【実施例】
【0084】
以下の実施例は、本発明の詳細な説明のみを目的とするものであって、何らかの方法で本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0085】
丹参と田七人参エキスの定量方法
以下の実施例において、タンジン、サルビアノール酸T、プロトカテクアルデヒド、ロスマリン酸、サルビアノール酸B、サルビアノール酸A、ジヒドロタンシノンI、タンシノンI、クリプトタンシノン、タンシノンIIA、田七人参サポニンR1、ギンセノシドRg1、ギンセノシドRe、ギンセノシドRb1及びギンセノシドRdを含む、漢方薬の各成分を、以下の方法で定量した。
【0086】
サルビアノール酸及びタンシノンの定量
レファレンス及び試験溶液の調製
レファレンス溶液の調製:タンジン、サルビアノール酸T、プロトカテクアルデヒド、サルビアノール酸D、ロスマリン酸、サルビアノール酸B、サルビアノール酸A、ジヒドロタンシノンI、タンシノンI、クリプトタンシノン、タンシノンIIAを含む、特定量のレファレンス物質を正確に秤量し、10mLのボルメトリックフラスコに移し、メタノールでスケールに希釈した。適宜希釈を続け、よく振盪し、0.22μmの膜でろ過し、以下のレファレンス溶液をそれぞれ得た:
タンジン0.0315mg/mL、サルビアノール酸T0.04596mg/mL、プロトカテクアルデヒド0.07556mg/mL、サルビアノール酸D0.04385mg/mL、ロスマリン酸0.04263mg/mL、サルビアノール酸B0.04248mg/mL、サルビアノール酸A0.1118mg/mL、ジヒドロタンシノンI0.02098mg/mL、タンシノンI0.02085mg/mL、クリプトタンシノン0.02442mg/mL、タンシノンIIA0.01992mg/mL。
【0087】
試験溶液の調製:0.1gの丹参及び田七人エキスを正確に秤量し、10mLのボルメトリックフラスコに移し、純水で溶解し、スケールに希釈し、0.22μmの膜でろ過し
、試験溶液を得た。
【0088】
方法:10μLのレファレンス及び試験溶液を、それぞれ正確に吸引し、分析のためHPLCに注入した。
クロマトグラフカラム:アジレント社 Zorbax SB C18(4.6×250mm、5μm);
フローレート:0.5mL/分
カラム温度:30℃
検出波長:281nm
溶離条件を以下の表3に示す。
【表3】
【0089】
波長281nm下の、タンジン、サルビアノール酸T、プロトカテクアルデヒド、サルビアノール酸D、ロスマリン酸、サルビアノール酸B、サルビアノール酸A、ジヒドロタンシノンI、タンシノンI、クリプトタンシノン及びタンシノンIIAの保持時間を、
図11及び表4に示す。
【表4】
【0090】
サポニンの検出
レファレンス溶液の調製:
田七人参サポニンR1、ギンセノシドRg1、ギンセノシドRe、ギンセノシドRb1及びギンセノシドRdを含む、特定量のレファレンス物質を正確に秤量し、メタノールを加えて、それぞれ0.5mg、2.0mg、1.0mg、0.5mg、0.5mg、0.5mg、1.0mg/mLを含む、レファレンス溶液を得た。
【0091】
試験溶液の調製:
0.1gの丹参及び田七人参エキスを正確に秤量し、4%アンモニア溶液(10mL)で溶解し、D101マイクロポーラスカラム(内径:0.7cm、高さ:5cm)を通過させ、これをはじめに30mLの水、30mLのメタノール(30%)及び10mLのメタノールで溶出させ、10mLボルメトリックフラスコ中にメタノール溶液を回収し、よく振盪して、試験溶液を得た。
【0092】
クロマトグラフ条件及びシステム適正試験:
オクタデシルシランが結合したシリカゲルを、バルキング剤として用いた;アセトニトリルを移動相“A”として使用し、水を移動相“B”として使用した。下記表5に従い、勾配溶離法を使用し、フローレート1.0mL/分、検出波長203nm、カラム温度30℃、記録時間75分とした。
【0093】
【表5】
【0094】
測定:10μLのレファレンス及び試験溶液を、それぞれ正確に吸引し、分析のためHPLCに注入し、前記条件下で分析した。各成分の保持時間を
図12に示す。
【0095】
本発明の漢方薬組成物の調製
実施例1
丹参の生薬820gを1〜2cmの長さに切断し、田七人参の生薬160gを砕いて0.18cmの粒子にした。総生薬の2.25wt%を占める重炭酸ナトリウムを秤量し、抽出タンクに丹参及び田七人参とともに入れ、5倍の水を加えて加熱し、2時間沸騰状態を維持し、ろ過した。得られた残渣を、4倍の水を加え、加熱し、2時間沸騰を維持することを行って2回抽出し、そしてろ過した。残渣を除去した。2回の抽出により得られた抽出溶液を、相対密度1.16−1.20(80±5℃)又は相対糖度48〜52%に濃縮し、濃縮液体を得た。前記液体をアルコール沈殿タンクに供給し、最終エタノール濃度が65〜70%となるように適量のエタノールで満たし、12時間静置して、完全に沈殿させた。上澄みを分離し、沈殿物を排出した。上澄みを濃縮してエキスとし、乾燥して丹参及び田七人参エキスを得た。
上述の方法により、丹参及び田七人参エキスを定量し、成分の濃度を以下に示す。
タンジン36mg/g、サルビアノール酸T11mg/g、プロトカテクアルデヒド17mg/g、サルビアノール酸D6mg/g、ロスマリン酸7mg/g、サルビアノール酸B13mg/g、サルビアノール酸A9mg/g、田七人参サポニンR1 17mg/gギンセノシドRg1 24mg/g、ギンセノシドRe3mg/g、ギンセノシドRb1
18mg/g、ギンセノシドRd4mg/g、ジヒドロタンシノンI 0.3mg/g、タンシノンI 0.7mg/g、クリプトタンシノン 0.6mg/g、タンシノンIIA 2.7mg/g。
90gの丹参及び田七人参エキスを、ボルネオール9gに加え、漢方薬を得た。
【0096】
実施例2
実施例1で得た丹参及び田七人参エキス75gとボルネオール25gを均一に混合して
、漢方薬組成物を得た。
【0097】
実施例3
丹参の生薬800.0g及び田七人参の生薬150.0gをアルカリ条件下(pH=9)で、3回、各々1時間、水で煮だし(煎じ)、ろ過してろ液Iを得た。得られた残渣を、3回、各々1時間、水で煮出し、ろ過してろ液IIを得た。ろ液Iとろ液IIを合わせて濃縮した。濃縮した液体を、最終エタノール濃度が70%となるようにエタノールに加え、静置した。上澄みをろ過し、エタノールを補充し、濃縮し乾燥して、丹参及び田七人参エキスを得た。
【0098】
上述の方法により、丹参及び田七人参エキスを定量し、成分濃度を以下に示す。
