(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の対基板作業機を電子部品実装機として具現化した実施の形態について説明する。以降の図においては、左右方向が、本発明の「軸方向」に該当する。右側から左側に向かう方向が、本発明の「X+方向」に該当する。左側から右側に向かう方向が、本発明の「X−方向」に該当する。ねじ軸を中心に、前側から上側に回動する方向が、本発明の「θ+方向」に該当する。ねじ軸を中心に、上側から前側に回動する方向が、本発明の「θ−方向」に該当する。
【0009】
<電子部品実装機の構成>
まず、本実施形態の電子部品実装機の構成について説明する。
図1に、本実施形態の電子部品実装機の斜視図を示す。
図1に示すように、電子部品実装機1は、基板搬送装置2と、バックアップ装置3と、XYロボット4と、ストッパ装置5と、を備えている。電子部品実装機1は、本発明の「対基板作業機」の概念に含まれる。
【0010】
基板搬送装置2は、基部20と、固定壁部21と、可動壁部22と、ベルトコンベア(基板搬送体)23と、を備えている。基部20の上面には、左右一対のガイドレール200が配置されている。左右一対のガイドレール200は、各々、前後方向に延在している。固定壁部21は、基部20の上面、かつ左右一対のガイドレール200の前側に配置されている。固定壁部21の上縁には、クランプ片210が配置されている。可動壁部22は、左右一対のガイドレール200に沿って、前後方向に移動可能である。可動壁部22の上縁には、クランプ片220が配置されている。ベルトコンベア23は、前後一対のベルト230を備えている。前側のベルト230は、固定壁部21の後面(内面)に配置されている。後側のベルト230は、可動壁部22の前面(内面)に配置されている。前後一対のベルト230は、各々、左右方向(基板Bの搬送方向)に延在している。前後一対のベルト230の間には、基板搬送面(基板Bの搬送路)Lが設定されている。基板搬送面Lの高度は、ベルト230の上面(基板Bの載置面)の高度と、一致している。基板Bは、前後一対のベルト230に載置され、基板搬送面Lを、左側(上流側)から右側(下流側)に搬送される。
【0011】
バックアップ装置3は、テーブル30と、複数のバックアップピン31と、を備えている。テーブル30は、ボールねじ装置(図略)により、上下方向に移動可能である。複数のバックアップピン31は、テーブル30の上面に配置されている。
【0012】
XYロボット4は、X方向(左右方向)ガイドレール(図略)、Y方向(前後方向)ガイドレール(図略)に沿って、水平方向に移動可能である。XYロボット4は、X軸モータ(図略)により左右方向に、Y軸モータ(図略)により前後方向に、各々駆動されている。XYロボット4は、装着ヘッド40と、マークカメラ41と、を備えている。マークカメラ41は、本発明の「撮像装置」の概念に含まれる。装着ヘッド40は、吸着ノズル400を備えている。吸着ノズル400は、基板Bに電子部品を装着可能である。マークカメラ41は、吸着ノズル400の後側に配置されている。マークカメラ41は、基板B上面の基準マークMを、撮像可能である。
【0013】
図2に、本実施形態の電子部品実装機の基板搬送装置の可動壁部の右端付近の斜視図を示す。
図3に、同電子部品実装機のストッパ装置の前面図を示す。
図4に、同ストッパ装置のナット部材付近の左右方向断面図を示す。なお、
図2においては、基板Bを透過して示す。
【0014】
図2〜
図4に示すように、ストッパ装置5は、可動壁部22の右端付近(下流端付近)の前面に、配置されている。ストッパ装置5は、ベルト230の環内に配置されている。ストッパ装置5は、モータ50と、ねじ軸51と、ナット部材52と、ピン53と、保護カラー54と、コイルスプリング55と、筒部材56と、を備えている。ピン53は、本発明の「当接部」の概念に含まれる。コイルスプリング55は、本発明の「圧接部」の概念に含まれる。
【0015】
モータ50は、サーボモータである。ねじ軸51は、モータ50の駆動軸に連結されている。ねじ軸51は、モータ50の駆動力により、自身の軸周りに回転可能である。ねじ軸51は、左右方向に延在している。ねじ軸51の外周面には、溝部510が凹設されている。溝部510は、螺旋状に延在している。
