特許第6905511号(P6905511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6905511圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6905511
(24)【登録日】2021年6月29日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー
(51)【国際特許分類】
   F04B 27/02 20060101AFI20210708BHJP
【FI】
   F04B27/02 F
   F04B27/02 E
【請求項の数】27
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-512623(P2018-512623)
(86)(22)【出願日】2016年12月7日
(65)【公表番号】特表2018-536791(P2018-536791A)
(43)【公表日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】EP2016002060
(87)【国際公開番号】WO2017097415
(87)【国際公開日】20170615
【審査請求日】2019年12月6日
(31)【優先権主張番号】102015015948.8
(32)【優先日】2015年12月8日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102016013739.8
(32)【優先日】2016年11月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】596055475
【氏名又は名称】ヴアブコ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】WABCO GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(72)【発明者】
【氏名】ブレトベック・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ディーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー・トールステン
【審査官】 田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−220074(JP,A)
【文献】 特開2002−098045(JP,A)
【文献】 特開平01−244179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー(1.1〜1.12)であって、
このダブルピストンコンプレッサーが、第1の圧力段(2)と第2の圧力段(3)とを備えており、これら圧力段が、それぞれに1つのシリンダー(4、7)と、そのシリンダー内において軸線方向移動可能に案内されたピストン(5、8)を有しており、
両方の前記シリンダー(4、7)が、駆動軸(12)の回転軸線(13)に関して、半径方向に向かい合って設けられており、
両方の前記ピストン(5、8)が、ピストンロッド(10)を介して、剛固に互いに結合されており、且つ、連結リンク案内部を介して、前記駆動軸(12)と駆動結合しており、
前記連結リンク案内部(14.1〜14.12)が、前記ピストンロッド(10)内において形成され、連結リンク軌道(16.1〜16.7)を備え且つ横断断面が前記駆動軸(12)の前記回転軸線(13)に対して垂直方向に整向された切欠き部(15.1〜15.7)を有しており、および、
前記連結リンク案内部(14.1〜14.12)が、前記切欠き部(15.1〜15.7)と係合状態にある、前記駆動軸(12)の前記回転軸線(13)に関して、軸線に平行に、且つ、偏心的に、並びに、回転可能に、前記駆動軸(12)に固定された駆動ローラー(17、17′、17″、25、25′)を有している様式の上記ダブルピストンコンプレッサーにおいて、
前記連結リンク案内部(14.1)の前記切欠き部(15.1)が、閉鎖された連結リンク軌道(16.1)によって区画されており、
この連結リンク軌道が、前記ピストンロッド(10)の中心軸線(11)に対して中央に整向されており、且つ、この連結リンク軌道の上で、前記駆動ローラー(17)が、両方の前記ピストン(5、8)に対して結果として生じる圧縮力によって、恒久的に押し付けられた状態で転動すること、
前記ピストンロッド(10)の前記中心軸線(11)に対して垂直方向に測定された、前記連結リンク軌道(16.1)の側方間隔が、最大で、前記駆動ローラー(17)の偏心性(e)の2倍と転がり半径(R)の2倍との合計に相応すること、および、
前記ピストンロッド(10)の前記中心軸線(11)に対して平行に測定された、前記連結リンク軌道(16.1)の、往復行程間隔が、前記駆動ローラー(17)の前記転がり半径(R)の2倍を上回っており、且つ、前記駆動ローラー(17)の前記偏心性(e)の2倍と前記転がり半径(R)の2倍との合計を下回っていること、
を特徴とするダブルピストンコンプレッサー。
【請求項2】
前記連結リンク軌道(16.1)の側方間隔は、値デルタ(Δ)だけ、前記駆動ローラー(17)の前記偏心性(e)の2倍と前記転がり半径(R)の2倍との合計よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項3】
前記値デルタ(Δ)は、前記駆動ローラー(17)の前記偏心性(e)の2倍と前記転がり半径(R)の2倍との合計の、1%から10%までの範囲内において存在することを特徴とする請求項2に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項4】
前記連結リンク案内部(14.1〜14.12)の切欠き部(15.1〜15.7)は、楕円形の連結リンク軌道(16.1〜16.7)によって区画されており、
この連結リンク軌道の主軸(H、H′)が、1つの長さ(L、L′)を有しており、この主軸の長さが、最大で、前記ピストンロッド(10)の前記中心軸線(11)に対しての垂直線(23)に対する、前記主軸(H、H′)の傾斜角度(α)の余弦で除された、前記駆動ローラー(17、17′、17″、25、25′)の前記偏心性(e)の2倍と前記転がり半径(R)の2倍との合計に相応し(L≦2×(e+R)/cosα、(ここでcosα>0);L′≦2×(e+R)/cosα)、および、
この連結リンク軌道の副軸(N)が、1つの長さ(L)を有しており、この副軸の長さが、前記駆動ローラー(17、17′、17″、25、25′)の前記偏心性(e)の2倍と前記転がり半径(R)の2倍との合計を下回っており(L<2×(e+R))、この副軸の長さが、しかしながら、少なくとも、楕円形の前記連結リンク軌道の隅半径(R)が前記駆動ローラー(17、17′、17″、25、25′)の前記転がり半径(R)よりも大きい程に、大きいこと、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項5】
前記連結リンク案内部(14.1、14.4〜14.12)の前記連結リンク軌道(16.1、16.3〜16.7)の前記主軸(H)は、前記ピストンロッド(10)の前記中心軸線(11)に対して垂直方向に整向されていることを特徴とする請求項4に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項6】
前記連結リンク案内部(14.2)の前記連結リンク軌道(16.2)の前記主軸(H′)は、前記ピストンロッド(10)の前記中心軸線(11)に対しての前記垂直線(23)に対して、前記駆動軸(12)の回転方向(21)に傾斜していることを特徴とする請求項4に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項7】
前記連結リンク案内部(14.3)の前記連結リンク軌道(16.2)の前記主軸(H′)は、前記ピストンロッド(10)の前記中心軸線(11)に対しての前記垂直線(23)に対して、前記駆動軸(12)の前記回転方向(21)とは逆に傾斜していることを特徴とする請求項4に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項8】
前記ピストンロッド(10)の前記中心軸線(11)に対しての前記垂直線(23)に対する、前記連結リンク軌道(16.2)の前記主軸(H′)の前記傾斜角度(α)は、最大で、45°であることを特徴とする請求項6または7に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項9】
