【発明の効果】
【0018】
以下に使用されるように、用語「有する」、「備える」または「含む」またはその任意の文法的な変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、この文脈において記述される実体には、これらの用語によって導入された特徴に加えて、さらなる特徴は存在しないという状況、および複数のさらなる特徴が存在するという状況の両方を言い得る。一例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、「AはBを含む」という表現は、Bに加えて、他の要素はAに存在しないという状況(すなわち、Aが単独かつ独占的にBに構成されている状況)、およびBに加えて、要素C、要素CとDまたはそれ以上の要素など、1つまたは複数の他の要素が実体Aに存在する状況の両方を言い得る。
【0019】
さらに、「少なくとも1つ」、「1つまたは複数の」という用語、または特徴もしくは要素が1つ以上存在し得ることを示す類似の表現は、典型的には、それぞれの特徴または要素を導入する際に1度だけ使用されることに留意されたい。以下では、多くの場合、それぞれの特徴または要素を参照する際に、それぞれの特徴は1度以上存在し得るという事実にもかかわらず、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」という表現は繰り返されない。
【0020】
さらに、以下に使用されるように、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「具体的には」、「より具体的には」、「詳細には」、「より詳細には」、または類似の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の機能と関連して使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は任意の特徴であり、請求項の範囲を限定することを意図するものではない。本発明は、当業者が理解するように、代替の特徴を使用して実行されてもよい。同様に、「本発明の実施形態において」または同様の表現において紹介される特徴は、本発明の代替の実施形態に関して制限することのない、本発明の範囲に関して制限することのない、およびこのようにして導入された特徴を、本発明の他の任意の特徴または非任意の特徴と組み合わせることに関して制限することのない任意の特徴であることが意図されている。
【0021】
本発明の第1の態様において、体液中の少なくとも1つの分析物を検出するための医療用装置を開示する。医療器具は、少なくとも部分的にユーザの体組織に挿入されるように構成される挿入可能部分を有する少なくとも1つの分析物センサを備える。医療用装置は、少なくとも1つの挿入カニューレをさらに備える。分析物センサは、少なくとも部分的に挿入カニューレ内に配置される。さらに、医療用装置は、少なくとも1つの電子装置ユニットを備える。分析物センサは、電子装置ユニットに動作可能に接続される。さらに、医療用装置は、少なくとも1つのハウジングを備える。ハウジングは、電子装置ユニットを少なくとも部分的に受容するように構成される、少なくとも1つの電子装置区画を備える。ハウジングは、分析物センサを少なくとも部分的に受容するように構成される、少なくとも1つのセンサ区画をさらに備える。センサ区画は、分析物センサの少なくとも挿入可能部分を受容する密封区画を形成する。密封区画は、少なくとも1つの切り離し可能な上部キャップ、および少なくとも1つの切り離し可能な下部キャップを備える。切り離し可能な下部キャップは、挿入前に切り離され、それによって挿入用に挿入可能部分が開放されるように構成される。挿入カニューレは、切り離し可能な上部キャップに取り付けられる。切り離し可能な上部キャップは、挿入後に切り離され、それによって挿入カニューレが取り除かれるように構成される。電子装置区画は、少なくとも部分的にセンサ区画を囲む。
【0022】