【0016】
ナット部材52は、第一部材520と、第二部材521と、を備えている。第一部材520は、筒状を呈している。第一部材520は、ねじ軸51に環装されている。第一部材520の内周面には、溝部520aが凹設されている。溝部520aは、螺旋状に延在している。第一部材520の溝部520aとねじ軸51の溝部510とは、ボールbを介して、螺合している。第一部材520の右端(第二部材521と反対側の端)には、フランジ部520bが配置されている。第一部材520の左端(第二部材521側の端)には、係合部520cが配置されている。第二部材521は、筒状を呈している。第二部材521は、ねじ軸51に環装されている。第二部材521は、第一部材520の左側に配置されている。第二部材521の内周面には、溝部521aが凹設されている。溝部521aは、螺旋状に延在している。第二部材521の溝部521aとねじ軸51の溝部510とは、ボールbを介して、螺合している。第二部材521の左端(第一部材520と反対側の端)には、フランジ部521bが配置されている。第二部材521の右端(第一部材520側の端)には、係合部521cが配置されている。係合部520cと係合部521cとは、互いに係合している。このため、第一部材520と第二部材521とは周方向に互いにずれにくい。
【0017】
ピン53は、第一部材520のフランジ部520bから、径方向外側に向かって、突設されている。保護カラー54は、ピン53の径方向内端付近に、環装されている。保護カラー54は、ピン53に対して、ピン53の軸周りに回転可能である。
【0018】
コイルスプリング55は、第一部材520のフランジ部520bと、第二部材521のフランジ部521bと、の間に介装されている。コイルスプリング55は、第一部材520と第二部材521とを、互いに離間させる方向に、付勢している。当該付勢力により、第一部材520の溝部520aは、ボールbを介して、ねじ軸51の溝部510に圧接している。同様に、第二部材521の溝部521aは、ボールbを介して、ねじ軸51の溝部510に圧接している。このため、ナット部材52とねじ軸51との間の摩擦力は大きい。当該摩擦力により、ねじ軸51の回動に伴って、ナット部材52は、がたつくことなく回動する。
【0019】
筒部材56は、モータ50の左側に配置されている。筒部材56は、左右方向に延在する筒状を呈している。筒部材56の内部には、ねじ軸51およびナット部材52が収容されている。筒部材56の側壁(側周壁)には、開口部560が開設されている。開口部560は、左右方向に長い長孔状を呈している。ピン53は、開口部560を介して、筒部材56の外部に突出している。
【0020】
開口部560の上縁(θ+方向端)には、第一の規制部G1が設定されている。規制部G1は、左右方向に延在する直線状を呈している。規制部G1は、ピン53の上位置P1を設定している。上位置P1において、ピン53は、基板搬送面Lに突出している。このため、ピン53は、基板搬送面Lを搬送される基板B(基板Bの下面に電子部品が実装されている場合は、当該電子部品を含む概念である。)に、当接可能である。上位置P1において、ピン53の上面は、
図1に示すマークカメラ41により、撮像可能である。このため、電子部品実装機1の制御装置(図略)は、上位置P1を認識可能である。上位置P1は、後述の部品装着位置に対応している。ナット部材52は、規制部G1に沿って、右側から左側に向かって(X+方向に)、移動可能である。移動の際、保護カラー54は、規制部G1に摺接しながら転動する。
【0021】
開口部560の前縁(θ−方向端)には、第二の規制部G2が設定されている。規制部G2は、左右方向に延在する直線状を呈している。規制部G2は、ピン53の下位置P2を設定している。下位置P2は、上位置P1の下側に設定されている。下位置P2において、ピン53は、基板搬送面Lから下側に退避している。このため、ピン53は、基板搬送面Lを搬送される基板Bに、当接不可能である。ナット部材52は、規制部G2に沿って、左側から右側に向かって(X−方向に)、移動可能である。移動の際、保護カラー54は、規制部G2に摺接しながら転動する。
【0022】
<部品装着時の動き>