前記連結リンク案内部(14.1〜14.3、14.5〜14.12)の前記連結リンク軌道(16.1、16.2、16.4〜16.7)は、前記副軸(N)の同じ長さの半軸を有して、対称的に形成されていることを特徴とする請求項4から8のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項10】
前記連結リンク案内部(14.4)の前記連結リンク軌道(16.3)は、前記副軸(N′)の異なる長さの半軸を有して、非対称的に形成されていることを特徴とする請求項4から8のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項11】
前記連結リンク軌道(16.1〜16.5、16.7)の前記主軸(H、H′)は、1つの長さ(L、L′)を有しており、
この長さが、前記ピストンロッド(10)の前記中心軸線(11)に対しての前記垂直線(23)に対する、前記主軸(H、H′)の前記傾斜角度(α)の余弦で除された、前記駆動ローラー(17、17″、25、25′)の前記偏心性(e)の2倍と前記転がり半径(R)の2倍との合計をほんの少しだけ下回っている(L<2×(e+R)/cosα、(ここでcosα>0);L′<2×(e+R)/cosα)ことを特徴とする請求項4から10のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項12】
両方の前記ピストン(5、8)は、それぞれに1つの密閉リング(6、9)を介して、前記シリンダー(4、7)内において案内されており、これら密閉リングが、ばね弾性的な材料から成る密閉スリーブとして形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項13】
前記密閉リング(6、9)は、前記中心軸線(11)に対して垂直方向の前記ピストン(5、8)の移動を許容することを特徴とする請求項12に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項14】
前記切欠き部(15)の半径方向の内側の表面(40.4)は、ばね弾性的な被膜(24)でもって覆われており、このばね弾性的な被膜が、前記連結リンク案内部(14.5)の前記連結リンク軌道(16.4)を形成することを特徴とする請求項1から13のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項15】
前記駆動ローラー(25′)の外壁は、ばね弾性的な被膜(24′)でもって被覆されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項16】
前記連結リンク案内部(14.5)の前記連結リンク軌道(16.4)の前記ばね弾性的な被膜(24)は、ゴムから成ることを特徴とする請求項14に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項17】
前記駆動ローラー(25′)の前記外壁の前記ばね弾性的な被膜(24′)は、ゴムから成ることを特徴とする請求項15に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項18】
前記連結リンク案内部(14.7、14.8)の前記連結リンク軌道(16.5)の、少なくとも1つの中央の部分は、自動的に、負荷に依存して外側へと湾曲可能に形成されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項19】
前記連結リンク軌道(16.5)の、少なくとも1つの前記中央の部分の壁部(29)は、ばね弾性的に形成されており、且つ、前記ピストンロッド(10)の中空室(30)を張架していることを特徴とする請求項18に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項20】
前記連結リンク軌道(16.5)の、少なくとも1つの前記中央の部分の壁部(31)は、曲げ弾性的に形成されており、且つ、前記ピストンロッド(10)の中空室(30′)を張架しており、この中空室内において、当該の前記壁部(31)との接触状態にある、少なくとも1つの圧縮ばね(32)が設けられていることを特徴とする請求項18に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項21】
前記連結リンク案内部(14.1〜14.8、14.11、14.12)の前記連結リンク軌道(16.1〜16.5)は、長手プロフィルにおいて、平坦に形成されていること、および、
前記駆動ローラー(17、25、25′)が、円筒形の外壁を有しており、この外壁を介して、この駆動ローラー(17、25、25′)が、前記連結リンク軌道(16.1〜16.5)の上で転動することを特徴とする請求項1から20のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項22】
前記連結リンク案内部(14.9)の前記連結リンク軌道(16.6)は、周囲に延在する内歯部(33)を備えていること、および、
前記駆動ローラー(17′)が、この駆動ローラーの外壁において、この内歯部と同じ歯ピッチを有する外歯部(34)を有しており、この外歯部の転がり円を介して、前記駆動ローラー(17′)が、前記連結リンク軌道(16.6)の前記内歯部(33)の前記転がり円の上で転動すること、
を特徴とする請求項1から20のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項23】
前記連結リンク案内部(14.10)の前記連結リンク軌道(16.7)は、周囲に延在する内側ウェブ(35)を備えていること、および、
前記駆動ローラー(17″)が、この駆動ローラーの外壁において、周囲に延在する環状溝(36)を有しており、この環状溝内へと、前記連結リンク軌道(16.7)の前記内側ウェブ(35)が、前記駆動ローラー(17″)の軸線方向の案内のために係合していること、
を特徴とする請求項21に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項24】
前記駆動ローラー(17、17′、17″)は、転がり軸受(18、18′、18″)、または、滑り軸受を介して、回転可能に、軸受ピン(20、20′)に軸受けされており、この軸受ピンが、偏心的に、前記駆動軸(12)に固定されていることを特徴とする請求項1から23のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項25】
前記駆動ローラー(17、17′、17″)は、前記転がり軸受(18、18′、18″)の外側リング(19、19′、19″)によって、または、前記滑り軸受のブッシュによって形成されていることを特徴とする請求項24に記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項26】
前記駆動ローラー(25、25′)は、円筒形の円板として形成しており、且つ、強固に中心の軸受ピン(26)と結合されており、
この軸受ピンが、転がり軸受または滑り軸受(27)を介して、回転可能に、偏心的に前記駆動軸(12)に設けられている、軸受穿孔(28)内において軸受けされている
ことを特徴とする請求項1から23のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【請求項27】
前記駆動ローラー(17)の前記軸受ピン(20′)、または、前記駆動ローラー(25)自体は、中央の、外側の軸受シャフト(37、40)を備えており、
この軸受シャフトが、転がり軸受(38)または滑り軸受を介して、
半径方向に外側で、ケーシング側で固定されている、前記駆動軸(12)の前記回転軸線(13)に対して同軸に軸合わせされている軸受ピン(39)の上で支持されていることを特徴とする請求項24から26のいずれか一つに記載のダブルピストンコンプレッサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサーに関し、
このダブルピストンコンプレッサーが、第1の圧力段と第2の圧力段とを備えており、これら圧力段が、それぞれに1つのシリンダーと、そのシリンダー内において軸線方向移動可能に案内されたピストンとを有しており、
その際、両方の前記シリンダーが、駆動軸の回転軸線に関して、半径方向に向かい合って設けられており、
その際、両方の前記ピストンが、ピストンロッドを介して、剛固に互いに結合されており、且つ、連結リンク案内部を介して、前記駆動軸と駆動結合しており、
その際、前記連結リンク案内部が、前記ピストンロッド内において形成され、連結リンク軌道を備え且つ横断断面が前記駆動軸の前記回転軸線に対して垂直方向に整向された、切欠き部を有しており、および、
その際、前記連結リンク案内部が、前記切欠き部と係合状態にある、前記駆動軸の前記回転軸線に関して、軸線に平行に、且つ、偏心的に、並びに、回転可能に、前記駆動軸に固定された駆動ローラーを有している。
