(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906266
(24)【登録日】2021年7月1日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】往復軸に用いられる磁粉シール装置
(51)【国際特許分類】
F16J 15/53 20060101AFI20210708BHJP
F16J 15/43 20060101ALI20210708BHJP
F16J 15/3232 20160101ALI20210708BHJP
F16J 15/3236 20160101ALI20210708BHJP
【FI】
F16J15/53
F16J15/43
F16J15/3232 101
F16J15/3236
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-21540(P2021-21540)
(22)【出願日】2021年2月15日
(65)【公開番号】特開2021-99163(P2021-99163A)
(43)【公開日】2021年7月1日
【審査請求日】2021年3月10日
(31)【優先権主張番号】202010675332.5
(32)【優先日】2020年7月14日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502192546
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】Tsinghua University
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】李 徳才
(72)【発明者】
【氏名】李 鉦皓
【審査官】
保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第104006162(CN,A)
【文献】
中国実用新案第203868346(CN,U)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0215533(US,A1)
【文献】
特開昭62−177367(JP,A)
【文献】
米国特許第05806856(US,A)
【文献】
中国実用新案第209705275(CN,U)
【文献】
中国特許出願公開第110848391(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J1/00−1/24
7/00−10/04
15/00−15/32
15/3204−15/3236
15/324−15/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
前記ケーシングを貫通する往復軸であって、前記ケーシングに対して前記往復軸の軸方向に沿って往復運動することができる、前記往復軸と、
前記ケーシング内に設けられるとともに、前記往復軸の外周側にセットされる第1ポールピースと、
前記ケーシング内に設けられるとともに、前記往復軸の外周側にセットされる第2ポールピースと、
前記ケーシング内に設けられるとともに、前記往復軸の外周側にセットされる永久磁石と、
第1磁粉ブロックを含む第1磁粉補充ユニットと、を備え、
前記第1ポールピースの内周壁には、前記往復軸の軸方向に沿って、間隔を空けて配置される複数の第1ポールティースが設けられ、前記第1ポールティースのティースの先端面と前記往復軸の外周面との間にはシールするための磁粉が設けられ、前記第1ポールピースは第1収容腔部を有し、
前記第2ポールピースの内周壁には、前記往復軸の軸方向に沿って、間隔を空けて配置される複数の第2ポールティースが設けられ、前記第2ポールティースのティースの先端面と前記往復軸の外周面との間には前記磁粉が設けられ、
前記永久磁石は前記第1ポールピースと前記第2ポールピースとの間に位置し、
前記永久磁石、前記第1ポールピース、前記磁粉、前記往復軸、及び前記第2ポールピースは磁気回路を形成し、
前記第1磁粉ブロックは前記第1収容腔部内に設けられるとともに、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、
前記第1位置において、前記第1磁粉ブロックは、前記往復軸の外周面に接触し、前記往復軸と摩擦して磁粉を生成させることで、前記第1ポールティースと前記往復軸との間の磁粉を補充し、
前記第2位置において、前記第1磁粉ブロックは、前記往復軸の外周面から離間している、
ことを特徴とする、往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項2】
前記第1磁粉補充ユニットは、第1操作部材と第1絶磁ブロックとをさらに含み、
前記第1操作部材は、一端が前記ケーシング及び前記第1ポールピースに挿通して前記第1収容腔部内に挿入されるとともに、前記第1磁粉ブロックに接続され、
前記第1絶磁ブロックは、前記第1ポールピースと前記第1磁粉ブロックとの間に設けられ、
