(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記販売情報出力手段は、符号化コードを読み込んで復号することによって前記購入者情報と決済方法に関する決済情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の店舗端末プログラム。
商品の購入を希望する購入希望者が操作するユーザ端末と、非免税店の店員が操作する店舗端末と、前記店舗端末と電気通信回線を介して接続された免税処理サーバと、を有する免税処理システムで実行される免税処理プログラムであって、
前記ユーザ端末のコンピュータを、
前記購入希望者に関する購入者情報を入力する手段、
前記購入者情報を出力する購入者情報出力手段、として機能させ、
前記店舗端末のコンピュータを、
購入希望商品に関する商品情報を取得する取得手段、
前記購入希望者に関する前記購入者情報を取得し、前記商品情報とともに前記免税処理サーバに出力する販売情報出力手段、
前記免税処理サーバから前記購入希望商品の買取契約の成否を通知する買取通知を受信して、前記買取契約の成否を表示する買取通知表示手段、
として機能させ、
前記免税処理サーバのコンピュータを、
前記非免税店の前記店舗端末から、前記購入希望者に関する前記購入者情報と前記購入希望商品に関する前記商品情報とを含む販売情報を、前記電気通信回線を介して取得する販売情報取得手段、
前記販売情報に基づいて前記購入希望商品の免税販売可否を判定する免税販売可否判定手段、
前記免税販売可否判定手段による判定結果に基づいて前記非免税店から前記購入希望商品の買取処理を実行する商品買取手段、
として機能させることを特徴とする免税処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の免税処理システムとしての免税販売一括管理システム(以下、本システムともいう)1について
図1から
図16を参照して説明する。
(I)実施形態の概要
まず、免税販売一括管理システム1の概要を説明する。
本実施形態に係る免税販売一括管理システム1は、非免税店を訪れた商品購入希望者(訪日外国人旅行者など)に対して、免税販売の一括管理を行うことで、消費税の免税販売を可能とするために用いられる。
【0020】
図1は、免税販売一括管理システム1の概要を示す図である。
免税販売一括管理システム1は、税務署から免税販売の認可を受けた事業体(以下、免税店と呼ぶ)が提供する免税販売一括管理サーバ2と、購入希望者であるユーザが使用するユーザ端末3と、非免税店の店員等が使用する店舗端末4と、から構成され、免税販売一括管理サーバ2、ユーザ端末3及び店舗端末4は、インターネット等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されている。なお、複数のユーザ端末3と複数の非免税店の店舗端末4とが電気通信回線に接続されていてもよい。
【0021】
免税処理装置としての免税販売一括管理サーバ2は、免税店が提供するサーバ装置である。ここで免税店は、税務署から消費税の免税販売の許可を得た事業体であって、特に免税店の普及率が低い地方都市に販売店や配送センター等の営業拠点を有している事業体が好適である。
ユーザ端末3は、購入希望者が使用する携帯端末である。具体的には、スマートフォン、タブレット端末、PDAやノートパソコンとすることができる。
【0022】
店舗端末4は、非免税店の店員が使用する端末である。本実施形態において、店舗端末4は、不図示のPOS端末と通信可能に接続されたタブレット端末であるが、店舗端末4とPOS端末とを一体に構成することとしてもよい。また、タブレット端末の他に、スマートフォンやPDAやノートパソコンとすることもできる。
ここで非免税店とは、税務署から消費税の免税販売の許可を受けていない小売店や量販店等であって、免税店との間であらかじめ免税販売に関して必要な各種契約や取決めを締結していることとする。また、非免税店の店舗名や店舗所在地に関する情報は、免税販売一括管理サーバ2の記憶部27に予め記録されているものとする。
【0023】
以下に、購入希望者が本システム1によって商品の免税販売を受ける流れを説明する。
(1)購入希望者は、非免税店を訪れる前に免税販売一括管理サーバ2にユーザ端末3からアクセスしてユーザ情報の登録を行い、(2)ユーザIDの発行を受ける。ここで登録するユーザ情報には、ユーザの氏名、国籍、旅券番号、入国日、出国日時、及び決済方法(クレジットカード情報等)等が含まれる。
【0024】
(3)その後、非免税店を訪れた購入希望者は、商品を選定し、店員に対して購入希望商品を提示する。(4)この際、購入希望者が消費税の免税販売を希望する場合には、(2)で発行された購入者情報としてのユーザIDの提示も併せて行う。
(5)続いて、購入希望商品及びユーザIDの提示を受けた非免税店の店員は提示された情報を店舗端末4に入力して、ユーザIDと商品情報とからなる販売情報を免税販売一括管理サーバ2に送信する。(6)そして免税販売一括管理サーバ2が、購入希望者に対する購入希望商品の免税販売の可否を判定する。免税販売の可否の判定方法については後述する。
【0025】
(7)(6)で免税販売が可能と判定した場合、免税販売一括管理サーバ2は、購入希望商品を非免税店から税込み価格で買い取る買取処理を実行し、(8)非免税店に対して買取契約の成立を通知するとともに税込み価格の支払処理を行う。(9)非免税店において買取契約の成立を確認した店員は、購入希望商品の引き渡しを行う。また、購入希望者が(1)で登録した決済方法により、購入希望者と免税店と の間で税抜価格による決済が行わる。
【0026】
(10)免税店は、免税販売を行った旨の記録である購入記録情報を生成するとともに、後日、国税局に対して還付手続を行うことで、消費税の還付を受けることができる。
以上が、購入者が非免税店において商品を購入する際に消費税の免税を受ける流れである。
【0027】
従来、購入希望者(訪日外国人旅行者など)が消費税の免税を受けるためには、税務署の認可を受けた免税店で商品を購入しなければならず、非免税店で消費税の免税販売を受けることはできなかった。つまり、非免税店で商品を購入する際には、消費税込みの価格で希望商品を購入しなければならなかった。
それに対して本システム1においては、免税店が提供する免税販売一括管理サーバ2において、非免税店から購入希望商品の買取処理を行い、免税店と購入希望者との間で決済を行う。すなわち、免税店が非免税店から買い取った商品の販売を行うことにより、購入希望商品の税抜価格による販売(免税販売)を行うことができる。
そして非免税店では、商品を購入希望者に「販売」するのではなく、免税店によって買い取られた商品の「引き渡し」を行う。
【0028】
(II)実施形態の詳細
以下では、本実施形態に係る免税販売一括管理システム1について2つの実施形態(第一実施形態及び第二実施形態)を挙げ、各実施形態に係る免税販売一括管理システム1の構成例や動作例について説明することとする。