次に、本実施形態の電子部品実装機の部品装着時の動きについて説明する。電子部品実装機1は、部品装着時において、基板搬入工程と、部品装着工程と、基板搬出工程と、を実行する。
図5に、本実施形態の電子部品実装機のストッパ装置の筒部材の外周面の周方向展開図を示す。
【0023】
基板搬入工程においては、左側の機器(例えば電子部品実装機)から、基板Bを、所定の部品装着位置に搬入する。仮に、基板Bが所定の部品装着位置で停止しないと、後工程である部品装着工程において、基板Bの所定の装着座標に電子部品を装着することが困難になる。このため、電子部品実装機1の制御装置は、まず、
図2、
図5に示すように、下位置P2から上位置P1まで、ピン53を回動させる。具体的には、制御装置は、
図2に示すモータ50を駆動し、ねじ軸51を、自身の軸周りに、前側から上側に(θ+方向に)、回動させる。
図4に示すように、第一部材520の溝部520aは、ボールbを介して、ねじ軸51の溝部510に、圧接している。このため、ねじ軸51の回動に伴って、ナット部材52、つまりピン53も回動する。このようにして、制御装置は、ピン53を、下位置P2から上位置P1に切り換える。次に、制御装置は、
図1に示すマークカメラ41により、ピン53を撮像する。制御装置は、画像から、「ピン53が上位置P1に配置されていること」を確認する。続いて、制御装置は、ベルトコンベア23を駆動し、基板Bを部品装着位置に搬入する。搬入された基板Bが上位置P1のピン53に当接した後、制御装置はベルトコンベア23を停止する。上位置P1は、部品装着位置に対応している。このため、基板Bを、精度良く、部品装着位置で停止させることができる。それから、制御装置は、
図1に示すバックアップ装置3により、基板Bをベルト230から持ち上げる。その後、基板Bを、上側の前後一対のクランプ片210、220と、下側の複数のバックアップピン31と、の間に挟持、固定する。
【0024】
部品装着工程においては、制御装置が、
図1に示す吸着ノズル400を用いて、基板Bの所定の装着座標に、所望の電子部品を装着する。基板搬出工程においては、制御装置が、まず、
図1に示すバックアップ装置3により、基板Bをベルト230に載置する。次に、
図2、
図5に示すように、制御装置は、ねじ軸51を、自身の軸周りに、上側から前側に(θ−方向に)、回動させる。そして、上位置P1から下位置P2まで、ピン53を回動させる。それから、制御装置は、ベルトコンベア23を駆動し、基板Bを部品装着位置から搬出する。
【0025】
<基板の種類変更時の動き>
次に、本実施形態の電子部品実装機の基板の種類変更時の動きについて説明する。電子部品実装機1の生産対象となる基板Bの種類変更時(例えば、段取り替え時)においては、変更後の基板Bの寸法などに応じて、基板の停止位置を変更する場合がある。この場合、制御装置は、ピン53の切換位置(下位置P2と上位置P1との切換位置)を変更する。
【0026】
例えば、
図5に示す切換位置a4から左側の切換位置a2に(X+方向に)、ピン53の位置を変更する場合、制御装置は、ねじ軸51を、自身の軸周りに、前側から上側に(θ+方向に)、回動させる。そして、ピン53を上位置P1に切り換える。次に、制御装置は、ねじ軸51を、引き続き、自身の軸周りに、θ+方向に回動させる。ここで、上位置P1においては、
図2に示すように、保護カラー54が規制部G1に当接している。このため、ねじ軸51は回動し続ける一方、ピン53つまりナット部材52は回動を停止する。第一部材520の溝部520aとねじ軸51の溝部510とは、ボールbを介して、螺合している。並びに、第二部材521の溝部521aとねじ軸51の溝部510とは、ボールbを介して、螺合している。このため、ねじ軸51の回動により、ナット部材52は、右側から左側に(X+方向に)、移動する。このようにして、切換位置a4から切換位置a2に、ピン53の位置を変更する。
【0027】
反対に、
図5に示す切換位置a4から右側の切換位置a6に(X−方向に)、ピン53の位置を変更する場合、制御装置は、ねじ軸51を、自身の軸周りに、上側から前側に(θ−方向に)、回動させる。そして、ピン53を下位置P2に切り換える。次に、制御装置は、ねじ軸51を、引き続き、自身の軸周りに、θ−方向に回動させる。ここで、下位置P2においては、