前記第1操作部材は、前記第1絶磁ブロックを介して前記第1磁粉ブロックに繋がる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項3】
前記第1操作部材は、
前記ケーシングの外側に位置する第1エンド部と、
一端が前記第1エンド部に繋がり、他端が前記ケーシング及び前記第1ポールピースに挿通して前記第1収容腔部内に挿入されるとともに、前記第1絶磁ブロックに繋がる第1接続ロッドと、
を有することを特徴とする、請求項2に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項4】
前記第1接続ロッドは、前記ケーシング及び前記第1ポールピースに対して、前記第1接続ロッドの長さ方向に沿って移動することができ、
前記第1操作部材は、前記第1エンド部と前記ケーシングとの間において、前記第1エンド部と前記ケーシングとに当接するとともに、前記第1接続ロッドの外周側にセットされる第1戻しばねをさらに有する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項5】
前記第1接続ロッドはねじによって前記ケーシングに接続され、
前記第1絶磁ブロックは、前記第1接続ロッドに回動可能に繋がり、
前記第1収容腔部の内壁面には、前記第1接続ロッドの長さ方向に沿って延在するリミット溝が設けられ、
前記第1絶磁ブロックは、前記リミット溝内に移動可能に嵌め込まれる、
ことを特徴とする請求項3に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項6】
前記第1接続ロッドの軸方向において、前記第1絶磁ブロックと前記第1ポールピースとの間に介在するとともに、前記第1接続ロッドを取り囲む第1スペーサをさらに備える、
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項7】
前記往復軸における前記第1磁粉ブロックに対向する部位は、表面処理層が設けられ、または耐摩耗材料で製造される、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項8】
前記第2ポールピースは第2収容腔部を有し、
前記磁粉シール装置は、第2磁粉ブロックを含む第2磁粉補充ユニットをさらに備え、
前記第2磁粉ブロックは前記第2収容腔部内に設けられるとともに、第3位置と第4位置との間で移動可能であり、
前記第3位置において、前記第2磁粉ブロックは、前記往復軸の外周面に接触し、前記往復軸と摩擦して磁粉を生成させることで、前記第2ポールティースと前記往復軸との間の磁粉を補充し、
前記第4位置において、前記第2磁粉ブロックは前記往復軸の外周面から離間している、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項9】
前記第2磁粉補充ユニットは、第2操作部材と第2絶磁ブロックとをさらに含み、
前記第2操作部材は、一端が前記ケーシング及び前記第2ポールピースに挿通して前記第2収容腔部内に挿入されるとともに、前記第2磁粉ブロックに接続され、
前記第2操作部材は、前記第2絶磁ブロックを介して前記第2磁粉ブロックに繋がる、
ことを特徴とする請求項8に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【請求項10】
リップシールリングをさらに備え、
前記ケーシングは、前記往復軸が挿通する第1挿通穴及び第2挿通穴を有し、
前記第1挿通穴及び前記第2挿通穴のいずれの内周面にも、前記リップシールリングが嵌め込まれる環状溝が設けられる、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の往復軸に用いられる磁粉シール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はシール技術分野に関し、特に、往復軸に用いられる磁粉シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁粉シールは、磁性粒子を主体として、界面活性剤、潤滑剤等によって改質されて形成されたマイクロナノ磁性粉体(以下、「磁粉」と称する)をシール媒体とするシール形式である。磁粉シールは、高性能で新規のシール技術であり、従来のシール方式に比べて、漏れ率が低く、耐圧性が強く、信頼性が高く、極端温度に耐えられ、表面改質によって特定の環境における耐圧性を向上させることができるなどの利点を有する。
【0003】
しかしながら、関連技術における磁粉シール装置は、往復軸が往復運動する過程において、一部の磁粉が往復軸に付着しやすく、徐々に引きずられてシール隙間から離れるようになる。長期間往復動作すると、シール隙間に吸着される磁粉が少なくなり、シール装置は耐圧性が低下し、漏れ率が高くなり、ひいてはシール効果を完全に失うことになる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、少なくとも関連技術における技術課題の1つをある程度解決することを目的とする。そのために、本開示による実施例は、往復軸に用いられる磁粉シール装置を提供し、磁粉の自己補充を実現してシール装置のシール効果を向上させた。
