【実施例】
【0298】
以下、本発明を参考例、実施例及び試験例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本実施例で用いる装置、試薬等について、特に記載がないものは、当分野で通常実施されている方法に従って容易に調製入手できるか、あるいは商業的に入手可能なものである。また、標題化合物における%は、収率を意味する。
参考例化合物の構造式及び物性値を表2に示す。
【0299】
【表2-1】
【0300】
【表2-2】
【0301】
【表2-3】
【0302】
【表2-4】
【0303】
【表2-5】
【0304】
参考例A−1:5−フルオロベンゾフラン−2−イルスルホニルクロリド(A−1)の合成
(工程1)2−(2,2−ジブロモビニル)−4−フルオロフェノールの合成
四臭化炭素(1.70kg、5.14mol)のジクロロメタン(80mL)溶液を0℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(2.07kg、7.91mol)を加えて30分間攪拌した。反応混合物に、トリエチルアミン(1.30kg、12.8mol)を加えた後、反応温度を5℃以下に保持しつつ5−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(300g、2.14mol)をゆっくりと加えた。反応混合物を30℃で2時間攪拌した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(300g、1.01mol、47%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.54 (s, 1H), 7.35-7.32 (m, 1H), 6.95-6.90 (m, 1H), 6.79-6.75 (m, 1H), 5.41 (s, 1H).
(工程2)2−ブロモ−5−フルオロベンゾフランの合成
工程1で得られた化合物(300g、1.01mol)、ヨウ化銅(I)(15.5g、81mmol)及びリン酸カリウム(430g、2.03mol)にテトラヒドロフラン(2L)を加え80℃で2時間攪拌した。不溶物を濾別した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)にて精製して標題化合物(120g、0.56mol、55%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.41-7.37 (m, 1H), 7.20-7.17 (m, 1H), 7.03-6.96 (m, 1H), 6.71 (s, 1H).
(工程3)5−フルオロベンゾフラン−2−イルスルホニルクロリド(A−1)の合成
工程2で得られた化合物(80g、0.37mol)にジエチルエーテル(2L)を加え、0℃に冷却した。反応温度を5℃以下に保持しつつ1.3mol/L tert−ブチルリチウム(n−ペンタン溶液、375mL、0.49mol)をゆっくり滴下した。0℃で30分間攪拌した後、反応温度を5℃以下に保持しつつ反応混合物に二酸化硫黄を25分間吹き込んだ。0℃でN−クロロこはく酸イミド(65g、0.49mol)を加えて20分間攪拌した。反応混合物を氷水に加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)にて精製して標題化合物(28g、0.12mol、32%)を得た。
MS (ESI) m/z 235 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.67-7.63 (m, 2H), 7.47-7.34 (m, 2H).
【0305】
参考例A−2:4−フルオロベンゾフラン−2−イルスルホニルクロリド(A−2)の合成
5−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒドの代わりに6−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒドを用い、参考例A−1と同様の操作により標題化合物を得た。
MS (ESI) m/z 235 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.72 (s, 1H), 7.60-7.55 (m, 1H), 7.47 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 8.8 Hz, 1H).
【0306】
参考例A−3:5−メチルベンゾフラン−2−イルスルホニルクロリド(A−3)の合成
5−メチルベンゾフラン(5.2g、39mmol)のテトラヒドロフラン(75mL)溶液を−40℃に冷却し、2.5mol/L n−ブチルリチウム(ヘキサン溶液、19mL、48mmol)を加えて40分間攪拌した。温度を−40℃〜−30℃に保ちながら、反応混合物に二酸化硫黄を20分間吹き込んだ後、室温にて90分間攪拌した。反応混合物にヘキサンを加え、不溶物を濾取、乾燥した。得られた固体にジクロロメタン(300mL)及びN−クロロこはく酸イミド(31g、0.23mol)を加え、室温にて一晩攪拌した後、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して標題化合物(3.0g、13mmol、33%)を得た。
MS (ESI) m/z 231 (M+H)
+【0307】
参考例A−4:4−クロロフロ[3,2−c]ピリジン−2−スルホニルクロリド(A−4)の合成
4−クロロフロ[3,2−c]ピリジン(3.0g、20mmol)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液を−40℃に冷却し、2.5mol/L n−ブチルリチウム(ヘキサン溶液、9.4mL、24mmol)を加えて1時間攪拌した。反応温度を−40℃〜−30℃に保ちながら、反応混合物に二酸化硫黄を30分間吹き込んだ後、室温にて1.5時間攪拌した。反応混合物にヘキサン(100mL)を加え、不溶物を濾取、乾燥した。得られた固体にジクロロメタン(75mL)を加えた後、0℃でN−クロロコハク酸イミド(3.1g、23mmol)を加えた。室温にて1時間攪拌した後、反応混合物を水で5回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥し、乾燥剤を濾別した後、溶媒を留去して標題化合物(3.5g、14mmol、71%)を得た。
MS (ESI) m/z 252 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.55 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 6.0, 1.0 Hz, 1H).
【0308】
参考例B−1:(2S)−1−(ベンゾフラン−2−イルスルホニル)ピロリジン−2−カルボン酸(B−1)の合成
L−プロリン(53mg、0.46mmol)を2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2mL)及びテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させ、ベンゾフラン−2−スルホニルクロリド(120mg、0.56mmol)を加え、室温にて数時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで抽出後、水層を2mol/L塩酸にて中和し、ジクロロメタンで抽出し得られた有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して標題化合物の薄黄白色結晶(110mg、0.37mmol、81%)を得た。
MS (ESI) m/z 296 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.91 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.56-7.52 (m, 1H), 7.42-7.37 (m, 1H), 4.29-4.26 (m, 1H), 3.54-3.47 (m, 1H), 3.41-3.35 (m, 1H), 2.10-1.82 (m, 3H), 1.73-1.64 (m, 1H).
【0309】
参考例B−2:(2S)−1−(5−フルオロベンゾフラン−2−イル)スルホニルピロリジン−2−カルボン酸(B−2)の合成
ベンゾフラン−2−スルホニルクロリドの代わりにA−1を用い、参考例B−1と同様の操作により標題化合物を得た(収率69%)。
MS (ESI) m/z 314 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, CD
3OD) δ 7.68-7.65 (m, 1H), 7.52-7.50 (m, 2H), 7.33-7.28 (m, 1H), 4.45-4.42 (m, 1H), 3.67-3.64 (m, 1H), 3.55-3.51 (m, 1H), 2.18-2.05 (m, 3H), 1.84-1.81 (m, 1H).
