(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906064
(24)【登録日】2021年6月30日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】アトマイジングディスク及びそれを有するアトマイジング装置、ドローン
(51)【国際特許分類】
B05B 17/00 20060101AFI20210708BHJP
B64C 27/08 20060101ALI20210708BHJP
B64D 1/18 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
B05B17/00
B64C27/08
B64D1/18
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-566210(P2019-566210)
(86)(22)【出願日】2018年6月28日
(65)【公表番号】特表2020-521631(P2020-521631A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(86)【国際出願番号】CN2018093395
(87)【国際公開番号】WO2019011131
(87)【国際公開日】20190117
【審査請求日】2019年11月29日
(31)【優先権主張番号】201710560279.2
(32)【優先日】2017年7月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517080980
【氏名又は名称】▲広▼州▲極飛▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU XAIRCRAFT TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李杰▲孫▼
(72)【発明者】
【氏名】李晟▲華▼
【審査官】
塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】
中国実用新案第205495915(CN,U)
【文献】
国際公開第00/059641(WO,A1)
【文献】
中国特許出願公開第106216119(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0212128(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第101254490(CN,A)
【文献】
特開2012−170837(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第105253304(CN,A)
【文献】
国際公開第2011/007405(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00−3/18
7/00−9/08
17/00−17/08
B64B 1/00−1/70
B64C 1/00−99/00
B64D 1/00−47/08
B64F 1/00−5/60
B64G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に液体入り空間(b)が設置されたボトムディスク(1)と、
前記ボトムディスクの上面に設置され、且つ前記ボトムディスク(1)の周方向に間隔を空けて分布された複数のリブ(2)と
を含み、
隣接する二つの前記リブ(2)とボトムディスク(1)との間には、前記液体入り空間(b)と連通された遠心流路(a)が限定されており、前記遠心流路(a)を流れる流体を切断するように、前記リブ(2)の前記ボトムディスク(1)の縁に接近する一端に前記リブ(2)の側面部を貫通する第1溝(5)が設置されており、
各前記リブ(2)は弧状又は直線状であり、駆動モーターのモーター軸はアトマイジングディスクと協働して前記アトマイジングディスクを回動させるように駆動することを特徴とするアトマイジングディスク。
【請求項2】
各前記リブ(2)は弧状をなす際、各前記第1溝(5)は対応する前記リブ(2)における前記リブ(2)の曲率中心から離れる側を貫通することを特徴とする請求項1に記載のアトマイジングディスク。
【請求項3】
前記第1溝(5)は前記ボトムディスク(1)に対して傾斜して設置され、前記第1溝(5)の対応する前記リブ(2)の曲率中心から離れる側から前記第1溝(5)の前記リブ(2)の曲率中心に接近する側を向かう方向に沿って、前記第1溝(5)は前記ボトムディスク(1)から徐々に離れることを特徴とする請求項2に記載のアトマイジングディスク。
【請求項4】
前記リブ(2)は直線状をなす際、前記第1溝(5)は前記ボトムディスク(1)に対して傾斜して設置されたことを特徴とする請求項1に記載のアトマイジングディスク。
【請求項5】
各前記第1溝(5)は、前記ボトムディスク(1)に接近する端の開口が前記ボトムディスク(1)から離れる開口より小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアトマイジングディスク。
【請求項6】
各前記第1溝(5)は対向する第1壁(51)と第2壁(52)とを含み、前記第2壁(52)は前記第1壁(51)に対して前記ボトムディスク(1)の上面に接近し、前記第2壁(52)は前記ボトムディスク(1)の中心から離れる方向と前記ボトムディスク(1)の上面に接近する方向に向って延在されたことを特徴とする請求項5に記載のアトマイジングディスク。
