特許第6905482号(P6905482)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6905482
(24)【登録日】2021年6月29日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20210708BHJP
【FI】
   B65D5/54 301D
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-27995(P2018-27995)
(22)【出願日】2018年2月20日
(65)【公開番号】特開2019-142543(P2019-142543A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2018年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 慧
【審査官】 武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−193743(JP,A)
【文献】 特開2003−246320(JP,A)
【文献】 特開平10−310130(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0238882(US,A1)
【文献】 特開2015−020783(JP,A)
【文献】 実開昭62−200533(JP,U)
【文献】 特開2017−052541(JP,A)
【文献】 特開2006−151440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角筒状の胴部と、該胴部の両端を閉塞する一対の閉塞部とを備え、前記胴部は、交互に連設された各一対の第1側板及び第2側板により形成され、前記閉塞部は、各第2側板の両端縁から内方に延設され、向かい合う先端縁が間隙を存する各内フラップと、各第1側板の両端縁から内方に延設され、前記内フラップの外側に重合接着される各外フラップとにより形成される段ボール板紙製包装箱において、
各内フラップから各第2側板に亘って所定の幅で形成された第1破断手段を備え、
前記閉塞部の上半部を閉塞する上部外フラップはその先端が第1破断手段の上端縁に沿って内フラップに重合接着され、前記閉塞部の下半部を閉塞する下部外フラップはその先端が両側端縁から中央部に向かってそれぞれ第1破断手段の下端縁に沿って内フラップに重合接着される一方、先端中央部に第1破断手段を超えて上部外フラップの先端に向かって突出し、各内フラップ間の間隙を閉塞する突出部を備え、
各内フラップの上半部における前記突出部に重合された領域の外側において、該内フラップの先端から突出部の外縁に沿って第1破断手段の上端縁に至る第2破断手段を備えることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1記載の包装箱において、前記閉塞部の上半部を閉塞する外フラップと第1側板との接続部に第3破断手段を備え、内フラップの上半部と第2側板との接続部に第4破断手段を備えることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール板紙により形成された包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交互に連設された各一対の第1側板及び第2側板により形成された四角筒状の胴部と、該胴部の両端を閉塞する一対の閉塞部とを備え、該閉塞部は、各第2側板の両端縁に連設された各内フラップを内方に折り曲げ、各第1側板の両端縁に連設された各外フラップを内方に折り曲げて、内フラップに重合接着することにより形成される包装箱が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載の包装箱では、開封作業等を容易にするため、各第2側板及び内フラップに2条の破断可能線からなる段ボール破断用ジッパーが設けられている。そして、前記閉塞部では、前記段ボール破断用ジッパーが通過できるように、上下の外フラップがそれぞれ該段ボール破断用ジッパーの上下の破断可能線に沿って内フラップに重合接着されている。
【0004】
一方、前記包装箱は、飲料缶等を自販機等に投入する際に、該飲料缶等を1本ずつ取り出すことを容易にするために、前記閉塞部の一方において、上半部を開口することが望まれる。この場合、前記包装箱では、前記閉塞部の上半部を閉塞する上部外フラップを内フラップから剥離して折り起こした後、左右の内フラップの上半部が前記破断可能線に沿って破断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−155559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の包装箱では、左右の内フラップの上半部を破断可能線に沿って破断しつつ折り起こす際に、段ボール破断用ジッパーの上下の破断可能線のどちらに沿って破断するか制御できず、意図しない形状の開口部が形成されることがあるという不都合がある。
