(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906421
(24)【登録日】2021年7月1日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/256 20060101AFI20210708BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
B65G47/256
B65G47/46 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-200983(P2017-200983)
(22)【出願日】2017年10月17日
(65)【公開番号】特開2019-73374(P2019-73374A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2020年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】芦屋 譲
【審査官】
宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭53−013769(JP,A)
【文献】
実開昭60−193321(JP,U)
【文献】
実開平04−115817(JP,U)
【文献】
実開昭50−134877(JP,U)
【文献】
特開2001−097547(JP,A)
【文献】
特開2006−306532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00−69/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状容器を移動させるコンベヤと、
前記コンベヤ上の筒状容器を搬送路に沿って案内するガイド部材と
を備える、搬送装置において、
転倒した筒状容器を前記搬送路から排出する開口部が前記ガイド部材の一部に形成され、前記開口部の鉛直方向の長さが筒状容器の短手方向の長さよりも長く且つ筒状容器の長手方向の長さよりも短く、
当該搬送装置は、
前記開口部の上流側に配置され、前記コンベヤ上の筒状容器の転倒を検出する検出装置と、
前記開口部を開放する開放位置と、前記開口部を閉鎖する閉鎖位置との間で移動可能な可動部材と、
前記可動部材を駆動する駆動装置と
を更に備え、
前記駆動装置は、前記検出装置によって筒状容器の転倒が検出されると、前記可動部材を一時的に前記閉鎖位置から前記開放位置に移動させることを特徴とする、搬送装置。
【請求項2】
転倒した筒状容器が前記開口部を通って前記コンベヤの移動方向に排出される、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記可動部材は前記開放位置と前記閉鎖位置との間で水平方向に揺動する、請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記開口部の上方に配置された前記ガイド部材の鉛直方向の位置を調整する高さ調整装置を更に備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記高さ調整装置は、前記開口部の上方に配置された前記ガイド部材の鉛直方向の位置を、前記開口部が形成されていない位置の前記ガイド部材の鉛直方向の位置よりも低くする、請求項4に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料、食料等の内容物が充填される容器として、プラスチックボトル、缶、瓶等の筒状容器が広く使用されている。筒状容器は、内容物の充填等が行われる製造ラインにおいてコンベヤによって直立状態で搬送される。直立状態の筒状容器は不安定であるため、筒状容器がコンベヤ上で転倒する場合がある。
【0003】
製造ラインの各工程では、直立状態の筒状容器を処理することが想定されている。このため、転倒した筒状容器が各工程に搬送されると、筒状容器に所定の処理を施すことができない。また、転倒した筒状容器が装置に挟み込み、装置を破損させるおそれがある。
【0004】