【0005】
本開示による実施例における往復軸に用いられる磁粉シール装置は、ケーシングと、往復軸と、第1ポールピースと、第2ポールピースと、永久磁石と、第1磁粉補充ユニットとを備え、前記往復軸は前記ケーシングを貫通するとともに、前記ケーシングに対して、前記往復軸の軸方向に沿って往復運動することができ、前記第1ポールピースは、前記ケーシング内に設けられるとともに、前記往復軸の外周側にセットされ、前記第1ポールピースの内周壁には、前記往復軸の軸方向に沿って、間隔を空けて配置される複数の第1ポールティースが設けられ、前記第1ポールティースのティースの先端面と前記往復軸の外周面との間にはシールするための磁粉が設けられ、前記第1ポールピースは第1収容腔部を有し、前記第2ポールピースは、前記ケーシング内に設けられるとともに、前記往復軸の外周側にセットされ、前記第2ポールピースの内周壁には、前記往復軸の軸方向に沿って、間隔を空けて配置される複数の第2ポールティースが設けられ、前記第2ポールティースのティースの先端面と前記往復軸の外周面との間には前記磁粉が設けられ、前記永久磁石は、前記ケーシング内に設けられるとともに、前記往復軸の外周側にセットされ、前記永久磁石は、前記第1ポールピースと前記第2ポールピースとの間に位置し、前記永久磁石、前記第1ポールピース、前記磁粉、前記往復軸、及び前記第2ポールピースは磁気回路を形成し、前記第1磁粉補充ユニットは第1磁粉ブロックを含み、前記第1磁粉ブロックは前記第1収容腔部内に設けられるとともに、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記第1位置において、前記第1磁粉ブロックは、前記往復軸の外周面に接触し、前記往復軸と摩擦して磁粉を生成させることで、前記第1ポールティースと前記往復軸との間の磁粉を補充し、前記第2位置において、前記第1磁粉ブロックは前記往復軸の外周面から離間している。
【0006】
本開示による実施例における往復軸に用いられる磁粉シール装置は、第1磁粉補充ユニットの第1磁粉ブロックによって磁粉を生成させ、磁粉が磁場力の作用によってシール隙間に補充され、外部からシール隙間における磁粉を補充することが不要となり、磁粉の自己補充を実現する。本装置はシール効果が低下した後、シール性能を回復させることができ、シール装置の耐圧性を向上させるとともに、漏れ率を低減させる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1磁粉補充ユニットは、第1操作部材と第1絶磁ブロックとをさらに含む。前記第1操作部材の一端は、前記ケーシング及び前記第1ポールピースを挿通して前記第1収容腔部内に挿入されるとともに、前記第1磁粉ブロックに接続され、前記第1絶磁ブロックは前記第1ポールピースと前記第1磁粉ブロックとの間に設けられ、前記第1操作部材は前記第1絶磁ブロックを介して前記第1磁粉ブロックに繋がる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第1操作部材は第1エンド部と第1接続ロッドとを有し、前記第1エンド部は前記ケーシングの外側に位置し、前記第1接続ロッドは、一端が前記第1エンド部に繋がり、他端が前記ケーシング及び前記第1ポールピースを挿通して前記第1収容腔部内に挿入されるとともに、前記第1絶磁ブロックに繋がる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第1接続ロッドは前記ケーシング及び前記第1ポールピースに対して前記第1接続ロッドの長さ方向に沿って移動することができ、前記第1操作部材は第1戻しばねをさらに有し、前記第1戻しばねは、前記第1エンド部と前記ケーシングとの間において、前記第1エンド部と前記ケーシングとに当接するとともに、前記第1接続ロッドの外周側にセットされる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第1接続ロッドはねじによって前記ケーシングに接続され、前記第1絶磁ブロックは前記第1接続ロッドに回動可能に繋がり、前記第1収容腔部の内壁面には、前記第1接続ロッドの長さ方向に沿って延在するリミット溝が設けられ、前記絶磁ブロックは前記リミット溝内に移動可能に嵌め込まれる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記磁粉シール装置は第1スペーサをさらに備え、前記第1スペーサは、前記第1絶磁ブロックの前記第1ポールピースに近い側に設けられるとともに、前記第1接続ロッドを取り囲む。
【0012】
