特許第6906387号(P6906387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6906387浴室監視システム及び浴室監視機能付き給湯装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906387
(24)【登録日】2021年7月1日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】浴室監視システム及び浴室監視機能付き給湯装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20210708BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20210708BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20210708BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   G08B25/04 K
   F24H1/00 602X
   G08B25/10 D
   G08B21/02
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-143281(P2017-143281)
(22)【出願日】2017年7月25日
(65)【公開番号】特開2019-23836(P2019-23836A)
(43)【公開日】2019年2月14日
【審査請求日】2020年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 しほり
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−223362(JP,A)
【文献】 特開2001−297384(JP,A)
【文献】 特開2008−140141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H1/00
G08B19/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯運転を実行する機能を少なくとも有する給湯装置の運転操作を行い得るように浴室に配置され、音声を出力可能な発音部を有する浴室リモコンと、前記浴室内の入浴者の状態を検出し得るように該浴室に配置された入浴者状態検知部と、前記入浴者の関係者が所有する携帯端末と外部ネットワークを介して通信可能な対外通信部と、制御部とを備えており、
前記制御部は、前記入浴者状態検知部により前記入浴者の異常が検知された場合に、該異常の発生を示す異常情報を、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信するように該対外通信部を動作させる第1制御処理と、前記浴室リモコンの発音部から前記入浴者の動作を促す所定の音声を出力させるように該発音部を動作させる第2制御処理と、該発音部からの前記所定の音声の出力後に前記入浴者状態検知部により検知された前記入浴者の状態を示す音声応答情報を、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信するように該対外通信部を動作させる第3制御処理とを実行するように構成されており、
前記第3制御処理は、前記所定の音声の出力後、所定時間が経過するまでに前記入浴者状態検知部により前記入浴者の動きが検知されるか否かを判断し、その判断結果が否定的である場合に、入浴者が異常状態になっていることが確認されたことを示す異常確認情報を前記音声応答情報として前記携帯端末に送信するように前記対外通信部を動作させ、前記判断結果が肯定的である場合には、入浴者が正常状態であることが確認されたことを示す正常確認情報を前記音声応答情報として前記携帯端末に送信するように前記対外通信部を動作させる制御処理であり、前記制御部は、前記所定の音声の出力後、前記異常確認情報又は正常確認情報を送信するまでは、前記入浴者の状態を示す情報を前記携帯端末に送信することを実行しないように構成されていることを特徴とする
浴室監視システム。
【請求項2】
請求項1記載の浴室監視システムにおいて、
前記制御部は、前記第1制御処理の実行後、前記所定時間よりも短い所定時間が経過するまでに、前記携帯端末から、前記異常情報を確認したことを示す情報が受信されない場合に、前記異常情報と前記音声応答情報とを、前記携帯端末と別のあらかじめ定められた外部通信端末に前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して送信するように該対外通信部を動作させる第4制御処理を実行するように構成されていることを特徴とする浴室監視システム。
【請求項3】
給湯運転を実行する機能を少なくとも有する給湯装置であって、
当該給湯装置の運転操作を行い得るように浴室に配置され、音声を出力可能な発音部を有する浴室リモコンと、前記浴室内の入浴者の状態を検出し得るように前記浴室リモコンに搭載された入浴者状態検知部と、前記入浴者の関係者が所有する携帯端末と外部ネットワークを介して通信可能な対外通信部と、制御部とを備えており、
前記制御部は、前記入浴者状態検知部により前記入浴者の異常が検知された場合に、該異常の発生を示す異常情報を、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信するように該対外通信部を動作させる第1制御処理と、前記浴室リモコンの発音部から前記入浴者の動作を促す所定の音声を出力させるように該発音部を動作させる第2制御処理と、該発音部からの前記所定の音声の出力後に前記入浴者状態検知部により検知された前記入浴者の状態を示す音声応答情報を、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信するように該対外通信部を動作させる第3制御処理とを実行するように構成されており、