【0310】
参考例B−3:(2S)−2−[(5−フルオロベンゾフラン−2−イル)スルホニルアミノ]プロパン酸(B−3)の合成
アラニン tert−ブチルエステル塩酸塩(0.18g、1.0mmol)にアセトニトリル(5mL)、A−1(0.28g、1.2mmol)及びトリエチルアミン(0.30mL、2.2mmol)を加え室温で一晩攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣にトリフルオロ酢酸(2mL)を加えて室温で2時間攪拌した後、減圧濃縮して得られた残渣を高速液体クロマトグラフィー(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸入り)にて精製して標題化合物(0.24g、0.84mmol、84%)を得た。
MS (ESI) m/z 288 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.75 (br-s, 1H), 8.91 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 9.1, 4.1 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 8.5, 2.8 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.38 (ddd, J = 9.3, 9.3, 2.8 Hz, 1H), 3.96 (dq, J = 8.9, 7.2 Hz, 1H), 1.26 (d, J = 7.2 Hz, 3H).
【0311】
参考例B−4:(2S,3S)−1−(ベンゾフラン−2−イルスルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(B−4)の合成
L−プロリンの代わりに(3S)−3−ヒドロキシ−L−プロリンを用い、参考例B−1と同様の操作により標題化合物を得た。
MS (ESI) m/z 312 (M+H)
+【0312】
参考例B−5:(2S,3S)−1−(5−フルオロベンゾフラン−2−イルスルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(B−5)の合成
(工程1)(3S)−3−ヒドロキシ−L−プロリン メチルエステル塩酸塩の合成
(3S)−3−ヒドロキシ−L−プロリン(1.5g、12mmol)に
メタノール(20mL)及び塩化チオニル(1.4g、0.12mol)を加え、室温で一晩攪拌した。生じた不溶物を濾取し、ジエチルエーテルにて洗浄して標題化合物(1.9g、10mmol、91%)を得た。
MS (ESI) m/z 146 (M+H)
+
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ 6.01-5.99 (m, 1H), 4.49-4.46 (m, 1H), 4.13 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.38-3.28 (m, 2H), 2.01-1.84 (m, 2H).
(工程2)(2S,3S)−1−(5−フルオロベンゾフラン−2−イルスルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸 メチルエステルの合成
工程1で得られた化合物(1.2g、6.7mmol)にジクロロメタン(20mL)、トリエチルアミン(2.8mL、20mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(82mg、0.67mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却してA−1(1.6g、6.7mmol)を加え1時間攪拌した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(1.4g、4.1mmol、61%)を得た。
MS (ESI) m/z 344 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 7.81-7.67 (m, 1H), 7.65-7.61 (m, 2H), 7.44-7.37 (m, 1H), 5.43 (s, 1H), 4.27-4.25 (m, 1H), 4.16 (s, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.63-3.44 (m, 2H), 1.97-1.94 (m, 1H), 1.80-1.74 (m, 1H).
(工程3)(2S,3S)−1−(5−フルオロベンゾフラン−2−イルスルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(B−5)の合成
工程2で得られた化合物(1.2g、3.5mmol)のメタノール(20mL)溶液に2mol/L水酸化リチウム水溶液(10mL)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液からメタノールを留去した後、濃塩酸を加えて生じた析出物を濾取、乾燥して標題化合物(0.78g、2.4mmol、68%)を得た。
MS (ESI) m/z 330 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 7.65-7.61 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.28 (dt, J = 9.0, 2.7 Hz, 1H), 4.38 (s, 1H), 4.28 (s, 1H), 3.75-3.58 (m, 2H), 2.15-2.05 (m, 1H), 1.90-1.84 (m, 1H).
【0313】
表2記載のB−6、B−10、B−14〜B−16は、対応する市販の試薬を用い参考例B−1と同様の操作により合成した。
【0314】
参考例B−7:(2S)−1−(5−フルオロベンゾフラン−2−イルスルホニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボン酸(B−7)の合成
4,4−ジフルオロ−L−プロリン メチルエステル(0.81g、4.9mmol)のピリジン(20mL)溶液にA−1(1.2g、4.9mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に6mol/L 塩酸水溶液を加えてpH4に調整し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥し、乾燥剤を濾別した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物のメチルエステルを得た。得られたメチルエステルにメタノール(20mL)及び2mol/L 水酸化リチウム水溶液(20mL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液からメタノールを留去した後、濃塩酸を加えて生じた析出物を濾取、乾燥して標題化合物(0.72g、2.1mmol、42%)を得た。
MS (ESI) m/z 350 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, CD
3OD) δ 7.66-7.62 (m, 1H), 7.55 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 8.4, 2.7 Hz, 1H), 7.29 (dt, J = 9.0, 2.7 Hz, 1H), 4.70-4.64 (m, 1H), 3.98-3.90 (m, 2H), 2.83-2.71 (m, 1H), 2.59-2.49 (m, 1H).
【0315】
参考例B−8:(2S)−1−(5−フルオロベンゾフラン−2−イルスルホニル)アゼチジン−2−カルボン酸(B−8)の合成
(S)−アゼチジン−2−カルボン酸(1.9g、19mmol)に飽和水酸化ナトリウム水溶液(15mL)及びA−1(4.5g、19mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を加えて室温で30分間攪拌した。テトラヒドロフランを留去した後、1mol/L 塩酸水溶液にてpH3〜4に調整し、析出物を濾取、乾燥して標題化合物(4.0g、13mmol、71%)を得た。
MS (ESI) m/z 300 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, CD
3OD) δ 7.71 (dd, J = 9.2, 4.1 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.54 (dd, J = 8.4, 2.7 Hz, 1H), 7.34 (ddd, J = 9.3, 9.0, 2.7 Hz, 1H), 4.76 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 4.03-3.96 (m, 2H), 2.45-2.36 (m, 2H).
