特許第6906259号(P6906259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ FKK株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6906259-殺菌装置 図000002
  • 特許6906259-殺菌装置 図000003
  • 特許6906259-殺菌装置 図000004
  • 特許6906259-殺菌装置 図000005
  • 特許6906259-殺菌装置 図000006
  • 特許6906259-殺菌装置 図000007
  • 特許6906259-殺菌装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6906259
(24)【登録日】2021年7月1日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20210708BHJP
   A61L 2/08 20060101ALI20210708BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   A61L2/10
   A61L2/08 110
   C02F1/32
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-133475(P2020-133475)
(22)【出願日】2020年8月6日
【審査請求日】2021年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591124640
【氏名又は名称】FKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100145229
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 雅則
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和貴
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−174016(JP,A)
【文献】 特開平09−192659(JP,A)
【文献】 実開平06−003494(JP,U)
【文献】 特開2018−148938(JP,A)
【文献】 特表2019−512357(JP,A)
【文献】 国際公開第2019/117853(WO,A1)
【文献】 特開2018−078044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/08、2/10
C02F 1/32
B01J 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する長尺の回路基板と、前記回路基板に列状に実装された複数の発光部と、透光性の軟性材料から形成され前記回路基板および前記複数の発光部を覆う長尺のカバーと、を有する照明ユニットと、
透光性を有する軟性材料から長尺に形成され、内部に長手方向に沿って延在する流路が形成された本体部と、長尺であり前記本体部と連続一体に形成されるとともに、前記照明ユニットを保持する保持部と、を有する流路ユニットと、備え、
前記保持部は、前記複数の発光部それぞれから放射される光が前記流路内へ照射される姿勢で前記照明ユニットを着脱自在に保持する、
殺菌装置。
【請求項2】
前記本体部は、
前記複数の発光部それぞれから放射される光を透過する第1部位と、
光触媒を含む材料から形成され且つ前記本体部の長手方向に沿って延在するとともに少なくとも一部が前記流路内に露出している第2部位と、を有する、
請求項に記載の殺菌装置。
【請求項3】
前記カバーは、前記カバーの長手方向に沿って延在する溝が形成され、
前記保持部は、前記保持部の長手方向に沿って延在し前記保持部に前記照明ユニットが保持された状態で前記溝に嵌合するリブが設けられている、
請求項またはに記載の殺菌装置。
【請求項4】
前記本体部における前記流路の内壁には、前記本体部の長手方向に沿って延在する複数の突条部が形成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の殺菌装置。
【請求項5】
前記本体部は、前記流路の内壁から前記流路の中心軸に向かって突出し且つ前記本体部の長手方向に沿って延在する少なくとも1つのフィンを有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の殺菌装置。
【請求項6】
前記光触媒は、酸化チタンである、
請求項2に記載の殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体に紫外光を照射することにより流体内に存在する菌類を殺菌する配管装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この配管装置は、円筒状であり筒軸方向に沿って複数の光透過孔が貫設された本体と、本体の内側に挿通される流路モジュールと、本体の外側に配置され本体に貫設された光透過孔を通じて流路モジュールに光を照射する複数の発光素子と、を備える。