特許第6905912号(P6905912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6905912経路探索装置、経路を探索する方法、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6905912
(24)【登録日】2021年6月30日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】経路探索装置、経路を探索する方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/32 20060101AFI20210708BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20210708BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20210708BHJP
   G08G 1/005 20060101ALN20210708BHJP
【FI】
   G01C21/32
   G08G1/0968
   G09B29/10 A
   !G08G1/005
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-201795(P2017-201795)
(22)【出願日】2017年10月18日
(65)【公開番号】特開2019-74460(P2019-74460A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2020年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】陳 チョン
(72)【発明者】
【氏名】細谷 研
(72)【発明者】
【氏名】中山 丈史
(72)【発明者】
【氏名】高野 雄夫
【審査官】 久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−325932(JP,A)
【文献】 特開2017−049109(JP,A)
【文献】 特開平10−281781(JP,A)
【文献】 特開2001−141482(JP,A)
【文献】 特開2010−107391(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/116637(WO,A1)
【文献】 特開2004−325083(JP,A)
【文献】 特開2004−325401(JP,A)
【文献】 特開2010−151546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/32
G08G 1/0968
G09B 29/10
G08G 1/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索装置であって、
ノードの情報と、前記ノード間を結ぶリンクの情報とを含む道路ネットワークデータを記憶する経路情報記憶部と、
前記リンクの情報と、移動体が過去に任意の出発地から任意の到着地まで移動した際の前記移動体の経時的な位置情報を補足する補足情報とから求めた特定のリンクについて、前記経路情報記憶部内のリンクコストを減じるコスト調整部と、
前記リンクコストを減じた後の前記経路情報記憶部を参照して、前記出発地から前記到着地までの経路を探索する経路探索処理を実行する経路探索部と、
前記経路探索部により探索された前記経路を用いて、前記移動体が過去に移動した前記出発地から前記到着地までの前記経路に関する案内をさせる案内制御部と、
を備え
前記補足情報は、前記移動体に搭載された現在位置取得部が取得する、前記移動体の前記位置情報の精度であり、
前記コスト調整部は、前記精度が所定の基準よりも低いポリゴンについて、前記ポリゴンに少なくとも一部が含まれる全ての前記リンクの情報を参照し、前記精度低下に影響する情報を持つ前記リンクを抽出して前記特定のリンクとする、経路探索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路探索装置であって、
前記補足情報は、さらに前記移動体の利用者に関する情報が含まれ
前記コスト調整部は、前記リンクの情報を参照し、前記利用者に関する情報と関連性の高い前記リンクを抽出して前記特定のリンクとする、経路探索装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の経路探索装置であって、さらに、
前記経路情報記憶部を参照して、前記経時的な位置情報から生成された所定形状のポリゴンに含まれている前記リンクを抽出すると共に、抽出されたリンクまたは前記抽出されたリンク以外の他のリンクについて、さらに、前記経路情報記憶部内の前記リンクの情報を更新することで、経路探索処理において選択される前記リンクを限定するリンク限定部を備え、
前記経路探索部は、更新後の前記経路情報記憶部を参照して前記経路探索処理を実行する、経路探索装置。
【請求項4】
請求項に記載の経路探索装置であって、
前記リンク限定部は、前記他のリンクについての前記リンクの情報に対し、
前記経路探索処理において経路探索の対象としない旨の情報を付加し、または、
前記他のリンクのリンクコストを、前記抽出されたリンクのリンクコストと比較して高く変更する、経路探索装置。
【請求項5】
経路を探索する方法であって、
ノードの情報と、前記ノード間を結ぶリンクの情報とを含む道路ネットワークデータを記憶する経路情報記憶部を備える情報処理装置が、
前記リンクの情報と、移動体が過去に任意の出発地から任意の到着地まで移動した際の前記移動体の経時的な位置情報を補足する補足情報とから求めた特定のリンクについて、前記経路情報記憶部内のリンクコストを減じる工程と、
前記リンクコストを減じた後の前記経路情報記憶部を参照して、前記出発地から前記到着地までの経路を探索する経路探索処理を実行する工程と、
前記経路探索処理により探索された前記経路を用いて、前記移動体が過去に移動した前記出発地から前記到着地までの前記経路に関する案内をさせる工程と、
を備え
前記補足情報は、前記移動体に搭載された現在位置取得部が取得する、前記移動体の前記位置情報の精度であり、
前記リンクコストを減じる工程では、前記精度が所定の基準よりも低いポリゴンについて、前記ポリゴンに少なくとも一部が含まれる全ての前記リンクの情報を参照し、前記精度低下に影響する情報を持つ前記リンクを抽出して前記特定のリンクとする、方法。
【請求項6】
コンピュータプログラムであって、
ノードの情報と、前記ノード間を結ぶリンクの情報とを含む道路ネットワークデータを記憶する経路情報記憶部を備える情報処理装置に、
前記リンクの情報と、移動体が過去に任意の出発地から任意の到着地まで移動した際の前記移動体の経時的な位置情報を補足する補足情報とから求めた特定のリンクについて、前記経路情報記憶部内のリンクコストを減じるステップと、
前記リンクコストを減じた後の前記経路情報記憶部を参照して、前記出発地から前記到着地までの経路を探索する経路探索処理を実行するステップと、
前記経路探索処理により探索された前記経路を用いて、前記移動体が過去に移動した前記出発地から前記到着地までの前記経路に関する案内をさせるステップと、
