(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1から
図9を参照して実施の形態1を説明する。なお各図は実施の形態1に係る発明を説明するための模式的な図である。
図1は、実施の形態1の照明装置1を示す図である。
図2は、端子台300の内部配線用孔303が見える方向の、電源装置10の分解斜視図である。
図3は、端子台300の電線挿し込み孔302が見える方向の、電源装置10の分解斜視図である。
図4は、前面部310が見える端子台300の斜視図であり、
図3から抜き出した拡大図である。
図5は、裏面部320が見える端子台300の斜視図であり、
図2から抜き出した拡大図である。
図6は、電源装置10の6面図であり、(C)はA−A断面を示している。
図7は、
図6の(c)の拡大図である。
図8は、
図7のC部の拡大図である。
図9は、
図6の(f)の拡大図である。
【0012】
<照明装置>
図1のように、照明装置1は、電源装置10と灯具20とを備える。電源装置10は灯具20に電力を供給して灯具20を点灯させる。
【0013】
<電源装置>
図2及び
図3ではXYZ座標系を示している。X軸、Y軸及びZ軸は、それぞれ、電源装置10の長さ方向、幅方向及び高さ方向である。電源装置10は、第1カバー100と、第2カバー200と、端子台300と、基板400と、絶縁材500と、基台600とを備えている。
【0014】
<電源装置の組立方法>
図3を参照して、電源装置10の組み立て方法を説明する。
(1)まず、基台600に絶縁材500を配置したうえで、基台600に基板400を取り付ける。4つのネジ11で基板400を基台600に取り付ける。基台600に絶縁材500を設置し、基板400の4つのネジ孔11aのそれぞれにネジ11を通し、4箇所の基板取付部604にネジ11を締め込み、基板400を基台600に取り付ける。
(2)次に、基台600に第2カバー200を取り付ける。第2カバー200の側面部205,側面部206を、それぞれ基台600の側面部605,側面部606の外側に配置し、基台600のネジ孔13cと第2カバー200のネジ孔13dを連通させて、ネジ13Aをネジ孔13cに締め込むことで第2カバー200を基台600に取り付ける。
(3)次に、第2カバー200に端子台300に取り付ける。端子台300の図示していない2つの貫通孔のそれぞれにネジ12を通して、それぞれのネジ12を、第2カバー200の背低天板201に形成されているネジ孔12a,12bに締め込む。
(4)最後に、基台600に第1カバー100を取り付ける。第1カバー100の側面部105,106を、基台600の側面部605,606の外側に配置し、基台600のネジ孔13aと第1カバー100のネジ孔13bを連通させ、ネジ13Bをネジ孔13aに締め込むことで第1カバー100を基台600に取り付ける。
【0015】
<カバー>
図6の(a)のように、電源装置10は、第1カバー100と第2カバー200とを備えており、第1カバー100と第2カバー200とは電源装置10の全体のカバー150を構成する。つまり電源装置10は、第1カバー100と第2カバー200との個々の2つの部品から構成される。カバー150は基板400を覆うように基台600に取り付けられる。
【0016】
<第1カバー>
第1カバー100は箱形状をなす。
図3のように、第1カバー100は、第1天板101、端子台支持部102、側面部105、側面部106及び側面部107を備えている。
図2に示すa,b,c,dが第1天板101である。
図3に示すb,p,q,r,s,t,u,cが端子台支持部102における端子台支持面102aである。側面部107には、出力用電線切り欠き103が形成されている。
【0017】
<第2カバー>
第2カバー200は、天板である背低天板201、正面部204、側面部205及び側面部206を備えている。背低天板201は端子台300が載せられる端子台搭載部202である。端子台300が載せられる端子台搭載部202の平面は端子台搭載面202aである。背低天板201は端子台搭載部202でもあるので、以下では背低天板201の名称を使用する。
【0018】
<端子台>
図4、
図5のように。端子台300は、電線挿し込み孔302が形成されて前面をなす前面部310と、前面部310の裏面となる裏面部320と、前面部310と裏面部320とに対する上面をなす上面部330と、側面部340と、側面部350とを有している。裏面部320には、内部配線用孔303が形成されている。上面部330には、