第一実施形態では、免税販売一括管理サーバ2は、購入希望者が一の非免税店で商品購入を希望した場合における販売情報に基づいて免税販売の可否を判定し、免税販売が可能な場合には購入希望商品の買取処理を実行するように構成されている。
以下では、第一実施形態に係る免税販売一括管理システム1について、
図1〜
図12を参照して説明する。
【0029】
<<免税販売一括管理サーバ2のハードウェア構成について>>
図2は、免税販売一括管理サーバ2のハードウェア構成を示している。免税販売一括管理サーバ2は、同図に示すように、CPU21と、ROM22と、RAM23と、入力部24と、表示部25と、通信インターフェース26と、記憶部27とを備えており、これらはデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
【0030】
CPU21は、ROM22及び記憶部27に記憶された各種のプログラムを実行するとともに、RAM23に格納された一時データに基づいて様々な情報処理や制御を行う。一例として、記憶部27に記憶された免税販売一括管理プログラム274に従って、後述するユーザ登録処理や商品購入処理を実行する。
【0031】
ROM22は、免税販売一括管理サーバ2の主記憶装置に相当し、免税販売一括管理サーバ2の基本入出力プログラム等が格納された不揮発性メモリである。
RAM23は、プログラム格納領域とデータ格納領域とを有し、CPU21が処理を実行する上で必要なデータを一時的に記憶するための作業領域を形成する揮発性メモリである。本実施形態では、免税販売が可能か否かを判定する際に用いられる免税条件、購入希望商品に関する情報、購入希望者のユーザ情報等が一時記憶される。
【0032】
入力部24は、キーボードやマウスからなる入力デバイスであり、免税販売一括管理サーバ2を管理する管理者等の入力を受け付けることができる。
表示部25は、LCD(液晶ディスプレイ)からなる表示デバイスであり、免税販売一括管理サーバ2の保守・管理を行う際に利用することができる。
【0033】
通信インターフェース26は、インターネット等の公衆の電気通信回線に接続され、複数のユーザ端末3や複数の非免税店の店舗端末4と双方向でデータ通信を行う。
具体的には、通信インターフェース26は、ユーザ情報の登録を希望するユーザ端末3からユーザ情報を受信するとともに、ユーザ端末3に対してユーザを識別するためのユーザIDを送信する。また、店舗端末4からユーザIDや購入希望商品の情報を受信するとともに、店舗端末4に対して買取契約が成立した旨を送信する。
【0034】
記憶部27は、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等からなる不揮発性の補助記憶装置である。そして記憶部27には、ユーザ情報データベース271と購入履歴データベース272と仕入履歴データベース273とが格納されるとともに、後述する免税販売一括管理プログラム274等のアプリケーションプログラムが格納されている。
【0035】
図3は、ユーザ情報データベース271のデータ構造の一例を示している。
図3に示すように、ユーザ情報データベース271は、ユーザIDと、パスワードと、個人属性として氏名、性別、生年月日、国籍、パスポート番号と、入国情報として入国地、入国日と、出国情報として出国地、出国日時、滞在地と、決済情報として決済方法、有効期限と、を含むデータレコードから構成される。
購入者情報としてのユーザIDは、購入希望者であるユーザを識別するための識別番号であって、免税販売一括管理サーバ2によって発行される。パスワードは、ユーザが免税販売一括管理サーバ2に対してログインする際にユーザ認証するための情報であり、所定の暗号化処理が施された状態で記憶されている。氏名、性別及び生年月日は、それぞれユーザの氏名、性別及び生年月日である。国籍及びパスポート番号は、購入希望者であるユーザのパスポートに記載された国籍及びパスポート番号である。
【0036】
入国地及び入国日は、ユーザ(例えば訪日外国人旅行者等)が日本に入国する際の入国地(例えば成田空港等の国際空港や、外国人旅行者が利用可能な港等)及び入国日である。
出国地及び出国日時は、ユーザが日本から出国する際の出国地及び出国日時(出国便の出国予定時刻)である。滞在地は、ユーザが日本から出国した後に滞在を予定している場所であって、例えば日本から出国後の外国の旅行先又は帰宅先である。
なお、入国情報及び出国情報として、航空会社、日時、及び便名等からなる入国便情報又は出国便情報を含んでいてもよい。
【0037】
決済方法は、ユーザが日本に滞在している期間中において決済に使用するクレジットカード、プリペイドカード又はデビットカード等を特定する情報である。そして有効期限は、クレジットカード、プリペイドカード又はデビットカード等の決済方法に有効期限の定めがある場合に、その有効期限を示す日付情報である。本実施形態では、一のユーザIDに対して複数の決済方法を記憶するための記憶領域を備えていることとする。
このようなユーザ情報データベース271は、後述するユーザ情報登録処理においてユーザ情報が記録される。すなわちユーザ情報データベース271は、ユーザ情報記憶手段として機能する。
【0038】
図4は、購入履歴データベース272のデータ構造の一例を示している。
図4に示すように、購入履歴データベース272は、ユーザIDと、購入日時と、小売店IDと、ユーザが購入した商品情報として商品コード、商品名、単価、数量、税率と、免税金額と、を含むデータレコードから構成される。
ユーザIDは、購入希望者を識別するために予め免税販売一括管理サーバ2によって発行された識別情報である。購入日時及び小売店IDは、購入希望者が非免税店で商品を購入した日時及びその非免税店を特定する情報である。具体的には、後述するように非免税店の店舗端末4がユーザIDと商品情報とを免税販売一括管理サーバ2に送信した日時及び非免税店を識別するための識別情報である。
【0039】
商品コード、商品名、単価及び数量は、それぞれ商品を識別するための識別情報である商品コード、商品の商品名、販売単価(税抜価格)、購入数量を示す情報である。
税率は、非免税店で商品を販売する際に課税される消費税率であり、免税金額は、免税販売が行われた場合に非課税とされた消費税額である。本実施形態において、免税販売不可と判定されて免税販売が行われなかった場合(消費税込みの価格で販売された場合)には、免税金額を「0円」として記録することとするが、何らの値も記録しないこととしてもよい。
このような購入履歴データベース272は、後述する購入処理の中で免税販売一括管理サーバ2が買取処理を実行する際に購入履歴情報が記録される。すなわち購入履歴データベース272は、販売履歴記憶手段として機能する。
【0040】
図5は、仕入履歴データベース273のデータ構造の一例を示している。
図5に示すように、仕入履歴データベース273は、小売店IDと、購入日時と、ユーザIDと、小売店から仕入れた商品情報として商品コード、商品名、単価、数量、税率と、税額と、を含むデータレコードから構成される。