を実行させ
前記補足情報は、前記移動体に搭載された現在位置取得部が取得する、前記移動体の前記位置情報の精度であり、
前記リンクコストを減じるステップでは、前記精度が所定の基準よりも低いポリゴンについて、前記ポリゴンに少なくとも一部が含まれる全ての前記リンクの情報を参照し、前記精度低下に影響する情報を持つ前記リンクを抽出して前記特定のリンクとする、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路を探索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムやスマートフォン等の移動体を利用した、自動車用及び歩行者用の経路案内が実現されている。このような経路案内において、利用者がよく通る経路や通ったことのある経路(以降、総称して「利用経路」とも呼ぶ)を求め、当該利用経路に関する案内をすることで利便性の向上を図る技術が知られている。例えば、特許文献1には、経時的に変化する移動体の各位置に対して周囲のリンクをそれぞれ関連付け、関連付けられたリンクを繋ぐことで利用経路を求める技術が記載されている。特許文献2には、複数の道路が並走している場合において移動体の位置を精度よく求めるために、移動体の推測位置と、リンクの属性との相関度を用いる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−101563号公報
【特許文献2】特開平10−141968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体の位置の情報は、移動体が搭載している現在位置取得手段(例えばGPS:Global Positioning System)の精度によって実情と乖離する場合がある。このような場合、特許文献1の技術では、算出された利用経路と実際の利用経路との間にも乖離が生じるという課題があった。また、特許文献2では、利用経路の算出については何ら考慮されていない。
【0005】
このため、利用者がよく通る経路や通ったことのある経路(利用経路)を求める経路探索装置において、実際の利用経路に近い利用経路を探索することが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。経路探索装置であって、ノードの情報と、前記ノード間を結ぶリンクの情報とを含む道路ネットワークデータを記憶する経路情報記憶部と、前記リンクの情報と、移動体が過去に任意の出発地から任意の到着地まで移動した際の前記移動体の経時的な位置情報を補足する補足情報と、から求めた特定のリンクについて、前記経路情報記憶部内のリンクコストを減じるコスト調整部と、前記リンクコストを減じた後の前記経路情報記憶部を参照して、前記出発地から前記到着地までの経路を探索する経路探索処理を実行する経路探索部と、前記経路探索部により探索された前記経路を用いて、前記移動体が過去に移動した前記出発地から前記到着地までの前記経路に関する案内をさせる案内制御部と、を備え、前記補足情報は、前記移動体に搭載された現在位置取得部が取得する、前記移動体の前記位置情報の精度であり、前記コスト調整部は、前記精度が所定の基準よりも低いポリゴンについて、前記ポリゴンに少なくとも一部が含まれる全ての前記リンクの情報を参照し、前記精度低下に影響する情報を持つ前記リンクを抽出して前記特定のリンクとする、経路探索装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、経路探索装置が提供される。この経路探索装置は、ノードの情報と、前記ノード間を結ぶリンクの情報とを含む道路ネットワークデータを記憶する経路情報記憶部と、前記リンクの情報と、移動体の経時的な位置情報を補足する補足情報とから求めた特定のリンクについて、前記経路情報記憶部内のリンクコストを減じるコスト調整部と、前記リンクコストを減じた後の前記経路情報記憶部を参照して経路探索処理を実行する経路探索部と、を備える。
この形態の経路探索装置によれば、コスト調整部は、移動体の経時的な位置情報を補足する補足情報を用いて求めた特定のリンクについてリンクコストを減じることで、経路探索処理において選択されやすくする。この結果、本形態の経路探索装置によれば、実際の利用経路に近い利用経路を探索することができる。
【0008】
(2)上記形態の経路探索装置において、前記補足情報は、前記位置情報を取得する現在位置取得部の精度であり、前記コスト調整部は、前記精度が所定の基準よりも低い場合に、前記リンクの情報を参照し、前記精度低下に影響する情報を持つ前記リンクを抽出して前記特定のリンクとしてもよい。
この形態の経路探索装置によれば、コスト調整部は、補足情報が表わす現在位置取得部(例えばGPS)の精度が所定の基準よりも低い場合に、当該事象が発生したのは移動体が精度低下の原因となる道(リンク)を通過した結果であると推定して、精度低下に影響する情報(例えばトンネル等)を持つリンクのリンクコストを減じることで、経路探索処理において選択されやすくできる。
【0009】
(3)上記形態の経路探索装置では、さらに、前記補足情報は、前記移動体の利用者に関する情報であり、前記コスト調整部は、前記リンクの情報を参照し、前記利用者に関する情報と関連性の高い前記リンクを抽出して前記特定のリンクとしてもよい。
この形態の経路探索装置によれば、コスト調整部は、利用者に関する情報と関連性の高いリンクを利用者が通過した道(リンク)であると推定して、リンクコストを減じることで経路探索処理において選択されやすくできる。
【0010】
(4)上記形態の経路探索装置では、さらに、前記経路情報記憶部を参照して、前記経時的な位置情報から生成された所定形状のポリゴンに含まれている前記リンクを抽出すると共に、抽出されたリンクまたは前記抽出されたリンク以外の他のリンクについて、さらに、前記経路情報記憶部内の前記リンクの情報を更新することで、経路探索処理において選択される前記リンクを限定するリンク限定部を備え、前記経路探索部は、更新後の前記経路情報記憶部を参照して前記経路探索処理を実行してもよい。
この形態の経路探索装置によれば、リンク限定部は、経路情報記憶部内のリンクの情報を更新することで、経路探索処理において選択されるリンクを限定する。このため、経路探索部では、リンク限定部によって更新された経路情報記憶部を参照して通常の経路探索処理を実行すれば足りるため、特別な処理を行う必要がなく、経路探索部における処理負荷を低減させることができる。また、リンク限定部は、移動体の経時的な位置情報から生成されたポリゴンに含まれるリンクを抽出すれば足りるため、高負荷な「位置とリンクとの関連付け処理」を必要としない。さらに、リンク限定部は、経路情報記憶部内のリンクの情報を更新することで、抽出されたリンクと他のリンクとの区別を付けることができるため、例えば別途、抽出されたリンクのみの新たな道路ネットワークデータを生成、保持する場合と比較して、処理負荷を低減させることができる。これらの結果、本形態の経路探索装置によれば、処理負荷を低減させて、処理に要する時間の増大を抑制することができる。
【0011】
(5)上記形態の経路探索装置において、前記リンク限定部は、前記他のリンクについての前記リンクの情報に対し、前記経路探索処理において経路探索の対象としない旨の情報を付加し、または、前記他のリンクのリンクコストを、前記抽出されたリンクのリンクコストと比較して高く変更してもよい。