いくつかの実施例において、前記往復軸における前記第1磁粉ブロックに対向する部位は、表面処理層が設けられ、または耐摩耗材料で製造される。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第2ポールピースは第2収容腔部を有し、前記磁粉シール装置は、第2磁粉ブロックを含む第2磁粉補充ユニットをさらに備え、前記第2磁粉ブロックは前記第2収容腔部内に設けられるとともに、第3位置と第4位置との間で移動可能であり、前記第3位置において、前記第2磁粉ブロックは、前記往復軸の外周面に接触し、前記往復軸と摩擦して磁粉を生成させることで、前記第2ポールティースと前記往復軸との間の磁粉を補充し、前記第4位置において、前記第2磁粉ブロックは前記往復軸の外周面から離間している。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第2磁粉補充ユニットは第2操作部材と第2絶磁ブロックとをさらに含み、前記第2操作部材の一端は、前記ケーシング及び前記第2ポールピースを挿通して前記第2収容腔部内に挿入されるとともに、前記第2磁粉ブロックに接続され、前記第2操作部材は前記第2絶磁ブロックを介して前記第2磁粉ブロックに繋がる。
【0015】
いくつかの実施例において、磁粉シール装置はリップシールリングをさらに備え、前記ケーシングは、前記往復軸が挿通する第1挿通穴及び第2挿通穴を有し、前記第1挿通穴及び前記第2挿通穴のいずれの内周面にも、前記リップシールリングが嵌め込む環状溝が設けられる。
【0016】
本開示の付加的内容及び利点は、一部が以下の説明において開示され、一部が以下の説明によって明瞭となり、或いは本開示の応用によって把握される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示による実施例における磁粉シール装置の断面図である。
【
図2】
図1に示す磁粉シール装置のA−A断面図である。
【
図3】本開示による実施例における磁粉シール装置の第1磁粉ブロックが第1位置にある様子を示す模式図である。
【
図4】本開示による別の実施例における磁粉シール装置の断面図である。
【
図5】本開示によるさらなる別の実施例における磁粉シール装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施例を詳しく説明する。前記実施例の例示は図面において示される。以下に図面を参照しながら説明する実施例は例示的なものであり、本開示を説明するためめのものであって、本開示を限定するためのものではない。
【0019】
図1と
図2に示すように、本開示による実施例における往復軸2に用いられる磁粉シール装置は、ケーシング1と、往復軸2と、第1ポールピース3と、第2ポールピース4と、永久磁石5と、第1磁粉補充ユニット6とを備える。
【0020】
ここで、往復軸2はケーシング1を貫通するとともに、ケーシング1に対して往復軸2の軸方向(
図1における矢印Bが示す方向)に沿って往復運動することができる。第1ポールピース3はケーシング1内に設けられるとともに、往復軸2の外周側にセットされる。第1ポールピース3の内周壁には、往復軸2の軸方向に沿って、間隔を空けて配置される複数の第1ポールティース31が設けられる。第1ポールティース31のティースの先端面と往復軸2の外周面との間には、シールするための磁粉が設けられ、第1ポールピース3は第1収容腔部を有する。第2ポールピース4はケーシング1内に設けられるとともに、往復軸2の外周側にセットされる。第2ポールピース4の内周壁には、往復軸2の軸方向に間隔を空けて配置される複数の第2ポールティース41が設けられる。第2ポールティース41のティースの先端面と往復軸2の外周面との間には、同様に磁粉が設けられる。
【0021】
永久磁石5はケーシング1内に設けられるとともに、往復軸2の外周側にセットされ、永久磁石5は第1ポールピース3と第2ポールピース4との間に位置する。永久磁石5、第1ポールピース3、磁粉、往復軸2、及び第2ポールピース4は磁気回路を形成する。なお、第1ポールピース3、往復軸2、及び第2ポールピース4は何れも導磁性材料で製造されるが、ケーシング1は非導磁性材料で製造される。磁粉は、磁場の作用によって第1ポールティース31および第2ポールティース41のティースの先端面に吸着され、往復軸2に接触してシールを実現する。以下、説明を容易にするために、往復軸2と、第1ポールティース31または第2ポールティース41との間の隙間を、何れもシール隙間と称する。
【0022】
第1磁粉補充ユニット6は第1磁粉ブロック61を含み、第1磁粉ブロック61は、第1ポールピース3の第1収容腔部内に設けられるとともに、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、第1位置において、第1磁粉ブロック61は、往復軸2の外周面に接触し、往復軸2と摩擦して磁粉を生成させる。シール隙間における磁力線が最も密集するので、摩擦によって形成された磁粉は磁場力の作用によって、第1磁粉ブロック61から第1ポールティース31に流れ、第1ポールティース31に吸着され、シール隙間における磁粉の補充を実現するようになる。第2位置において、第1磁粉ブロック61は往復軸2の外周面から離間し、磁粉を生成させない。
【0023】
なお、前記磁粉は、平均粒径が30nmのSmCo
5粉末と平均粒径が100μmのオレイン酸コートFe
3O
