【文献】
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2011年,21(18),p.5191-5196
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0036】
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)及び質量分析(MS)により確定される。NM
Rシフト(δ)は、10
−6(ppm)を単位とする。NMRの測定は、(Bruker
AvanceIII 400及びBruker Avance 300)NMR測定器
を使用し、測定溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)、重水素化ク
ロロホルム(CDCl
3)、重水素化メタノール(MeOD)であり、内部標準物質は、
テトラメチルシラン(TMS)である。
【0037】
LC−MSの測定は、島津製液体クロマトグラフ質量分析計(Shimadzu LC
−MS 2020(ESI))を使用する。
【0038】
HPLCの測定は、島津製高圧液体クロマトグラフィー(Shimadzu LC−2
0A)を使用する。
【0039】
MPLC(中圧分取クロマトグラフィー)は、Gilson GX−281 逆相分取
クロマトグラフィーを使用する。
【0040】
カラムクロマトグラフィーは、一般に煙台黄海シリカゲルの200〜300メッシュの
シリカゲルを担体として使用する。
【0041】
薄層クロマトグラフィーシリカゲルプレートは、煙台黄海HSGF254又は青島GF
254シリカゲルプレートを使用し、薄層クロマトグラフィーにより0.4mm〜0.5
mmで製品を分離精製する。
【0042】
本発明の実施形態で使用される原料、設備はいずれも既知製品であり、市販品を購入す
ることにより入手することができる。既知の出発原料は、等分野で知られている方法によ
り合成されてもよく、安耐吉化学、成都科龍化工、韶遠化学科技、百霊威科技などの会社
から購入してもよい。
【0043】
室温(20℃〜30℃)は、最適な反応温度である。実施例において、特に断りのない
限り、Mは、モル/リットル、溶液は、水溶液である。
【0044】
略称の説明
DCM:ジクロロメタン;EA、EtOAc:酢酸エチル;PE:石油エーテル;TH
F:テトラヒドロフラン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DIEA:ジイソプ
ロピルエチルアミン;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;EDCI:1−エチル−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩;HOBT:1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール;HBTU:ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−N,N,N´,
N´−テトラメチルウロニウム;Pd(dppf)Cl
2:[1,1´−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)フェロセン] 二塩化パラジウム。
【0045】
実施例1:N−(3−アミノ−1−フェニルプロピル)イソキノリン−6−ホルムアミ
ドの製造
【0046】
ステップ1:(S)−N−フェニルメチレン−2−メチルプロパン−2−スルホンアミ
ド
室温でベンズアルデヒド(30.0g,283mmol)のテトラヒドロフラン(15
0mL)溶液にtert−ブチルスルフィンアミド(51.4g,424mmol)及び
チタン酸テトライソプロピル(100g,353mmol)を加え、60℃で4時間撹拌
した後、水を加えて濾過し、酢酸エチルで抽出し、その後、水相を酢酸エチルで2回抽出
し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロ
マトグラフィーにより精製したところ、(S)−N−フェニルメチレン−2−メチルプロ
パン−2−スルホンアミド(54g,232mmol,収率82%)を得た。
MS(ESI)m/z=210(M+1)
+。
【0047】
ステップ2:(S)−2−メチル−N−(2−ニトロ−1−フェネチル)−プロパン−
2−スルフィンアミドの製造
(S)−N−フェニルメチレン−2−メチルプロパン−2−スルホンアミド(48.0g
,229mmol)をテトラヒドロフラン(500mL)に溶解し、窒素ガスの保護下、
0℃でカリウムtert−ブトキシド(38.5g,344mmol)を加え、反応液を
1時間撹拌した後、ニトロメタン(140g,2.29mol)を加え、室温で24時間
撹拌した。反応液を酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、
有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマト
グラフィーにより精製したところ、(S)−2−メチル−N−(2−ニトロ−1−フェネ
チル)−プロパン−2−スルフィンアミド(18g,66.6mmol,収率29%)を
得た。
MS(ESI)m/z=271(M+1)
+。
【0048】
ステップ3:(S)−2−メチル−N−(2−アミノ−1−フェネチル)−プロパン−
2−スルフィンアミドの製造
(S)−2−メチル−N−(2−ニトロ−1−フェネチル)−プロパン−2−スルフィン
アミド(8.00g,29.6mmol) をメタノール(50.0mL)に溶解し、ラ
ネーニッケル(800mg,10%)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液を珪藻土
により濾過し、溶媒を減圧留去し、(S)−2−メチル−N−(2−アミノ−1−フェネ
チル)−プロパン−2−スルフィンアミド(6.00g,21.5mmol,収率86%
)を得た。
MS(ESI)m/z=241(M+1)
+。
【0049】
ステップ4:ベンジル−N−(((S)−tert−ブチルスルフィンアミド)−2−
フェネチル)カルバメートの製造
(S)−2−メチル−N−(2−アミノ−1−フェネチル)−プロパン−2−スルフィン
アミド(7.00g,29.1mmol)をテトラヒドロフラン(70.0mL)に溶解
し、トリエチルアミン(11.8g,116mmol)及びベンジルオキシカルボニルオ
キシスクシンイミド(8.70g,34.9mmol)を加え、1時間撹拌した後、酢酸
エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫
酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製し
たところ、ベンジル−N−(((S)−tert−ブチルスルフィンアミド)−2−フェ
ネチル)カルバメート(6.02g,12.8mmol,収率44%)を得た。
MS(ESI)m/z=375(M+1)
+。
【0050】
ステップ5.ベンジル−N−(2−アミノ−2−フェニル−エチル)カルバメートの製
造
ベンジル−N−(((S)−tert−ブチルスルフィンアミド)−2−フェネチル)
カルバメート(5.00g,13.4mmol)をメタノール(10.0mL)に溶解し
、1,4−ジオキサンの塩酸溶液(40.0mL,5mol/L)を加え、1時間撹拌し
た後、溶媒を減圧留去し、ベンジル−N−(2−アミノ−2−フェニル−エチル)カルバ
メート(3.01g,10.2mmol,収率76%)を得た。
MS(ESI)m/z=271(M+1)
+。
【0051】
ステップ6.ベンジル−N−((2S)−2−(イソキノリン−6−ホルムアミド)−
2−フェニル−エチル)カルバメートの製造
ベンジル−N−(2−アミノ−2−フェニル−エチル)カルバメート(2.00g,7
.40mmol)をDMF(10.0mL)に溶解し、ベンゾトリアゾール−N,N,N
´,N´−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(2.07g,8.14
mmol)、イソキノリン−6−ギ酸(1.28g,7.40mmol)及びN,N−ジ
イソプロピルエチルアミン(3.38g,29.6mmol)を加え、1時間撹拌した後
、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、
無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより
精製したところ、ベンジル−N−((2S)−2−(イソキノリン−6−ホルムアミド)
−2−フェニル−エチル)カルバメート(2.01g,4.24mmol,収率57%)
を得た。
MS(ESI)m/z=426(M+1)
+。
【0052】
ステップ7.N−((S)−2アミノ−1フェニル−エチル)イソキノリン−6−ホル
ムアミドの製造
ベンジル−N−((S)−2−(イソキノリン−6−ホルムアミド)−2−フェニル−
エチル)カルバメート(300mg,0.71mmol)を酢酸(5.00mL)に溶解
し、臭化水素酢酸溶液(2.50mL,33%)を加え、1時間撹拌した後、溶媒を減圧
留去し、N−((S)−2アミノ−1フェニル−エチル)イソキノリン−6−ホルムアミ
ド(180mg,540μmol,収率76%)を得た。
MS(ESI)m/z=292(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=9.78−9.84(m,2H
),8.94(s,1H),8.73−8.74(d,J=4,1H),8.52−8.