タンジン40mg/g、サルビアノール酸T12mg/g、プロトカテクアルデヒド20mg/g、サルビアノール酸D7mg/g、ロスマリン酸9mg/g、サルビアノール酸B16mg/g、サルビアノール酸A12mg/g、田七人参サポニンR1 9mg/g、ギンセノシドRg1 28mg/g、ギンセノシドRe4mg/g、ギンセノシドRb1 22mg/g、ギンセノシドRd6mg/g、ジヒドロタンシノンI 0.4mg/g、タンシノンI 0.8mg/g、クリプトタンシノン0.6mg/g、タンシノンIIA 2.8mg/g。
99.9gの丹参及び田七人参エキスを、ボルネオール0.1gに加え、漢方薬を得た。
【0099】
実施例4
実施例3で得た丹参及び田七人参エキス90gとボルネオール10gを均一に混合して、漢方薬組成物を得た。
【0100】
実施例5
丹参の生薬750gと田七人参の生薬250gをアルカリ条件下(pH7.5)で、2回、各々2時間、水で煮出し、ろ過してろ液Iを得た。得られた残渣を2回、各々2時間、水で煮出し、ろ過してろ液IIを得た。ろ液Iとろ液IIを合わせて濃縮した。濃縮した液体を、最終エタノール濃度が70%となるようにエタノールに加え、静置した。上澄みをろ過し、エタノールを補充し、濃縮し乾燥して、丹参及び田七人参エキスを得た。
上述の方法により、丹参及び田七人参エキスは、タンジン、サルビアノール酸T、プロトカテクアルデヒド、サルビアノール酸D、ロスマリン酸、サルビアノール酸B、サルビアノール酸A、田七人参サポニンR1、ギンセノシドRg1、ギンセノシドRe、ギンセノシドRb1、ギンセノシドRd、ジヒドロタンシノンI、タンシノンI、クリプトタンシノン及びタンシノンIIAを、それぞれ、30mg/g、9mg/g、14mg/g、5mg/g、5mg/g、10mg/g、7mg/g、5mg/g、18mg/g、2mg/g、17mg/g、2mg/g、0.3mg/g、0.7mg/g、0.5mg/g、及び2.6mg/gにて含んでいた。
50gの丹参及び田七人参エキスとボルネオール50gを均一に混合して、漢方薬組成物を得た。
【0101】
実施例6
実施例5で得た丹参及び田七人参エキス99gと、ボルネオール1gを均一に混合して、漢方薬組成物を得た。
【0102】
実施例7
丹参の生薬83gと田七人参の生薬17gを、アルカリ条件下(pH7.5)で、2回、各々2時間、水で煮出し、ろ過してろ液Iを得た。得られた残渣を2回、各々2時間水で煮だして、ろ過してろ液IIを得た。ろ液Iとろ液IIを合わせて濃縮した。濃縮した
液体を、最終エタノール濃度が70%となるようにエタノールに加え、静置した。上澄みをろ過し、エタノールを補充し、濃縮し乾燥して、丹参及び田七人参エキスを得た。1質量部のボルネオールを添加して、漢方薬を得た。前記ボルネオールは市販品であった。
上述の方法により、丹参及び田七人参エキスは、タンジン、サルビアノール酸T、プロトカテクアルデヒド、サルビアノール酸D、ロスマリン酸、サルビアノール酸B、サルビアノール酸A、田七人参サポニンR1、ギンセノシドRg1、ギンセノシドRe、ギンセノシドRb1、ギンセノシドRd、ジヒドロタンシノンI、タンシノンI、クロプトタンシノン及びタンシノンIIAを、それぞれ、40mg/g、12mg/g、20mg/g、7mg/g、9mg/g、16mg/g、12mg/g、9mg/g、28mg/g、4mg/g、22mg/g、6mg/g、0.4mg/g、0.8mg/g、0.6mg/g、2.8mg/gにて含んでいた。
【0103】
実施例8
丹参の生薬400gを1〜2cmの長さに切断し、田七人参の生薬80gを粒子に砕いた。総生薬の3wt%を占める重炭酸ナトリウムを秤量し、抽出タンクにタンジン及び田七人参とともに入れ、5倍の水を加えて加熱し、2時間±20分間沸騰状態を維持し、ろ過した。得られた残渣を、4倍の水を加え、加熱し、1時間±15分間沸騰状態を維持することを行って2回抽出し、そしてろ過した。残渣を除去した。2回の抽出により得られた抽出溶液を、相対密度1.16−1.20(80±5℃)又は相対糖度50%に濃縮し、濃縮液体を得た。前記液体をアルコール沈殿タンクに供給し、最終エタノール濃度が68%となるように適量のエタノールで満たし、20時間静置して、完全に沈殿させた。
上澄みを分離し、沈殿物を排出した。上澄みを濃縮してエキスとし、乾燥して丹参及び田七人参エキスを得た。
上述の方法により、丹参及び田七人参エキスは、タンジン、サルビアノール酸T、プロトカテクアルデヒド、サルビアノール酸D、ロスマリン酸、サルビアノール酸B、サルビアノール酸A、田七人参サポニンR1、ギンセノシドRg1、ギンセノシドRe、ギンセノシドRb1、ギンセノシドRd、ジヒドロタンシノンI、タンシノンI、クリプトタンシノン及びタンシノンIIAを、それぞれ、20mg/g、5mg/g、10mg/g、2mg/g、0.2mg/g、5mg/g、5mg/g、2mg/g、1mg/g、1mg/g、10mg/g、1mg/g、0.1mg/g、0.5mg/g、0.2mg/g、1mg/gにて含んでいた。
丹参及び田七人参エキス90gを、ボルネオール10gに加え、漢方薬組成物を得た。
【0104】
実施例9
丹参の生薬500gを1〜2cmの長さに切断し、田七人参の生薬102gを粒子に砕いた。総生薬の2.5wt%を占める重炭酸ナトリウムを秤量し、抽出タンクにタンジン及び田七人参とともに入れ、6倍の水を加えて加熱し、2時間沸騰状態を維持し、ろ過した。得られた残渣を、6倍の水を加え、加熱し、1時間沸騰状態を維持することを行って2回抽出し、そしてろ過した。残渣を除去した。2回の抽出により得られた抽出溶液を、相対密度1.16−1.20(80±5℃)又は相対糖度48%に濃縮し、濃縮液体を得た。前記液体をアルコール沈殿タンクに供給し、最終エタノール濃度が65%となるように適量のエタノールで満たし、24時間静置して、完全に沈殿させた。上澄みを分離し、沈殿物を排出した。上澄みを濃縮してエキスとし、乾燥して丹参及び田七人参エキスを得た。
上述の方法により、丹参及び田七人参エキスは、タンジン、サルビアノール酸T、プロトカテクアルデヒド、サルビアノール酸D、ロスマリン酸、サルビアノール酸B、サルビアノール酸A、田七人参サポニンR1、ギンセノシドRg1、ギンセノシドRe、ギンセノシドRb1、ギンセノシドRd、ジヒドロタンシノンI、タンシノンI、クリプトタンシノン及びタンシノンIIAを、それぞれ、60mg/g、20mg/g、30mg/g、10mg/g、10mg/g、20mg/g、20mg/g、10mg/g、40mg
/g、5mg/g、40mg/g、10mg/g、0.5mg/g、1mg/g、1mg/g、5mg/gにて含んでいた。
丹参及び田七人参エキス99.9gを、ボルネオール0.1gと均一に混合して、漢方薬組成物を得た。
