特許第6905955号(P6905955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6905955算出装置、算出方法、及び算出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6905955
(24)【登録日】2021年6月30日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】算出装置、算出方法、及び算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20210708BHJP
   B66B 1/18 20060101ALI20210708BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   B66B1/18 Z
   B66B3/00 N
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-100012(P2018-100012)
(22)【出願日】2018年5月24日
(62)【分割の表示】特願2017-79934(P2017-79934)の分割
【原出願日】2017年4月13日
(65)【公開番号】特開2018-181354(P2018-181354A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
(72)【発明者】
【氏名】塚本 浩司
【審査官】 衣川 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−17922(JP,A)
【文献】 特開2014−205573(JP,A)
【文献】 特開平6−321445(JP,A)
【文献】 特開2005−258995(JP,A)
【文献】 特開2011−75402(JP,A)
【文献】 特開2003−22309(JP,A)
【文献】 特開2013−199334(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/104906(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/132802(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0369612(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
B66B 1/18
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、前記複数のエレベータの各々の運行ルールを含む前記施設に関する施設情報とを取得する取得部と、
前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザが前記所在階から前記目的階への移動にとり得る各ルートによって、前記ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザの役職レベルに応じて前記移動コストを増大させる割合を変動させて算出する算出部と、
を備えることを特徴とする算出装置。
【請求項2】
複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、前記複数のエレベータの各々の運行ルールを含む前記施設に関する施設情報とを取得する取得部と、
前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザが前記所在階から前記目的階への移動にとり得る各ルートによって、前記ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザの属性情報に応じて前記移動コストを増大させる割合を変動させ、エレベータが停止してもエレベータのドアが開放されない階が含まれるルートについて、前記移動コストが高くなるように算出する算出部と、
を備えることを特徴とする算出装置。
【請求項3】
前記算出部は、
前記各ルートによる前記ユーザの移動において生じる前記ユーザの心的コストを含む前記移動コストを算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の算出装置。
【請求項4】
前記算出部は、
前記各ルートによる前記ユーザの移動において生じる前記ユーザの運送コストを含む前記移動コストを算出する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の算出装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記移動コストを算出時における前記複数のエレベータの各々の位置情報を含む前記施設情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の算出装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記施設の各階における前記複数のエレベータの待ち人数を含む前記施設情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の算出装置。
【請求項7】
前記取得部は、
異なる停止階が設定された前記複数のエレベータが設けられた前記施設の前記施設情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の算出装置。
【請求項8】
前記各ルートの移動コストに基づいて、前記ユーザに推奨するルートであるサジェストルートを決定する決定部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の算出装置。
【請求項9】
前記決定部は、
前記各ルートのうち、前記移動コストが最低のルートを前記サジェストルートとして決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の算出装置。
【請求項10】
前記決定部により決定されたサジェストルートに関する情報を前記ユーザが利用する端末装置に提供する提供部、
をさらに備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の算出装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する算出方法であって、
複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、前記複数のエレベータの各々の運行ルールを含む前記施設に関する施設情報とを取得する取得工程と、
前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザが前記所在階から前記目的階への移動にとり得る各ルートによって、前記ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザの役職レベルに応じて前記移動コストを増大させる割合を変動させて算出する算出工程と、
を含むことを特徴とする算出方法。
【請求項12】
複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、前記複数のエレベータの各々の運行ルールを含む前記施設に関する施設情報とを取得する取得手順と、
前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザが前記所在階から前記目的階への移動にとり得る各ルートによって、前記ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザの役職レベルに応じて前記移動コストを増大させる割合を変動させて算出する算出手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする算出プログラム。
【請求項13】
コンピュータが実行する算出方法であって、
複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、前記複数のエレベータの各々の運行ルールを含む前記施設に関する施設情報とを取得する取得工程と、
前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザが前記所在階から前記目的階への移動にとり得る各ルートによって、前記ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザの属性情報に応じて前記移動コストを増大させる割合を変動させ、エレベータが停止してもエレベータのドアが開放されない階が含まれるルートについて、前記移動コストが高くなるように算出する算出工程と、