54(d,J=8 Hz,1H),8.39−8.46(m,4H),7.50−7.5
2(d,J=8,2H),7.32−7.42(m,3H),5.41−5.46(m,
1H),3.44−3.49(m,1H),3.17−3.24(m,1H)。
【0053】
実施例2:(S)−N−(3−アミノ−1−(3−ブロモフェニル)プロピル)イソキ
ノリン−6−ホルムアミドの製造
実施例1のステップ1のベンズアルデヒドを3−ブロモベンズアルデヒドに変更する以
外、実施例1のステップ1からステップ7の方法と同様にして、(S)−N−(3−ブロ
モフェニルメチレン)−2−メチル−tert−ブチルスルフィンアミドを得た。
MS(ESI)m/z=370,372(M+1)
+。
1HNMR(400MHz,MeOD):δ=9.91(s,1H),8.96(s,
1H),8.65−8.71(m,3H),8.49−8.52(J=12Hz,1H)
,7.78(t,J=7.2 Hz,1H),7.54−7.57(m,2H),7.3
6−7.42(m,1H),3.64−3.75(m,1H),1.87−1.81(m
,2H)。
【0054】
実施例3:(S)−N−(2−アミノ−1−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)エ
チル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
ステップ1:(S)−4−(((tert−ブチルスルフィニル)イミン)メチル)安
息香酸イソプロピルの製造
室温で(S)−tert−ブチルスルフィンアミド(83.1g,685mmol)の
THF(50.0mL)溶液に4−ホルミル安息香酸メチル(50.0g,305mmo
l)及びテトライソプロピルチタン(108g,381mmol)を加え、2時間還流撹
拌した。反応液が冷却した後、水(200mL)で反応を停止させ、白色固体を濾去した
。濾液を二層に分離し、水相を酢酸エチルで抽出した(200mL×1)。有機相を合わ
せ、順に飽和食塩水(300mL×1)、水(300mL×1)でそれぞれ1回洗浄した
後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧蒸留して溶媒を除去した。カラム
クロマトグラフィーにより精製したところ、(S,E)−4−(((tert−ブチルス
ルフィニル)イミン)メチル)安息香酸イソプロピル(60g,203mmol,収率6
7%)を得た。
MS(ESI)m/z=296(M+1)
+。
【0055】
ステップ2:4−((S)−1−((S)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド
)−2−ニトロエチル)安息香酸イソプロピルの製造
氷浴でニトロメタン(31.0g,654mmol)のTHF(400mL)溶液にカ
リウムtert−ブトキシド(11.0g,98.1mmol) をバッチに加え、窒素
ガスの保護下、室温で30分間撹拌した。氷浴で(S)−4−(((tert−ブチルス
ルフィニル)イミン)メチル)安息香酸イソプロピル(18.0g,65.4mmol)
のTHF(200mL)溶液を滴下し、窒素ガスの保護下、室温で一晩撹拌した。反応を
水(400mL) で停止させ、酢酸エチル(400mL)で抽出した。有機相を順に飽
和食塩水(400mL)で1回洗浄した後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液
を減圧蒸留して溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、4−
((S)−1−((S)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−ニトロエチ
ル)安息香酸イソプロピル(12g,35.7mmol,収率55%)を得た。
MS(ESI)m/z=357(M+1)
+。
【0056】
ステップ3:4−((S)−2−アミノ−1−((S)−1,1−ジメチルエチルスル
フィンアミド)エチル)安息香酸イソプロピルの製造
窒素ガスの保護下、室温で4−((S)−1−((S)−1,1−ジメチルエチルスル
フィンアミド)−2−ニトロエチル)安息香酸イソプロピル(10.0g,28.1mm
ol)のメタノール(30.0mL)溶液にラネーニッケル(1.00g,10%w/w
)及びトリエチルアミン(1.42g,14.0mmol)を加えた。水素ガス下、室温
で4時間撹拌した。反応液を濾過し、濾過ケーキをメタノールで洗浄し、濾液を減圧蒸留
して溶媒を除去し、4−((S)−2−アミノ−1−((S)−1,1−ジメチルエチル
スルフィンアミド)エチル)安息香酸イソプロピル(9.40g,26.9mmol,収
率96% )を得た。
MS(ESI)m/z=327(M+1)
+。
【0057】
ステップ4:(S)−N−((S)−2−アミノ−1−(4−(ヒドロキシメチル)フ
ェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドの製造
窒素ガスの保護下、室温で4−((S)−2−アミノ−1−((S)−1,1−ジメチ
ルエチルスルフィンアミド)エチル)安息香酸イソプロピル(8.00g,24.5mm
ol)のTHF(200mL)溶液にLiBH
4(4.50g,204mmol)を加え
た。窒素ガス雰囲気で16時間還流した。氷浴において水(300mL)で反応を停止さ
せ、EtOAc(300mL×2)で抽出した。有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させ、
濾過し、濾液を減圧蒸留して溶媒を除去し、(S)−N−((S)−2−アミノ−1−(
4−(ヒドロキシメチル)フェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンア
ミド(4.6g,15.7mmol,収率77%)を得た。
MS(ESI)m/z=271(M+1)
+。
【0058】
ステップ5.(9H−フルオレン−9−イル)メチル−((S)−2−((S)−1,
1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)エ
チル)カルバメートの製造
室温で(S)−N−((S)−2−アミノ−1−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル
)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(3.97g,14.7mmo
l)のTHF(20mL)及び水(20mL)の溶液に(9H−フルオレン−9−イル)
メチル−(2,5−ジケトピロリジン−1−イル)カーボネート(7.44g,22.1
mmol)及びNaHCO
3(3.70g,44.1mmol)を加えた。室温で1時間
撹拌した。酢酸エチル(50mL×2) で抽出し、有機相を合わせた後、飽和食塩水(
50mL×1)で1回洗浄し、有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を減
圧蒸留して溶媒を除去し、(9H−フルオレン−9−イル)メチル((S)−2−((S
)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェ
ニル)エチル)カルバメート(5.00g,9.70mmol,収率66%)を得た。
MS(ESI)m/z=493(M+1)
+。
【0059】
ステップ6.(S)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(2−アミノ−2−(4
−(ヒドロキシ)フェニル)エチル)カルバメート塩酸塩の製造
室温で(9H−フルオレン−9−イル)メチル((S)−2−((S)−1,1−ジメ
チルエチルスルフィンアミド)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)エチル)カ
ルバメート(2.30g,4.67mmol)のメタノール(3.0mL)溶液に飽和塩
酸ジオキサン溶液(30mL)を加えた。室温で30分間撹拌した。反応液を減圧蒸留し
て溶媒を除去し、(S)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(2−アミノ−2−(
4−(ヒドロキシ)フェニル)エチル)カルバメート塩酸塩(1.90g,4.47mm
ol,収率96%)を得た。
MS(ESI)m/z=389(M+1)
+。
【0060】
ステップ7.(S)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(2−(4−(ヒドロキ
シメチル)フェニル)−2−(イソキノリン−6−ホルムアミド)エチル)カルバメート
の製造
室温でイソキノリン−6−ギ酸(293mg,1.69mmol)及び(S)−(9H
−フルオレン−9−イル)メチル(2−アミノ−2−(4−(ヒドロキシ)フェニル)エ
チル)カルバメート塩酸塩(600mg,1.41mmol)のDMF(10.0mL)
溶液にEDCI(325mg,1.69mmol)、HOBT(229mg,1.69m
mol)及びDMAP(17.2mg,0.14mmol)を加えた。室温で2時間撹拌
した。水(30mL)で反応を停止させ、EtOAc(30mL×2) で抽出した。有
機相を合わせ、飽和食塩水(30mL×1)で1回洗浄し、有機相を無水Na
2SO
4で
乾燥させ、濾過し、濾液を減圧蒸留して溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーによ
り精製したところ、(S)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(2−(4−(ヒド
ロキシメチル)フェニル)−2−(イソキノリン−6−ホルムアミド)エチル)カルバメ
ート(497mg,0.86mmol,収率61%)を得た。
MS(ESI)m/z=544(M+1)
+。
【0061】
ステップ8.(S)−N−(2−アミノ−1−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)
エチル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
室温で(S)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(2−(4−(ヒドロキシメチ
ル)フェニル)−2−(イソキノリン−6−ホルムアミド)エチル)カルバメート(14
0mg,0.258mmol)のTHF(15.0mL)溶液にピペリジン(219mg
,2.58mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した。反応液を減圧蒸留して溶媒を除
去し、MPLCにより精製したところ、(S)−N−(2−アミノ−1−(4−(ヒドロ
キシメチル)フェニル)エチル)イソキノリン−6−ホルムアミド(38.4mg,92
.4μmol,収率95%)を得た。
MS(ESI)m/z=322(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,MeOD):δ=9.91(s,1H),8.90(d
,J=16.48 Hz,1H),8.71(d,J=6.8 Hz,1H),8.66
(s,1H),8.64(s,1H),8.48(dd,J=1.52 Hz,J=1.
