特許第6906336号(P6906336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906336
(24)【登録日】2021年7月1日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20210708BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20210708BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61K8/33
   A61Q19/00
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-54089(P2017-54089)
(22)【出願日】2017年3月21日
(65)【公開番号】特開2018-154599(P2018-154599A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2019年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】397063833
【氏名又は名称】株式会社シーボン
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】大塚 理恵
(72)【発明者】
【氏名】沼田 忠
【審査官】 星 浩臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−172908(JP,A)
【文献】 特開2004−099588(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/162648(WO,A1)
【文献】 特開2008−143839(JP,A)
【文献】 特表平06−509564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.05重量%以上0.5重量%以下のフェネチルアルコール又は0.05重量%以上0.25重量%以下のフェニルプロパノール、エチルヘキシルグリセリン及び水を含有し、
フェノキシエタノールを含有しない化粧料。
【請求項2】
パラベンを含有しないことを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
1,3−ブチレングリコールをさらに含有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の化粧料。
【請求項4】
キレート剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
エチルヘキシルグリセリンの含有量は0.1重量%以上0.2重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
フェネチルアルコールを含有する場合には、フェネチルアルコールとエチルヘキシルグリセリンとの重量%の比率が1:3〜5:1の範囲にあり、
フェニルプロパノールを含有する場合には、フェニルプロパノールとエチルヘキシルグリセリンとの重量%の比率が1:3〜5:1の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項7】
フェネチルアルコール及びフェニルプロパノールを含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防腐特性を有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧水等の化粧料に関して、防腐剤としてパラベンが用いられてきた。例えば特許文献1では、防腐剤としてメチルパラベン、フェノキシエタノール等を添加することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−230964号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、欧州等ではパラベンの安全性が疑われており、一部のパラベンに関しては3歳以下の子供への使用が禁止される等の動きが出てきており、パラベンを利用しない化粧料の提供が望まれている。
【0005】
パラベンの代わりにフェノキシエタノール、多価アルコール、エキス類を利用することも考えられるが、添加量が多くなったり、皮膚刺激や剤型の安定性(乳化バランス)が崩れたりする等の新たな問題も発生しうる。
【0006】
特にフェノキシエタノールに関しては、フランスにおいて乳幼児のおしりふきへの使用が禁止され、また抗菌性のあるエキス類は産地やロット違いで効果にばらつきがあり、安定した効果が得られ難いという問題もある。
