(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6905638
(24)【登録日】2021年6月29日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】共有循環可能な物流器具のモニタリング方法およびそのシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20210708BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-518021(P2020-518021)
(86)(22)【出願日】2018年9月26日
(65)【公表番号】特表2020-535553(P2020-535553A)
(43)【公表日】2020年12月3日
(86)【国際出願番号】CN2018107611
(87)【国際公開番号】WO2019062761
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2020年5月22日
(31)【優先権主張番号】201710908308.X
(32)【優先日】2017年9月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海鴻研物流技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,チンシン
【審査官】
衣川 裕史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−193388(JP,A)
【文献】
国際公開第01/073220(WO,A1)
【文献】
特開2013−257835(JP,A)
【文献】
特開2016−085652(JP,A)
【文献】
特開2003−011973(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/057521(WO,A1)
【文献】
特開2014−038427(JP,A)
【文献】
特開2009−193406(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/108050(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0023431(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第101610962(CN,A)
【文献】
物流現場の自動化・省力化,MATERIAL FLOW,株式会社流通研究社,2016年 9月 1日,第57巻,第9号,pp.38-41,ISSN:1342-4599
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有循環可能な物流器具のモニタリング方法であって、
循環可能な物流器具を複数のユーザーによって時分割されて共有し、サーバーには各ユーザーに対応する有効エリアセットが保存され、各有効エリアセットには1つまたは複数の地理的エリアを含むステップと、
サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得するステップと、
前記器具識別子に従って、前記循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する有効エリアセットを照会するステップと、
前記ポジショニング情報に従って、前記循環可能な物流器具が照会された有効エリアセット中の各地理的エリア外に滞在し、滞在時間が所定のしきい値を超えると、警報するステップとを含むことを特徴とする、前記共有循環可能な物流器具のモニタリング方法。
【請求項2】
各前記循環可能な物流器具は、器具識別子を有する無線信号を発送するための無線通信モジュールを含み、
前記「サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得する」ステップは、前記循環可能な物流器具によって継続的に発送される器具識別子を有する無線信号により、前記循環可能な物流器具のポジショニング情報を取得するサブステップを含むことを特徴とする
請求項1に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリング方法。
【請求項3】
前記警報ステップは、前記循環可能な物流器具の現在のユーザーが使用している端末機器に警報情報を送信するサブステップを含むことを特徴とする
請求項1に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリング方法。
【請求項4】
前記サーバーは、予め設定された1つまたは複数のブラックリストエリアセットを有し、各ブラックリストエリアセットは、1つまたは複数の地理的エリアを有し、
前記「サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得する」ステップは、その後、
前記ポジショニング情報に従って、前記循環可能な物流器具が前記ブラックリストエリアセット中の各地理的エリアに位置すると判断されると、警報するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリング方法。
【請求項5】
前記サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子および地理的位置およびポジショニング時間を含むポジショニング情報を継続的に取得し、
前記ポジショニング情報に対応する器具識別子の照会に従って、現在前記器具識別子に対応するユーザーを取得して、ポジショニング情報とユーザーの対応関係を構築し、
