ部材23が発光部4R,4Y,4Gにより照明され、レンズ部材23が面発光するので、レンズ部材23を明るく光らせることができる。すなわち、非常灯として面発光する幅広形状のレンズ部材23が、発光部4R,4Y,4Gによって面発光することで、周囲に対する情報報知が目立ち易い形態で行われる。これにより、ユーザに対してガス漏れなどの発生を早期に注意喚起することができる。
【0051】
このように本実施形態によれば、レンズ部材23の設置範囲内に、回路基板15に搭載される全ての発光部4R,4Y,4G,4Wが含まれることとなる。これにより、どの発光部4R,4Y,4G,4Wが点灯した場合であっても、レンズ部材23を点灯させることができる。その結果、非常灯としての機能を備えつつ、周囲に情報を報知するための発光をより目立ち易い形態で実現することができる。
【0052】
また、本実施形態において、幅広形状のレンズ部材23は、ケース本体20の幅方向のサイズと同一のサイズに設定されている。このため、警報器1の横幅に相当する範囲で面発光を実現することができる。これにより、非常灯としての適切な明かりを備えつつ、周囲に情報を報知するための発光をより目立ち易い形態で実現することができる。また、この構成によれば、レンズ部材23が、ケース本体20の左右の側面20c,20dにも及ぶこととなる。これより、ケース本体20の左右の側面20c,20dも発光するため、面発光に関する視認可能な範囲を広げることができる。
【0053】
もっとも、レンズ部材23は、ケース本体20の幅方向に延在する幅広形状であればよく、ケース本体20の幅方向のサイズよりも小さいサイズでもよい。ただし、レンズ部材23の背後(設置範囲内)に、回路基板15に搭載される全ての発光部4R,4Y,4G,4Wが含まれることが好ましいことから、レンズ部材23は、6つの発光部4R,4Y,4G,4Wの設置範囲よりも幅広に延在していることが好ましい。
【0054】
また、本実施形態において、白色に対応する3つの発光部4Wは、それぞれがケース本体20の幅方向に沿って間隔を隔てて配置されている。これにより、レンズ部材23の幅広方向に、3つの発光部4Wがバランスよく並ぶので、当該レンズ部材23を適切に面発光させることができる。
【0055】
また、本実施形態において、レンズ部材23は、上端側から下端側にかけてケース本体20の背面側に向かって傾斜するテーパー形状を備えている。この構成によれば、レンズ部材23が、ケース本体20の下面20eにも及ぶこととなり、警報器下方からの視認性が向上する。また、レンズ部材23からの光が下方に向かう傾向となるため、台所などの室内の下部へと光が到達し易くなる。これにより、非常灯としての明かりを所望の範囲に適切に導くことができる。
【0056】
本実施形態では、非常灯用の3つの発光部4Wは、情報報知用の3つの発光部4R,4Y,4Gよりも上方に配置されている。具体的には、非常灯用の3つの発光部4Wは、ケース本体20の正面20aの下端部と向かい合う位置に配置されている。この構成によれば、非常灯用の3つの発光部4Wが発光した際に、その光の一部はケース本体20に当たった後にレンズ部材23へと到達することとなるので、レンズ部材23が間接的に照明されることとなる。この間接照明の作用により、レンズ部材23を効果的に面発光させることができる。すなわち、非常灯用の3つの発光部4Wは、警報器1の周囲を一様に照明する観点から、発光部4Wからの光をケース本体20で乱反射させることでレンズ部材23の全体がまんべんなく光るように構成されている。一方、情報報知用の3つの発光部4R,4Y,4Gは、非常灯用の3つの発光部4Wよりも下方に位置づけられており、レンズ部材23において上下方向中間部に位置づけられている。すなわち、3つの発光部4R,4Y,4Gは、情報を目立ち易く報知する観点から、発光部4R,4Y,4Gからの光をレンズ部材23に直接的に入射させるように構成されている。非常灯用の3つの発光部4W及び情報報知用の3つの発光部4R,4Y,4Gは、それぞれレンズ部材23の背後に配置されるものであるが、発光部が担う機能に応じて、そのなかでのレイアウトが適切に設定されているのである。
【0057】
もっとも、非常灯用の発光部4Wは、情報報知用の3つの発光部4R,4Y,4Gの側方(ケース本体の幅方向)にそれぞれ配置してもよい。例えば、
図4に示す例では、非常灯用の発光部4Wは、隣り合う発光部4R,4Y,4Gの中央にそれぞれ配置されている(全部で2個の発光部4W)。この構成にあっては、全ての発光部4R,4Y,4G,4Wがレンズ部材23の背後に、同一直線上に配置される。
【0058】
また、本実施形態では、白色に対応する3つの発光部4Wを非常灯として利用している。この場合、非常灯の点灯は、外部電源が遮断されたことをトリガーとすることに限らず、スイッチ8の操作やその他の条件をトリガーとしてもよい。
【0059】
また、白色に対応する3つの発光部4Wは、非常灯としての利用に限らず、警報器1の周囲(特に下方)を照明する用途として広く利用することができる。例えば、3つの発光部4Wは、常夜灯として利用することができる。
【0060】
常夜灯機能付きの警報器1において、点灯処理部3Cは、警報器1の周囲が暗くなったことを判断した場合に、発光駆動部6を制御して、緑色に対応する発光部4Gを消灯させるとともに、白色に対応する3つの発光部4Wを点灯させる。これらの発光部4Wが点灯すると、これらの発光部4Wから照射される光に応じてレンズ部材23が白色に面発光する。このレンズ部材23の面発光により、警報器1の周囲(特に下方)を照明することができる。
【0061】
警報器1の周囲が暗くなったことを判断する手法としては、周囲の明るさを検知する照度センサなどを用いることができる。例えば、照度センサによって検知される明るさレベルが所定の閾値以下となった場合に、警報器1の周囲が暗くなったことを判断するといった如くである。
【0062】
なお、非常灯の点灯は、警報器1の周囲が暗くなったことを判断したことをトリガーとすることに限らず、スイッチ8の操作やその他の条件をトリガーとしてもよい。また、常夜灯として機能させる場合には、予備電源部11及び停電検知部12といった構成は省略することもできる。
【0063】
以上、本実施形態に係る警報器について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることなく、その発明の範囲において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0064】
例えば、警報器は、ガス漏れについて警報する以外にも、火災などの各種の異常状態を警報するものであってもよい。