このため、転倒した筒状容器をコンベアから除去する必要がある。転倒した筒状容器を手作業で除去することが考えられるが、この方法では、製造ラインを停止させる必要があるため、生産効率が低下する。そこで、従来、製造ラインを停止させることなく、転倒した筒状容器を機械的に除去する方法が知られている。
【0005】
特許文献1に記載の容器除去装置では、筒状容器の搬送時に筒状容器を案内するガイド部材の一部に開口部が形成され、倒れた筒状容器はガイド部材によって開口部に案内されて開口部から受けシュートに排出される。また、特許文献2に記載の容器除去装置では、スプリングの復元力を用いた排出機構によって、倒れた筒状容器のみがコンベヤから排斥部に押し出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平04−115817号公報
【特許文献2】特開2006−306532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の容器除去装置では、転倒した筒状容器を排出する開口部が形成された部分では、直立状態の筒状容器とガイド部材との接触面積が小さくなる。このため、直立状態の筒状容器の搬送状態が不安定となり、開口部近傍で筒状容器が転倒するおそれがある。筒状容器が開口部近傍で転倒して開口部の下流側に搬送されると、筒状容器を手作業で除去する必要があるため、生産効率が低下する。
【0008】
また、特許文献2に記載の容器除去装置では、倒れた筒状容器の周囲の直立状態の筒状容器が排出機構によって排出され又は倒されるおそれがある。なお、特許文献1、2に記載の容器除去装置の上記不具合は、コンベヤの移動速度が高速である場合、筒状容器の重心が高い場合、軽量化等によって筒状容器の剛性が低い場合等に、特に顕著となる。
【0009】
そこで、上記課題に鑑みて、本発明の目的は、転倒した筒状容器を搬送路から機械的に排出しつつ、搬送路における筒状容器の転倒を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、第1の態様では、筒状容器を移動させるコンベヤと、コンベヤ上の筒状容器を搬送路に沿って案内するガイド部材とを備える、搬送装置において、転倒した筒状容器を搬送路から排出する開口部がガイド部材の一部に形成され、搬送装置は、開口部の上流側に配置され、コンベヤ上の筒状容器の転倒を検出する検出装置と、開口部を開放する開放位置と、開口部を閉鎖する閉鎖位置との間で移動可能な可動部材と、可動部材を駆動する駆動装置とを更に備え、駆動装置は、検出装置によって筒状容器の転倒が検出されると、可動部材を一時的に閉鎖位置から開放位置に移動させることを特徴とする、搬送装置が提供される。
【0011】
第2の態様では、第1の態様において、転倒した筒状容器が開口部を通ってコンベヤの移動方向に排出される。
【0012】
第3の態様では、第1又は第2の態様において、可動部材は開放位置と閉鎖位置との間で水平方向に揺動する。
【0013】
第4の態様では、第1から第3のいずれか一つの態様において、搬送装置は、開口部の上方に配置されたガイド部材の鉛直方向の位置を調整する高さ調整装置を更に備える。
【0014】
第5の態様では、第4の態様において、高さ調整装置は、開口部の上方に配置されたガイド部材の鉛直方向の位置を、開口部が形成されていない位置のガイド部材の鉛直方向の位置よりも低くする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、転倒した筒状容器を搬送路から機械的に排出しつつ、搬送路における筒状容器の転倒を抑制することができる。本発明による転倒を抑制する効果は、搬送速度が増大するほど顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る搬送装置の概略的な平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る搬送装置の概略的な斜視図である。
【
図3】
図3は、コンベヤ及びガイド部材の
図1のA矢視図である。
【
図4】
図4は、可動部材が開放位置に位置するときの