同じユーザーに対応するポジショニング情報を統計し、各ユーザーに1つの地理的エリアセットをそれぞれ構築し、前記地理的エリアセットの各地理的エリアにおいて、前記ユーザーの循環可能な物流器具が前記地理的エリアに留まった時間が少なくとも1回は所定のしきい値を超えるようにすることにより前記有効エリアセットを設定することを特徴とする
請求項1に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリング方法。
【請求項6】
前記「サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得する」ステップは、その後、
前記サーバーが前記器具識別子に従って前記循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する可能な走行経路を取得するステップと、
前記ポジショニング情報が前記可能な走行経路から逸脱して所定のしきい値を超えると、警報するステップとをさらに含むことを特徴とする
請求項1〜5のいずれか一項に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリング方法。
【請求項7】
前記現在のユーザーに対応する可能な走行経路は、前記現在のユーザーの有効エリアセットの各ロケーションポイントと地理情報システムを結合して計算して取得することを特徴とする
請求項6に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリング方法。
【請求項8】
前記現在のユーザーに対応する可能な走行経路は、前記ユーザーの履歴上使用された走行経路であることを特徴とする
請求項6に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリング方法。
【請求項9】
共有循環可能な物流器具のモニタリングシステムであって、
サーバーと、複数のユーザーによって時分割されて共有される複数の循環可能な物流器具とを含み、
前記サーバーは、
各ユーザーに対応する有効エリアセットを保存するために使用される記憶ユニットと、ここで、有効エリアセットは、1つまたは複数の地理的エリアを含み、
循環可能な物流器具の器具識別子およびポジショニング情報を継続的に取得するために使用される取得ユニットと、
前記器具識別子に従って、前記循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する有効エリアセットを照会するために使用される照会ユニットと、
前記ポジショニング情報に従って、前記循環可能な物流器具が照会された有効エリアセット中の各地理的エリア外に滞在し、滞在時間が所定のしきい値を超えると、警報するために使用される判断ユニットとを含む、前記共有循環可能な物流器具のモニタリングシステム。
【請求項10】
前記循環可能な物流器具は、無線通信モジュールおよびポジショニングモジュールを含み、
前記ポジショニングモジュールは、循環可能な物流器具をポジショニングし、前記ポジショニング情報を出力するために使用され、
前記無線通信モジュールは、器具識別子を有する無線信号および前記ポジショニングモジュールによって出力されるポジショニング情報を発送するために使用されることを特徴とする
請求項9に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリングシステム。
【請求項11】
前記記憶ユニットには、1つまたは複数のブラックリストエリアセットがさらに保存され、各ブラックリストエリアセットは、1つまたは複数の地理的エリアを含み、
前記判断ユニットはさらに、前記ポジショニング情報に従って、前記循環可能な物流器具が前記ブラックリストエリアセット中の各地理的エリアに位置すると判断されると、警報するように使用されることを特徴とする
請求項9に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリングシステム。
【請求項12】
前記サーバーは、取得ユニットによって取得されたポジショニング情報に対応する器具識別子の照会に従って、現在前記器具識別子に対応するユーザーを取得して、ポジショニング情報とユーザーの対応関係を構築し、同じユーザーに対応するポジショニング情報を統計し、各ユーザーに1つの地理的エリアセットをそれぞれ構築し、前記地理的エリアセットの各地理的エリアにおいて、前記ユーザーの循環可能な物流器具が前記地理的エリアに留まった時間が少なくとも1回は所定のしきい値を超えるようにする有効エリア生成モジュールをさらに含むことを特徴とする
請求項9〜11のいずれか一項に記載の共有循環可能な物流器具のモニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、物流領域に関し、特に、共有循環可能な物流器具のモニタリング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
循環可能な物流器具は、再利用可能な貨物キャリアであり、より一般的なモデルはユーザーが自分で購入し、自分で使用するものである。しかし、ほとんどのユーザーは循環可能な物流器具を常に使用しているわけではなく、非使用期間中は、循環可能な物流器具を倉庫に積み上げることしかできないため、一方では保管コストがかかり、もう一方では循環可能な物流器具の使用率も比較的低い。
【0003】
この問題を解決するために、本出願の申請者は、循環可能な物流器具共有のビジネスモデルを推進した。その中の1つの方法は、共有リースである。すなわち、オペレーターが循環可能な物流器具を購入し、循環可能な物流器具を複数のユーザーにリースして時分割で共有し、ユーザーは、循環可能な物流器具を使用する必要があるときにオペレーターから取得し、ユーザーが使用していない場合、循環可能な物流器具がオペレーターに返却されるか、直接に使用する必要がある次のユーザーにリースするため、ユーザーの使用コストが大幅に削減される。もう1つの方法は、共有することである。すなわち、1人のユーザーは自分で循環可能な物流器具を購入し、このユーザーが使用しないときは、オペレーターを通じて自分が所有する循環可能な物流器具を他のユーザーにリースすることより、ユーザーの使用しない場合の循環可能な物流器具の保管コストを節約できるだけでなく、収益も増加する。