この形態の経路探索装置によれば、リンク限定部は、抽出されたリンク以外の他のリンクを、抽出されたリンクと区別することによって、経路探索処理において選択されるリンクを限定することができる。
【0012】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、経路探索装置、経路案内装置、これら各装置の機能を実現するために情報処理装置において実行される方法、これら各装置を含むナビゲーションシステム、これら各装置やシステムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態としてのナビゲーションシステムの概略構成を示す図である。
図2】ナビゲーションシステムの動作について説明する図である。
図3】利用経路探索処理の手順を示すシーケンス図である。
図4】利用経路探索処理のステップS10〜S14について説明する図である。
図5】利用経路探索処理のステップS20、S22について説明する図である。
図6】利用経路探索処理のステップS24〜S32について説明する図である。
図7】ポリゴンの順序を考慮した利用経路探索処理について説明する図である。
図8】ポリゴンの順序を考慮した利用経路探索処理について説明する図である。
図9】複数層の道路ネットワークデータを用いた利用経路探索処理の一例について説明する図である。
図10】複数層の道路ネットワークデータを用いた利用経路探索処理の他の例について説明する図である。
図11】ポリゴン生成方法について説明する図である。
図12】ポリゴンの変形について説明する図である。
図13】第2実施形態におけるナビゲーションシステムの概略構成を示す図である。
図14】第2実施形態における利用経路探索処理の手順を示すシーケンス図である。
図15】第2実施形態における利用経路探索処理について説明する図である。
図16】他の補足情報を利用した利用経路探索処理について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.第1実施形態:
A−1.ナビゲーションシステムの構成:
図1は、本発明の一実施形態としてのナビゲーションシステムの概略構成を示す図である。ナビゲーションシステム1は、利用者がよく通る経路や通ったことのある経路(以降、総称して「利用経路」とも呼ぶ)を探索し、当該利用経路に関する案内をするシステムである。
【0015】
図2は、ナビゲーションシステムの動作について説明する図である。本実施形態のナビゲーションシステム1は、移動体20の経時的な位置情報から生成されたポリゴンP1〜P5(図2:ドットハッチング)について、各ポリゴンに含まれているリンクLKを抽出し、抽出されたリンクLKを対象とした経路探索処理を行うことで、移動体20の出発地Sから到着地Gまでの間における利用経路RTを求め、利用経路RTに関する案内を行う。以降では、利用者が自動車で移動する場合について例示するが、利用者が他の移動手段(徒歩、自転車、各種の公共交通機関等)を利用する場合や、複数の移動手段を組み合わせて利用する場合についても同様に構成できる。
【0016】
図1に戻り、ナビゲーションシステム1は、「経路探索装置」として機能するサーバ10と、移動体20と、を備えている。サーバ10は有線通信によってインターネットINTに接続されている。移動体20は、通信キャリアBSを介した無線通信によってインターネットINTに接続されている。通信キャリアBSには、送受信アンテナや、無線基地局、交換局が含まれる。すなわち、サーバ10と移動体20とは、インターネットINTを介して相互に通信することができる。
【0017】
サーバ10は、CPU110と、記憶部120と、通信部130と、ROM/RAM140とを備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
【0018】
CPU110は、ROM140に格納されているコンピュータプログラムをRAM140に展開して実行することにより、サーバ10の各部を制御する。CPU110は、取得部112、リンク限定部114、経路探索部116、案内制御部118としても機能する。取得部112とリンク限定部114と経路探索部116とは協動して、後述の利用経路探索処理を実行する。利用経路探索処理は、利用者がよく通る経路や通ったことのある経路(利用経路)を求める処理である。案内制御部118は、利用経路探索処理において求められた利用経路に関する情報を移動体20に案内させる。
【0019】
記憶部120は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成される。以降の説明では、データベースを単に「DB」とも呼ぶ。記憶部120は、地図DB122と経路DB124とを含んでいる。地図DB122は、地図画像を表すデータを格納するデータベースである。地図画像を表すデータには、地形、建物、道路の形状等、地図表示のために必要な情報が含まれる。
【0020】
経路DB124は、道路ネットワークデータが格納されたデータベースである。道路ネットワークデータには、交差点の位置や駅等のランドマークの位置を表す「ノード」に関するノード情報と、ノード間をつなぐ道路を表す「リンク」に関するリンク情報と、が含まれる。道路ネットワークデータは、経路探索部116が経路を探索する際に使用される。ノード情報には、ノードの位置情報、ノードの種類、ノードの名称、その他ノードの情報等が含まれる。リンク情報には、移動手段毎のリンクコスト(当該リンクが表す道路の平均移動時間)、リンクの種類、リンクの名称、リンクの状態、その他リンクの情報等が含まれる。経路DB124は「経路情報記憶部」として機能し、リンク情報は「リンクの情報」として機能する。
【0021】
通信部130は、他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。他の装置には、移動体20のほか、図示しない他のサーバ等が含まれ得る。
【0022】
移動体20は、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、ROM/RAM240と、入出力部250と、現在位置取得部260、を備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
【0023】
CPU210は、ROM240に格納されているコンピュータプログラムをRAM240に展開して実行することにより移動体20の各部を制御するほか、ポリゴン生成部212、案内部214として機能する。ポリゴン生成部212は、サーバ10と協働して、後述の利用経路探索処理を実行する。案内部214は、利用経路探索処理において求められた利用経路に関する情報を入出力部250から出力する。
【0024】