4粒子を、質量比2:1で混合し、二硫化モリブデンを加えて混合して調整された粉体である。第1磁粉ブロック61は、上述磁粉を樹脂と混合してプレスして形成されたブロック状の固体である。
【0024】
本開示による実施例における磁粉シール装置は、第1磁粉補充ユニット6が設けられ、第1磁粉補充ユニット6の第1磁粉ブロック61によって磁粉を生成させ、磁粉が磁場力の作用によってシール隙間に補充され、外部からシール隙間における磁粉を補充することが不要となり、装置内の磁粉の自己補充を実現する。本装置はシール効果が低下した後、シール性能を回復させることができ、シール装置の耐圧性を向上させるとともに、漏れ率を低減させる。
【0025】
本開示による実施例における第1磁粉補充ユニット6は、第1操作部材と第1絶磁ブロック62とをさらに含み、第1操作部材の一端はケーシング1及び第1ポールピース3を挿通して第1収容腔部内に挿入されるとともに、第1磁粉ブロック61に接続される。このように設置すると、ユーザは、第1操作部材によって、第1磁粉ブロック61を、往復軸2に対して接離するように制御することができる。また、第1操作部材により磁粉ブロックへの圧力が制御可能であるため、磁粉ブロックと往復軸2との間の圧力を制御することで単位時間内に生成される磁粉の量を制御することによって、ユーザは、磁粉の消耗程度とシール装置のシール性能に基づいて、磁粉を適応に補充することができる。
【0026】
磁粉ブロックと他の部品との磁気性能が相互に影響することを避けるために、第1ポールピース3と第1磁粉ブロック61との間に第1絶磁ブロック62が設けられる。第1絶磁ブロック62は、例えば、消磁した304ステンレス鋼又はアルミニウム合金材料などの非導磁性材料で製造される。第1操作部材は、第1絶磁ブロック62を介して第1磁粉ブロック61に繋がる。本実施例において、第1絶磁ブロック62と第1磁粉ブロック61との繋がりは接着剤によって実現されるが、当然ながらこれに限らず、他の方式で接続してもよく、安定的に接続する効果を奏すればよい。
【0027】
いくつかの実施例において、第1操作部材は、第1エンド部63と第1接続ロッド64とを有し、第1エンド部63は、ケーシング1の外側に位置し、第1接続ロッド64は、一端が第1エンド部63に繋がり、他端がケーシング1及び第1ポールピース3を挿通して第1収容腔部内に挿入されるとともに、第1絶磁ブロック62に繋がる。このように設置すると、ユーザは、第1エンド部63によって第1接続ロッド64を制御することができるとともに、接続ロッドに圧力を容易に加えることができ、より精確に磁粉の補充量を制御することができる。
【0028】
さらに、
図1に示すように、第1操作部材は第1戻しばね65をさらに有し、第1接続ロッド64はケーシング1及び第1ポールピース3に対して、第1接続ロッド64の長さ方向に沿って移動することができ、第1戻しばね65は、第1エンド部63とケーシング1との間において、第1エンド部63とケーシング1とに当接するとともに接続ロッドの外周側にセットされる。換言すれば、第1戻しばね65は、一端が第1エンド部63のケーシング1に近い側に当接し、他端がケーシング1に当接する。
【0029】
このように設置すると、ユーザは、第1エンド部63を押すことで、簡単かつ直接的に第1接続ロッド64に圧力を加えることができる。また、磁粉の補充が完了した後、第1操作部材は第1戻しばね65の作用によって自動的に復帰し、第1磁粉ブロック61は往復軸2から離間する。したがって、操作は容易になる。さらに、第1戻しばね65は第1エンド部63に対して支持力を継続的に付与することもでき、自然状態において第1磁粉ブロック61が往復軸2に接触しないことを保証する。
【0030】
図4に示すように、別の実施例において、第1接続ロッド64は、ねじによってケーシング1に接続され、第1絶磁ブロック62は、第1接続ロッド64に回動可能に繋がり、第1収容腔部の内壁面には、第1接続ロッド64の長さ方向に沿って延在するリミット溝が設けられ、第1絶磁ブロック62はリミット溝内に移動可能に嵌め込まれる。換言すれば、第1絶磁ブロック62は、第1接続ロッド64に対して回動可能であるとともに、第1絶磁ブロック62はリミット溝に対して、その延在方向に沿って移動することのみが可能であり、リミット溝に対して回動することができない。第1接続ロッド64の外周には雄ねじが設けられ、ケーシング1にはねじ穴が設けられ、第1接続ロッド64はケーシング1のねじ穴内に嵌め込まれる。本実施例において、第1絶磁ブロック62と第1接続ロッド64とはピン軸によって接続され、前記ピン軸と第1接続ロッド64とは同軸に設けられるとともに、絶磁ブロックが正常に回動できるように十分な隙間が設けられている。
【0031】
なお、第1絶磁ブロック62を容易にリミット溝内に取り付けるために、
図4に示すように、第1ポールピース3は分離構造を有し、第1左側半ポールピースと第1右側半ポールピースに分けられる。取り付ける際に、まず第1絶磁ブロック62と第1磁粉ブロック61とを接続させ、そして、第1左側半ポールピースをケーシング1内に入れて、第1絶磁ブロック62と第1接続ロッド64とを繋ぎ、最後に、第1右側半ポールピースを取り付ける。