【請求項7】
各前記第1溝(5)は対応する前記リブ(2)の対向する両側を貫通することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアトマイジングディスク。
【請求項8】
各前記リブ(2)に前記リブ(2)の厚さ方向に沿って順に配布された複数の前記第1溝(5)が設置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアトマイジングディスク。
【請求項9】
前記遠心流路(a)の出口端に複数の第2溝(6)が設置され、前記複数の第2溝(6)は前記ボトムディスク(1)の周方向に沿って順に配布されており、前記ボトムディスク(1)の軸方向において、前記第2溝(6)は前記遠心流路(a)を流れる流体を切断するように前記ボトムディスク(1)を貫通することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアトマイジングディスク。
【請求項10】
前記ボトムディスク(1)と協働して複数の前記遠心流路(a)を覆い、前記液体入り空間(b)と直面する液体入り口(41)が設置されたカバー体(4)を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアトマイジングディスク。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のアトマイジングディスクと、
モーター軸が前記アトマイジングディスクと協働して前記アトマイジングディスクを回動させるように駆動する駆動モーターとを含むことを特徴とするアトマイジング装置。
【請求項12】
請求項11に記載のアトマイジング装置を含むことを特徴とするドローン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドローン技術分野に関し、具体的に、アトマイジングディスク及びそれを有するアトマイジング装置、ドローンに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術のドローンの作動の際、アトマイジングディスクがモーターに従って高速回転することによって、アトマイジングディスク中の薬液は遠心力の作用でアトマイジングディスクの周面から飛散され、空気中で霧滴に微細化される。しかしながら、関連技術のドローンが作動する際、アトマイジングディスクから排出される霧滴の平均粒径が大きいため、アトマイジングディスクのスプレー範囲が小さくなり、アトマイジングディスクのスプレー効果に影響を与えることになる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は少なくとも従来技術に存在する技術課題の一つを解決することを目的とする。そのために、本発明は排出される霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にすることで、アトマイジングディスクのスプレー効果を向上させるアトマイジングディスクを提出する。
【0004】
本発明は、さらに上述のアトマイジングディスクを含むアトマイジング装置を提出する。
【0005】
本発明は、さらに上述のアトマイジング装置を含むドローンを提出する。
本発明の第1側面の実施例によるアトマイジングディスクは、アトマイジングディスクの上面に液体入り空間が設置されたボトムディスク、ボトムディスクの上面に設置され、且つボトムディスクの周方向に間隔を空けて分布された複数のリブを含み、隣接する二つのリブとボトムディスクとの間には液体入り空間と連通する遠心流路が限定され、遠心流路を流れる流体を切断するように、リブのボトムディスクの縁に接近する一端にリブの側面部を貫通する第1溝が設置されている。
【0006】
本発明の実施例によるアトマイジングディスクは、リブのボトムディスクの縁に接近する一端にリブの側面部を貫通する第1溝を設置することで、アトマイジングディスクの排出した霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にして、アトマイジングディスクのスプレー効果を向上させる。
【0007】
本発明の一部の実施例によると、各リブは弧状をなし、各第1溝は対応するリブにおけるリブの曲率中心から離れる側を貫通する。
【0008】
本発明の一部の実施例において、第1溝はボトムディスクに対して傾斜して設置され、第1溝の対応するリブの曲率中心から離れる側から第1溝のリブの曲率中心に接近する側に向かう方向は、ボトムディスクから離れる方向である。
【0009】
本発明の一部の実施例において、各リブは直線状をなす。
本発明の一部の実施例において、第1溝はボトムディスクに対して傾斜して設置されている。
【0010】
本発明の一部の実施例において、各第1溝は、ボトムディスクに接近する端の開口が第1溝のボトムディスクから離れる開口より小さい。
【0011】
本発明の一部の実施例において、各第1溝は対向する第1壁と第2壁を含み、第1壁及び第2壁は対応するリブに隣接して第1溝の一端が設置され、第2壁は第1壁に対してボトムディスクの上面に接近し、第2壁は前記ボトムディスクの中心から離れる方向と、前記ボトムディスクの上面に接近する方向に向かって延在されている。
【0012】
本発明の一部の実施例において、各第1溝は対応するリブの対向する両側を貫通する。
【0013】