【0105】
漢方薬製剤の調製
実施例10
実施例1〜実施例9の方法の何れか一つで調製した漢方薬組成物0.5gを、PEG−6000 10.5gと均一に混合し、加熱して溶融し、そして、滴下装置に供給し、薬物溶液を6〜8℃の流動パラフィンに滴下する方法にて薬物滴剤を得た。残りの流動パラフィンを除去して、400粒の微滴丸剤を得た。
【0106】
実施例11
実施例1〜実施例9の方法の何れか一つで調製した漢方薬組成物0.5g、グルコース
4.5g、チオ硫酸ナトリウム0.9g、及び蒸留水1mLを均一に混合し、凍結乾燥により、500包の注入可能な凍結乾燥粉末を得た。
【0107】
実施例12
実施例1〜実施例9の方法の何れか一つで調製した漢方薬組成物0.5g、マンニトール5.5g、EDTAカルシウム二ナトリウム0.9g、及び蒸留水2mLを均一に混合し、凍結乾燥により、300包の注入可能な凍結乾燥粉末を得た。
【0108】
実施例13
実施例1〜実施例9の方法の何れか一つで調製した漢方薬組成物0.5g、スターチ50g、及びスクロース50gを均一に混合し、粒状にした後、圧縮してタブレットを得た。
【0109】
実施例14
実施例1〜実施例9の方法の何れか一つで調製した漢方薬組成物0.5g、スターチ50g、スクロース50gを均一に混合し、カプセルに充填することによりカプセルを得た。
【0110】
微滴丸剤の製造
実施例15
実施例1で調製した漢方薬組成物82.5gとPEG−6000 165gを準備した。
(1)事前混合工程:漢方薬組成物にプレミックスとするために水を加え、浸漬タンクで、40±10℃にて60時間超撹拌し、組成物中の水含量13.0wt%とし、以下に使用するために事前混合材料を得た;
(2)溶融工程:PEG−6000を最初に溶融タンクに入れ、90℃に加熱して予備溶融し、そこに事前混合材料を加え、得られた液体を低速均質化(3200rpm)により混合した;混合後、均質化速度を5000rpmに上げ、6分間溶融した;溶融工程の間、液体の温度を80±5℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(3)滴下工程:上述の溶融薬剤液をドリッパーに供給し、ドリッパーの振動周波数を137Hzに調整して、ドリッパーの温度を80℃に調整した;該液体を圧力下(1.8Bar)でドリッパーに供給し、該液体を振動方式により滴下した;前記滴下速度は、工程(1)の溶融速度に適合させた;次いで
(4)凝縮工程:滴剤(drop)を冷却ダクト中で−115±5℃の低温不活性ガスで、冷却により該液体が個体の滴丸剤を形成するように冷却した;
(5)乾燥工程:得られた滴丸剤を流動乾燥した;滴丸剤を良い流動状態に到達するまで
、温度を25℃に上昇して60分間乾燥し、45℃に上昇して30分間乾燥し、続いて55℃に上昇して30分間乾燥し、排出するために30℃以下に下げ、水分含量を3.0〜7.0wt%の範囲に調整した中間体であるブランク丸剤(素丸)を得た;
(6)コーティング工程:コーティング粉末の量を、コーティング供給用量及び製剤に基いて算出した;ブランク丸剤(素丸)の4wt%を占めるオパドライ(Opadry)を用いて18wt%のコーティング溶液を調製し、45分間撹拌した。注入口の空気温度を、当初25℃に設定した;標準のブランク丸剤(素丸)を流動床に入れた後、注入口の空気温度を48℃に上昇させた;丸剤の温度が38℃に上昇してから、コーティングを開始した;コーティングの間、温度を35〜45℃の範囲に維持し、コーティング後に30℃以下に下げた;丸剤を排出し、コーティング質量が3.3±0.7%、水分含量が3.0〜7.0wt%の範囲にある中間体のコーティング丸剤を選別して得た;
(7)カプセルへ充填及び包装の工程:得られた粒子サイズ1.0mm〜2.0mmの微滴丸剤を、カプセルに充填した;カプセル100%を、カプセル重量選別機にて、オンラインにて重量選別し、包装して、最終製品を得た。
ここで、滴下工程の間、滴下丸剤の形成をストロボ照明を使用して視覚的に観察し、リアルタイムモニタリング及び調整を実施した。滴丸剤の均一性及び丸みを改善するために、スクリーニング及び調整(レギュレート)工程が追加される。
【0111】
実施例16
漢方薬組成物とPEG−6000の質量比率を1:5とした以外は、CSMDPを実施例15の方法によりCSMDPを調製した。
【0112】
実施例17
漢方薬組成物とPEG−6000の質量比率を5:1とした以外は、CSMDPを実施例15の方法によりCSMDPを調製した。
【0113】
実施例18
以下の材料を用いた:実施例1で調製した漢方薬組成物82.5g、及びシクロデキストリン及びアガーの混合物(1:1)165g。
CSMDPを以下の方法に従い調製した:
(1)溶融工程:シクロデキストリンとアガーの混合物(1:1)をマトリックスとして用い、漢方薬組成物とともにホモジナイザーに入れ、1000rpmで1分間均質化して、材料を得た;該材料を3000rpmで1分間溶融した;溶融工程の間、温度を60℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:溶融薬剤液をドリッパーに供給し、ドリッパー温度70℃、振動周波数50Hz、滴下圧0.5Bar下で、振動滴下の手段にて滴下した;前記滴下速度は、工程(1)の溶融速度に適合させた;そして
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ガスを用いて直ちに凝固するよう冷却し、粒子サイズ0.2mmのブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;前記冷却ガスの温度は0℃であった。
【0114】
実施例19
以下の材料を用いた:実施例1で調製した漢方薬組成物82.5g、及びアラビアガム及びラクトースの混合物(1:1)165g。
CSMDPを以下の方法に従い調製した:
(1)溶融工程:アラビアガムとラクトースの混合物(1:1)をマトリックスとして用い、漢方薬組成物とともにホモジナイザーに入れ、5000rpmで200分間均質化して、材料を得た;該材料を、10000rpmにて100分間溶融した;溶融工程の間、温度を100℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:溶融薬剤液をドリッパーに供給し、ドリッパー温度300℃、振動周波数300Hz、滴下圧4.0Bar下で、振動滴下の手段にて滴下した;前記滴下速度は
、工程(1)の溶融速度に適合させた;そして