を含むことを特徴とする算出方法。
【請求項14】
複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、前記複数のエレベータの各々の運行ルールを含む前記施設に関する施設情報とを取得する取得手順と、
前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザが前記所在階から前記目的階への移動にとり得る各ルートによって、前記ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザの属性情報に応じて前記移動コストを増大させる割合を変動させ、エレベータが停止してもエレベータのドアが開放されない階が含まれるルートについて、前記移動コストが高くなるように算出する算出手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、算出装置、算出方法、及び算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの移動における種々のコストを算出する技術が提供されている。例えば、乗り場呼び登録情報と行き先階呼び登録情報に基づいて、各エレベータの予測不快度評価値を算出するエレベータシステムに関する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−234296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができるとは限らない。例えば、単にエレベータ内での待ち時間等に基づいてユーザの不快度等を評価するだけでは、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することが難しい。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出する算出装置、算出方法、及び算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る算出装置は、複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、前記複数のエレベータの各々の運行ルールを含む前記施設に関する施設情報とを取得する取得部と、前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザが前記所在階から前記目的階への移動にとり得る各ルートによって、前記ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、前記移動予定情報と前記施設情報とに基づいて、前記ユーザの役職レベルに応じて前記移動コストを増大させる割合を変動させて算出する算出部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る算出処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る算出システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る算出装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る施設情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るエレベータ情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る算出処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、算出装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る算出装置、算出方法、及び算出プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る算出装置、算出方法、及び算出プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.算出処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る算出処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る算出処理の一例を示す図である。図1の例では、算出装置100(図2参照)が複数階を有する所定の施設においてユーザが所定の位置(以下、「所在階」ともいう)から、所定の移動先(以下、「目的階」ともいう)への移動における各ルートについてのコストを算出する。図1の例では、所定の施設が施設ID「FA1」により識別される施設FA1である場合を示す。例えば、施設FA1は、30階建てのビルであり、エレベータEV1とエレベータEV2の2つのエレベータが設置され、1階から30階までの移動が可能な階段ST1が設置された施設である。以下では、上述のような設置エレベータに関する情報や階段に関する情報などの施設FA1に関する各種情報を「施設情報」と記載する場合がある。なお、図1の例では、説明を簡単にするために、施設FA1に2つのエレベータEV1とエレベータEV2が設置される場合を説明するが、施設FA1には3つ以上のエレベータが設置されてもよい。
【0011】
〔算出システムの構成〕
図1の説明に先立って、図2を用いて算出システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る算出システムの構成例を示す図である。図2に示すように、算出システム1は、端末装置10と、算出装置100とが含まれる。端末装置10と、算出装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図2に示した算出システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の算出装置100が含まれてもよい。
【0012】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。図1は、端末装置10がスマートフォンである場合を示す。また、端末装置10は、GPS(Global Positioning System)センサ等の機能を有し、ユーザの位置を検知し、取得可能であるものとする。また、端末装置10は、温度センサや気圧センサ等の種々の機能を有し、各種のセンサ情報を取得可能であるものとする。例えば、端末装置10は、取得したセンサ情報を算出装置100へ送信する。図1の例では、ユーザがユーザID「U1」により識別されるユーザU1である場合を説明する。
【0013】
また、ユーザが利用する端末装置10は、ユーザの操作に応じて、算出装置100へ各種情報を送信する。例えば、端末装置10は、ユーザの操作に応じて、算出装置100へ各種情報を送信する。例えば、ユーザによる移動先を示す情報の入力に応じて、算出装置100へユーザに移動先に関する情報を送信する。ユーザによる移動先を示す情報の入力に応じて、算出装置100へユーザに移動先に関する情報を送信する。例えば、端末装置10は、ユーザの音声入力に応じて、算出装置100へ各種情報を送信する。例えば、端末装置10は、ユーザの操作に応じて、算出装置100へ各種情報を送信する。例えば、端末装置10は、ユーザのその時点での位置情報と移動先を示す情報とを、移動予定情報として、算出装置100へ送信してもよい。
【0014】
算出装置100は、移動予定情報と施設情報とに基づいて、ユーザが所在階から目的階への移動にとり得る各ルートによって、ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、算出する情報処理装置である。例えば、算出装置100は、上述したように、端末装置10から移動予定情報を取得してもよい。また、算出装置100は、所定の外部装置が移動予定情報を取得してもよい。
【0015】
例えば、算出装置100は、施設FA1内の所在する企業(以下、「企業X」ともいう)の管理装置等から、企業Xの従業員のスケジュール情報を、ユーザの移動予定情報として取得してもよい。例えば、算出装置100は、企業Xの従業員(ユーザ)のスケジュール情報に基づいて、各ユーザがいつどこに移動するかを推定してもよい。例えば、算出装置100は、ユーザのスケジュール情報に含まれるユーザが参加する会議の会議室の場所や時間に関する情報に基づいて、ユーザがいつどこに移動するかを示す移動予定情報を取得してもよい。
【0016】