【背景技術】
【0002】
ピストンロッドを介して、剛固に互いに結合された2つのピストンを有し、これらピストンが、軸線方向移動可能に、駆動軸の回転軸線に関して、半径方向に向かい合って設けられたシリンダー内において案内されている、ダブルピストンコンプレッサーは、久しい以前から、駆動技術的に異なる構成において公知である。
【0003】
特許文献1から公知の、ダブルピストンコンプレッサーの構造様式において、ピストンロッドは、コネクティングロッドを介して、駆動軸との駆動結合の状態にある。
このコネクティングロッドは、一方では、第1の端部側の穿孔内へと係合する、偏心的に、この駆動軸に固定された、クランクピンを介して、他方では、第2の端部側に穿孔内へと係合する、長手軸線方向に、偏心的に、このピストンロッドに固定された駆動ピンを介して、関節運動可能に、駆動軸およびピストンロッドと結合されている。
【0004】
ダブルピストンコンプレッサーの、著しく簡単な、且つ、スペースを節約する構造様式において、ピストンロッドは、それに対して、ただ連結リンク案内部だけを介して駆動軸との駆動結合の状態にある。公知の構成において、連結リンク案内部は、ピストンロッド内において設けられた、2つの平行な連結リンク軌道を備える、駆動軸の回転軸線に対して垂直方向に整向された切欠き部と、この切欠き部と係合状態にある、この駆動軸の回転軸線に関して、軸線に平行に且つ偏心的にこの駆動軸に固定された駆動要素とを備えている。
【0005】
特許文献2内において、連結リンク案内部を有するダブルピストンコンプレッサーが記載されており、このダブルピストンコンプレッサーにおいて、連結リンク案内部の切欠き部は、矩形に形成されている。
この様式の連結リンク案内部において、切欠き部の側壁は、平行な連結リンク軌道を形成しており、且つ、ピストンロッドの両方の部分が、この切欠き部の底壁を介して、互いに結合されている。駆動要素は、この連結リンク案内部において、転がり軸受の外側リングとして形成されており、この転がり軸受が、偏心的に、駆動軸に固定されたクランクピンに設けられており、且つ、この転がり軸受の外側リングが、転動運動可能に、連結リンク案内部の連結リンク軌道の間で案内されている。
【0006】
特許文献3から、それに対して、連結リンク案内部を有するダブルピストンコンプレッサーが公知であり、このダブルピストンコンプレッサーにおいて、連結リンク案内部の切欠き部は、スリット形状の貫通開口部として形成されている。
この連結リンク案内部の構成において、切欠き部の平坦な内壁は、平行な連結リンク軌道を形成しており、且つ、ピストンロッドの両方の部分が、端部側のウェブを介して互いに結合されており、これらウェブが、ここで、円弧形状に構成されており、適当な間隔において、しかしながら、同様に直線的に構成されていることも可能である。駆動要素は、この連結リンク案内部において、ローラーとして形成されており、このローラーが、偏心的に駆動軸固定されたクランクピンに、直接的に、回転可能に軸受けされており、且つ、転動運動可能に、この連結リンク案内部の連結リンク軌道の間で案内されている。
【0007】
両方のピストンに対して作用する圧縮力の、結果として生じる力方向に依存して、駆動要素は、両方の平行な連結リンク軌道に当接し、且つ、結果として生じる力方向の反転の際に、連結リンク案内部内において必然的に存在する空隙の切り抜けのもとで、それぞれに他方の連結リンク軌道への当接状態に移行する。
これら平行な連結リンク軌道の間の、駆動要素のこの様式の負荷変動の際に、不利に、連結リンク軌道との駆動要素の接触領域内において、高い局部的な負荷、および、相応する摩耗現象という事態となる。それに加えて、このことによって、ピストンロッドもしくはピストンの、往復行程経過における不連続性が生じる。同様に、この場合、不連続性によって誘起される、過度な騒音の発生の問題も存在する。
【0008】
この欠点の回避のために、特許文献4内において、連結リンク案内部を有するダブルピストンコンプレッサーが提案されており、このダブルピストンコンプレッサーにおいて、U字形の切欠き部の平行な連結リンク軌道が、軸線方向に位置ずれされた状態で、半径方向に反対に段差を付けられている。
駆動要素として、この連結リンク案内部において、2つの転がり軸受の外側リングが設けられており、これら転がり軸受は、軸線方向に隣接して、偏心的に駆動軸に固定されたクランクピンに設けられている。転がり軸受の外側リングは、それぞれに1つの連結リンク軌道の、十分に遊隙無く、交互に隆起した部分に当接しているべきである。外側リングの過大な寸法、または、平行な連結リンク軌道の低減された間隔との関連において、連結リンク軌道の間で、駆動要素の弾性的な予緊張を可能とするために、連結リンク軌道の隆起した部分は、有利には、弾性的な材料から成っている。
この公知のダブルピストンコンプレッサーの連結リンク案内部は、前記の連結リンク案内部に比して、しかしながら、増大された構造経費、および、増大された所要スペースを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第103 21771 B1号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第197 15 291 C2号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10 2012 223 114 A1号明細書
【特許文献4】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10 2011 086 913 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載された構造様式のダブルピストンコンプレッサーを提示することであり、
このダブルピストンコンプレッサーの連結リンク案内部が、付加的な構造部材、および、これと関連する、増大された構造空間必要量無しに、ピストンの連続的な往復行程経過が保証されるように形成されており、
その際、このピストンの往復行程経過内における不連続性、および、駆動ローラーの負荷変動による磨耗現象が回避される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1の特徴によって規定されている、ダブルピストンコンプレッサーによって解決される。有利な更なる構成は、従属請求項から見て取ることが可能である。
【発明の効果】
【0012】
従って、本発明は、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサーを出発点としており、
このダブルピストンコンプレッサーが、第1の圧力段、例えば低圧力段と、第2の圧力段、例えば高圧力段とを備えており、これら圧力段が、それぞれに1つのシリンダーと、そのシリンダー内において軸線方向移動可能に案内されたピストンとを有しており、
その際、両方の前記シリンダーが、駆動軸の回転軸線に関して、半径方向に向かい合って設けられており、
その際、両方の前記ピストンが、ピストンロッドを介して、剛固に互いに結合されており、且つ、連結リンク案内部を介して、前記駆動軸と駆動結合しており、
その際、前記連結リンク案内部が、前記ピストンロッド内において形成され、連結リンク軌道を備え且つ横断断面が前記駆動軸の前記回転軸線に対して垂直方向に整向された、切欠き部を有しており、および、
その際、前記連結リンク案内部が、前記切欠き部と係合状態にある、前記駆動軸の前記回転軸線に関して、軸線に平行に、且つ、偏心的に、並びに、回転可能に、前記駆動軸に固定された駆動ローラーを有している。
【0013】
本発明に従い、このダブルピストンコンプレッサーにおいて、付加的に、
前記連結リンク案内部の前記切欠き部が、閉鎖された連結リンク軌道によって区画されており、
この連結リンク軌道が、前記ピストンロッドの中心軸線に対して中央に整向されており、且つ、この連結リンク軌道の上で、前記駆動ローラーが、両方の前記ピストンに対して結果として生じる圧縮力によって、恒久的に押し付けられた状態で転動すること、
前記ピストンロッドの前記中心軸線に対して垂直方向に測定された、前記連結リンク軌道の側方間隔が、最大で、前記駆動ローラーの偏心性の2倍と転がり半径の2倍との合計に相応すること、および、
前記ピストンロッドの前記中心軸線に対して平行に測定された、前記連結リンク軌道の、往復行程間隔が、前記駆動ローラーの前記転がり半径の2倍を上回っており、且つ、前記駆動ローラーの前記偏心性の2倍と前記転がり半径の2倍との合計を下回っていること、が行われる。
【0014】
側方間隔は、ここで、中心軸線と連結リンク軌道との間の、中心軸線に対して垂直方向に測定された最大の間隔の合計を意味する。