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ガスで直ちに凝固するように冷却し、粒子サイズ4.0mmのブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;前記冷却ガスの温度は−150℃であった。
【0115】
実施例20
以下の材料を用いた:実施例1で調製した漢方薬組成物82.5g、及びラクチトール165g。
CSMDPを以下の方法に従い調製した:
(1)溶融工程:ラクチトールをマトリックスとして用い、漢方薬組成物とともにホモジナイザーに入れ、2500rpmで100分間均質化して、材料を得た;該材料を、6000rpmで50分間溶融した;溶融工程の間、温度を80℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:溶融薬剤液をドリッパーに供給し、ドリッパー温度150℃、振動周波数150Hz、滴下圧2Barにて、振動滴下の手段にて滴下した;前記滴下速度を、工程(1)の溶融速度に適合させた;そして
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ガスで直ちに凝固するように冷却し、粒子サイズ2mmのブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;前記冷却ガスの温度は−100℃であった;
(4)乾燥工程:得られた粒子サイズ2mmの滴丸剤を50℃で2時間乾燥し、乾燥したブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;
(5)コーティング工程:得られた乾燥ブランク滴丸剤(滴丸素丸)を、流動床にて40℃でコートし、コートされた滴丸剤を得た;コーティング材料とブランク丸剤(素丸)の質量比率は1:25であった;前記コーティング溶液の濃度を10wt%とし、前記コーティング材料はオパドライ(Opadry)とした。
【0116】
実施例21
以下の材料を用いた:漢方薬組成物82.5g、及びPEG−8000 165g。
CSMDPを以下の方法に従い調製した:前記漢方薬組成物粉末を水に加え、60℃で10分間以上撹拌し、事前混合漢方薬組成物を得た。
(1)溶融工程:PEG−8000及び前記事前混合漢方薬組成物をホモジナイザーに入れ、2500rpmで100分間混合し、材料を得た;該材料を6000rpmで50分間、均質溶融させた;溶融工程の間、温度を80℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:溶融薬剤液をドリッパーに供給し、ドリッパー温度150℃、振動周波数150Hz、滴下圧2Bar下にて、振動滴下の手段にて滴下した;前記滴下速度を、工程(1)の溶融速度に適合させた;そして
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ガスで直ちに凝固するように冷却し、粒子サイズ2mmのブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;前記冷却ガスの温度は−100℃であった。
(4)乾燥工程:得られた滴丸剤を50℃で2時間流動乾燥し、乾燥したブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;
(5)コーティング工程:得られた乾燥ブランク滴丸剤(滴丸素丸)を40℃で流動床にてコーティングし、コートされた滴丸剤を得た;コーティング材料とブランク丸剤(素丸)の質量比率は1:25であった;前記コーティング溶液の濃度は10wt%とし、前記コーティング材料はシェラック(shellac)とした。
【0117】
実施例22:
以下の材料を用いた:漢方薬組成物92g、及びPEG−1000 270g。
CSMDPを以下の方法に従い調製した:前記漢方薬組成物粉末を水に加え、30℃で10分間以上撹拌し、事前混合漢方薬組成物を得た。
(1)溶融工程:PEG−1000及び前記事前混合漢方薬組成物をホモジナイザーに入れ、2500rpmで100分間混合し、材料を得た;該材料を6000rpmで20分間、均質溶融させた;溶融工程の間、温度を100℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:溶融薬剤液をドリッパーに供給し、ドリッパー温度70℃、振動周波数100Hz、滴下圧1.0Bar下にて;加速度1G及び滴下速度10Kg/h、振動滴下の手段にて滴下した;前記滴下速度を、工程(1)の溶融速度に適合させた;そして
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ガスで直ちに凝固するように冷却し、粒子サイズ2mmのブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;前記冷却ガスの温度は−80℃であった。
(4)乾燥工程:得られた滴丸剤を、流動−20℃、乾燥15℃で10分間、35℃で10分間、そして55℃で30分間の勾配上昇温度乾燥方法により乾燥し、乾燥したブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;
(5)コーティング工程:得られた乾燥ブランク滴丸剤(滴丸素丸)を40℃で流動床にてコーティングし、コートされた滴丸剤を得た;コーティング材料とブランク丸剤(素丸)の質量比率は1:25であった;前記コーティング溶液の濃度は10wt%とし、前記コーティング材料はCAPとした。
【0118】
実施例23:
以下の材料を用いた:漢方薬組成物105g、及びPEG−4000とPEG−6000の混合物(1:1)35g。
CSMDPを以下の方法に従い調製した:前記漢方薬組成物粉末を水に添加し、80℃で10分間以上撹拌して、事前混合漢方薬組成物を得た。
(1)溶融工程:PEG−4000とPEG−6000(1:1)の混合物及び前記事前混合漢方薬組成物をホモジナイザーに入れ、2500rpmで100分間混合し、材料を得た;該材料を6000rpmで80分間、均質溶融させた;溶融工程の間、温度を80℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:溶融薬剤液をドリッパーに供給し、ドリッパー温度100℃、振動周波数200Hz、滴下圧3.0Bar下にて;加速度20G及び滴下速度40Kg/h、振動滴下の手段にて滴下した;前記滴下速度を、工程(1)の溶融速度に適合させた;そして
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ガスで直ちに凝固するように冷却し、粒子サイズ2mmのブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;前記冷却ガスの温度は−120℃であった。