ここで、流路モジュールは、ポリカーボネート、ガラス等から形成された透明な円筒状の管体と、金属またはプラスチックから円柱状に形成され外側面に螺旋状の流路を構成する溝が形成されるとともに管体の内側に挿通されるガイド部材と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3222475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された配管装置は、流路モジュールがポリカーボネート、ガラス等から形成された管体と、金属またはプラスチックから形成されたガイド部材と、を有するものであり、配管装置全体を湾曲させた状態または折り曲げた状態で使用することが困難である。従って、設置できるスペースの大きさまたは形状に制約がある場合に配管装置を設置することができず、配管装置の設置場所が制限されてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、設置できるスペースの大きさまたは形状に制約がある場合でも設置可能な殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る殺菌装置は、
可撓性を有する長尺の回路基板と、前記回路基板に列状に実装された複数の発光部と、透光性の軟性材料から形成され前記回路基板および前記複数の発光部を覆う長尺のカバーと、を有する照明ユニットと、
透光性を有する軟性材料から長尺に形成され、内部に長手方向に沿って延在する流路が形成された本体部と、長尺であり前記本体部と連続一体に形成されるとともに、前記照明ユニットを保持する保持部と、を有する流路ユニットと、を備え、
前記保持部は、前記複数の発光部それぞれから放射される光が前記流路内へ照射される姿勢で前記照明ユニットを着脱自在に保持する
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、流路ユニットが、透光性を有する軟性材料から長尺に形成され、内部に長手方向に沿って延在する流路が形成された本体部と、長尺であり本体部と連続一体に形成されるとともに、照明ユニットを保持する保持部と、を有する。そして、保持部が、照明ユニットの複数の発光部それぞれから放射される光が流路内へ照射される姿勢で照明ユニットを着脱自在に保持する。これにより、殺菌装置全体を湾曲させた状態または折り曲げた状態で使用することができるので、殺菌装置が設置できるスペースの大きさまたは形状に制約がある場合でも殺菌装置をそのスペースの大きさまたは形状に適合するように変形させて設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る殺菌装置の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る殺菌装置の平面図である。
図3】実施の形態1に係る殺菌装置について図2のA−A線における断面矢視図である。
図4】実施の形態2に係る殺菌装置の分解斜視図である。
図5】実施の形態2に係る照明ユニットを示し、(A)は平面図であり、(B)は斜視図である。
図6】実施の形態2に係る殺菌装置の断面図である。
図7】実施の形態2に係る流路ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る殺菌装置について添付図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る殺菌装置は、流体に紫外光を照射することにより流体内に存在する菌類を殺菌するものであり、可撓性を有する長尺の回路基板と、回路基板に列状に実装された複数の発光部と、透光性を有する軟性材料から長尺に形成され、内部に長手方向に沿って延在する流路が形成された本体部と、を備える。そして、回路基板が、本体部の内部における流路の外側に複数の発光部それぞれから放射される光が流路内へ照射される姿勢で流路に沿って配置されている。
【0010】
図1に示すように、殺菌装置1は、可撓性を有する長尺板状の回路基板21と、複数(図1では6つ)の発光部22と、本体部11と、を備える。また。殺菌装置1は、図2に示すように、回路基板21に発光部22とともに実装され、発光部22へ供給される電流を制限するための限流素子23と、発光部22へ電流を供給するための導電線13と、本体部11の長手方向における両端部に装着されたキャップ12と、を備える。殺菌装置1は、導電線13を介して直流電源(図示せず)に接続される。
【0011】
回路基板21は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)から構成されており、導体パターン(図示せず)が形成されている。また、回路基板21の長手方向における両端部には、導電線13に電気的に接続される電極211が設けられている。なお、複数の回路基板21が、それらの長手方向に沿って並列に配置される場合、互いに隣り合う2つの回路基板21同士が、電極211を介して互いに電気的に接続される。
【0012】
発光部22は、例えばSMD(Surface Mount Device)タイプLED(Light Emitting Diode)発光装置から構成される。発光部22は、矩形板状であり厚さ方向における一面側に平面視円形の凹部22cが形成された発光部本体22bと、凹部22cの底部に配設された発光素子22aと、凹部22cに充填された透光性部材22dと、を有する。発光素子22aとしては、200nm以上380nm以下の波長帯域の紫外光を放射するLED素子が採用される。透光性部材22dは、例えば200nm以上380nm以下の波長帯域の光に対して透明なシリコーン樹脂から形成されている。複数の発光部22は、回路基板21に等間隔に列状に実装されている。発光部22の発光素子22aは、回路基板21に形成された導体パターンを介して、互いに直列または並列に接続されている。限流素子23は、回路基板21に形成された導体パターンに介挿され、発光素子22aに流れる電流を予め設定された大きさに制限する。直流電源から導電線13および導電パターンを通じて発光素子22aに電流が流れると、発光素子22aが点灯する。なお、複数の発光部22が、前述の紫外光を放射する発光部22と、可視光の波長帯域の光を放射する発光部22と、の2種類の発光部22から構成されていてもよい。この場合、可視光の波長帯域の光を放射する発光部22は、発光部本体22bの凹部22cに色変換部材が充填されたものを採用することができる。ここで、色変換部材は、例えば黄色蛍光体を含む透光性を有する樹脂から形成されている。
