【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるコンタクトブリッジ構成は、コンタクトブリッジと反対の方向を向いた少なくとも1つのばね要素の
第一面(83)に、少なくとも1つの停止部およびばね基部が位置付けられるという形で、この課題を解決する。
【0006】
本発明による解決法は、一方で、小さい量の構築空間の実現を可能とする。他方で、組立中に、作動部材上にコンタクトブリッジが据えられた後で作動部材上に第2の停止部またはフランジを据えねばならず、その間コンタクトブリッジを所定位置に保持せねばならない状況を、不要にすることが可能である。コンタクトブリッジの上
面上の停止部を不要にすることによって
、より多くの空間を、たとえばコンタクトブリッジの上
面に設けられたコンタクト表面のために利用可能とすることができる。
【0007】
コンタクトブリッジは、接触側に少なくとも2つのコンタクト表面を設けられたブリッジ本体を有し得る。このブリッジ本体を通して、作動部材のための案内開口を配設することができる。そのような案内開口を特に、2つのコンタクト表面の間のブリッジ本体上の中央に配置することができる。コンタクトブリッジまたはブリッジ本体は好ましくは、長手方向に沿って細長い様式で延在する。この場合、長手方向は、作動方向と直交して延びる。作動方向は、コンタクトブリッジが相手側コンタクトに向かって移動できる接触方向と、概ね同一である。具体的な作動部材は、全体に杆形状または軸形状であり、作動方向と平行に延在する。
【0008】
本発明による解決法を、所望に応じて互いと組み合わせ可能な、それぞれが独立して有利である様々な構成によって、さらに改善することができる。これらの構成および関連する利点は、以降でより詳細に検討されることになる。
【0009】
第1の有利な構成によれば、少なくとも1つの停止部およびばね基部は、一体の構造を形成し得る。結果として、特に単純な設計およびコンパクトな構造が実現可能となる。特に、少なくとも1つの停止部およびばね基部は、共通の構成要素を形成し得る。一体の構造または共通の構成要素は特に、作動部材に取り付けることができるか、またはこれと同一片として形成することができる。
【0010】
ばね基部および少なくとも1つの停止部は、作動部材上のフランジ形状の部分、特にフランジの一部とすることができる。このようにして、ばね基部および少なくとも1つの停止部を、特に単純な設計とすることができる。たとえば、少なくとも1つの停止部を、コンタクトブリッジから離れる方向を指すフランジ形状の部分の下面によって形成することができ、ばね基部を、このフランジ形状の部分の
上面によって形成することができる。このことは、少なくとも1つのばね要素がこの
上面に支持されて、コンタクトブリッジを作動方向に押すことが可能であり、一方、フランジ形状の部分の下面は、コンタクトブリッジのための停止部としての役割を果たす、ということを意味する。この結果として、作動方向におけるコンタクトブリッジの移動を、コンタクトブリッジが少なくとも1つの停止部にぶつかるとすぐに止めることができる。フランジ形状の部分、特にフランジを、作動部材と一体に形成することができる。別法として、このフランジ形状の部分を、作動部材に取り付け、これに接続することができる。
【0011】
コンタクトブリッジがより容易に、少なくとも1つの停止部に接触するように、コンタクトブリッジは少なくとも1つのばね要素を、特に作動方向と反対方向において包囲することができる。この結果、コンタクトブリッジの一部を、作動方向と反対方向にばね要素を越えて案内することができ、コンタクトブリッジの残りの部分から見たときに、少なくとも部分的にばね要素の背後に配置することができる。特に、コンタクトブリッジは、少なくとも1つのばね要素を背後から把持することができる。コンタクトブリッジは、少なくとも1つのばね要素だけでなく、少なくとも1つの停止部も、背後から包囲または把持する。
【0012】
コンタクトブリッジは、少なくとも1つのばね要素が受容される空間を、少なくとも部分的に包囲することができる。少なくとも1つのばね要素はしたがって、コンタクトブリッジの内側に部分的に配置される。結果として、ばね要素を保護することができる。コンタクトブリッジ構成のコンパクトな設計を、同様に実現できる。
【0013】
さらなる有利な構成によれば、少なくとも1つの停止部は、コンタクトブリッジの少なくとも1つの開口を貫通することができる。結果として、たとえば、少なくとも1つの停止部を、およびしたがってさらに作動部材を、進路を外れないように確保することができる。コンパクトな設計が、同様に可能となる。
【0014】