この側方間隔は、従って、切欠き部の形成に応じて、同様に、それぞれの点で、中心軸線に対して垂直方向に測定された、この切欠き部の横断面よりも大きいことも可能である。むしろ、この側方間隔は、中心軸線に対して垂直方向の平面上への、切欠き部の最大の直径の投影である。
【0015】
往復行程間隔は、それとは反対に、理想化された考察において、中心軸線に沿って測定された、切欠き部の内法の幅を意味する。
【0016】
駆動ローラーの偏心的な配設によって、駆動軸の回転は、この駆動ローラーのクランク運動を生起し、このクランク運動が、連結リンク案内部の閉鎖された連結リンク軌道の上での駆動ローラーの押圧転動によって、ピストンロッドもしくは両方のピストンの周期的な往復運動へと変換される。その際、連結リンク軌道の、例えば自由形状曲線として構成された、幾何学的形状は、それぞれの圧力行程において存在するピストンに対する、往復運動に対抗するように指向する圧縮力との関連において、この連結リンク軌道との、駆動ローラーの恒常的な転がり接触のための働きをする。
従って、本発明に従う連結リンク案内部において、ピストンの往復行程経過内における不連続性、および、これと関連する駆動ローラーの負荷変動による磨耗現象は、そのための付加的な構造部材、および、これと関連する、増大された構造空間必要量が必要とされること無しに、自動的に回避される。
【0017】
第1の有利な実施形態において、連結リンク軌道の側方間隔は、値Δ(デルタ)だけ、駆動ローラーの偏心性の2倍と転がり半径の2倍との合計よりも小さい。
連結リンク軌道の側方間隔が、偏心性の2倍と転がり半径の2倍との合計、即ち、駆動ローラーの偏心性と転がり半径との合計の2倍に相応する場合、この駆動ローラーは、常に、連結リンク軌道との接触にある。側方間隔が、但し、値Δ(デルタ)だけ小さい場合、連結リンク軌道の不足の寸法が、駆動ローラーの移動によって形成される包絡円に比して存在し、従って、この駆動ローラーは、中心軸線の方向に、力を、ピストンロッドに対して作用するだけでなく、このピストンロッドの中心軸線に対して垂直方向にも作用する。このことによって、先ず第一に、許容差が補償され、且つ、連結リンク軌道との駆動ローラーの永続的な接触が保障される。
不足の寸法の連結リンク軌道に基づいての、ピストンロッドの軸線方向の位置ずれの補償は、例えば、適当な密閉材または可撓性の材料によって提供され得る。
【0018】
有利な実施形態において、値Δ(デルタ)は、駆動ローラーの偏心性の2倍と転がり半径の2倍との合計の、1%から5%までの範囲内である。特に有利には、この値Δ(デルタ)は、1.5%から2%までの範囲内において存在する。
【0019】
ピストンの、連続的な往復行程経過を達成するため、および、連結リンク案内部の製造を可能な限り容易に行うために、
連結リンク案内部の切欠き部は、有利には、基本的に楕円形の連結リンク軌道によって区画されており、
この連結リンク軌道の主軸が、1つの長さを有しており、この主軸の長さが、最大で、ピストンロッドの中心軸線に対しての垂直線に対する、主軸の傾斜角度の余弦で除された、駆動ローラーの偏心性の2倍と転がり半径の2倍との合計に相応し、および、
この連結リンク軌道の副軸が、1つの長さを有しており、この副軸の長さが、駆動ローラーの偏心性の2倍と転がり半径の2倍との合計を下回っており、この副軸の長さが、しかしながら、少なくとも、楕円形の連結リンク軌道の隅半径が駆動ローラーの転がり半径よりも大きい程に、大きい。
【0020】
連結リンク案内部の基礎構成において、楕円形の連結リンク軌道の主軸Hは、ピストンロッドの中心軸線に対して垂直方向に整向されている。
このことによって、ピストンの純粋な正弦波形状の往復行程移動は、それぞれに、両方のピストンの圧力行程および吸気行程において、同じ往復行程高さを有して生起される。連結リンク軌道の側方領域内における駆動ローラーの接触を保証するために、楕円形の連結リンク軌道の主軸Hの長さLは、この場合には、最大で、駆動ローラーの偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計に相応する(L≦2×(e+R))。
【0021】
連結リンク案内部の第1の変形例に従い、楕円形の連結リンク軌道の前記主軸H′は、ピストンロッドの中心軸線に対しての垂直線に対して、駆動軸の回転方向に傾斜している。
ピストンロッドの中心軸線に対しての垂直線に対する、楕円形の連結リンク軌道の傾斜によって、連結リンク案内部内における力関係は、一般的に、適当なやり方で、調節され得る。駆動軸の回転方向における連結リンク軌道の傾斜によって、それに加えて、連結リンク軌道の垂直方向の整向に関する往復行程曲線に対して、往復行程高さの増大と、遅れ方向における往復行程曲線の位相移動とが生起される。
一方では、連結リンク案内部内における駆動ローラーの移動可能性を、他方では、連結リンク軌道の側方領域内における駆動ローラーの接触を保証するために、ピストンロッドの中心軸線に対しての垂直線に対する、主軸H′の投影の短縮に基づいて、楕円形の連結リンク軌道の主軸H′の長さL′は、この場合には、最大で、ピストンロッドの中心軸線に対しての垂直線に対する、主軸H′の傾斜角度αの余弦で除された、駆動ローラーの偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計に相応する(L′≦2×(e+R)/cosα)。
【0022】
連結リンク案内部の第2の変形例に従い、連結リンク案内部の楕円形の連結リンク軌道の主軸H′は、ピストンロッドの中心軸線に対しての垂直線に対して、駆動軸の回転方向とは逆に傾斜している。
駆動軸の回転方向とは逆の連結リンク軌道の傾斜によって、連結リンク軌道の垂直方向の整向に関する往復行程曲線に対して、同様に往復行程高さの増大と、しかしながら、早める方向における往復行程曲線の位相移動とが生起される。
連結リンク案内部内における駆動ローラーの移動可能性と、連結リンク軌道の側方領域内における駆動ローラーの接触とを保証するために、同様にこの場合においても、楕円形の連結リンク軌道の主軸H′の長さL′は、最大で、ピストンロッドの中心軸線に対しての垂直線に対する、主軸H′の傾斜角度αの余弦で除された、駆動ローラーの偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計に相応する(L′≦2×(e+R)/cosα)。
【0023】
構造空間技術的、および、機能技術的な理由から、ピストンロッドの中心軸線に対しての垂直線に対しての、連結リンク軌道の前記主軸H′の傾斜角度αは、垂直線最大で、45°であるべきである。
駆動ローラーが連結リンク軌道に対する接触を有することを全ての作動条件のもとで保障するために、しかしながら、最大で、30°の傾斜角度は、有利と見なされる。
【0024】
連結リンク案内部の楕円形の連結リンク軌道は、副軸Nの同じ長さの半軸を有して、対称的に形成されている。
ピストンの往復行程高さzH_maxは、この場合には、吸気行程および圧力行程内において同一であり、且つ、楕円形の連結リンク軌道の副軸Nの長さLの半分でもって減算された、駆動ローラーの偏心性eと転がり半径Rとの合計から与えられる(zH_max=e+R−L/2)。
【0025】
連結リンク案内部の楕円形の連結リンク軌道が、しかしながら同様に、副軸N′の異なる長さの半軸を有して、非対称的に形成されていることも可能である。
例えば、高圧力段のピストンの方を向いた、副軸N′の半軸の長さL′/2は、他方の半軸の長さL/2に比して減じられており(L′/2<L/2)、このことによって、第2の圧力段のピストンの圧力行程の往復行程高さ、および、第1の圧力段のピストンの吸気行程の往復行程高さが、往復行程高さに対して同じ規模において、反対方向に増大されている(zH_max′=e+R−L′/2>zH_max=e+R−L/2)。
【0026】
楕円形の連結リンク軌道がピストンロッドの中心軸線に対して十分に平行に延在する部分を有する、この連結リンク案内部の側方の部分内においても、連結リンク軌道に対する駆動ローラーの半径方向の押圧力を生成するために、
連結リンク軌道の前記主軸H、H′は、1つの長さL、L′を有しており、この長さが、ピストンロッドの前記中心軸線に対しての垂直線に対する、主軸H、H′の傾斜角度αの余弦で除された、駆動ローラーの偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計をほんの少しだけ下回っている(L<2×(e+R)/cosα、(ここでcosα>0);L′<2×(e+R)/cosα)
【0027】
この場合、両方のピストンは、有利には、それぞれに1つの密閉リングを介して、シリンダー内において案内されており、これら密閉リングが、有利には、ばね弾性的な材料から成る密閉スリーブとして形成されている。