例えば、算出装置100は、施設FA1内に設置された各種のセンサ等からユーザの所在階に関する情報やユーザの行動情報等を取得してもよい。例えば、算出装置100は、施設FA1内に設置された画像センサが検知した画像情報に基づいて特定されたユーザの所在階を示す情報を取得してもよい。なお、画像センサが検知した画像情報の解析は、算出装置100が行ってもよいし、他の外部装置が行ってもよい。
【0017】
算出装置100は、ユーザの移動先をユーザの行動履歴等に基づいて推定してもよい。例えば、算出装置100は、所定の時間帯(例えば朝9時台)に、特定の階(例えば15階)へ移動するユーザの所定の時間帯における移動先を、その特定の階であると推定してもよい。例えば、算出装置100は、ユーザが毎日所定の時間(例えば13時)に、自動販売機がある階(例えば1階)へ移動する場合、そのユーザの所定の時間における移動先を、その自動販売機がある階であると推定してもよい。
【0018】
また、例えば、算出装置100は、施設FA1の各階のエレベータホールに設置された画像センサが検知した画像情報に基づいて推定される各階のエレベータ待ち人数を示す情報を取得してもよい。また、例えば、算出装置100は、施設FA1の施設情報を施設FA1の管理装置等から取得してもよい。なお、算出装置100は、移動予定情報及び施設情報が取得できれば、どのような手段により移動予定情報及び施設情報を取得してもよい。
【0019】
ここから、図1を用いて、算出処理の流れについて説明する。上述のように、図1に示す施設FA1は、30階建てのビルであり、エレベータEV1とエレベータEV2の2つのエレベータが設置され、1階から30階までの移動が可能な階段ST11が設置された施設である。また、施設FA1内においては、16階にエレベータEV1が位置し、13階にエレベータEV2が位置する場合を示す。また、施設FA1内には、1階に10人がエレベータを待っている行列WP1があり、2階に5人がエレベータを待っている行列WP2がある場合を示す。
【0020】
そして、算出装置100は、ユーザU1の移動予定情報を取得する(ステップS11)。算出装置100は、ユーザU1を識別する情報やユーザU1の所在階を示す情報やユーザU1の移動先の階を示す情報を移動予定情報として取得する。例えば、算出装置100は、ユーザU1が利用する端末装置10からユーザU1の移動予定情報を取得する。例えば、算出装置100は、ユーザU1が利用する端末装置10へ移動先の階を示す情報を入力することにより、端末装置10からユーザU1の移動先の階を示す情報を取得してもよい。また、算出装置100は、ユーザU1の端末装置10から移動先の階を示す情報を取得することなく、ユーザU1の行動履歴や所在階に関する情報等に基づいて、ユーザU1の移動先の階を推定してもよい。また、図1の例では、ユーザU1の所在階が15階である場合を示す。例えば、算出装置100は、施設FA1の15階に設置されたセンサにより、ユーザU1が施設FA1の15階に位置することを特定してもよい。
【0021】
そして、算出装置100は、ユーザU1の所在階が15階であり、ユーザU1の移動先の階が13階であることを示すユーザU1の移動予定情報を取得した場合、その取得時点における施設FA1の施設情報に基づいて、各ルートの移動コストを算出する。
【0022】
まず、算出装置100は、施設FA1内において15階から13階へ移動可能なルートを示す情報を抽出する(ステップS12)。例えば、算出装置100は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、施設FA1内において15階から13階へ移動可能なルートを取得する。
【0023】
図1中の施設情報記憶部122に示す「施設ID」は、施設を識別するための識別情報を示す。例えば、施設ID「FA1」により識別される施設は、図1の例に示した施設FA1に対応する。また、図1中の施設情報記憶部122に示す「設置エレベータ」は、施設IDにより識別される施設に設置されたエレベータを示す。また、図1中の施設情報記憶部122に示す「階段利用可能階」は、施設IDにより識別される施設において階段での移動が可能な階を示す。また、図1中の施設情報記憶部122に示す「待ち人数情報」は、各階においてエレベータを待っている人数を示す。
【0024】
例えば、図1に示す例において、施設ID「FA1」により識別される施設(施設FA1)は、エレベータEV1とエレベータEV2との2つのエレベータを有することを示す。また、施設FA1は、1階から30階まで階段による移動が可能であることを示す。また、施設FA1は、1階におけるエレベータの待ち人数が「10」人であることを示す。また、施設FA1は、2階におけるエレベータの待ち人数が「5」人であることを示す。
【0025】
図1中のエレベータ情報記憶部123に示す「施設ID」は、施設を識別するための識別情報を示す。例えば、施設ID「FA1」により識別される施設は、図1の例に示した施設FA1に対応する。また、図1中のエレベータ情報記憶部123に示す「エレベータID」は、エレベータを識別するための識別情報を示す。例えば、エレベータID「EV1」により識別されるエレベータは、図1の例に示したエレベータEV1に対応する。
【0026】
図1中のエレベータ情報記憶部123に示す「停止階」は、対応するエレベータが停止する階を示す。また、図1中のエレベータ情報記憶部123に示す「現在位置(階)」は、対応するエレベータがその時点で位置する階を示す。また、図1中のエレベータ情報記憶部123に示す「移動先(階)」は、対応するエレベータがその時点で最終目的とする階を示す。また、図1中のエレベータ情報記憶部123に示す「乗員数」は、対応するエレベータにその時点で乗っている人数を示す。図1中のエレベータ情報記憶部123に示す「定員」は、対応するエレベータの定員を示す。
【0027】
例えば、図1に示す例において、施設ID「FA1」により識別される施設(施設FA1)は、エレベータID「EV1」により識別されるエレベータ(エレベータEV1)とエレベータID「EV2」により識別されるエレベータ(エレベータEV2)とが設置されていることを示す。また、エレベータEV1は、停止階が1階、及び14階から30階であることを示す。例えば、エレベータEV1は、施設FA1における高層階用のエレベータである。また、エレベータEV1は、現在位置が16階であることを示す。また、エレベータEV1は、移動先が14階であることを示す。また、エレベータEV1は、乗員が1人であることを示す。また、エレベータEV1は、定員が20人(Xキロ)であることを示す。
【0028】
上記のように、エレベータID「EV1」により識別されるエレベータを「エレベータEV1」とする場合がある。このように、「エレベータEV*(*は任意の数値)」と記載した場合、そのエレベータはエレベータID「EV*」により識別されるエレベータであることを示す。例えば、「エレベータEV2」と記載した場合、そのエレベータはエレベータID「EV2」により識別されるエレベータである。
【0029】
また、エレベータEV2は、停止階が1階から14階であることを示す。例えば、エレベータEV2は、施設FA1における低層階用のエレベータである。また、エレベータEV2は、現在位置が13階であることを示す。また、エレベータEV2は、移動先が1階であることを示す。また、エレベータEV2は、乗員が2人であることを示す。また、エレベータEV2は、定員が20人(Xキロ)であることを示す。
【0030】
このように、図1の例では、算出装置100は、異なる停止階が設定された複数のエレベータEV1、EV2が設けられた施設FA1を対象に移動コストを算出する。なお、エレベータは、エレベータEV1、EV2のような、シングルデッキに限らず、ダブルデッキエレベータ等の種々のタイプのエレベータであってもよい。
【0031】
図1の例では、算出装置100は、ルートリストRL11に示すような、ルートRT1、ルートRT2、ルートRT3、及びルートRT4の4つのルートを取得する。
【0032】
上記のように、ルートID「RT1」により識別されるRTを「ルートRT1」とする場合がある。このように、「ルートRT*(*は任意の数値)」と記載した場合、そのルートはルートID「RT*」により識別されるルートであることを示す。例えば、「ルートRT2」と記載した場合、そのルートはルートID「RT2」により識別されるルートである。
【0033】
このように、図1の例では、算出装置100は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、15階から13階を全てエレベータで移動するルートRT1を取得する。また、図1の例では、算出装置100は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、15階から14階をエレベータで移動し、14階から13階を階段で移動するルートRT2を取得する。また、図1の例では、算出装置100は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、15階から14階を階段で移動し、14階から13階をエレベータで移動するルートRT3を取得する。また、図1の例では、算出装置100は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、15階から13階を全て階段で移動するルートRT4を取得する。