小売店ID、購入日時、ユーザID、商品コード、商品名、及び数量は、購入履歴データベース272の場合と同一であるため、説明を省略する。単価は、免税店が非免税店から商品を買い取った場合の仕入れ単価(税抜価格)である。税率は、免税店が非免税店から商品を買い取る際に商品毎に適用される消費税率であり、税額は、その消費税額である。
このような仕入履歴データベース273は、上述した購入履歴データベース272と同様に、後述する購入処理の中で免税販売一括管理サーバ2が買取処理を実行する際に仕入履歴情報が記録される。
なお、上述した購入履歴情報及び仕入履歴情報に基づいて、免税販売に係る仕入れ金額及び売り上げ金額を集計し、経営状態の把握に利用することが可能となる。
【0041】
CPU21が記憶部27に格納された免税販売一括管理プログラム274をRAM23のプログラム格納領域にロードして実行することにより、ソフトウェアとしての免税販売一括管理プログラム274と上記のハードウェア機器(具体的には、CPU21、ROM22、RAM23、通信インターフェース26、及び記憶部27)とが協働して後述するユーザ情報登録処理と商品購入処理が実現される。
【0042】
免税販売一括管理サーバ2と同様に、ユーザ端末3及び店舗端末4も、基本的なハードウェア構成としてCPU、ROM、RAM、入力部、表示部、通信インターフェース、及び記憶部から構成されている(図示しない)。そしてこの他に、ユーザ端末3及び店舗端末4は、入力部としてタッチパネルや、QRコードを読み取るQRコードリーダ等の光学式読取器、又は撮影用のカメラ等を備える構成としてもよい。また出力部としてプリンタ等を備える構成としてもよい。
【0043】
<<免税販売一括管理サーバ2の機能構成について>>
次に、免税販売一括管理サーバ2の機能について説明する。
図6は免税販売一括管理サーバ2の機能構成を示している。免税販売一括管理サーバ2は、ユーザ情報登録部201と、販売情報取得部202と、免税販売可否判定部203と、商品買取部204と、配送指示部205と、購入記録情報作成部206と、を有する。
【0044】
ユーザ情報登録部201は、ユーザ端末3から電気通信回線を介してユーザ情報を受信するとともに、購入希望者であるユーザを識別するユーザIDを発行し、ユーザIDとユーザ情報を紐づけてユーザ情報データベース271に格納する。ここでユーザ端末3から取得するユーザ情報は、
図3に示すユーザ情報データベース271のデータレコードである購入希望者の氏名、性別、生年月日、国籍、パスポート番号と、日本に入国する際の入国地、入国日と、日本から出国する際の出国地、出国日時と、次の滞在地と、決済情報としての決済方法、有効期限と、を含んで構成される。
ユーザ情報データベース271にユーザ情報を記憶した後に、ユーザ情報登録部201は、ユーザ端末3に対してユーザIDを送信する。
【0045】
販売情報取得手段として機能する販売情報取得部202は、店舗端末4から、購入希望者のユーザID及び購入希望商品に関する商品情報を受信する。ここで販売情報取得部202が店舗端末4から受信する商品情報は、商品コードと、商品名と、単価と、数量と、税率と、を含んで構成される。
【0046】
免税販売可否判定手段として機能する免税販売可否判定部203は、購入希望商品の免税販売が可能か否かを判定する。具体的には、販売情報取得部202が取得したユーザIDを用いて記憶部27に記憶されたユーザ情報データベース271を検索し、ユーザIDに対応するユーザ情報(個人情報と入出国情報)をユーザ情報データベース271から読み出す。そして免税販売可否判定部203は、ユーザ情報データベース271から読み出したユーザ情報と販売情報取得部202が取得した商品情報とに基づいて、以下のように免税販売可否の判定を行う。
【0047】
免税販売可否の判定は、購入金額が免税対象か否かの判定と、非居住者判定と、注意事項の確認判定の3つの判定を含んでいる。
まず、購入金額が免税対象か否かの判定では、購入希望商品の税抜価格の合計金額が「免税範囲の金額」であるか否かの判定を行う。ここで「免税範囲の金額」とは、商品の税抜価格に基づいてその商品の免税販売が認められ得る所定範囲の金額をいう。本実施形態において、購入希望商品のうち消耗品については、免税範囲の金額は5千円以上、かつ50万円までである。ここで消耗品には、食品、飲料、化粧品又は医薬品等が含まれる。
一方、購入希望商品のうち一般物品については、免税範囲の金額は5千円以上である。ここで一般物品には、家電製品、生活用品、衣類品(洋服や着物)、宝飾品、又は民芸品等が含まれる。
このように、予め定められた購入商品の種別に基づいて購入商品が消耗品か、あるいは一般物品かを判定し、その税抜価格の合計金額が免税範囲の金額であれば、免税販売可として次の非居住者の判定を行う。ただし、購入金額が免税対象か否かの判定方法は、上記の方法に限定されない。例えば、消耗品と一般物品とを合算した税抜価格が5千円以上、かつ50万円までの範囲内であるか否かを判定し、範囲内であれば、免税販売可として次の非居住者の判定を行うこととしてもよい。
【0048】
非居住者判定では、購入希望者が「非居住者」に該当するか否かの判定を行う。具体的には、ユーザ情報データベース271から購入希望者の国籍と入国日とを取得し、外国国籍を有する者であって、入国日から6か月を経過していないことを判定する。6か月を経過した場合には、購入希望者がたとえ外国国籍を有する者であっても、日本国内の居住者とみなされるため免税販売は認められない。
【0049】
最後に注意事項の確認判定では、出国までの注意事項を購入希望者が確認したか否かを判定する。ここで注意事項としては、「一般物品は国外に持ち出すこと」、「消耗品は使用せずに購入から30日以内に国外に持ち出すこと」、「持ち出されていないことが発覚した場合、出国の際に消費税を追徴されること」等が含まれる。
本実施形態においては、店舗端末4の表示部に注意事項を表示させて、購入希望者が店舗端末4の確認ボタンを操作することによって免税販売一括管理サーバ2が店舗端末4から確認信号(購入希望者が注意事項を確認した旨の信号)を受信した場合に、購入希望商品の免税販売可と判定する。ただし、ユーザ端末3の表示部に注意事項を表示させて、購入希望者がユーザ端末3の確認ボタンを操作することによって免税販売一括管理サーバ2がユーザ端末3から確認信号を受信することとしてもよい。
なお、本実施形態において、免税販売可否の判定を、まず購入金額が免税対象か否かの判定、次に非居住者判定、最後に注意事項の確認判定の順に実行することとしたが、任意の順番に変更してもよい。
【0050】
商品買取手段として機能する商品買取部204は、免税販売可否判定部203の判定結果に基づいて買取処理を実行する。すなわち、免税販売可否判定部203が免税販売可と判定した場合に、購入希望商品を非免税店から買い取る買取処理を実行する。