前記第3制御処理は、前記所定の音声の出力後、所定時間が経過するまでに前記入浴者状態検知部により前記入浴者の動きが検知されるか否かを判断し、その判断結果が否定的である場合に、入浴者が異常状態になっていることが確認されたことを示す異常確認情報を前記音声応答情報として前記携帯端末に送信するように前記対外通信部を動作させ、前記判断結果が肯定的である場合には、入浴者が正常状態であることが確認されたことを示す正常確認情報を前記音声応答情報として前記携帯端末に送信するように前記対外通信部を動作させる制御処理であり、前記制御部は、前記所定の音声の出力後、前記異常確認情報又は正常確認情報を送信するまでは、前記入浴者の状態を示す情報を前記携帯端末に送信することを実行しないように構成されていることを特徴とする浴室監視機能付き給湯装置。
【請求項4】
請求項3記載の浴室監視機能付き給湯装置において、
前記制御部は、前記第1制御処理の実行後、前記所定時間よりも短い所定時間が経過するまでに、前記携帯端末から、前記異常情報を確認したことを示す情報が受信されない場合に、前記異常情報と前記音声応答情報とを、前記携帯端末と別のあらかじめ定められた外部通信端末に前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して送信するように該対外通信部を動作させる第4制御処理を実行するように構成されていることを特徴とする浴室監視機能付き給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内の入浴者の状態を検知可能な浴室監視システム及び給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、浴室内で入浴者の状態を人感センサにより検知し、該入浴者の異常が検知された場合に、浴室内のリモコン(風呂リモコン)で警報を出力し、この警報の出力を解除する操作が入浴者によりなされない状態が所定時間以上、継続した場合に、入浴者の異常を、浴室外に配置された台所リモコンで報知したり、あるいは、外部通信回線を介してガス会社等に連絡するものが知られている。
【0003】
また、例えば特許文献2に見られるように、浴室内の音響信号に基づいて入浴者の異常の有無を検知し、異常を検知した場合に、浴室の外部の居間等に備えた拡声器から警報を発するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−133040号公報
【特許文献2】特開2004−101216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に見られる如く、入浴者の異常の発生が検知された場合に、浴室の外部の台所リモコンや拡声器で警報報知を行うものでは、入浴者が一人住まいである場合、あるいは、入浴者の家族等の同居者が外出している場合には、該入浴者の異常を該入浴者の家族等に速やかに知らせることができないという不都合がある。
【0006】
さらに、入浴者が一人住まいである場合、あるいは、入浴者の家族等の同居者が外出している場合に、入浴者の異常の誤検知によって、浴室の外部の台所リモコンや拡声器で警報報知が行われると、該警報報知を解除する操作を、該入浴者が浴室から出て行う必要があるため、該解除操作が非常に煩わしいものとなる。
【0007】
また、特許文献1には、入浴者の異常の発生を、外部通信回線を介してガス会社等に連絡する技術についても記載されているものの、当該技術では、ガス会社等の事業者が、入浴者の異常の発生に対応する処置を行うこととなるため、利用者のコスト負担が高価なものとなりやすい。さらに、入浴者の異常の誤検知が生じた場合でも、ガス会社等の事業者が関与することとなるため、利用者にとって煩わしいものとなりやすい。
【0008】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、入浴者の異常が発生した場合に的確に対応し得るシステムを、利用しやすい簡易なシステムで実現することができる浴室監視システム及び浴室監視機能付き給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の浴室監視システムは、上記の目的を達成するために、給湯運転を実行する機能を少なくとも有する給湯装置の運転操作を行い得るように浴室に配置され、音声を出力可能な発音部を有する浴室リモコンと、前記浴室内の入浴者の状態を検出し得るように該浴室に配置された入浴者状態検知部と、前記入浴者の関係者が所有する携帯端末と外部ネットワークを介して通信可能な対外通信部と、制御部とを備えており、
前記制御部は、前記入浴者状態検知部により前記入浴者の異常が検知された場合に、該異常の発生を示す異常情報を、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信するように該対外通信部を動作させる第1制御処理と、前記浴室リモコンの発音部から前記入浴者の動作を促す所定の音声を出力させるように該発音部を動作させる第2制御処理と、該発音部からの前記所定の音声の出力後に前記入浴者状態検知部により検知された前記入浴者の状態を示す音声応答情報を、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信するように該対外通信部を動作させる第3制御処理とを実行するように構成されていることを基本構成とする
そして、前記第3制御処理は、前記所定の音声の出力後、所定時間が経過するまでに前記入浴者状態検知部により前記入浴者の動きが検知されるか否かを判断し、その判断結果が否定的である場合に、入浴者が異常状態になっていることが確認されたことを示す異常確認情報を前記音声応答情報として前記携帯端末に送信するように前記対外通信部を動作させ、前記判断結果が肯定的である場合には、入浴者が正常状態であることが確認されたことを示す正常確認情報を前記音声応答情報として前記携帯端末に送信するように前記対外通信部を動作させる制御処理であり、前記制御部は、前記所定の音声の出力後、前記異常確認情報又は正常確認情報を送信するまでは、前記入浴者の状態を示す情報を前記携帯端末に送信することを実行しないように構成されていることを特徴とする。
【0010】