本発明において概して使用されるように、「医療用装置」という用語は、少なくとも1つの医療分析および/または少なくとも1つの医療処置を行うように構成される任意の装置を言い得る。したがって、医療用装置は、概して、少なくとも1つの診断目的および/または少なくとも1つの治療目的を実行するように構成される任意の装置であってもよい。以下において、さらなる実施形態を制限することなく、本発明を、少なくとも1つの診断目的を行うように構成される医療用装置、具体的には、少なくとも1つの分析を行うための少なくとも1つの分析物センサを備える医療用装置に関して主に説明する。医療用装置は、具体的には、1つまたは複数の診断および/または治療目的を実行する、医学的分析および/または医療処置を行うなどのために、互いに相互作用することができる2つ以上の構成要素のアセンブリを備えてもよい。具体的には、2つ以上の構成要素は、体液中の少なくとも1つの分析物の少なくとも1つの検出を行うことが可能であってもよく、および/または体液中の少なくとも1つの分析物の少なくとも1つの検出に寄与することが可能であってもよい。医療用装置は、概して、センサアセンブリ、センサシステム、センサキット、またはセンサデバイスのうちの少なくとも1つであってもよい、またはそれを備えてもよい。
【0023】
医療用装置は、使い捨ての医療用装置であってもよい。「使い捨ての医療用装置」という用語は、概して、使用後に処分されるように構成される任意の医療用装置を言い得る。したがって、1つまたは複数の材料は、特に低価格および/または容易にリサイクル可能であってもよい。具体的には、電子装置ユニットは、シングルユースの電子装置ユニットであってもよい。「シングルユース」という用語は、概して、一度だけ適用されるように構成されるという任意の要素の特性を言い得る。したがって、体液中の少なくとも1つの分析物を検出した後、ユーザは、電子装置ユニットを体組織から取り外し、電子装置ユニットを廃棄してもよく、体液中の分析物の別の検出ために、追加の新しい電子装置ユニットを備える、追加の新しい医療用装置を利用してもよい。
【0024】
本発明において概して使用されるように、「患者」および「ユーザ」という用語は、人間または動物が、それぞれ健康状態にあるか、または1つまたは複数の疾患罹っているかとは関わりなく、人間または動物を参照してもよい。一例として、患者またはユーザは、糖尿病に罹っている人間または動物であってもよい。しかしながら、追加的または代替的に、本発明は、他の種類のユーザもしくは患者、または疾患に適用されてもよい。
【0025】
本明細書でさらに使用されるように、「体液」という用語は、概して、ユーザまたは患者の身体または体組織に典型的に存在する流体、および/またはユーザまたは患者の身体によって生成され得る流体を言い得る。体組織の例として、間質組織を挙げることができる。したがって、体液は、一例として、血液および間質液からなる群から選択されてもよい。しかしながら、追加的または代替的に、唾液、涙液、尿または他の体液など、1つまたは複数の他の種類の体液が使用されてもよい。少なくとも1つの分析物の検出中、体液は、身体または体組織内に存在してもよい。したがって、具体的には、以下でさらに詳細に説明するように、センサは、体組織内の少なくとも1つの分析物を検出するように構成されてもよい。
【0026】
本明細書でさらに使用されるように、「分析物」という用語は、体液中に存在し得る任意の要素、成分または化合物をいうことができ、その存在および/または濃度が、ユーザ、患者または医師などの医療スタッフの目的である。特に、分析物は、少なくとも1つの代謝産物のような、ユーザまたは患者の代謝に関与し得る任意の化学物質または化合物であってもよい、またはそれを含んでもよい。一例として、少なくとも1つの分析物は、グルコース、コレステロール、トリグリセリド、乳酸塩からなる群から選択されてもよい。しかし、追加的または代替的に、他の種類の分析物が使用されてもよい、および/または分析物の任意の組み合わせが判定されてもよい。少なくとも1つの分析物の検出は、具体的には、特定の分析物に対する検出であってもよい。
【0027】
本明細書でさらに使用されるように、「検出する」という用語は、概して、少なくとも1つの分析物の存在および/または量および/または濃度を判定するプロセスをいう。したがって、検出は、少なくとも1つの分析物が存在すること、または少なくとも1つの分析物が存在しないことを単に判定する定性的検出であってもよい、もしくはそれを含んでもよい、および/または少なくとも1つの分析物の量および/または濃度を判定する定量的検出であってもよい、もしくはそれを含んでもよい。検出の結果、少なくとも1つの測定信号のような、検出の成果を特徴付ける少なくとも1つの信号が生成されてもよい。少なくとも1つの信号は、具体的には、少なくとも1つの電圧および/または少なくとも1つの電流のような、少なくとも1つの電子信号であってもよい、またはそれを含んでもよい。少なくとも1つの信号は、少なくとも1つのアナログ信号であってもよい、もしくはそれを含んでもよい、および/または少なくとも1つのデジタル信号であってもよい、もしくはそれを含んでもよい。本明細書においてさらに使用されるように、「濃度を判定する」という用語は、概して、体液中の分析物の濃度を示す少なくとも1つの代表的結果、または複数の代表的結果を生成するプロセスを言い得る。