本発明の一部の実施例において、各リブには、リブの厚さ方向に沿って順に配置された複数の第1溝が設置されている。
【0014】
本発明の一部の実施例において、遠心流路の出口端に複数の第2溝が設置され、複数の第2溝はボトムディスクの周方向に沿って順に配置されており、ボトムディスクの軸方向において、第2溝は遠心流路を流れる流体を切断するようにボトムディスクを貫通する。
【0015】
本発明の一部の実施例において、アトマイジングディスクは、前記ボトムディスクと協働して複数の遠心流路を覆い、且つ前記液体入り空間と直面する液体入り口が設置されたカバー体を更に含む。
【0016】
本発明の第2側面の実施例によるアトマイジング装置は、本発明の上述の第1側面の実施例によるアトマイジングディスクと、モーター軸がアトマイジングディスクと協働してアトマイジングディスクを回動させるように駆動する駆動モーターとを含む。
【0017】
本発明の実施例によるアトマイジング装置は、本発明の上述の第1側面の実施例によるアトマイジングディスクを設置することで、アトマイジング装置の排出した霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にして、アトマイジングディスクのスプレー効果を向上させる。
【0018】
本発明の第3側面の実施例によるドローンは、本発明の上述の第2側面の実施例によるアトマイジング装置を含む。
【0019】
本発明の実施例によるドローンは、本発明の上述の第2側面の実施例によるアトマイジング装置を設置することで、アトマイジング装置の排出した霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にして、アトマイジングディスクのスプレー効果を向上させる。
【0020】
本発明の附加的な側面と長所は、以下の説明において部分的に示され、一部は以下の説明において更に明らかになるか、又は本発明の実践によって理解できるようになる。
【0021】
本願の一部を構成する添付図面は本発明に対する更なる理解を提供するためのもので、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を解釈するためのものとして、本発明に対する不適切な限定を構成しない。図面において、
本発明の上述及び/又は附加的な形態と長所は、以下の図面を参照して実施例についての説明によって明確になり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1側面の実施例によるアトマイジングディスクの斜視図である。
【
図2】本発明の第1側面の実施例によるアトマイジングディスクの部分斜視図である。
【
図3】
図2におけるアトマイジングディスクの正面図である。
【
図4】
図2におけるアトマイジングディスクの平面図である。
【
図5】本発明の第1側面の実施例によるカバー体の正面図である。
【符号の説明】
【0023】
100…アトマイジングディスク、
1…ボトムディスク、2…リブ、3…ストッパーセット、31…ストッパー、4…カバー体、41…液体入り口、5…第1溝、51…第1壁、
52…第2壁、6…第2溝、a…遠心流路、b…液体入り空間。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例について詳細に説明し、前記実施例の例示は図面に示されており、同じ又は類似の符号は、常に同じ又は類似の部材、或いは、同じ又は類似の機能を備える部品を示す。以下、図面を参照して説明する実施例は例示的なものとして、単に本発明を解釈するためのもので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0025】
本発明の説明において、用語「中心」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「左」、「右」、「底」、「内」、「外」、「周方向」などの示す方位又は位置関係は図面に基づいて示す方位又は位置関係で、本発明に対する説明の便利性及び説明の簡略化のためのものにすぎず、指定される装置又は部品が必ず特定の方位を有することや、特定の方位で構成及び操作することを示したり暗示したりするのではないため、本発明に対する限定と理解してはいけないことを理解すべきである。なお、「第1」、「第2」で限定される特徴は明示的又は暗黙的な一つ又は複数の該当特徴を含むことができる。本発明の説明において、他の説明がない限り、「複数」の意味は二つ又は二つ以上である。
【0026】
なお、本発明の説明において、他の明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付ける」、「つながる」、「接続」に対して広義的に理解すべきで、例えば、固定接続であってもよく、取外し可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよい。また、機械接続であってもよく、電気的な接続であってもよい。また、直接つながってもよく、中間媒体を介して間接的につながってもよく、二つの部品の内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況によって上述の用語の本発明での具体的な意味を理解することができる。
【0027】
以下、
図1〜
図7を参照して本発明の実施例によるアトマイジングディスク100について説明する。
【0028】
図1〜
図7に示すように、本発明の実施例によるアトマイジングディスク100は、ボトムディスク1及び複数のリブ2を含む。