【0034】
そして、算出装置100は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、各ルートRT1〜RT4について、移動コストを算出する(ステップS13)。例えば、算出装置100は、コストリストCL11に示すように、各ルートRT1〜RT4について、ユーザU1の移動コストを算出する。図1の例では、算出装置100は、下記の式(1)を用いて、各ルートRT1〜RT4について、移動コストを算出する。
【0035】
【数1】
【0036】
上記の式(1)の左辺中の「movement_cost」は、一のルートで移動した場合におけるユーザの移動コストを示す。また、上記の式(1)の右辺中の「mental_cost」は、一のルートで移動した場合におけるユーザの心理的コストに対応するユーザの重みを示す。また、上記の式(1)の右辺中の「external_cost」は、一のルートで移動した場合におけるユーザの心理的コスト以外の他のコスト(以下、「外部コスト」ともいう)に対応するユーザの重みを示す。例えば、外部コストには、ユーザの一のルートで移動により消費される電力量等に基づく運送コストが含まれてもよい。例えば、運送コストには、ユーザの移動先まで運送するために要する種々のコストが含まれてもよい。また、例えば、「external_cost」には、ユーザの心理的コスト以外の種々のコストが含まれてもよい。また、算出装置100がユーザの心理的コストのみに基づいて移動コストを算出する場合、外部コストは「0」であってもよい。
【0037】
例えば、移動により消費される電力量に基づくコストを含む外部コストは、エレベータを多く利用するルートの方が高くなる。例えば、図1の例では、ルートRT1〜RT4のうち、15階から13階まで全てエレベータを利用するルートRT1の外部コストが最も高くなる。また、例えば、図1の例では、ルートRT1〜RT4のうち、15階から13階まで全て階段を利用するルートRT4の外部コストが最も低くなる。なお、上記の外部コストの算出は一例であり、算出装置100は、種々の外部コストの算出基準等に基づいて、各ルートの外部コストを算出してもよい。また、以下では、説明を簡単にするために、各ルートRT1〜RT4の外部コストは「0」として、説明する。
【0038】
また、図1の例では、算出装置100は、下記の式(2)を用いて、各ルートRT1〜RT4について、ユーザU1の心理的コストを算出する。なお、下記の式(2)は、一例であり、算出装置100は、他の算出手法を用いてユーザU1の心理的コストを算出してもよい。
【0039】
【数2】
【0040】
上記の式(2)の左辺中の「mental_cost」は、一のルートで移動した場合におけるユーザの心理的コストを示す。また、上記の式(2)の右辺中の所定の関数「f()」(以下、「心理的コスト関数f」ともいう)は、各種情報を入力することにより、ユーザの心理的コストを出力する関数である。
【0041】
例えば、「Route」は、どのルートであるかを識別する情報を示す。例えば、図1の例では、ルートRT1〜RT4のいずれのルートであるかを示す。また、例えば、「Inf(U)」は、対応するユーザのユーザ情報を示す。例えば、図1の例では、ユーザU1のユーザ情報を示す。
【0042】
また、例えば、「S(U)」は、対応するユーザの所在階を示す。例えば、図1の例では、ユーザU1の所在階である15階を示す。また、例えば、「G(U)」は、対応するユーザの移動先の階を示す。例えば、図1の例では、ユーザU1の移動先の階である13階を示す。
【0043】
また、例えば、「Pos(E)」は、算出時点において各エレベータが位置する階を示す。例えば、「Pos(E)」は、各エレベータの算出時点における階を含む情報である。「Pos(E)」には、エレベータEV1が16階に位置することを示す情報や、エレベータEV2が13階に位置することを示す情報が含まれてもよい。また、「Pos(E)」には、エレベータEV1の移動先が14階であり、乗員が1人であることを示す情報やエレベータEV2の移動先が1階であり、乗員が2人であることを示す情報が含まれてもよい。
【0044】
また、例えば、「Num(Floor)」は、算出時点において各階のエレベータの待ち人数を示す。例えば、「Num(Floor)」は、各階の算出時点における待ち人数を含む情報であるものとする「Num(Floor)」には、1階に10人の待ち人数があることを示す情報や、2階に5人の待ち人数があることを示す情報が含まれてもよい。
【0045】
上記の式(2)の心理的コスト関数fは、上述のような情報が入力された場合、入力されたルートやユーザの属性情報等に基づいて、入力されたルートでユーザが移動した場合のユーザの心理的コストを算出する。例えば、上記の式(2)の心理的コスト関数fは、入力されたルートと、入力された各エレベータの位置や各階のエレベータの待ち人数に基づく移動時間が長いほど、ユーザの心理的コストが高く出力してもよい。例えば、心理的コスト関数fは、線型計画法等の種々の従来手法を適宜用いて生成されてもよい。例えば、算出装置100は、施設FA1内において移動を行ったユーザからの移動に関する評価のフィードバックを取得し、その情報に基づいて、心理的コスト関数fを更新してもよい。
【0046】
なお、算出装置100は、推定した移動時間を上記の式(2)に入力する情報としてもよい。この場合、算出装置100は、ルートや各エレベータの位置や各階のエレベータの待ち人数に基づいて、そのルートでユーザが移動した場合の移動時間を推定し、上記の式(2)に入力してもよい。例えば、算出装置100は、一の階から他の階へのエレベータの移動時間に関する履歴情報に基づいて、一の階から他の階への移動時間を推定してもよい。例えば、算出装置100は、一の階から他の階への過去のエレベータの移動時間の平均を、一の階から他の階への移動時間として推定してもよい。
【0047】
図1の例では、ルートRT1やルートRT3で14階から13階への移動に利用するエレベータEV2は、13階から1階へ移動中である。また、エレベータEV2の停止階である1階には10人の待ち人数があり、2階には5人の待ち人数がある。そのため、エレベータEV2が、ユーザU1がエレベータEV2に乗る14階へ到着するまでに長い時間を要する。そのため、上記の式(2)の心理的コスト関数fは、14階から13階への移動にエレベータEV2を用いるルートRT1やRT3の心理的コストが高くなるように、各種の入力情報に応じた数値を出力する。
【0048】
また、図1の例では、ルートRT1やルートRT2で15階から14階への移動に利用するエレベータEV1は、16階から14階へ移動中である。そのため、エレベータEV1が、ユーザU1の所在階であり、ユーザU1がエレベータEV1に乗る15階へ短い時間で到着する。そのため、上記の式(2)の心理的コスト関数fは、15階から14階への移動にエレベータEV1を用いるルートRT1やRT2の心理的コストが低くなるように、各種の入力情報に応じた数値を出力する。
【0049】
また、図1の例では、算出装置100は、ルートRT2やルートRT4のように階段ST11での移動を行う場合、ユーザU1の運動量に応じて、ユーザU1の心理的コストを算出する。例えば、算出装置100は、ユーザU1が階段ST11で移動する階の数に応じて推定されるユーザU1の徒歩による移動距離や歩数等の情報に基づいて、ユーザU1の心理的コストを算出する。例えば、上記の式(2)の心理的コスト関数fは、ユーザの階段での移動する階の数が多くなるほど、ユーザの運動量が増大するため、ユーザの心理的コストが高くなるように、各種の入力情報に応じた数値を出力する。
【0050】
上記の式(2)の心理的コスト関数fは、ユーザのエレベータでの移動時間が短く、ユーザの階段での移動による運動量が小さい程、ユーザの心理的コストが低くなるように、数値を出力する。上記の式(2)の心理的コスト関数fは、ユーザのエレベータでの移動時間が長く、ユーザの階段での移動による運動量が大きい程、ユーザの心理的コストが高くなるように、数値を出力する。なお、算出装置100は、移動時間の増大により心理的コストが増大する割合や、運動量ユーザの増大により心理的コストが増大する割合を、属性情報等の種々の情報に基づいて変動させてもよい。
【0051】