本実施形態における買取処理では、以下の処理を実行する。まず、非免税店と免税店との間で、購入希望商品の買取契約の成立を決定し、買取契約の内容を購入履歴データベース272及び仕入履歴データベース273に格納する。具体的には、商品買取部204は、購入希望商品の販売単価に対して、仕入係数(予め設定された1以下の係数)を乗じることで仕入単価を算出し、店舗端末4から受信した小売店ID,購入日時(買取日時)、購入者のユーザID、及び商品情報(商品コード、商品名、数量、税額)とともに仕入履歴データベース273に記録する。同様に、店舗端末4から受信した購入者のユーザID、購入日時、小売店ID、及び商品情報(商品コード、商品名、販売単価、数量、税率、免税金額)を購入履歴データベース272に記録する。なお仕入係数とは、非免税店が提示している販売価格と、免税店が非免税店から仕入れる仕入価格と、の間の価格差に基づく差益を確保するために免税店と非免税店とによって設定される係数である。
次に商品買取部204は、買取商品の税込み価格を含む支払情報を生成し、非免税店との間の決済を行う。ここで税込み価格は、商品情報における商品単価と、数量と、税率とに基づいて算出される。決済は、非免税店と免税店との間で予め締結された決済方法によって行う。また、商品買取部204は、買取商品の税抜価格を含む請求情報を生成し、購入希望者との間の決済を行う。購入希望者に対する決済は、購入希望者が予め指定した決済方法によって行う。
最後に商品買取部204は、店舗端末4に対して買取通知を送信する。つまり、店舗端末4に対して買取契約が成立した旨の情報を送信する。
【0051】
一方、免税販売可否判定部203が免税販売不可と判定した場合には、商品買取部204は店舗端末4に対して買取契約が不成立である旨及び免税販売不可と判定した理由(例えば、「購入商品の合計金額が、免税範囲の金額に対して500円不足しています。」や、「日本における滞在期間が6か月を超えています。」などのメッセージ)を送信する。
【0052】
配送指示手段として機能する配送指示部205は、非免税店から空港等の出国地又は出国後の滞在地へ商品を配送する配送指示情報を生成し、外部の物流センタが管理する情報端末へ送信する処理を行う。ここで配送指示情報とは、配送元と、配送先と、配送物品と、を含む情報であり、それぞれ非免税店の所在地を配送元とし、出国地又は滞在地を配送先とし、購入商品を配送物品とする。
また、配送指示部205は、配送指示情報の生成に先立って、商品を出国日時(又はユーザによって指定された配送希望日時)までに配送先に配送可能か否かを判定(配送可否情報を取得)し、配送が可能な場合には配送指示情報を生成することとしてもよい。具体的には、以下のように配送可能か否かを判定する。まず配送指示部205は、配送先と配送元(非免税店の所在地)との位置関係から、配送のリードタイム(配送所要時間、すなわち商品の配送に必要な日数及び時間)を推定する。ここで配送先は、後述するように予めユーザによって指定された地点であって、例えばユーザ情報データベース271に登録された出国地又は滞在地である。また、配送のリードタイムは、過去の実績等に基づいて予め定められた配送所要時間を、複数の配送拠点間の組み合わせについて格納した配送所要時間テーブルを参照することによって推定される。そして配送指示部205は、現在時刻にリードタイムを加算することによって得られる配送予想日時が出国日時(又は配送希望日時)よりも前であれば、配送可と判定し、配送予想日時が出国日時以後である場合には配送不可と判定する。なお、時刻、曜日、商品種別等の条件に対して複数の配送所要時間テーブルを予め用意し、条件に応じて一の配送所要時間テーブルを選択することとしてもよい。
【0053】
購入記録情報作成部206は、免税販売可否判定部203が免税販売可と判定した場合に、購入記録情報を生成し、生成した購入記録情報を国税庁に電気通信回線を介して送信することにより、購入記録情報を国税庁に提出する。ここで購入記録情報とは、令和2年4月1日から国税庁によって導入される免税販売手続の電子化制度によって採用され、それまでの紙媒体(購入記録票)に代わって免税販売の事実を証明する電子的な情報である。
なお、購入記録情報を生成することに替えて、従前の購入記録票に対応する電子データを生成して、非免税店の店舗端末4に送信することとしてもよい。この場合、購入記録票の電子データを受信した店舗端末4は、購入記録票を店舗端末4に接続されたプリンタから印刷出力すればよい。これにより、非免税店の店員は、プリンタから印刷出力された購入記録票を購入者のパスポートに貼付することができる。
【0054】
<<ユーザ端末3の機能構成について>>
次に、ユーザ端末3の機能について説明する。
図7はユーザ端末3の機能構成を示している。ユーザ端末3は、ユーザ情報入力部301と、ユーザID記録部302と、決済方法選択部303と、配送先入力部304と、QRコード生成部305と、を有する。
【0055】
ユーザ情報入力部301は、ユーザ情報の入力を受け付けるとともに、入力されたユーザ情報を免税販売一括管理サーバ2へ送信する。上述したように、ユーザ情報は、ユーザを特定する個人情報と、入出国を特定する入出国情報と、決済方法を特定する決済情報とから構成されている。ここで決済方法には、複数の決済方法を入力することができる。
【0056】
ユーザID記録部302は、免税販売一括管理サーバ2からユーザIDを受信して、受信したユーザIDをユーザ端末3の記憶部に記録する。
【0057】
決済方法選択部303は、非免税店で商品を購入する際に、予め登録された1又は複数の決済方法のうち、実際に利用する決済方法の選択入力を受け付ける。このとき、過去に選択された決済方法とその選択回数を蓄積し、過去に選択された回数が多い決済方法を優先的に表示することや、前回選択された決済方法を優先的に表示することにより選択入力を容易に行うことができるようにしてもよい。
【0058】
配送先入力部304は、非免税店で購入した商品の配送先の入力を受け付ける。このとき、予め登録された出国地、又は出国後の滞在地を配送先として選択することや、未登録の配送場所を入力することができる。また、ユーザが商品の配送を希望せずに持ち帰りを希望する旨を入力することができてもよい。
【0059】
QRコード生成部305は、ユーザ端末3の記憶部に記憶されたユーザIDと、決済方法選択部303によって選択された決済方法と配送先入力部304によって入力された配送先とに基づいてQRコードを生成し、ユーザ端末3の表示部に出力する。後述するように、ユーザ端末3の表示部に出力されたQRコードは、店舗端末4のQRコードリーダで読み取られる。なお、本実施形態においてはQRコードを生成することとしたが、バーコードのような1次元コードや、DataMatrixやVeriCodeのような2次元コードを出力することとしてもよい。
【0060】
<<店舗端末4の機能構成について>>
次に、店舗端末4の機能について説明する。
図8は、店舗端末4の機能構成を示している。店舗端末4は、商品情報取得部401と、QRコード読取部402と、買取通知表示部403と、を有する。
【0061】