【0316】
参考例B−9:1−[(5−フルオロベンゾフラン−2−イル)スルホニルアミノ]シクロプロパンカルボン酸(B−9)の合成
1−アミノシクロプロパンカルボン酸(0.37g、3.6mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液にA−1(1.0g、4.3mmol)及び2mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL、6.0mmol)を加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物にジクロロメタンを加えて水で抽出し、水層に2mol/L 塩酸を加えて酸性にした後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を減圧濃縮して得られた残渣を高速液体クロマトグラフィー(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸入り)にて精製して標題化合物(0.30g、1.0mmol、28%)を得た。
MS (ESI) m/z 300 (M+H)
+【0317】
参考例B−11:(2S)−1−フロ[3,2−c]ピリジン−2−イルスルホニルピロリジン−2−カルボン酸(B−11)の合成
(工程1)(2S)−1−(4−クロロフロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)スルホニルピロリジン−2−カルボン酸の合成
L−プロリン(1.0g、8.8mmol)及び水酸化ナトリウム(0.64g、16mmol)に水(12mL)を加えて溶解させ、0℃で25分間攪拌した後、A−4(2.0g、8.0mmol)のテトラヒドロフラン(18mL)溶液をゆっくりと加え、40分間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸水溶液を加えてpH4に調整し、不溶物を濾取、乾燥させて標題化合物(1.1g、3.3mmol、42%)の白色固体を得た。
MS (ESI) m/z 331 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.49 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.93 (dd, J = 6.0, 0.8 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.34 - 4.31 (m, 1H), 3.60-3.53 (m, 1H), 3.48 - 3.43 (m, 1H), 2.17 - 2.12 (m, 1H), 1.96 - 1.75 (m, 3H).
(工程2)(2S)−1−フロ[3,2−c]ピリジン−2−イルスルホニルピロリジン−2−カルボン酸(B−11)の合成
工程1で得られた化合物(0.80g、2.4mmol)に酢酸(25mL)及びテトラヒドロフラン(25mL)を加えて溶解させ、10%パラジウム/炭素(150mg)加えた。反応混合物を水素雰囲気下、70℃で4時間攪拌した後、触媒を濾別し、濾液に酢酸エチルを加えて水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥し、乾燥剤を濾別した後、溶媒を留去して得られた残渣にメタノール(8mL)を加え、不溶物を濾取、乾燥させて標題化合物(0.30g、1.0mmol、42%)の白色固体を得た。
MS (ESI) m/z 297 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.92 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.66 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.82 (s, 1H), 4.31 - 4.28 (m, 1H), 3.57 - 3.52 (m, 1H), 3.44 - 3.38 (m, 1H), 2.14 - 2.09 (m, 1H), 1.96 - 1.84 (m, 2H), 1.76 - 1.72 (m, 1H).
【0318】
参考例B−12:(2S)−1−(5−メチルベンゾフラン−2−イルスルホニル)ピロリジン−2−カルボン酸(B−12)の合成
L−プロリン(0.42g、3.6mmol)に飽和水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えて溶解させ、0℃でA−3(0.91g、4.0mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下した。30分間攪拌した後、反応混合物にジクロロメタンを加えて分層させた。有機層を捨て、水層を減圧濃縮して残存したジクロロメタンを除き、10mol/L 塩酸水溶液をゆっくりと加えて酸性にした。析出物を濾取、乾燥して標題化合物(0.78g、2.5mmol、70%)を得た。
MS (ESI) m/z 310 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, CD
3OD):δ 7.56 (s, 1H), 7.52-7.49 (m, 1H), 7.44 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 11.2, 1.6 Hz, 1H), 4.43-4.39 (m, 1H), 3.64-3.60 (m, 1H), 3.58-3.31 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.18-1.82 (m, 3H), 1.72-1.71 (m, 1H).
【0319】
参考例B−13:1−(フロ[3,2−c]ピリジン−2−イルスルホニルアミノ)シクロプロパンカルボン酸(B−13)の合成
(工程1)1−[(4−クロロフロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)スルホニルアミノ]シクロプロパンカルボン酸メチルの合成
A−4(3.4g、14mmol)及び1−アミノシクロプロパンカルボン酸メチル(2.0g、13mmol)にジクロロメタン(150mL)とピリジン(24mL)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、有機層を分層させた。有機層を飽和食塩水にて洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後、減圧乾燥して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(0.50g、1.5mmol、11%)を得た。
(工程2)1−(フロ[3,2−c]ピリジン−2−イルスルホニルアミノ)シクロプロパンカルボン酸メチルの合成
工程1で得られた化合物(0.50g、1.5mmol)と10%パラジウム/炭素(0.40g)にトリエチルアミン(0.50mL)とメタノール(25mL)を加え、水素雰囲気下、35℃で一晩攪拌した。触媒を濾別し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取TLC(ジクロロメタン/メタノール)にて精製して標題化合物(0.16g、0.52mmol、35%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 9.05 (s, 1H), 8.66 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.45 (s, 1H), 5.92 (s, 1H), 3.32 (s, 3H), 1.64-1.61 (m, 2H), 1.58-1.56 (m, 2H).
(工程3)1−(フロ[3,2−c]ピリジン−2−イルスルホニルアミノ)シクロプロパンカルボン酸(B−13)の合成
工程2で得られた化合物(0.16g、0.52mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に2mol/L 水酸化リチウム水溶液(3mL)を加えて室温で一晩攪拌した。35℃にてテトラヒドロフランを減圧留去し、得られた水溶液に0℃で濃塩酸を加えてpH4に調整した。不溶物を濾取、乾燥して標題化合物(0.12g、0.41mmol、80%)を得た。
MS (ESI) m/z 283 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 12.56 (s, 1H), 9.38 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.62 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 1.35-1.31 (m, 2H), 1.29-1.24 (m, 2H).
【0320】
参考例C−1:5−(アミノメチル)−3−イソプロピル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオン塩酸塩(C−1)の合成
(工程1)5−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオンの合成
チミン(7.6g、60mmol)、1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(16g、60mmol)及びヨウ化銅(I)(3.4g、18mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド(220mL)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(18g、0.12mol)を加え、窒素ガスにて2回脱気した。140℃で8時間攪拌した後、反応混合物を水に加えて酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(1.9g、7.0mmol、12%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.53 (s, 1H), 7.89-7.86 (m, 2H), 7.70-7.67 (m, 3H), 1.82 (s, 3H).