このことによって、楕円形の連結リンク軌道の主軸H、H′の不足の寸法によって生成される、駆動ローラーの半径方向の押圧力は、密閉スリーブによる、ピストンロッドの、少ない半径方向の移動との関連において、弾性的に支持される。密閉リングもしくは密閉スリーブは、有利には、中心軸線に対して垂直方向のピストンの移動を許容する。
【0028】
付加的にこの目的のために、駆動ローラーの押圧力が、
切欠き部の半径方向の内側の表面がばね弾性的な被膜でもって覆われており更にこの場合にこのばね弾性的な被膜が連結リンク案内部の連結リンク軌道を形成することによって、弾性的に支持されることは可能である。
選択的に、または、付加的に、駆動ローラーの外壁は、ばね弾性的な被膜でもって被覆されている。密閉スリーブとしての構成に対して選択的に、ピストンの密閉リングが、この場合には、同様に金属から成るピストンリングとして形成されていることも可能である。
【0029】
連結リンク案内部の連結リンク軌道、及び/または、駆動ローラーの外壁の、ばね弾性的な被膜は、有利には、ゴムから成っている。
駆動ローラーの半径方向の押圧力の弾性的な支持と並んで、ゴム被膜によって、有利には、駆動ローラーと連結リンク軌道との間の静止摩擦状態も増大され、且つ、これに伴って、駆動ローラーの滑り運動が回避され得る。
【0030】
連結リンク案内部のピーク負荷に低減のために、連結リンク案内部の連結リンク軌道の、少なくとも1つの中央の部分は、自動的に、負荷に依存して外側へと湾曲可能に形成されていることは可能である。
連結リンク軌道の中央の部分、このことによって可能な外側へと湾曲によって、所属するピストンの圧力行程の往復行程高さは、力に依存して減少され、且つ、これに伴って、連結リンク案内部の機械的なピーク負荷が低減される。
【0031】
この目的のために、例えば、連結リンク軌道の、少なくとも1つの中央の部分の壁部は、ばね弾性的に形成されており、且つ、ピストンロッドの中空室を張架していることが行われ、この中空室内において、高い負荷の場合に外側へと湾曲される、連結リンク軌道の中央の部分壁部が収容される。
【0032】
選択的に、この目的のために、連結リンク軌道の、少なくとも1つの中央の部分の壁部は、同様に曲げ弾性的に形成されており、且つ、ピストンロッドの中空室を張架しており、この中空室内において、当該の壁部との接触状態にある、少なくとも1つの圧縮ばねが設けられおり、且つ、この中空室内において、高い負荷の場合に外側へと湾曲される、連結リンク軌道の中央の部分壁部が収容される。
【0033】
楕円形の連結リンク軌道、および、この連結リンク軌道と接触状態にある、駆動ローラーの外壁の輪郭に関して、連結リンク案内部の連結リンク軌道が、長手プロフィルにおいて、平坦に形成されていること、および、駆動ローラーが、円筒形の外壁を有しており、この外壁でもって、この駆動ローラーが、連結リンク軌道の上で転動することは行われる。
連結リンク軌道と駆動ローラーとにおける、駆動軸の軸線方向におけるこの平坦な輪郭に基づいて、ピストンロッドの回転案内は生起され、この回転案内によって、ピストンの誤回転防止(Verdrehsicherung)は不必要である。それに加えて、このことによって、連結リンク軌道に対してのこの駆動ローラーの軸線方向の移動が可能であり、従って、製造許容差および熱膨張により誘起される、駆動軸もしくは駆動ローラーの軸線方向の移動は、締付け無しに補償され得る。
【0034】
駆動ローラーの側方の、半径方向の押圧力の生成のための、先に言及された構成無しに、駆動ローラーの転がり接触を保障するために、
連結リンク案内部の連結リンク軌道が、周囲に延在する内歯部を備えていること、および、駆動ローラーが、この駆動ローラーの外壁において、この内歯部と同じ歯ピッチを有する外歯部を有しており、この外歯部の転がり円を介して、駆動ローラーが、連結リンク軌道の内歯部の転がり円の上で転動することは、行われ得る。
有歯部の製造のための製造経費は、しかしながら、比較的に高い。同様に連結リンク案内部のこの構成においても、ピストンロッドの回転案内は生起され、且つ、連結リンク軌道に対する駆動ローラーの軸線方向の移動は可能である。
【0035】
しかしながら、駆動ローラー、および、この駆動ローラーと結合された駆動軸の軸線方向案内が所望されている場合、この軸線方向案内は、
連結リンク案内部の連結リンク軌道が、周囲に延在する内側ウェブを備えていること、および、駆動ローラーが、この駆動ローラーの外壁において、周囲に延在する環状溝を有しており、この環状溝内へと、連結リンク軌道の内側ウェブが、駆動ローラーの軸線方向の案内のために係合していること、
によって達成され得る。
【0036】
駆動ローラーの第1の構造様式において、駆動ローラーは、転がり軸受、または、滑り軸受を介して、回転可能に、軸受ピンに軸受けされており、この軸受ピンが、偏心的に、前記駆動軸に固定されている。コンパクトな構造様式の達成のために、駆動ローラーは、転がり軸受の外側リングによって、または、滑り軸受のブッシュによって形成されている。
【0037】
駆動ローラーの第2の構造様式において、駆動ローラーは、円筒形の円板として形成しており、且つ、強固に中心の軸受ピンと結合されており、この軸受ピンが、転がり軸受または滑り軸受を介して、回転可能に、偏心的に駆動軸に設けられている、軸受穿孔内において軸受けされている。
【0038】
駆動ローラーおよび駆動軸の改善された軸受けのために、付加的に、
駆動ローラーの軸受ピン、または、駆動ローラー自体は、中央の、外側の軸受シャフトを備えており、この軸受シャフトが、転がり軸受または滑り軸受を介して、半径方向に外側で、ケーシング側で固定されている、駆動軸の回転軸線に対して同軸に軸合わせされている軸受ピンの上で支持されていることは、行われ得る。
【0039】
本発明を、以下で、添付された図内において図示された、12個の実施例に基づいて、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの本発明に従う第1の実施形態の図である。
図1a】横断面図における、図1に従う、ダブルピストンコンプレッサーの図である。
図1b】グラフにおける、図1および図1aに従う、ダブルピストンコンプレッサーのピストンの往復行程曲線の図である。
図2】長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの本発明に従う第2の実施形態の図である。
図2a】横断面図における、図2に従う、ダブルピストンコンプレッサーの図である。
図2b】グラフにおける、図2および図2aに従う、ダブルピストンコンプレッサーのピストンの往復行程曲線の図である。
図3】長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの本発明に従う第3の実施形態の図である。
図3a】横断面図における、図3に従う、ダブルピストンコンプレッサーの図である。
図3b】グラフにおける、図3および図3aに従う、ダブルピストンコンプレッサーのピストンの往復行程曲線の図である。
図4】長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの本発明に従う第4の実施形態の図である。
図4a】横断面図における、図4に従う、ダブルピストンコンプレッサーの図である。
図4b】グラフにおける、図4および図4aに従う、ダブルピストンコンプレッサーのピストンの往復行程曲線の図である。
図5】部分的な長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの第5の実施形態の図である。
図6】部分的な長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの第6の実施形態の図である。
図7】部分的な横断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの第7の実施形態の図である。
図8】部分的な横断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの、本発明に従う第8の実施形態の図である。
図9】部分的な横断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの第9の実施形態の図である。
図10】部分的な長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの第10の実施形態の図である。
図11】部分的な長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの第11の実施形態の図である。
図12】部分的な長手中央断面図における、ダブルピストンコンプレッサーの第12の実施形態の図である。
図13a】減少された連結リンク軌道の側方間隔を図解する、概略的な図である。
図13b】減少された連結リンク軌道の側方間隔を図解する、概略的な図である。
図13c】減少された連結リンク軌道の側方間隔を図解する、概略的な図である。