例えば、算出装置100は、役職レベルが高いユーザ(例えば、「LV5」以上のユーザ)は、移動時間の増大により心理的コストが増大する割合を、運動量の増大により心理的コストが増大する割合よりも大きくしてもよい。また、例えば、算出装置100は、移動困難要因が高いユーザ(例えば、「LV3」以上のユーザ)は、移動時間の増大により心理的コストが増大する割合を、運動量の増大により心理的コストが増大する割合よりも大きくしてもよい。なお、上記は一例であり、算出装置100は、種々の情報を適宜用いてユーザの心理的コストを算出してもよい。
【0052】
例えば、算出装置100は、移動時間と所定のスコアとの第1対応表を用いて、移動時間に基づく心理的コストを算出してもよい。例えば、算出装置100は、移動時間が所定の単位時間(例えば、「30秒」等)増加する毎に、スコアが所定の値(例えば「1」等)が増加する第1対応表を用いて、移動時間に基づく心理的コスト(以下、「第1心理的コスト」ともいう)を算出してもよい。例えば、算出装置100は、移動時間と所定のスコアとの第1対応表を記憶部120に記憶してもよい。
【0053】
また、例えば、算出装置100は、運動量が所定の単位量(例えば、「10キロカロリー」等)増加する毎に、スコアが所定の値(例えば「1.5」等)が増加する第2対応表を用いて、運動量に基づく心理的コストを算出してもよい。また、例えば、算出装置100は、ユーザの歩数が所定の単位量(例えば、「10歩」等)増加する毎に、スコアが所定の値(例えば「0.2」等)が増加する第2対応表を用いて、運動量に基づく心理的コスト(以下、「第2心理的コスト」ともいう)を算出してもよい。例えば、算出装置100は、運動量と所定のスコアとの第2対応表を記憶部120に記憶してもよい。また、例えば、算出装置100は、第1心理的コストと第2心理的コストとの合計を心理的コストとしてもよい。また、例えば、算出装置100は、第1心理的コストに所定の重み(第1重み)を乗算した値と、第2心理的コストに第1重みとは異なる重み(第2重み)を乗算した値との合計を心理的コストとしてもよい。
【0054】
例えば、算出装置100は、エレベータのタイプがダブルデッキエレベータである場合、エレベータが停止してもエレベータのドアが開放されない階が含まれるルートについて、ユーザの心理的コストが高くなるように心理的コストを算出してもよい。また、例えば、算出装置100は、エレベータがユーザの所在階に到着しても定員オーバー等の理由により、ユーザがエレベータに乗れないと推定される場合、ユーザの心理的コストが高くなるように心理的コストを算出してもよい。例えば、算出装置100は、エレベータ内に設置された画像センサが検知した画像情報を取得し、エレベータ内の人数や各階の待ち人数等の情報に基づいて、ユーザがエレベータに乗れないと推定される場合、ユーザの心理的コストが高くなるように心理的コストを算出してもよい。
【0055】
このように、図1の例では、上記の式(1)及び式(2)を用いて、算出装置100は、各ルートRT1〜RT4について、ユーザU1の移動コストを算出する。図1の例では、算出装置100は、コストリストCL11に示すように、ルートRT1の移動コストを「10」と算出し、ルートRT2の移動コストを「4」と算出し、ルートRT3の移動コストを「15」と算出し、ルートRT4の移動コストを「8」と算出する。
【0056】
そして、算出装置100は、算出した各ルートRT1〜RT4の移動コストに基づいて、ユーザU1へ15階から13階への移動に用いることを推奨するルートとして情報提供を行うサジェストルートを決定する(ステップS14)。図1の例では、算出装置100は、各ルートRT1〜RT4のうち、移動コストが最低の「4」であるルートRT2をサジェストルートとして決定する。具体的には、算出装置100は、15階から14階への移動にエレベータEV1を利用し、14階から13階への移動に階段ST11を利用するルートRT2をサジェストルートとして決定する。
【0057】
そして、算出装置100は、決定したサジェストルートに関する情報をユーザU1が利用する端末装置10に提供する(ステップS15)。図1の例では、算出装置100は、各ルートRT1〜RT4のうち、移動コストが最低のルートRT2をサジェストルートとして提供する。具体的には、算出装置100は、15階から14階への移動にエレベータEV1を利用し、14階から13階への移動に階段ST11を利用するルートRT2をサジェストルートとしてユーザU1に提供する。
【0058】
上述したように、算出装置100は、ユーザが移動コストの算出時点で位置する場所や、次に移動する移動先や、移動コストの算出時点でのエレベータの配置や各階の待ち人数等の種々の情報に基づいて、各ルートによる移動コストを算出する。言い換えると、算出装置100は、移動コストの算出時点におけるエレベータの配置や各階の待ち人数に応じて、変動する移動コストを算出する。このように、算出装置100は、動的に変動する施設内の状況に応じた移動コストを算出することができる。したがって、算出装置100は、ユーザが位置する複数階を有する施設の施設情報やユーザの移動予定情報に基づいて、施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができる。また、算出装置100は、ユーザの移動コストができるだけ小さいルートをユーザにサジェストルートとして提供することにより、ユーザの移動によるコストの増大を抑制することができる。
【0059】
〔1−1.運行ルールの変更〕
なお、算出装置100は、エレベータの運行ルールを種々の情報を用いて変更してもよい。例えば、算出装置100は、エレベータの運行ルールを種々の情報を用いて、動的に変更してもよい。例えば、算出装置100は、エレベータの運行ルールを所定の運行期間(例えば、X月Y日等の1日)内において、動的に変更してもよい。例えば、算出装置100は、エレベータEV1やエレベータEV2の運行ルールを施設FA1における各階の待ち人数等に応じて変更してもよい。例えば、算出装置100は、施設FA1の13階に所定の閾値以上の待ち人数が発生した場合、エレベータRV1の停止階に13階を加えるように、エレベータEV1の運行ルールを変更してもよい。
【0060】
例えば、算出装置100は、10階や5階等の低層階に待ち人数が多い場合、施設FA1における高層階用のエレベータであるエレベータEV1を10階や5階等の低層階に停止するように運行ルールを変更してもよい。例えば、算出装置100は、8階等の待ち人数が所定の閾値(例えば15人)以上となった場合、施設FA1における高層階用のエレベータであるエレベータEV1を8階に停止するように運行ルールを変更してもよい。
【0061】
また、例えば、算出装置100は、20階や25階等の高層階に待ち人数が多い場合、施設FA1における低層階用のエレベータであるエレベータEV2を20階や25階等の高層階に停止するように運行ルールを変更してもよい。例えば、算出装置100は、19階等の待ち人数が所定の閾値(例えば20人)以上となった場合、施設FA1における低層階用のエレベータであるエレベータEV2を19階に停止するように運行ルールを変更してもよい。
【0062】
〔2.算出装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る算出装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る算出装置の構成例を示す図である。図3に示すように、算出装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、算出装置100は、算出装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0063】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0064】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図3に示すように、ユーザ情報記憶部121と、施設情報記憶部122と、エレベータ情報記憶部123とを有する。
【0065】
(ユーザ情報記憶部121)
実施形態に係るユーザ情報記憶部121は、ユーザに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部121は、ユーザの属性情報や予定情報等の各種情報を記憶する。図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。図4に示すユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「属性情報」、「所在階」、「目的階」といった項目が含まれる。また、「属性情報」には、「年齢」、「性別」、「役職」、「移動困難要因」といった項目が含まれる。