(工程2)3−イソプロピル−5−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオンの合成
工程1で得られた化合物(0.97g、3.6mmol)及び炭酸カリウム(0.99g、7.2mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)と2−ヨードプロパン(0.73g、4.3mmol)を加え、30℃で一晩攪拌した。反応混合物を水に加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(1.1g、3.4mmol、94%)を得た。
(工程3)5−(ブロモメチル)−3−イソプロピル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオンの合成
工程2で得られた化合物(0.89g、2.8mmol)、N−ブロモこはく酸イミド(0.56g、3.1mmol)及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(89mg、0.54mmol)に四塩化炭素(55mL)を加えて85℃で6時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(0.25g、0.64mmol、22%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.79-7.76 (m, 2H), 7.52-7.49 (m, 3H), 5.30-5.25 (m, 1H), 4.32 (s, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.50 (s, 3H).
(工程4)N−[[3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−5−イル]メチル]カルバミン酸 tert−ブチルの合成
工程3で得られた化合物(0.25g、0.64mmol)及びアジ化ナトリウム(44mg、0.67mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)を加えて室温で1時間攪拌した後、反応混合物を水に加えて酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、減圧濃縮して得られた残渣をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.21g、0.96mol)とパラジウム/炭素(0.15g)を加えて水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。触媒を濾別した後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(0.23g、0.54mmol、84%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 7.76-7.73 (m, 2H), 7.50-7.47 (m, 2H), 7.40 (s, 1H), 5.30-5.22 (m, 1H), 4.00 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.49 (s, 3H), 1.44 (s, 9H).
(工程5)5−(アミノメチル)−3−イソプロピル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオン 塩酸塩(C−1)の合成
工程4で得られた化合物(0.58g、1.4mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、4mol/L塩酸(ジクロロメタン溶液、5mL)を加えて室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣にジエチルエーテル(20mL)を加え、室温で5分間攪拌した。不溶物を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した後、乾燥して標題化合物(0.48g、1.3mmol、97%)を得た。
MS (ESI) m/z 328 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 8.27 (s, 3H), 8.16 (s, 1H), 7.95-7.93 (m, 2H), 7.75-7.72 (m, 2H), 5.17-5.08 (m, 1H), 3.74 (s, 2H), 1.43 (d, J = 7.0 Hz, 6H).
【0321】
参考例C−2:5−(アミノメチル)−3−エチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオン塩酸塩(C−2)の合成
2−ヨードプロパンの代わりにヨードエタンを用い、参考例C−1と同様の操作により標題化合物を得た(収率3%)。
MS (ESI) m/z 314 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 8.27 (s, 3H), 8.19 (s, 1H), 7.97-7.94 (m, 2H), 7.76-7.73 (m, 2H), 3.96-3.89 (m, 2H), 3.76 (s, 2H), 1.17 (t, J = 6.9 Hz, 3H).
【0322】
参考例C−3:5−(アミノメチル)−3−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオン塩酸塩(C−3)の合成
2−ヨードプロパンの代わりにヨードメタンを用い、参考例C−1と同様の操作により標題化合物を得た(収率1%)。
MS (ESI) m/z 300 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, CD
3OD) δ 7.97 (s, 1H), 7.88-7.86 (m, 2H), 7.68-7.66 (m, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.40 (s, 3H).
【0323】
参考例C−4:3−(アミノメチル)−1−イソプロピル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−4)の合成
(工程1)2−メトキシ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
5−ブロモ−2−メトキシピリジン−3−カルボニトリル(426mg、2.00mmol)、[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(760mg、4.00mmol)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(146mg、0.200mmol)に1,4−ジオキサン(9.5mL)と1mol/L炭酸ナトリウム水溶液(9.5mL)を加え、マイクロウェーブ反応装置を用いて100℃で20分間加熱攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水と飽和食塩水にて順次洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(505mg、1.82mmol、91%)を得た。
MS (ESI) m/z 279 (M+H)
+
(工程2)N−[[2−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピリジン−3−イル]メチル]カルバミン酸 tert−ブチルの合成
工程1で得られた化合物(300mg、1.08mmol)の酢酸(9mL)溶液に10%パラジウム/炭素(30mg)を加え、常圧の水素雰囲気下、室温で4時間攪拌した後、触媒を濾別した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣に20%臭化水素/酢酸溶液(9mL)を加え、室温で2日間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣に、アセトニトリル(9mL)、トリエチルアミン(0.255mL、1.83mmol)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(236mg、1.08mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)にて精製して標題化合物(102mg、0.277mmol、26%)を得た。
MS (ESI) m/z 369 (M+H)
+
(工程3)N−[[1−イソプロピル−2−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジル]メチル]カルバミン酸 tert−ブチルの合成
工程2で得られた化合物(102mg、0.277mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液に、炭酸セシウム(90.1mg、0.277mmol)及び2−ヨードプロパン(33.0μL、0.332mmol)を加え室温で一晩攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(46.3mg、0.113mmol、41%)を得た。
MS (ESI) m/z 411 (M+H)
+
(工程4)3−(アミノメチル)−1−イソプロピル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−4)の合成
工程3で得られた化合物(46.3mg、0.113mmol)に、4mol/L塩酸(1,4−ジオキサン溶液、3mL)を加えて室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して標題化合物(39.6mg、0.113mmol、100%)の白色固体を得た。
MS (ESI) m/z 311 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.13 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.74 - 7.80 (m, 4H), 5.29 (hept, J = 6.9 Hz, 1H), 4.10 (s, 2H), 1.49 (d, J = 6.9 Hz, 6H).