記憶部220は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成される。通信部230は、サーバ10など他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。入出力部250は、移動体20と利用者との間の情報の入出力に使用される種々のインターフェースである。入出力部250としては、例えば、入力部としてのタッチパネル、操作ボタン、マイク、出力部としてのタッチパネル、液晶パネル、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)インジケータ等を採用できる。現在位置取得部260は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星から送信された電波を受信し、移動体20の現在位置を表す位置情報(緯度および経度)を取得する。
【0025】
A−2.利用経路探索処理:
図3は、利用経路探索処理の手順を示すシーケンス図である。利用経路探索処理は、利用者がよく通る経路や通ったことのある経路(利用経路)を求める処理であり、任意のタイミングで実行され得る。例えば、利用経路探索処理は、移動体20に搭載されている所定のアプリケーションにおける現在位置取得部260の使用が有効とされている場合において、常時実行されてよい。
【0026】
図4は、利用経路探索処理のステップS10〜S14について説明する図である。図3のステップS10において、移動体20の現在位置取得部260は、出発地から到着地までの移動体20の経時的な位置情報を取得する。ここで、例えば現在位置取得部260は、任意の間隔(例えば1秒)で繰り返し位置情報を取得する。現在位置取得部260は、例えば、繰り返し取得した位置情報の単位時間当たりの変化量を用いて、出発地S、移動体20の移動中における各位置Li1〜Li5、到着地Gを区別できる(図4)。
【0027】
ステップS12において、移動体20のポリゴン生成部212は、繰り返し取得された位置情報(継時的な位置情報)からポリゴンを生成する。ポリゴン生成部212は、任意の方法でポリゴンを生成することができ、例えば図4に示すように、移動中における各位置Li1〜Li5をそれぞれ中心とした矩形形状のポリゴンP1〜P5を生成できる。ポリゴン生成部212は、例えば図4に示すように、ポリゴンP1〜P5の縦横比を、緯度毎または経度毎の単位時間当たりの変化量を用いて決定してもよい。ポリゴン生成部212は、位置情報の精密さの度合いを表すGPS精度情報(詳細は後述)に応じて、ポリゴンP1〜P5の大きさを変化させてもよい。例えば、GPS精度情報が所定の基準よりも高い場合、ポリゴン生成部212は、当該位置情報が表わす位置の周辺を利用者が通過した確率が高いとみなして、ポリゴンの大きさを小さくできる。また、GPS精度情報が所定の基準よりも低い場合、ポリゴン生成部212は、当該位置情報が表わす位置の周辺を利用者が通った確率が低いとみなして、ポリゴンの大きさを大きくできる。なお、生成された複数のポリゴンP1〜P5は、一部または全部の範囲が重複していてもよい。
【0028】
ステップS14において、移動体20のポリゴン生成部212は、生成したポリゴンの全てについて、各ポリゴンに関する情報(以降「ポリゴン情報」とも呼ぶ)をサーバ10へ送信する。ポリゴン情報には、ポリゴンの形状を規定する位置座標情報と、ポリゴンの順序とが含まれている。ポリゴンの形状を規定する位置座標情報としては、ポリゴンの形状(大きさを含む)を規定可能な限りにおいて任意の情報を利用できる。本実施形態では、矩形のポリゴンであるため、起点の位置情報と終点の位置情報、すなわち矩形の対角2点の位置情報を利用できる。なお、対角2点の位置情報に代えて、矩形の各角の位置情報の組み合わせや、矩形の縁に沿った点列の位置情報の組み合わせを利用してもよい。ポリゴンの順序は、出発地Sから数えて何番目に生成されたポリゴンであるかを表す情報である。図4に示すポリゴンP1(ドットハッチング)の場合、ポリゴン情報には、起点の位置情報G11と、終点の位置情報G12と、ポリゴンの順序「1」が含まれる。なお、ポリゴン情報のうちポリゴンの順序は省略可能であり、ポリゴン情報には他の情報(例えば、中心点の位置情報Li1〜Li5)が含まれてもよい。
【0029】
図5は、利用経路探索処理のステップS20、S22について説明する図である。図3のステップS20において、サーバ10の取得部112は、移動体20からポリゴン情報を取得する。次にサーバ10のリンク限定部114は、取得されたポリゴン情報と、経路DB124とを参照して、各ポリゴンを通るリンクをそれぞれ抽出する。なお、後述する変形a4,5のように、経路DB124に複数層の道路ネットワークデータが含まれる場合、リンク限定部114は任意の層を用いてリンクを抽出できるが、抽出されたリンクを用いての経路の繋がりやすさという観点からは、多層と比較して情報量が多い層を用いてリンクを抽出することが好ましい。
【0030】
ステップS20について、順序nのポリゴンPn(図5:ドットハッチング)を例示して説明する。リンク限定部114は、経路DB124のリンク情報を参照して、ポリゴンPnにその少なくとも一部が含まれるリンク(図5:リンクL11,12,21〜23,31〜33,41,42,51〜53,61〜65)を抽出する。リンク限定部114は、取得されたポリゴン情報に含まれる全てのポリゴンについて、このリンク抽出を実施する。
【0031】
ステップS22において、サーバ10のリンク限定部114は、経路DB124の全リンク情報について、ステップS20で抽出したリンク以外の全てのリンク(以降「他のリンク」とも呼ぶ)のリンクの状態を「通行止め」へと更新する。例えば、図5に示したポリゴンPnの場合、バツ印を付した各リンクについて、リンク情報のリンクの状態が「通行止め」へと更新される。
【0032】
図6は、利用経路探索処理のステップS24〜S32について説明する図である。図3のステップS24において、サーバ10の経路探索部116は、出発地Sの位置情報と到着地Gの位置情報を用いて、出発地Sから到着地Gへ至る経路の探索処理を行う。ここで、経路探索部116は、ステップS22における更新後の経路DB124を用いて、通常の経路探索処理を実行すればよい。更新後の経路DB124では、出発地Sから到着地Gまでの各ポリゴンP1〜P5に含まれない全てのリンク(他のリンク)について、リンク情報が「通行止め」へと変更されている(図6:バツ印)。また、通常の経路探索処理では、リンク情報が「通行止め」であるリンクは、選択の対象外とされる。このため、経路探索部116は、更新後の経路DB124を参照して通常の経路探索処理を実行するだけで、リンク限定部114によって抽出されたリンクのみを選択の対象とした経路RTが得られる(図6)。換言すれば、経路RTは、経路探索処理において選択されるリンクを、リンク限定部114により抽出されたリンクに限定して得られた経路である。
【0033】
なお、ステップS20では、各ポリゴンP1〜P5にその少なくとも一部が含まれるリンクが抽出され、ステップS22、S24では、経路探索処理において選択されるリンクを、抽出されたリンクに限定する。この結果、経路探索処理の結果として得られた経路RTは、図6に示すように、その一部分が各ポリゴンP1〜P5からはみ出す場合も生じ得る。
【0034】
なお、経路探索処理は、例えば周知のダイクストラ法に基づいて実施でき、任意の条件が付加されてもよい。任意の条件とは、例えば、探索のための優先条件(距離優先、時間優先、道幅優先、無料道路を優先、有料道路を優先)、VICS(Vehicle Information and Communication System、VICSは登録商標)により提供される各種情報の考慮有無等を採用できる。任意の条件は、利用者により予め設定されるほか、サーバ10にプリセットされてもよい。