60 Hz,1H),7.56(s,1H),7.54(s,1H),7.47(s,1
H),7.45(s,1H),5.57(q,1H),4.67(q,2H),3.62
(t,1H),3.49(t,1H)。
【0062】
実施例4:(S)−4−(2−アミノ−1−(イソキノリン−6−ホルムアミド)エチ
ル)フェニル 2,4−ジメチルベンゾエートの製造
ステップ1:(S)−4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カ
ルボニル)アミノ)−1−(イソキノリン−6−ホルムアミド)エチル)フェニル2,4
−ジメチルベンゾエート
室温で(S)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(2−(4−(ヒドロキシメチ
ル)フェニル)−2−(イソキノリン−6−ホルムアミド)エチル)カルバメート(15
8mg,281μmol)及び2,4−ジメチル安息香酸(50.7mg,328μmo
l)のジクロロメタン溶液(40.0mL)にEDCI(70.2mg,366μmol
)及びDMAP(3.44mg,128μmol)を加え、室温で一晩撹拌した。溶媒を
減圧留去し、カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、(S)−4−(2−((
((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(イソキノリ
ン−6−ホルムアミド)エチル)フェニル2,4−ジメチルベンゾエート(151mg,
0.22mmol,収率77%)を得た。
MS(ESI)m/z=676(M+1)
+。
【0063】
ステップ2:(S)−4−(2−アミノ−1−(イソキノリン−6−ホルムアミド)エ
チル)フェニル 2,4−ジメチルベンゾエートの製造
室温で(S)−4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニ
ル)アミノ)−1−(イソキノリン−6−ホルムアミド)エチル)フェニル2,4−ジメ
チルベンゾエート(150mg,222μmol)のTHF(10.0mL)溶液にピペ
リジン(378mg,4.44mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧留
去した後、MPLCにより精製したところ、(S)−4−(2−アミノ−1−(イソキノ
リン−6−ホルムアミド)エチル)フェニル−2,4−ジメチルベンゾエート(35mg
,71.4μmol,収率14%)を得た。
MS(ESI)m/z=454(M+1)
+。
1H NMR(400 MHz,MeOD):δ=9.89(s,1H),8.88(
s,1H),8.70(d,J=6.52 Hz,1H),8.65(d,J=3.24
Hz,1H),8.63(s,1H),8.48(dd,J=1.48 Hz,J=1
.52 Hz,1H),7.83(d,J=7.96 Hz,1H),7.59(q,4
H),7.12(s,1H),7.09(d,J=8.0 Hz,1H),5.59(q
,1H),5.36(s,2H),3.63(q,1H),3.50(dd,J=4.9
2 Hz,J=4.52 Hz,1H),2.55(s,3H),2.36(s,3H)
。
【0064】
実施例5:N−((1S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−エチル)イソキ
ノリン−6−ホルムアミドの製造
ステップ1:N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−エチル)−2−
メチル−プロパン−2−スルフィンアミドの製造
(S)−2−メチル−N−(2−アミノ−1−フェネチル)−プロパン−2−スルフィ
ンアミド(700mg,2.96mmol)をメタノール(70mL)に溶解し、酢酸(
178mg,2.96mmol)及びホルムアルデヒド水溶液(266mg,8.88m
mol)を加え、1時間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(744mg,11
.8mmol)を加え、引き続き2時間反応させた後、EA及び水で抽出し、さらに水相
をEAで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去
した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、N−((1S)−2−(ジメチ
ルアミノ)−1−フェニル−エチル)−2−メチル−プロパン−2−スルフィンアミド(
201mg,0.59mmol,収率20%)を得た。
MS(ESI)m/z=269(M+1)
+。
【0065】
ステップ2:(1S)−N’,N’−ジメチル−1−フェニル−エタン−1,2−ヒド
ラジンの製造
N−((1S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−エチル)−2−メチル−プ
ロパン−2−スルフィンアミド(200mg,0.75mmol)をメタノール(5.0
mL)に溶解し、塩酸ジオキサン溶液(10mL,5M)を加え、1時間撹拌した後、溶
媒を減圧留去し、(1S)−N’,N’−ジメチル−1−フェニル−エタン−1,2−ヒ
ドラジン(100mg,0.48mmol,収率65%)を得た。
MS(ESI)m/z=165(M+1)
+。
【0066】
ステップ3:N−((1S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−エチル)イソ
キノリン−6−ホルムアミドの製造
(1S)−N’,N’−ジメチル−1−フェニル−エタン−1,2−ヒドラジン(90
.0mg,550μmol)をDMF(10.0mL)に溶解し、ベンゾトリアゾール−
N,N,N´,N´−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(153mg
,600μmol)、イソキノリン−6−ギ酸(105mg,600μmol)及びN,
N−ジイソプロピルエチルアミン(284g,2.19mmol)を加え、1時間撹拌し
た後、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わ
せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーに
より精製したところ、ベンジル−N−((2S)−2−(イソキノリン−6−ホルムアミ
ド)−2−フェニル−エチル)カルバメート(52mg,0.13mmol,収率24%
)を得た。
MS(ESI)m/z=320(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=10.11(s,1H),10
.00−10.3(d,J=8.4,1H),9.88(s,1H),9.02(s,1
H),8.74−8.75(d,J=6.4,1H),8.46−8.56(m,3H)
,7.59−7.61(m,2H),7.34−7.43(m,3H),5.62−5.
66(m,1H),3.86−3.92(m,1H),3.45−3.49(m,1H)
,2.88−2.92(m,6H)。
【0067】
実施例6:N−(3−アミノ−1−(3−クロロフェニル)プロピル)イソキノリン−
6−ホルムアミドの製造。
【0068】
ステップ1:3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)アクリロニトリルの製造
室温で3−クロロベンゾニトリル(8.00g,58.2mmol)のトルエン(50
.0mL)溶液にアセトニトリル(4.77g,116mmol)及びカリウムtert
−ブトキシド(15.0g,134mmol)を加え、6時間撹拌し、酢酸エチル及び水
で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム
で乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、到
3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)アクリロニトリル(4.99g,28.0mm
ol,収率48%)を得た。
MS(ESI)m/z=179(M+1)
+。
【0069】
ステップ2:3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオニトリルの製造
3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)アクリロニトリル(5.00g,28.0m
mol) をエタノール(10.0mL)に溶解し、室温でシアノ水素化ホウ素ナトリウ
ム(2.11g,33.6mmol)及び0.5%のブロモクレゾールグリーンのエタノ
ール溶液を1滴加えた。その後、反応液が黄色に保持されるまで濃塩酸を加え、引き続き
室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢
酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留
去した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、3−アミノ−3−(3−クロ
ロフェニル)プロピオニトリル(5.02g,27.7mmol,収率99%)を得た。
MS(ESI)m/z=181(M+1)
+。
【0070】
ステップ3:N−(1−(3−クロロフェニル)−2−シアノエチル)イソキノリン−
6−ホルムアミドの製造
6−イソキノリンカルボン酸 (1.50g,8.30mmol)をDMF(15.0
mL)に溶解し、室温でHBTU(3.47g,9.13mmol)、DIEA(3.2
1g,24.9mmol)及び3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオニトリ
ル(1.58g,9.13mmol)を加えた。室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留去
し、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ
、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーによ
り精製したところ、N−(1−(3−クロロフェニル)−2−シアノエチル)イソキノリ
ン−6−ホルムアミド(1.8g,5.36mmol,収率65%)を得た。
MS(ESI)m/z=336(M+1)
+。
【0071】
ステップ4:N−(3−アミノ−1−(3−クロロフェニル)プロピル)イソキノリン
−6−ホルムアミドの製造
N−(1−(3−クロロフェニル)−2−シアノエチル)イソキノリン−6−ホルムア
ミド(70.0mg,210μmol)をメタノール(5.00mL)に溶解し、室温で
ラネーニッケル(10.0mg)を加えた。水素ガスの雰囲気、室温で3時間撹拌した。
濾過して固体を除去し、溶媒を減圧留去した。MPLCにより精製したところ、N−(3
−アミノ−1−(3−クロロフェニル)プロピル)イソキノリン−6−ホルムアミド(1
5.2mg,42.0μmol,収率20%)を得た。
MS(ESI)m/z=340(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,MeOD):δ=9.34(s,1H),8.56
−8.54(m,1H),8.44(s,1H),8.25−8.23(m,1H),8
.10−8.08(m,1H),7.98−7.96(m,1H),7.53−7.52
(m,1H),7.44−7.41(m,1H),7.39−7.37(m,1H),7
.34−7.31(m,1H),5.31−5.27(m,1H),2.92−2.78
(m,2H),2.24−2.06(m,2H)。
【0072】
実施例7:4−(3−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−ホルムアミド)プロピ
ル)フェニル)チオフェン−2−カルボン酸エチルの製造
ステップ1:tert−ブチル(1−(3−クロロフェニル)−2−シアノエチル)カ
ルバメートの製造
3−アミノ−3−(3−クロロフェニル)プロピオニトリル(5.00g,27.7m
mol)をTHF/H
2O/MeOH=4/1/1(100.00mL)の混合溶液に溶
解し、室温で炭酸ナトリウム(8.80g,83.0mmol)及び炭酸ジtert−ブ
チル(6.65g,30.5mmol)を加えた。室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留
去し、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わ
せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーに
より精製したところ、tert−ブチル(1−(3−クロロフェニル)−2−シアノエチ
ル)カルバメート(5.6g,20mmol,収率72%)を得た。
MS(ESI)m/z=281(M+1)
+。
【0073】
ステップ2:tert−ブチル(3−アミノ−1−(3−クロロフェニル)プロピル)
カルバミン酸メチルの製造
tert−ブチル(1−(3−クロロフェニル)−2−シアノエチル)カルバメート(
2.00g,7.12mmol)をメタノール(25.0mL)に溶解し、室温でラネー
ニッケル(200mg)を加え、水素ガスの雰囲気、室温で3時間撹拌した。濾過して固
体を除去し、溶媒を減圧留去した。MPLCにより精製したところ、tert−ブチル(
3−アミノ−1−(3−クロロフェニル)プロピル)カルバミン酸メチル(2.01g,
7.02mmol,収率99%)を得た。
MS(ESI)m/z=285(M+1)
+。
【0074】
ステップ3:ベンジルtert−ブチル(1−(3−クロロフェニル)プロパン−1,
3−置換基)ジカルバメートの製造
tert−ブチル(3−アミノ−1−(3−クロロフェニル)プロピル)カルバミン酸
メチル(2.00g,7.02mmol)をテトラヒドロフラン(50.0mL)に溶解
し、室温でトリエチルアミン(2.13g,21.1mmol)を加えた。室温で3時間
撹拌した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2
回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラ
ムクロマトグラフィーにより精製したところ、ベンジルtert−ブチル(1−(3−ク
ロロフェニル)プロパン−1,3−置換基)ジカルバメート(2.81g,6.68mm
ol,収率95%)を得た。
MS(ESI)m/z=419(M+1)
+。
【0075】
ステップ4:ベンジルtert−ブチル(1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル
−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)プロパン−1,3−置換基)ジカ
ルバメートの製造
ベンジルtert−ブチル(1−(3−クロロフェニル)プロパン−1,3−置換基)
ジカルバメート(2.20g,5.25mmol)を1,4−ジオキサン(30.0mL
)に溶解し、室温でビス(ピナコラート)ジボロン(5.34g,421mmol)、2
−ジシクロヘキシルホスフィン−2´,6´−ジメトキシビフェニル(43.1mg,1
10μmol)、酢酸パラジウム(118mg,530μmol)及び酢酸カリウム(1
.54g,15.8mmol)を加えた。窒素ガスの保護下、100℃で4時間撹拌した
。溶媒を減圧留去し、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し
、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマ
トグラフィーにより精製したところ、ベンジルtert−ブチル(1−(3−(4,4,
5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)プロパン−
1,3−置換基)ジカルバメート(1.5g,2.94mmol,収率56%)を得た。
MS(ESI)m/z=511(M+1)
+。
【0076】
ステップ5:4−(3−(3−(ベンジルオキシホルムアミド)−1−(tert−ブ
トキシカルボニルアミド)プロピル)フェニル)チオフェン−2−ギ酸エチルの製造
ベンジルtert−ブチル(1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2
−ジオキサボラン−2−イル)フェニル)プロパン−1,3−置換基)ジカルバメート(
1.20g,2.35mmol)を1,4−ジオキサン(15.0mL)に溶解し、室温
でPd(dppf)Cl
2(172mg,240μmol)、炭酸カリウム(975mg
,7.05mmol)及び4−ブロモチオフェン−2−カルボン酸エチル(608mg,
2.59mmol)を加えた。窒素ガスの保護下、100℃で4時間撹拌した。溶媒を減
圧留去し、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を
合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィ
ーにより精製したところ、4−(3−(3−(ベンジルオキシホルムアミド)−1−(t
ert−ブトキシカルボニルアミド)プロピル)フェニル)チオフェン−2−ギ酸エチル
(1.1g,2.04mmol,収率87%)を得た。
MS(ESI)m/z=539(M+1)
+。
【0077】
ステップ6:4−(3−(1−アミノ−3−(ベンジルオキシホルムアミド)プロピル
)フェニル)チオフェン−2−カルボン酸エチルの製造
4−(3−(3−(ベンジルオキシホルムアミド)−1−(tert−ブトキシカルボ
ニルアミド)プロピル)フェニル)チオフェン−2−ギ酸エチル(1.10g,2.04
mmol)をメタノール(10.0mL)に溶解し、室温で濃塩酸(5.00mL)を加
えた。室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留去した。MPLCにより精製したところ、4
−(3−(1−アミノ−3−(ベンジルメトキシアミド)プロピル)フェニル)チオフェ
ン−2−カルボン酸エチル(864mg,1.97mmol,収率97%)を得た。
MS(ESI)m/z=439(M+1)
+。
【0078】
ステップ7:4−(3−(3−(ベンジルオキシホルムアミド)−1−(イソキノリン
−6−ホルムアミド)プロピル)フェニル)チオフェン−2−カルボン酸エチルの製造
6−イソキノリンカルボン酸(390mg,2.26mmol)をDMF(15.0m
L)に溶解し、室温でHBTU(573mg,2.26mmol)、DIEA(794m
g,6.16mmol)及び4−(3−(1−アミノ−3−(ベンジルメトキシアミド)
プロピル)フェニル)チオフェン−2−カルボン酸エチル(900mg,2.05mmo
l)を加えた。室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチル及び水で抽出し、
さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ
、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、4−(3−(
3−(ベンジルオキシホルムアミド)−1−(イソキノリン−6−ホルムアミド)プロピ
ル)フェニル)チオフェン−2−カルボン酸エチル(1.01g,1.68mmol,収
率83%)を得た。
MS(ESI)m/z=594(M+1)
+。
【0079】
ステップ8:4−(3−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−ホルムアミド)プロ
ピル)フェニル)チオフェン−2−カルボン酸エチルの製造
4−(3−(3−(ベンジルオキシホルムアミド)−1−(イソキノリン−6−ホルム
アミド)プロピル)フェニル)チオフェン−2−カルボン酸エチル(1.00g,1.6
8mmol)を酢酸(5.00mL)に溶解し、室温で臭化水素酢酸溶液(5.00mL
)を加えた。室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留去した。MPLCにより精製したとこ
ろ、4−(3−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−ホルムアミド)プロピル)フェ
ニル)チオフェン−2−カルボン酸エチル(50.3mg,0.09mmol,収率5.