【0004】
社会全体の視点から見ると、これらの循環可能な物流器具の共有方法は、循環可能な物流器具の利用率を大幅に向上させ、ユーザーの使用コストを大幅に削減した。しかし、共有の方法は、循環可能な物流器具の盗難防止の難しさも大幅に増大させた。循環可能な物流器具は常に異なるユーザーによって使用されているため、管理の難易度が大幅に高まり、使用の地理的範囲が不明確で、使用方法が不明確で、物流ルートが不明確になり、循環可能な物流器具が正常に使用されているか盗難されたかをどのようにして知ることができるかが大きな問題になる。盗難防止の問題がうまく解決できない場合、循環可能な物流器具の共有モデルの推進を大幅に制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の目的は、盗難される可能性がある循環可能な物流器具を適時にかつ正確に発見することができる共有循環可能な物流器具のモニタリング方法およびそのシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題を解決するために、本出願は、共有循環可能な物流器具のモニタリング方法であって、循環可能な物流器具を複数のユーザーによって時分割されて共有し、サーバーには各ユーザーに対応する有効エリアセットが保存され、各有効エリアセットには1つまたは複数の地理的エリアを含むステップと、サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得するステップと、前記器具識別子に従って、前記循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する有効エリアセットを照会するステップと、前記ポジショニング情報に従って、前記循環可能な物流器具が照会された有効エリアセット中の各地理的エリア外に滞在し、滞在時間が所定のしきい値を超えると、警報するステップとを含む共有循環可能な物流器具のモニタリング方法を開示する。
【0007】
一好ましい例において、各前記循環可能な物流器具は、器具識別子を有する無線信号を発送するための無線通信モジュールを含み、前記「サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得する」ステップは、前記循環可能な物流器具によって継続的に発送される器具識別子を有する無線信号により、前記循環可能な物流器具のポジショニング情報を取得するサブステップを含む。
【0008】
一好ましい例において、前記警報ステップは、前記循環可能な物流器具の現在のユーザーが使用している端末機器に警報情報を送信するサブステップを含む。
【0009】
一好ましい例において、前記サーバーは、予め設定された1つまたは複数のブラックリストエリアセットを有し、各ブラックリストエリアセットは、1つまたは複数の地理的エリアを有し、前記「サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得する」ステップは、その後、前記ポジショニング情報に従って、前記循環可能な物流器具が前記ブラックリストエリアセット中の各地理的エリアに位置すると判断されると、警報するステップをさらに含む。
【0010】
一好ましい例において、前記有効エリアセットは以下の方法で設定される。
【0011】
サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子および地理的位置およびポジショニング時間を含むポジショニング情報を継続的に取得し、前記ポジショニング情報に対応する器具識別子の照会に従って、現在前記器具識別子に対応するユーザーを取得して、ポジショニング情報とユーザーの対応関係を構築し、同じユーザーに対応するポジショニング情報を統計し、各ユーザーに1つの地理的エリアセットをそれぞれ構築し、前記地理的エリアセットの各地理的エリアにおいて、前記ユーザーの循環可能な物流器具が前記地理的エリアに留まった時間が少なくとも1回は所定のしきい値を超えるようにする。
【0012】
一好ましい例において、前記「サーバーが循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得する」ステップは、その後、サーバーが前記器具識別子に従って前記循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する可能な走行経路を取得するステップと、前記ポジショニング情報が前記可能な走行経路から逸脱して所定のしきい値を超えると、警報するステップとをさらに含む。
【0013】
一好ましい例において、前記現在のユーザーに対応する可能な走行経路は、前記現在のユーザーの有効エリアセットの各ロケーションポイントと地理情報システムを結合して計算して取得する。
【0014】
一好ましい例において、前記現在のユーザーに対応する可能な走行経路は、前記ユーザーの履歴上使用された走行経路である。
【0015】
本出願は、共有循環可能な物流器具のモニタリングシステムであって、サーバーと、複数のユーザーによって時分割されて共有される複数の循環可能な物流器具とを含み、前記サーバーは、各ユーザーに対応する有効エリアセットを保存するために使用される記憶ユニットと、ここで、有効エリアセットは、1つまたは複数の地理的エリアを含み、循環可能な物流器具の器具識別子およびポジショニング情報を継続的に取得するために使用される取得ユニットと、前記器具識別子に従って、前記循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する有効エリアセットを照会するために使用される照会ユニットと、前記ポジショニング情報に従って、前記循環可能な物流器具が照会された有効エリアセット中の各地理的エリア外に滞在し、滞在時間が所定のしきい値を超えると、警報するために使用される判断ユニットとを含む共有循環可能な物流器具のモニタリングシステムをさらに開示する。