図13d】減少された連結リンク軌道の側方間隔を図解する、概略的な図である。
【0041】
図内における断面は、参照符号A、B、C、D、E、F、K、Lによって、識別し易くされている。
【0042】
本発明に従い形成された、基礎構成とみなし得る、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー1.1の第1の実施形態は、図1内において長手中央断面図で、および、図1a内において横断面図で描かれている。
このダブルピストンコンプレッサー1.1は、低圧力段として形成された第1の圧力段2と、高圧力段として形成された第2の圧力段3とを備えており、これら圧力段が、それぞれに1つのシリンダー4、7と、そのシリンダー内において軸線方向移動可能に案内されたピストン5、8とを有している。両方のピストン5、8は、有利には、例えばゴムのような、弾性的な材料から成るスリーブとして形成されている、それぞれに1つの密閉リング6、9を介して所属するシリンダー4、7に対して密閉され、且つ、滑り移動可能にこのシリンダー内において案内されている。
両方のシリンダー4、7は、駆動軸12の回転軸線13に関して、半径方向に向かい合って設けられている。両方のピストン5、8は、ピストンロッド10を介して、剛固に互いに結合されており、且つ、連結リンク案内部14.1を介して、駆動軸12と駆動結合している。
この連結リンク案内部14.1は、
ピストンロッド10内において設けられ、閉鎖された楕円形の連結リンク軌道16.1によって境界され且つ横断断面が駆動軸12の回転軸線13に対して垂直方向に整向された、切欠き部15.1と、
この切欠き部15.1の連結リンク軌道16.1と係合状態にある、駆動軸12の回転軸線13に関して、軸線に平行に、且つ、偏心的に、並びに、回転可能に、駆動軸12に固定された駆動ローラー17とを備えている。
【0043】
切欠き部15.1、および、これに伴って、同様に連結リンク案内部14.1も、ピストンロッド10の中心軸線11に対して中央に整向されている。楕円形の連結リンク軌道16.1の主軸Hは、1つの長さLを有しており、この長さが、駆動ローラー17の偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計を、ほんの少しだけ下回っている(図13a〜dも参照;図13a〜dに関して、下回りの効果が、より正確に図示されている)。ピストンロッド10での中心軸線11に対しての垂直線に対する、連結リンク軌道16.1の傾斜が、垂直線図1および1aに従う実施例において、ゼロに等しいので、式;L<2×(e+R)/cosα、(ここで、cosα=1)が、主軸Hの長さLに関して成り立つ。
楕円形の連結リンク軌道16.1の副軸Nは、1つの長さLを有しており、この長さが、駆動ローラー17の偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計を下回っており、従って、
式;L<2×(e+R)が成り立ち、その際、この長さLは、しかしながら、少なくとも、楕円形の連結リンク軌道16.1の隅半径Rが駆動ローラー17の転がり半径Rよりも大きい程に、大きい(R>R)。
駆動ローラー17は、ここで、転がり軸受18によって形成されており、この転がり軸受が、偏心性eだけ偏心的に、駆動軸12に固定された軸受ピン20に設けられている。
【0044】
軸受ピン20の偏心的な配設によって、駆動軸12の回転は、駆動ローラー17のクランク運動を生起し、その際、このクランク運動が、連結リンク案内部14.1の閉鎖された楕円形の連結リンク軌道16.1の上での駆動ローラー17の押圧転動によって、ピストンロッド10、およびこれに伴って、両方のピストン5、8の周期的な往復運動へと変換される。その際、楕円形の連結リンク軌道16.1の先に言及された幾何学的形状は、それぞれの圧力行程において存在するピストン5、8に対する、往復運動に対抗するように指向する圧縮力との関連において、この連結リンク軌道16.1との、駆動ローラー17の恒常的な転がり接触のための働きをする。
公知の連結リンク案内部において、ピストン5、8の往復行程経過内において発生する不連続性、および、これと関連する駆動ローラー17の負荷変動による磨耗現象は、これに伴って回避される。
【0045】
連結リンク案内部14.1の楕円形の連結リンク軌道16.1が、長手プロフィルにおいて平坦に形成しており、且つ、駆動ローラー17が、その外壁を介してこの駆動ローラー17が連結リンク軌道16.1に上で転動する円筒形の該外壁を有しているので、
それに加えて、連結リンク軌道16.1に対してのこの駆動ローラー17の軸線方向の移動が可能であり、従って、製造許容差および熱膨張により誘起される、駆動軸12と駆動ローラー17の軸線方向の移動は、締付け無しに補償(ausgeglichen)され得る。
【0046】
図1bのグラフ内において、ダブルピストンコンプレッサー1.1のピストンロッド10、もしくは、ピストン5、8の往復行程曲線z(φ)は、駆動軸12の回転に関して描かれており、その際、駆動軸12の回転角度がφでもって表示されており、且つ、この駆動軸12の回転方向が、図1aの横断面図内において描かれた回転方向矢印21に相応して、時計方向に仮定されている。
図1および1a内において、軸受ピン20および駆動ローラー17は、駆動軸12の90°に位置において図示されている。ピストン5、8の往復行程高さは、図1bのグラフ内において、zでもって表示されており、その際、これらピストン5、8の往復行程方向は、図1内において描かれた往復行程方向矢印22に相応して、高圧力段3のシリンダー7の方向に、正に仮定されている。
図1bのグラフ内において描かれている、ピストン5、8の往復行程曲線z(φ)は、規則的な正弦波形状の経過を有しており、この経過の振幅zH_maxは、楕円形の連結リンク軌道16.1の副軸Nの長さLの半分だけ減じられた、駆動ローラー17の偏心性eと転がり半径Rとの合計から与えられ、従って、式;zH_max=e+R−L/2が成り立つ。
【0047】
圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー12の、本発明に従う第2の実施形態は、図2内において長手中央断面図で、および、図2a内において横断面図で描かれている。
このダブルピストンコンプレッサー12の実施形態は、図1に従うダブルピストンコンプレッサー1.1と、連結リンク案内部14.2の変化された配設によって相違している。ここで、楕円形の連結リンク軌道16.2を有する切欠き部15.2は、ピストンロッド10の中心軸線11に対しての垂直線23に対して、駆動軸12の回転方向21に、ここでα=30°の傾斜角度αだけ回転されて設けられている。垂直線23に対する、傾斜によって条件付けられた投影の短縮に基づいて、楕円形の連結リンク軌道16.2の主軸H′は、ここで、相応して増大された長さL′を有し、この長さが、主軸H′の傾斜角度αの余弦で除された、駆動ローラー17の偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計を、ほんの少しだけ下回っている(L′<2×(e+R)/cosα、(ここでcosα>0))。
このことによって、一方では、連結リンク案内部14.2内における駆動ローラー17の移動可能性が、他方では、連結リンク軌道16.2の側方領域内における駆動ローラー17の接触が保証される(図13a〜13dも参照)。
【0048】
図2bのグラフ内において描かれている、ダブルピストンコンプレッサー1.4の、ピストン5、8もしくはピストンロッド10の往復行程曲線z(φ)は、修正された正弦波形状の経過を有しており、この経過が、駆動軸12の回転方向21に傾斜した楕円形の連結リンク軌道16.2の配設に基づいて、遅れ方向における位相移動と、図1および図1aに従う連結リンク軌道16.1の垂直の配設における往復行程高さzH_maxを越える往復行程高さとを有している。
比較のために、図2b内において、同様に、図1および1aに従うダブルピストンコンプレッサー1.1のピストン5、8の往復行程曲線z(φ)も、図1bから一点鎖線の曲線として記入されている。
【0049】
圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー1.3の、本発明に従う第3の実施形態は、図3内において長手中央断面図で、および、図3a内において横断面図で描かれている。
このダブルピストンコンプレッサー1.3の実施形態は、図1に従うダブルピストンコンプレッサー1.1と、連結リンク案内部14.3の、異なる方法で変化された配設によって相違している。この場合、楕円形の連結リンク軌道16.2を有する切欠き部15.3は、ピストンロッド10の中心軸線11に対しての垂直線23に対して、駆動軸12の回転方向21とは逆に、α=−30°の傾斜角度αだけ回転されて設けられている。