【0028】
本明細書でさらに使用されるように、「分析物センサ」という用語は、概して、上記の検出プロセスを実行するように構成される、および/または上記の検出プロセスに使用されるように構成される任意の要素を言い得る。したがって、センサは、具体的には、分析物の濃度および/または分析物の存在を判定するように構成され得る。
【0029】
分析物センサは、具体的には、電気化学センサであってもよい。本明細書で使用される「電気化学センサ」は、概して、体液に含まれる少なくとも1つの分析物を検出するために電気化学的測定を行うように構成されるセンサである。「電気化学的測定」という用語は、電気化学的検出反応のような、分析物の電気化学的に検出可能な特性の検出をいう。したがって、たとえば、電気化学的検出反応は、1つまたは複数の電極電位を比較することによって検出されてもよい。電気化学センサは、具体的には、電気化学的検出反応、たとえば、少なくとも1つの電流および/または少なくとも1つの電圧の存在および/または程度を直接的または間接的に示す、少なくとも1つの電気センサ信号を生成するように構成されてもよい、および/または使用可能であってもよい。検出は特定の分析物に対するものであってもよい。測定は、定性的および/または定量的測定であってもよい。さらに、他の実施形態も実施可能である。
【0030】
分析物センサは、具体的には、経皮センサであってもよい。本明細書で使用されるように、「経皮センサ」という用語は、概して、患者またはユーザの体組織内に、完全にまたは少なくとも部分的に配置されるように適合される任意のセンサをいう。この目的のために、分析物センサは、挿入可能部分を備える。「挿入可能部分」という用語は、概して、任意の体組織に挿入可能に構成される要素の一部または構成要素を言い得る。さらに、分析物センサを経皮センサとして使用可能にするために、分析物センサは、生体適合性表面、すなわち、少なくとも使用期間中、ユーザ、患者または体組織に有害な影響を与えない表面を完全にまたは部分的に提供してもよい。具体的には、分析物センサの挿入可能部分は、生体適合性表面を有してもよい。一例として、経皮センサ、特に挿入可能部分は、少なくとも1つの分析物および/または少なくとも1つの体液に対して透過性である一方で、1つまたは複数の試験化学物質などのセンサ物質をセンサ内に保持し、これらの物質の体組織への移動を防止する、少なくとも1つのポリマー膜またはゲル膜などの、少なくとも1つの生体適合性膜で完全にまたは部分的に被覆されてもよい。分析物センサの他の部品または構成要素は、体組織の外部に留まってもよい。他の部分は、以下にさらに説明するように、電子装置ユニットなどの評価装置に接続可能であってもよい。
【0031】
経皮センサは、概して、挿入方向に対して垂直の方向に、たとえば5mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下の幅を設けることなどによって、経皮的挿入が実施可能であるように寸法決めされてもよい。センサは、50mm未満の長さ、30mm以下、たとえば、5mm〜30mmなどの長さを有してもよい。本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、挿入方向に平行の方向を言い得る。しかしながら、他の寸法が実施可能であることに留意されたい。
【0032】
「挿入カニューレ」という用語は、概して、特に、さらなる要素を送達または移送するために、ユーザの体組織に挿入可能な任意の要素を言い得る。したがって、具体的には、挿入カニューレは、中空管または中空針であってもよい、またはそれを備えてもよい。挿入カニューレは、たとえば、円形、楕円形、U字形、V字形からなる群から選択される少なくとも1つの断面を備えてもよい。さらに、他の実施形態も実施可能である。具体的には、挿入カニューレは、スロット付きカニューレであってもよい。あるいは、挿入カニューレは、非スロット付きカニューレであってもよい。挿入カニューレは、ユーザの体組織に対して、垂直または90°〜30°の角度で挿入されるように構成されてもよい。
【0033】