【0016】
一好ましい例において、前記循環可能な物流器具は、無線通信モジュールおよびポジショニングモジュールを含み、前記ポジショニングモジュールは、前記ポジショニング情報を出力するために使用され、前記無線通信モジュールは、器具識別子を有する無線信号および前記ポジショニングモジュールによって出力されるポジショニング情報を発送するために使用される。
【0017】
一好ましい例において、前記記憶ユニットには、1つまたは複数のブラックリストエリアセットがさらに保存され、各ブラックリストエリアセットは、1つまたは複数の地理的エリアを含み、前記判断ユニットはさらに、前記ポジショニング情報に従って、前記循環可能な物流器具が前記ブラックリストエリアセット中の各地理的エリアに位置すると判断されると、警報するように使用される。
【0018】
一好ましい例において、前記サーバーは、取得ユニットによって取得されたポジショニング情報に対応する器具識別子の照会に従って、現在前記器具識別子に対応するユーザーを取得して、ポジショニング情報とユーザーの対応関係を構築し、同じユーザーに対応するポジショニング情報を統計し、各ユーザーに1つの地理的エリアセットをそれぞれ構築し、前記地理的エリアセットの各地理的エリアにおいて、前記ユーザーの循環可能な物流器具が前記地理的エリアに留まった時間が少なくとも1回は所定のしきい値を超えるようにする有効エリア生成モジュールをさらに含む。
【発明の効果】
【0019】
従来技術と比較して、本出願の実施形態は、少なくとも以下の違いと効果を有する。
【0020】
一定期間内に複数の異なるユーザーによって循環可能な物流器具がリースされたとしても、ユーザーが管理者に輸送目的地と輸送計画を適時に報告しなくても、物流会社が選んだ輸送経路が全く分からなくても、盗難される可能性がある循環可能な物流器具を適時にかつ正確に発見することができる。
【0021】
本出願の明細書には多数の技術的特徴が記載されており、それらはさまざまな技術的解決策で配布されており、本出願のすべての可能な技術的特徴(すなわち、技術的解決策)の組み合わせをリストすると、説明が冗長になる。この問題を回避するために、上記の本出願の内容に開示された各技術的特徴、以下の各実施形態および例に開示された各技術的特徴、および図面に開示された各技術的特徴は、これらの技術的特徴の組み合わせが技術的に実現可能でない限り、互いに自由に組み合わせることができるし、さまざまな新しい技術的解決策(これらの技術的解決策は、本明細書に記録されていると見なされます)を構成する。例えば、1つの例において、特徴A+B+Cが開示され、別の例において、特徴A+B+D+Eが開示され、特徴Cと特徴Dは同じ作用を果たす同等の技術的手段である場合、技術的に1つのみを使用し、同時に使用することはできず、特徴Eが技術的に特徴Cと組み合わせることができる場合、A+B+C+Dの解決策は技術的に実現可能でないため、記録されたと見なされるべきではなく、A+B+C+Eの解決策がすでに記録されたと見なされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態における共有循環可能な物流器具のモニタリング方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、読者に本出願をよりよく理解させるために、多くの技術的な詳細が提案されている。しかしながら、当業者は、以下のこれらの技術的詳細および実施形態に基づく様々な変更および修正がなくても、本出願で請求される技術的解決策を実施できることを理解することができる。
【0024】
いくつかの概念の説明:
サーバー:他の機器に特定のサービスを提供できるネットワーク中のコンピュータシステムを指し、サーバーサービスのオブジェクトは通常クライアントと呼ばれる。サーバーとクライアントは有線または無線通信で接続できる。本出願の各実施形態において、サーバーは、1台のコンピュータのみであってもよいし、機能の異なる複数のコンピュータからなる論理サーバーシステムであってもよいし、コンピュータと外部記憶装置などの外部装置からなるコンピュータシステムであってもよく、コンピュータークラスターであってもよく、またはクラウドサーバーなどの形態であってもよい。
【0025】
循環可能な物流器具:再利用可能な物流器具を指し、器具には固体または液体の物質を積載でき、包装されたガス状物質を積載することも可能である。典型的に、エンプティステートの循環可能な物流器具が荷送人に輸送された後、荷物をそこに積み込み、その後、フルステートの循環可能な物流器具を荷受人に輸送し、その中の荷物を荷降ろし、エンプティステートの循環可能な物流器具に戻り、再利用できる。
【0026】
対応関係:通常、ストレージデバイスまたはストレージコンポーネントに保存される2つまたはその以上のデータの間の対応関係を指し、ストレージデバイスまたはストレージコンポーネントは、データベース、ファイル、ハードディスク、メモリなどであることができる。
【0027】
滞在:循環可能な物流器具が小領域内に長時間表示され、基本的に明らかな動きがないか、一定の期間内のポジショニング位置が一定の半径領域に集中することを指す。もちろん、判断する際には、異なるポジショニング方法に従って合理的なポジショニングエラーを考慮する必要がある。
【0028】
共有:循環可能な物流器具の共有と混合使用を指し、リースモデルにより異なる企業の間の共有の場合も指し、自身の調達により循環可能な物流器具の共有(混合使用)の場合も指す。みんなが購入した循環可能な物流器具が標準化されたものであるため、企業間で混合使用できる。