【0029】
ボトムディスク1の上面に液体入り空間bが設置され、複数のリブ2はボトムディスク(1)の上面に設置され、且つボトムディスク1の周方向に間隔を空けて分布されており、隣接する二つのリブ2とボトムディスク1との間で液体入り空間bと連通される遠心流路aを限定する。これから分かるように、アトマイジングディスク100の作動過程で、液体入り空間b内の液体は、遠心力及び自身重力の作用で液体入り空間bから各遠心流路aへ流動し、流動過程で分裂し噴霧され、最終的に霧滴を形成し、アトマイジングディスク100を遠心流路aの出口端から排出される。
【0030】
遠心流路aを流れる流体を切断するように、リブ2のボトムディスク1の縁に接近する一端にリブ2の側面部を貫通する第1溝5が設置されている。これから分かるように、液体が液体入り空間bから遠心流路aの出口端に流動する際、第1溝5はもうすぐアトマイジングディスク100から排出され、且つ遠心力と重力との合力方向に沿って流動する霧滴を切断及び分離させることによって、アトマイジングディスク100の排出した霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にすることで、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。第1溝5は、対応するリブ2の一側を貫通しても、対応するリブ2の両側を貫通してもよく、第1溝5の縁が霧滴と接触できることさえ確保すれば、第1溝5による霧滴の切断・分離機能が実現できることが理解できる。
【0031】
本発明の実施例によるアトマイジングディスク100は、リブ2のボトムディスク1の縁に接近する一端にリブ2の側面部を貫通する第1溝5を設置することによって、アトマイジングディスク100の排出した霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にすることで、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。
【0032】
以下、
図1〜
図7を参照して本発明の実施例によるアトマイジングディスク100について詳細に説明する。
【0033】
図1〜
図7に示すように、本発明の実施例によるアトマイジングディスク100は、ボトムディスク1、複数のリブ2、カバー体4、及び複数のストッパーセット3を含む。
【0034】
図1〜
図4に示すように、ボトムディスク1の上面の中心に液体入り空間bが設置されている。複数のリブ2はボトムディスク1の上面に設置され、且つボトムディスク1の周方向に均等に間隔を空けて分布され、隣接する二つのリブ2とボトムディスク1との間で液体入り空間bと連通される遠心流路aを限定する。各リブ2は弧状となっており、具体的に、各リブ2は3次元の螺旋状に形成され、且つ複数のリブ2の湾曲方向は同じである。
【0035】
具体的に、各リブ2は弧状又は直線状で、各リブ2の一端は液体入り空間bに位置され、各リブ2の他端はボトムディスク1の縁に位置される。
【0036】
図1〜
図3、及び
図7に示すように、各第1溝5は対応するリブ2のリブ2の曲率中心から離れる、対向する両側を貫通する。即ち、ボトムディスク1の周方向において、各第1溝5は対応するリブ2を貫通する。これにより、各第1溝5は対応するリブ2の両側の遠心流路aから排出された霧滴を切断し分離させることができる。
【0037】
具体的に、リブ2は対向して設置された第1側壁と第2側壁とを備え、第1溝5の一端は第1側壁に延在され、第1溝5の他端は第2側壁に延在されている。ここで、第1溝5の溝口は、液体入り空間bから離れる方向に向って設置されている。そして、ボトムディスク1上面から離れる方向に沿って第1溝5の開口は徐々に大きくなる。
【0038】
図1〜
図3、及び
図7に示すように、第1溝5はストリップ溝で、第1溝5の延在方向はボトムディスク1の上面に対して傾斜している。第1溝5はボトムディスク1に対して傾斜して設置され、第1溝5の対応するリブ2の曲率中心から離れる側から第1溝5のリブ2の曲率中心に接近する側に向かう方向は、ボトムディスク1から離れる方向である。即ち、前記第1溝の対応する前記リブの曲率中心から離れる側から前記第1溝の前記リブの曲率中心に接近する側までの方向に沿って、前記第1溝は徐々に前記ボトムディスクから離れる。
【0039】
例えば、
図3及び
図7に示すように、第1溝5のボトムディスク1から離れる方向は対応するリブ2の右下から左上に向かう方向である。具体的に、第1溝5は、前記ボトムディスク1の回動方向に沿って、ボトムディスク1から徐々に離れるように設置されている。
【0040】
図3及び
図7に示すように、各第1溝5は、ボトムディスク1に接近する端の開口がボトムディスク1から離れる開口より小さい。これにより、第1溝5が霧滴に対して切断し分離させる効果を強化できる。
【0041】
例えば、
図3及び
図7に示すように、第1溝5はV字状になっている。
図3及び
図7に示すように、各第1溝5は対向する第1壁51と第2壁52を含み、第1壁51及び第2壁52は、対応するリブに隣接して第1溝5の一端が設置され、第2壁52は第1壁51に対してボトムディスク1の上面に近づき、第2壁52はボトムディスク1の中心から離れる方向と、ボトムディスク1の上面に近づく方向に向かって延在される。
【0042】
具体的に、第1壁と第2壁はいずれも弧状壁又は平面状壁である。
図1〜
図3、及び