【0007】
以上のような背景も鑑み、本発明は、従前とは異なる材料により防腐特性を有する化粧料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による化粧料は、
0.05重量%以上0.5重量%以下のフェネチルアルコール又は0.05重量%以上0.5重量%以下のフェニルプロパノール、エチルヘキシルグリセリン及び水を含有してもよい。
【0009】
本発明による化粧料は、
パラベン及びフェノキシエタノールを含有しなくてもよい。
【0010】
本発明による化粧料は、
1,3−ブチレングリコールをさらに含有してもよい。
【0011】
本発明による化粧料は、
キレート剤をさらに含有してもよい。
【0012】
本発明による化粧料において、
エチルヘキシルグリセリンの含有量は0.1重量%以上0.2重量%以下であってもよい。
【0013】
本発明による化粧料において、
フェネチルアルコールを含有する場合には、フェネチルアルコールとエチルヘキシルグリセリンとの重量%の比率が1:3〜5:1の範囲にあり、
フェニルプロパノールを含有する場合には、フェニルプロパノールとエチルヘキシルグリセリンとの重量%の比率が1:3〜5:1の範囲にあってもよい。
【0014】
本発明による化粧料は、
フェネチルアルコール及びフェニルプロパノールを含有してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、一定量のフェネチルアルコール又はフェニルプロパノールと、エチルヘキシルグリセリンを含有させることで、従前とは異なる材料によって防腐特性を有する化粧水等の化粧料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施例1乃至8における主要な成分の量の一覧を示したものである。
図2図2は、実施例9及び10における主要な成分の量の一覧を示したものである。
図3図3は、比較例1乃至8における主要な成分の量の一覧を示したものである。
図4図4は、比較例9乃至13における主要な成分の量の一覧を示したものである。
図5図5は、実施例11及び12における主要な成分の量の一覧を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願発明者らは、フェネチルアルコール又はフェニルプロパノールと、エチルヘキシルグリセリンとの組み合わせが防腐性として優れた効果を発揮することを見出した。特に、大腸菌に対しては優れた効果を発揮することも見出した。この点について、以下、説明していく。
【0018】
本実施の形態の化粧料は、皮膚に利用される皮膚外用品であってもよく、例えば、化粧水であってもよい。本実施の形態の化粧料は、本願出願時において知られている、一般的な化粧水に含まれる添加剤等の成分を含有してもよい。この添加剤(第三成分)としては、増粘剤、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料、酸化防止剤、植物抽出液、ビタミン類、アミノ酸等を挙げることができる。これらの成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0019】
本実施の形態の化粧料は、フェネチルアルコール又はフェニルプロパノールを含有してもよい。フェネチルアルコール又はフェニルプロパノールの含有量が少なすぎると、エチルヘキシルグリセリンと組み合わせて利用したとしても、防腐特性として優れた効果を発揮しないことがあることから、フェネチルアルコール又はフェニルプロパノールは0.05重量%以上で含有されることが好ましい。
【0020】
フェネチルアルコールはバラのような匂いを有している。このため、その量を多くしすぎると、当該匂いを好まない利用者には受け入れられないことも考えられる。このような点も鑑みると、フェネチルアルコールの含有量は0.30重量%以下であることが好ましい。また、フェネチルアルコールの含有量が0.30重量%程度であると、匂いに敏感な利用者であってバラのような匂いを好まない利用者には受け入れられ難いことも鑑みると、フェネチルアルコールの含有量は0.25重量%以下であることがより好ましく、0.20重量%以下であることがさらにより好ましい。他方、防腐特性だけを鑑みた場合には、化粧料は0.50重量%程度のフェネチルアルコールを含有してもよい。
【0021】