商品情報取得部401は、購入希望者が選択した購入希望商品の情報を取得する。具体的には、購入希望者が購入希望商品を非免税店のレジ(販売エリア)に持ち込むと、店員がPOS端末のバーコードリーダを用いて購入希望商品に貼付されたバーコードを読み取ることにより、POS端末が商品情報を取得する。すると、POS端末に通信回線で接続された店舗端末4の商品情報取得部401は、通信回線を介して購入希望商品の商品情報を取得する。商品情報には、商品コードと、商品名と、販売単価(税抜)と、数量と、税率の情報が含まれる。
【0062】
QRコード読取部402は、ユーザ端末3の表示部に表示されたQRコードを読み取り、読み取ったQRコードを復号してユーザID、決済方法及び配送先を取得する。取得したユーザIDと決済方法と配送先とは、商品情報取得部401が取得した商品情報とともに、店舗端末4から免税販売一括管理サーバ2へ送信される。なお、QRコード読取部402は、QRコードだけでなく、バーコードのような1次元コードや、DataMatrixやVeriCodeのような2次元コードを読み取ることとしてもよい。
【0063】
買取通知表示部403は、免税販売一括管理サーバ2から買取通知を受信し、店舗端末4の表示部に出力する。具体的には、買取契約が成立した場合にはその旨を表示する。一方、買取契約が不成立となった場合には、その旨及び免税販売不可の理由(例えば、「購入商品の合計金額が、免税範囲の金額に対して500円不足しています。」や、「日本における滞在期間が6か月を超えています。」などのメッセージ)を表示する。
【0064】
<<本実施形態に係るユーザ情報登録処理のシーケンス>>
次に、免税販売一括管理サーバ2とユーザ端末3との動作例として、ユーザ情報登録処理について説明する。
図9は、ユーザ情報登録処理のシーケンスを示している。
まずユーザ端末3のCPUは、表示部にユーザ情報登録画面を表示させて、ユーザ情報が入力されたか否かを監視する(ステップS11)。
【0065】
図10は、ユーザ情報登録画面の一例を示している。
図10(a)は、ユーザ情報のうち個人属性に関する入力画面を、
図10(b)は、ユーザ情報のうち入出国情報に関する入力画面を、
図10(c)は、ユーザ情報のうち決済情報に関する入力画面を示しており、それぞれ「個人属性」、「入出国情報」、「決済情報」のタブを選択することによってユーザ端末3の表示部に表示される入力画面である。
ここで、ユーザ情報登録画面は、訪日を予定している外国人による入力・操作を容易とするために、その外国人の母国語による表示が行われるが、
図10では説明の便宜上、日本語で表示している。
【0066】
図10(a)の個人属性に関する入力画面では、ユーザの氏名、性別、生年月日、国籍及びパスポート番号の入力が可能である。
図10(b)の入出国情報に関する入力画面では、入国地、入国日、出国地、出国日時及び滞在地の入力が可能である。
図10(c)の決済情報に関する入力画面では、決済方法及びその有効期限の入力が可能である。ここで決済方法とその有効期限は、1つのみ登録してもよいが、複数の決済方法とその有効期限を登録することもできる。これにより、非免税店で商品を購入する際に、予め登録された決済方法の中から希望する決済方法を選択するだけで決済方法を指定することができるとともに、例えば、複数の決済方法を用途に応じて容易に使い分けることが可能となる。
【0067】
図10(a)から
図10(c)に示す全ての入力項目に対する入力が完了した後に登録ボタンを押下することで、入力されたユーザ情報はユーザ端末3から免税販売一括管理サーバ2に送信される。
【0068】
図9に戻り、ユーザ端末3のCPUは、ユーザ情報が入力されて登録ボタンが押下されると、ユーザ端末3の通信インターフェースを介してユーザ情報を免税販売一括管理サーバ2に送信し、免税販売一括管理サーバ2のCPU21は、ユーザ端末3からユーザ情報を受信する(ステップS12)。
免税販売一括管理サーバ2のCPU21は、受信したユーザ情報が登録済みであるか否かを、ユーザ情報データベース271に記憶されたレコードと照合することにより判定する。未登録であった場合、CPU21は、新規ユーザ登録であると判定して新たなユーザIDを発行する(ステップS13)。そしてCPU21は、ユーザIDとユーザ情報とを紐づけて記憶部27のユーザ情報データベース271として格納する(ステップS14)。
【0069】
CPU21は、新たに発行したユーザIDを、通信インターフェース26を介してユーザ端末3に送信する。ユーザ端末3のCPUは、ユーザIDを受信し(ステップS15)、ユーザ端末3の記憶部に記録する(ステップS16)。以上で免税販売一括管理サーバ2とユーザ端末3とは、ユーザ情報登録処理を終了する。
【0070】
以上のような手順によってユーザ情報登録処理が実行されることで、訪日外国人旅行者のパスポート情報や入出国情報が事前登録されるため、後述するように、非免税店で商品を購入する際に店頭でパスポート等を提示する必要がなくなり、商品の購入を円滑に行うことが可能となる。
【0071】
<<本実施形態に係る商品購入処理のシーケンス>>
次に、免税販売一括管理サーバ2とユーザ端末3と店舗端末4との動作例として、非免税店における商品購入処理について説明する。商品購入処理は、購入希望者が購入希望商品を非免税店のレジ(販売エリア)に持ち込んだ時に行われる処理である。
図11A及び
図11Bは、商品購入処理のシーケンスを示している。
図11Aに示すように、店舗端末4のCPUは、店舗端末4の表示部に商品情報入力画面を表示させて、購入希望商品の商品情報が、店員によって入力されたか否かを監視する(ステップS21)。商品情報は、店舗端末4に対して店員が直接入力することとしてもよいし、店員が操作するPOS端末から通信回線を介して取得することとしてもよい。
店舗端末4のCPUは、商品情報が入力されると(ステップS21;Yes)、商品情報入力画面を表示させた状態で待機する(ステップS25)。
【0072】
図12は、商品情報入力画面の一例を示している。
商品情報入力画面には、店員によって入力された商品情報がリスト表示されるとともに、リスト表示の下部には「決済」ボタンと「キャンセル」ボタンが表示されている。
店員が「決済」ボタンを押下すると、QRコードの読み取り画面に遷移し、QRコードの読み取りが可能な状態となる。
【0073】
図11Aに戻り、ユーザ端末3のCPUは、購入希望者が決済方法及び配送先を入力したか否かを監視する(ステップS22)。決済方法及び配送先が入力されると(ステップS22;Yes)、ユーザ端末3の記憶部からユーザIDを読み取り、ユーザIDと決済方法と配送先とに基づいてQRコードを生成する(ステップS23)。
ユーザ端末3のCPUは、生成されたQRコードをユーザ端末3の表示部に表示させて、店舗端末4のQRコードリーダによって読み取られるまで待機する(ステップS24)。
【0074】
店舗端末4のCPUは、QRコードが読み取られたと判定した場合(ステップS25;Yes)、QRコードを解析してユーザIDと決済方法と配送先とを取得して、ステップS21で入力された商品情報とともに免税販売一括管理サーバ2に送信する。免税販売一括管理サーバ2のCPU21は、店舗端末4からユーザID、商品情報、決済方法及び配送先を受信する(ステップS26)。すなわち免税販売一括管理サーバ2は、ステップS26で購入者情報と商品情報とを含む販売情報を取得する(販売情報取得ステップ)。