【0007】
本発明は、かかる不都合を解消して、前記閉塞部の上半部に意図した形状の開口部を容易に形成することができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明の包装箱は、四角筒状の胴部と、該胴部の両端を閉塞する一対の閉塞部とを備え、前記胴部は、交互に連設された各一対の第1側板及び第2側板により形成され、前記閉塞部は、各第2側板の両端縁から内方に延設され、向かい合う先端縁が間隙を存する各内フラップと、各第1側板の両端縁から内方に延設され、前記内フラップの外側に重合接着される各外フラップとにより形成される段ボール板紙製包装箱において、各内フラップから各第2側板に亘って所定の幅で形成された第1破断手段を備え、前記閉塞部の上半部を閉塞する上部外フラップはその先端が第1破断手段の上端縁に沿って内フラップに重合接着され、前記閉塞部の下半部を閉塞する下部外フラップはその先端が第1破断手段の下端縁に沿って内フラップに重合接着される一方、先端中央部に第1破断手段を超えて上部外フラップの先端に向かって突出し、各内フラップ間の間隙を閉塞する突出部を備え、各内フラップの上半部にその先端から前記突出部の外縁に沿って第1破断手段の上端縁に至る第2破断手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の包装箱において、前記閉塞部の上半部に開口を形成するときには、まず、上部外フラップを該上部外フラップが重合接着されている左右の内フラップから剥離して折り起こす。次いで、左右の内フラップの間隙に手を入れて各内フラップの上半部を第1破断手段に沿って破断しつつ折り起こす。
【0010】
このとき、左右の内フラップは前記突出部により抑止されているが、本発明の包装箱では、各内フラップの上半部を第2の破断手段に沿って破断することにより、前記突出部を回避して、容易に第1破断手段の上端縁又は下端縁のいずれかに沿って破断しつつ折り起こすことができ、前記閉塞部の上半部に意図した形状の開口部を容易に形成することができる。
【0011】
また、本発明の包装箱は、前記閉塞部の上半部を閉塞する外フラップと第1側板との接続部に第3破断手段を備え、内フラップの上半部と第2側板との接続部に第4破断手段を備えることが好ましい。
【0012】
本発明の包装箱は、折り起こした上部外フラップを第3の破断手段により破断して除去することができ、折り起こした内フラップの上半部を第3の破断手段により破断して除去することができるので、意図した形状の開口部をさらに容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の包装箱の一実施形態を示す展開図。
図2図1に示す展開図を組み立てて得られる包装箱の斜視図。
図3】Aは図2に示す包装箱の外フラップを折り起こした状態を示す斜視図、Bは図2に示す包装箱の内フラップを折り起こした状態を示す斜視図、Cは図2に示す包装箱に開口部を形成した状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0015】
図1に展開状態(外面側)で示すように、本実施形態の包装箱1は、展開形状に打ち抜き形成した一枚の段ボール板紙により形成されており、各一対の第1側板2,3及び第2側板4,5が折目線6,7,8を介して交互に連設され、一方の第2側板4の折れ目線8と平行な端縁には折目線9を介して接着片10が連設されている。
【0016】
包装箱1では、第1側板2が底面となり、第1側板3が天面となるので、第1側板2の折り目線7,8と直交する端縁には、折目線11,12を介して下部外フラップ13,14が連設されており、第1側板3の折り目線6と直交する端縁には、折目線15,16を介して上部外フラップ17,18が連設されている。
【0017】
また、第2側板4の折り目線8,9に直交する端縁には、折目線19,20を介して内フラップ21,22が連設されており、第2側板5の折り目線6,7に直交する端縁には、折目線19,20を介して内フラップ21,22が連設されている。
【0018】
下部外フラップ13,14は、先端中央部に突出部27,28を備えており、上部外フラップ17,18は長円形状の手指差込部29,30を備えている。手指差込部29,30は、折れ目線15,16に近い側に折れ目線15,16と平行な折れ目線31,32を備え、長円形状の折れ目線31,32を除く部分に切れ目線33,34を備えている。
【0019】