3%)を得た。
MS(ESI)m/z=594(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,MeOD):δ=9.34(s,1H),8.55−8
.54(m,2H),8.46(s,1H),8.25−8.22(m,1H),8.1
9−8.18(m,1H),8.12−8.09(m,1H),8.02−8.01(m
,1H),7.97−7.96(m,1H),7.85(s,1H),7.70−7.6
7(m,1H),7.51−7.50(m,2H),5.40−5.37(m,1H),
4.41−4.36(m,2H),3.36−3.12(m,1H),3.06−2.9
9(m,1H),2.51−2.31(m,2H),1.40(t,J=6.8 Hz,
3H)。
【0080】
実施例8:N−(3−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−プロピル)イソキノリン−
6−ホルムアミドの製造
ステップ1:tert−ブチル N−(3−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−プロ
ピル)カルバメートの製造
tert−ブチル(1−(3−クロロフェニル)−2−シアノエチル)カルバメート(
500mg,1.78mmol)をメタノール(10.0mL)に溶解し、室温でパラジ
ウム炭素(50.0mg)を加えた。水素ガスの雰囲気、室温で3時間撹拌した。ホルム
アルデヒド溶液(535mg,17.8mmol)を加え、水素ガスの雰囲気、室温で3
時間撹拌した。濾過して固体を除去し、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィー
により精製したところ、tert−ブチル N−(3−(ジメチルアミノ)−1−フェニ
ル−プロピル)カルバメート(402mg,1.44mmol,収率81%)を得た。
MS(ESI)m/z=279(M+1)
+。
【0081】
ステップ2:N´,N´−ジメチル−1フェニル−プロピル−1,3−ジアミンの製造
tert−ブチル N−(3−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−プロピル)カルバ
メート(200mg,0.72mmol)をメタノール(5.00mL)に溶解し、室温
で濃塩酸(5.00mL)を加えた。室温で3時間撹拌し、溶媒を減圧留去した。MPL
Cにより精製したところ、N´,N´−ジメチル−1フェニル−プロピル−1,3−ジア
ミン(121mg,0.67mol,収率94%)を得た。
MS(ESI)m/z=179(M+1)
+。
【0082】
ステップ3:N−(3−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−プロピル)イソキノリン
−6−ホルムアミドの製造
6−イソキノリンカルボン酸(100mg,570μmol)をDMF(5.00mL
)に溶解し、室温でHBTU(219mg,570μmol)、DIEA(224mg,
1.73mmol)及びN´,N´−ジメチル−1フェニル−プロピル−1,3−ジアミ
ン(100mg,570μmol)を加えた。室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留去し
、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、
無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより
精製したところ、N−(3−(ジメチルアミノ)−1−フェニル−プロピル)イソキノリ
ン−6−ホルムアミド(39.6mg,120μmol,収率21%)を得た。
MS(ESI)m/z=334(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,MeOD):δ=9.80(s,1H),8.74(s
,1H),8.46(s,1H),8.66(d,J=6.0 Hz,1H),8.58
−8.54(m,2H),8.37−8.35(m,1H),7.56−7.53(m,
1H),7.46−7.43(m,1H),7.38−7.34(m,1H),5.34
−5.31(m,1H),3.48−3.36(m,1H),3.29−3.19(m,
1H),2.96(s,6H),2.56−2.46(m,1H),2.44−2.35
(m,1H).
【0083】
実施例9:(N−アゼチジン−イル−ベンジル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製
造。
ステップ1:1−ジフェニルメチル−N−メトキシ−N−メチル−アゼチジン−3−ホ
ルムアミドの製造
室温で1−フェニルアゼチジン−3−ギ酸(10.0g,37.4mmol)のジクロ
ロメタン(100mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(19.3g,15
0mmol)、N−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾール(5.56g,41.2m
mol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(
7.90g,41.2mmol)を加えた後、室温で4時間撹拌し、酢酸エチルで抽出し
、さらに水相を酢酸エチル及び水で2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで
乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、1−
ジフェニルメチル−N−メトキシ−N−メチル−アゼチジン−3−ホルムアミド(9.8
g,29.0mmol,収率78%)を得た。
MS(ESI)m/z=311(M+1)
+。
【0084】
ステップ2:(1−フェニルアゼチジン−3−イル)−フェニル−メタノンの製造
1−ジフェニルメチル−N−メトキシ−N−メチル−アゼチジン−3−ホルムアミド(
5.00g,16.1mmol) をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、窒素ガ
スの保護下、0℃でフェニルマグネシウムブロミド(80.6mL,1M,80.6mm
ol)を加え、1時間撹拌した後、室温に昇温し、1時間反応させた。飽和塩化アンモニ
ウム溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し
、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマ
トグラフィーにより精製したところ、(1−フェニルアゼチジン−3−イル)−フェニル
−メタノン(3.02g,8.25mmol,収率51%)を得た。
MS(ESI)m/z=328(M+1)
+。
【0085】
ステップ3:(1−ベンジルアゼチジン−3−イル)−フェニル−メチルアミノの製造
(1−フェニルアゼチジン−3−イル)−フェニル−メタノン(500mg,1.53
mmol) をメタノール(25mL)及びジクロロメタン(25mL)に溶解し、酢酸
(90.0mg,1.53mmol)及び酢酸アンモニウム(1.47g,6.11mm
ol)を加え、窒素ガスの雰囲気で1時間反応させた後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム
(380mg,6.11mmol)を加えた。反応を飽和塩化アンモニウム溶液で停止さ
せ、酢酸エチルで抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水
硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製
したところ、(1−ベンジルアゼチジン−3−イル)−フェニル−メチルアミノ(199
mg,0.53mmol,収率34%)を得た。
MS(ESI)m/z=329(M+1)
+。
【0086】
ステップ4:テトラtert−ブチル−N−((1−ベンジルアゼチジン−3−イル)
−フェニル−メチル)カルバメートの製造
(1−ベンジルアゼチジン−3−イル)−フェニル−メチルアミノ(1.20g,3.
65mmol)をテトラヒドロフラン(70mL)に溶解し、炭酸カリウム(2.01g
,14.6mmol) 及び二炭酸ジtert−ブチル (875mg,4.02mmo
l)を加え、1時間撹拌した後、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで
2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カ
ラムクロマトグラフィーにより精製したところ、テトラtert−ブチル−N−((1−
ベンジルアゼチジン−3−イル)−フェニル−メチル)カルバメート(1.10g,2.
31mmol,収率63%)を得た。
MS(ESI)m/z=429(M+1)
+。
【0087】
ステップ5:テトラtert−ブチル−N−(アゼチジン−3−イル(フェニル)メチ
ル)カルバメートの製造
テトラtert−ブチル−N−((1−ベンジルアゼチジン−3−イル)−フェニル−
メチル)カルバメート(1.20g,2.80mmol)をメタノール(10mL)に溶
解し、水酸化パラジウム(39mg,10%)を加えた後、水素ガスの雰囲気で24時間
撹拌した。珪藻土で濾過した後、溶媒を減圧留去し、テトラtert−ブチル−N−(ア
ゼチジン−3−イル(フェニル)メチル)カルバメート(503mg,1.52mmol
,収率54%)を得た。
MS(ESI)m/z=263(M+1)
+。
【0088】
ステップ6:アリル−3−((tert−ブトキシカルボキサミド)−フェニル−メチ
ル)アゼチジン−1−ギ酸エステルの製造
テトラtert−ブチル−N−(アゼチジン−3−イル(フェニル)メチル)カルバメ
ート(1.00g,3.81mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、ト
リエチルアミン(770mg,7.62mmol)及びクロロギ酸アリル(367g,3
.05mmol)を加え、2時間撹拌した後、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を
酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧
留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、アリル−3−((tert
−ブトキシカルボキサミド)−フェニル−メチル)アゼチジン−1−ギ酸エステル(59
7mg,1.39mmol,収率55%)を得た。
MS(ESI)m/z=347(M+1)
+。
【0089】
ステップ7:アリル−3−(ベンジルアミン)アゼチジン−1−カルボン酸エステルの
製造
アリル−3−((tert−ブトキシカルボキサミド)−フェニル−メチル)アゼチジ
ン−1−ギ酸エステル(500mg,1.44mmol)をメタノール(10.0mL)
に溶解し、氷浴で濃塩酸(3.00mL)を加え、2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し
、アリル−3−(ベンジルアミン)アゼチジン−1−ギ酸エステル(121mg,0.3
9mol,収率27%)を得た。
MS(ESI)m/z=247(M+1)
+。
【0090】
ステップ8:アリル−3−(イソキノリン−6−ホルムアミド)ベンジル)アゼチジン
−1−ギ酸エステルの製造
室温でアリル−3−(ベンジルアミン)アゼチジン−1−ギ酸エステル(150mg,
610μmol)のDMF(10.0mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン
(315mg,2.44mmol)、N−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾール(1
20mg,0.61mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミド塩酸塩(156mg,0.61mmol)を加え、室温で4時間撹拌した後
、酢酸エチルで抽出し、さらに水相を酢酸エチル及び水で2回抽出し、有機相を合わせ、
無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより
精製したところ、アリル−3−(イソキノリン−6−ホルムアミド)ベンジル)アゼチジ
ン−1−ギ酸エステル(121mg,0.27mmol,収率44%)を得た。
MS(ESI)m/z=402(M+1)
+。
【0091】
ステップ9:N−(アゼチジン−3−イル−ベンジル)イソキノリン−6−ホルムアミ
ドの製造
室温でアリル−3−(イソキノリン−6−ホルムアミド)ベンジル)アゼチジン−1−
ギ酸エステル(120mg,0.30mmol)のテトラヒドロフラン(5.00mL)
溶液にテトラトリフェニルホスフィンパラジウム(3.45mg,0.30mmol)及
びモルホリン(260mg,2.99mmol)を加え、室温で2時間撹拌した後、溶媒
を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、N−(アゼチジン−
3−イル−ベンジル)イソキノリン−6−ホルムアミド(6.0mg,0.14μmol
,収率4.9%)を得た。
MS(ESI)m/z=318(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6 + D
2O):δ = 9.78(s
,1H), 8.62−8.68(m,2H),8.49−8.55(m,2H),8.