かかる本発明の浴室監視システムによれば、前記入浴者の異常が検知された場合に、該異常の発生を示す異常情報が、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信される。
【0011】
ここで、スマートフォン等の携帯端末は、一般に広く普及しており、この種の携帯端末を、本発明における前記携帯端末として使用し得る。そして、前記関係者(前記入浴者の関係者)を含めた多くの者は、一般に、自身の携帯端末を定常的に携帯しているか、もしくは、自身の近辺に配置する。
【0012】
従って、前記異常情報を前記関係者が所有する携帯端末に送信することで、該関係者は、入浴者の居宅に居ない場合であっても、自身の携帯端末で該異常情報を確認することで、前記入浴者のなんらかの異常の発生が検知されたことを速やかに認識することが可能となる。
【0013】
また、浴室での入浴者の行動態様は千差万別であるので、入浴者の異常が誤検知される場合もある。そこで、本発明では、前記浴室リモコンの発音部から前記入浴者の動作を促す所定の音声を出力させることが行われる。そして、その後に、入浴者状態検知部により検知された前記入浴者の状態を示す音声応答情報が、前記対外通信部から前記関係者の携帯端末に送信される。
【0014】
ここで、入浴者が、実際には正常な状態であった場合には、該入浴者は前記音声の出力に応じて動作することができる。このため、前記音声応答情報は、入浴者が動作し得る状態であることを示す情報となる。従って、前記異常情報の後に、該音声応答情報を自身の携帯端末で受信する前記関係者は、該音声応答情報によって、入浴者が実際には無事であったことを認識して、安心することができる。その後は、該関係者は、入浴者やその同居者等と改めて連絡を取ることなどの対応を落ち着いて遂行できる。
【0015】
一方、入浴者が、動けない異常を生じている場合には、該入浴者が、前記音声の出力を受けても、正常に動くことができないため、前記音声応答情報は、入浴者が正常に動くことができない状態であることを示す情報となる。従って、前記異常情報の後に、該音声応答情報を自身の携帯端末で受信する前記関係者は、該音声応答情報によって、入浴者が真に、動けない状態であることを認識できる。ひいては、入浴者の同居者等に直ちに連絡したり、あるいは、救急車を手配する等の処置を適切に行うことができる。
【0016】
以上説明した本発明の浴室監視システムは、入浴者の住戸に備えられた給湯装置の構成要素あるいは該給湯装置に付設される構成要素によって、該入浴者の住戸に構築し得る。そして、入浴者の関係者は、前記異常情報と前記音声応答情報とを、上記の如く自身の携帯端末で受信することで、これらの情報を、事業者等の他の人的労力を必要とせずに取得することができる。
【0017】
また、前記関係者は、前記異常情報の受信後に、前記音声応答情報を受信できるため、前記異常情報が、入浴者状態検知部の誤検知によるものであった場合でも、入浴者の実際の状況を正しく認識できるため、的確な処置をとることができる。また、前記所定の音声の出力後、所定時間が経過するまでに前記入浴者状態検知部により前記入浴者の動きが検知されるか否かが判断され、その判断結果が否定的である場合には、前記異常確認情報が音声応答情報として携帯端末に送信され、該判断結果が肯定的である場合には、前記正常確認情報が音声応答情報として携帯端末に送信される。一方、前記所定の音声の出力後、異常確認情報又は正常確認情報が送信されるまでは、入浴者の状態を示す情報は携帯端末に送信されない。
【0018】
よって、本発明の浴室監視システムによれば、入浴者の異常が発生した場合に的確に対応し得るシステムを、利用しやすい簡易なシステムで実現することができる。
【0019】
本発明の浴室監視システムでは、さらに、前記制御部は、前記第1制御処理の実行後、前記所定時間よりも短い所定時間が経過するまでに、前記携帯端末から、前記異常情報を確認したことを示す情報が受信されない場合に、前記異常情報と前記音声応答情報とを、前記携帯端末と別のあらかじめ定められた外部通信端末に前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して送信するように該対外通信部を動作させる第4制御処理を実行するように構成されていることが好ましい。
【0020】
これによれば、前記関係者の携帯端末の電源がオフになっている場合等、該携帯端末が前記異常情報等を受信できない状態となっていたり、あるいは、前記関係者が自身の携帯端末の受信内容等を確認できない状態では、前記異常情報と前記音声応答情報とが、前記関係者の携帯端末とは別の前記外部通信端末に送信される。これにより、前記異常情報及び音声応答情報を前記関係者に通知できない状況であっても、前記外部通信端末の所有者に、前記異常情報と前記音声応答情報とを通知することができ、ひいては、該所有者に、適宜、対応処置をとってもらうことが可能となる。
【0021】
次に、本発明の浴室監視機能付き給湯装置は、前記の目的を達成するために、給湯運転を実行する機能を少なくとも有する給湯装置であって、
当該給湯装置の運転操作を行い得るように浴室に配置され、音声を出力可能な発音部を有する浴室リモコンと、前記浴室内の入浴者の状態を検出し得るように前記浴室リモコンに搭載された入浴者状態検知部と、前記入浴者の関係者が所有する携帯端末と外部ネットワークを介して通信可能な対外通信部と、制御部とを備えており、
前記制御部は、前記入浴者状態検知部により前記入浴者の異常が検知された場合に、該異常の発生を示す異常情報を、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信するように該対外通信部を動作させる第1制御処理と、前記浴室リモコンの発音部から前記入浴者の動作を促す所定の音声を出力させるように該発音部を動作させる第2制御処理と、該発音部からの前記所定の音声の出力後に前記入浴者状態検知部により検知された前記入浴者の状態を示す音声応答情報を、前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して前記携帯端末に送信するように該対外通信部を動作させる第3制御処理とを実行するように構成されていることを基本構成とする