少なくとも1つの停止部を、少なくとも作動方向に沿って、少なくとも1つの開口内で移動可能な様式で案内することができる。たとえば、少なくとも1つの開口は、作動方向と平行に延びる壁部分を通して、少なくとも1つの停止部のための案内表面を形成することができる。
【0015】
さらなる有利な構成によれば、少なくとも1つの停止部を、作動方向を横断する方向に延びる少なくとも1つの開口の壁部分に押し付けることができる。作動方向を横断する方向に延びる壁部分は、特に、少なくとも1つの停止部のための、相手側表面または相手側停止部を形成することができる。コンタクトブリッジ構成が使用されていないかまたは相手側コンタクトに接続されていない状態では、少なくとも1つの停止部は、壁部分に接触し得る。少なくとも1つの停止部の、作動方向と反対方向への壁部分を越えるさらなる移動が、結果として防止される。コンタクトブリッジを、このようにして、作動部材上に特に確実に保持することができる。作動方向において、コンタクトブリッジは、ばね基部上に支持される少なくとも1つのばね要素によって、少なくとも1つの停止部に押し付けられる。少なくとも1つの停止部が、コンタクトブリッジの少なくとも1つの開口を通って突出する場合、少なくとも1つの停止部を、開口の壁部分によって、形状嵌合(form-fitting)の様式で、進路を外れないように確保することができる。
【0016】
作動方向を横断する方向に延びる壁部分は、壁部分に隣接しかつ作動方向と平行に延びる少なくとも1つの開口の2つの側壁部分とともに、少なくとも1つの停止部のための座部を形成することができる。コンタクトブリッジ構成が使用されていない状態にあるとき、少なくとも1つの停止部を、この座部内に配置することができ、この結果、作動部材上でのコンタクトブリッジの確実な維持が実現される。
【0017】
本発明によるコンタクトブリッジ構成の組立を単純化するため、少なくとも1つの開口は、作動方向を実質的に横断する方向に延びかつ座部から離れる方向に延在する、少なくとも1つの停止部を座部内へと挿入するための装着スロットを有し得る。装着スロットを、開口の、作動方向において見たときに座部の反対側に設置される一方側に、特に配置することができる。
【0018】
特に少なくとも1つの装着スロットと併せた、少なくとも1つの開口と、少なくとも1つの停止部とは、バヨネット接続部を構成できる。少なくとも1つの停止部を、たとえば、少なくとも1つの装着スロットを通して、開口を覆うように停止部が配設されるまで、作動方向を実質的に横断する方向に延びる装着方向に沿って、案内することができる。少なくとも1つの停止部は次いで、作動方向を横断する方向に延びる壁部分の方向において少なくとも1つの停止部に対して作用するばね力によって、座部内に移動される。装着方向における少なくとも1つの停止部の移動を、たとえば少なくとも1つの停止部および/または作動部材を、作動方向によって形成される軸を中心に回転させることによって実行することができる。
【0019】
可能な限りコンパクトな設計を得るために、コンタクトブリッジは、作動方向と反対方向に延在しかつ少なくとも1つの開口を有する、少なくとも1つの脚部を有し得る。この脚部は特に、コンタクトブリッジの長手方向と平行に延びる側部表面を形成し得る。少なくとも1つの開口は、脚部を通して作動方向を横断する方向に延在し得る。特に、少なくとも1つの開口は、脚部を通って延在し、作動方向を横断する方向にかつ長手方向を横断する方向に、側部表面を形成し得る。
【0020】
特に好ましくは、コンタクトブリッジは、作動方向を横断する方向に互いに対向して配設される、2つの脚部を有する。これらの2つの脚部を通して、コンタクトブリッジの全体にU字形状の断面を、その長手方向を横断する方向に形成することができる。2つの脚部は、少なくとも1つの停止部を少なくとも包囲し得る。
【0021】
少なくとも1つの脚部、特に互いに対向する2つの脚部を、コンタクトブリッジと一体に形成することができる。特に、少なくとも1つの脚部を、コンタクトブリッジ材料を変形させることによって形成し得る。
【0022】
コンタクトブリッジを、少なくとも1つの脚部とともに、プレス加工された屈曲部品として形成することができる。
【0023】
さらなる有利な構成によれば、コンタクトブリッジは、作動方向を横断する方向に互いに対向して配設される、2つの脚部を有し得る。少なくとも1つの停止部は、作動方向を横断する方向において、2つの脚部の領域におけるコンタクトブリッジの外側幅と少なくとも同じ大きさである長さを有し得る。少なくとも1つの停止部はこの場合、作動方向を横断する方向において見たときに、脚部の内側間隔よりも小さい幅を有し得る。少なくとも1つの停止部はこの場合、好ましくは、細長い形態を有する作動部材のフランジ形状の部分として形成される。
【0024】