【0013】
本体部11は、図1および図2に示すように、長尺であり、透光性を有する軟性材料から形成されている。軟性材料としては、透光性を有する熱硬化性のポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を採用することができる。本体部11の内部には、本体部11の長手方向に沿って延在する流路C1が形成されている。流路C1の内径は、例えば8mm程度に設定することができる。また、本体部11には、図3に示すように、本体部11の内部における流路C1よりも−Z方向側において流路C1に沿って延在し内側に発光部22が配置される空隙C2が形成されている。また、本体部11は、発光部22から放射される光に対して透明な第1部位111と、光触媒を含む透光性材料から形成された第2部位112と、を有する。光触媒としては、例えば酸化チタン(TiO)を採用することができる。第1部位111および第2部位112は、いずれも、本体部11の長手方向に沿って延在している。第2部位112は、一部が流路C1内に露出している。また、第1部位111は、少なくとも本体部11における複数の発光部22と流路C1との間に介在する複数の発光部22の回路基板21の厚さ方向への投影領域A1を含んでいる。これにより、複数の発光部22から放射される光が、第1部位111を透過して流路C1を流れる流体および流路C1の内壁に露出した第2部位112に照射される。
【0014】
また、本体部11における流路C1の内壁には、本体部11の長手方向に沿って延在する複数の突条部112aが形成されている。更に、本体部11は、流路C1の内壁から流路C1の中心軸J1に向かって突出し且つ本体部11の長手方向に沿って延在する2つのフィン113を有する。ここで、2つのフィン113は、それぞれ、光触媒を含む材料から形成されており、第2部位112と連続一体となっている。更に、本体部11の第1部位111のX軸方向における両側には、互いに近づく方向へ窪みY軸方向に沿って延在する凹部111bが形成されている。
【0015】
ここで、回路基板21は、図1に示すように、本体部11の内部における流路C1の外側、即ち、−Z方向側に6つの発光部それぞれから放射される光が流路C1内へ照射される姿勢で流路C1に沿って配置されている。また、回路基板21の短手方向の両端部が、本体部11に埋設した状態で空隙C2内に配置されている。なお、回路基板21が複数存在し、空隙C2内において、複数の回路基板21がそれらの長手方向に沿って並列に配置されているものであってもよい。この場合、複数の回路基板21は、電極211を介して互いに電気的に接続すればよい。また、この場合、本体部11の長さは、例えば3m乃至4m程度に設定することができる。
【0016】
キャップ12は、例えば透光性を有する樹脂材料から有底角筒状に形成されている。キャップ12の底壁には、導電線13を導出するための導出孔12aが設けられている。キャップ12は、本体部11の第1部位111の長手方向における両端部に固定されている。
【0017】
なお、本実施の形態に係る殺菌装置1が複数存在する場合、複数の殺菌装置1がそれらの長手方向に沿って並列に配置されているものであってもよい。この場合、複数の殺菌装置1は、互いに隣り合う殺菌装置1の本体部11の流路C1に嵌合する管継ぎ手(図示せず)を介して連結することができる。
【0018】
以上説明したように、本実施の形態に係る殺菌装置1によれば、本体部11が、透光性を有する軟性材料から長尺に形成され、回路基板21が、可撓性を有し、本体部11の内部における流路C1の外側に配置されている。これにより、殺菌装置1全体を湾曲させた状態または折り曲げた状態で使用することができるので、殺菌装置1が設置できるスペースの大きさまたは形状に制約がある場合でも殺菌装置1をそのスペースの大きさまたは形状に適合するように変形させて設置することができる。また、本実施の形態に係る殺菌装置1は、回路基板21および複数の発光部22と本体部11とが一体となっているので、全体としてシンプルな構成とすることができる。
【0019】
また、本実施の形態に係る第2部位112は、本体部11の外側に露出している。これにより、例えば殺菌装置1を屋外で使用する場合、第2部位112の表面に太陽光に含まれる紫外線が照射されることにより第2部位112の表面に付着した汚れが分解される。このため、第2部位112の表面への汚れの付着が抑制されるという利点もある。
【0020】
更に、本実施の形態に係る本体部11は、光触媒を含む透光性材料から形成され且つ本体部11の長手方向に沿って延在するとともに、一部が流路C1内に露出している第2部位112を有する。これにより、第2部位112における流路C1に露出した部分において流路C1を流れる流体中に含まれる菌が効率良く分解される。
【0021】