また、第1側板3は、折れ目線15,16に対して手指差込部29,30と対称となる位置に家形形状の手指差込部35,36を備えている。手指差込部35,36は、折れ目線15,16に近い側の家形形状の屋根に相当する部分に折れ目線15,16と平行な折れ目線37,38を備え、家形形状の折れ目線31,32を除く部分に切れ目線39,40を備えている。
【0020】
包装箱1は、さらに、一方の内フラップ21,25から第2側板4,5を介して他方の内フラップ22,26にかけて直線状に形成された第1破断手段41と、内フラップ21,22,25,26の先端部から第1破断手段41にかけて円弧状に形成された切れ目線からなる第2破断手段42と、上部外フラップ17,18と第1側板3との接続部である折れ目線15,16上に形成されたミシン線からなる第3破断手段43と、内フラップ21,22,25,26と第2側板4,5との接続部である折れ目線19,20,23,24上の折れ目線6,9と第1破断手段41とを結ぶ部分に形成されたミシン線からなる第4破断手段44とを備えている。
【0021】
第1破断手段41は、例えば内フラップ21,22,25,26と第2側板4,5との裏面側に貼付された合成樹脂製テープと、該合成樹脂製テープの長さ方向に沿ってその両側に形成されたミシン目とにより所定の幅に形成されている。第1破断手段41は、第2側板4,5の中央部に設けられたH字状の切れ目線からなるHカット45を起点として破断することができる。
【0022】
包装箱1は、図2に示すように、第1側板2を底面としてその両側に第2側板4,5を折り曲げて起立させ、第1側板3を第1側板2と平行になるように折り曲げて天面とし、第2側板4に連設された接着片10を折り曲げて第1側板3に重合接着することにより、四角筒状の胴部51が形成される。胴部51の両端を閉塞する一対の閉塞部52,53は、閉塞部52を例として示すように、第2側板4,5の端縁に連設された内フラップ21,25を内方に折り曲げ、第1側板2の端縁に連設された下部外フラップ13と、第1側板3の端縁に連設された上部外フラップ17とを内方に折り曲げて内フラップ21,25に重合接着することにより形成される。
【0023】
このとき、内フラップ21,25は互いに間隙を存して折り曲げられて、第2側板4,5の端縁から内方に延設され、向かい合う先端縁が間隙を存するようにされている。また、下部外フラップ13は、第1側板2の端縁から内方に延設されて、第1破断手段41の下端縁に沿って折り曲げられ、上部外フラップ17は、第1側板3の端縁から内方に延設されて、第1破断手段41の上端縁に沿って折り曲げられた状態とされている。この結果、内フラップ21,25の間隙と、下部外フラップ13、上部外フラップ17の間隙とにより、窓部54が形成されることとなるが、下部外フラップ13の先端部中央に設けられている突出部27が第1破断手段41を超えて上部外フラップ17の先端に当接されることにより、窓部54が閉塞されている。一方、内フラップ21,25の第2破断手段42は、突出部27の外縁に沿う位置に配設されるようになっている。
【0024】
次に、図3を参照して、包装箱1の閉塞部52に開口を形成する方法について説明する。
【0025】
包装箱1の閉塞部52に開口を形成するときには、まず、図3Aに示すように、上部外フラップ17を、内フラップ21,25から剥離して折り目線15に沿って折り起こし、内フラップ21,25を露出させる。次いで、折り目線15上に形成されている第3破断手段43により上部外フラップ17を破断して、除去する。上部外フラップ17を破断した状態では、内フラップ21,25は、第1破断手段41の上方で突出部27により抑止されている。
【0026】
次に、図3Bに示すように、内フラップ21,25の上半部(第1破断手段41の上端縁から上の部分)を第2破断手段42に沿って破断し、さらに第1破断手段41の上端縁に沿って破断することにより、折り目線19,23に沿って折り起こす。内フラップ21,25の上半部は第2破断手段42に沿って破断することにより、突出部27の抑止を解除することができ、第1破断手段41の上端縁に沿って容易に破断することができる。次いで、折り目線19,23上の折れ目線6,9と第1破断手段41とを結ぶ部分に形成された第4破断手段44により内フラップ21,25を破断して、除去する。
【0027】
この結果、図3Cに示すように、閉塞部52の第1破断手段41の上端縁から上の上半部に開口部55を形成することができる。
【0028】
尚、本実施形態では、閉塞部52を例として説明しているが、包装箱1では閉塞部53にも閉塞部52の場合と同様にして開口を形成することができる。
【符号の説明】
【0029】
1…包装箱、 2,3…第1側板、 4,5…第2側板、 13,14…下部外フラップ、 17,18…上部外フラップ、 21,22,25,26…内フラップ、 27,28…突出部、 41…第1破断手段、 42…第2破断手段、 51…胴部、 52,53…閉塞部。
図1
図2
図3