そして、前記第3制御処理は、前記所定の音声の出力後、所定時間が経過するまでに前記入浴者状態検知部により前記入浴者の動きが検知されるか否かを判断し、その判断結果が否定的である場合に、入浴者が異常状態になっていることが確認されたことを示す異常確認情報を前記音声応答情報として前記携帯端末に送信するように前記対外通信部を動作させ、前記判断結果が肯定的である場合には、入浴者が正常状態であることが確認されたことを示す正常確認情報を前記音声応答情報として前記携帯端末に送信するように前記対外通信部を動作させる制御処理であり、前記制御部は、前記所定の音声の出力後、前記異常確認情報又は正常確認情報を送信するまでは、前記入浴者の状態を示す情報を前記携帯端末に送信することを実行しないように構成されていることを特徴とする。
【0022】
かかる本発明の浴室監視機能付き給湯装置によれば、前記浴室監視システムと同様の効果を奏することができる。よって、本発明の浴室監視機能付き給湯装置によれば、入浴者の異常が発生した場合に的確に対応し得るシステムを、利用しやすい簡易なシステムで実現することができる。
【0023】
かかる本発明の浴室監視機能付き給湯装置では、前記制御部は、前記第1制御処理の実行後、前記所定時間よりも短い所定時間が経過するまでに、前記携帯端末から、前記異常情報を確認したことを示す情報が受信されない場合に、前記異常情報と前記音声応答情報とを、前記携帯端末と別のあらかじめ定められた外部通信端末に前記対外通信部から前記外部ネットワークを介して送信するように該対外通信部を動作させる第4制御処理を実行するように構成されていることが好ましい。
【0024】
これによれば、前記浴室監視システムの場合と同様に、前記異常情報及び音声応答情報を前記関係者に通知できない状況であっても、前記外部通信端末の所有者に、前記異常情報と前記音声応答情報とを通知することができ、ひいては、該所有者に、適宜、対応処置をとってもらうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態の装置の全体構成を概略的に示す図。
図2図1に示す給湯装置の制御系構成を示すブロック図。
図3図1に示す給湯装置の作動を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態を図1図3を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の給湯装置1は、任意の住戸Hに設置される給湯装置である。該給湯装置1は、本発明の浴室監視機能付き給湯装置に相当すると共に、本発明の浴室監視システムとしての機能を含む。
【0027】
この給湯装置1は、本実施形態では、所謂、風呂給湯装置であり、浴室BR及び台所等の給湯箇所への給湯を行う給湯運転を実行可能であると共に、浴室BRの浴槽BTに湯はりを行う湯はり運転、浴槽BT内の湯を加熱する追い焚き運転、浴槽BTに足し湯を行う足し湯運転等の風呂運転を実行可能である。
【0028】
この給湯装置1は、熱源機2と、給湯装置1の運転操作をユーザが行うためのリモコン3,4とを含む。
【0029】
熱源機2には、該熱源機2内に水道水等の給湯用水を導入する給水管5と、熱源機2内で加熱した給湯用水(湯)を台所、浴室等の給湯箇所に供給する給湯管6とが接続されていると共に、浴槽BTとの間で温水を流通させる浴槽配管7,7とが接続されている。
【0030】
この熱源機2は、例えば、公知の構成の燃焼式の熱源機であり、図示を省略するバーナ(燃焼式加熱源)及び熱交換器と、給湯装置1の本体部たる熱源機2の運転制御を行う本体制御部2aと、該本体制御部2aにより制御される種々の制御機器2b(図2に示す)とが搭載されている。
【0031】
詳細な図示は省略するが、熱源機2の制御機器2bには、バーナへの燃料供給路を開閉する電磁弁、該バーナへの燃料供給量を調整する制御弁、バーナに燃焼用空気を供給する燃焼ファン、点火器等の燃焼系の機器と、熱交換器の周辺の通水路を開閉する電磁弁、該通水路の流量を調整する制御弁等の通水系の機器とが含まれる。
【0032】
なお、バーナの燃料は、燃料ガス、あるいは、灯油等の液体燃料のいずれであってもよい。
【0033】
本体制御部2aは、マイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成されている。該本体制御部2aは、リモコン3,4のそれぞれとの間で相互に通信し得るように、リモコン3,4のそれぞれの後述するリモコン制御部3a,4aに有線接続されている。
【0034】
そして、本体制御部2aは、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)によって、制御機器2bを制御する機能、リモコン3,4と通信を行う機能、各種演算処理を実行する機能等を有する。
【0035】
本体制御部2aによる制御機器2bの制御によって、熱源機2は、給湯運転時に、給水管5から供給される給湯用水をバーナの燃焼熱により熱交換器を介して加熱しつつ、加熱した給湯用水(湯)を、台所や浴室BR等の給湯箇所に給湯管6を介して供給するという運転動作、浴槽BTの湯はり運転もしくは足し湯運転時に、給水管5から供給される給湯用水をバーナの燃焼熱により熱交換器を介して加熱しつつ、加熱した給湯用水(湯)を、浴槽BTに浴槽配管7,7の一方もしくは両方を介して供給するという運転動作、浴槽BTの追い焚き運転時に、浴槽BTとの間で浴槽配管7,7を介して温水を循環させつつ、該温水をバーナの燃焼熱により熱交換器を介して加熱するという運転動作等を実行可能である。
【0036】
給湯装置1のリモコン3,4のうち、リモコン3は、浴室BRに設置されるリモコン、リモコン4は、浴室BR以外の箇所、例えば台所に設置されるリモコンである。以降、リモコン3を浴室リモコン3、リモコン4を台所リモコン4ということがある。
【0037】
これらの浴室リモコン3又は台所リモコン4の操作部(図2に示す操作部3b又は4b)を操作することによって、給湯装置1の各運転の実行指示、ユーザが希望する給湯温度あるいは浴槽BT内の湯温(風呂温度)の設定等を行うことが可能である。
【0038】
浴室リモコン3及び台所リモコン4は、本実施形態では、図2に示す如く構成されている。