また、本実施の形態に係る本体部11における流路C1の内壁には、本体部11の長手方向に沿って延在する複数の突条部112aが形成されている。また、本体部11は、流路C1の内壁から流路C1の中心軸J1に向かって突出し且つ本体部11の長手方向に沿って延在する2つのフィン113を有する。これにより、流路C1を流れる流体と第2部位112との接触面積を増加させることができるので、その分、流体中に含まれる菌を効率良く分解することができる。
【0022】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る殺菌装置1は、照明ユニットと、流路ユニットと、を備え、流路ユニットが照明ユニットに着脱自在に装着される。ここで、流路ユニットは、透光性を有する軟性材料から長尺に形成され、内部に長手方向に沿って延在する流路が形成された本体部と、長尺であり本体部と連続一体に形成されるとともに照明ユニットを保持する保持部と、を有する。また、照明ユニットは、可撓性を有する長尺の回路基板と、回路基板に列状に実装された複数の発光部と、透光性の軟性材料から形成され回路基板および複数の発光部を覆う長尺のカバーと、を有する。そして、保持部が、照明ユニットの複数の発光部それぞれから放射される光が流路内へ照射される姿勢で照明ユニットを着脱自在に保持する。
【0023】
本実施の形態に係る殺菌装置1は、図4に示すように、照明ユニット201と、流路ユニット202と、照明ユニット201を流路ユニット202に固定するための固定部材203と、を備える。照明ユニット201は、図5(A)および(B)に示すように、可撓性を有する長尺の回路基板21と、複数の発光部22と、発光部22に流れる電流を制限するための限流素子23と、可撓性を有する長尺なカバー2011と、を備える。また、照明ユニット201は、発光素子22へ電流を供給するための導電線13と、カバー2011の長手方向における両端部に装着されカバー2011内を密閉するキャップ12と、を備える。なお、図5(A)および(B)において、実施の形態1と同様の構成については図1および図2と同一の符号を付している。
【0024】
カバー2011は、透光性の軟性材料から略角筒状に形成されている。軟性材料としては、透光性を有する熱硬化性のポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂等を採用することができる。回路基板21および複数の発光部22は、カバー2011の内側に配置されている。回路基板21の短手方向における両端部は、カバー2011に埋設されている。また、カバー2011は、その外壁の角部に、その長手方向に沿ってテーパ面が形成されている。また、カバー2011の+Z方向側の外壁には、カバー2011の長手方向に沿って延長された溝2011aが設けられている。
【0025】
流路ユニット202は、図4に示すように、透光性を有する軟性材料から長尺に形成され、内部に長手方向に沿って延在する流路が形成された本体部221と、長尺であり本体部221と連続一体に形成されるとともに照明ユニットを保持する保持部222と、を有する。本体部221および保持部222は、透光性を有する軟性材料から形成されている。軟性材料としては、透光性を有する熱硬化性のポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を採用することができる。
【0026】
本体部221は、その内部に本体部221の長手方向に沿って延在する流路C21が形成されている。また、本体部221は、照明ユニット201の発光部22から放射される光に対して透明な第1部位2211と、光触媒を含む透光性材料から形成された第2部位2212と、を有する。ここで、第1部位2211は、照明ユニット201が流路ユニット202に保持された状態で、少なくとも本体部221における照明ユニット201と流路C1との間に介在する照明ユニット201の複数の発光部22の回路基板21の厚さ方向への投影領域A2を含んでいる。これにより、照明ユニット201の複数の発光部22から放射される光が、カバー2011および流路ユニット202の本体部221の第1部位111を透過して流路C21を流れる流体および流路C21の内壁に露出した第2部位2212に照射される。第1部位2211および第2部位2212は、いずれも、本体部221の長手方向に沿って延在している。第2部位2212は、一部が流路C1内に露出している。また、本体部221における流路C1の内壁には、図4および図6に示すように、本体部221の長手方向に沿って延在する複数の突条部2212aが形成されている。また、本体部221における保持部222側には、保持部222の長手方向に沿って延在し保持部222に照明ユニット201が保持された状態で照明ユニット201のカバー2011の溝2011aに嵌合するリブ2211aが設けられている。更に、本体部221には、固定部材203の一部が係止される突出部2211bと、段部2211cと、が設けられている。
【0027】
保持部222は、本体部221の−X方向側の端部における本体部221の長手方向全体から−Z方向側へ延出する長尺の矩形板状の第1延出片2221と、第1延出片2221における−Z方向側の端部から+X方向へ延出する長尺の矩形板状の第2延出片2222と、第2延出片2222の+X方向側の端部から+Z方向側へ立ち上がる立ち上げ片2223と、を有する。第2延出片2222は、図7の矢印AR3に示すように、第1延出片2221側の端部を支点として立ち上げ片2223が本体部221側に近づくように付勢されている。これにより、図4および図6に示すように、照明ユニット201は、流路ユニット202の本体部221と保持部222の第2延出片2222との間に配置された状態で、本体部221と第2延出片2222とで挟持された状態となる。このとき、本体部2221のリブ2211aが、照明ユニット201のカバー2011に設けられた溝2011aに嵌入され、立ち上げ片2223が照明ユニット201の+X方向側の側方に配置された状態となる。これにより、照明ユニット201が、+X方向側から保持部222の外方へ離脱することが抑制される。一方、保持部222の第2延出片2222を−Z方向側へ撓ませることにより、照明ユニット201を保持部222から離脱させることができる。このようにして、保持部222は、照明ユニット201の複数の発光部22それぞれから放射される光が流路ユニット202の流路C21内へ照射される姿勢で照明ユニット201を着脱自在に保持する。