図2と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る搬送装置1の概略的な平面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る搬送装置1の概略的な斜視図である。搬送装置1は、筒状容器2を移動させるコンベヤ3と、コンベヤ3上の筒状容器2を搬送路に沿って案内するガイド部材4とを備える。搬送装置1は、筒状容器2を搬送するために製造ラインに設置される。例えば、搬送装置1は、内容物が充填された筒状容器2にラベルを貼り付けるラベラーと、筒状容器2を箱詰めする箱詰め装置との間に設置される。
【0019】
本実施形態では、搬送装置1によって搬送される筒状容器(以下、単に「容器」という)2として、プラスチックボトルが用いられる。なお、本明細書において、プラスチックボトルとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)のようなプラスチックから構成されるボトルを意味し、ペットボトルに限定されない。
【0020】
コンベヤ3は、容器2を載せる平坦な載置面を有し、容器2を水平方向に連続的に移動させる。コンベヤ3は、第1コンベヤ3aと、第1コンベヤ3aの下流側に配置された第2コンベヤ3bとを含む。第1コンベヤ3a及び第2コンベヤ3bは部分的に隣接する。
図1に破線の矢印で示されるように、第1コンベヤ3a及び第2コンベヤ3bの移動方向は同一である。
【0021】
図2に示されるように、ガイド部材4はコンベヤ3上に設置される。ガイド部材4は、水平方向に延在し、対向する第1ガイド部材4a及び第2ガイド部材4bを含む。第1ガイド部材4a及び第2ガイド部材4bは、容器2の移動方向を規制し、第1ガイド部材4aと第2ガイド部材4bとの間に搬送路を形成する。第1ガイド部材4a及び第2ガイド部材4bは、それぞれ、第1コンベヤ3aの側部に沿って延在する第1コンベヤ領域41と、第1コンベヤ3a及び第2コンベヤ3bに対して斜めに延在する斜め領域42と、第2コンベヤ3bの側部に沿って延在する第2コンベヤ領域43とを有する。斜め領域42は、第1コンベヤ3aと第2コンベヤ3bとが隣接する位置に存在する。
【0022】
第1ガイド部材4aは斜め領域42において第1コンベヤ3aの一方の側部から他方の側部に向かって延在する。第2ガイド部材4bは斜め領域42において第2コンベヤ3bの一方の側部から他方の側部に向かって延在する。容器2は、第1コンベヤ領域41において第1コンベヤ3a上を第1コンベヤ3aの移動方向に移動し、斜め領域42において第1コンベヤ3a及び第2コンベヤ3bの移動方向に対して斜めに移動し、第2コンベヤ領域43において第2コンベヤ3b上を第2コンベヤ3bの移動方向に移動する。したがって、容器2は、第1コンベヤ3aと第2コンベヤ3bとが隣接する斜め領域42において第1コンベヤ3aから第2コンベヤ3bに移動する。
【0023】
また、
図2に示されるように、第1ガイド部材4aは第1上側ガイド44a及び第1下側ガイド45aを有する。第1上側ガイド44a及び第1下側ガイド45aは鉛直方向に互いに離間され、第1上側ガイド44aは第1下側ガイド45aよりも上方に位置する。
【0024】
同様に、第2ガイド部材4bは第2上側ガイド44b及び第2下側ガイド45bを有する。第2上側ガイド44b及び第2下側ガイド45bは鉛直方向に互いに離間され、第2上側ガイド44bは第2下側ガイド45bよりも上方に位置する。
【0025】
容器2は正常時にはコンベヤ3上を直立状態で移動する。しかしながら、移動時の振動等によって容器2が搬送中に転倒する場合がある。転倒した容器2は第1下側ガイド45a及び第2下側ガイド45bによって案内されて第1コンベヤ3a上を移動する。転倒した容器2は下流の工程において不具合を発生させるため、転倒した容器2を除去する必要がある。このため、本実施形態では、転倒した容器2を搬送路から排出する開口部46がガイド部材4の一部に形成される。
【0026】
図3は、コンベヤ3及びガイド部材4の
図1のA矢視図である。
図3に示されるように、第1ガイド部材4aの第1下側ガイド45aの一部に開口部46が形成されている。開口部46は、斜め領域42に位置し、第1上側ガイド44aの下方に形成される。このため、開口部46は水平方向においてコンベヤ3の移動方向に対して斜めに延在する。
【0027】