図6の(c)に示す押圧方向Aに押圧された場合、電線挿し込み孔302に挿し込まれている電線の挿し込み状態が解除される解除ボタン301が配置されている。押圧方向Aは、端子台搭載面202aの法線の方向であり端子台搭載面202aに近づく方向である。
【0019】
<基板>
基板400は、薄板の長方形の形状であり、複数の電気部品が実装されている。複数の電気部品のうち、第1天板101に対向する基板400の領域には背高部品402が実装される。一方、背低天板201に対向する基板400の領域には背低部品401が実装される。基板400は灯具20に電力を供給する出力電線404を備えている。基板400に実装された複数の電気部品は電源回路450を構成する。
【0020】
<絶縁材>
絶縁材500は基台600の内側形状に合った形状をなしており,例えばアルミ材である基台600と、電源回路450が構成されている基板400との間を絶縁する。
【0021】
<基台>
基台600には、絶縁材500、基板400、端子台300が配置された第2カバー200及び第1カバー100が取り付けられる。基台600は上記のように例えばアルミ材であり、電源回路450の熱を放熱する機能を有する。基台600は、基台側底面部603、側面部605,606、基板400が取り付けられる基板取付部604を備えている。また長手方向(X方向)の両端には脚部601及び脚部602が設けられている。
【0022】
<電源装置の主となる特徴>
電源装置10の特徴を説明する。電源装置10の一つの主とする特徴は、端子台300が天板151に配置されている点である。
図2、
図3の(b)のように、カバー150は、基板400に対向する天板151を有している。端子台300は、天板151を基板400との間に介して、基板400と対向するように天板151に配置されている。よって電源装置10のZ方向の長さが長くなることを抑制できる。
天板151は、他の領域よりも低い位置で基板400と対向する一部の領域である背低天板201を有し、端子台300は、背低天板201に配置されている。よって、電源装置10が高くなることを抑制できる。
カバー150はX方向に延びる長手形状をなしている。
図6の(b)のように、カバー150は、長手形状における長手方向の一方の端部(X方向の端部)に、背低天板201が配置され、そこに端子台300が載せられる。よって、端子台300を電源装置10の長手方向の端部に配置できるので、端子台300への電線接続作業がやりやすい。なお、本実施の形態では背低天板201は長手方向の端部に配置しているが長手方向の途中に配置してもよい。長手方向の途中に配置し、その上に端子台300を配置することで電源装置10の大型化を抑制できる。
【0023】
また、電源装置10では、カバー150を、基板400に対して位置の高い第1天板101を有する第1カバー100と、基板400に対して位置の低い背低天板201を有する第2カバー200とで構成している。
つまり、
図2、
図3のように、カバー150は、天板151のうち背低天板201以外の部分をなす第1天板101を有する第1カバー100と、背低天板201を有する第2カバー200との、少なくとも2つの個別の部品から構成されている。よって、複雑な加工が不要となる。
図7のように、基板400において背低天板201に対向する領域に実装された電気部品のうち最も背が高い電気部品401aは、基板400において背低天板201に対向しない領域(第1天板101に対向する領域)に実装された電気部品のうち最も背が高い電気部品402aと比べて、背が低い。よって、基板400ではこのような部品配置であるため、第2カバー200に背低天板201を設けることが可能となる。
【0024】
<電源装置の主となるもう一つの特徴>
電源装置の主となるもう一つの特徴は、端子台300が、第2カバー200により、固定的に支持されている点と、第1カバー100の有する端子台支持部102である。これらについては以下のようである。
(1)電源装置10の全体のカバ−150は、第1カバー100と第2カバー200とから成るが、端子台300は第2カバー200に配置されている。具体的には、端子台300は第2カバー200の背低天板201(端子台搭載部202)に、固定された状態で載せられている。つまり、
図3を参照して説明したように、端子台300は、2本のネジ12によって背低天板201に固定され載せられている。よって、端子台300を配置する際は背低天板201に載せて2本のネジ12で止めるだけでよいので、取り付け相手となる箇所に引っ掛けること等は不要となり、端子台300の設置は容易である。
また、
図2、
図8に示すように、背低天板201(端子台搭載部202)は平坦な平板状をなしている。そして、第2カバー200は、正面部204、側面部205、側面部206を有する。正面部204、側面部205及び側面部206は、平板状をなす背低天板201の縁211(