【0032】
よって、ユーザは、
図4における矢印Dが示す方向に沿って第1接続ロッド64又は第1エンド部63を回転させることで、第1接続ロッド64をねじ穴の長さ方向に移動させて、第1絶磁ブロック62をリミット溝の延在方向に沿って移動させるようにすることができる。第1絶磁ブロック62は、第1磁粉ブロック61を移動させ、最終的に往復軸2と接触させて摩擦によって磁粉を生成させる。このような方法では、エンド部又は接続ロッドに対して継続的に付勢する必要がなく、かつ第1磁粉ブロック61に対してより大きな圧力を提供し、より速やかに磁粉を補充することができる。
【0033】
いくつかの実施例において、第1磁粉補充ユニット6は第1スペーサ66をさらに備え、第1スペーサ66は、第1絶磁ブロック62の第1ポールピース3に近い側に設けられるとともに、第1接続ロッド64を取り囲む。第1スペーサ66は、第1絶磁ブロック62とケーシング1の内周壁との間に設けられるとともに、第1接続ロッド64の外周側にセットされる。第1スペーサ66はシール作用を奏し、第1収容腔部が、第1ポールピース3及びケーシング1と第1接続ロッド64との隙間を介して外部に連通されることにより、シールが無効になることを防止する。また、別の実施例において、第1ポールピース3の外周壁には環状溝が開設され、前記環状溝内にはOリングが設けられる。Oリングは、シールされるチャンバーが、第1ポールピース3とケーシング1との隙間を介して外部に連通されることを防止するために用いられる。
【0034】
図1に示すように、いくつかの実施例において、磁粉シール装置は第2磁粉補充ユニット7をさらに備える。第2磁粉補充ユニット7の構造は第1磁粉補充ユニット6とほぼ同様であり、ケーシング1内における相対的な位置が異なる点で相違する。第1磁粉補充ユニット6は第1ポールピース3に対応し、第1ポールティース31における磁粉を補充するためのものである。第2磁粉補充ユニット7は第2ポールピース4に対応し、第2ポールティース41における磁粉を補充するためのものである。
【0035】
具体的には、前記第2磁粉補充ユニットは、第2磁粉ブロック71と、第2操作部材と、第2絶磁ブロック72とを含み、第2ポールピース4は第2収容腔部を有する。第2磁粉ブロック71は、第2収容腔部内に設けられるとともに、第3位置と第4位置との間で移動可能である。第3位置において、第2磁粉ブロック71は往復軸2の外周面に接触し、往復軸2と摩擦して磁粉を生成させることで、第2ポールティース41と往復軸2との間の磁粉を補充する。第4位置において、第2磁粉ブロック71は往復軸2の外周面から離間している。
【0036】
なお、第2磁粉補充ユニット7は、同様に第1スペーサ66に対応する第2スペーサ76を有する。第2スペーサ76は、第2絶磁ブロック72の第2ポールピース4に近い側に設けられるとともに、第2接続ロッド74を取り囲むことで、第2収容腔部が、第2ポールピース4及びケーシング1と第2接続ロッド74との隙間を介して外部に連通されることを防止する。同様に、第2ポールピース4の外周壁には環状溝が開設され、前記環状溝内にはOリングが設けられる。Oリングは、シールされるチャンバーが、第2ポールピース4とケーシング1との隙間を介して外部に連通されることを防止するためのものである。
【0037】
いくつかの実施例において、往復軸2における第1磁粉ブロック61及び第2磁粉ブロック71に対向する部位は、表面処理層が設けられ、または耐摩耗材料で製造される。往復軸2の少なくとも一部の表面は耐摩耗材料、或いは表面処理された表面処理層であると理解される。少なくとも一部とは、磁粉ブロックに接触し得る部分である。このようにして、往復軸2の硬さと耐摩耗性を向上させる。
【0038】
上記効果を達成するために、往復軸2は複数の軸セグメントを組み合わせたものであってもよく、一体的な構造であってもよい。
図1に示すように、往復軸2は、左セグメント、第1耐摩耗セグメント、中間セグメント、第2耐摩耗セグメント、及び右セグメントをこの順に繋がるように含む。ここで、第1耐摩耗セグメントと第2耐摩耗セグメントとは45鋼で加工されたものである。左セグメント、中間セグメント、及び右セグメントはQ235鋼で加工されたものである。また、これらのセグメントはねじによって接続される。このように設置すると、材料コストを低減することができる。
図5に示すように、往復軸2は一体的な構造であるため、表面処理の方法で加工することによってコストを低減することができる。表面処理の方法は浸炭、窒化、クロムメッキ、表面焼き入れ、ショットピーニングなどを含む。
【0039】
いくつかの実施例において、磁粉シール装置はリップシールリング8をさらに備え、ケーシング1は、往復軸2が挿通する第1挿通穴及び第2挿通穴を有し、第1挿通穴及び第2挿通穴のいずれの内周面にも、リップシールリング8が嵌め込む環状溝が設けられる。よって、磁粉シールとリップシールとを組み合わせたシール方法は、シール隙間から逸脱した磁粉がケーシング1から容易に離れることなく、磁粉による外部の動作環境の汚染を低減し、信頼性の高いシール効果が実現される。