【0075】
続いて免税販売一括管理サーバ2のCPU21は、購入希望者のユーザ情報をユーザ情報データベース271から取得する(ステップS27)。すなわちCPU21は、受信したユーザIDをキーとしてユーザ情報データベース271を検索することにより、購入希望者のユーザ情報を取得する。
次にCPU21は、免税販売の可否を判定する(ステップS28)(免税販売可否判定ステップ)。上述したように、ここでは購入金額が免税対象か否かの判定と、非居住者判定と、注意事項の確認判定の3つの判定を行い、全ての判定で免税販売が可能と判定された場合に、免税販売が可能となる。
CPU21は、まず購入希望商品の税抜価格の合計金額が免税範囲の金額であるか否かの判定を行う。すなわち、購入商品の税抜価格の合計金額を算出するとともに、算出された合計金額とあらかじめRAM23に記憶された免税範囲とを比較する。そして合計金額が免税範囲内にあると判定した場合には、次の非居住者判定を行う。
【0076】
非居住者判定では、ユーザ情報データベース271から読み出したユーザ情報に基づいて購入者が外国国籍を有するか否かを判定する。外国国籍を有すると判定した場合には、購入者が日本に入国してから現在までの経過期間を算出し、6か月以上経過していないことを判定する。そして最後に、注意事項の確認判定を行う。すなわち、通信インターフェース26を介して店舗端末4から注意事項を確認した旨の信号を受信したか否かの判定を行う。
【0077】
免税販売が可能と判定された場合(ステップS29;Yes)、CPU21は、ステップS30からステップS33まで及びステップS37からなる買取処理を実行する(商品買取ステップ)。すなわち、CPU21は、まず店舗端末4から受信した購入希望商品の買取契約の成立を決定する(ステップS30)。
続いて
図11Bに示すように、CPU21は、非免税店からの購入希望商品の買取価格(仕入れ価格)に基づいて消費税額を算出し、小売店ID、購入日時、ユーザID、商品情報とともに仕入履歴データベース273に記録する(ステップS31)。次にCPU21は、購入希望者に対する商品の販売価格に基づいて消費税額(免税金額)を算出し、ユーザID、購入日時、小売店ID、商品情報とともに購入履歴データベース272に記録する(ステップS32)。
続いてCPU21は支払情報と請求情報を生成する(ステップS33)。すなわち、非免税店から購入希望商品の買い取り(仕入れ)に対する支払情報(税込み価格)と、購入希望者への商品の販売に対する請求情報(税抜価格)を生成し、これらの情報に基づいて決済を行う。非免税店に対する決済は、振込口座(非免税店の口座)と振込金額(税込み価格)からなる振込情報を外部の金融機関のサーバに送信することとしてもよいが、免税店と非免税店との間で予め締結された方法であれば任意の決済方法を利用することができる。また、購入希望者に対する決済は、上述したステップS23で選択入力された決済方法によって行うこととする。
一方、免税販売が可能ではないと判定された場合(ステップS29;No)、ステップS34に進む。
【0078】
続いてCPU21は、配送のリードタイムを推定する(ステップS34)。具体的には、非免税店の所在地を配送元とし、予め指定された配送先(例えば出国地又は滞在地)までのリードタイムを上述した配送所要時間テーブルを参照することにより推定する。そしてCPU21は、配送が可能か否かを判定する(ステップS35)。すなわち、ステップS34で推定したリードタイムを現在時刻に加算した日時(配送予想日時)が出国日時(又は配送希望日時)前であれば、配送が可能と判定し(ステップS35;Y)、商品の配送指示情報を生成する(ステップS36)。すなわち、非免税店の所在地を配送元とし、ステップS22で入力された地点を配送先とし、購入商品を配送物品とする配送指示情報を生成して外部の配送センタが管理する配送管理サーバへ送信する処理を行う。これにより、購入者である外国人旅行者は、購入商品を、出国時に出国地又は次の滞在地で受け取ることが可能となるため、日本滞在期間中に購入商品を持ち歩く必要がなくなり、快適な旅行を楽しむことができる。一方、配送予想日時が出国日時以後となる場合には、配送が可能ではないと判定してステップS37に進む。
【0079】
また、CPU21は、通信インターフェース26を介して買取通知を店舗端末4に送信する(ステップS37)。つまり、買取契約が成立した場合には、買取契約が成立した旨を送信する。一方、買取契約が成立しなかった場合には、その旨とともに免税販売不可と判定した理由(例えば、「購入商品の合計金額が、免税範囲に対して500円不足しています。」や、「日本における滞在期間が6か月を超えています。」などのメッセージ)を送信する。
店舗端末4のCPUは、買取通知を受信して(ステップS36)、店舗端末4の表示部に買取通知表示画面を表示させる(ステップS38)。
【0080】
以上のような手順によって商品購入処理が実行されることで、非免税店を訪れた訪日外国人旅行者の購入希望商品を、免税販売一括管理サーバ2を提供する免税店が非免税店から買い取って販売するため、購入希望商品の免税販売を行うことができる。
【0081】
以上、本発明の免税販売一括管理システム1における実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば本実施形態では、非免税店の店頭で商品を購入する際にはユーザIDのみを提示し、パスポートの提示は不要として説明した。
これに対して、非免税店で初めて商品を購入する際(例えば、一日のうちの最初の購入時)に、店頭でユーザIDとパスポートの両方を提示しなければならないこととしてもよい。この場合、免税販売一括管理サーバ2は、ユーザIDに基づいてユーザ情報データベース271からユーザ情報を抽出し、抽出したユーザ情報と店頭で提示されたパスポートの情報とを照合する照合処理を実行する。照合に成功した場合、2回目以降の商品購入時においてパスポートの提示を不要とし、ユーザIDのみを提示することで商品購入が可能となる。
これにより偽りのユーザ情報を登録して消費税の免税販売を受ける不正行為や、他人のユーザIDを利用して消費税の免税販売を受ける、いわゆる「なりすまし」による不正行為を防止するとともに、2回目以降の購入時にはパスポートの提示が不要となるため、店頭における商品購入をスムーズに行うことができる。
【0082】
また本実施形態では、ユーザである訪日外国人旅行者は、予めユーザ情報を登録してユーザIDの発行を受けた後に非免税店を訪れ、店頭でユーザIDを提示して商品購入を行うこととして説明した。
これに対して、ユーザIDの発行を受けていないユーザであっても、非免税店の店頭でパスポートを提示することによって免税販売を受けることができるようにしてもよい。この場合、ユーザIDの発行を受けていないユーザが非免税店でパスポート等を提示すると、非免税店の店舗端末4は、パスポートに表示された個人情報や入出国情報を含む購入者情報と商品情報とを免税販売一括管理サーバ2に送信する。そして免税販売一括管理サーバ2は、店舗端末4から受信した購入者情報と商品情報に基づいて免税販売の可否を判定し、免税販売が可能と判定されれば買取処理を実行する。