【0035】
ステップS26において、サーバ10の案内制御部118は、ステップS24により得られた探索結果(経路RT)を用いて案内情報を生成する。案内制御部118は、種々の案内情報を生成でき、例えば、到着地Gを目的地として経路RTを通過した場合の到着予想時間や、経路RT上の交通関連情報を移動体20に出力するための案内情報を生成できる。交通関連情報には、経路RTに含まれる各リンクの渋滞情報や規制情報、経路RTが通過する各地域における災害情報や天候情報を含み得る。なお、ステップS26は省略してもよい。
【0036】
ステップS30において、サーバ10の案内制御部118は、ステップS26により生成された案内情報を、移動体20へと送信する。なお、ステップS26が省略された場合、ステップS30において案内制御部118は、ステップS24により得られた探索結果(経路RT)を、移動体20へと送信する。
【0037】
ステップS32において、移動体20の案内部214は、サーバ10から取得した案内情報を、適宜のタイミングで入出力部250へと出力する。この結果、ナビゲーションシステム1の利用者(移動体20の利用者)は、よく通る経路や通ったことのある経路(利用経路)に関する種々の情報を取得することができ、利用者における利便性を向上させることができる。なお、図3では、1つの出発地Sと到着地Gとの組み合わせに対する処理のみを例示した。しかし、複数の出発地Sと到着地G(複数の利用経路)について、同様の処理がシリアルまたはパラレルに実行されてよい。この場合、ステップS32において出力される案内情報は、現在の利用経路に関する案内情報とできる。
【0038】
以上説明したように、上記実施形態のサーバ10(経路探索装置)によれば、リンク限定部114は、経路DB124(経路情報記憶部)内のリンク情報を更新することで、経路探索処理(図3:ステップS24)において選択されるリンクを限定する。このため、経路探索部116では、リンク限定部114によって更新された経路DB124を参照して通常の経路探索処理を実行すれば足りるため、特別な処理を行う必要がなく、経路探索部116における処理負荷を低減させることができる。また、リンク限定部114は、移動体20の経時的な位置情報から生成されたポリゴンP1〜P5に含まれるリンクを抽出すれば足りる(図3:ステップS20)ため、高負荷な「位置とリンクとの関連付け処理」を必要としない。さらに、リンク限定部114は、経路DB124内のリンク情報を更新することで、抽出されたリンクと他のリンクとの区別を付けることができる(図3:ステップS22)ため、例えば別途、抽出されたリンクのみの新たな道路ネットワークデータを生成、保持する場合と比較して、処理負荷を低減させることができる。これらの結果、本形態のサーバ10によれば、処理負荷を低減させて、処理に要する時間の増大を抑制することができる。
【0039】
A−3.利用経路探索処理の変形:
利用経路探索処理の変形について説明する。これらの変形は、上述した利用経路探索処理に対して単独で適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
【0040】
(a1)リンク情報更新の変形(他のリンク):
図3のステップS22において、サーバ10のリンク限定部114は、他のリンクについてのリンク情報を「通行止め」以外の情報であって、当該リンクが経路探索処理において選択の対象外となるような任意の情報に更新してもよい。例えば、リンク限定部114は、リンク情報に「経路探索処理における探索対象外とするフラグ」が含まれる場合、このフラグを探索対象であることを示す「0」から、探索対象外であることを示す「1」へと変更してもよい。こうすれば、当該フラグを参照した通常の経路探索処理において、他のリンクは選択されなくなる。
【0041】
また、例えば、リンク限定部114は、リンク情報に含まれるリンクコストを、予め格納されている値よりも高く変更(例えば、10倍、100倍等)してもよい。こうすれば、更新後の経路DB124において、他のリンクのリンクコストは、ステップS20で抽出されたリンクのリンクコストよりも高くなる。通常の経路探索処理では、経路RTのコストがより小さくなるようなリンクが選択されるため、リンクコストを高く変更することで、必然的に当該リンクは選択されなくなる。
【0042】
このようにすれば、リンク限定部114は、抽出されたリンク以外の「他のリンク」を、抽出されたリンクと区別することによって、経路探索処理において選択されるリンクを限定することができる。
【0043】
(a2)リンク情報更新の変形(抽出されたリンク):
図3のステップS22において、サーバ10のリンク限定部114は、他のリンクではなく、抽出されたリンクのリンク情報を対象として、当該リンクが経路探索処理において選択の対象となるような任意の情報に更新してもよい。例えば、リンク限定部114は、リンク情報に「経路探索処理における探索対象とするフラグ」が含まれる場合、このフラグを探索対象外であることを示す「0」から、探索対象であることを示す「1」へと変更してもよい。こうすれば、当該フラグを参照した通常の経路探索処理において、抽出されたリンクが選択される。
【0044】
また、例えば、リンク限定部114は、リンク情報に含まれるリンクコストを、予め格納されている値よりも低く変更(例えば、10分の1、100分の1等)してもよい。こうすれば、更新後の経路DB124において、抽出されたリンクのリンクコストは、他のリンクのリンクコストよりも低くなる。通常の経路探索処理では、経路RTのコストがより小さくなるようなリンクが選択されるため、リンクコストを低く変更することで、必然的に当該リンクが選択される。
【0045】
このようにすれば、リンク限定部114は、抽出されたリンクを、他のリンクと区別することによって、経路探索処理において選択されるリンクを限定することができる。
【0046】
(a3)ポリゴンの順序を考慮した変形:
図7図8は、ポリゴンの順序を考慮した利用経路探索処理について説明する図である。上述したダイクストラ法では、コスト重視の経路探索処理が行われる。このため、図7のように大きく湾曲するように連なったポリゴンP1〜P5や、図8のように円を描いて連なったポリゴンP1〜P9が移動体20から送信された場合、コストがより小さくなる経路RT1(図7図8:破線)が選択されることがある。このような経路RT1は、移動体20から取得した全てのポリゴンを通過しない経路であり、実際の利用経路と乖離している虞がある。本変形では、このような事象の発生を抑制する。
【0047】
具体的には、図3のステップS22において、サーバ10のリンク限定部114は、ステップS20で抽出されたリンクを対象として、経路DB124のリンク情報の「その他リンクの情報」として、各リンクの抽出元であるポリゴンの順序を記憶させる。これは、図3や変形a1,2で説明したリンク情報の更新に対して、追加的に行う。また、ステップS24において経路探索部116は、経路探索処理の際に、更新後の経路DB124を参照して、その他リンクの情報に記憶されているポリゴンの順序に従って、ポリゴンの順序が抜け無くかつ昇順に連続するように、リンクを選択する。