【0039】
具体的には、浴室リモコン3は、浴室リモコン3の動作に関する制御処理を実行可能なリモコン制御部3aと、複数の操作スイッチ等により構成される操作部3bと、各種情報を視覚的に報知する報知部としての表示部3cと、各種情報を音声等により聴覚的に報知する報知部としての発音部3dと、浴室BR内の入浴者の状態を検出する入浴者状態検知部3eとを備える。
【0040】
表示部3cは例えば液晶表示器、LED表示器等により構成され、発音部3dは、例えばスピーカ等により構成される。
【0041】
また、入浴者状態検知部3eは、赤外線センサ、電波センサ等の人感センサ(図示省略)を含み、該人感センサの出力信号に基づいて、浴室BRにおける入浴者(人)の存在を検知する機能と、浴室BRに存在する入浴者の動きを検知し、その動きに基づいて該入浴者の異常の発生を検知する機能とを有する。
【0042】
この場合、該入浴者状態検知部3eは、例えば、浴室BRに存在する入浴者の動きが所定時間以上、継続的に検知されない場合(換言すれば、該入浴者が所定時間以上、継続して静止していると認識し得る場合)に、該入浴者の異常の発生を検知して、その旨の信号を出力する。
【0043】
リモコン制御部3aは、マイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、熱源機2の本体制御部2a及び台所リモコン4の後述するリモコン制御部4aと相互に通信し得るように、該本体制御部2a及びリモコン制御部4aに有線接続されている。また、リモコン制御部3aには、操作部3bの操作信号と、入浴者状態検知部3eの検知信号とが入力される。
【0044】
そして、リモコン制御部3aは、実装されたハードウェア構成及びプログラムによって、表示部3c及び発音部3dの動作を制御する機能、熱源機2の本体制御部2a及び台所リモコン4の後述するリモコン制御部4aのそれぞれと通信を行う機能、各種演算処理を実行する機能等を有する。
【0045】
台所リモコン4は、図2に示す如く、台所リモコン4の動作に関する制御処理を実行可能なリモコン制御部4aと、複数の操作スイッチ等により構成される操作部4bと、各種情報を視覚的に報知する報知部としての表示部4cと、各種情報を音声等により聴覚的に報知する報知部としての発音部4dと、インターネット、公衆通信網等により構成される広域ネットワークである外部ネットワークNW側との通信を行う対外通信部4eとを備える。
【0046】
表示部4cは例えば液晶表示器、LED表示器等により構成され、発音部4dは、例えばスピーカ等により構成される。
【0047】
また、対外通信部4eは、外部ネットワークNWに接続可能に住戸Hに設置されたルータ20(図1に示す)と、Wi-Fi(登録商標)もしくはBluetooth(登録商標)等の通信方式で無線通信を行い得るように構成されていると共に、リモコン制御部4aに接続されている。これにより、台所リモコン4のリモコン制御部4aは、対外通信部4e及びルータ20を介して外部ネットワークNW側と通信を行うことが可能となっている。この場合、ルータ20と外部ネットワークNWとの間の通信は、無線通信及び有線通信のいずれでもよい。
【0048】
なお、対外通信部4eは、LANケーブル等を介してルータ20と有線通信を行い得るように構成されていてもよい。また、対外通信部4eは、ルータとしての機能を併せもつように構成されていてもよい。この場合には、ルータ20は不要である。
【0049】
リモコン制御部4aは、マイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、熱源機2の本体制御部2a及び浴室リモコン3のリモコン制御部3aと相互に通信し得るように、該本体制御部2a及びリモコン制御部3aに有線接続されている。また、リモコン制御部4aには、操作部4bの操作信号が入力される。
【0050】
そして、リモコン制御部4aは、実装されたハードウェア構成及びプログラムによって、表示部4c及び発音部4dの動作を制御する機能、熱源機2の本体制御部2a及び浴室リモコン3のリモコン制御部3aのそれぞれと通信を行う機能、対外通信部4e及びルータ20を介して外部ネットワークNW側と通信を行うように該対外通信部4eの動作を制御する機能、各種演算処理を実行する機能等を有する。
【0051】
なお、給湯装置1は、浴室リモコン3及び台所リモコン4以外の他のリモコンをさらに備えていてもよい。また、本体制御部2aとリモコン制御部3a,4aのそれぞれとの間の通信方式は、有線通信に限らず、Wi-Fi(登録商標)等による無線通信であってもよい。
【0052】
補足すると、本実施形態では、熱源機2の本体制御部2a、浴室リモコン3のリモコン制御部3a、および台所リモコン4のリモコン制御部4aの全体が本発明における制御部に相当する。
【0053】
また、本実施形態では、図1に示すように、前記外部ネットワークNWには、住戸Hを含む複数の住戸の住宅設備機器(住戸Hでは給湯装置1)に関する識別情報、運転履歴情報等の機器データを保存したり、あるいは、各住戸の住宅設備機器のユーザの関係者(例えば、該ユーザの家族、親族、補助者等)が所有するスマートフォン、タブレット端末、フィーチャーフォン等の携帯端末24と、該ユーザの住宅設備機器との間の通信を中継する機能を有する機器データ管理サーバ22が接続されている。該機器データ管理サーバ22は、例えば、給湯装置1を含む住宅設備機器のメーカ、あるいはサービス事業者により運営されるサーバである。
【0054】
また、各住戸の住宅設備機器のユーザの関係者の携帯端末24は、そのメールアドレス等の識別情報が、あらかじめ機器データ管理サーバ22、あるいは、該住宅設備機器の制御部のメモリにあらかじめ登録されている。なお、当該関係者は、一人に限らず、複数人であってもよい。
【0055】
そして、各住戸の住宅設備機器のユーザの関係者の携帯端末24は、該ユーザの住宅設備機器から適宜送信される情報を、機器データ管理サーバ22及び外部ネットワークNWを介して受信することが可能である。
【0056】