医療用装置は、センサ区画内に収容される少なくとも1つの隔壁をさらに備えてもよい。本明細書で概して使用されるように、「隔壁」という用語は、概して、水分および/または周囲大気などに対する環境保護を提供する容積または空間を密封するように構成される任意の密封要素を言い得る。一例として、隔壁は、挿入カニューレによって貫通され得る、および挿入カニューレにより生じた貫通孔を、挿入カニューレを引き込んだ後に再度密封し得る材料で形成される、少なくとも1つの貫通可能なフォイル、ディスク、シム、プラグまたはプレートであってもよい、またはそれを備えてもよい。具体的には、隔壁は、エラストマーのような弾性材料で形成されてもよい。隔壁は、射出成形によって、特に二成分射出成形によって製造されてもよい。隔壁は、挿入カニューレなどのような、小さい直径を有する細長い物体によって貫通可能であってもよい。細長い物体による貫通の後、細長い物体により生じた隔壁の孔は、それ自体で閉鎖され、隔壁はさらに、容積または空間の環境からの緊密な密封を提供するように構成されてもよい。具体的には、隔壁は、切り離し可能な上部キャップの切り離し後にセンサ区画の残りの部分を密封するように構成されてもよい。挿入カニューレは、切り離し可能な上部キャップがハウジングから切り離されたとき、隔壁を通って引っ張られるように構成されてもよい。
【0034】
さらに、挿入カニューレは、使用後に挿入カニューレのさらなる移動を防止するように構成される少なくとも1つのかえし付きフックを備えてもよい。本明細書でさらに使用されるように、「かえし付きフック(barbed hook)」という用語は、湾曲または窪んだ部分を備え、それにより別の対象物を保持する任意の工具を言い得る。さらに、かえし付きフックは、一方向においてのみ、他の物体がかえし付きフックを通過することが可能であり、反対方向においては、移動が完全に抑制され得るか、または少なくとも概ね減少され得るような特定の様式で成形されてもよい。具体的には、この特性は、フックの端部が、他の物体が移動可能な方向と反対の方向を向くように位置する、小さなさらなるフックによって実現されてもよい。
【0035】
医療用装置は、分析物センサの挿入可能部分を体組織内に挿入した後に挿入カニューレを引き込むための、少なくとも1つの後退機構をさらに備えてもよい。「後退機構」という用語は、概して、物体を、後退機構が適用される前に物体が移動させられた方向とは反対の方向に移動させるように構成される、任意の構造体を言い得る。したがって、後退機構は、少なくとも1つの引き込みばね要素が、より好ましくは、ハウジングと挿入カニューレとの間に配置され、挿入カニューレを体組織から引き込むために付勢される少なくとも1つの引き込みばね要素を備えてもよい。後退機構は、少なくとも部分的に、切り離し可能な上部キャップ内に備えられてもよい。
【0036】
本明細書で使用されるように、「電子装置ユニット」という用語は、概して、少なくとも1つの電子部品を有する任意の装置をいう。具体的には、電子装置ユニットは、分析物センサによる測定の実行、電圧測定の実行、電流測定の実行、センサ信号の記録、測定信号または測定データの記憶、センサ信号または測定データの別の装置への送信のうちの1つまたは複数を行うための少なくとも1つの電子部品を備えてもよい。電子装置ユニットは、具体的には、送信機として具体化されてもよい、またはデータを送信するための送信機を備えてもよい。電子部品の他の実施形態も実施可能である。
【0037】
電子装置ユニットは、少なくとも1つの相互接続装置、好ましくはプリント回路基板、より好ましくはフレキシブルプリント回路基板を備えてもよい。上述のように、分析物センサは、電子装置ユニットに「動作可能に接続」されている。「動作可能に接続される」という用語は、具体的には、2つ以上の物体が相互作用し得るように互いに接続されている状態を言い得る。具体的には、分析物センサは、分析物センサのセンサ信号が電子装置ユニットに送信され得るように、電子装置ユニットに動作可能に接続されてもよい。したがって、「動作可能に接続される」という用語は、また、導電性の接続を言い得る。分析物センサは、好ましくは、はんだ付け接続、溶接接続、電気的接合、導電性粘着材料またはプラグ接続のうちの少なくとも1つにより相互接続装置に電気的に接続されてもよい。相互接続装置は、ハウジングの電子装置区画内に固定的に位置決めされてもよい。
【0038】
本明細書で概して使用されるように、「ハウジング」という用語は、概して、機械的保護、機械的安定性、湿気および/または周囲雰囲気に対する環境保護、電磁気影響に対する遮蔽などを提供するために、1つまたは複数の要素を完全にまたは部分的に囲む、および/または受容するように構成される任意の要素を言い得る。したがって、ハウジングは、1つまたは複数のさらなる構成要素または要素を取り付けおよび/または保持するための基部を簡易に提供してもよい。追加的または代替的に、ハウジングは、1つまたは複数のさらなる構成要素または要素を受容するための1つまたは複数の内部空間を提供してもよい。ハウジングは、具体的には射出成形によって製造されてもよい。しかし、他の実施形態も実施可能である。例示的には、以下にさらに説明するように、電子装置ユニットは密封またはポッティングされてもよい。