フェニルプロパノールはエスニック調の匂いを有している。このため、その量を多くしすぎると、当該匂いを好まない利用者には受け入れられないことも考えられる。このような点も鑑みると、フェニルプロパノールの含有量は0.30重量%以下であることが好ましい。また、フェニルプロパノールの含有量が0.30重量%程度であると、匂いに敏感な利用者であってエスニック調の匂いを好まない利用者には受け入れられ難いことも鑑みると、フェニルプロパノールの含有量は0.25重量%以下であることがより好ましく、0.20重量%以下であることがさらにより好ましく、0.15重量%以下であることがより一層好ましい。他方、防腐特性だけを鑑みた場合には、化粧料は0.50重量%程度のフェニルプロパノールを含有してもよい。
【0022】
なお、フェネチルアルコールと比較した場合、フェニルプロパノールの方が匂いが強いことから、匂いだけに着目するのであれば、フェネチルアルコールよりもフェニルプロパノールの方がその上限値は低くなる。
【0023】
本実施の形態の化粧料は、エチルヘキシルグリセリンを含有してもよい。エチルヘキシルグリセリンの含有量が少なすぎると、フェネチルアルコール又はフェニルプロパノールと組み合わせて利用したとしても、防腐特性として優れた効果を発揮しないことがあることから、エチルヘキシルグリセリンは0.05重量%以上で含有されることが好ましく、0.10重量%以上で含有されることがより好ましい。
【0024】
エチルヘキシルグリセリンは水に溶けにくい性質を有しており、また量が多すぎると肌に刺激を与えることもある。量産を行った際の溶け残りや肌に敏感な利用者のことも鑑みるとその量を一定程度に抑えることが好ましい。このため、エチルヘキシルグリセリンの含有量は0.30重量%以下であることが好ましく、0.20重量%以下であることがより好ましい。また、量産を鑑みると、0.20重量%の含有量であっても溶け残りの点が懸念されることから、この点だけを鑑みると、エチルヘキシルグリセリンは、0.15重量%以下であることがさらにより好ましく、0.10重量%以下であることがより一層好ましい。他方、防腐特性だけを鑑みた場合には、化粧料は0.30重量%程度のエチルヘキシルグリセリンを含有してもよい。
【0025】
本実施の形態の化粧料は、1,3−ブチレングリコールを含有してもよい。本実施の形態の化粧料に含まれる1,3−ブチレングリコールは、5.0重量%以下、4.0重量%以下、3.0重量%以下、2.0重量%以下又は1.0重量%以下であってもよい。他方、1,3−ブチレングリコールの下限値としては0.05重量%又は0.10重量%を挙げることができる。
【0026】
本実施の形態の化粧料は、キレート剤を含有してもよい。キレート剤としては、エデト酸、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、リンゴ酸、フィチン酸、エチドロン酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、乳酸、グリコール酸及びこれらの塩等を用いてもよい。とりわけ、キレート剤としては、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸、EDTA)、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、乳酸とこれらの塩を用いることができる。キレート剤は、0.05重量%以上0.20重量%以下で含有されてもよく、0.05重量%以上0.10重量%以下で含有されてもよい。
【0027】
本実施の形態の化粧料は、ヒアルロン酸、その誘導体若しくはそれらの塩、又はそれらの組み合わせを含有してもよい。本実施の形態の化粧料に含有されるヒアルロン酸、その誘導体若しくはそれらの塩、又はそれらの組み合わせは、0.20重量%以下であってもよい。他方、ヒアルロン酸、その誘導体若しくはそれらの塩、又はそれらの組み合わせの下限値としては、0.15重量%であってもよい。
【0028】
本実施の形態の化粧料は、溶媒を含有してもよく、溶媒としては例えば水を用いることができる。
【0029】
防腐特性の観点だけではなく、上述した匂いの問題、可溶性・刺激性の問題も鑑みると、フェネチルアルコールの含有量は0.05重量%以上0.25重量%以下であり、エチルヘキシルグリセリンの含有量は0.05重量%以上0.15重量%以下であることが好ましい。重量%の比率で考えると、フェネチルアルコールとエチルヘキシルグリセリンの比率は1:3〜5:1であることが好ましい。フェネチルアルコールの含有量は0.05重量%以上0.20重量%以下であり、エチルヘキシルグリセリンの含有量は0.10重量%以上0.15重量%以下であることがより好ましい。重量%の比率で考えると、フェネチルアルコールとエチルヘキシルグリセリンの比率は1:3〜2:1であることがより好ましい。
【0030】