同様にこの場合も、楕円形の連結リンク軌道16.2の主軸H′は、垂直線23に対する、傾斜によって条件付けられた投影の短縮に基づいて、相応して増大された長さL′を有し、この長さが、主軸H′の傾斜角度αの余弦で除された、駆動ローラー17の偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計を、ほんの少しだけ下回っている(L′<2×(e+R)/cosα、(ここでcosα>0))。
【0050】
図3bのグラフ内において描かれている、ダブルピストンコンプレッサー1.4の、ピストン5、8もしくはピストンロッド10の往復行程曲線z(φ)は、修正された正弦波形状の経過を有しており、この経過が、駆動軸12の回転方向21とは逆に傾斜し、楕円形の連結リンク軌道16.2の配設に基づいて、早める方向における位相移動と、図1および図1aに従う連結リンク軌道16.1の垂直の配設における往復行程高さzH_maxを越える往復行程高さとを有している。
比較のために、図3b内において、同様に、図1および1aに従うダブルピストンコンプレッサー1.1のピストン5、8の往復行程曲線z(φ)も、図1bから一点鎖線の曲線として記入されている。
【0051】
圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー1.4の、本発明に従う第3の実施形態は、図4内において長手中央断面図で、および、図4a内において横断面図で描かれている。
このダブルピストンコンプレッサー1.4の実施形態は、図1に従うダブルピストンコンプレッサー1.1と、連結リンク案内部14.4の、変化された配設によって相違している。既に記載した連結リンク案内部14.1、14.2、14.3において、楕円形の連結リンク軌道16.1、16.2が、それぞれに対称的に形成されているのに対して、図4および4a内において示された連結リンク案内部14.4は、切欠き部15.3内において、楕円形の連結リンク軌道16.3の副軸N′の両方の半軸の、異なる長さL/2、L′/2でもって、ここで、非対称的に形成されている。ここで、高圧力段3のピストン8の方を向いた副軸N′の半軸は、この副軸N′の他方の半軸の長さL/2に比して減じられた長さL′/2を有している(L′/2<L/2)。
このことによって、高圧力段3のピストン8の圧力行程の往復行程高さ、および、低圧力段2のピストン5の吸気行程の往復行程高さは、往復行程高さに対して同じ規模において、反対方向に増大されている(zH_max′=e+R−L′/2>zH_max=e+R−L/2)。
【0052】
図4bのグラフ内において描かれている、ダブルピストンコンプレッサー1.4の、ピストン5、8もしくはピストンロッド10の往復行程曲線z(φ)は、中心軸線に関して非対称的な正弦波形状の経過を有しており、この経過が、楕円形の連結リンク軌道16.3の副軸N′の、高圧力段3のピストン8の方を向いた半軸の減ぜられた長さL′/2に基づいて、増大された往復行程高さzH_max′を有している。
比較のために、図4b内において、同様に、図1および1aに従うダブルピストンコンプレッサー1.1のピストン5、8の往復行程曲線z(φ)も、図1bから一点鎖線の曲線として記入されている。
明確化のために、図4b内において、同様に、ΔzH_maxでもって表示された、往復行程高さの差分(ΔzH_max=ΔzH_max′−ΔzH_max)も記入されている。
【0053】
図5内において、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー1.5の本発明に従う第5の実施形態が、部分的な長手中央断面図において描かれている。
連結リンク案内部14.5のこの実施形態において、楕円形の連結リンク軌道16.4は、相応して増大された切欠き部15.4において、有利には、ゴムから成るばね弾性的な被膜24でもって覆われている。このことによって、楕円形の連結リンク軌道16.4の主軸Hの不足の寸法によって生成される、側方の、半径方向の、駆動ローラー17の押圧力は、ピストンロッド10の少ない、半径方向の移動との関連において、密閉スリーブ6、9に対して付加的に、同様にこのばね弾性的な被膜24を介して、弾性的に支持される。
【0054】
これに対して選択的に、図6内において部分的な長手中央断面図において描かれている、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー1.6の本発明に従う第6の実施形態において、そこでの連結リンク案内部14.6の場合、切欠き部15.1内において、駆動ローラー25′は、この駆動ローラーの外径の相応する低減において、有利には、ゴムから成るばね弾性的な被膜24′でもって覆われている。
図6内において、駆動ローラー25′は、例示的に、先に記載された駆動ローラー17の実施形態に対して選択的に形成されている。ここで、この駆動ローラー25′は、円筒形の円板として形成しており、且つ、強固に中心の軸受ピン26と結合されており、この軸受ピンが、滑り軸受27を介して、回転可能に、偏心性eだけ偏心的に駆動軸12に設けられている軸受穿孔28内において軸受けされている。
【0055】
図7および8内において、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー17、1.8の、本発明に従う第7および本発明に従う第8の実施形態が、それぞれに部分的な横断面図において描かれており、これら実施形態において、ピストンロッド10の切欠き部15.5内における、それぞれの連結リンク案内部14.7、14.8の楕円形の連結リンク軌道16.5の、この連結リンク軌道の長手方向延在における中央の部分は、それぞれに、自動的に、負荷に依存して外側へと湾曲可能に形成されている。
図7に従う、連結リンク案内部14.7の構成において、連結リンク軌道16.5の上記中央の部分の壁部29は、ばね弾性的に形成されており、且つ、それぞれにピストンロッド10の中空室30を張架している。
図8に従う、連結リンク案内部14.8の構成において、連結リンク軌道16.5の上記中央の部分の壁部31は、曲げ弾性的に形成されており、且つ、それぞれにピストンロッド10の中空室30′を張架しており、この中空室内において、それぞれに当該の壁部31との接触状態にある、ここで例えば円弧状ばねとして形成された、圧縮ばね32が設けられている。
このことによって可能な、連結リンク軌道16.5の上記中央の部分の外側への湾曲によって、それぞれの所属する(zugewandten)ピストン5、8の圧力行程の往復行程高さは、力に依存して減少され、且つ、これに伴って、連結リンク案内部14.7、14.8のピーク負荷が低減される。
図7および8内において、高圧力段3のシリンダー7の方を向いた、連結リンク軌道16.5の壁部29、31は、それぞれに、90°の位置において存在する駆動ローラー17によって、外側へと湾曲されて形成されている。連結リンク軌道16.5の、半径方向に向かい合って位置する壁部29、31は、これに対して、図7および8内において、それぞれに、外側へと湾曲されていない形状において図示されている。
【0056】
連結リンク案内部14.1〜14.8の先に記載された構成において、連結リンク軌道16.1〜16.5は、長手プロフィルにおいて、それぞれに平坦に形成されており、且つ、駆動ローラー17、25′が、円筒形の外壁を有しており、この外壁でもって、駆動ローラー17、25′が、それぞれの連結リンク軌道16.1〜16.5の上で転動する。
連結リンク軌道16.1〜16.5と、駆動ローラー17、25′との間の、駆動軸12の軸線方向におけるこの平坦な輪郭に基づいて、ピストンロッド10の回転案内が生起され、この回転案内によって、ピストン5、8の誤回転防止は不必要である。それに加えて、このことによって、連結リンク軌道16.1〜16.5に対してのこの駆動ローラー17、25′の軸線方向の移動が可能であり、従って、製造許容差および熱膨張により誘起される、駆動軸12もしくは駆動ローラー17、25′の軸線方向の移動は、締付け無しに補償され得る。
【0057】
図1および1aに従うダブルピストンコンプレッサー1.1を出発点として、図9内において、部分的な横断面図において描かれた、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー1.9の本発明に従う第9の実施形態は、切欠き部15.6を区画する連結リンク軌道16.6の内歯部33、並びに、連結リンク案内部14.9の駆動ローラー17′における外歯部によって相違している。
それに従って、連結リンク案内部14.9の連結リンク軌道16.6は、周囲に延在する内歯部33を備えており、且つ、駆動ローラー17′が、転がり軸受18′の外側リング19′によって形成されたこの駆動ローラーの外壁において、この内歯部と同じ歯ピッチを有する外歯部34を有しており、この外歯部の転がり円を介して、駆動ローラー17′が、連結リンク軌道16.6の内歯部33の転がり円の上で転動する。