本発明に関するさらなる利点は、少なくとも1つの停止部のおよびコンタクトブリッジの、既に記載した形態を通して現れる。たとえば、脚部の開口が少なくとも1つの装着スロットをそれぞれ有する場合、装着を容易にすることができる。装着のために、少なくとも1つの停止部を、少なくとも1つの停止部の長い側が接触の方向の長手方向と平行に延びる状態で、コンタクトブリッジの脚部間で案内することができる。停止部の短い側は脚部の内側間隔よりも短いので、停止部は2つの脚部の間に嵌合する。少なくとも1つの停止部が、作動方向において見たときに、脚部の装着スロットと同じ高さに配設される場合、停止部を、互いに対向する2つの装着スロットを通して案内することができる。このことは、作動部材を、作動方向と平行に延びる軸を中心に回転させることによって行われ得る。この場合、停止部の長い側の2つの端部は各々、装着スロット内へと貫通する。この場合、停止部は、作動方向において見たときに、座部の上方に配置されこれらと位置合わせされるまで、移動することができる。
【0025】
停止部とコンタクトブリッジとの間のばね力により、停止部の2つの端部は、2つの脚部の2つの開口を通して、2つの座部内へと押される。停止部は次いで、1つの座部内に両方の脚部の各々がある状態で、静止する。そのような停止部はしたがって、2つの停止表面を有する。別法として、フランジ形状の部分を、2つの停止部と見なすこともできる。しかしながら以下では、2つの停止表面を有する1つの停止部について検討する。停止部はその長手方向において、脚部の領域におけるコンタクトブリッジの大きさと少なくとも同じ大きさであるので、この停止部は、両方の脚部において、作動方向を横断する方向に延びる壁部分に接触する。このことは、作動方向において形状嵌合が存在し得ることを示す。コンタクトブリッジ構成が接触のために使用される場合、すなわち、コンタクトブリッジが作動部材によって相手側コンタクトに押し付けられる場合、停止具は、コンタクトブリッジが相手側コンタクトに接触して作動部材が作動方向にさらに移動されるとすぐに、その座部または2つの座部から外へと、作動方向に偏向される。
【0026】
この場合、少なくとも1つのばね要素のばね力は、コンタクトブリッジおよび停止部に対して、停止部がその少なくとも1つの座部内へと戻ろうとするように作用し得る。作動方向に沿って少なくとも座部から外に偏向すると、停止部は、開口の案内表面によって好ましくは案内される。動作中、停止部は、その座部から大きく離れるべきではない、すなわち、作動方向において少なくとも1つの装着スロットと同じ高さに配設される程度まで、開口を通して作動方向に案内されるべきではない。この可能であるが必須ではない制限を、開口の、停止部の、作動部材の作動経路の、好適な寸法を特定することによって、および/または好適な作動装置システムによって、および特に電気的切り替え要素におけるコンタクトブリッジと相手側コンタクト要素との間の間隔によって、設定することができる。
【0027】
本発明によるコンタクトブリッジ構成の全体サイズを低減するために、少なくとも1つのばね要素を、板ばねとすることができる。板ばねは特に、ばね基部から作動方向を実質的に横断する方向に延在することができ、長手方向に互いに対向するその端部の領域において、コンタクトブリッジに接触し得る。
【0028】
板ばねの事前応力付与を実現するため、板ばねを、たとえば、コンタクトブリッジの方向に湾曲させるおよび/またはスワンネック状とすることができる。別法として、コンタクトブリッジは、板ばねの端部が接触する領域において、いずれの場合も、板ばねの端部をブリッジ本体から離間させることのできる少なくとも1つのスペーサを有し得る。板ばねを湾曲させるおよび/またはスワンネック状とすること、ならびにコンタクトブリッジにスペーサが追加的に存在することも可能である。長い側の各端部において、コンタクトブリッジは好ましくは、長手方向を横断する方向に互いに対向して配設され、かつ作動方向と反対方向にブリッジ本体から離れるように延在する、2つのスペーサを有する。このようにして、1つのU字形状の断面が、端部の領域内に各々形成される。板ばねを、その端部がT字形状となるように形成することができ、この結果、板ばねは、コンタクトブリッジの各端部における両方のスペーサ上に静止し得る。
【0029】
以下では、図面を参照し、有利な実施形態を使用して、本発明を例示によりさらに詳細に説明する。実施形態において例として描写する特徴の組み合わせを、上記の解説に従い、特定の用途に関して追加の特徴によって相応に補足することができる。同様に上記の解説に従い、個々の特徴の効果が具体的な用途において重要でない場合、記載した実施形態において、その特徴を省略することが可能である。
【0030】
図面においては、同じ機能および/または同じ設計を有する要素に対して、常に同じ参照符号を使用する。