【0039】
本明細書で使用されるように、「区画」という用語は、概して、物体を収容および/または格納するために使用可能となり得る部分的または完全に封入された空間を生成する上位要素の任意の副部品を言い得る。副部品は、具体的には区画の内部が周囲環境から隔離され得るように、完全にまたは少なくとも概ね閉鎖されている。例示的には、区画は、1つまたは複数の壁によって、より上位の要素の他の部分から分離されてもよい。したがって、ハウジング内には、ハウジングの1つまたは複数の壁によって互いに完全にまたは部分的に分離された、2つ以上の区画が備えられてもよい。各区画は、1つまたは複数の物体を受容するように構成される、連続的な空間または内腔を備えてもよい。
【0040】
上述したように、センサ区画は密封区画を形成する。「密封区画」という用語は、ガス、流体および/または固体要素の移送が完全にまたは少なくとも概ね減少するように周囲環境から隔離されるという区画の特性を言い得る。具体的には、センサ区画は、分析物センサの挿入可能部分のための滅菌包装を提供するように構成されてもよい。例示的に、切り離し可能な下部キャップは、挿入可能部分が周囲環境に対して密封されるように、分析物センサの挿入可能部分のための滅菌包装を提供するように構成される滅菌キャップであってもよい。「滅菌」という用語は、概して、あらゆる形態の生物および/またはプリオン、ウイルス、菌類、細菌または胞子形態などの生物由来物質が少なくとも概ね存在しないという任意の物体の特性を言い得る。したがって、滅菌対象物は、生物および/または他の生物由来物質を排除および/または不活性化する少なくとも1つの滅菌プロセスによって処理されてもよい。滅菌プロセスは、加熱、化学処理、照射、高圧、濾過の1つまたは複数の技術を含んでもよい。しかし、他の技術も実施可能である。滅菌処理は、対象物の表面など、対象物の特定の範囲または領域内で行われてもよい。
【0041】
電子装置区画およびセンサ区画は一体に設計されてもよい。「一体に」という用語は、2つ以上の構成要素が省スペースでまたはコンパクトに配置されている状態を言い得る。2つ以上の構成要素のうちの少なくとも1つは、2つ以上の構成要素の少なくとも別の1つに恒久的に組み込まれてもよい。さらに、2つ以上の構成要素は、構成要素が相互作用すること可能であるように相補的に設計されてもよい。例示的に、電子装置区画およびセンサ区画は、単一部品を形成してもよい。電子装置区画およびセンサ区画は、少なくとも部分的に単一のハウジング要素によって形成されてもよい。電子装置区画およびセンサ区画は、ハウジングの共通壁を共有してもよい。共通壁は、少なくとも部分的に、挿入カニューレを囲む円筒形リングとして設計されてもよい。
【0042】
センサ区画は、少なくとも1つの中間部分を備えてもよい。「中間部分」という用語は、少なくとも2つの他の区画の間の、および/または少なくとも1つの他の区画に位置し得る任意の構成要素または区画を指してもよい。したがって、中間部分は、センサ区画内に位置してもよく、電子装置区画から密封されてもよい。中間部分は中間区画、または一例として、シールリングもしくはリング状要素であってもよい、またはそれを備えてもよい。他の実施形態も実施可能である。電子装置区画は、中間部分に接続されてもよい。具体的には、電子装置区画は、中間部分を少なくとも部分的に囲んでもよい。電子装置区画および中間部分は、少なくとも1つの共通壁を共有してもよい。中間部分は、電子装置区画の壁を形成してもよい。さらに、中間部分は、同時に、センサ区画の一部であってもよい。中間部分は、挿入カニューレを少なくとも部分的に囲む円筒形リングとして設計されてもよい。切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップは、中間部分によって分離されてもよく、両方とも中間部分に切り離し可能に接続されてもよい。
【0043】