これにより、ユーザ情報が未登録の状態で非免税店を訪れた外国人旅行者であっても、非免税店で消費税の免税販売を受けることが可能となる。
【0083】
また本実施形態では、消費税を免税対象とした免税処理について説明した。
これに対して、酒税やたばこ税を免税対象とした免税処理を行うこととしてもよい。この場合、上述した免税販売可否判定部203は、購入金額が免税対象か否かの判定に代えて、購入数量が免税対象か否かの判定を行う。例えば酒類であれば、1本760mlの酒類が3本以下である場合に免税販売可と判定してもよい。
【0084】
また本実施形態では、全ての購入商品について、免税販売一括管理サーバ2によって配送指示情報が生成され、配送業者によって出国地に配送され、出国地で引き渡しが行われることとして説明した。
これに対して、商品の配送を希望するか否かを購入者が選択することができるようにすることが好ましい。
これにより大きな荷物とはならない商品を購入した場合においてまで配送業者による配送コストが発生してしまうことを抑制することが可能となる。
【0085】
また本実施形態では、免税販売一括管理サーバ2の配送指示部205が配送予想時刻を算出し、算出された配送予想時刻に基づいて配送可否を判定することとして説明した。
これに対して、配送元と、配送先と、配送商品と、出国日時(又は配送希望日時)とを含む配送情報を外部の物流センタが運用・管理する情報端末に送信し、物流センタの情報端末が判定した配送可否の判定結果(配送可否情報)を免税販売一括管理サーバ2が受信することとしてもよい。
これにより、免税販売一括管理サーバ2の処理負担を軽減することができる。
【0086】
また本実施形態では、免税販売が可能と判定された場合に商品の買取処理を行うこととして説明した。
これに対して、免税販売が可能であることと、決済が可能であることと、配送が可能であることと、の全てを満足すると判定された場合に商品の買取処理を行うこととしてもよい。ここで決済が可能か否かの判定は、購入希望者が選択した決済方法によって決済が可能か否かを、外部の決済機関等のセンター端末に照会する(信用照会する)ことによって行うことができる。
これにより、商取引の信頼性を向上することができる。
【0087】
また本実施形態では、購入記録情報作成部206が購入記録情報を作成し、国税庁に電気通信回線を介して送信することとして説明した。
これに対して、外部の承認送信事業者と免税店との間で、購入記録情報を作成するために必要な所定の情報を共有し、承認送信事業者に購入記録情報の作成と国税庁に対する送信を依頼することとしてもよい。
これにより、購入記録情報に係る業務コストを低減することが可能となる。
【0088】
<<第二実施形態に係る免税販売一括管理システムについて>>
次に、本発明の第二実施形態に係る免税販売一括管理サーバ2aについて、
図13〜
図16を参照して説明する。
上記で説明した第一実施形態では、免税販売一括管理サーバ2は、購入希望者が一の非免税店で商品購入を希望した場合における販売情報に基づいて免税販売の可否を判定し、免税販売が可能な場合には購入希望商品の買取処理を実行するものとして説明した。
これに対して、以下で説明する第二実施形態の免税販売一括管理サーバ2aは、購入希望者が所定の期間内に複数の非免税店で商品購入を希望した場合における商品価格(税抜)の集計結果に基づいて免税販売の可否を判定し、免税販売が可能な場合には商品の買取処理を実行し、必要に応じて消費税納付額の精算処理を行うように構成されている。
ここで所定の期間とは、その期間内の購入商品の税抜価格の集計結果に基づいて免税販売が認められ得る期間であって、本実施形態では1日、すなわち午前0時に開始して翌日の午前0時前に終了する期間である。以下、集計期間ともいう。
また精算処理とは、集計期間中に購入した商品に関して、納付した消費税額が不足する場合に、その不足分を事後的に納付する処理である。
【0089】
図13は、第二実施形態における免税販売一括管理サーバ2aの機能構成を示しており、免税販売一括管理サーバ2aは、ユーザ情報登録部201と、販売情報取得部202と、免税販売可否判定部203aと、商品買取部204と、配送指示部205と、購入記録情報作成部206と、精算処理部207aと、免税情報出力部208aと、を有する。
第二実施形態の免税販売一括管理サーバ2aは、
図2に示す免税販売一括管理サーバ2の免税販売可否判定部203を免税販売可否判定部203aに変更し、精算処理部207aと免税情報出力部208aを追加したものである。その他の構成は第一実施形態の免税販売一括管理サーバ2と同様であるので、同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明を行う。
【0090】
第一実施形態における免税販売可否判定部203は、非免税店における商品購入時に、購入希望商品の免税販売が可能か否かを判定するために、購入金額が免税対象か否かの判定と、非居住者判定と、注意事項の確認判定の3つの判定を行うとして説明した。
これに対して、第二実施形態における免税販売可否判定部203aは、非免税店における商品購入時に実行する一次判定と、集計期間が経過した後に実行する二次判定とを行う。ここで一次判定としては、非居住者判定と注意事項の確認判定の2つの判定のみを行う。すなわち、非免税店における商品購入時には、購入希望商品の税抜価格が免税範囲の金額であるか否かの判定を行うことなく、免税販売の可否を判定する。免税販売が可能と一次判定された場合、購入希望者は消費税を納付することなく購入商品の引き渡しを受けることができる。そして、集計期間が経過した後に、その集計期間中に購入した複数の非免税店における購入商品の税抜き価格を集計し、免税範囲の金額と比較することによって免税販売の可否を判定する。これが二次判定である。一次判定で免税販売が可と判定された後に、二次判定で免税販売が不可と判定された場合には、後述する精算処理部207aが未納状態となっている消費税額の精算を行う。
【0091】
精算手段として機能する精算処理部207aは、集計期間が経過した後に、その集計期間中に購入した商品に関して、未納状態となっている消費税額がある場合にその精算を行う。
上述したように、一次判定で免税販売が可と判定された後に二次判定で免税判定が不可と判定された場合には、税抜価格で購入した商品が免税販売の対象外となるため、消費税の未納金が発生する。
したがって精算処理部207aは、購入履歴データベース272を参照し、消費税が未納付となっている購入商品の単価、数量及び税率の情報をもとに消費税額を算出し、購入者に対して消費税の請求情報を生成するとともに、国税庁に対する消費税の納付情報を生成してそれぞれの決済を行う。
【0092】