【0066】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。「座席」は、ユーザIDにより識別されるユーザが、所定の施設(例えば会社X)内において座席の位置を示す。
【0067】
「属性情報」には、ユーザIDにより識別されるユーザの属性に関する各種情報が記憶される。「年齢」は、ユーザの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、ユーザの具体的な年齢であってもよい。「性別」は、ユーザの性別を示す。また、「役職」は、ユーザの役職を示す。また、図4の例では、「役職」には、ユーザの役職に対応する「レベル」が記憶される。例えば、「役職」に対応する「レベル」は、重み(例えば上記式(1)中の「α」)の決定に用いられる。なお、「役職」に対応する「レベル」が判別可能であれば、「レベル」はどのように記憶されてもよく、例えば記憶部120には、「役職」と「レベル」の対応表が記憶されてもよい。
【0068】
また、「移動困難要因」は、ユーザの移動における所定の困難要因の有無を示す。また、図4の例では、「移動困難要因」には、ユーザの移動困難要因に対応する「レベル」が記憶される。例えば、「移動困難要因」に対応する「レベル」は、重み(例えば上記式(1)中の「α」)の決定に用いられる。なお、「移動困難要因」に対応する「レベル」が判別可能であれば、「レベル」はどのように記憶されてもよく、例えば記憶部120には、「移動困難要因」と「レベル」の対応表が記憶されてもよい。
【0069】
「所在階」は、ユーザIDにより識別されるユーザが位置する階を示す。また、「目的階」は、ユーザIDにより識別されるユーザの移動先が位置する階を示す。
【0070】
例えば、図4の例では、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)の年齢は、「20代」であり、性別は、「女性」であることを示す。また、ユーザU1の役職は、「−」すなわち役職無しであることを示す。また、ユーザU1の役職に対応するレベルは、「LV0」すなわちレベル0であることを示す。また、ユーザU1の移動困難要因は、「なし」すなわちユーザの移動における困難要因は無いことを示す。また、ユーザU1の移動困難要因に対応するレベルは、「LV0」すなわちレベル0であることを示す。
【0071】
また、ユーザU1は、所在階が「15」階であり、目的階が「13」階であることを示す。すなわち、ユーザU1は、15階から13階へ移動するユーザであることを示す。
【0072】
なお、ユーザ情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、デモグラフィック属性情報やサイコグラフィック属性情報等の種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、氏名、家族構成、収入等の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、各ユーザが、所定の施設内において業務を行う座席の位置を示す情報を記憶してもよい。
【0073】
(施設情報記憶部122)
実施形態に係る施設情報記憶部122は、施設に関する各種情報を記憶する。図5は、実施形態に係る施設情報記憶部の一例を示す図である。例えば、施設情報記憶部122は、施設に関する情報を記憶する。例えば、施設情報記憶部122は、行動情報として、所定の施設(例えば会社X)における施設に関する情報を記憶する。図5に示す施設情報記憶部122には、「施設ID」、「設置エレベータ」、「階段利用可能階」、「待ち人数情報」といった項目が含まれる。「待ち人数情報」には、「1階」、「2階」等といった施設が有する階分の項目が含まれる。例えば、対応する施設が14階建のビルである場合、「待ち人数情報」には、「1階」〜「14階」の14つの項目が含まれる。
【0074】
「施設ID」は、施設を識別するための識別情報を示す。例えば、施設ID「FA1」により識別される施設は、図1の例に示した施設FA1に対応する。また、「設置エレベータ」は、施設IDにより識別される施設に設置されたエレベータを示す。また、「階段利用可能階」は、施設IDにより識別される施設において階段での移動が可能な階を示す。また、「待ち人数情報」は、各階においてエレベータを待っている人数を示す。
【0075】
例えば、図5に示す例において、施設ID「FA1」により識別される施設(施設FA1)は、エレベータEV1とエレベータEV2との2つのエレベータを有することを示す。また、施設FA1は、1階から30階まで階段による移動が可能であることを示す。また、施設FA1は、1階におけるエレベータの待ち人数が「10」人であることを示す。また、施設FA1は、2階におけるエレベータの待ち人数が「5」人であることを示す。
【0076】
なお、施設情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0077】
(エレベータ情報記憶部123)
実施形態に係るエレベータ情報記憶部123は、エレベータ情報を記憶する。図6は、実施形態に係るエレベータ情報記憶部の一例を示す図である。例えば、エレベータ情報記憶部123には、日付ごとに所定の施設(例えば会社X)における施設の使用に関するエレベータ情報を記憶する。図6に示すエレベータ情報記憶部123には、「施設ID」、「エレベータID」、「停止階」、「現在位置(階)」、「移動先(階)」、「乗員数」、「定員」といった項目が含まれる。
【0078】
「施設ID」は、施設を識別するための識別情報を示す。例えば、施設ID「FA1」により識別される施設は、図1の例に示した施設FA1に対応する。また、「エレベータID」は、エレベータを識別するための識別情報を示す。例えば、エレベータID「EV1」により識別されるエレベータは、図1の例に示したエレベータEV1に対応する。
【0079】
「停止階」は、対応するエレベータが停止する階を示す。また、「現在位置(階)」は、対応するエレベータがその時点で位置する階を示す。また、「移動先(階)」は、対応するエレベータがその時点で最終目的とする階を示す。また、「乗員数」は、対応するエレベータにその時点で乗っている人数を示す。「定員」は、対応するエレベータの定員を示す。
【0080】
例えば、図6に示す例において、施設ID「FA1」により識別される施設(施設FA1)は、エレベータID「EV1」により識別されるエレベータ(エレベータEV1)とエレベータID「EV2」により識別されるエレベータ(エレベータEV2)とが設置されていることを示す。また、エレベータEV1は、停止階が1階、及び14階から30階であることを示す。また、エレベータEV1は、現在位置が16階であることを示す。また、エレベータEV1は、移動先が14階であることを示す。また、エレベータEV1は、乗員が1人であることを示す。また、エレベータEV1は、定員が20人(Xキロ)であることを示す。
【0081】
なお、エレベータ情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0082】
(制御部130)
図3の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、算出装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(算出プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0083】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、算出部132と、決定部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0084】
(取得部131)
取得部131は、種々の情報を取得する。取得部131は、端末装置10等の外部装置から各種情報を取得する。また、取得部131は、ユーザ情報記憶部121や、施設情報記憶部122や、エレベータ情報記憶部123等から各種情報を取得する。
【0085】
例えば、取得部131は、複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、複数のエレベータの各々の運行ルールを含む施設に関する施設情報とを取得する。例えば、取得部131は、移動コストを算出時における複数のエレベータの各々の位置情報を含む施設情報を取得する。例えば、取得部131は、施設の各階における複数のエレベータの待ち人数を含む施設情報を取得する。例えば、取得部131は、異なる停止階が設定された複数のエレベータが設けられた施設の施設情報を取得する。
【0086】