開口部46の鉛直方向の長さは、容器2の短手方向の長さ(本実施形態では容器2の直径)よりも長く、容器2の長手方向の長さよりも短い。このため、転倒した容器2は、第1ガイド部材4aに移動方向を変更されることなく、第1コンベヤ3a上で開口部46を通過する。開口部46を通過した容器2は第1コンベヤ3aの下流側端部から排出シュートに落下する。したがって、転倒した容器2は搬送路から機械的に排出される。
【0028】
本実施形態では、転倒した容器2は開口部46を通って第1コンベヤ3aの移動方向に排出される。この場合、転倒した容器2にガイド部材4等によって力が付加されない。このため、転倒した容器2をより確実に搬送路から排出することができる。
【0029】
一方、直立状態の容器2は、斜め領域42において第1ガイド部材4aの第1上側ガイド44aによって移動方向が変更され、搬送路に沿って第1コンベヤ3aから第2コンベヤ3bに移動する。したがって、転倒した容器2のみを開口部46から排出することができる。
【0030】
しかしながら、開口部46が形成された斜め領域42では、直立状態の容器2は一方の側部において第1上側ガイド44aのみによって案内される。このため、容器2の搬送状態が斜め領域42において不安定になる。
【0031】
そこで、本実施形態では、搬送装置1は、開口部46を開放する開放位置と、開口部46を閉鎖する閉鎖位置との間で移動可能な可動部材5と、可動部材5を駆動する駆動装置6とを備える。可動部材5は、
図1において開放位置に位置し、
図2において閉鎖位置に位置している。また、
図4は、可動部材5が開放位置に位置するときの
図2と同様の図である。
図2では直立状態の一つの容器2が示され、
図4では、転倒した一つの容器2が示される。
【0032】
可動部材5は、開放位置において第1コンベヤ3aの一方の側部に沿って延在し、閉鎖位置において第1ガイド部材4aの第1上側ガイド44aと同様に第1コンベヤ3a及び第2コンベヤ3bに対して斜めに延在する。このため、可動部材5は閉鎖位置において第1上側ガイド44aと共に直立状態の容器2を案内する。
【0033】
駆動装置6は、駆動源61と、駆動源を制御する制御部62とを含む。駆動源61は取付部10を介して可動部材5に連結される。駆動源61は、例えばロッド部61a及びシリンダ部61bを含む電動シリンダである。シリンダ部61b内にはサーボモータ又はステッピングモータのような電動機が設けられ、電動機はロッド部61aを駆動する。ロッド部61aは、シリンダ部61bから伸縮し、可動部材5と一体的に動作する。制御部62は、マイコン、シーケンサ等である。
【0034】
本実施形態では、可動部材5は第1コンベヤ領域41の第1ガイド部材4a(具体的には第1下側ガイド45a)の下流側端部に揺動自在に接続される。可動部材5と第1ガイド部材4aとの接続部は、可動部材5が揺動するとき、揺動支点として機能する。駆動源61は、揺動支点から離れた可動部材5の下流側に連結される。可動部材5は、
図1に矢印で示されるように、ロッド部61aの伸縮によって開放位置と閉鎖位置との間で水平方向に揺動する。可動部材5の揺動は一つのみの駆動源61によって実現される。したがって、簡易的な構成で可動部材5を開放位置と閉鎖位置との間で移動させることができる。
【0035】
また、搬送装置1は、第1コンベヤ3a上の容器2の転倒を検出する検出装置7を備える。検出装置7は開口部46の上流側に配置される。検出装置7は、例えば、光を用いて容器2の転倒を検出する光電センサである。この場合、回帰反射型又は透過型の二つの光電センサが鉛直方向に互いに離間されて配置され、光が第1コンベヤ3aの移動方向に対して略垂直に発せられる。回帰反射型の光電センサでは、投光器及び受光器が一体化され、投光器からの光がミラーのようなリフレクタに反射して受光器に戻される。一方、透過型の光電センサでは、投光器と受光器とが対向して配置され、投光器からの光が受光器に入る。
【0036】
直立状態の容器2が検出装置7の前を通過するときには、両方の光電センサの投光器からの光が容器2によって遮られ、両方の光電センサの受光器の受光量が低下する。一方、転倒した容器2が検出装置7の前を通過するときには、下側の光電センサの投光器からの光が容器2によって遮られ、上側の光電センサの投光器からの光は容器2によって遮られない。このため、下側の光電センサの受光器の受光量のみが低下する。したがって、検出装置7はその出力に基づいて容器2の転倒を検出することができる。