(4)乾燥工程:得られた滴丸剤を、流動30℃、乾燥35℃で120分間、55℃で60分間、そして100℃で60分間の勾配上昇温度乾燥方法により乾燥し、乾燥したブランク滴丸剤(滴丸素丸)を得た;
(5)コーティング工程:得られた乾燥ブランク滴丸剤(滴丸素丸)を35℃で流動床にてコーティングし、コートされた滴丸剤を得た;コーティング材料とブランク丸剤(素丸)の質量比率は1:25であった;前記コーティング溶液の濃度は10wt%とし、前記コーティング材料はアクリル酸メチルとした。
【0119】
実施例24
以下の材料を用いた:実施例1で調製した漢方薬組成物600g、ボルネオール5g、及び滴丸剤マトリクスとしてキシリトール600g。
(1)溶融工程:キシリトールを最初に溶融タンクに入れ、90℃に加熱し予備溶融し、そこに前記漢方医薬組成物を入れ、混合して、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:圧力下で、溶融薬剤液を、スチームジャケットにより加熱保存されたドリッパーに供給した;ドリッパー温度40℃、振動周波数50Hzにて、前記溶融薬剤液をドリッパーに流し込み、下部から滴下した;
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ダクト中で低温不活性ガスで凝固するように冷却し、固体の滴丸剤を得た;前記冷却ガスの温度は−20℃であった;
(4)乾燥及びコーティング工程:得られた固体滴丸剤を流動乾燥し、薬剤負荷コーティングし、粒子サイズ0.2mm〜1.0mmのコートされた微滴丸剤を得た;前記乾燥温度は75℃であった;
(5)包装工程:粒子サイズ0.2mm〜1.0mmの前記微滴丸剤をカプセルに充填し
た:カプセル100%をカプセル重量選別機にて、オンラインにて重量選別し、包装して、最終製品を得た。
ここで、滴下工程の間、滴丸剤の形成をストロボ照明を使用して視覚的に観察し、リアルタイムモニタリング及び調整を実施した。滴丸剤の均一性及び丸みを改善するために、スクリーニング及び調整(レギュレート)工程が追加される。
【0120】
実施例25
以下の材料を用いた:実施例1で得た漢方薬組成物600g、ボルネオール5g、及び滴丸剤マトリクスとしてPEG−6000とPEG−4000の混合物3000g。
(1)溶融工程:PEG−6000及びPEG−4000の混合物を最初に溶融タンクに入れ、120℃に加熱し予備溶融し、そこに前記漢方医薬組成物を入れ、混合して、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:圧力下で、溶融薬剤液を、スチームジャケットにより加熱保存されたドリッパーに供給した;ドリッパー温度80℃、振動周波数20Hzにて、前記溶融薬剤液をドリッパーに流し込み、下部から滴下した;
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ダクト中で低温不活性ガスで凝固するように冷却し、固体の滴丸剤を得た;前記冷却ガスの温度は−80℃であった;
(4)乾燥及びコーティング工程:得られた固体滴丸剤を流動乾燥し、薬剤負荷コーティングし、粒子サイズ0.5mm〜1.0mmのコートされた微滴丸剤を得た;前記乾燥温度は150℃であった;
(5)包装工程:前記微滴丸剤をカプセルに充填した:カプセル100%をカプセル重量選別機にて、オンラインにて重量選別し、包装して、最終製品を得た。
ここで、滴下工程の間、滴丸剤の形成をストロボ照明を使用して視覚的に観察し、リアルタイムモニタリング及び調整を実施した。滴丸剤の均一性及び丸みを改善するために、スクリーニング及び調整(レギュレート)工程が追加される。
【0121】
実施例26
以下の材料を用いた:実施例1で得た漢方薬組成物600g、ボルネオール5g、及び滴丸剤マトリクスとしてPEG−1000 121g。
(1)溶融工程:PEG−1000を最初に溶融タンクに入れ、40℃に加熱し予備溶融し、そこに前記漢方医薬組成物を入れ、混合して、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:圧力下で、溶融薬剤液を、スチームジャケットにより加熱保存されドリッパーに供給した;ドリッパー温度40〜60℃、振動周波数200Hzにて、前記溶融薬剤液をドリッパーに流し込み、下部から滴下した;
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ダクト中で低温不活性ガスで凝固するように冷却し、固体の滴丸剤を得た;前記冷却ガスの温度は−100℃であった;
(4)乾燥及びコーティング工程:得られた固体滴丸剤を、流動20℃、乾燥25℃で60分間、45℃で30分間、そして55℃で30分間、流動乾燥し、薬剤負荷コーティングし、粒子サイズ3.0mm〜4.0mmのコートされた微滴丸剤を得た;
(5)包装工程:前記微滴丸剤をカプセルに充填した:カプセル100%をカプセル重量選別機にて、オンラインにて重量選別し、包装して、最終製品を得た。
ここで、滴下工程の間、滴丸剤の形成をストロボ照明を使用して視覚的に観察し、リアルタイムモニタリング及び調整を実施した。滴丸剤の均一性及び丸みを改善するために、スクリーニング及び調整(レギュレート)工程が追加される。
【0122】
実施例27
以下の材料を用いた:実施例1で得た漢方薬組成物600g、ボルネオール5g、及び滴丸剤マトリクスとしてPEG−6000とPEG−4000の混合物 3000g。
(1)溶融工程:PEG−6000とPEG−4000の混合物を最初に溶融タンクに入れ、120℃に加熱し予備溶融し、そこに前記漢方医薬組成物を入れ、ホモジナイザーに
注入して、1000rpmで1分間混合し、3000rpmで1分間溶融し、溶融工程の間、温度を60℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:圧力下で、溶融薬剤液を、スチームジャケットにより加熱保存されたドリッパーに供給した;ドリッパー温度70℃、振動周波数50Hz、滴下圧0.5Barにて、前記溶融薬剤液をドリッパーに流し込み、下部から滴下した;
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ダクト中で低温不活性ガスで凝固するように冷却し、固体の滴丸剤を得た;前記冷却ガスの温度は0℃であった;
(4)乾燥及びコーティング工程:得られた固体滴丸剤を、流動乾燥し、薬剤負荷コーティングし、粒子サイズ0.2mmのコートされた微滴丸剤を得た;前記乾燥温度は150℃であった;そして