【0048】
このようにすれば、経路探索部116は、経路DB124内のリンクの情報に付加されたポリゴンの順序に従ってリンクを選択する。このため、ステップS24の経路探索処理において、移動体20の継時的な位置の変化に従った(追従した)リンクを選択させることができ、実際の利用経路に近い利用経路RT2(図7図8:実線)を探索することができる。なお、本変形は、例えば出発地Sと到着地Gとが同じ場所である場合(自宅から出発して付近を一周して自宅に戻る場合等)においても有用である。
【0049】
(a4)複数層の道路ネットワークデータを用いる変形(1):
図9は、複数層の道路ネットワークデータを用いた利用経路探索処理の一例について説明する図である。本変形では、経路DB124に、情報量が異なる複数層の道路ネットワークデータが記憶されている。例えば図9のように、レベル0(上段)、レベル1(下段)の2層の道路ネットワークデータが記憶されている場合を例示する。レベル0の道路ネットワークデータには、国道や高速道路等の大きな道を表すリンクL1,L2と、市町村道等の小さな道を表すリンクL3,L4との両方が記憶されている。一方、レベル1の道路ネットワークデータには、国道や高速道路等の大きな道を表すリンクL1,L2のみが記憶されている。すなわち、レベル0,1における道路ネットワークデータはその情報量が相違し、レベル1の方がレベル0と比較して情報量が少ない。なお、図9ではポリゴンP5とポリゴンP11との間のポリゴンについて図示を省略している。
【0050】
本変形では、図3のステップS20において、上述した処理に代えて以下を実施する。
・リンク限定部114は、出発地S周辺のポリゴンP1〜P3と、到着地G周辺のポリゴンP13〜P15(図9:ドットハッチング)に対しては、経路DB124のうち情報量が多いレベル0の道路ネットワークデータを用いてリンクの抽出を行う。
・リンク限定部114は、出発地Sおよび到着地Gの周辺でない他のポリゴンP4〜P12(図9:斜線ハッチング)に対しては、経路DB124のうち情報量が少ないレベル1の道路ネットワークデータを用いてリンクの抽出を行う。
この結果、ステップS24の経路探索処理では、出発地Sおよび到着地Gの周辺(ドットハッチングの領域)では、レベル0に基づく市町村道等の小さな道も対象としたリンクが選択され、出発地Sおよび到着地Gの間(斜線ハッチングの領域)では、レベル1に基づく国道や高速道路等の大きな道を対象としたリンクが選択される。
【0051】
なお、本変形は、出発地Sと到着地Gとの間の距離が遠い場合、換言すれば、出発地Sと到着地Gとの間の距離が所定閾値以上である場合に限って実行されてもよい。一般に、出発地Sと到着地Gとの間の距離が遠い場合、国道や高速道路等の大きな道が使用される確率が高いことから、本変形がより効果的となる。本変形では、経路DB124がレベル0,1の2層構成である場合を例示したが、経路DB124は3層以上の複数層に分かれていてもよい。この場合、リンク限定部114は、「出発地Sおよび到着地Gを含むポリゴンのリンク抽出に用いる層の情報量>他のポリゴンのリンク抽出に用いる層の情報量」である限りにおいて、どの層を利用してもよい。また、リンク限定部114は、出発地Sと到着地Gとのいずれか一方に対してのみ、情報量の多い層を利用してもよい。
【0052】
このようにすれば、リンク限定部114は、出発地Sと到着地Gとの周辺でないポリゴンP4〜P12(すなわち、出発地Sと到着地Gとの中間地点に位置するポリゴン)に対しては、情報量が少ない層の道路ネットワークデータを参照してリンクを抽出するため、リンク抽出のために必要な処理負荷を低減することができる。
【0053】
(a5)複数層の道路ネットワークデータを用いる変形(2):
図10は、複数層の道路ネットワークデータを用いた利用経路探索処理の他の例について説明する図である。本変形では、変形a4と同様に、経路DB124に情報量が異なる複数層(例えば、レベル0,1の2層)の道路ネットワークデータが記憶されている。
【0054】
本変形では、リンク限定部114は、図3のステップS20を実行した後さらに、ステップS20で抽出したリンクから次の条件1,2の両方に該当するリンクを除外する。
・条件1:経路DB124のうち情報量が少ないレベル1の道路ネットワークデータに含まれるリンクであって、
・条件2:リンクの両端ノードのうちの少なくとも一方が、ステップS20で取得した複数のポリゴンP1〜P5の外に位置するリンク。
この結果、ステップS20で抽出されたリンクから、国道や高速道路等の大きな道を表すリンクL1,L2であって(条件1)、少なくとも一方のノードN22がポリゴンP1〜P5の外に位置するリンクL2(条件2)が除外される。ここで除外されたリンクL2は「他のリンク」として扱われ、経路探索処理での選択の対象外とされる。
【0055】
なお、本変形においても、経路DB124がレベル0,1の2層構成である場合を例示したが、経路DB124は3層以上の複数層に分かれていてもよい。この場合、リンク限定部114は、「ステップS20におけるリンク抽出に用いる層の情報量>条件1で利用する層の情報量」である限りにおいて、どの層を利用してもよい。
【0056】
他の層(例えば図10のレベル0)と比較して情報量の少ない層(例えば図10のレベル1)の道路ネットワークデータには、一般に、例えば高速道路や国道等の大きな道を表すリンクの情報が含まれ、例えば市町村道等の小さな道を表すリンクの情報が含まれない。このようにすれば、リンク限定部114は、大きな道を表すリンクL1,L2の両端ノードN11,12、N21,22の少なくとも一方が複数のポリゴンP1〜P5の外にある場合、換言すれば、大きな道の両端の少なくとも一方が、移動体20の継時的な位置の変化から逸れている場合に、当該リンクは移動体20が通過した道ではないと推定して、ステップS20で抽出されたリンクから予め除外することができる。この結果、ステップS24の経路探索処理において、実際の利用経路に近い利用経路を探索することができる。これは、例えば高速道路と国道とが途中まで並走している場合に、正しい利用経路を導く際に有用である。
【0057】
(a6)ポリゴン生成方法の変形:
図11は、ポリゴン生成方法について説明する図である。移動体20のポリゴン生成部212は、図3のステップS12において、ある時刻tの位置情報と、次の時刻t+1の位置情報とを対角とした矩形形状のポリゴンを生成してもよい。例えば、時刻tの位置情報をG1、時刻t+1の位置情報をG2、時刻t+2の位置情報をG3とした場合、ポリゴン生成部212は、G1点とG2点とを対角としたポリゴンP1、G2点とG3点とを対角としたポリゴンP2を生成できる。
【0058】
このようにすれば、ポリゴン生成部212は、移動体20の継時的な位置情報から簡便にポリゴンを生成することができる。また、生成されるポリゴンは2点(時刻tの位置情報、時刻t+1の位置情報)を対角とした矩形形状であるため、ポリゴン生成部212やリンク限定部114における演算を簡易化することができる。なお、ポリゴン生成部212は、サーバ10に設けられていてもよい。この場合でも、本変形によれば、移動体20から経時的な位置情報を取得するだけで、簡便にポリゴンを生成できる。