「キャップ」という用語は、容量を閉鎖または密封するように構成される任意の要素を言い得る。具体的には、キャップは、任意の容器の開口部を閉鎖または密封してもよい。「上部キャップ」および「下部キャップ」という用語は、順序を指定することのない、かついくつかの種類の上部キャップおよび下部キャップが適用され得る可能性を排除することのない記述と考えられ得る。「切り離し可能な」という用語は、任意の物体から取り除くことができるという要素の特性を言い得る。これにより、要素と物体との間の密着または接触が断たれてもよい。概して、要素は、物体に取り付け可能であり、物体から切り離すことができるという可逆的に取り除くことができてもよく、切り離し後は要素に取り付けることができないという非可逆的に取り除くことができてもよい。具体的には、以下でさらに詳細に説明するように、切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップは、手によるキャップの簡単かつ明確な分離を可能にするために壁に脆弱部分を有する少なくとも1つの所定の破断点など、壁の1つまたは複数の溝、ノッチまたはスロットを備える少なくとも1つの所定の破断点のような、少なくとも1つの所定の破断点により中間部分に接続されてもよい。
【0044】
切り離し可能な上部キャップおよび/または切り離し可能な下部キャップは、例示的に、細長い形状を有し、内部容積を提供してもよい。切り離し可能な上部キャップおよび/または切り離し可能な下部キャップは、ユーザがそれぞれのキャップを切り離すことを可能にする1つまたは複数のハンドルを有してもよい。切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップは、中間部分に切り離し可能に接続されてもよい。具体的には、切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップは、中間部分の両側面上で、中間部分に切り離し可能に接続されてもよい。具体的には、切り離し可能な上部キャップは、挿入カニューレを少なくとも部分的に囲んでもよい。挿入カニューレは、切り離し可能な上部キャップに固定的に取り付けられてもよい。
【0045】
上に説明したように、切り離し可能な上部キャップは、少なくとも1つの所定の上部破断点にて中間部分に切り離し可能に接続されてもよい。切り離し可能な下部キャップは、少なくとも1つの所定の下部破断点にて中間部分に切り離し可能に接続されてもよい。本明細書においてさらに使用されるように、「所定の破断点」という用語は、要素の他の部分が損傷を受けていないが、機械的負荷の間に破断するように構成される要素の任意の部分を言い得る。具体的には、所定の破断点は、少なくとも1つのノッチを備えてもよく、要素の厚さは、要素の他の部分と比較してより小さくてもよい。所定の上部破断点および所定の下部破断点は、具体的にはリング状の破断点であってもよい。「上部破断点」および「下部破断点」という用語は、順序を指定することのない、かついくつかの種類の上部破断点および下部破断点が適用され得る可能性を排除することのない記述と考えられ得る。
【0046】
電子装置区画とセンサ区画とは、少なくとも1つの密封された開口部により互いに接続されてもよい。「密封された」という用語は、概して、周囲環境から完全にまたは少なくとも概ね隔離されるという、任意の要素の特性を言い得る。密封された開口部は、少なくとも1つの密封要素を備えてもよい。「密封要素」という用語は、概して、1つまたは複数の要素を、水分などの環境影響から密封されるように被覆するように構成される任意の要素を言い得る。密封要素は、センサ区画を電子装置区画から密封してもよい。例示的には、密封要素は、少なくとも1つのシールリップを備えてもよい。本明細書で使用されるように、「シールリップ」という用語は、密封要素の横断面の最大点を参照してもよく、その上の密封要素が他の面に押し付けられたときに、他の表面に最初に接触する密封要素の部分である。断面そのものは、対称または非対称の形状であってもよく、非対称の断面が好ましくてもよい。密封要素は、少なくとも1つのシーリング材からなり、特に、変形可能なシーリング材、より好ましくは接着材である。分析物センサは、密封された開口部を通過してもよい。分析物センサは、電子装置区画内に部分的に受容されてもよく、センサ区画内に部分的に受容されてもよい。具体的には、挿入可能部分は、センサ区画内に少なくとも部分的に受容されてもよい。
【0047】
電子装置区画は、少なくとも2つのハウジング部分を備えてもよい。少なくとも2つのハウジング部分は、少なくとも1つの下部ハウジング部分、および少なくとも1つの上部ハウジング部分を備えてもよい。「下部ハウジング部分」および「上部ハウジング部分」という用語は、順序を指定することのない、かついくつかの種類の下部ハウジング部分および上部ハウジング部分が適用され得る可能性を排除することのない記述と考えられ得る。
【0048】