【0324】
参考例C−5:5−(アミノメチル)−1−イソプロピル−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−5)の合成
(工程1)6−メトキシ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
5−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−3−カルボニトリル(200mg、0.939mmol)、[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(357mg、1.88mmol)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(34.4mg、0.0470mmol)に1,4−ジオキサン(2.5mL)と1mol/L炭酸ナトリウム水溶液(2.5mL)を加え、マイクロウェーブ反応装置を用いて100℃で30分間加熱攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(244mg、0.877mmol、94%)を得た。
MS (ESI) m/z 279 (M+H)
+
(工程2)5−(アミノメチル)−1−イソプロピル−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−5)の合成
工程1で得られた化合物(244mg、0.877mmol)の酢酸(12mL)溶液に10%パラジウム/炭素(50mg)を加え、常圧の水素雰囲気下、室温で6時間攪拌した後、触媒を濾別した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣に20%臭化水素/酢酸溶液(5mL)を加え、50℃で一晩攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣に、アセトニトリル(5mL)、トリエチルアミン(0.367mL、2.63mmol)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(192mg、0.877mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)に溶解させ、炭酸セシウム(572mg、1.76mmol)及び2−ヨードプロパン(175μL、1.76mmol)を加え室温で一晩攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して得られた化合物に、4mol/L塩酸(1,4−ジオキサン溶液、4mL)を加えて室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して標題化合物(91.9mg、0.265mmol、30%)を得た。
MS (ESI) m/z 311 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.41 (brs, 3H), 8.07 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.96 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 5.17 (hept, J = 6.8 Hz, 1H), 3.88 - 3.96 (m, 2H), 1.35 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0325】
参考例C−6:5−(アミノメチル)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−6)の合成
(工程1)5−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−オンの合成
5−メチル−1H−ピリジン−2−オン(2.0g、18mmol)、1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(5.9g、22mmol)、ヨウ化銅(I)(6.7g、3.6mmol)、リン酸カリウム(7.7g、37mmol)及びN,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.70g、7.3mmol)に1,4−ジオキサン(15mL)を加え、窒素雰囲気下、109℃で一晩攪拌した。セライトを用いて不溶物を濾別し、濾液を水に加えて酢酸エチルで3回抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(4.2g、17mmol、91%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ7.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 8.4, Hz, 2H), 7.52 (s, 1H) 7.41 (dd, J = 2.8, 9.6 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 9.2 Hz, 1H) 2.05 (s, 3H).
(工程2)5−(ブロモメチル)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(1.0g、3.9mmol)、N−ブロモこはく酸イミド(0.80g、4.7mmol)及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(0.10g、0.61mmol)に四塩化炭素(15mL)を加え、窒素雰囲気下で一晩加熱還流させた。反応混合物を水に加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(1.1g、3.3mmol、84%)を得た。
(工程3)N−[[6−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピリジル]メチル]カルバミン酸 tert−ブチルの合成
工程2で得られた化合物(0.80g、2.4mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液に、アジ化ナトリウム(0.20g、2.7mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて3回抽出し、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥させた。乾燥剤を濾別した後、減圧濃縮して得られた残渣にテトラヒドロラン(15mL)を加えて溶解させ、パラジウム/炭素(20mg)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(1.0g、4.8mmol)を加えて、常圧の水素雰囲気下、室温にて4時間攪拌した。セライトを用いて触媒を濾別し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(0.25g、0.68mmol、28%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ7.79 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.45-7.40 (m, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.70 (d, J = 9.6 Hz, 1H). 4.88 (br s, 1H), 4.11 (d, J = 6 Hz, 2H) 1.50 (s, 9H).
(工程4)5−(アミノメチル)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−6)の合成
工程3で得られた化合物(0.25g、0.68mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、2mol/L塩化水素(酢酸エチル溶液、5mL)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣にジクロロメタン(2mL)を加え、不溶物を濾取することで標題化合物の白色粉末(0.15g、0.50mmol、74%)を得た。
MS (ESI) m/z 269 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ7.90-7.86 (m, 3H), 7.74 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.
0 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 4.90 (s, 2H).
【0326】
参考例C−7:5−(アミノメチル)−3−イソプロピル−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ピリミジン−2,4−ジオン(C−7)の合成
(工程1)3−イソプロピル−5−メチル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボン酸 tert−ブチルの合成
5−メチル−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(25.0g、198mmol)にアセトニトリル(25.0mL)を加えて溶解させ、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(483mg、3.96mmol)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(45.4g、208mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去し、水を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣に炭酸カリウム(46.5g、337mmmol)、2−ヨードプロパン(20.1mL、202mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(172mL)を加え30℃で一晩撹拌した。溶媒を留去した残渣に水を加え酢酸エチルにて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(23.5g、87.6mmol、52%)を得た。
MS (ESI) m/z 269 (M+H)
+
(工程2) 2−[(3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−1H−ピリミジン−5−イル)メチル]イソインドリン−1,3−ジオンの合成