また、各住戸の住宅設備機器のユーザの関係者は、自身の携帯端末24にあらかじめインストールしておいた所定のサービスアプリケーションを起動することで、該住宅設備機器から受信した情報に対する応答情報を、機器データ管理サーバ22及び外部ネットワークNWを介して該住宅設備機器に返信することも可能である。
【0057】
例えば、住戸Hのユーザの関係者は、該住戸Hの浴室BRの入浴者としての該ユーザの異常が発生した場合に、後述する如く給湯装置1の対外通信部4eから送信される異常情報を、該関係者の携帯端末24で受信することが可能である。さらに、該関係者は、自身の携帯端末24にあらかじめインストールした前記サービスアプリケーションを起動することで、受信した異常情報に対する応答情報を、給湯装置1に対して返信することも可能である。
【0058】
なお、各住戸の住宅設備機器と、該住宅設備機器のユーザの関係者の携帯端末24とのの間の通信は、上記の形態に限らず、プロバイダ等のサーバを介して行い得るようになっていてもよい。
【0059】
次に、住戸Hの浴室BRにおいて、入浴者としてのユーザ(給湯装置1のユーザ)の異常の発生が入浴者状態検知部3eにより検知された場合の作動を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
浴室リモコン3の入浴者状態検知部3eは、浴室BRに入室している入浴者の動きが、所定時間、継続して検知されない場合に、入浴者の異常の発生が検知されたことを示す信号をリモコン制御部3aに出力する。
【0061】
このとき、浴室リモコン3及び台所リモコン4のそれぞれのリモコン制御部3a,4aの協働制御処理により、あるいは、これらのリモコン制御部3a,4aと熱源機2の本体制御部2aとの協働制御処理により、図3のフローチャートに示す処理が実行される。
【0062】
以下では便宜上、図3のフローチャートの処理を実行する主たる制御部が、浴室リモコン3のリモコン制御部3aであるとして、図3のフローチャートの処理を具体的に説明する。ただし、リモコン制御部3a,4a及び本体制御部2aは相互にデータ授受を行うことができるので、以下に説明する浴室リモコン3のリモコン制御部3aの制御処理の一部は、台所リモコン4のリモコン制御部4a又は熱源機2の本体制御部2aで実行することもできる。
【0063】
入浴者状態検知部3eにより入浴者の異常の発生が検知されたとき、STEP1において、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、入浴者の異常が発生した可能性がある旨の異常情報を、入浴者の第1順位の関係者の携帯端末24に送信すべき旨の指令を台所リモコン4のリモコン制御部4aに送信する。
【0064】
ここで、本実施形態では、入浴者の異常の発生が検知された場合に、そのことを最優先で通知すべき該入浴者の第1順位の関係者と、その他の一人以上の関係者とがあらかじめ給湯装置1のユーザ等により定められており、それらの各関係者の携帯端末24の宛先アドレス(メールアドレス等)が給湯装置1のリモコン制御部3a,4a及び本体制御部2aのいずれかのメモリ、あるいは、前記機器データ管理サーバ22にあらかじめ保存されている。
【0065】
そして、STEP1において、浴室リモコン3のリモコン制御部3aから上記指令を受けた台所リモコン4のリモコン制御部4aは、上記異常情報を、対外通信部4eから第1順位の関係者の携帯端末24宛てに、機器データ管理サーバ22を介して送信する。これにより、入浴者の異常の発生が検知された場合に、第1順位の関係者に対して速やかに異常情報を通知することが可能となる。
【0066】
この場合、当該通知を自身の携帯端末24を介して認識した関係者は、例えば住戸H内の他の者、あるいは住戸Hの近くに住む他の関係者等に、入浴者が異常状態となっている可能性がある旨を連絡する等の処置をとることが可能となる。
【0067】
また、STEP1では、浴室リモコン3のリモコン制御部3aはさらに、所定の第1タイマ時間を計時する第1タイマの計時を開始する。該第1タイマ時間は、第1順位の関係者の携帯端末24からの返信待ちの上限時間であり、例えば数秒〜十数秒程度の時間にあらかじめ設定されている。
【0068】
次いで、STEP2において、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、入浴者が本当に動けない異常状態になっているか否かを確認するために、入浴者が動くことを促す音声(例えば「動いてください。」という音声)を発音部3dから出力させると共に、所定の第2タイマ時間を計時する第2タイマの計時を開始する。該第2タイマ時間は、入浴者が本当に動けない異常状態になっているか否かを確認するための期間の上限の時間幅であり、前記第1タイマ時間よりも長い時間(例えば、数十秒程度の時間)にあらかじめ設定されている。
【0069】
次いで、STEP3において、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、前記第1タイマの計時が終了する前(STEP1からの経過時間が第1タイマ時間に達する前)に、前記異常情報を送信した第1順位の関係者の携帯端末24から、該第1順位の関係者が送信された異常情報を確認(認識)したことを示す返信があったか否かを、台所リモコン4のリモコン制御部4aとの通信によって確認する。
【0070】
ここで、第1順位の関係者の携帯端末24では、それにインストールされているサービスアプリケーションの機能によって、前記異常情報を受信したときに該異常情報を該携帯端末24で表示させると共に、該異常情報を確認したことを示す返信を行うべき旨を該携帯端末24で表示させる。これに応じて該関係者が携帯端末24で返信操作を行うと、該関係者が異常情報を確認した旨の返信が、携帯端末24から機器データ管理サーバ22を介して給湯装置1の対外通信部4eに行われる。そして、当該返信を対外通信部4eで受信すると、台所リモコン4のリモコン制御部4aは、当該返信があった旨を浴室リモコン3のリモコン制御部3aに送信する。
【0071】
上記返信が対外通信部4eで受信されることによってSTEP3の判断結果が肯定的になると、次にSTEP4において、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、前記第2タイマの計時が終了する前に、前記入浴者状態検知部3eにより入浴者の動きが検知されたか否かを該入浴者状態検知部3eの出力に基づいて判断する。