図7に示すように、各リブ2上にリブ2の厚さ方向に沿って順に配置された三つの第1溝5が設置されている。これにより、アトマイジングディスク100から排出された霧滴の粒径を更に小さくし、アトマイジングディスク100が液体をより均一にスプレーすることで、ひいては、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。
【0043】
図1〜
図4、及び
図7に示すように、遠心流路aの出口端に複数の第2溝6が設置され、複数の第2溝6はボトムディスクの周方向に沿って順に配置されて、ボトムディスク1の軸方向において、第2溝6は遠心流路aを流れる流体を切断するようにボトムディスク1を貫通する。これからわかるように、液体が液体入り空間bから遠心流路aの出口端まで流動した際、複数の第2溝(6)はもうすぐアトマイジングディスク100から排出されて落下する霧滴を切断し分離させることができるため、アトマイジングディスク100の排出した霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にすることで、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。
【0044】
液体入り空間bから離れる方向に沿って、第2溝6の開口は徐々に大きくなることが好ましい。第2溝6は二つの溝壁によって構成されたV字状の溝で、第2溝6の二つの溝壁はいずれも弧状溝壁又は平面状溝壁である。
【0045】
図5及び
図6に示すように、ボトムディスク1と協働して複数の遠心流路aを覆うように、カバー体4はボトムディスク1の外周壁の形状と同じである。さらに、遠心流路aに対してある程度の密封の作用を果たす。液体が遠心流路a内で流動する際、カバー体4の内壁が流動する液体に対してある程度の阻止作用を果たすため、液体の流動方向とカバー体4の内壁の母線とが相接するようになる。これとともに、コアンダ効果から分かるように、流体粘性の作用で、アトマイジングディスク100内の液体はボトムディスク1の表面に沿って流動する。これにより、カバー体4とボトムディスク1との協働作用で霧滴がアトマイジングディスク100から排出される際の初速度を向上させることができ、霧滴の流動方向を更に一致させ、ひいては、霧滴の制御可能性を増加することができ、霧滴が落下する際の横風の影響による漂流の発生現象を減らすことで、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。
【0046】
カバー体4に、液体入り空間bと直面する液体入り口41が設置されている。これから分かるように、利用者はスプレーすべきの液体を液体入り口41を介してアトマイジングディスク100の液体入り空間b内に流入させることができる。
【0047】
図3に示すように、ボトムディスク1は軸対称体に形成されて、ボトムディスク1の母線の曲率中心は、ボトムディスク1の母線がボトムディスク1の中心に接近する側に位置し、即ち、ボトムディスク1の母線は円錐曲線に形成されている。これから分かるように、ボトムディスク1の構造が簡単で安定である。液体入り空間b内の液体を遠心流路aに沿ってアトマイジングディスク100から排出させる際、遠心力の作用でより大きい初速度を得て、アトマイジングディスク100の排出した霧滴のスプレー面積を拡大して、霧滴が落下する際の横風の影響による漂流の発生現象を減らすことで、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。
【0048】
図1、
図2及び
図4に示すように、複数のストッパーセット3は液体入り空間b内に設置され、ボトムディスク1の径方向に間隔を空けて設置されている。各ストッパーセット3は複数のストッパー31を含み、各ストッパーセット3の複数のストッパー31は開口を有する環状構造に配列されるようにボトムディスク1の周方向に沿って均一に間隔を空けて分布され、隣接する二つのストッパーセット3の開口はボトムディスク1の周方向に位置がずれるように設置されている。これにより、液体入り空間b内の液体がまずアトマイジングディスク100による遠心力の作用で液体入り空間b内で均一に広がるようにし、それから、液体が各ストッパーセット3によって限定された開口に沿って複数の遠心流路aへ流動するようになって、アトマイジングディスク100の排出した霧滴粒径を更に均一させ、霧滴の粒径分布を更に集中させることで、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。
【0049】
ボトムディスク1、複数のリブ2及び複数のストッパーセット3は一体に成形されたプラスチック材質の部品に形成されている。これにより、アトマイジングディスク100の製造コストを低減させることができ、アトマイジングディスク100の製造を簡単に、便利にすることができる。これとともに、アトマイジングディスク100の製造過程で、断面がU字状をなす遠心流路(a)を設置することで、溶融状態のプラスチックの流動及び成形を容易にするため、ダイシンキングしやすくなる。
【0050】
図3及び
図7に示すように、各遠心流路aの断面はU字状をなす。これから分かるように、遠心流路aの構造が簡単であり、液体入り空間b内の液体に固体粒子が混合された際、断面がU字状をなす遠心流路aは、固体粒子が順調に遠心流路aを通過してアトマイジングディスク100から排出されることに寄与するため、アトマイジングディスク100の作業効率をある程度向上させることができるとともに、利用者がアトマイジングディスク100を容易に清掃を行うことができて、アトマイジングディスク100の製造過程でダイシンキングしやすくなる。