例えば、取得部131は、端末装置10から移動予定情報を取得してもよい。また、例えば、取得部131は、所定の外部装置が移動予定情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、施設FA1内に設置された各種のセンサ等からユーザの所在階に関する情報やユーザの行動情報等を取得してもよい。例えば、取得部131は、施設FA1内に設置された画像センサが検知した画像情報に基づいて特定されたユーザの所在階を示す情報を取得してもよい。
【0087】
例えば、取得部131は、施設FA1の各階のエレベータホールに設置された画像センサが検知した画像情報に基づいて推定される各階のエレベータ待ち人数を示す情報を取得してもよい。また、例えば、取得部131は、施設FA1の施設情報を施設FA1の管理装置等から取得してもよい。例えば、取得部131は、移動予定情報及び施設情報が取得できれば、どのような手段により移動予定情報及び施設情報を取得してもよい。
【0088】
図1の例では、取得部131は、ユーザU1の移動予定情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザU1を識別する情報やユーザU1の所在階を示す情報やユーザU1の移動先の階を示す情報を移動予定情報として取得する。例えば、取得部131は、ユーザU1が利用する端末装置10からユーザU1の移動予定情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザU1が利用する端末装置10へ移動先の階を示す情報を入力することにより、端末装置10からユーザU1の移動先の階を示す情報を取得してもよい。
【0089】
図1の例では、取得部131は、施設FA1内において15階から13階へ移動可能なルートを示す情報を抽出する。例えば、取得部131は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、施設FA1内において15階から13階へ移動可能なルートを取得する。図1の例では、取得部131は、ルートリストRL11に示すような、ルートRT1、ルートRT2、ルートRT3、及びルートRT4の4つのルートを取得する。
【0090】
例えば、取得部131は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、15階から13階を全てエレベータで移動するルートRT1を取得する。例えば、取得部131は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、15階から14階をエレベータで移動し、14階から13階を階段で移動するルートRT2を取得する。例えば、取得部131は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、15階から14階を階段で移動し、14階から13階をエレベータで移動するルートRT3を取得する。例えば、取得部131は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、15階から13階を全て階段で移動するルートRT4を取得する。
【0091】
(算出部132)
算出部132は、種々の情報を算出する。例えば、算出部132は、端末装置10から取得される情報に基づいて、各種情報を算出する。例えば、算出部132は、ユーザ情報記憶部121や、施設情報記憶部122や、エレベータ情報記憶部123等に基づいて、各種情報を算出する。
【0092】
例えば、算出部132は、移動予定情報と施設情報とに基づいて、ユーザが所在階から目的階への移動にとり得る各ルートによって、ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、移動予定情報と施設情報とに基づいて算出する。例えば、算出部132は、ルートによるユーザの移動において生じるユーザの心的コストを含む移動コストを算出する。例えば、算出部132は、各ルートによるユーザの移動において生じるユーザの運送コストを含む移動コストを算出する。
【0093】
図1の例では、算出部132は、上記の式(1)により各ルートの移動コストを算出する。例えば、算出部132は、ユーザU1の所在階が15階であり、ユーザU1の移動先の階が13階であることを示すユーザU1の移動予定情報を取得した場合、その取得時点における施設FA1の施設情報に基づいて、各ルートの移動コストを算出する。例えば、算出部132は、施設情報記憶部122やエレベータ情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、各ルートRT1〜RT4について、移動コストを算出する。図1の例では、算出部132は、コストリストCL11に示すように、各ルートRT1〜RT4について、ユーザU1の移動コストを算出する。例えば、算出部132は、上記の式(1)を用いて、各ルートRT1〜RT4について、移動コストを算出する。
【0094】
例えば、算出部132は、上記の式(2)を用いて、各ルートRT1〜RT4について、ユーザU1の心理的コストを算出する。なお、算出部132は、上記の式(2)以外の他の算出手法を用いてユーザU1の心理的コストを算出してもよい。
【0095】
例えば、算出部132は、上記の式(2)を用いて、ユーザの移動予定情報や施設の施設情報が入力された場合、入力されたルートやユーザの属性情報等に基づいて、入力されたルートでユーザが移動した場合のユーザの心理的コストを算出する。
【0096】
図1の例では、算出部132は、上記の式(1)及び式(2)を用いて、各ルートRT1〜RT4について、ユーザU1の移動コストを算出する。例えば、算出部132は、コストリストCL11に示すように、ルートRT1の移動コストを「10」と算出し、ルートRT2の移動コストを「4」と算出し、ルートRT3の移動コストを「15」と算出し、ルートRT4の移動コストを「8」と算出する。
【0097】
(決定部133)
決定部133は、種々の情報を変更する。例えば、決定部133は、ユーザ情報記憶部121や、施設情報記憶部122や、エレベータ情報記憶部123等に基づいて、各種情報を決定する。例えば、決定部133は、算出部132により算出された情報に基づいて、種々の情報を決定する。
【0098】
例えば、決定部133は、各ルートの移動コストに基づいて、ユーザに推奨するルートであるサジェストルートを決定する。例えば、決定部133は、各ルートのうち、移動コストが最低のルートをサジェストルートとして決定する。
【0099】
図1の例では、決定部133は、算出した各ルートRT1〜RT4の移動コストに基づいて、ユーザU1へ15階から13階への移動に用いることを推奨するルートとして情報提供を行うサジェストルートを決定する。例えば、決定部133は、各ルートRT1〜RT4のうち、移動コストが最低の「4」であるルートRT2をサジェストルートとして決定する。例えば、決定部133は、15階から14階への移動にエレベータEV1を利用し、14階から13階への移動に階段ST11を利用するルートRT2をサジェストルートとして決定する。
【0100】
(提供部134)
提供部134は、端末装置10等の外部装置に各種情報を提供するまた、例えば、提供部134は、算出部132により算出された各種情報を外部装置に提供してもよい。また、提供部134は、算出部132により算出された各種の情報を外部装置に提供してもよい。また、提供部134は、決定部133により決定された各種の情報を外部装置に提供してもよい。
【0101】
例えば、提供部134は、決定部133により決定されたサジェストルートに関する情報をユーザが利用する端末装置10に提供する。
【0102】
また、図1の例では、提供部134は、決定したサジェストルートに関する情報をユーザU1が利用する端末装置10に提供する。例えば、提供部134は、各ルートRT1〜RT4のうち、移動コストが最低のルートRT2をサジェストルートとして提供する。例えば、提供部134は、15階から14階への移動にエレベータEV1を利用し、14階から13階への移動に階段ST11を利用するルートRT2をサジェストルートとしてユーザU1に提供する。
【0103】
〔3.算出処理のフロー〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る算出システム1による算出処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る算出処理の一例を示すフローチャートである。具体的には、図7は、算出処理に応じたコンテンツの提供の処理を含むフローチャートである。
【0104】
図7に示すように、算出装置100は、ユーザの移動予定情報を取得する(ステップS101)。例えば、算出装置100は、端末装置10から移動予定情報を取得する。
【0105】
そして、算出装置100は、ユーザが位置する施設の施設情報を取得する(ステップS102)。例えば、算出装置100は、施設情報記憶部122(図5参照)からユーザが位置する施設の施設情報を取得する。