【0037】
検出装置7の出力は制御部62に入力される。駆動装置6は、検出装置7によって容器2の転倒が検出されると、転倒した容器2が開口部46から排出されるように、可動部材5を一時的に閉鎖位置から開放位置に移動させる。例えば、駆動装置6は、転倒した容器2が開口部46を通過する間、可動部材5を開放位置に移動させ、転倒した容器2が開口部46を通過した後に可動部材5を閉鎖位置に戻す。この場合、容器2の搬送中に開口部46が一時的にのみ開放される。このため、転倒した容器2を搬送路から機械的に排出しつつ、斜め領域42における直立状態の容器2の転倒を抑制することができる。
【0038】
また、
図2及び
図4に示されるように、搬送装置1は幅調整装置8及び高さ調整装置9を備えていてもよい。なお、
図1では、幅調整装置8及び高さ調整装置9は省略されている。幅調整装置8及び高さ調整装置9は例えばサーボモータである。
【0039】
幅調整装置8は、第1ガイド部材4aと第2ガイド部材4bとの間の長さ、すなわち搬送路の幅を調整する。幅調整装置8は、第2ガイド部材4b(第2上側ガイド44b及び第2下側ガイド45b)に連結され、第2ガイド部材4bを水平方向に移動させる。幅調整装置8は、搬送される容器2の短手方向の長さに応じて搬送装置1の始動前に搬送路の幅を調整する。このことによって、搬送路内での容器2の幅方向の移動を抑制することができ、搬送路における容器2の転倒を抑制することができる。
【0040】
高さ調整装置9は、開口部46の上方に配置された第1ガイド部材4a(本実施形態では第1上側ガイド44a)の鉛直方向の位置を調整する。高さ調整装置9は、開口部46の上方に配置された第1ガイド部材4aに連結され、この第1ガイド部材4aを鉛直方向に移動させる。高さ調整装置9は、搬送される容器2の形状、重心等に応じて、開口部46の上方に配置された第1ガイド部材4aの鉛直方向の位置を調整する。なお、開口部46の上方に配置された第1ガイド部材4aの鉛直方向の位置は、第1ガイド部材4aが閉鎖位置における可動部材5に接触しないように調整される。
【0041】
高さ調整装置9は、例えば、
図3に示されるように、開口部46の上方に配置された第1ガイド部材4aの鉛直方向の位置を、開口部46が形成されていない位置のガイド部材4の鉛直方向の位置よりも低くする。このことによって、開口部46の上方の第1ガイド部材4aを容器2の搬送時の姿勢が安定する適切な位置に接触させることができ、可動部材5が開放位置に位置するときに直立状態の容器2が転倒することを抑制することができる。
【0042】
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。例えば、搬送装置1によって搬送される容器2は、缶、瓶、紙パック、プラスチックカップ等の他の容器であってもよい。
【0043】
また、第1ガイド部材4a及び第2ガイド部材4bは、上側ガイド及び下側ガイドが接続された一体型のガイド部材であってもよい。また、開口部46はガイド部材4の他の位置に形成されてもよい。例えば、開口部46は、転倒した容器2が斜め領域42から第2コンベヤ領域43に移動するときに排出されるように、第2コンベヤ領域43における第2ガイド部材4bの上流側端部近傍に形成されてもよい。この場合、転倒した容器2は開口部46を通ってコンベヤ3の移動方向に対して斜めに排出される。同様に、開口部46はコンベヤが円弧を描く部分、いわゆるカーブ部分に形成されていてもよい。
【0044】
また、可動部材5は、開放位置と閉鎖位置との間で水平方向に平行移動し、閉鎖位置から開放位置に向かって斜め上方に移動し、又は閉鎖位置から開放位置に向かって鉛直方向下側に移動してもよい。これらの場合、可動部材5は複数の駆動源61によって駆動される。
【0045】
また、駆動源61は、空気圧シリンダ、油圧シリンダ等であってもよい。また、検出装置7は、カメラで撮像した画像を用いて容器2の転倒を検出する画像センサ等であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 搬送装置
2 筒状容器
3 コンベヤ
4 ガイド部材
5 可動部材
6 駆動装置
7 検出装置
8 幅調整装置
9 高さ調整装置
46 開口部