【0029】
時分割共有:同じ循環可能な物流器具が異なるユーザーによって異なる時間に使用されることを意味し、すなわち、循環可能な物流器具を使用する権利は時分割に再利用される。
GPS:全地球測位システム(Global Position System)
【0030】
以下、本出願の一部革新的なポイントを紹介する。
共有循環可能な物流器具が盗難されたと判断し、適時に警報を出すことは困難である。1つ目の難点は、循環可能な物流器具が複数のユーザーによって時分割されて共有され、その活動範囲が比較的広いことで、ポジショニング情報に基づいて盗難されたかどうかを判断することは困難である。2つ目の難点は、循環可能な物流器具が妥当な経路にあるかどうかを判断するのが難しいことである。一方では、交通渋滞などの理由により、物流会社は複数の輸送経路を柔軟に選択して輸送でき、輸送経路の選択は、循環可能な物流器具のユーザーの制御の及ばないところにあり、たとえ循環可能な物流器具の現在の位置を知っていても、通常の輸送中にあるか、盗難にあったかどうかを判断することができない。一方では、物流循環可能な物流器具の管理者は、循環可能な物流器具をユーザーに貸与すると、適時にユーザーの具体的な目的地を知ることができないので(ユーザーの輸送計画は、管理者に適時に報告する義務がない)、合理的な経路を推定することさえ不可能である。
【0031】
管理者のサーバーには、可能なリースユーザーごとに1つの有効エリアセットを事前に設定することができ、循環可能な物流器具をポジショニングした後、まず前記循環可能な物流器具の現在のユーザーを見つけ、次に前記ユーザーに対応する有効エリアセットを見つけ、そして循環可能な物流器具が有効エリアセットにあるかどうかを判断し、有効エリアセットにある場合、前記循環可能な物流器具は現在盗難されていないと見なされる。有効エリアセットにない場合、循環可能な物流器具が有効エリアの外に長時間留まったかどうか(すなわち、滞在時間が所定のしきい値を超えるかどうか)をさらに判断し、長時間留まると、前記循環可能な物流器具は盗難の可能性があるものとみなし、ユーザーまたはオペレーターに警報する。有効エリア外にあるが、常に移動状態である場合、観察を継続し、一時的に、警報しない。この技術的解決策により、循環可能な物流器具が一定の期間内に複数の異なるユーザーによってリースされた場合でも(すなわち、同じ循環可能な物流器具の場合、異なる期間に異なる有効エリアセットを有し、選択的に、同じユーザーが異なる時期に異なる有効エリアセットを設定することも可能である)、ユーザーが管理者に輸送の目的地と輸送計画を報告しなくても、物流会社が選んだ輸送経路が全く分からなくても、盗難される可能性がある循環可能な物流器具を適時にかつ正確に発見することができる。本出願の技術的解決策は、最初には盗難防止用に設計されたが、他の目的での警報にも使用できる。
【0032】
ユーザーの数が多い場合、すべての有効地理的エリアを正確かつ適時に設定するように各ユーザーに要求することは困難である。 この問題を解決するために、発明者らは、有効エリアセットを識別および設定する自動化された方法を採用した。1人の新しいユーザーが初期の使用期間中に使用する各循環可能な物流器具を追跡するが、警報は出さない。一定期間のデータを蓄積した後、データを分析して、長期間滞在しているすべての地理的エリアを見つけ、これらの地理的エリアを有効エリアセットとして自動的に設定する。選択的に、すべての循環可能な物流器具がこれまでに使用した移動経路を分析し、有効地理的エリアとして機能させることもできる。この技術的解決策により、ユーザーは手動操作なしで盗難防止警報のサービスを楽しむことができ、本発明の技術的解決策をより容易に実施することができる。
【0033】
選択的に、各ユーザーにブラックリストエリアセットを設定することができ、ポジショニング情報を受信した後、ポジショニング情報に対応する器具識別子に従って現在のユーザーを照会することにより、前記ユーザーのブラックリストエリアセットを取得し、ポジショニング情報がブラックリストエリアセットのある地理的エリアにあると、適時に警報する。個別にまたは同時にグローバルブラックリストエリアセットを設定することもでき、受信したポジショニング情報が前記ブラックリストエリアセットのある地理的エリアにあると、適時に警報する。
【0034】
選択的に、経路に対するモニタリングを増加することもできる。ユーザーの有効エリアセットにいくつかのロケーションポイントを設置することができ、これらのロケーションポイントは、各工場や倉庫のゲートなどの循環可能な物流器具の出発点または到着点である。これらのロケーションポイントに従って、電子地図を結合して、いくつかの最も可能性の高い経路を計画することができ、これらの経路はすべて有効経路である。また、同一ユーザーの循環可能な物流器具の履歴移動軌跡を統計することができ、履歴軌跡を有効経路として利用することで、有効経路を自動設定することができる。循環可能な物流器具の現在のポジショニング情報が有効エリアセット内になく、明らかにこれらの有効経路から逸脱している(最も近い有効経路からの距離が所定のしきい値を超えている)と、警報する。
【0035】
本出願の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、本出願の実施形態を添付の図面を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0036】
本発明の第1の実施形態は、共有循環可能な物流器具のモニタリング方法に関する。
図1は、前記共有循環可能な物流器具のモニタリング方法のフローチャートである。
【0037】