工程1で得られた化合物(23.5g、87.6mmol)を四塩化炭素(93.0mL)に溶解させ、N−ブロモスクシンイミド(17.1g、96.5mmol)とアゾビスイソブチロニトリル(145mg、0.877mmol)を加え85℃で一晩撹拌した。反応液を室温に戻した後、ジクロロメタンを用いてセライト濾過し、溶媒を留去して5−(ブロモメチル)−3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボン酸 tert−ブチルの粗生成物を得た。炭酸カリウム(26.0g、189mmol)とフタルイミド(15.2g、102mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(120mL)懸濁液を28℃にて30分間撹拌した後、5−(ブロモメチル)−3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボン酸 tert−ブチルの粗生成物のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(52mL)を添加し、28℃にて一晩撹拌した。酢酸エチルを用いてセライト濾過し、溶媒を留去、水を加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(2.20g、7.03mmol)と5−[(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)メチル]−3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボン酸 tert−ブチル(3.41g、8.27mol)をそれぞれ得た。得られた5−[(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)メチル]−3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−1−カルボン酸 tert−ブチル(3.41g、8.27mol)をジクロロメタン(20.0mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(5.0mL)を加えて室温にて30分間撹拌した。溶媒を留去した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出し標題化合物(2.59g、8.27mmol)を更に得た(合計収率18%)。
MS (ESI) m/z 314 (M+H)
+
(工程3)2−[[3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ピリミジン−5−イル]メチル]イソインドリン−1,3−ジオンの合成
工程2で得られた化合物(939mg、3.00mmol)に[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ボロン酸(860mg、4.50mmol)と酢酸銅(815mg、4.50mmol)、ピリジン(483μL、6.00mmol)、モレキュラーシーブス4Å(500mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(30.0mL)を加え45℃で一晩撹拌した。反応液を室温に戻した後、酢酸エチルを用いてセライト濾過し、水とエチレンジアミン四酢酸(1.0g)を加え酢酸エチルとヘキサンにて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(370mg、0.808mmol、27%)を得た。
MS (ESI) m/z 459 (M+H)
+
(工程4)5−(アミノメチル)−3−イソプロピル−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ピリミジン−2,4−ジオン(C−7)の合成
工程3で得られた化合物(370mg、0.808mmol)にヒドラジン一水和物(236μL、4.85mmol)とエタノール(16.0mL)を加え65℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機溶媒を留去し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して高速液体クロマトグラフィー(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸入り)にて精製した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して標題化合物(229mg、0.698mmol、86%)を得た。
MS (ESI) m/z 329 (M+H)
+【0327】
参考例C−8:5−(アミノメチル)−3−イソプロピル−1−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリミジン−2,4−ジオン(C−8)の合成
(工程1)2−[[3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−1−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリミジン−5−イル]メチル]イソインドリン−1,3−ジオンの合成
参考例C−7の工程2で得られた化合物(626mg、2.00mmol)に2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(601mg、2.20mmol)、ヨウ化銅(114mg、0.6mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(596μL、4.00mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(7.4mL)を加えマイクロウェーブ反応装置を用いて170℃で45分間加熱撹拌した。反応液を室温に戻した後、水を加えジクロロメタンにて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣を高速液体クロマトグラフィー(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸入り)にて精製し標題化合物(400mg、0.873mmol、44%)を得た。
MS (ESI) m/z 459 (M+H)
+
(工程2)5−(アミノメチル)−3−イソプロピル−1−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリミジン−2,4−ジオン(C−8)の合成
工程1で得られた化合物(400mg、0.873mmol)にヒドラジン一水和物(127μL、2.62mmol)とエタノール(16.0mL)を加え65℃で30分間撹拌し、更にヒドラジン一水和物(127μL、2.62mmol)を加えて65℃で1時間撹拌した。反応液を室温に戻し、水を加え有機溶媒を留去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して標題化合物(286mg、0.873mmol、99%)を得た。
MS (ESI) m/z 329 (M+H)
+【0328】
参考例C−9:5−(アミノメチル)−1−(4−フルオロフェニル)−3−イソプロピル−ピリミジン−2,4−ジオン(C−9)の合成
(工程1)2−[[1−(4−フルオロフェニル)−3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−5−イル]メチル]イソインドリン−1,3−ジオンの合成
[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ボロン酸の代わりに4−フルオロフェニルボロン酸を用い、参考例C−7の工程3と同様の操作により標題化合物を得た(収率80%)。
MS (ESI) m/z 408 (M+H)
+
(工程2)5−(アミノメチル)−1−(4−フルオロフェニル)−3−イソプロピル−ピリミジン−2,4−ジオン(C−9)の合成
参考例C−8の工程1で得られた化合物の代わりに、工程1で得られた化合物を用い、参考例C−8の工程2と同様の操作により標題化合物を得た(収率99%)。
MS (ESI) m/z 278 (M+H)
+【0329】
参考例C−10:5−(アミノメチル)−1−(4−クロロフェニル)−3−イソプロピル−ピリミジン−2,4−ジオン(C−10)の合成
(工程1)2−[[1−(4−クロロフェニル)−3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−ピリミジン−5−イル]メチル]イソインドリン−1,3−ジオンの合成
[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ボロン酸の代わりに4−クロロフェニルボロン酸を用い、参考例C−7の工程3と同様の操作により標題化合物を得た(収率80%)。
MS (ESI) m/z 424 (M+H)
+
(工程2)5−(アミノメチル)−1−(4−クロロフェニル)−3−イソプロピル−ピリミジン−2,4−ジオン(C−10)の合成
参考例C−8の工程1で得られた化合物の代わりに、工程1で得られた化合物を用い、参考例C−8の工程2と同様の操作により標題化合物を得た(収率99%)。
MS (ESI) m/z 294 (M+H)
+【0330】
参考例C−11:3−(アミノメチル)−1−イソプロピル−5−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−11)の合成
[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸の代わりに[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ボロン酸を用い、参考例C−4と同様の操作により標題化合物を得た(収率8%)。
MS (ESI) m/z 312 (M+H)
+【0331】
参考例C−12:3−(アミノメチル)−1−イソプロピル−5−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−12)の合成
(工程1)2−メトキシ−5−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
5−ブロモ−2−メトキシピリジン−3−カルボニトリル(300mg、1.41mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(393mg、1.55mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(51.5mg、0.0704mmol)及び酢酸カリウム(415mg、4.23mmol)に1,4−ジオキサン(2.4mL)を加え、マイクロウェーブ反応装置を用いて120℃で30分間加熱攪拌した。反応混合物に2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(318mg、1.41mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(51.5mg、0.0704mmol)及び1mol/L炭酸ナトリウム水溶液(2.4mL)を加え、マイクロウェーブ反応装置を用いて100℃で30分間加熱攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して標題化合物(370mg、1.32mmol、94%)を得た。
MS (ESI) m/z 280 (M+H)
+
(工程2)[2−メトキシ−5−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−3−ピリジル]メタンアミン 2トリフルオロ酢酸塩の合成
工程1で得られた化合物(426mg、1.53mmol)の酢酸(30mL)溶液に10%パラジウム/炭素(85mg)を加え、常圧の水素雰囲気下、室温で14時間攪拌した後、触媒を濾別した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を高速液体クロマトグラフィー(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸入り)にて精製して標題化合物(276mg、0.539mmol、35%)を得た。