24−8.26(d,J=8.8 Hz,1H),7.31−7.45(m,5H),
5.39−5.41(d,J=10.4 Hz,1H), 4.12−4.16(m,1
H), 3.85−3.95(m,2H),3.72−3.78(m,1H),3.42
−3.48(m,1H)。
【0092】
実施例10:(メチル−N−アゼチジン−フェニル)イソキノリン−6−ホルムアミド
の製造。
【0093】
ステップ1:テトラtert−ブチル(メチル−N−アゼチジン−3−イル(フェニル
)メチル)カルバメートの製造
テトラtert−ブチル−N−(アゼチジン−3−イル(フェニル)メチル)カルバメ
ート(1.00g,3.81mmol)をメタノール(10.0mL)に溶解し、酢酸(
266mg,3.81mmol)及びホルムアルデヒド水溶液(572mg,19.1m
mol)を加え、1時間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(239mg,3.
81mmol)を加えた。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させた後、酢酸エチ
ルで抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、
テトラtert−ブチル(メチル−N−アゼチジン−3−イル(フェニル)メチル)カル
バメート(796mg,2.03mmol,収率53%)を得た。
MS(ESI)m/z=277(M+1)
+。
【0094】
ステップ2:(1−メチルアゼチジン−3−イル)−ベンジルアミンの製造
テトラtert−ブチル(メチル−N−アゼチジン−3−イル(フェニル)メチル)カ
ルバメート(773mg,2.80mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、氷浴
で濃塩酸(3.00mL)を加え、2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、アリル−3−
(ベンジルアミン)アゼチジン−1−ギ酸エステル(0.48g,2.2mmol,収率
78%)を得た。
MS(ESI)m/z=177(M+1)
+。
【0095】
ステップ3:N−((1−メチルアゼチジン−3−イル)−ベンジル)イソキノリン−
6−ホルムアミドの製造
室温でアリル−3−(ベンジルアミン)アゼチジン−1−ギ酸エステル(400mg,
2.27mmol)のDMF(10.0mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミ
ン(1.17g,9.08mmol)、N−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾール(
430mg,2.27mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボジイミド塩酸塩(460mg,2.27mmol)を加え、室温で4時間撹拌し、
酢酸エチルで抽出し、さらに水相を酢酸エチル及び水で2回抽出し、有機相を合わせ、無
水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精
製したところ、N−((1−メチルアゼチジン−3−イル)−ベンジル)イソキノリン−
6−ホルムアミド(20.2mg,48.0μmol,収率2.1%)を得た。
MS(ESI)m/z=332(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,MeOD):δ = 9.86(s,1H), 8.77
(s,1H),8.60−8.68(m ,3H),8.36−8.38(d,J=8.
8 Hz,1H),7.52−7.54(d,J=8.0 Hz,2H), 7.42−
7.45(m,2H), 7.36−7.38(m,1H), 5.51−5.60(m,
1H),4.44−4.58(m,1H),4.11−4.23(m,2H),3.96
−4.02(m,1H),3.62−3.71(m,1H),2.96−3.01(d,
J=12 Hz,3H)。
【0096】
実施例11:N−((S)−フェニル−((R)−テトラヒドロピロール−3−イル)
メチル)イソキノリン−6−ホルムアミド及びN−((R)−フェニル−((R)−テト
ラヒドロピロール−3−イル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
ステップ1:(R)−tert−ブチル 3−(メトキシ(メチル)ホルムアミド)テ
トラヒドロピロール−1−ギ酸エステルの製造
(R)−1−tert−ブトキシカルボニルテトラヒドロピロール−3−カルボン酸(
15.0g,69.7mmol)をDCM(200mL)に溶解し、EDCI(14.6
g,76.7mmol)、HOBT(10.4g,76.7mmol)、DIEA(27
.0g,209mmol)及びジメチルヒドロキシルアミン(6.38g,104.5m
mol)を加え、1時間撹拌した後、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチ
ルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した
。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、tert−ブチル(R)−3−(メ
トキシ(メチル)カルバモイル)テトラヒドロピロール−1−ギ酸エステル(15g,5
8mmol,83% 収率)を得た。
MS(ESI)m/z=259(M+1)
+和203(M+1−56)
+。
【0097】
ステップ2:tert−ブチル(R)−3−ベンゾイルテトラヒドロピロール−1−ギ
酸エステルの製造
tert−ブチル(R)−3−(メトキシ(メチル)カルバモイル)テトラヒドロピロ
ール−1−ギ酸エステル(10g,38.7mmol)をTHF(30mL)に溶解し、
フェニルマグネシウムブロミド(194mmol,1M,194mL)を反応系に滴下し
、0
oCで1時間撹拌した後、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2
回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラ
ムクロマトグラフィーにより精製したところ、tert−ブチル(R)−3−ベンゾイル
テトラヒドロピロール−1−ギ酸エステル(9.1g,33mmol,84% 収率)を
得た。
MS(ESI)m/z =276(M+1)
+和220(M+1−56)
+。
【0098】
ステップ3:(R)−tert−ブチル−3−((ヒドロキシイミン)(フェニル)メ
チル)テトラヒドロピロール−1−ギ酸エステルの製造
tert−ブチル(R)−3−ベンゾイルテトラヒドロピロール−1−ギ酸エステル(
10g,36.3mmol)をMeOH(150mL)に溶解し、室温でNa
2CO
3(
11.6g,109mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(6.00g,182mm
ol)を加え、50
oCで2時間した後、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸
エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去
した。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、(R)−tert−ブチル−3
−((ヒドロキシイミン)(フェニル)メチル)テトラヒドロピロール−1−ギ酸エステ
ル(8.1g,28mmol,77% 収率)を得た。
MS(ESI)m/z =291(M+1)和235(M+1−56)
+。
【0099】
ステップ4:tert−ブチル(3R)−3−(アミノ(フェニル)メチル)テトラヒ
ドロピロール−1−ギ酸エステルの製造
(3R)−3−((E)−N−ヒドロキシ−C−フェニル−カルボジイミド)テトラヒ
ドロピロール−1−ギ酸エステル(8.0g,27mmol)をMeOH(150.00
mL)に溶解し、室温でラネーニッケルを加え、水素ガスの雰囲気、室温で2時間撹拌し
た後、吸引濾過し、濾液を減圧蒸留して溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーによ
り精製したところ、tert−ブチル(R)−3−(アミノ(フェニル)メチル)テトラ
ヒドロピロール−1−ギ酸エステル(4.9g,18mmol,65% 収率)を得た。
MS(ESI)m/z =277(M+1)
+和 221(M+1−56)
+。
【0100】
ステップ5:tert−ブチル(R)−3−((イソキノリン−6−ホルムアミド)−
フェニル−メチル)テトラヒドロピロール−1−ギ酸エステルの製造
イソキノリン−6−ギ酸(3.00g,17.3mmol)をDMF(20.0mL)
に溶解し、ベンゾトリアゾール−N,N,N´,N´−テトラメチルウロニウムヘキサフ
ルオロホスフェート(7.26g,19.06mmol)、tert−ブチル(R)−3
−(アミノ(フェニル)メチル)テトラヒドロピロール−1−ギ酸エステル(4.79g
,17.3mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.38g,29.6
mmol)を加え、1時間撹拌した後、酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エ
チルで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去し
た。カラムクロマトグラフィーにより精製したところ、tert−ブチル(R)−3−(
(イソキノリン−6−ホルムアミド)−フェニル−メチル)テトラヒドロピロール−1−