循環可能な物流器具を複数のユーザーによって時分割されて共有し、サーバーには各ユーザーに対応する有効エリアセットが保存され(ユーザーが設置していない場合はエンプティセット)、各有効エリアセットには1つまたは複数の地理的エリアを含む。選択的に、サーバーにはさらに、1つまたは複数のユーザーのためにそれぞれ設置したブラックリストエリアセットが保存されることができる。選択的に、サーバーにはさらに、1つのグローバルに公用のブラックリストエリアセットが保存されることができる。
【0038】
各循環可能な物流器具には、器具識別子を有する無線信号を継続的に発送する1つの無線通信モジュールが設置される。この無線通信モジュールは、4G、5G、WIFI、またはブルートゥース(登録商標)などの通信規格であることができ、本出願はこれに限定しない。
【0039】
前記モニタリング方法は、以下のステップを含む。
【0040】
ステップ101において、各循環可能な物流器具は、自体の器具識別子を有する無線信号を継続的に発送する。
【0041】
その後ステップ102に進み、サーバーは、循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得する。
【0042】
その後ステップ103に進み、サーバーが器具識別子に従って、循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する有効エリアセットを照会する。選択的に、器具識別子に従って、循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応するブラックリストエリアセットを同時に照会することもできる。
【0043】
その後ステップ104に進み、サーバーにおいて、ポジショニング情報に従って、循環可能な物流器具が照会された有効エリアセット中の各地理的エリア外に滞在し、滞在時間が所定のしきい値を超えると、警報するためのステップ108に進む。
【0044】
その後ステップ105に進み、サーバーにおいて、ポジショニング情報に従って、循環可能な物流器具が前記ユーザーに対応するブラックリストエリアセット中のある地理的エリアに位置すると判断されると、警報するためのステップ108に進む。本ステップは、オプションステップである。
【0045】
その後ステップ106に進み、サーバーにおいて、ポジショニング情報に従って、循環可能な物流器具がグローバルブラックリストエリアセットのある地理的エリアに位置すると判断されると、警報するためのステップ108に進む。本ステップは、オプションステップである。
【0046】
その後ステップ107に進み、サーバーが器具識別子に従って、循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する可能な走行経路を取得し、ポジショニング情報が最も近い可能な走行経路から逸脱して、その距離が所定のしきい値を超えると、警報するためのステップ108に進む。本ステップは、オプションステップである。
【0047】
上記ステップ104ないしステップ107の実行順序は任意に配列できる。
【0048】
上記の技術的解決策により、循環可能な物流器具が一定の期間内に複数の異なるユーザーによってリースされたとしても、ユーザーが管理者に輸送目的地と輸送計画を適時に報告しなくても、物流会社が選んだ輸送経路が全く分からなくても、盗難される可能性がある循環可能な物流器具を適時にかつ正確に発見することができる。
【0049】
以下では、一部の実現の詳細と変更例を詳しく説明する。
【0050】
ステップ102において、サーバーがポジショニング情報を取得する方法はたくさんある。選択可能な手段1では、循環可能な物流器具には、衛星ポジショニングモジュール(例えば、GPSモジュール、Beidouモジュール、Galileo衛星ナビゲーションモジュールなど)が設置され、循環可能な物流器具のポジショニング情報を出力し、また循環可能な物流器具中の無線通信モジュールを介してネットワーク側のサーバーに送信する。選択可能な手段2では、循環可能な物流器具には、セルラー無線通信モジュールがあり、前記セルラー無線通信モジュールが1つの基地局に登録されている場合、前記基地局の位置を循環可能な物流器具のおおよそポジショニング情報として使用する。選択可能な手段3では、循環可能な物流器具には、WIFIモジュールのような無線受信モジュールがあり、前記無線受信モジュールは、近くのWIFI無線信号を検出し、検出された各WIFI基地局識別子および対応するWIFI無線信号の強さを報告し、循環可能な物流器具中の無線通信モジュールによってネットワーク側に送信し、ネットワーク側はこれらの情報に従って循環可能な物流器具のポジショニング情報を計算する。選択可能な手段4では、循環可能な物流器具には、器具識別子を有する無線信号を発送するための無線発送モジュール(例えば、ブルートゥースモジュール)があり、1つのモバイル端末(例えば、スマートフォン)がこの無線信号を受信した場合、その中の器具識別子は本モバイル端末自体の位置情報とともにネットワーク側に報告され、前記循環可能な物流器具のポジショニング情報として使用する。選択可能な手段5では、循環可能な物流器具を積載する輸送手段のポジショニングに従って、循環可能な物流器具のポジショニングを間接的に取得する。ここで、選択可能な手段2と4は、ポジショニングモジュールを備えておらず、循環可能な物流器具によって継続的に発送される器具識別子を含む無線信号に従って、前記循環可能な物流器具のポジショニング情報を取得するだけである。
【0051】
ステップ101とステップ102において、継続的に発送および取得する方法はたくさんある。選択的に、循環可能な物流器具の無線通信モジュールは、定期的に無線信号を発送する。選択的に、循環可能な物流器具の無線通信モジュールは、予め設計されたトリガー条件が満たされた後に無線信号を発送する。選択的に、必要に応じて、サーバーは、循環可能な物流器具にポジショニング情報を取得するためのコマンドを送信し、循環可能な物流器具は、返されたメッセージで器具識別子とポジショニング情報を携帯する。