図2に示すように、保護カラー54が規制部G2に当接している。このため、ねじ軸51は回動し続ける一方、ピン53つまりナット部材52は回動を停止する。第一部材520の溝部520aとねじ軸51の溝部510とは、ボールbを介して、螺合している。並びに、第二部材521の溝部521aとねじ軸51の溝部510とは、ボールbを介して、螺合している。このため、ねじ軸51の回動により、ナット部材52は、左側から右側に(X−方向に)、移動する。このようにして、切換位置a4から切換位置a6に、ピン53の位置を変更する。
【0028】
このように、切換位置a1〜a6を、右側から左側に(X+方向に)、変更する場合は、ねじ軸51を前側から上側に(θ+方向に)、回動させる。反対に、切換位置a1〜a6を、左側から右側に(X−方向に)、変更する場合は、ねじ軸51を上側から前側に(θ−方向に)、回動させる。
【0029】
<作用効果>
次に、本実施形態の電子部品実装機の作用効果について説明する。
図2〜
図5に示すように、本実施形態の電子部品実装機1によると、基板搬送面Lに対して、ピン53が下側から回動する。ピン53は、XYロボット(基板搬送面Lよりも上側に配置される駆動機構)4から独立して配置されている。このため、XYロボット4に対して、ピン53を、独立して駆動することができる。
【0030】
図2〜
図5に示すように、本実施形態の電子部品実装機1のストッパ装置5によると、ねじ軸51の回動に伴ってナット部材52が回動することにより、ピン53の位置を、上位置P1と下位置P2とに切り換えることができる。すなわち、搬送中の基板Bを停止、通過させることができる。また、ねじ軸51の回動を許容する一方、ナット部材52の回動を規制することにより、ナット部材52つまりピン53を、左右方向に移動させることができる。すなわち、ピン53の上位置P1(基板Bの停止位置)を、左右方向に調整することができる。このように、本実施形態の電子部品実装機1のストッパ装置5によると、ねじ軸51を回動させるだけで、ピン53を、周方向および左右方向に、移動させることができる。このため、ピン53の駆動機構が簡単である。
【0031】
また、
図2〜
図5に示すように、本実施形態の電子部品実装機1のストッパ装置5によると、第一の規制部G1、第二の規制部G2により、ピン53の回動を規制することができる。具体的には、第一の規制部G1により、ピン53の上位置P1を設定することができる。並びに、第二の規制部G2により、ピン53の下位置P2を設定することができる。また、ピン53を、第一の規制部G1に沿って、右側から左側に(X+方向に)、移動させることができる。並びに、ピン53を、第二の規制部G2に沿って、左側から右側に(X−方向に)、移動させることができる。
【0032】
また、
図4に示すように、コイルスプリング55は、第一部材520のフランジ部520bと、第二部材521のフランジ部521bと、の間に介装されている。コイルスプリング55は、第一部材520と第二部材521とを、互いに離間させる方向に、付勢している。当該付勢力により、第一部材520の溝部520aは、ボールbを介して、ねじ軸51の溝部510に、圧接している。同様に、第二部材521の溝部521aは、ボールbを介して、ねじ軸51の溝部510に、圧接している。このため、ナット部材52とねじ軸51との間の摩擦力は大きい。当該摩擦力により、ねじ軸51の回動に伴って、確実に、ナット部材52を回動させることができる。
【0033】
また、
図5に示すように、ピン53は、規制部G1、G2の全長(開口部560の左右方向全長)に亘って、移動可能である。開口部560の左右方向全長が、上位置P1、下位置P2の軸方向設定領域A1である。軸方向設定領域A1は、ナット部材52の左右方向移動量を決定している。軸方向設定領域A1内であれば、基板Bの種類、基板Bの搬送方向(左→右、右→左)などに応じて、自在に、上位置P1、下位置P2の軸方向位置を設定することができる。また、開口部560の周方向全長が、上位置P1、下位置P2の周方向設定領域A2である。周方向設定領域A2内であれば、基板Bの種類、基板Bの搬送方向などに応じて、自在に、上位置P1、下位置P2の周方向位置を設定することができる。また、前述したように、第一部材520の溝部520aとねじ軸51の溝部510とは、ボールbを介して、螺合している。このため、段階的ではなく、連続的に、上位置P1、下位置P2の軸方向位置、周方向位置を、変更することができる。