ギ酸エステル(6.01g,13.9mmol,80% 収率)を得た。
MS(ESI)m/z =432(M+1)
+和376(M+1−56)
+。
【0101】
ステップ6:N−((S)−フェニル−((R)−テトラヒドロピロール−3−イル)
メチル)イソキノリン−6−ホルムアミド及びN−((R)−フェニル−((R)−テト
ラヒドロピロール−3−イル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
tert−ブチル(R)−3−((イソキノリン−6−ホルムアミド)−フェニル−メ
チル)テトラヒドロピロール−1−ギ酸エステル(5.00g,11.6mmol)を酢
酸エチル(30.0mL)に溶解し、濃塩酸(10.0mL)を加え、1時間撹拌した後
、溶媒を減圧留去し、Pre−PLCによりN−((S)−フェニル−((R)−テトラ
ヒドロピロール−3−イル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミド(0.89g,2
.69mmol,23% 収率)及びN−((R)−フェニル−((R)−テトラヒドロ
ピロール−3−イル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミド(1.0g,,3.0m
mol,26% 収率)を得た。
MS(ESI)m/z=332(M+1)
+。
化合物11a:
1HNMR(400MHz,MeOD):δ=9.31(s,1H),
8.53−8.49(m,2H),8.39(s,1H),8.19(d,J=8.8
Hz,1H),8.04(d,J=8.4 Hz,1H),7.93(d,J=5.6
Hz,1H),7.55(d,J=7.6 Hz,2H),7.45−7.41(m,2
H),7.37−7.33(m,1H),5.18(d,J=10.0 Hz,1H),
3.55−3.49(m,1H),3.41−3.36(m,1H),3.19−3.1
1(m,2H),3.00−2.94(m,1H),2.45−2.39(m,1H),
2.11−2.01(m,1H)。
化合物11b:
1HNMR(400MHz,MeOD):δ=9.32(s,1H),
8.53(d,J=5.6 Hz,1H),8.47(s,1H),8.39(s,1H
),8.20(d,J=8.4 Hz,1H),8.05(d,J=8.8 Hz,1H
),7.94(d,J=6.0 Hz,1H),7.54(d,J=7.6 Hz,2H
),7.45−7.41(m,2H),7.37−7.33(m,1H),5.15(d
,J=10.8 Hz,1H),3.69−3.64(m,1H),3.49−3.43
(m,1H),3.31−3.26(m,2H),3.16−3.10(m,1H),1
.93−1.85(m,1H),1.80−1.70(m,1H)。
【0102】
実施例12:N−((R)−((R)−1−メチルテトラヒドロピロール−3−イル)
(フェニル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
N−((R)−フェニル−((R)−テトラヒドロピロール−3−イル)メチル)イソ
キノリン−6−ホルムアミド(250mg,1.51mmol)をメタノール(15.0
mL)に溶解し、酢酸(9.1mg,0.15mmol)及びホルムアルデヒド水溶液(
0.58mL,13M,7.55mmol)を加え、1時間撹拌した後、酢酸水素化ホウ
素ナトリウム(0.96g,4.53mmol)を加え、引き続き2時間反応させた後、
酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無
水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精
製したところ、N−((R)−((R)−1−メチルテトラヒドロピロール−3−イル)
(フェニル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミド(30mg,83 umol,1
1% 収率)を得た。
MS(ESI)m/z=346(M+1)
+。
1HNMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=11.08−10.77(m,1
H),9.77(s,1H),9.65−9.63(m,1H),8.76.−8.70
(m,2H),8.47(d,J=8.4 Hz,1H),8.37(s 1H),8.
27(t,J=8.4 Hz,1H),7.52(t,J=8.0 Hz,2H),7.
41−7.36(m,2H),7.32−7.28(m,1H),5.16−5.07(
m,1H),3.82−3.77(m,1H),3.55−3.48(m,2H),3.
30−3.15(m,1H),3.13−3.05(m,1H),2.81(s,3H)
,1.79−1.61(m,2H)。
【0103】
実施例13:N−((S)−((R)−1−メチルテトラヒドロピロール−3−イル)
(フェニル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
N−((S)−フェニル−((R)−テトラヒドロピロール−3−イル)メチル)イソ
キノリン−6−ホルムアミド(250mg,1.51mmol)をメタノール(15.0
mL)に溶解し、酢酸(9.1mg,0.15mmol)及びホルムアルデヒド水溶液(
0.58mL,13M,7.55mmol)を加え、1時間撹拌した後、酢酸水素化ホウ
素ナトリウム(0.96g,4.53mmol)を加え、引き続き2時間反応させた後、
酢酸エチル及び水で抽出し、さらに水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、無
水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにより精
製したところ、N−((S)−((R)−1−メチルテトラヒドロピロール−3−イル)
(フェニル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミド(21mg,58 umol,7
.7% 収率)を得た。
MS(ESI)m/z=346(M+1)
+。
1HNMR(400MHz,DMSO−d
6):δ=11.17−10.90(m,1
H),9.79(s,1H),9.65−9.48(m,1H),8.81.−8.70
(m,2H),8.49(d,J=8.4 Hz,1H),8.40−8.39(m,1
H),8.28(d,J=8.4 Hz,1H),7.57−7.49(m,2H),7
.41−7.37(m,2H),7.32−7.29(m,1H),5.19−5.10
(m,1H),3.63−3.51(m,2H),3.25−3.10(m,2H),3
.08−2.91(m,1H),2.76−2.73(m,3H),2.37−2.23
(m,1H),2.03−1.85(m,1H)。
【0104】
実施例14:N−((S)−フェニル−((S)−テトラヒドロピロール−3−イル)
メチル)イソキノリン−6−ホルムアミド及びN−((R)−フェニル−((S)−テト
ラヒドロピロール−3−イル)メチル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
実施例11のステップ1の(R)−1−tert−ブトキシカルボニルテトラヒドロピ
ロール−3−カルボン酸を(S)−1−tert−ブトキシカルボニルテトラヒドロピロ
ール−3−カルボン酸に変更する以外、実施例11のステップ1からステップ6の方法と
同様にしてN−((S)−フェニル−((S)−テトラヒドロピロール−3−イル)メチ
ル)イソキノリン−6−ホルムアミド(28mg,総収率5.1%)及びN−((R)−
フェニル−((S)−テトラヒドロピロール−3−イル)メチル)イソキノリン−6−ホ
ルムアミド(22mg,総収率4.9%)を得た。
MS(ESI)m/z=332(M+1)
+。
化合物14a:
1HNMR(400 MHz,DMSO−d
6):9.96(s,1H
),9.79−9.81(d,J= 8.4 Hz ,1H), 9.51(s,2H)
,8.88(s,1H),8.75−8.76(d,J=6 Hz ,1H),8.57
−8.61(m,2H),8.37−8.40(m,1H),7.58−7.59(m,
2H),7.36−7.40(m,2H),7.30−7.31(m,1H),5.09
−5.14(m,1H), 3.29−3.31(m,1H), 3.36−3.18(m
,1H),3.2−3.06(m,1H),2.83−2.89(m,2H),2.23
−2.27(m,1H),1.82−1.88(m,1H)。
化合物14b:
1HNMR(400 MHz,DMSO−d
6):δ=9.90(s,
1H),9.84(d,J= 7.6 Hz,1H),9.64(s,H),9.50(
s,H),8.88(s,1H),8.74(d,J=6.4 Hz ,1H),8.4
9−8.57(m,2H),8.35(d,J=8.8 Hz ,1H),7.55−7
.57(m,2H),7.37−7.40(m,2H),7.30−7.31(m,1H
),5.06(t,J= 6.0 Hz,1H),3.52(m,1H),3.28(m
,1H),3.06(m,3H),1.64(m,1H)。
【0105】
実施例15:N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−(3−メトキシフェニル)
エチル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
ステップ1:N−((1S)−2−(ジメチルアミノ)−1−(3−メトキシフェニル
)エチル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
実施例1のステップ1のベンズアルデヒドの代わりに3−メトキシベンズアルデヒドを
使用する以外、実施例1のステップ1からステップ3、実施例5のステップ1からステッ