【0040】
なお、本開示による実施例における磁粉シール装置は、ケーシング1の構造が一体的な構造であってもよいが、装着を容易にするために、ケーシング1を分離構造にして設置してもよく、或いはケーシング1に開口を設けて端蓋11を追加的に設置してもよい。
【0041】
以下、
図1〜
図3を参照しながら本開示による具体例における往復軸2に用いられる磁粉シール装置を説明する。
【0042】
図1と
図2に示すように、本開示による実施例における往復軸2に用いられる磁粉シール装置は、ケーシング1と、往復軸2と、第1ポールピース3と、第2ポールピース4と、永久磁石5と、第1磁粉補充ユニット6と、第2磁粉補充ユニット7とを備える。
【0043】
ケーシング1は、右端が開口し、開口箇所には端蓋11が設けられる。ケーシング1の左端には第1挿通穴を有し、端蓋11には第2挿通穴を有する。往復軸2は第1挿通穴と第2挿通穴とを貫通する。第1挿通穴及び第2挿通穴のいずれの内周面にも、リップシールリング8が嵌め込む環状溝が設けられる。第1ポールピース3及び第2ポールピース4は、何れも往復軸2の外周側にセットされるとともに、ケーシング1の内部に位置する。第1ポールピース3の外周壁はケーシング1の内周壁に当接する。第2ポールピース4の外周壁はケーシング1の内周壁に当接する。第1ポールピース3と第2ポールピース4との間には永久磁石5が設けられ、永久磁石5はケーシング1に接触しない。永久磁石5、第1ポールピース3、磁粉、往復軸2、及び第2ポールピース4は磁気回路を形成し、安定的な磁場を発生させる。第1ポールピース3は複数の第1ポールティース31を有し、第2ポールピース4は複数の第2ポールティース41を有する。第1ポールティース31及び第2ポールティース41は磁場力の作用によって磁粉を吸着し、磁粉はシール隙間に充填されてシール作用を奏する。
【0044】
第1ポールピース3は第1収容腔部を有する。第1収容腔部内には第1磁粉補充ユニット6が設けられる。第2ポールピース4は第2収容腔部を有する。第2収容腔部内には第2磁粉補充ユニット7が設けられる。
【0045】
第1磁粉補充ユニット6は第1磁粉ブロック61、第1絶磁ブロック62、及び第1操作部材を有する。第1磁粉ブロック61と第1絶磁ブロック62は第1収容腔部内に設けられる。第1操作部材はケーシング1を挿通して第1絶磁ブロック62に繋がり、第1絶磁ブロック62は第1磁粉ブロック61に繋がる。第2磁粉補充ユニット7は第2磁粉ブロック71、第2絶磁ブロック72、及び第2操作部材を含む。第2磁粉ブロック71と第2絶磁ブロック72は第2収容腔部内に設けられる。第2操作部材はケーシング1を挿通して第2絶磁ブロック72に繋がり、第2絶磁ブロック72は第2磁粉ブロック71に繋がる。
【0046】
第1操作部材は第1エンド部63、第1接続ロッド64、及び第1戻しばね65を有する。第1接続ロッド64は、一端が第1エンド部63に繋がり、他端がケーシング1及び第1ポールピース3を挿通して第1絶磁ブロック62に繋がる。第1接続ロッド64はその長さ方向に沿って移動することができる。第1戻しばね65は第1エンド部63とケーシング1との間において、第1エンド部63とケーシング1とに当接するとともに第1接続ロッド64の外周側にセットされる。第1絶磁ブロック62の第1ポールピース3に近い側には第1スペーサ66が設けられる。第1スペーサ66は第1接続ロッド64の外周側にセットされる。第2操作部材は第2エンド部73、第2接続ロッド74、及び第2戻しばね75を有する。第2接続ロッド74は、一端が第2エンド部73に繋がり、他端がケーシング1及び第2ポールピース4を挿通して第2絶磁ブロック72に繋がる。第2接続ロッド74はその長さ方向に沿って移動することができる。第2戻しばね75は第2エンド部73とケーシング1との間において、第2エンド部73とケーシング1とに当接するとともに第2接続ロッド74の外周側にセットされる。第2絶磁ブロック72の第2ポールピース4に近い側には第2スペーサ76が設けられる。第2スペーサ76は第2接続ロッド74の外周側にセットされる。
【0047】
往復軸2は、左セグメント、第1耐摩耗セグメント、中間セグメント、第2耐摩耗セグメント、及び右セグメントをこの順に繋がるように含む。ここで、第1耐摩耗セグメントと第2耐摩耗セグメントとは45鋼で加工されたものである。左セグメント、中間セグメント、及び右セグメントはQ235鋼で加工されたものである。かつ隣接する2つのセグメントはねじによって接続される。
【0048】
図2と
図3に示すように(
図3における矢印Cが示す方向は付勢方向である)、第1ポールティース31に対応するシール隙間における磁粉を補充する必要がある場合、第1エンド部63を押すだけで、第1接続ロッド64は第2位置から第1位置に移動し、第1磁粉ブロック61は第1耐摩耗セグメントに接触し、往復軸2は往復運動する過程において第1磁粉ブロック61と摩擦し、第1磁粉ブロック61に磁粉を生成させる。磁粉は磁場力の作用によって、第1ポールティース31のシール隙間に流れて磁粉の自己補充を完成する。このとき、ユーザは第1エンド部63を開放し、第1戻しばね65の作用によって、第1操作部材は第2位置に復帰し、第1磁粉ブロック61は往復軸2から離間し、磁粉を生成させない。