【0072】
なお、STEP4では、入浴者の動きが検知されても、例えば、該入浴者の動きの速度が基準値よりも遅い場合、あるいは、該入浴者の動き量が基準値よりも小さい場合には、入浴者の動きが検知されていないと判断してもよい。このことは、後述するSTEP10,14でも同様である。
【0073】
STEP4で入浴者の動きが検知され、該STEPの判断結果が否定的になる場合には、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、さらにSTEP6において、前記第2タイマの計時が終了したか否か(STEP2での音声出力からの経過時間が第2タイマ時間に達したか否か)を判断し、該STEP6の判断結果が否定的となる状態(第2タイマの計時が終了する前の状態)では、STEP4からの処理を繰り返す。
【0074】
STEP6の判断結果が肯定的になった場合、すなわち、入浴者の動きが検知されないまま、該2タイマの計時が終了した場合には、入浴者が実際に動けない異常状態になっているとみなし得る。
【0075】
このため、この場合には、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、STEP7において、入浴者が異常状態になっていることが確認されたことを示す異常確認情報を、入浴者の第1順位の関係者の携帯端末24に送信すべき旨の指令を台所リモコン4のリモコン制御部4aに送信し、図3の処理を終了する。
【0076】
なお、上記異常確認情報は、後述する正常確認情報と共に、本発明における音声応答情報に相当するものである。
【0077】
STEP7で上記指令を受信した台所リモコン4のリモコン制御部4aは、該異常確認情報を、対外通信部4eから第1順位の関係者の携帯端末24宛てに、機器データ管理サーバ22を介して送信する。これにより、入浴者が実際に動けない異常状態になっていることが、第1順位の関係者に対して通知される。この通知を受けた関係者は、住戸H内の他の者に入浴者の異常を連絡したり、あるいは救急車を手配する等の処置を適切にとることができる。
【0078】
一方、第2タイマの計時が終了する前に入浴者の動きが検知されることによってSTEP4の判断結果が肯定的になった場合には、入浴者が動き得る状態である。この場合には、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、STEP5において、入浴者が正常状態であることが確認されたことを示す正常確認情報を、入浴者の第1順位の関係者の携帯端末24に送信すべき旨の指令を台所リモコン4のリモコン制御部4aに送信し、図3の処理を終了する。
【0079】
STEP5で上記指令を受信した台所リモコン4のリモコン制御部4aは、該正常確認情報を、対外通信部4eから第1順位の関係者の携帯端末24宛てに、機器データ管理サーバ22を介して送信する。これにより、入浴者が実際には正常状態であることが、第1順位の関係者に対して通知される。この通知を受けた関係者は、入浴者が無事であることが判って、安心することができる。
【0080】
前記第1タイマの計時の終了前に、第1順位の関係者の携帯端末24からの返信がなく、STEP3の判断結果が否定的になる場合には、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、さらにSTEP8において、前記第1タイマの計時が終了したか否か(STEP1からの経過時間が第1タイマ時間に達したか否か)を判断する。
【0081】
このSTEP8の判断結果が否定的になる状態(第1タイマの計時が終了しておらず、且つ、第1順位の関係者の携帯端末24からの返信が無い状態)では、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、さらにSTEP14において、前記第2タイマの計時が終了する前に、前記入浴者状態検知部3eにより入浴者の動きが検知されたか否かを該入浴者状態検知部3eの出力に基づいて判断する。
【0082】
そして、STEP14の判断結果が否定的となる状態では、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、STEP3からの処理を継続する。
【0083】
また、STEP14の判断結果が肯定的になった場合、すなわち、第1タイマの計時が終了する前に、第1順位の関係者の携帯端末24からの返信が無いままの状態で、入浴者の動きが検知された場合には、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、前記STEP5において、入浴者が正常状態であることが確認されたことを示す正常確認情報を、入浴者の第1順位の関係者の携帯端末24に送信すべき旨の指令を台所リモコン4のリモコン制御部4aに送信し、図3の処理を終了する。
【0084】
このとき、台所リモコン4のリモコン制御部4aは、該正常確認情報を、対外通信部4eから第1順位の関係者の携帯端末24宛てに、機器データ管理サーバ22を介して送信する。この場合、該第1順位の関係者は、STEP1で送信された異常情報や、STEP5で送信された正常確認情報を認識していない可能性はあるものの、後に、携帯端末24を確認することで、入浴者が正常状態であったことを確認することはできる。
【0085】
一方、STEP8の判断結果が肯定的になった場合、すなわち、第1タイマの計時が終了するまでに、第1順位の関係者の携帯端末24からの返信が無く、且つ、入浴者の動きが未だ検知されていない場合には、第1順位の関係者が自身の携帯端末24を確認できない状態であるか、あるいは、該携帯端末24の電源がオフになっている可能性がある。
【0086】
このため、この場合には、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、次にSTEP9において、入浴者の異常が発生した可能性がある旨の前記異常情報を、第1順位の関係者以外の他の関係者の携帯端末24に送信すべき旨の指令を台所リモコン4のリモコン制御部4aに送信する。