【0034】
また、
図2、
図3に示すように、ナット部材52が規制部G1、G2に沿って移動する際、保護カラー54は、規制部G1、G2に摺接しながら転動している。このため、規制部G1、G2との摩耗から、ピン53を保護することができる。
【0035】
ところで、機械式のストッパ装置5ではなく、非接触式のセンサを用いて、基板Bの停止位置を管理する方法も考えられる。例えば、
図1に示すベルトコンベア23の左端(上流端)に非接触式のセンサを配置し、基板Bが当該センサを通過してから所定時間経過後にベルトコンベア23を停止させることにより、基板Bを部品装着位置にセットする方法も考えられる。しかしながら、この方法によると、ベルト230に対して基板Bがずれた場合(例えば、ベルト230上で基板Bが跳ねた場合、ベルト230上で基板Bがスリップした場合)などに、基板Bを部品装着位置に精度良くセットするのが困難になる。この点、本実施形態の電子部品実装機1のストッパ装置5によると、物理的かつ強制的に、搬送中の基板Bをピン53に当接させることにより、基板Bを停止させている。このため、基板Bを部品装着位置に精度良くセットすることができる。なお、単一の生産ラインにおいて、センサと、ストッパ装置5と、を併用してもよい。
【0036】
また、本実施形態の電子部品実装機1によると、
図2に示すピン53と、
図1に示すXYロボット4つまりマークカメラ41と、を互いに独立して駆動することができる。このため、マークカメラ41の画像から、制御装置が「ピン53が上位置P1に配置されていること」を確認することができる。すなわち、制御装置の記憶部に格納されている、正規の上位置と、実際の上位置P1と、を比較することができる。このため、上位置P1の位置決め精度が高くなる。
【0037】
<その他>
以上、本発明の対基板作業機の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0038】
図5に示す開口部560の上縁、前縁、左縁、右縁の延在方向は特に限定しない。上縁(規制部G1)、前縁(規制部G2)が、左右方向(左→右、右→左)および周方向を含む方向に延在していてもよい。左縁、右縁が、周方向および左右方向を含む方向に延在していてもよい。
【0039】
開口部560の周方向全長(周方向設定領域A2)は特に限定しない。上位置P1(ピン53が基板Bに当接する位置)を含んでいればよい。例えば、上位置P1がねじ軸51の真上に設定されている場合、前側から真上を介して後側まで(180°に亘って)、筒部材56に開口部560を開設してもよい。この場合、上位置P1の前側および後側のうち少なくとも一方に、下位置P2を設定してもよい。
【0040】
上位置P1は、ねじ軸51の真上に設定されていなくてもよい。下位置P2は、ねじ軸51の前側に設定されていなくてもよい。上位置P1においては、ピン53が基板Bに当接すればよい。反対に、下位置P2においては、ピン53が基板Bに当接しなければよい。
【0041】
開口部560の左右方向全長(軸方向設定領域A1)は特に限定しない。基板Bの種類、基板Bの搬送方向などに応じて、適宜変更すればよい。例えば、ベルトコンベア23の左右方向全長に亘って、開口部560を配置してもよい。また、単一の筒部材56に、左右方向に複数の開口部560を並置してもよい。すなわち、単一のねじ軸51に、複数のナット部材52を配置してもよい。例えば、一方のナット部材52のピン53により基板Bの部品装着位置を、他方のナット部材52のピン53により基板Bの待機位置を、各々決定してもよい。
図5に示す切換位置a1〜a6の設定数、位置は特に限定しない。基板Bの種類、基板Bの搬送方向などに応じて、適宜変更すればよい。
【0042】
図6に、その他の実施形態の対基板作業機のストッパ装置の前面図を示す。なお、
図3と対応する部位については、同じ符号で示す。