(5)包装工程:前記微滴丸剤をカプセルに充填した:カプセル100%をカプセル重量選別機にて、オンラインにて重量選別し、包装して、最終製品を得た。
【0123】
実施例28
以下の材料を用いた:実施例1で得た漢方薬組成物600g、ボルネオール5g、及び滴丸剤マトリクスとしてPEG−6000 1800g。
(1)溶融工程:PEG−6000を最初に溶融タンクに入れ、120℃に加熱し予備溶融し、そこに前記漢方医薬組成物を入れ、ホモジナイザーに注入して、5000rpmで200分間混合し、10000rpmで1分間溶融し、溶融工程の間、温度を100℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:圧力下で、溶融薬剤液を、スチームジャケットにより加熱保存されたドリッパーに供給した;ドリッパー温度300℃、振動周波数300Hz、滴下圧4.0Barにて、前記溶融薬剤液をドリッパーに流し込み、下部から滴下した;
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ダクト中で低温不活性ガスで凝固するように冷却し、固体の滴丸剤を得た;前記冷却ガスの温度は−150℃であった;
(4)乾燥及びコーティング工程:得られた固体滴丸剤を、流動乾燥し、薬剤負荷コーティングし、粒子サイズ4.0mmのコートされた微滴丸剤を得た;前記乾燥温度は150℃であった;そして
(5)包装工程:前記微滴丸剤をカプセルに充填した:カプセル100%をカプセル重量選別機にて、オンラインにて重量選別し、包装して、最終製品を得た。
【0124】
実施例29
以 下の材料を用いた:実施例1で得た漢方薬組成物600g、ボルネオール5g、及び滴丸剤マトリクスとしてPEG−4000 2400g。
(1)溶融工程:PEG−4000を最初に溶融タンクに入れ、120℃に加熱し予備溶融し、そこに前記漢方医薬組成物を入れ、ホモジナイザーに注入して、3000rpmで10分間混合し、4000rpmで5分間溶融し、溶融工程の間、温度を70〜90℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:圧力下で、溶融薬剤液を、スチームジャケットにより加熱保存されたドリッパーに供給した;ドリッパー温度70℃、振動周波数90Hz、滴下圧1.0Barにて、前記溶融薬剤液をドリッパーに流し込み、下部から滴下した;
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ダクト中で低温不活性ガスで凝固するように冷却し、固体の滴丸剤を得た;前記冷却ガスの温度は−140℃であった;
(4)乾燥工程:得られた固体滴丸剤を、流動乾燥し、粒子サイズ1.0mmの微滴丸剤(微滴丸素丸)を得た;前記乾燥温度は150℃であった。
【0125】
実施例30
以下の材料を用いた:実施例1で得た漢方薬組成物600g、ボルネオール5g、及び滴丸剤マトリクスとしてPEG−4000 2400g。
(1)溶融工程:PEG−4000を最初に溶融タンクに入れ、120℃に加熱し予備溶
融し、そこに前記漢方医薬組成物を入れ、ホモジナイザーに注入して、4000rpmで60分間混合し、9000rpmで30分間溶融し、溶融工程の間、温度を90℃に維持し、溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:圧力下で、溶融薬剤液を、スチームジャケットにより加熱保存されたドリッパーに供給した;ドリッパー温度100℃、振動周波数200Hz、滴下圧3.0Barにて、前記溶融薬剤液をドリッパーに流し込み、下部から滴下した;
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ダクト中で低温不活性ガスで凝固するように冷却し、固体の滴丸剤を得た;前記冷却ガスの温度は−140℃であった;
(4)乾燥工程:得られた固体滴丸剤を、流動乾燥し、粒子サイズ2.0mmの微滴丸剤(微滴丸素丸)を得た;前記乾燥温度は150℃であった。
【0126】
実施例31
以下の材料を用いた:実施例1で得た漢方薬組成物600g、ボルネオール5g、及び滴丸剤マトリクスとしてPEG−6000 2000g。
(1)溶融工程:PEG−6000を最初に溶融タンクに入れ、90℃に加熱し予備溶融し、そこに前記漢方医薬組成物を入れ、混合して溶融薬剤液を得た;
(2)滴下工程:圧力下で、溶融薬剤液を、スチームジャケットにより加熱保存されたドリッパーに供給した;ドリッパー温度80℃、振動周波数50Hzにて、前記溶融薬剤液をドリッパーに流し込み、下部から滴下した;
(3)凝縮工程:薬物滴剤を冷却ダクト中で低温不活性ガスで凝固するように冷却し、固体の滴丸剤を得た;前記冷却ガスの温度は−20℃であった;
(4)乾燥及びコーティング工程:得られた固体滴丸剤を、流動乾燥し、薬剤負荷コーティングし、粒子サイズ1.0〜2.0mmのコートされた微滴丸剤を得た;前記乾燥温度は75℃であった;そして
(5)包装工程:前記微滴丸剤をカプセルに充填した:カプセル100%をカプセル重量選別機にて、オンラインにて重量選別し、包装して、最終製品を得た。
ここで、滴下工程の間、滴丸剤の形成をストロボ照明を使用して視覚的に観察し、リアルタイムモニタリング及び調整を実施した。滴丸剤の均一性及び丸みを改善するために、スクリーニング及び調整(レギュレート)工程が追加される。
【0127】
本発明者らによる研究においてみられるように、既存のCSDPと比較して、実施例15〜31に開示された方法により調製したCSMDPは、優れた有効性、高い生体利用効率、投与量の減少、及び患者に対する優れたコンプライアンスという利点を有する。
【0128】
サルビアノール酸Tの調製
実施例32
丹参を薬草煎じ(煮出し)ポットに入れ、そこに丹参量に基いて6倍量の0.3%(w/v)重炭酸ナトリウム水溶液を加え、2.5時間煮出し、ろ過してろ液を得た。該ろ液を濃縮して、相対密度1.22(80℃)の水性エキスを得た。
該水性エキスを最終エタノール濃度が60%(v/v)(25℃)となるように95%(v/v)エタノールに加え、24時間静置して上澄みを得た。該上澄みを減圧下で濃縮して、相対密度1.32(60℃)のエタノール沈殿エキスを得た。
該エタノール沈殿エキスを水に溶解し、AB−8マクロポーラス樹脂カラムを透過させ、溶離液がほとんど無色になるまで塩酸水溶液(pH=3.0)で溶離させた。その後、カラム体積に基づき5倍量の95%(v/v)エタノールカラムの溶離に用い、溶離液を濃縮して無臭のアルコールのエキスを得た。