同様に、防腐特性の観点だけではなく、上述した匂いの問題、可溶性・刺激性の問題も鑑みると、フェニルプロパノールの含有量は0.05重量%以上0.25重量%以下であり、エチルヘキシルグリセリンの含有量は0.05重量%以上0.15重量%以下であることが好ましい。重量%の比率で考えると、フェニルプロパノールとエチルヘキシルグリセリンの比率は1:3〜5:1であることが好ましい。フェニルプロパノールの含有量は0.05重量%以上0.15重量%以下であり、エチルヘキシルグリセリンの含有量は0.10重量%以上0.15重量%以下であることがより好ましい。重量%の比率で考えると、フェニルプロパノールとエチルヘキシルグリセリンの比率は1:3〜3:2であることがより好ましい。
【0031】
本実施の形態の化粧料は、パラオキシ安息香酸エステル類(パラベン)、フェノキシエタノール等の防腐剤を含有しなくてもよいが、このような防腐剤を利用しなくても、本実施の形態によれば、防腐特性な化粧料(化粧水)を提供することができる点で有益である。防腐剤としては、その他としては、安息香酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、サリチル酸及びその塩類、ソルビン酸及びその塩類、p−トルエンスルホン酸及びその塩類等を挙げることができる。
【0032】
[実施例]
次に、本発明の実施例について説明する。
【0033】
(実施例1)
以下の重量比(質量比)になるようにして化粧料(化粧水)を生成した。フェネチルアルコールとしてはソー・ジャパン株式会社のマイクロケア(登録商標)PEAを利用し、エチルヘキシルグリセリンとしてはソー・ジャパン株式会社のマイクロケア(登録商標)EHGを利用し、1,3−ブチレングリコールとしては株式会社資生堂の1,3−BG UKグレードを利用し、濃グリセリンとしては坂本薬品工業株式会社のケショウヒンヨウノウグリセリンを利用し、ヒアルロン酸としては株式会社ダイセル 有機合成カンパニーのバイオヒアルロンサン NaHA12Nを利用した。なお、実際には総量500gの化粧料(化粧水)を製造し、1種類の菌に対して20g使用して、後述する保存効力試験を行った。なお、濃グリセリン及びヒアルロン酸は保湿のために添加したものである。これら濃グリセリン及びヒアルロン酸は防腐特性には影響しない。
フェネチルアルコール 0.05(重量%)
エチルヘキシルグリセリン 0.10(重量%)
1,3−ブチレングリコール 4.00(重量%)
濃グリセリン 5.00(重量%)
ヒアルロン酸 0.10(重量%)
水 残量
合計 100(重量%)
【0034】
(比較例1〜3)
比較例1として実施例1における成分のうちフェネチルアルコール及びエチルヘキシルグリセリンを含有していないものを準備し、比較例2としてエチルヘキシルグリセリンを含有していないものを準備し、比較例3としてフェネチルアルコールを含有していないものを生成した。成分としては、以下のとおりである。
(比較例1)
1,3−ブチレングリコール 4.00(重量%)
濃グリセリン 5.00(重量%)
ヒアルロン酸 0.10(重量%)
水 残量
合計 100(重量%)
(比較例2)
フェネチルアルコール 0.05(重量%)
1,3−ブチレングリコール 4.00(重量%)
濃グリセリン 5.00(重量%)
ヒアルロン酸 0.10(重量%)
水 残量
合計 100(重量%)
(比較例3)
エチルヘキシルグリセリン 0.10(重量%)
1,3−ブチレングリコール 4.00(重量%)
濃グリセリン 5.00(重量%)
ヒアルロン酸 0.10(重量%)
水 残量
合計 100(重量%)
【0035】
保存効力試験の結果は以下の表1に示すとおりである。
【表1】
【0036】
(実施例2)
実施例2として実施例1における成分のうちエチルヘキシルグリセリンの量を減らし、その他は実施例1と同じものを生成した。成分としては、以下のとおりである。
フェネチルアルコール 0.05(重量%)
エチルヘキシルグリセリン 0.05(重量%)
1,3−ブチレングリコール 4.00(重量%)
濃グリセリン 5.00(重量%)
ヒアルロン酸 0.10(重量%)
水 残量
合計 100(重量%)
【0037】
実施例2の保存効力試験の結果は以下の表2に示すとおりである。
【表2】
【0038】
(比較例4)
比較例4として実施例2における成分のうちフェネチルアルコールを含有していないものを生成した。保存効力試験の結果は以下の表3に示すとおりである。
【表3】
【0039】
エチルヘキシルグリセリンが0.05重量%では防腐効果が小さくなる。しかしながら、実施例2と比較例4とを比較すると理解できるが、フェネチルアルコールをわずかに含有させることで、その防腐効果を高めることができることを確認できた。
【0040】
(実施例3)