図3のe,f,g,h)における異なる位置から立ち上がる3つの側壁である。
図2に示すように、第1の側壁91である側面部205と、第2の側壁92である側面部206とは対向している。第3の側壁93である正面部は縁211において側面部205と側面部206との間から立ち上がる。側面部205との側面部206との少なくとも一方は、基台600に対して固定される。本実施の形態では側面部205がネジ13Aで固定される。
(2)
図8のように、正面部204は脚部602の立上り部602aと対向しており、端子台300において電線が挿し込み方向Bに挿し込まれた際に、正面部204が立上り部602aに当たる。よって、電線を挿し込む際の力を立上り部602aが受けることができる。
(3)解除ボタン301が押圧方向Aに押し圧された際には押圧力を背低天板201が受けるが、背低天板201の縁には正面部204、側面部205及び側面部206が形成されている。そして側面部205はネジ13Aで基台600に固定されているので、端子台300は押圧力に対して強固に配置されている。
また縁211において側面部205と側面部206との間に正面部204が形成されているので、正面部204は、押圧力がかかった際に背低天板201が凹む変形を防止する補強材の機能を有する。
(4)端子台支持部102の端子台支持面102aは、端子台300の電線挿し込み孔302に電線が挿し込み方向Bに挿し込まれる場合に、裏面部320と当たって端子台300を支持する。電線が挿し込み方向Bに挿し込まれる場合、本実施の形態では裏面部320のリブ321が端子台支持面102aに支持される。
(5)
図9に示すように、側面図では、端子台支持面102aの縁をなすp,q,r,s,t,uは端子台300の裏面部320で覆い隠される。よって、縁をなすp,q,r,s,t,uは、破線範囲15Aと破線範囲15Bとの間に隠れることになる。つまり、裏面部320で縁をなすp,q,r,s,t,uを隠すことで内部配線403を隠している。
【0025】
***実施の形態1の効果の説明***
実施の形態1の効果をまとめると以下のようである。
(1)端子台300は背低天板201上に設置されるので、電源装置10の高さが高くなることを抑制できる。
(2)端子台300は天板151(背低天板201)に載せられて配置されるので、電源装置10の長さが長くなることを抑制できる。端子台300では背低天板201と対向する基板400の実装面に背低部品401が配置されている。端子台300と背低部品401を接続する内部配線403は、背低部品401と背低天板201との間に配置される。
【0026】
(3)端子台300は、第2カバー200の背低天板201(端子台搭載部202)に取り付けられる。端子台300の裏面部320は、第1カバー100の端子台支持面102aに対向している。よって、電線挿し込み孔302に電線を挿し込むために、挿し込み方向Bに挿し込む力(
図6の(c))に対しては、端子台支持面102aが端子台300の裏面部320に当接して端子台300を支持する。
(4)また、解除ボタン301を押圧方向A(
図6の(c))へ押す押圧力に対しては、第2カバー200の端子台搭載部202(背低天板201)及び正面部204、側面部205、側面部206が支持する。よって、電線解除の際に端子台300はしっかり支持される。また、端子台300が配置される第2カバー200が変形することもない。
【0027】
(5)電源装置10は、基台600に基板400を取り付け、基台600に第2カバー200を取り付け、第2カバー200に端子台300に取り付け、基台600に第1カバー100を取り付け・・・の順番で組み立てる。内部配線403は第2カバー200に端子台300を取り付ける際に端子台300に接続する。よって、基台600に第1カバー100を取り付ける際に、内部配線403をクランプする必要がない。
【0028】
(6)電源装置10としての一つのカバー150は、第1カバー100と第2カバー200との個々に独立した部品から構成されている。カバー150を第1カバー100と第2カバー200との2パーツにしていることで、複雑な曲げ加工をせずに電源装置10のカバーを形成できる。
【0029】
(7)基台側底面部603と基板400は略同じ長さである。つまり基台600と基板400とは長手方向(X方向)の長さが略同じであり、電源装置10では端子台300を配置しても長さの点でも大型化しない。
基台600には、素材にアルミニウムを使用する。第1カバー100及び第2カバー200は、素材にスチールを使用する。スチールを使用することでアルミを使用するに対してコストを低減できる。