前記工程で得られたエキスを、移動相(アセトニトリル:水:ギ酸=15:85:1、体積あたり)に溶解し、NOVASEP LC80−600 ダイナミック・アキシャル・ハイプレッシャー・プレパラティブ LCで精製した。C18逆相クロマトグラフカラム(10μm、YMC社)を固定相として使用し、アセトニトリル:水:ギ酸=15:8
5:1(体積あたり)移動相で定組成溶離を実施した。フローレートを300mL/分、検出波長を280nmとした。溶離工程をHPLCを用いてモニタ(観察)し、21.2〜24.0分の画分を収集し、ロータリーエバポレーターで乾燥して濃縮し、サルビアノール酸Tを得た。
上記得られたサルビアノール酸Tを、移動相(アセトニトリル:水:ギ酸=17:83:1 体積当たり)に溶解し、ウォーターズ PrepS400プレパラティブLCを用いて、キラル異性体分離を実施した。クロマトグラフカラムをCHRALCEL(登録商標)OD−RH逆相キラルカラム(250×20mm、5μm)、アセトニトリル:水:ギ酸=17:83:1体積当たり)の移動相を、定組成溶離の実施に使用した。フローレート25mL/分、検出波長280nmとした。溶離工程をHPLCを用いてモニタ(観察)し、保持時間19.5〜21.1分の(S)−サルビアノール酸Tの画分、並びに保持時間23.9〜25.3分の(R)サルビアノール酸Tの画分を収集した。溶離液をロータリーエバポレーターで30℃にて濃縮し、凍結乾燥して、(S)−及び(R)−サルビアノール酸Tの純製品を得た。
高分解能質量分析を用いて、(S)−サルビアノール酸Tの擬分子イオンピークはm/z537.1033、(R)−サルビアノール酸Tはm/z537.1032であった。
【0129】
(S)サルビアノール酸T及び(R)サルビアノール酸TのNMR帰属データを以下の表に示す。
【表6】
【0130】
【表7】
【0131】
本発明の利点をより良い証明をするために、以下の試験を示す:
試験例1
1. 材料
1.1 動物:
証明書No.:SCXK(JING)2007−0001付きの体重200gのSD雄ラットを、ベイジン・ウェイトンリホワ・エクスペリメンタル・アニマル社(Beijing Weitonglihua Experimental Animal Co.,Ltd)より購入した。
証明書No.:SCXK(SU)2007−2008付きの体重1.7〜2.0kgの雄のラビットを、キングロンシャン・アニマル・レプロダクション・プラント(Qinglongshan Animal Reproduction Plant)、南京江寧区、より購入した。
【0132】
1.2 薬物及び試薬
実施例1の方法で調製した丹参及び田七人参エキスを、エキスA(ボルネオール含有)及びエキスB(ボルネオール非含有)の2種に分けた。抱水クロラール及びトリフェニルテトラゾリウムクロリド(TTC)を用いた。
腸溶コーティングのアスピリンタブレットを、バイジンギュ・ファーマシューティカル社(Baijingyu Pharmaceutical Inc)、南京より購入した。バッチナンバーは111001であった。
アラキドン酸(AA)は、10mg/ボトル仕様にてシグマ社(Sigma Inc)より供給され、バッチナンバーは1001126252であった。
アデノシン二リン酸モノナトリウム(ADP)は、シャンハイ・ボアオ・バイオテック社(Shanghai Boao Biotech Inc)(輸入品)より供給された。バッチナンバーは990527であった。
コラーゲンは、10mg/ボトル仕様にてシグマ社(Sigma Inc)より供給され、バッチナンバーは1001162038であった。
【0133】
2. プロトコル
2.1 ラットにおける急性心筋梗塞試験
32匹のラットを、体重に従い、ランダムにグループに分けた:ブランク群、モデル群、A群(ボルネオール含有)、B群(ボルネオール非含有);各グループあたり8匹のラットとした。
グループ分け後、全ての動物に対して1週間、表8に示すように胃内に投与した。第8日目に、10%抱水クロラール(3ml/kg)の腹腔内注入にて動物を麻酔し、小皿の上に仰臥位で固定した。右前肢及び両後肢の皮膚下に、ラットのEGG(electrogastrogram:胃筋電図)を記録するMedLab−U/8c バイオシグナル収集処理システムを接続したコンダクタを挿入した。左胸前壁の毛を刈り取った。口腔気管カニューレを実施し、呼吸頻度80呼吸/分、一回換気量3ml/100g、及びI:E比(吸気時間呼吸時間比)=1:2(吸呼比1:1)にて、アニマルレスピレーターを接続した。左前胸側方の胸を切開して第三肋骨を切断し、心膜を注意深く鉗子で持ち上げ、引き裂いた。左心耳の下縁と肺動脈円錐の間の、LAD(左冠動脈前下行枝)を伴う、左冠状静脈トランクパス(trunk pass)を、ほとんどの動物において観察した。医療用縫合糸(4−0)を用いてLAD、並びに、左冠状静脈トランクのvinicityの心室間溝の内部の左心耳の下縁からの少量の心筋組織1〜2mmを結紮した。胸を層ごとに閉胸した。ラットの呼吸が回復するまで、気管チューブをデチューブ(detubate)した。
【0134】
試験インデックス:結紮の4時間後、動物を安楽死させた。心臓を取り出し、水を吸収させるために、0.9%塩化ナトリウム注を用いて洗浄した。冠状溝に沿って、心房を切断し、心室の湿重量を測定した。心臓を、心室溝に沿って頂部から基部まで平行に心筋部分を1mm厚さにスライスした。得られた心筋をTTC着色剤中に置き、37℃の温水浴で15分間染色した。正常な心筋は赤色に、梗塞領域は白色に、染色された。梗塞領域の各部分の湿重量を測定し、心筋梗塞発生率(MIR)を算出した。
【0135】
【表8】
【0136】
2.2 ラビットにおける血小板凝集率
ラビットを、4グループにランダムに分けた:モデル群は蒸留水を与えられ、アスピリン群(60mg/mL)、42及び84mg/kgの低用量及び高用量のエキスA群(それぞれ、臨床当量用量の1〜2倍)、は1日1回、連続7日間、胃内に注入した。注入し
た薬物量は、体重あたり1ml/kgであった。第7日目の胃内注入の60分後、動物を局所的に麻酔し、頸動脈を介して瀉血し、クエン酸ナトリウム(3.8%)1:9で血液の凝固を抑制し、1000r/分で10分間、遠心分離した。多血小板血漿(PRP)を取り出し、残りを3000r/分にて遠心分離し、乏血小板血漿(PPP)を取り出した。ADP(最終濃度3μg/mL)、AA(最終濃度80μg/mL)及びコラーゲン(5μg/mL)により、凝集を誘発させた。STEELIEX血小板凝集及び凝固因子分析装置を、最大血小板凝集率の測定と、下記式に従い抑制率を算出するのに用いた。
【0137】
【化3】
【0138】