プ3の方法と同様にして、N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−(3−メトキシ
フェニル)エチル)イソキノリン−6−ホルムアミドを得た。
MS(ESI)m/z=350(M+1)
+。
1HNMR(400MHz,MeOD):δ=9.75(s,1H),8.87(s,
1H),8.66(d,J=6.4 Hz,1H),8.55−8.53(m,1H),
8.48(d,J=6.4 Hz,1H),8.45−8.42(m,1H),7.39
(t,J=8.0 Hz,1H),7.20−7.16(m,2H),6.99−6.9
6(m,1H),5.80−5.76(m,1H),3.99−3.93(m,1H),
3.85(s,1H),3.67−3.62(m,1H),3.11−3.08(m,6
H)。
【0106】
実施例16:N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−(3−クロロフェニル)エ
チル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
ステップ1:N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−(3−クロロフェニル)エ
チル)イソキノリン−6−ホルムアミドの製造
実施例1のステップ1のベンズアルデヒドの代わりに3−クロロベンズアルデヒドを使
用する以外、実施例1のステップ1からステップ3、実施例5のステップ1からステップ
3の方法と同様にして、N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−(3−メトキシフ
ェニル)エチル)イソキノリン−6−ホルムアミドを得た。
MS(ESI)m/z=354(M+1)
+。
1HNMR(400MHz,MeOH):δ=9.91(s,1H),9.06(s,
1H),8.72−8.64(m,3H),8.57(d,J=8.8 Hz,2H),
7.69(s,1H),7.48−7.41(m,2H),5.82(d,J=11.6
Hz,1H),4.06(t,J=11.6 Hz,1H),3.64(t,J=13
.6Hz,1H),3.12(s,3H),3.08(s,3H)。
【0107】
本発明の有益な効果を説明するために、以下の試験例を提供する。
試験例1:ROCK2阻害活性の検出
ROCK2は、S6K(KRRRLASLR)ポリペプチド基質をリン酸化してATP
をADPに変換することができる。キナーゼ反応後に、ADP−Glo
TM試薬を加えてキ
ナーゼ反応を停止させ、残りのATPを完全に消耗する。次いで、キナーゼ検出試薬を加
えることにより、ADPがATPに変換されると同時に、ATPがUltra−Glo
TM
ルシフェラーゼにより発光信号に変換され、発光信号はキナーゼの活性に正の相関がある
。
【0108】
以下の手順に従ってROCK2阻害活性の検出を行う。
(1)検出緩衝液:40 mM Tris pH7.5,20mMmgCl
2,0.1
%BSA(w/v),50μM DTT
(2)12μL2.5x0.1μg/ml ROCK2作動液を96ウェルPCRプレ
ートに加える。
(3)6μL6x化合物作動液を96ウェルPCRプレートに加え、均一に混合し、2
5℃で10分間プレインキュベートする。
(4)12μL 2.5x 37.5 μg/ml S6K基質及び12.5μM A
TP混合作動液を加え、30℃で60分間インキュベートする。
(5)25μL反応混合物を取り、新しい96ウェルPCRプレートに加えた後、25
μL ADP−Glo
TM試薬を加えて均一に混合し、25℃で40分間インキュベートし
た後、反応を停止させる。
(6)反応停止後の混合物を40μL取り、新しい96ウェルPCRプレートに加えた
後、40μLキナーゼ検出試薬を加えて均一に混合し、25℃で40分間インキュベート
する。
(7)luminescence(冷光)信号値を読み取り、阻害率を計算する。
【0109】
上記方法に従って実施例で製造された化合物に対してROCK2の阻害活性を検出し、
試験結果を表1に示し、各化合物のIC
50を測定する。表1中:
+:IC
50測定値が500nM超えである。
++:IC
50測定値が500nM以下かつ100nM以上である。
+++:IC
50測定値が100nM未満である。
【0110】
表1:ROCK2に対する化合物の阻害活性
上記実験は、本発明の化合物がROCK2に対して良好な酵素学的阻害活性を有すること
を示している。
【0111】
試験例2:細胞インサイチュ免疫ブロット(In−Cell Western)による
ミオシン軽鎖リン酸化の検出
ラット平滑筋細胞株A7r5を使用する。ROCK2は、ミオシン軽鎖T18/S19
の2つのアミノ酸部位をリン酸化することにより細胞骨格を変化させる。A7r5細胞を
96ウェル透明底黒色プレートに接種する。培養条件は、10%FBSのDMEMである
。一晩培養した後、4時間血清飢餓培養を行った後、無血清培地中で細胞を化合物と1時
間インキュベートした。
【0112】
phspho−MLC−T18/S19特異性抗体及び第2検出抗体を使用し、細胞イ
ンサイチュ免疫ブロットによりミオシン軽鎖のリン酸化レベルを検出する。未処理の細胞
を陽性対照とし、一次抗体でインキュベートされてないサンプルを陰性対照とし、細胞内
総タンパク質を内部参照とする。GraphPad Prism 5.01ソフトウェア
を使用し、傾きが変化する非線形回帰曲線によりフィッティングすることでEC
50値を
確定する。
【0113】
上記方法に従って実施例で製造された化合物に対してラット平滑筋細胞株A7r5のミ
オシン軽鎖リン酸化の阻害活性を検出する。試験結果を表1に示す。各化合物のIC
50
を測定する。表1中:
+:IC
50測定値が1μM超えである。
++:IC
50測定値が1μM以下かつ250nM以上である。
+++:IC
50測定値が250nM未満である。
【0114】
表2:ラット平滑筋細胞株A7r5に対する化合物の阻害活性
【0115】
上記試験の結果は、本発明の化合物がラット平滑筋細胞株A7r5に対して良好な阻害
活性を有し、さらに、本発明の化合物がミオシン軽鎖T18/S19の2つのアミノ酸部
位に対するROCK2のリン酸化よる細胞骨格の変化を阻害することができ、これに関連
する疾患を治療する潜在的活性を有することを示している。
【0116】
試験例3:動物実験(正常眼圧モデル)
24匹の雄ニュージーランド白ウサギを6匹/群で4群に分ける。体重を考慮したコン
ピューターランダム化アルゴリズムにより動物を各群にランダムに割り当てる。実験開始
の3日前から1日前まで、眼圧測定の操作に適応するようにすべての動物を訓練し、訓練
は、約3時間の間隔で1日に3回実行する。眼圧測定は、TonoVet眼圧計を使用す
る。試験動物を固定し、測定される眼をTonoVet眼圧計に垂直である位置に置く。
眼圧の読み取りが安定するまで眼圧を少なくとも3回測定する。最後の3つの安定した測
定データ(±3mmHg)の平均値を最終眼圧値とする。検出化合物を秤量し、生理食塩
水で使用濃度まで溶解する。実験開始時に、測定される化合物、対照品K115又は陰性
対照溶媒(50μL)を各動物の右眼に投与し、左眼に生理食塩水を滴下する。薬物滴下
のPre、1、2、4、6、8、10時間後に眼圧を測定する。student−t検定
により単一時点のデータを分析する。ANOVA検定により眼圧−時間曲線を分析する。
P値が0.05未満である場合、統計的に有意である。データは、平均値±標準誤差で表
される。
【0117】
実験結果(
図1から3)は、本発明の化合物5及び化合物11aが対照品K115と類
似する眼圧降下活性を有し、かつ作用時間がより長いことを示している。
【0118】
試験例4:動物実験(高眼圧単眼モデル)
10匹の雄ニュージーランド白ウサギを5匹/群で2群に分ける。体重を考慮したコン
ピューターランダム化アルゴリズムにより動物を各群にランダムに割り当てる。実験開始
の3日前から1日前まで、眼圧測定の操作に適応するようにすべての動物を訓練し、訓練
は、約3時間の間隔で1日に3回実行する。眼圧測定は、TonoVet眼圧計を使用す
る。試験動物を固定し、測定される眼をTonoVet眼圧計に垂直である位置に置く。
眼圧の読み取りが安定するまで眼圧を少なくとも3回測定する。最後の3つの安定した測
定データ(±3mmHg)の平均値を最終眼圧値とする。検出化合物を秤量し、生理食塩
水で使用濃度まで溶解する。高眼圧前を誘導する前に、両眼の眼圧値を測定して基礎眼圧
として記録する。次いで、ペントバルビタールナトリウム(50%)50mg/kgの静
脈注射により白ウサギを麻酔する。30−G針を用いて一時的な前房穿刺を構築し、白ウ
サギの右眼前房に50μLの粘性物質を注射することで高眼圧を誘導し、左眼に等体積の
生理食塩水を投与する。その後、綿棒で前房穿刺を押して房水逆流を防止する。各群のモ
デリング動物の右眼に試験化合物を投与し、50 μL/眼でそれぞれ0、3、及び6時
間目に1日3回投与する。左眼に対して同じ時点で等体積の生理食塩水又は特定の溶媒を
投与する。0、1、2、3、4、6、8時間後に眼圧を測定する。student−t検
定により単一時点のデータを分析する。ANOVA検定により眼圧−時間曲線を分析する
。P値が0.05未満である場合、統計的に有意である。データは、平均値±標準誤差で
表される。
【0119】
実験結果(
図4)は、本発明の化合物11aが高眼圧に対して良好な降圧活性を有する
ことを示している。
【0120】
本発明の上記試験は、本発明の実施例に係る化合物が良好なROCK阻害活性を有し、
ROCK活性異常に関連する疾患の治療に効果的に適用できることを示している。
【0121】
以上より、本発明の式Iで表される新しい化合物は、良好なROCK阻害活性を示し、
ROCK活性異常に関連する疾患の臨床治療に新しい医学的可能性を提供する。