実施例3として実施例1における成分のうち1,3−ブチレングリコールを含有しておらず、その他は実施例1と同じものを生成した。成分としては、以下のとおりである。
フェネチルアルコール 0.05(重量%)
エチルヘキシルグリセリン 0.10(重量%)
濃グリセリン 5.00(重量%)
ヒアルロン酸 0.10(重量%)
水 残量
合計 100(重量%)
【0041】
(実施例4〜6)
実施例4として実施例1における成分のうち1,3−ブチレングリコールを1.00重量%となるものを準備し、実施例5として実施例1における成分のうち1,3−ブチレングリコールを2.00重量%となるものを準備し、実施例6として実施例1における成分のうち1,3−ブチレングリコールを3.00重量%となるものを生成した。
【0042】
実施例3〜7の保存効力試験の結果は以下の表4に示すとおりである。
【表4】
【0043】
なお、本実施例では、大腸菌、黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に関しては、14日以内にN.D.(不検知)となった場合には効果大として「◎」として表記し、14日以内に103cfu/g以上低下した場合には効果中として「○」として表記し、28日以内に103cfu/g以上低下した場合には効果小として「△」として表記し、それ以下の場合には効果無として「×」として表記する。また、カンジダ菌に関しては、14日以内にN.D.(不検知)となった場合には効果大として「◎」として表記し、14日以内に102cfu/g以上低下し、かつ、28日以内に103cfu/g以上低下した場合には効果中として「○」として表記し、28日以内に103cfu/g以上低下した場合には効果小として「△」として表記し、それ以下の場合には効果無として「×」として表記する。黒コウジカビに関しては、28日以内に103cfu/g以上低下した場合には効果大として「◎」として表記し、28日以内に10cfu/g以上低下した場合には効果中として「○」として表記し、28日以内に菌の増加がなければ効果小として「△」として表記し、菌が増加した場合には効果無として「×」として表記する。
【0044】
なお、前述した実施例3乃至6では効果の差が無いように見えるが、エチルヘキシルグリセリンの含有量を減らして0.05重量%としたときには、1,3−ブチレングリコールを含有させることで、大腸菌、緑膿菌及びカンジダ菌を減少させる効果があることを確認できた。より具体的には、0.05重量%のエチルヘキシルグリセリン及び0.05重量%のフェネチルアルコールを含有するが1,3−ブチレングリコールを含有していない化粧料(化粧水)と、0.05重量%のエチルヘキシルグリセリン、0.05重量%のフェネチルアルコール及び4.00重量%の1,3−ブチレングリコールを含有している化粧料(化粧水)とを比較すると、大腸菌、緑膿菌及びカンジダ菌を減少させる効果(特に大腸菌を大幅に減少させる効果)が存在することを確認できた。
【0045】
(比較例5)
比較例5として比較例2におけるフェネチルアルコールの含有量を0.10重量%とし、その他は比較例2と同じものを生成した。保存効力試験の結果は以下の表5に示すとおりである。
【表5】
【0046】
(比較例6及び7)
比較例6として比較例5においてフェネチルアルコールの含有量を0.30重量%となるものを生成したが、バラのような匂いが存在し、当該匂いを好まない利用者であって匂いの敏感な利用者には受け入れられないものであった。比較例6として比較例5においてフェネチルアルコールの含有量を0.50重量%となるものを生成したが、バラのような匂いがかなり存在し、当該匂いを好まない利用者には受け入れられないものであった。他方、フェネチルアルコールの含有量を0.20重量%以下にした場合には、比較例6及び7で示されるような匂いの問題は生じなかった。
【0047】
(比較例8)
比較例8として比較例3におけるエチルヘキシルグリセリンの含有量を0.20重量%とし、その他は比較例3と同じものを生成したが、エチルヘキシルグリセリンはかなり溶けにくいものであり、水に溶解させるために非常に時間を要した。他方、エチルヘキシルグリセリンの含有量を0.15重量%以下にした場合には、比較例8で示されるような溶解性に関する問題は生じなかった。
【0048】
(実施例7)
実施例7として実施例1における成分においてフェネチルアルコールを0.20重量%とし、エチルヘキシルグリセリンを0.10重量%とし、その他は実施例1と同じものを生成した。
【0049】
(実施例8)
実施例8として実施例7における成分において、キレート剤としてEDTA 4Naを0.05重量%を含有させ、その他は実施例8と同じものを生成した。
【0050】
実施例7及び8の保存効力試験の結果は以下の表6に示すとおりになった。
【表6】
【0051】