図6に示すように、筒部材の代わりに、一対の梁部材57a、57bを配置してもよい。梁部材57a、57bは、左右方向に延在している。上側の梁部材57aには、規制部G1が設定されている。下側の梁部材57aには、規制部G2が設定されている。ねじ軸51には、左右方向に離間して、一対のストッパリング58a、58bが環装されている。一対のストッパリング58a、58bは、ナット部材52の左右方向移動量を決定している。こうすると、ストッパ装置5の構成が簡単になる。
【0043】
図1に示すマークカメラ41の代わりに、モータ50のエンコーダを用いて、制御装置が、ピン53の位置(上位置P1、下位置P2、左右方向位置など)を確認してもよい。また、マークカメラ41とエンコーダとを併用して、ピン53の位置を確認してもよい。すなわち、ピン53の位置を検出するための「検出部」の構成は、特に限定しない。
【0044】
圧接部(
図4に示すコイルスプリング55)の種類は特に限定しない。圧接部により、ナット部材52をねじ軸51に、径方向外側から圧接させてもよい。例えば、ナット部材52を複数の部分円弧状の割体により構成し、周方向に隣り合う一対の割体の間に、当該割体同士を近接させる方向(ナット部材52を縮径させる方向)に付勢力を発生するコイルスプリングを介装してもよい。また、油圧機構、空圧機構などを用いて、ナット部材52をねじ軸51に圧接させてもよい。当接部(
図3に示すピン53)の種類は特に限定しない。当接部は、ナット部材52と一体に形成された、凸部であってもよい。
【0045】
図6に示す保護カラー54は、規制部G1、G2に対して摺接する(転動しない)だけでもよい。この場合、保護カラー54は、フッ素樹脂などの、低摩擦材製であってもよい。勿論、保護カラー54のうち、規制部G1、G2に対する摺接面だけを、低摩擦材で覆ってもよい。また、保護カラー54は、規制部G1、G2に対して転動する(摺接しない)だけでもよい。この場合、保護カラー54は、エラストマーなどの、弾性材製であってもよい。
【0046】
ねじ軸51の延在方向は特に限定しない。基板Bの搬送方向(左右方向)でも、基板Bの幅方向(前後方向)でもよい。ねじ軸51の延在方向を基板Bの幅方向にすると、基板Bの幅方向に、ピン53の位置を調整することができる。基板Bの種類によっては、基板Bの下流側(進行方向前側)の隅(右前隅、右後隅)に切欠部が配置されている場合がある。この場合、基板Bの幅方向にピン53の位置を調整可能であれば、上位置P1においてピン53が切欠部に当接しないように(ピン53が基板Bの下流側の縁(右縁)に当接するように)、ピン53の位置を調整することができる。このため、基板Bの停止位置がずれるのを抑制することができる。
【0047】
ねじ軸51を駆動するアクチュエータの種類は特に限定しない。ステッピングモータなどであってもよい。また、ねじ軸51を手動で(人力で)、駆動してもよい。こうすると、電子部品実装機1の電源停止時であっても、ピン53の位置を変更することができる。
図4に示すねじ軸51、ナット部材52の構成は特に限定しない。ボールbを配置せずに、ねじ軸51の外周面およびナット部材52の内周面のうち、一方にねじ山を、他方に当該ねじ山に螺合するねじ溝を、各々配置してもよい。すなわち、ねじ軸51、ナット部材52の構造は、ボールねじ同様の構造でなくてもよい。
【0048】
左側から右側に向かう方向が、本発明の「X+方向」に該当してもよい。右側から左側に向かう方向が、本発明の「X−方向」に該当してもよい。ねじ軸51を中心に、上側から前側に回動する方向が、本発明の「θ+方向」に該当してもよい。ねじ軸51を中心に、前側から上側に回動する方向が、本発明の「θ−方向」に該当してもよい。
【0049】
対基板作業機の種類は特に限定しない。電子部品実装機以外の生産ライン構成機器(例えば、スクリーン印刷機、基板外観検査機、リフロー炉など)であってもよい。ストッパ装置5を、対基板作業機から独立して用いてもよい。例えば、ストッパ装置5を、基板Bに対して所定の作業を行わない基板搬送装置2(生産ラインにおいて、一対の対基板作業機の間などに配置される、基板B待機用(バッファ用)の基板搬送装置2)に、配置してもよい。また、ストッパ装置5を、基板搬送装置2以外の搬送装置(例えば、ローラコンベア、ホイールコンベアなど)に配置してもよい。この場合、搬送装置のワーク(搬送対象物)の種類は特に限定しない。例えば、原材料、半加工品、製品などであってもよい。