MS (ESI) m/z 284 (M+H)
+
(工程3)3−(アミノメチル)−1−イソプロピル−5−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−12)の合成
工程2で得られた化合物(276mg、0.539mmol)に20%臭化水素/酢酸溶液(5mL)を加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣に、アセトニトリル(5mL)、トリエチルアミン(0.226mL、1.62mmol)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(118mg、0.539mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣にN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)を加えて溶解させ、炭酸セシウム(352mg、1.08mmol)及び2−ヨードプロパン(0.107mL、1.08mmol)を加え室温で一晩攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して得られた化合物に、4mol/L塩酸(1,4−ジオキサン溶液、2mL)を加えて室温で一晩攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して標題化合物(27.4mg、0.0788mmol、15%)を得た。
MS (ESI) m/z 312 (M+H)
+【0332】
参考例C−13:5−(アミノメチル)−1−イソプロピル−3−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−13)の合成
[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸の代わりに[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]ボロン酸を用い、参考例C−5と同様の操作により標題化合物を得た(収率7%)。
MS (ESI) m/z 312 (M+H)
+【0333】
参考例C−14:5−(アミノメチル)−1−イソプロピル−3−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−14)の合成
(工程1)6−メトキシ−5−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリジン−3−カルボニトリルの合成
5−ブロモ−2−メトキシピリジン−3−カルボニトリルの代わりに5−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−3−カルボニトリルを用い、参考例C−12工程1と同様の操作により標題化合物を得た(収率74%)。
MS (ESI) m/z 280 (M+H)
+
(工程2)5−(アミノメチル)−1−イソプロピル−3−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]ピリジン−2−オン 塩酸塩(C−14)の合成
6−メトキシ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−3−カルボニトリルの代わりに工程1で得られた化合物を用い、参考例C−5工程2と同様の操作により標題化合物を得た(収率8%)。
MS (ESI) m/z 312 (M+H)
+【0334】
実施例化合物の構造式を表3に物性値を表4にそれぞれ示す。
【0335】
【表3-1】
【0336】
【表3-2】
【0337】
【表3-3】
【0338】
【表3-4】
【0339】
【表3-5】
【0340】
【表3-6】
【0341】
【表3-7】
【0342】
【表4-1】
【0343】
【表4-2】
【0344】
【表4-3】
【0345】
【表4-4】
【0346】
【表4-5】
【0347】
【表4-6】
【0348】
【表4-7】
【0349】
実施例1:(2S)−1−(ベンゾフラン−2−イルスルホニル)−N−[[3−イソプロピル−2,4−ジオキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−5−イル]メチル]ピロリジン−2−カルボキサミド(1)の合成
B−1(29mg、0.10mmol)、C−1(36mg、0.10mmol)、WSC塩酸塩(24mg、0.12mmol)及び1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(16mg、0.12mmol)にジクロロメタン(1mL)とトリエチルアミン(20μL、0.15mmol)を加え室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を高速液体クロマトグラフィー(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸入り)にて精製して標題化合物(44mg、0.073mmol、73%)を得た。
MS (ESI) m/z 605 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.38 (dd, J = 5.8, 5.8 Hz, 1H), 7.91 - 7.85 (m, 2H), 7.84 - 7.79 (m, 1H), 7.73 (dd, J = 8.4, 1.0 Hz, 1H), 7.69 - 7.62 (m, 3H), 7.60 - 7.51 (m, 2H), 7.41 (ddd, J = 7.7, 7.6, 0.9 Hz, 1H), 5.12 (hept, J = 6.9 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 8.0, 3.8 Hz, 1H), 4.09 - 3.95 (m, 2H), 3.58 - 3.48 (m, 1H), 3.35 - 3.31 (m, 1H), 1.95 - 1.79 (m, 3H), 1.66 - 1.55 (m, 1H), 1.42 (d, J = 6.9 Hz, 6H).
【0350】
実施例2〜実施例8は、参考例記載の化合物及び対応する市販の試薬を用い実施例1と同様の操作により合成した。
【0351】
実施例9:(2S)−1−(ベンゾフラン−2−イルスルホニル)−N−[[2,4−ジオキソ−3−テトラヒドロピラン−4−イル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−5−イル]メチル]ピロリジン−2−カルボキサミド(9)の合成
(工程1)5−(アミノメチル)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジオン塩酸塩の合成
2−ヨードプロパンを用いたアルキル化工程である工程2を除いた参考例C−1と同様の操作により標題化合物を得た(収率34%)。
MS (ESI) m/z 286 (M+H)
+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.9 (s, 1H), 8.23 (s, 3H), 8.14 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.71 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 3.72 (s, 2H).
(工程2)N−[[2,4−ジオキソ−3−テトラヒドロピラン−4−イル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−5−イル]メチル]カルバミン酸 tert−ブチルの合成
工程1で得られた化合物(64mg、0.2mmol)にジクロロメタン(2.0mL)を加えて溶解させ、トリエチルアミン(82μL、0.60mmol)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(48mg、0.22mmol)を加え、室温で二晩攪拌した。反応混合物に水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を留去して得られた残渣(77mg、0.2mmol)から秤量した残渣(46mg、0.12mmol)に炭酸カリウム(82mg、0.59mmmol)、ヨウ化カリウム(2.0mg、0.012mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)及び4−ブロモテトラヒドロピラン(33μL、0.30mmol)を加え100℃で一晩撹拌した。反応液を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液で中和し、高速液体クロマトグラフィー(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸入り)にて精製して標題化合物(5mg、0.011mmol、9.2%)を得た。
MS (ESI) m/z 470 (M+H)
+
(工程3)(2S)−1−(ベンゾフラン−2−イルスルホニル)−N−[[2,4−ジオキソ−3−テトラヒドロピラン−4−イル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−5−イル]メチル]ピロリジン−2−カルボキサミド(9)の合成
工程2で得られた化合物に4mol/L塩酸/1,4−ジオキサン(1mL)を加え、室温で30分間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣に、B−1(5.8mg、0.020mmol)、WSC塩酸塩(4.5mg、0.024mmol)及び1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(3.3mg、0.024mmol)にジクロロメタン(1mL)とトリエチルアミン(4.0μL、0.029mmol)を加え室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を高速液体クロマトグラフィー(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸入り)にて精製して標題化合物(5.2mg、0.0080mmol、73%)を得た。
MS (ESI) m/z 647 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.38 (dd, J = 5.7, 5.7 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.84 - 7.80 (m, 1H), 7.75 - 7.70 (m, 1H), 7.69 - 7.63 (m, 3H), 7.59 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.55 (ddd, J = 8.5, 7.3, 1.3 Hz, 1H), 7.41 (ddd, J = 8.0, 7.3, 0.9 Hz, 1H), 5.06 - 4.90 (m, 1H), 4.22 (dd, J = 8.0, 3.8 Hz, 1H), 4.11 - 3.90 (m, 4H), 3.60 - 3.49 (m, 1H), 3.45 - 3.38 (m, 1H), 3.30 - 3.20 (m, 2H), 2.66 - 2.52 (m, 2H), 1.97 - 1.79 (m, 3H), 1.67 - 1.48 (m, 3H).