【0059】
なお、ポリゴン生成部212によって生成されるポリゴンは、複数でなくてもよい(1つでもよい)。また、ポリゴン生成部212によって生成されるポリゴンは任意の形状とすることができ、矩形形状以外の他の形状とできる。例えば、円形や、多角形としてもよい。円形の場合、ポリゴンの形状を規定する位置座標情報は、中心点の位置情報と半径との組み合わせや、円の縁に沿った点列等で定義できる。多角形の場合、ポリゴンの形状を規定する位置座標情報は、各角の位置情報の組み合わせや、多角形の縁に沿った点列の位置情報の組み合わせ、多角形の中心点の位置情報と各角までの距離の組み合わせ等で定義できる。
【0060】
(a7)ポリゴン変更の変形:
図12は、ポリゴンの変形について説明する図である。図3のステップS20において、サーバ10のリンク限定部114は、リンクの抽出に用いる各ポリゴンP2,P3(図12:破線)の大きさを変更し、変更後のポリゴンP2a,P3a(図12:一点鎖線)に含まれているリンクを抽出してもよい。リンク限定部114は、例えば以下の規則1〜4に従ってポリゴンの大きさを変更し得る。大きさの変更幅PLは、一律に定められていてもよいし、規則1〜4における本数、密度、大小等の振れ幅に応じて動的に定められてもよい。
【0061】
・規則1:ポリゴンに含まれるリンクを仮抽出し、仮抽出されたリンクの本数に応じて、ポリゴンを縮小または拡大する。
・規則2:ポリゴンに含まれるリンクを仮抽出し、仮抽出されたリンクの本数とポリゴンとから「ポリゴン内のリンク密度」を求め、リンク密度に応じて、ポリゴンを縮小または拡大する。
・規則3:ポリゴンが位置する場所の属性(経路DB124や地図DB122における情報量の大小)に応じて、ポリゴンを縮小または拡大する。
・規則4:ポリゴンの大きさに応じて、ポリゴンを縮小または拡大する。
【0062】
このようにすれば、リンク限定部114は、リンクの抽出に用いるポリゴンの大きさを変更することができる。このため、例えば、ポリゴンが大きすぎることに起因して膨大な数のリンクが抽出されることや、ポリゴンが小さすぎることに起因して抽出されたリンクの数が少なすぎることの発生を抑制することができる。
【0063】
B.第2実施形態:
本発明の第2実施形態では、第1実施形態のナビゲーションシステム1において、実際の利用経路により近い利用経路を探索する構成について説明する。以下では、第1実施形態と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施形態と同様の構成部分については先に説明した第1実施形態と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0064】
B−1.ナビゲーションシステムの構成:
図13は、第2実施形態におけるナビゲーションシステムの概略構成を示す図である。ナビゲーションシステム1aは、サーバ10aと、移動体20aとを備える。サーバ10aは、第1実施形態で説明した各部に加えてさらに、コスト調整部119を備える。コスト調整部119は、取得部112とリンク限定部114と経路探索部116と協動して、第2実施形態における利用経路探索処理を実行する。移動体20aは、第1実施形態で説明したポリゴン生成部212に代えて、ポリゴン生成部212aを備える。ポリゴン生成部212aは、サーバ10aと協働して、第2実施形態における利用経路探索処理を実行する。
【0065】
B−2.利用経路探索処理:
図14は、第2実施形態における利用経路探索処理の手順を示すシーケンス図である。第1実施形態(図3)との違いは、ステップS14に代えてS50を備える点と、ステップS22とS24との間にステップS52が実行される点である。
【0066】
ステップS50において、移動体20aのポリゴン生成部212aは、ステップS12で生成したポリゴンの全てについて、ポリゴン情報をサーバ10aへ送信する。ここで、第2実施形態のポリゴン情報には、起点の位置情報と、終点の位置情報と、ポリゴンの順序とに加えてさらに、GPS精度情報が含まれている。GPS精度情報は、現在位置取得部260が位置情報を取得する際に併せて取得する情報であり、ポリゴン生成の元となっている位置情報の精密さの度合いを表す情報である。GPS精度情報としては例えば、電波強度や、位置情報の導出元の情報等が使用される。なお、GPS精度情報は「補足情報」として機能する。
【0067】
ステップS52において、サーバ10aのコスト調整部119は、ステップS20で取得したポリゴン情報を参照し、各ポリゴンについてGPS精度情報が所定の基準よりも低いか否かを判定し、所定の基準より低いポリゴンに対して次の処理1,2を実行する。なお、所定の基準はGPS精度情報の表し方に応じて、任意に決定できる。例えば、GPS精度情報が電波強度である場合、所定の基準としては、何等かの閾値を利用できる。
【0068】
・処理1:GPS精度の低下に影響したと推定される「特定のリンク」を求める。例えばコスト調整部119は、経路DB124のリンク情報を参照し、予め定められたパターンに一致する情報を有するリンクを抽出し、特定のリンクとできる。予め定められたパターンは、例えば、リンクの種類=トンネル、リンクの種類=高架下リンク、リンクの名称=XXトンネル(Xは任意の文字列、以下同じ)等任意に決定できる。
・処理2:特定のリンクについて、経路DB124のリンク情報のリンクコストを減じる。リンクコストの減じ方は、一定値でもよく、一定割合(例えば、10分の1、100分の1等)でもよく、変動値でもよく、変動割合(例えば、10分の1〜100分の1の任意の割合)でもよい。
【0069】
図15は、第2実施形態における利用経路探索処理について説明する図である。例えば、サーバ10aが図示のポリゴンP1〜P4(図15:ドットハッチング)を取得した場合を考える。ここで、ポリゴンP2のGPS精度情報はステップS52の所定の基準より低く、ポリゴンP1,3,4のGPS精度情報はステップS52の所定の基準より高いとする。この場合、利用経路探索処理(図14)では、ステップS52において、ポリゴンP2のGPS精度低下に影響したと推定される特定のリンクが求められる。例えばリンクL1のリンクの種類=トンネル(TN、斜線ハッチング)であった場合、ステップS52において、経路DB124が更新され、リンクL1のリンクコストが減じられる。その状態で、ステップS24の経路探索処理が実行された結果、経路RT1(破線)ではなく、経路RT2(実線)が選択される。
【0070】
以上説明したように、上記第2実施形態のサーバ10a(経路探索装置)によれば、コスト調整部119は、GPS精度情報(補足情報)が表わす現在位置取得部260(例えばGPS)の精度が所定の基準よりも低い場合に、当該事象(精度の低下)が発生したのは移動体20が精度低下の原因となる道(リンク)を通過した結果であると推定して、精度低下に影響する情報(例えばトンネル、高架下等)を持つリンクのリンクコストを減じることで、ステップS24の経路探索処理において、当該リンクを選択されやすくできる。この結果、本形態のサーバ10aによれば、実際の利用経路に近い利用経路を探索することができる。
【0071】
B−3.利用経路探索処理の変形:
第2実施形態の利用経路探索処理では、第1実施形態の変形a1〜a7で説明した種々の変形が可能である。また、第2実施形態の利用経路探索処理では、以下に説明する変形も可能である。これらの変形は、上述した利用経路探索処理に対して単独で適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
【0072】
(b1)ポリゴンを省略する変形:
ナビゲーションシステム1aでは、ポリゴンを用いずに、位置情報と補足情報(例えばGPS精度情報)とから利用経路を求めてもよい。この場合、ステップS12のポリゴン生成、ステップS20のポリゴンを用いたリンク抽出、ステップS22の更新処理を省略してもよい。また、ステップS50では、ポリゴンの始点および終点に代えて位置情報を用いる。
【0073】
このようにすれば、コスト調整部119は、移動体20aの経時的な位置情報を補足する補足情報(GPS精度情報)を用いて求めた特定のリンクについてリンクコストを減じることで、当該リンクを経路探索処理において選択されやすくする。この結果、実際の利用経路に近い利用経路を探索することができる。
【0074】
(b2)補足情報の変形:
図16は、他の補足情報を利用した利用経路探索処理について説明する図である。第2実施形態(図14)との違いは、ステップS50に代えてS60を備え、ステップS52に代えてS62を備える点である。
【0075】
ステップS60について、本変形のポリゴン情報には、GPS精度情報に代えて、利用者情報が含まれている。利用者情報は、移動体20aの利用者に関する情報であり、利用者の利用経路を推定するために利用可能な種々の情報を採用できる。例えば、利用者情報としては、利用者がよく行く施設の名称や位置情報、利用者がよく行く施設を推定するための情報(例えば、職業、持病、食の好み、家族構成等)、利用者の移動手段(徒歩、自転車、車椅子、自動車等の車両)、利用者の年齢、性別、これらの組合せを採用し得る。なお、利用者情報は「補足情報」として機能する。
【0076】
ステップS62において、サーバ10aのコスト調整部119は、ステップS20で取得した利用者情報と、経路DB124のリンク情報とを照合し、利用者情報に関連性の高いリンク情報を持つリンクを抽出し、「特定のリンク」とする。この際、サーバ10aは図示しない施設DBを併用してもよい。その後、コスト調整部119は、特定のリンクについて、経路DB124のリンク情報のリンクコストを減じる。
【0077】
この結果、例えば利用者情報が「利用者がよく行く施設=XX病院」である場合、コスト調整部119は、施設DBと経路DB124とを参照し、「XX病院」に近接するリンクを特定のリンクとする。例えば、利用者情報が「利用者の移動手段=徒歩」である場合、コスト調整部119は、経路DB124を参照し、歩道に相当するリンクを特定のリンクとする。例えば、利用者情報が「利用者の移動手段=車椅子」である場合、コスト調整部119は、経路DB124を参照し、その他リンクの情報に記憶されているリンクの幅員から、車椅子で通行可能なリンクを求めて、特定のリンクとする。
【0078】
このようにすれば、コスト調整部119は、利用者に関する情報と関連性の高いリンクを利用者が通過した道(リンク)であると推定して、リンクコストを減じることで経路探索処理において選択されやすくできる。
【0079】
C.変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
【0080】
・変形例1:
上記実施形態では、サーバ10(経路探索装置)を含むナビゲーションシステム1の構成を例示した。しかし、ナビゲーションシステム1の構成はあくまで一例であり任意の態様を採用できる。例えば、サーバ10を複数のサーバ装置で実現してもよく、移動体20は複数台接続されてもよい。移動体20には、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション専用装置、ゲーム機、ウェアラブルデバイス等の種々の装置を採用できる。例えば、ナビゲーションシステム1では、位置情報として緯度経度座標系を利用した場合を例示したが、位置情報としては、他の座標系(例えば、XY座標系)を利用してもよい。
【0081】
・変形例2:
上記実施形態では、サーバ10(経路探索装置)の構成を例示した。しかし、サーバ10の構成はあくまで一例であり、任意の態様を採用できる。例えば、その構成要素の一部を省略または変更すること、構成要素を付加することができる。例えば、上述した各機能を複数のサーバの協働によって実現してもよく、上述した各DBのうちの少なくとも一部は、他の装置の内部/外部記憶装置に記憶されていてもよく、例えばクラウド上に構築されていてもよい。上述した各DBの構成についても任意に変更することが可能であり、項目の追加/削除/変更や、データの格納形式の変更等が可能である。データの格納形式の変更は、テーブルの分割/変更、リレーションの持たせ方の変更を含む。
【0082】
・変形例3:
上記実施形態では、利用経路探索処理(図3図14)について、処理手順の一例を挙げて説明した。しかし、これら処理手順は種々の変更が可能であり、各ステップにおける処理内容の追加/省略/変更をしてもよく、ステップ(手順)の実行順序を変更してもよい。
【0083】
(1)上記実施形態の利用経路探索処理では、サーバ10において案内情報を生成し、移動体20へ送信することとした(ステップS26、S30)。しかし、サーバ10は、他のサーバに探索結果(探索された経路の情報)を送信し、他のサーバにおいて案内情報を生成してもよい。また、サーバ10は、移動体20に探索結果を送信し、移動体20において案内情報を生成、出力してもよい。
【0084】
(2)上記実施形態の利用経路探索処理と、変形a1〜a7、b1、b2で説明した利用経路探索処理の変形とは、利用者の設定や、所定の条件により使い分けられてもよい。所定の条件とは、例えば、サーバ10の経路DB124におけるデータ整備の状況、サーバ10が移動体20から受信したポリゴン情報の内容、ポリゴン情報と共に受信したパラメータ等を採用できる。
【0085】
(3)上記第2実施形態の利用経路探索処理において、補足情報としてのGPS精度情報は省略してもよい。上述の通り、各ポリゴンは、移動体20の経時的な位置情報を用いて生成される。このため、低精度の位置情報から生成されたポリゴンは、高精度の位置情報から生成されたポリゴンよりと比較して、一般的に大きくなる。この性質を利用して、サーバ10aは、移動体20から取得した各ポリゴンの大きさの統計値を用いて、GPS精度情報の高低を推定し、上記第2実施形態の処理を実施してもよい。
【0086】
・変形例4:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…ナビゲーションシステム
10、10a…サーバ(経路探索装置)
20、20a…移動体
110…CPU
112…取得部
114…リンク限定部
116…経路探索部
118…案内制御部
119…コスト調整部
120…記憶部
130…通信部
140…ROM/RAM
210…CPU
212、212a…ポリゴン生成部
214…案内部
220…記憶部
230…通信部
240…ROM/RAM
250…入出力部
260…現在位置取得部
図1
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