【0106】
また、算出装置100は、ユーザが位置する所在階から目的階への移動にとり得る各ルートを取得する(ステップS103)。例えば、算出装置100は、施設情報記憶部122(図5参照)やエレベータ情報記憶部123(図6参照)から各ルートに関する情報を取得する。
【0107】
そして、算出装置100は、各ルートの移動コストを算出する(ステップS104)。図1の例では、算出装置100は、コストリストCL11に示すように、ルートRT1の移動コストを「10」と算出し、ルートRT2の移動コストを「4」と算出し、ルートRT3の移動コストを「15」と算出し、ルートRT4の移動コストを「8」と算出する。
【0108】
また、算出装置100は、各ルートの移動コストに基づいて、サジェストルートを決定する(ステップS105)。図1の例では、算出装置100は、各ルートRT1〜RT4のうち、移動コストが最低の「4」であるルートRT2をサジェストルートとして決定する。
【0109】
そして、算出装置100は、決定したサジェストルートに関する情報をユーザに提供する(ステップS106)。図1の例では、算出装置100は、各ルートRT1〜RT4のうち、移動コストが最低のルートRT2をサジェストルートとして提供する。
【0110】
〔4.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る算出装置100は、取得部131と、算出部132とを有する。取得部131は、複数階を有し複数のエレベータが設けられた施設内においてユーザが位置する階である所在階、及び当該ユーザの移動先となる目的階を示す移動予定情報と、複数のエレベータの各々の運行ルールを含む施設に関する施設情報とを取得する。算出部132は、移動予定情報と施設情報とに基づいて、ユーザが所在階から目的階への移動にとり得る各ルートによって、ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを、移動予定情報と施設情報とに基づいて算出する。
【0111】
このように、実施形態に係る算出装置100は、ユーザが所在階から目的階への移動にとり得る各ルートによって、ユーザが移動した場合に生じるコストである移動コストを算出することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができる。
【0112】
また、実施形態に係る算出装置100において、算出部132は、各ルートによるユーザの移動において生じるユーザの心的コストを含む移動コストを算出する。
【0113】
このように、実施形態に係る算出装置100は、各ルートによるユーザの移動において生じるユーザの心的コストを含む移動コストを算出することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができる。
【0114】
また、実施形態に係る算出装置100において、算出部132は、各ルートによるユーザの移動において生じるユーザの運送コストを含む移動コストを算出する。
【0115】
このように、実施形態に係る算出装置100は、各ルートによるユーザの移動において生じるユーザの運送コストを含む移動コストを算出することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができる。
【0116】
また、実施形態に係る算出装置100において、取得部131は、移動コストを算出時における複数のエレベータの各々の位置情報を含む施設情報を取得する。
【0117】
このように、実施形態に係る算出装置100は、移動コストを算出時における複数のエレベータの各々の位置情報を含む施設情報を取得することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができる。
【0118】
また、実施形態に係る算出装置100において、取得部131は、施設の各階における複数のエレベータの待ち人数を含む施設情報を取得する。
【0119】
このように、実施形態に係る算出装置100は、施設の各階における複数のエレベータの待ち人数を含む施設情報を取得することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができる。
【0120】
また、実施形態に係る算出装置100において、取得部131は、異なる停止階が設定された複数のエレベータが設けられた施設の施設情報を取得する。
【0121】
このように、実施形態に係る算出装置100は、異なる停止階が設定された複数のエレベータが設けられた施設の施設情報を取得することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じるコストを適切に算出することができる。
【0122】
また、実施形態に係る算出装置100は、決定部133を有する。決定部133は、各ルートの移動コストに基づいて、ユーザに推奨するルートであるサジェストルートを決定する。
【0123】
このように、実施形態に係る算出装置100は、各ルートの移動コストに基づいて、ユーザに推奨するルートであるサジェストルートを決定することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じる各ルートのコストに基づいて適切にサジェストルートを決定することができる。
【0124】
また、実施形態に係る算出装置100において、決定部133は、各ルートのうち、移動コストが最低のルートをサジェストルートとして決定する。
【0125】
このように、実施形態に係る算出装置100は、各ルートのうち、移動コストが最低のルートをサジェストルートとして決定することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じる各ルートのコストに基づいて適切にサジェストルートを決定することができる。
【0126】
また、実施形態に係る算出装置100は、提供部134を有する。提供部134は、決定部133により決定されたサジェストルートに関する情報をユーザが利用する端末装置に提供する。
【0127】
このように、実施形態に係る算出装置100は、決定したサジェストルートに関する情報をユーザが利用する端末装置10に提供することにより、複数階を有する所定の施設内におけるユーザの移動により生じる各ルートのコストに基づいて適切にサジェストルートをユーザに提供することができる。
【0128】
〔5.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る算出装置100は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、算出装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0129】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0130】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0131】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0132】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0133】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る算出装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0134】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0135】
〔6.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0136】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0137】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0138】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0139】
1 算出システム
100 算出装置
121 ユーザ情報記憶部
122 施設情報記憶部
123 エレベータ情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 算出部
133 決定部
134 提供部
10 端末装置
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8