【0087】
この場合、上記他の関係者は、例えば第2順位の関係者、あるいは、第1順位の関係者以外の全ての関係者のいずれでもよい。なお、当該他の関係者の携帯端末24は、本発明における外部通信端末に相当する。
【0088】
そして、STEP9で上記指令を受信した台所リモコン4のリモコン制御部4aは、前記異常情報を、対外通信部4eから前記他の関係者の各携帯端末24宛てに、機器データ管理サーバ22を介して送信する。これにより、第1順位の関係者が自身の携帯端末24を確認できない状況でも、他の関係者に異常情報を通知することが可能となる。
【0089】
次いで、STEP10において、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、前記第2タイマの計時が終了する前に、前記入浴者状態検知部3eにより入浴者の動きが検知されたか否かを該入浴者状態検知部3eの出力に基づいて判断する。
【0090】
そして、入浴者の動きが検知されず、STEP10の判断結果が否定的になる場合には、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、さらにSTEP12において、前記第2タイマの計時が終了したか否か(STEP2での音声出力からの経過時間が第2タイマ時間に達したか否か)を判断し、該STEP12の判断結果が否定的となる状態(第2タイマの計時が終了する前の状態)では、STEP10からの処理を繰り返す。
【0091】
STEP12の判断結果が肯定的になった場合、すなわち、入浴者の動きが検知されないまま、第2タイマの計時が終了した場合には、入浴者が実際に動けない異常状態になっているとみなし得るため、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、STEP13において、入浴者が異常状態になっていることが確認されたことを示す異常確認情報を、STEP9で異常情報を送信した他の関係者の各携帯端末24に送信すべき旨の指令を台所リモコン4のリモコン制御部4aに送信し、図3の処理を終了する。
【0092】
STEP13で上記指令を受信した台所リモコン4のリモコン制御部4aは、該異常確認情報を、対外通信部4eから前記他の関係者の各携帯端末24宛てに、機器データ管理サーバ22を介して送信する。これにより、入浴者が実際に動けない異常状態になっていることが、前記他の関係者に対して通知される。この通知を受けた当該他の関係者は、住戸H内の他の者に入浴者の異常を連絡したり、あるいは救急車を手配する等の処置を適切にとることができる。
【0093】
なお、STEP13においては、前記異常確認情報を、他の関係者の各携帯端末24だけでなく、第1順位の関係者の携帯端末24にも送信するように、リモコン制御部3a,4aの制御処理を実行してもよい。
【0094】
一方、第2タイマの計時が終了する前に入浴者の動きが検知されることによってSTEP10の判断結果が肯定的になった場合には、入浴者が動き得る状態であるので、浴室リモコン3のリモコン制御部3aは、STEP11において、入浴者が正常状態であることが確認されたことを示す正常確認情報を、前記他の関係者の各携帯端末24に送信すべき旨の指令を台所リモコン4のリモコン制御部4aに送信し、図3の処理を終了する。
【0095】
STEP11で上記指令を受信した台所リモコン4のリモコン制御部4aは、該正常確認情報を、対外通信部4eから前記他の関係者の各携帯端末24宛てに、機器データ管理サーバ22を介して送信する。これにより、入浴者が実際には正常状態であることが、当該他の関係者に対して通知される。この通知を受けた当該他の関係者は、入浴者が無事であることが判って、安心することができる。
【0096】
なお、STEP11においては、前記正常確認情報を、他の関係者の各携帯端末24だけでなく、第1順位の関係者の携帯端末24にも送信するように、リモコン制御部3a,4aの制御処理を実行してもよい。
【0097】
以上説明した実施形態によれば、入浴者の関係者(特に第1順位の関係者)は、前記異常情報と、音声応答情報としての前記異常確認情報又は正常確認情報とを、上記の如く自身の携帯端末24で受信することで、これらの情報を、事業者等の他の人的労力を必要とせずに取得することができる。
【0098】
また、入浴者の関係者は、異常情報の受信後に、異常確認情報又は正常確認情報を受信できるため、異常情報が、入浴者状態検知部3eの誤検知によるものであった場合でも、入浴者の実際の状況を正しく認識できるため、的確な処置をとることができる。
【0099】
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。例えば、前記他の関係者は、入浴者の家族、親族、補助者等の該入浴者に近しい個人に限らず、サービス事業者であってもよい。この場合、前記異常情報等を送信する該サービス事業者の通信端末は、携帯端末以外の外部通信端末(例えば、サービス事業者のサーバ、パソコン等)であってもよい。
【0100】
補足すると、前記他の関係者がサービス事業者である場合、該サービス事業者に異常情報等を通知すると、該サービス事業者の従業員が対応処置等に関与することとなるものの、該サービス事業者の携帯端末等の外部通信端末への異常情報等の送信は、第1順位の関係者が、異常情報の受信に対する返信を行うことができない場合に限られる。従って、サービス事業者の関与を極力抑制することができる。ひいては、入浴者やその関係者のコスト負担を抑制できる。
【0101】
また、入浴者状態検知部3eは、浴室リモコン3に脱着可能なユニットであってもよく、あるいは、浴室リモコン3と別体で、浴室BRに配置されるものであってもよい。
【0102】
また、給湯装置1は、湯はり運転等の風呂運転機能を持たない給湯装置であってもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…給湯装置(浴室監視機能付き給湯装置)、3…浴室リモコン、2a…本体制御部(制御部)、3a,4a…リモコン制御部(制御部)、3d…発音部、3e…入浴者状態検知部、4e…対外通信部、24…携帯端末(又は外部通信端末)。
図1
図2
図3