【0052】
警報は複数の実現方法がある。選択的に、循環可能な物流器具の現在のユーザーが使用している端末機器に警報情報を送信する。選択的に、将来照会するために、警報情報をデータベースに記録する。選択的に、管理者のコンピュータに警報情報が表示させる。選択的に、指定された人のスマートフォンに警報情報を送信する。選択的に、モニタリングセンターで音と光の方式にて警報を発行する。選択的に、まずオペレータの端末機器で警報し、オペレータの作業者が確認した後に、ユーザーが使用している端末機器に警報情報を送信する。
【0053】
選択的に、ブラックリストエリアセットは、複数のユーザーによって共有され、ブラックリストエリアセットに対応する地理的エリアに進入すると、警報する。選択的に、各ユーザーには自身のブラックリストエリアセットがそれぞれ設置され、ブラックリストエリアを判定する場合、まずその識別子に従って、循環可能な物流器具の現在のユーザーを照会し、前記現在のユーザーのブラックリストエリアセットを取得し、またポジショニング情報に従って循環可能な物流器具がブラックリストエリアセットの地理的エリアに位置するかどうかを判断する。選択的に、同時に複数のユーザーまたはすべてのユーザーが共有するブラックリストエリアセットを同時に設置することができ、同時に一部またはすべてのユーザーのために自身のブラックリストエリアセットをそれぞれ設置し、循環可能な物流器具が共有するブラックリストエリアセットまたは現在のユーザー自身のブラックリストエリアセットに現れると、警報する。
【0054】
有効エリアセットの設定方法も複数実現手段がある。選択的に、ユーザーが自分の有効エリアセットを自分で設定し、例えば、電子地図で複数の地理的エリアを選択したり、複数の地名から選択したりして、サーバーに保存する。選択的に、オペレーターの管理者が1つまたは複数のユーザーのために有効エリアセットを設定する。選択的に、自動設定方法を使用すると、具体的に、サーバーは循環可能な物流器具の器具識別子とポジショニング情報を継続的に取得し、ここで、ポジショニング情報は、地理的位置とポジショニング時間を含む。ポジショニング情報に対応する器具識別子に従って、前記器具識別子の現在の対応するユーザーを照会して、ポジショニング情報とユーザーの対応関係を構築する。同じユーザーに対応するポジショニング情報を統計し、各ユーザーに1つの地理的エリアセットをそれぞれ構築し、前記地理的エリアセットの各地理的エリアにおいて、前記ユーザーの循環可能な物流器具が前記地理的エリアに留まった時間が少なくとも1回は所定のしきい値を超えるようにする。
【0055】
ステップ107において、ポジショニング情報が所定のしきい値を超える可能な走行経路から逸脱していると判断する方法はたくさんある。選択的に、各可能な走行経路は、1つの線であり、循環可能な物流器具の現在の位置に最も近い経路を見つけ、前記最も近い経路の最も近いポイントの間の距離が所定のしきい値を超えているかどうかを計算する。選択的に、各可能な走行経路を一定の距離だけ外側に延長すると、各走行経路は1つの線から1つの帯状領域に変更し、循環可能な物流器具の現在位置が帯状領域にないと(同時に有効エリアセット内にもない)、可能な走行経路からの逸脱が所定のしきい値を超えていると見なされ、警報する必要がある。
【0056】
ステップ107において、現在のユーザーに対応する可能な走行経路の取得方法もたくさんある。選択的に、ユーザーに対応する可能な走行経路として、前記ユーザーが自分で1つまたは複数の走行経路を予め設置する。選択的に、オペレーターの管理者がユーザーのニーズに応じて、前記ユーザーに対応する可能な走行経路として、ユーザーのために1つまたは複数の走行経路を予め設定する。選択的に、有効出発地または目的地として、各ユーザーの有効エリアセットに複数のロケーションポイントを設置し、これらのロケーションポイントを電子地図に結合して、走行経路を計画することができる。同じ出発地と目的地には複数の経路が存在する場合、これらの経路はすべて可能な走行経路と見なされ、言い換えれば、これらの経路の任意の1つので走行しても有効である。選択的に、現在のユーザーに対応する可能な走行経路は、前記ユーザーの履歴上使用された走行経路である。具体的に、生産型または流通型の企業として、1つのユーザーが通常、使用する走行経路は比較的限られて、一定の時間が蓄積されれば、ユーザーのほぼすべての有効走行経路を取得することができ、これらの経路を走行する場合、有効エリアに属し、これらの経路から大きく逸脱した場合、無効領域に属し、警報をトリガーする。ユーザーが警報を受信した後、新しい有効経路であることを確認した場合、今回の走行が完了した後に、この走行経路を有効走行経路セットに追加して、有効エリアセットのメンバーになるようにシステムに通知することができる。
【0057】
本発明の第2の実施形態は、共有循環可能な物流器具のモニタリングシステムに関する。前記共有循環可能な物流器具のモニタリングシステムは、サーバーと、複数のユーザーによって時分割されて共有される複数の循環可能な物流器具とを含む。
【0058】
サーバーは、記憶ユニットと、取得ユニットと、照会ユニットと、判断ユニットと、および有効エリア生成モジュール(選択的に)とを含む。
【0059】
前記記憶ユニットは、各ユーザーに対応する有効エリアセットを保存するために使用され、ここで、有効エリアセットは、1つまたは複数の地理的エリアを含む。選択的に、記憶ユニットはさらに、1つまたは複数のブラックリストエリアセットを保存し、各ブラックリストエリアセットは、1つまたは複数の地理的エリアが含む。
【0060】
前記取得ユニットは、循環可能な物流器具の器具識別子およびポジショニング情報を継続的に取得するために使用される。
【0061】