また、実施例1乃至7のいずれについても、黒コウジカビの28日以内の減少率が10cfu/g以上低下したに過ぎなかったのに対して、実施例8では、黒コウジカビの28日以内の減少率が103cfu/g以上低下し、黒コウジカビに対する効果が格段に改善された。
【0052】
(実施例9)
以下の重量比(質量比)になるようにして材料を生成した。フェニルプロパノールとしてはソー・ジャパン株式会社のマイクロケア(登録商標)PPAを利用し、その他の材料は実施例1と同じものを用いた。なお、実際には総量500gの化粧料(化粧水)を製造し、1種類の菌に対して20g使用して、後述する保存効力試験を行った。
フェニルプロパノール 0.05(重量%)
エチルヘキシルグリセリン 0.10(重量%)
1,3−ブチレングリコール 4.00(重量%)
濃グリセリン 5.00(重量%)
ヒアルロン酸 0.10(重量%)
水 残量
合計 100(重量%)
【0053】
(実施例10)
実施例10として実施例9における成分においてフェニルプロパノールを0.10量%とし、その他は実施例9と同じものを生成した。
【0054】
実施例9及び10の保存効力試験の結果は以下の表7に示すとおりになった。
【表7】
【0055】
(比較例9〜11)
比較例9として実施例9における成分においてエチルヘキシルグリセリンを含有しておらず、その他は実施例9と同じものを生成した。比較例10として実施例10における成分においてエチルヘキシルグリセリンを含有しておらず、その他は実施例10と同じものを生成した。比較例9及び10の保存効力試験の結果は以下の表8に示すとおりになった。
【表8】
【0056】
(比較例11)
比較例11として比較例10における成分においてフェニルプロパノールを0.20重量%とし、その他は比較例10と同じものを生成した。保存効力試験の結果は以下の表9に示すとおりになり、大腸菌及び黄色ブドウ球菌への効果がそれほど芳しくなかった。
【表9】
【0057】
(比較例12〜13)
比較例12として比較例10における成分においてフェニルプロパノールを0.25重量%とし、その他は比較例10と同じものを生成した。比較例12の成分では、エスニック調の匂いが存在し、当該匂いを好まない利用者であって匂いの敏感な利用者には受け入れられないものであった。比較例13として比較例10における成分においてフェニルプロパノールを0.30重量%とし、その他は比較例10と同じものを生成したが、エスニック調の匂いがかなり存在し、当該匂いを好まない利用者には受け入れられないものであった。他方、フェニルプロパノールの含有量を0.15重量%以下にした場合には、比較例12及び13で示されるような匂いの問題は生じなかった。なお、比較例11に示す態様では、比較例12と比較すると弱いながらもエスニック調の匂いが存在していた。
【0058】
(実施例11及び12)
フェネチルアルコール及びフェニルプロパノールをともに含有する態様についても保存効力試験を行った。実施例11では、以下の重量比(質量比)になるようにして材料を生成した。
フェネチルアルコール 0.05(重量%)
フェニルプロパノール 0.05(重量%)
エチルヘキシルグリセリン 0.10(重量%)
1,3−ブチレングリコール 4.00(重量%)
濃グリセリン 5.00(重量%)
ヒアルロン酸 0.10(重量%)
水 残量
合計 100(重量%)
【0059】
実施例12では、実施例11における成分においてフェネチルアルコールを0.10重量%とし、フェニルプロパノールを0.10重量%とし、その他は実施例11と同じものを生成した。
【0060】
実施例11及び12の保存効力試験の結果は以下の表10に示すとおりになり、全般的に良好な結果を示すものとなった。
【表10】
【0061】
実施例1乃至8における主要な組成の一覧は図1に示すとおりであり、実施例9及び10における主要な組成の一覧は図2に示すとおりである。BGは1,3−ブチレングリコールであり、PAはフェネチルアルコールであり、EHGはエチルヘキシルグリセリンであり、PPはフェニルプロパノールである。比較例1乃至8における主要な組成の一覧は図3に示すとおりであり、比較例9乃至13における主要な組成の一覧は図4に示すとおりであり、実施例11及び12における主要な組成の一覧は図5に示すとおりである。
【0062】
上述した実施の形態及び実施例の記載は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎない。また、出願当初の特許請求の範囲の記載は本件特許明細書の範囲内で適宜変更することもでき、その範囲を拡張及び変更することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5