免税情報出力部208aは、ユーザ端末3から免税情報の照会要求があった場合に、ユーザ端末3に対して免税情報を出力する。ここで免税情報とは、購入履歴データベース272のうち、照会要求がなされたユーザに関するレコードのみを抽出した購入履歴情報と、その購入履歴情報に基づいて購入商品の税抜価格を集計期間ごとに集計し、集計結果が免税範囲の金額にある場合には免税金額を、免税範囲の金額とならない場合にはその過不足金額を付加した情報である。
このような免税情報をユーザ端末3に出力することにより、ユーザは自己の免税情報を確認し、免税販売による免税額、あるいは消費税の免税を受けるために必要な過不足金額を認識することが可能となり、日本において買い物をする訪日外国人旅行者の利便性が高まる。
【0093】
<<第二実施形態に係る精算処理のフロー>>
次に、免税販売一括管理サーバ2の精算処理について説明する。
図14は、精算処理の動作を表したフローチャートである。精算処理は、集計期間(本実施形態では1日)の購入金額が確定した後に免税販売一括管理サーバ2のCPU21によって実行される処理である。
CPU21は、上述した二次判定によって消費税納付額の精算が必要か否かを判定する(ステップS41)。すなわち、購入履歴データベース272から購入履歴情報を取得し、ユーザごとに集計期間内の購入商品の税抜価格の合計値を算出することによって1又は複数の店舗で購入した商品の税抜価格の集計結果を求める。そして、RAM23に予め格納された免税範囲の金額と集計結果とを比較することにより、免税販売の可否を判定し、未納状態となっている消費税があるか否かを判定する。
【0094】
消費税納付額の精算が不要と判定された場合には(ステップS41;No)、CPU21は、以降の処理を行うことなく精算処理を終了する。一方、消費税納付額の精算が必要と判定された場合には(ステップS41;Yes)、購入履歴データベース272を修正する(ステップS42)。すなわち、購入履歴データベース272に格納された購入履歴情報のうち、対象とするユーザの購入履歴情報であって、購入日時が集計期間内のレコードについて、免税金額を0円に修正する。
続いて購入者に対する請求情報を生成する(ステップS43)。ここで請求情報とは、未納状態となっていた消費税額を含む情報であり、この請求情報に基づいて、購入希望者が予め指定した決済方法による決済を行う。
【0095】
以上のような手順によって精算処理が実行されることで、訪日外国人旅行者が複数の非免税店で商品を購入した場合に、一の非免税店で購入した商品の合計金額が免税範囲の金額(例えば5千円)に満たなかったとしても、複数の非免税店で購入した商品価格の集計結果が免税範囲の金額となれば、消費税の免税販売を受けることが可能となる。これにより、商品販売の機会が失われてしまうことを防止することができる。
また、訪日外国人旅行者が非免税店で商品を購入する場合に、店頭では税抜価格で購入し、一日の購入金額が確定した後で、その日に購入した商品価格の集計結果が免税範囲の金額に満たなかった場合に、未納となっていた消費税を精算することが可能となる。これにより、複数の非免税店で購入した商品の消費税の納付が一括して行われるため、納税手続きを簡素化することができる。
【0096】
<<第二実施形態に係る免税情報出力処理のシーケンス>>
次に、ユーザ端末3と免税販売一括管理サーバ2との動作例として、免税情報出力処理について説明する。
図15は、免税情報出力処理のシーケンスを示している。まず、ユーザ端末3のCPUは、表示部にログイン画面を表示させて、ユーザIDとパスワードが入力されたか否かを監視する(ステップS51)。ユーザIDとパスワードが入力されたと判定した場合(ステップS51;Yes)、ユーザ端末3のCPUは、免税販売一括管理サーバ2に対して、ユーザIDとパスワード情報を送信する(ステップS52)。
【0097】
免税販売一括管理サーバ2のCPU21は、ユーザ端末3からユーザIDとパスワードを受信し、ユーザ認証を行う(ステップS53)。つまり、ユーザ情報データベース271からユーザID及びパスワードを取得して、ステップS52で受信したユーザID、パスワードと照合する。ユーザID及びパスワードが一致すれば、ユーザ認証に成功したものと判定する。ユーザ認証に失敗した場合にはユーザ端末3に対して認証失敗の通知を行うが、以降の説明では、ユーザ認証に成功したものとして説明を続ける。
【0098】
続いてCPU21は、購入履歴データベース272に格納された購入履歴情報のうち、ステップS52で取得したユーザIDと一致するユーザIDのレコードを抽出する(ステップS54)。そして、抽出された購入履歴情報に基づいて、免税情報を生成する(ステップS55)。すなわち、抽出した購入履歴情報に基づいて購入商品の税抜価格を集計し、集計結果と免税範囲の金額とを比較する。免税範囲の金額である場合には購入商品の税抜価格及び税率の情報から、免税金額を算出する。一方、免税範囲の金額とならない場合には、免税範囲の金額に対する過不足金額を算出する。
【0099】
CPU21は、生成した免税情報をユーザ端末3に送信する(ステップS56)。ユーザ端末3のCPUは免税情報を受信し、表示部に免税情報出力画面を表示させて免税情報を出力する(ステップS57)。
【0100】
図16は、免税情報出力画面の一例を示している。
ここで、免税情報出力画面は、訪日外国人旅行者等による入力・操作を容易とするために、その外国人の母国語による表示が行われるが、
図16では説明の便宜上、日本語で表示している。
図16に示すように、免税情報出力画面には、購入日と、その購入日における購入履歴情報と、購入商品の税抜価格の集計結果である合計金額とが表示される。そして集計結果が免税範囲内の金額である場合には、免税金額も併せて表示する。一方、集計結果が免税範囲の金額とならない場合には、過不足金額を併せて表示する。
図15では、集計結果が免税範囲の金額に対して400円不足した場合の例を示している。このように免税範囲に対する過不足金額を表示することに替えて、「購入商品の合計金額が、免税範囲に対して400円不足しています」などのメッセージを表示することとしてもよい。
以上でユーザ端末3と免税販売一括管理サーバ2とは、免税情報出力処理を終了する。
【0101】
以上のような手順によって免税情報出力処理が実行されることで、訪日外国人旅行者がユーザ端末3の表示部に表示される免税情報を確認することによって、ユーザは自己の免税額又は免税を受けるための過不足の金額を認識することができるようになる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例であり、本発明を限定するものではない。つまり、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にその等価物が含まれることは勿論である。
【0103】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、DVD等のコンピュータで読取可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。