【0049】
本開示の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、本開示を容易に説明するためのものや説明を簡略化するためのものに過ぎず、当該装置又は部品が必ず特定な方位を有すること、特定な方位で構成や操作することを示す又は暗示するためのものではないため、本開示を限定するものとして理解すべきではないと理解されるべきである。
【0050】
また、「第1」、「第2」という用語は目的を説明するためのみに用いられ、相対的な重要性を示す又は暗示するためのもの、或いは示される技術特徴の数を暗示するためのものとして理解すべきではない。よって、「第1」、「第2」で限定される特徴は少なくとも1つの当該特徴を有することを示す又は暗示することができる。本開示の説明において、「複数」は、明確で具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0051】
本開示において、明確な規定や限定がない限り、「取り付ける」、「繋がる」、「接続」、「固定」等の用語は広義に理解されるべきである。例えば、明確な限定がない限り、固定的に接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体的になってもよく、そして、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、又は互いに通信可能であってもよく、さらに、直接的に繋がってもよく、中間媒介を介して間接的に繋がってもよく、2つの部品の内部の連通又は2つの部品の相互作用関係であってもよい。当業者は具体的な状況に応じて、上記用語の本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0052】
本開示において、明確な規定や限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるということは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することであってもよく、又は第1特徴と第2特徴とが中間媒介を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上部」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上方にあることであってもよく、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴の水平高さよりも高いことを示してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下部」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下方にあることであってもよく、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴の水平高さよりも低いことを示してもよい。
【0053】
本開示において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体例」又は「いくつかの例示」等の、当該実施例又は例示を参照して説明した具体的な特徴、構成、材料又はポイントは、本開示の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれる。本明細書において、上記用語に対する模式的な説明は必ずしも同一の実施例又は例示に対するものではなくてもよい。また、説明した具体的な特徴、構成、材料又はポイントをいずれか又は複数の実施例又は例示において適当に組み合わせることができる。さらに、互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書における異なる実施例又は例示、異なる実施例又は例示の特徴を組み合わせることができる。
【0054】
前文において本開示の実施例を説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本開示を限定するものとして理解すべきではない。当業者は本開示の範囲で上記実施例に対して変更、修正、置き換え、変形を行うことができると理解される。
【符号の説明】
【0055】
1 ケーシング
11 端蓋
2 往復軸
3 第1ポールピース
31 第1ポールティース
4 第2ポールピース
41 第2ポールティース
5 永久磁石
6 第1磁粉補充ユニット
61 第1磁粉ブロック
62 第1絶磁ブロック
63 第1エンド部
64 第1接続ロッド
65 第1戻しばね
66 第1スペーサ
7 第2磁粉補充ユニット
71 第2磁粉ブロック
72 第2絶磁ブロック
73 第2エンド部
74 第2接続ロッド
75 第2戻しばね
76 第2スペーサ
8 リップシールリング