【0051】
図2〜
図4に示すように、各遠心流路aは弧状の流路に形成されている。弧状流路であるため、液体入り空間b内の液体は長い加速距離を有し、アトマイジングディスク100の排出した霧滴は大きい遠心力と初速度を得ることができ、ひいては、アトマイジングディスク100の排出した霧滴の粒径を比較的に集中的に分布させ、霧滴の平均粒径を小さくし、アトマイジングディスク100の排出した霧滴のスプレー面積を拡大し、霧滴が落下する際の横風の影響による漂流の発生現象を減らすことで、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。
【0052】
図2と
図4に示すように、各遠心流路aの幅は、ボトムディスク1の中心からボトムディスク1の縁までの方向において徐々に大きくなる。これにより、アトマイジングディスク100のスプレー範囲をある程度拡大し、ひいては、アトマイジングディスク100の作業効率を向上させることができる。
【0053】
図2〜
図4に示すように、ボトムディスク1の周方向において、複数の遠心流路aの構造及びサイズは同じである。これにより、アトマイジングディスク100の構造が簡単で、安定である。これは複数の遠心流路aに沿ってアトマイジングディスク100から排出される霧滴の粒径が同じで、且つ初速度が同じであることを確保するのに寄与し、ひいては、アトマイジングディスク100の排出した霧滴を更に均一にスプレーさせ、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させることに寄与する。
【0054】
以下、本発明の実施例によるアトマイジングディスクの組み立て過程について説明する。
カバー体4が複数の遠心流路aを覆うように、カバー体4をボトムディスク1上に取り付ける。
【0055】
以下、本発明の実施例によるアトマイジングディスク100の有益な効果について簡単に説明する。
本発明の実施例によるアトマイジングディスク100は、アトマイジングディスク100製造過程のダイシンキングを簡単にすることができ、固体粒子が順調に遠心流路aを通過してアトマイジングディスク100から排出されることに寄与し、利用者がアトマイジングディスク100を容易に清掃することができる。これとともに、アトマイジングディスク100からの霧滴の粒径を集中的に分布させ、平均粒径を小さくし、初速度を大きくして、アトマイジングディスク100のスプレー面積を拡大することができ、霧滴が落下する際の横風の影響による漂流の発生現象を減らすことで、アトマイジングディスク100のスプレー効果を向上させる。
【0056】
以下、本発明の実施例によるアトマイジングディスクの他のいくつかの変形態様を簡単に説明する。
1、各リブ2は直線状をなし、第1溝5はボトムディスク1に対して傾斜して設置されている。
2、各第1溝5は対応するリブ2におけるリブ2の曲率中心から離れる側を貫通する。
【0057】
以下、本発明の実施例によるアトマイジング装置について説明する。
本発明の実施例によるアトマイジング装置(未図示)は、本発明の上述の実施例によるアトマイジングディスク100と駆動モーター(未図示)を含む。ここで、駆動モーターのモーター軸(未図示)はアトマイジングディスク100と協働してアトマイジングディスク100を回動させるように駆動する。これから分かるように、アトマイジングディスク100は駆動モーターの駆動で回転することによって、液体入り空間b内の液体を遠心流路aに沿って流動させ、徐々に霧滴を形成し、アトマイジングディスク100から排出させる。
【0058】
本発明の実施例によるアトマイジング装置は、本発明の上述の実施例によるアトマイジングディスク100の設置によって、アトマイジング装置の排出した霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にすることによって、アトマイジング装置の作業効果を向上させる。
【0059】
以下、本発明の実施例によるドローンについて説明する。
本発明の実施例によるドローンは、本発明の上述の実施例によるアトマイジング装置を含む。
本発明の実施例によるドローンは、本発明の上述の実施例によるアトマイジング装置を設置することによって、アトマイジング装置の排出した霧滴粒径を更に小さくし、スプレーを更に均一にすることで、アトマイジング装置の作業効果を向上させる。
【0060】
本明細書の説明において、参照用語の「一つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」などの説明はこの実施例又は例示と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも一つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語に対する例示的な表現は必ず同じ実施例又は例示を示すことではない。そして、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性を任意の一つ又は複数の実施例又は例示において適当な方式で組み合わせることができる。
【0061】
本発明の実施例を例示及び説明したが、当業者にとって、本発明の原理及び要旨を逸脱しない限りこれらの実施例に対して様々な変化、修正、置き換え及び変形を行うことができ、本発明の範囲は請求項及びその均等物によって限定されることが理解できる。