例示的には、上部ハウジング部分は、接着剤シーリング材料のカバー、より好ましくは少なくとも1つの弾性材料、特に弾性ポリマー材料のカバーの1つまたは複数を備えてもよい。上部ハウジング部分および下部ハウジング部分は、形状嵌合接続、圧入接続、または材料係合による接続のうちの1つまたは複数により、より具体的には、少なくとも1つの接着剤および/または少なくとも1つの結合を使用した接続により接続されてもよい。上部ハウジング部分は、電子装置ユニットの電子部品のための封入部を形成してもよい。
【0049】
下部ハウジング部分は、ユーザの皮膚上に設置されるように構成される少なくとも1つの下面を備えてもよい。具体的には、医療用装置は、ユーザの皮膚に取り付けるための少なくとも1つの粘着面を備えてもよい。「粘着面」という用語は、物体に結合して分離に抵抗することができるという、任意の表面の特性を言い得る。例示的に、粘着面は、少なくとも1つの絆創膏または粘着片を備えてもよい。絆創膏または粘着片は、少なくとも1つの接着材料を含んでもよい。粘着面は、ハウジングに直接的または間接的に取り付けられてもよい。粘着面は、電子装置区画の下面であってもよい。分析物センサの挿入可能部分および切り離し可能な下部キャップは、電子装置区画の下面から延びてもよい。「下面」という用語は、具体的には、ユーザの皮膚に面する電子装置区画の表面を参照してもよい。粘着面は、典型的には、分析物センサを囲む円形リングの形状を有してもよい。
【0050】
切り離し可能な上部キャップおよび/または切り離し可能な上部キャップは、少なくとも1つのハンドルを備えてもよい。本明細書でさらに使用されるように、「ハンドル」という用語は、手で移動または使用され得る物体の一部であってもよい任意の要素を言い得る。具体的には、切り離し可能な下部キャップは、ユーザが切り離し可能な下部キャップを医療用装置から切り離すことを可能にするように構成されるハンドルを備えてもよい。ハンドルは、少なくとも1つの吸湿性材料、好ましくは少なくとも1つの乾燥剤、より好ましくは活性炭を備えてもよい。
【0051】
医療用装置は、ユーザが挿入カニューレを体組織内に駆動し、分析物センサの挿入可能部分を挿入することを可能にするように構成される、少なくとも1つの挿入補助具をさらに備えてもよい。本明細書においてさらに使用されるように、「挿入補助具」という用語は、物体を別の物体に挿入するように構成される任意の技術的構造体を言い得る。したがって、挿入補助具は、少なくとも1つの挿入機構を備えてもよい。本明細書でさらに使用されるように、「機構」という用語は、入力および運動を所望の一組の出力および運動に変換するように設計される任意の機構を言い得る。具体的には、挿入機構は、ユーザが挿入カニューレに挿入方向に力を加え得るように構成されてもよい。したがって、挿入補助具は、ユーザによる医療用装置の取り扱いを容易にするように、および/または、適用エラーを低減するように構成されてもよい。挿入補助具は、少なくとも部分的にハウジングを囲んでもよい。さらに、挿入補助具は、少なくとも部分的にハウジングに連結されてもよい。
【0052】
挿入補助具は、切り離し可能な下部キャップに機械的に連結される切り離し可能な下部カバーを備えてもよい。本明細書においてさらに使用されるように、「カバー」という用語は、完全にまたは少なくとも概ね物体を閉鎖する任意の要素を言い得る。具体的には、カバーは、医療用装置を囲むシェル、特にハーフシェルであってもよい、またはそれを備えてもよい。切り離し可能な下部カバーは、切り離し可能な下部カバーが取り除かれることにより切り離し可能な下部キャップが取り除かれるように構成されてもよい。挿入補助具は、少なくとも1つの上部カバーをさらに備えてもよい。上部カバーは、フレームに対する上部カバーの移動が挿入カニューレを駆動するように、挿入カニューレまたは切り離し可能な上部キャップの一方または両方に直接的または間接的に連結されてもよい。「下部カバー」および「上部カバー」という用語は、順序を指定することのない、かついくつかの種類の下部カバーおよび上部カバーが適用され得る可能性を排除することのない記述と考えられてもよい。挿入補助具は、少なくとも1つのフレームをさらに備えてもよい。「フレーム」という用語は、物理的構造体の他の構成要素を支持するように構成されてもよい任意の要素を言い得る。フレームは、ユーザの皮膚上で位置変更可能であり、ハウジングを少なくとも部分的に囲み、上部カバーはフレームに対して移動可能である。
【0053】