この噛み合い係合によって、連結リンク軌道16.6との駆動ローラー17′の連続的な転がり接触は保障される。駆動ローラー17′の側方の、半径方向の押圧力の生成のための、楕円形の連結リンク軌道16.6の主軸Hの長さLのほんの少しだけの低減、および、この押圧力の弾性的な支持のための、先に記載された構成は、連結リンク案内部14.9のこの構成において、従って必要ではない。
有歯部の製造のための製造経費は、しかしながら、比較的に高い。同様に連結リンク案内部14.9のこの構成においても、ピストンロッド10の回転案内は生起され、且つ、連結リンク軌道16.6に対する駆動ローラー17′の軸線方向の移動は可能である。
【0058】
図10内において、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー1.10の本発明に従う第10の実施形態が、部分的な長手中央断面図において描かれており、この実施形態において、駆動ローラー17″、および、この駆動ローラーと結合された駆動軸12は、連結リンク案内部14.10を介して、軸線方向に、ピストンロッド10内において案内されている。
連結リンク案内部14.10のこの構成において、切欠き部15.7を区画する連結リンク軌道16.7は、周囲に延在する内側ウェブ35を備えており、且つ、駆動ローラー17″が、この駆動ローラーの、転がり軸受18″の外側リング19″として形成された半径方向の外壁において、周囲に延在する環状溝36を有しており、この環状溝内へと、楕円形の連結リンク軌道16.7の内側ウェブ35が、駆動ローラー17″の軸線方向の案内のために係合している。
【0059】
図11および12内において、圧縮空気供給装置のダブルピストンコンプレッサー1.11、1.12の、本発明に従う第11および本発明に従う第12の実施形態が、それぞれに部分的な長手中央断面図において描かれており、これら実施形態において、駆動ローラー17、25、および、駆動軸12は、それぞれに付加的な軸受部を備えている。
図11に従う、ダブルピストンコンプレッサー1.11の実施形態において、駆動ローラー17、並びに、切欠き部15.1を区画する、連結リンク案内部14.11の連結リンク軌道16.1は、図1から4、並びに、図7および図8から周知の構造様式を有している。
付加的な軸受けのために、この場合、しかしながら、駆動ローラー17の軸受ピン20′は、中央の、軸線方向に外側の軸受シャフト37を備えており、この軸受シャフトが、転がり軸受38を介して、半径方向に外側で、ケーシング側で固定されている、駆動軸12の回転軸線13に対して同軸に軸合わせされている軸受ピン39の上で支持されている。
【0060】
図12に従う、ダブルピストンコンプレッサー1.12の実施形態において、ばね弾性的な被膜24′の無い駆動ローラー25が、図6内において示された構造様式に相応している。
付加的な軸受けのために、この連結リンク案内部14.12において、駆動ローラー25は、ここで、自体、中央の、軸線方向に外側の軸受シャフト40を備えており、この軸受シャフトが、転がり軸受38を介して、半径方向に外側で、ケーシング側で固定されている、駆動軸12の回転軸線13に対して同軸に軸合わせされている軸受ピン39の上で支持されている。
【0061】
図13aから13dまでは、再度、楕円形の連結リンク軌道16の主軸Hの不足の寸法が設けられており、且つ、しかも、この連結リンク軌道16の側方間隔が、駆動ローラー17の偏心性eの2倍と転がり半径Rの2倍との合計よりも、値Δだけ小さい、場合の状態を図解している。
【0062】
図13aから13dまで内において、要素は、先ず第一に、12の実施形態と同じ参照符号を有して示された状態で図示されており、その際、後置された符号が放棄され、且つ、それ故に、例えば、符号1がダブルピストンコンプレッサーを所定の実施例のための接尾語無しに指示する。何故ならば、図13aから13dまで内における概略的な図示が、全ての実施例に対して同じように関連があるからである。
【0063】
単純化のために、切欠き部15は、水平方向に整向された主軸Hを有する水平方向に整向された楕円として図示されている。ピストンの中心軸線は、参照符号11でもって指示されており、且つ、ダブルピストンコンプレッサー1の中心軸線が、参照符号41でもって指示されている。
【0064】
図13aから例示的に見て取れるように、駆動軸12(概略的な図13a〜13d内において示されていない)の回転軸線13は、中心軸線41と交差している。
駆動軸12が回転した場合、駆動ローラー17は、1つの軌道に沿って案内され、且つ、包絡円42を描く。この包絡円42は、円形であり、且つ、図13a〜13dから見て取れるように、連結リンク軌道16の主軸Hと同様に副軸Nよりも大きい。従って、駆動ローラー17は、図13a内において示された、駆動ローラーが270°の角度に関連して上死点へと回転された位置において、ピストンロッド10を、図13aに関して左側へと押圧し、従って、ピストンロッド10の中心軸線11が、値Δ/2だけ位置ずれされる。総じて、即ち、図13a内において主軸Hの長さLに相応する連結リンク軌道16の側方間隔は、値Δだけ、駆動ローラー17の偏心性eと転がり半径Rとの合計の2倍よりも小さい。
【0065】
値Δ/2だけの、ピストンロッド10の軸線方向の位置ずれは、この図示内において、弾性的である密閉リング6、9によって補償される。例えば図5または図6に実施例のような、他の実施形態において、値Δ/2だけの軸線方向の位置ずれの補償を、ばね弾性的な被膜24、24′によって補償することは、同様に可能である。
【0066】
総じて、連結リンク軌道16のこの特有の構成により、仮に製造許容差が顧慮される場合であっても、駆動ローラー17が、恒久的に、連結リンク軌道との当接状態にあることは達成される。
駆動ローラーは、所望された圧力を、恒久的に連結リンク軌道16に対して有しており、且つ、ダブルピストンコンプレッサー1が、振動または動揺に曝されている場合であっても、連結リンク軌道16からの駆動ローラー17の不連続性(Unstetigkeit)、即ち、持上げ(Abheben)は、同様に生じない。
【符号の説明】
【0067】
1.1 ダブルピストンコンプレッサー、第1の実施形態
12 ダブルピストンコンプレッサー、第2の実施形態
1.3 ダブルピストンコンプレッサー、第3の実施形態
1.4 ダブルピストンコンプレッサー、第4の実施形態
1.5 ダブルピストンコンプレッサー、第5の実施形態
1.6 ダブルピストンコンプレッサー、第6の実施形態
17 ダブルピストンコンプレッサー、第7の実施形態
1.8 ダブルピストンコンプレッサー、第8の実施形態
1.9 ダブルピストンコンプレッサー、第9の実施形態
1.10 ダブルピストンコンプレッサー、第10の実施形態
1.11 ダブルピストンコンプレッサー、第11の実施形態
1.12 ダブルピストンコンプレッサー、第12の実施形態
2 第1の圧力段、低圧力段
3 第2の圧力段、高圧力段
4 第1のシリンダー
5 第1のピストン
6 密閉リング、密閉スリーブ
7 第2のシリンダー
8 第2のピストン
9 密閉リング、密閉スリーブ
10 ピストンロッド
11 中心軸線
12 駆動軸
13 回転軸線
14.1〜14.12 連結リンク案内部
15.1〜15.7 切欠き部
16.1〜16.7 連結リンク軌道
17、17′、17″ 駆動ローラー
18、18′、18″ 転がり軸受
19、19′、19″ 転がり軸受18、18′の外側リング
20、20′ 軸受ピン
21 回転方向矢印、回転方向
22 往復行程方向矢印、往復行程方向
23 垂直線
24、24′ ばね弾性的な被膜
25、25′ 駆動ローラー
26 軸受ピン
27 滑り軸受
28 軸受穿孔
29 図7に従う、連結リンク軌道16.5の壁部
30、30′ 中空室
31 図8に従う、連結リンク軌道16.5の壁部
32 圧縮ばね、円弧状ばね
33 内歯部
34 外歯部
35 内側ウェブ
36 環状溝
37 軸受シャフト
38 転がり軸受
39 軸受ピン
40 軸受シャフト
40.4 切欠き部の表面
41 ダブルピストンコンプレッサーの中心軸線
42 駆動軸の包絡円
A〜F、K、L 断面
e 偏心性
H、H′ 主軸
、L′ 主軸の長さ
、L′ 副軸の長さ
N、N′ 副軸
隅半径
転がり半径
往復行程高さ
(φ) 往復行程曲線
H_max 往復行程高さ
H_max′ 往復行程高さ
ΔzH_max 往復行程高さの差分
α 傾斜角度
cos(α) 傾斜角度の余弦
φ 回転角度
Δ 不足の寸法の値
図1
図1a
図1b
図2
図2a
図2b
図3
図3a
図3b
図4
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図13c
図13d