【0352】
実施例10〜実施例51は、参考例記載の化合物及び対応する市販の試薬を用い実施例1と同様の操作により合成した。
【0353】
試験例1: TRPA1アンタゴニスト活性の測定
ヒトTRPA1発現プラスミド
ヒトTRPA1(GenBankアクセッション番号NM_00
7332)をコードするcDNA(かずさDNA研究所、商品番号:FHC07217)を鋳型とし、プライマー1(配列番号:1)及びプライマー2(配列番号:2)を用いてPfuUltra High-Fidelity DNA Polymerase (ストラタジーン)によるPCRを行い、ヒトTRPA1遺伝子全長を増幅した。
【0354】
【化113】
【0355】
5’側には制限酵素HindIIIの認識サイト(下線)を、3’側にXbaIサイト(下線)を付加し、かつ、鋳型配列のGTTを終始コドンTAG(太字)に変更した。得られた二本鎖DNAをHindIII、XbaIで酵素消化し、発現プラスミドpcDNA3.1/zeo(+)(インビトロジェン製)のマルチクローニングサイトに導入し、ヒトTRPA1発現プラスミドを得た。
【0356】
細胞調製
ヒト胎児腎由来293T細胞は10%のウシ胎児血清、10ユニットのペニシリン、10μgのストレプトマイシンを含有するダルベッコ変法イーグル培地で培養した。アッセイ前日に3×10
6個の293T細胞を直径10cmシャーレに播種し、CO
2インキュベーターで24時間培養した。OPTI-MEM I Reduced Serum Media (インビトロジェン)600μLとMirus TransIT-293 (マイラスバイオ)18μL、ヒトTRPA1発現プラスミド6μgを混合し、全量をシャーレ上の細胞に添加し、遺伝子導入した。約8時間後に細胞を回収し、12,000個/ウェルで黒色透明底ポリDリジンコート384ウェルプレートに播種し、一晩培養した。
【0357】
細胞内カルシウム上昇測定
384ウェルプレートから培地を除去し、20mM HEPESを含むHBSS (サーモフィッシャーサイエンティフィック)(pH7.2)に溶解したカルシウム指示薬(モレキュラーデバイス、商品名:FLIPR Calcium4 Assay Kit)を38μL/ウェル添加し、CO
2インキュベーターで1時間染色した。384ウェルプレートを室温で15分以上静置した後、FDSS7000(浜松ホトニクス)にセットし、被験物質溶液を10μL/ウェル添加した。10分後にアリルイソチオシアネート溶液12μL/ウェルを添加し、アリルイソチオシアネート溶液添加後の相対蛍光強度変化を5分間測定した。
【0358】
被験物質調製
被験物質溶液及びアリルイソチオシアネート溶液の調製
被験物質溶液は、0.48%ジメチルスルホキシド、評価濃度の4.8倍濃度の被検物質、0.1%のウシ血清アルブミン及び20mM HEPESを含むHBSS (サーモフィッシャーサイエンティフィック)(pH7.2) の組成となるように調製した。アリルイソチオシアネート溶液は、0.1%ジメチルスルホキシド、100μMアリルイソチオシアネート、0.1%のウシ血清アルブミン及び20mM HEPESを含むHBSS (サーモフィッシャーサイエンティフィック)(pH7.2)の組成となるように調製した。
【0359】
アンタゴニスト活性の算出
被験物質を含まず、アリルイソチオシアネートを含むウェルの相対蛍光強度変化を活性率100%、被験物質及びアリルイソチオシアネートのいずれも含まないウェルの相対蛍光強度変化を活性率0%とし被験物質の各濃度における活性率を算出した。活性率100%から被検物資の活性率を引くことにより各濃度の被検物資の阻害率を算出し、50%の阻害率を起こす被検物質濃度をIC50として、エクセルフィット(idbs)にてシグモイド近似曲線より算出した。
結果を表5に示す。
【0360】
【表5-1】
【0361】
【表5-2】
【0362】
【表5-3】
【0363】
試験例2: AITC誘発疼痛行動評価試験
被験物質のin vivoにおける有効性を評価する目的で、マウスを用いたアリルイソチオシアネート(AITC)誘発疼痛行動評価試験を実施した。
AITCはTRPA1チャネルの選択的作動薬であり、動物に投与するとTRPA1活性化により疼痛行動を引き起こす。したがって、AITC投与後の疼痛行動の測定により、被験物質の生体内におけるTRPA1アンタゴニスト作用の強度を評価することができる。
1.動物への被験物質の投与
動物は、雄性ICRマウス6−8週齢を用いる。試験前日にマウスは絶食を行う。被験物質は、腹腔内投与あるいは経口投与により評価を行う。腹腔内投与の場合、AITC投与の30分前に投与を行う。経口投与の場合、AITC投与の60分前に投与を行う。
2.AITC誘発疼痛行動評価
AITC(0.1%)をマウスの左足の足底に皮下投与を行い、AITCの投与直後から5分間の足底をなめる行動をした時間(Licking time)を計測する。
3.阻害率の算出
各試験の溶媒投与群のLicking timeを100%とし、各被験物質投与時の活性率(被験物質投与時のLicking time/溶媒投与群のLicking time×100)を求め、100から活性率を引いた数値を阻害率として算出する。
上記方法によって、本発明の化合物が優れたTRPA1アンタゴニスト活性を有し、体内動態に優れ、動物モデルにおいて優れた薬効を示すことを確認することができる。
【0364】
試験例3: AITC誘発ラット血流評価試験
被験物質のin vivoにおける有効性を評価する目的で、ラットを用いたアリルイソチオシアネート(AITC)誘発血流評価試験を実施した。
AITCはTRPA1チャネルの選択的作動薬であり、動物に塗布するとTRPA1活性化により末梢の血流上昇を引き起こす。したがって、AITC塗布後の血流上昇の測定により、被験物質の生体内におけるTRPA1アンタゴニスト作用の強度を評価することができる。
1.動物への被験物質の投与
動物は、雄性SDラット9−11週齢を用いた。被験物質は、AITC塗布の60分前に経口投与により評価を行った。前日に同個体で投与媒体を投与した際の血流値を測定した。
2.AITC誘発血流評価
イソフルラン麻酔下でラットを腹臥位にし、ラットの耳から1cmの距離のところにレーザードップラー血流計(OMEGA FLOW FLO−N1 neuro science.inc)のプローブでレーザーを照射、血流を測定し、Power labを用いて記録を行った。血流が安定したことを確認し、15 μLのAITC(1%)溶液をラットの耳に広げるように塗布し、20分間の血流を計測した。
3.阻害率の算出
解析各時点(1,5,10,15,20分)の10秒間の血流量の平均値を算出し、AITC塗布前の血流量に対する変化量をAUC(Area under the curve)として算出した。また、AUC(% of baseline)は、(被験物質投与後のAUC/同個体の投与媒体投与時のAUCの平均値)×100で求めた値を、両日ともに投与媒体を投与した時に得られたAUCの比で補正する事により求めた。抑制率は、100−AUC(% of baseline)で求めた。
結果を
図1、表6に示す。
【0365】
【表6】