【0028】
固定部材203は、長尺の矩形板状の主片231と、長尺の矩形板状であり主片231の短手方向における両端部それぞれから主片231の厚さ方向に沿った一方向、即ち、+Z方向側へ延出する一対の挟持片232と、一対の挟持片232それぞれにおける主片231側とは反対側の端部から互いに近づく方向へ突出したフック233と、を有する。固定部材203は、図4の矢印AR2に示すように、照明ユニット201が流路ユニット202に保持された状態で、−Z方向側から流路ユニット202に近づけて流路ユニット202に嵌め込む。固定部材203が流路ユニット202に嵌め込まれた状態では、図6に示すように、フック233が流路ユニット202の本体部221の突出部2211bの+Z方向側と段部2211cとに係止された状態となる。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態に係る殺菌装置2によれば、流路ユニット202の保持部222が、照明ユニット201の複数の発光部22それぞれから放射される光が流路C21内へ照射される姿勢で照明ユニット201を着脱自在に保持する。これにより、例えば照明ユニット201が故障した場合に照明ユニット201のみを交換すれば殺菌装置2の使用を継続することができるので、殺菌装置2の長寿命化を図ることができる。
【0030】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、実施の形態1に係る殺菌装置1において、本体部11が突条部112aとフィン113との少なくとも一方が設けられていない構成であってもよい。また、実施の形態2に係る殺菌装置2において、流路ユニット202の本体部221が、突条部2212aの無い構成であってもよいし、或いは、フィン(図示せず)が設けられた構成であってもよい。
【0031】
実施の形態1では、本体部11が、本体部11の内部に空隙C2が形成されている例について説明したが、これに限らず、本体部11の内部に流路C1のみが形成されており、回路基板21および発光部22が、本体部11の第1部位に埋設されているものであってもよい。
【0032】
実施の形態1において、本体部11の第2部位112が、光触媒とともに蛍光材料を含有するものであってもよい。この場合、殺菌装置1は、照明装置として機能することができる。特に、第2部位112が、光触媒として機能する酸化チタン(TiO)の微粒子を含有する場合、この酸化チタンの微粒子が光拡散剤として機能する。このため、複数の発光部22から放射される光が、第2部位112を透過する際、酸化チタンの微粒子により拡散される。このため、複数の発光部22が点灯している状態で、殺菌装置1を+Z方向側から見たときに、複数の発光部22がいわゆるドットとして見えてしまうことを抑制できる。
【0033】
各実施の形態では、導電線13が殺菌装置1の本体部11または照明ユニット201の長手方向における片端部のみから導出されている例について説明したが、これに限らず、導電線が、殺菌装置1の本体部11または照明ユニット201の長手方向における両端部それぞれから導出している構成であってもよい。
【0034】
以上、本発明の各実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の殺菌装置は、医療分野、食品加工分野における流体中に含まれる菌類を殺菌することにより流体の浄化、消臭を行う用途として好適である。
【符号の説明】
【0036】
1,2:殺菌装置、11,221:本体部、12:キャップ、12a:導出孔、13:導電線、21:回路基板、22:発光部、22a:発光素子、22b:発光部本体、22c:凹部、22d:透光性部材、23:限流素子、111,2211:第1部位、112,2212:第2部位、112a,2212a:突条部、113:フィン、201:照明ユニット、202:流路ユニット、203:固定部材、211:電極、222:保持部、231:主片、232:挟持片、233:フック、2011:カバー、2011a:溝、2211a:リブ、2211b:突出部、2211c:段部、2221:第1延出片、2222:第2延出片、2223:立ち上げ片、A1,A2:投影領域、C1,C21:流路、C2:空隙、J1:中心軸
【要約】
【課題】設置できるスペースの大きさまたは形状に制約がある場合でも設置可能な殺菌装置を提供する。
【解決手段】殺菌装置1は、可撓性を有する長尺の回路基板21と、回路基板21に列状に実装された複数の発光部22と、透光性を有する軟性材料から長尺に形成され、内部に長手方向に沿って延在する流路C1が形成された本体部11と、を備える。そして、回路基板21は、本体部11の内部における流路C1の外側に複数の発光部22それぞれから放射される光が流路C1内へ照射される姿勢で流路C1に沿って配置されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7