前記照会ユニットは、器具識別子に従って、循環可能な物流器具の現在のユーザーに対応する有効エリアセットを照会するために使用される。
【0062】
前記判断ユニットは、ポジショニング情報に従って、警報するかどうかを判断するために使用される。判断条件はたくさんある。選択的に、循環可能な物流器具が照会された有効エリアセット中の各地理的エリア外に滞在し、滞在時間が所定のしきい値を超えると、警報する。選択的に、循環可能な物流器具がブラックリストエリアセットの各地理的エリアにあると判断されると、警報する。
【0063】
前記有効エリア生成モジュール(選択的に)は、取得ユニットによって取得されたポジショニング情報に対応する器具識別子の照会に従って、現在前記器具識別子に対応するユーザーを取得して、ポジショニング情報とユーザーの対応関係を構築し、同じユーザーに対応するポジショニング情報を統計し、各ユーザーに1つの地理的エリアセットをそれぞれ構築し、前記地理的エリアセットの各地理的エリアにおいて、前記ユーザーの循環可能な物流器具が前記地理的エリアに留まった時間が少なくとも1回は所定のしきい値を超えるようにするために使用される。
【0064】
循環可能な物流器具は、無線通信モジュールと選択的にポジショニングモジュールを含む。
【0065】
ポジショニングモジュールは、循環可能な物流器具をポジショニングし、ポジショニング情報を出力するために使用される。
【0066】
無線通信モジュールは、器具識別子を有する無線信号およびポジショニングモジュールによって出力されるポジショニング情報を発送するために使用される。
【0067】
第1の実施形態は本実施形態に対応する方法実施形態であり、本実施形態は第1の実施形態と連携して実施することができる。第1の実施形態で言及した関連技術の詳細は、本実施形態でも依然として有効であり、繰り返しを減らすために、ここでは繰り返して説明しない。対応的に、本実施形態で言及した関連技術の詳細は、第1の実施形態にも適用することができる。
【0068】
本発明の各機器の実施形態に提言された各ユニットは論理ユニットであり、物理的には、1つの論理ユニットは、1つの物理ユニットであっても、1つの物理ユニットの一部で、または複数の物理ユニットの組み合わせとして実現されることができ、これらの論理ユニット自身の物理的に実現方法は最も重要ではなく、これらの論理ユニットによって実現される機能の組み合わせこそ、本発明によって提案される技術的問題を解決するための鍵であることに留意されたい。なお、本発明の革新的な部分を強調するために、本発明の上記の機器の実施形態は、本発明によって提案される技術的問題の解決に密接に関連しないユニットを導入しなかったが、上記の機器の実施形態に他のユニットが存在しないことを意味しない。
【0069】
本発明の各方法実施形態はすべて、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアなどの方法で実施することができる。本発明がソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアのいずれかの方法で実施されるかに関係なく、命令コードは任意のタイプのコンピューターアクセス可能なメモリ(例えば、永続的または変更可能な、揮発性または不揮発性、固体または非固体、固定または交換可能なメディアなど)に保存できる。同様に、メモリは、例えば、プログラマブルアレイロジック(Programmable Array Logic、「PAL」と略称)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、「RAM」と略称)、プログラマブルリードオンリーメモリ(Programmable Read Only Memory、「PROM」と略称)、読み取り専用メモリ(Read−Only Memory、「ROM」と略称)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable ROM、「EEPROM」と略称)、ディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc、「DVD」と略称)であることができる。
【0070】
本特許の出願書類において、第1及び第2などの関係用語は、1つのエンティティまたは操作を別のエンティティまたは操作から区別するためにのみ使用され、これらのエンティティまたは操作の間の実際の関係または順序を必ずしも必要または暗示するわけではないことに留意されたい。なお、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、またはデバイスがそれらの要素だけでなく、明示的にリストされていない物品も含み、またはそのようなプロセス、方法、物品、またはデバイスに固有のその他の要素をさらに含むように、用語「含む」、またはその他の変形は、非排他的な包含を含むことを意図する。さらに制限がなければ、「1つの……を含む」で制限された要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品、またはデバイスに他の同一の要素があることを除外しない。本特許の出願書類において、要素に従ってアクションを実行すると言及された場合、それは少なくとも要素に従ってアクションを実行することを意味し、ここでは2つの場合を含む:前記要素のみに基づいてアクションを実行し、前記要素と他の要素に従って前記アクションを実行する。複数、複数回、および複数の種類などの表現は、2つ、2回、2種類、および2つ以上、2回以上、および2種類以上を含む。
【0071】
本発明で言及されるすべての文書は、あたかも各文書が個々に参照により組み込まれたかのように、本出願に参照により組み込まれる。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も本出願によって請求される保護の範囲内にあることを理解されたい。