3. 結果
3.1 ラットの心筋梗塞の試験結果
表9に結果を示す。事前投与7日間後、モデル群(0.1209±0.0199g)と比較して、A群及びB群の心筋梗塞の質量(湿重量)(0.0685±0.0182g、0.0923±0.0191g)は明らかに減少し、統計的有意性を有していた。群間の比較によれば、A群の心筋梗塞率は、B群よりも遥かに低く、2つの群間で有意差を有していた(p<0.05)。
【0139】
【表9】
【0140】
3.2 ラビットの血小板凝集効果
表10に示すように、エキスAは、ブランク群と比較して、ラビットにおけるADP−誘発血小板凝集に関して抑制効果を有していることが証明され、有意差を有していた。ADP−誘発血小板凝集の抑制において、アスピリン群と比較して、A群に有意差は見られなかった。
【0141】
【表10】
【0142】
表11に示すように、エキスAは、ブランク群と比較して、ラビットにおけるAA−誘発血小板凝集に関して抑制効果を有していることが証明され、有意差を有していた。AA−誘発血小板凝集の抑制において、アスピリン群と比較して、A群に有意差は見られなかった。
【0143】
【表11】
【0144】
表12に示すように、エキスAは、ブランク群と比較して、ラビットにおけるコラーゲン誘発血小板凝集に関して抑制効果を有していることが証明され、有意差を有していた。コラーゲン誘発血小板凝集の抑制において、アスピリン群と比較して、A群に有意差は見られなかった。
【0145】
【表12】
【0146】
4.議論
結果において示したように、7日間連続の丹参及び田七人参エキスの投与は、結紮ラットの抗心筋梗塞の効果を示した。
A群において、ボルネオール含有の丹参及び田七人参エキスが7日間連続で投与された
。明らかに、B群(ボルネオール非含有)と比べて心筋梗塞率は低くなり、ラビットにおけるADP、AA又はコラーゲン誘発血小板凝集に対して顕著な抑制効果を有していた。
予備的結論は、ボルネオールの添加が、抗心筋梗塞の効果を強めることを示した。
【0147】
試験例2:ラットにおける2種のCSDP間の急性心筋梗塞の効果に関する比較研究
1.動物:
証明書No.:SCXK(JING)2007−0001付きの体重340〜360gのSD雄ラットを、ベイジン・ウェイトンリホワ・エクスペリメンタル・アニマル社(Beijing Weitonglihua Experimental Animal Co.,Ltd)より購入した。
【0148】
2.薬物、試薬及び装置
CSMDPをCSMDPに関する調製例15の方法により調製した。
比較薬物として使用したCSDPは、チアジン・テースリー・ファーマシューティカル社(Tianjin Tasly Pharmaceutical Co.,Ltd)が製造した、中国製の市販品である。
麻酔は抱水クロラール及びトリフェニルテトラゾリウムクロリド(TTC)により実施した。
装置:MEDLab−U/8cバイオシグナル収集処理システム、南京メイイ社(Nanjin Meiyi Inc)より購入。
【0149】
3.プロトコル
グループ分け:ラットを、体重従い、ランダムにグループに分けた:S群(シャム(偽)手術群)、M群(モデル群)、Y群(陽性群、メトプロロール酒石酸塩、ロットナンバー1201039)、F群(本発明のCSMDP群)、及びG群(CSP群、中国の市販品、バッチナンバー:2011L16;各グループ当たり10匹のラットとした。
【0150】
モデリング及び注入方法:
グループ分け後、動物に対して、7日間、表13に示すように胃内に投与した。第8日めに、10%抱水クロラール(3ml/kg)の腹腔内注入にてラットを麻酔し、小さな木皿の上に仰臥位で固定した。右前肢及び両後肢の皮膚下に、ラットのEGGを記録するMEdLab−U/8cバイオシグナル収集処理システムを接続したピンを挿入した。左胸前壁の毛を刈り取った。口腔気管カニューレを実施し、呼吸頻度80呼吸/分、一回換気量3ml/100g、及びI:E比(吸気時間呼吸時間比)=1:2(吸呼比1:1)にて、アニマルレスピレーターを接続した。左前胸側方の胸を切開して第三肋骨を切断し、心膜を注意深く鉗子で持ち上げ、引き裂いた。左心耳の下縁と肺動脈円錐の間の、LAD(左冠動脈前下行枝)を伴う、左冠状静脈トランクパス(trunk pass)を、ほとんどの動物において観察した。医療用縫合糸(4−0)を用いてLAD、並びに、左冠状静脈トランク近くの心室間溝の内部の左心耳の下縁からの少量の心筋組織1〜2mmを結紮した。EGGにおいて0.1mV上昇したJポイントと薄い左室前壁(LVAW)を有するラットを、成功モデルとした。胸を層ごとに閉胸した。ラットの呼吸が回復するまで、気管チューブをデチューブ(detubate)した。EGGを4時間連続して記録した。ラットを麻酔し、心臓を取り出し、スライスして染色し、心筋梗塞発生率(MIR)を算出した。血清は後で使用するものとした。
MIR(%)=心筋梗塞領域の湿重量/全心臓の湿重量×100%
【0151】
【表13】
【0152】
4.結果
4.1 MIRに関する効果
得られた結果を表14に示す。表14に示すように、事前投与7日間後、M群に関するMIRは、S群のものと比較して顕著に高く、成功モデルであることが示唆された。G群及びF群におけるMIRは、それぞれ3.38%及び3.32%であり、M群(5.07%)と比べ顕著に低く、有意差を有していた(p<0.01)。両試料は、急性心筋梗塞に対して何らかの効果を有していることが示された。一方、これらと比較して、G群とF群には顕著な統計的差異は見られなかった(p>0.05)。
【0153】
【表14】
【0154】
4.2 心筋梗塞を有するラットの心拍数に関する効果
表15に示すように、観測時間及び結紮0〜1時間後内の各群の心拍数の降順は、F群、G群、M群、Y群及びS群であった。1時間後、各軍の心拍数は減少した。観測時間内で、Y群及びS群の心拍数の変化は比較的安定していた。グループ間でラットの心拍数に関して顕著な差は見られなかった。
【0155】
【表15】
【0156】
5.結論
この試験の用量で、各群の薬物は、冠動脈において結紮したラットにおいて、心筋梗塞に対して何らかの効果を有していることが証明された;特に、本発明のCSMDP(84mg/kg)は、3.38±0.49%のMIRを有し、市販のCSDP(115mg/kg)のMIR(3.32±0.59%)と同様の効果を有していた。明らかに、84mg/kgの用量でのCSMDPが、市販の115mg/kgのCSDPと同じ効果に達した。CSMDPは市販のCSDPに比べ優れた有効性を有し、高い生体利用効率、投与量の減少、及び患者に対する優れたコンプライアンスという利点を有していた。