本発明の別の態様において、上述した、または以下でさらに説明する実施形態のいずれかの医療用装置の組み立て方法を開示する。この方法は、独立請求項に記載され、以下に列挙される方法ステップを含む。方法ステップは、所定の順序で行われてもよい。しかし、方法ステップの他の順序が実施可能である。さらに、方法ステップの1つまたは複数は、並行しておよび/または時間上で重複して実行されてもよい。さらに、方法ステップの1つまたは複数は、繰り返し実行されてもよい。さらに、列挙されていない追加の方法ステップが存在してもよい。
【0054】
医療用装置の組み立て方法は、
a)電子装置区画の少なくとも一部と、切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップを有するセンサ区画とを備える、ハウジングの少なくとも1つの部分を設けるステップと、b)分析物センサを少なくとも部分的にセンサ区画内に配置するステップであって、分析物センサと、ステップa)で設けられたハウジングの少なくとも1つの部分とが、中間製品を形成している、分析物センサを少なくとも部分的にセンサ区画内に配置するステップと、
c)中間製品を滅菌するステップと、
d)少なくとも1つの電子装置ユニットを、ステップa)で設けられた電子装置区画の少なくとも一部に配置するステップと、
を含む。
【0055】
ハウジングは、射出成形によって製造されてもよい。ステップb)の間に、少なくとも1つの別の要素は、少なくとも部分的にセンサ区画内に配置されてもよい。少なくとも1つの別の要素は、挿入カニューレ、密封要素、特に隔壁からなる群から選択されてもよい。この方法は、分析物センサを電子装置ユニットに動作可能に接続する、具体的には電子的に接続するステップをさらに備えてもよい。この方法は、電子装置区画の少なくとも1つの別の部品を、電子装置ユニットを受容する電子装置区画の少なくとも1つの部分に取り付けるステップをさらに含み、それにより、電子装置ユニットが内部に受容された電子装置区画を形成する。具体的には、ステップd)を行った後、電子装置区画は、少なくとも1つのカバーによって密封されてもよい。
【0056】
ステップc)は、放射線、特にEビーム滅菌に基づく少なくとも1つの滅菌工程によって行われてもよい。方法は、電子装置ユニットを、特にガス滅菌によって滅菌する少なくとも1つのステップをさらに備えてもよい。
【0057】
具体的には、電子装置ユニットが放射線に曝されないように、ステップd)を実行する前にステップc)が実行されるように、方法は実行される。同様に、電子装置ユニットの滅菌は、電子装置ユニットを電子装置区画内に、またはその少なくとも一部内に配置した後に、センサ区画が切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップなどによって密封された状態で行われてもよい。その結果、電子装置ユニットを滅菌するために、たとえばエチレンオキシドを使用することによるガス滅菌を使用してもよい。センサ区画は上部キャップおよび下部キャップによって密封されているため、電子装置をガス滅菌するために使用されるガスがセンサ区画に入るのが防止されてもよく、したがって、内部に配置された分析物センサまたは分析物センサの少なくとも挿入可能部分に影響を及ぼすことが防止されてもよい。
【0058】
この2段階滅菌を用いることにより、異なる部品の特定の要件および感度が説明されてもよい。したがって、概して、電子装置ユニットは、ガンマ線または電子ビームのような高エネルギー放射線に敏感であり、損傷を受ける可能性がある。結果として、放射線滅菌は、分析物センサまたは少なくとも分析物センサの挿入可能部分を滅菌するために、電子装置ユニットが分析物センサに接続されていない状態の中間製品に対して実行されてもよい。反対に、分析物センサ、またはほとんどの場合に分析物センサ内で使用される典型的なセンサ化学物質は、エチレンオキシドなどの滅菌ガスによって敏感であり、損傷を受ける可能性がある。結果として、分析物センサに接続された電子装置ユニットの滅菌は、エチレンオキシドなどの滅菌ガスが分析物センサの挿入可能部分と相互作用することを防止されるように行われてもよい。結果として、滅菌プロセスは、放射線によって電子装置ユニットを破壊するリスクを冒すことなく、かつ滅菌ガスによって分析物センサを破壊する危険を冒すことなく、独立して最適化されてもよい。
【0059】
本発明のさらなる態様では、上記のような、または以下でさらに説明する任意の実施形態による医療用装置の使用方法を開示する。方法は、独立請求項に記載され、以下に列挙される方法ステップを含む。方法ステップは、所定の順序で実行されてもよい。しかし、方法ステップの他の順序が実施可能である。さらに、1つまたは複数の方法ステップは、並行しておよび/または時間上で重複するように実行されてもよい。さらに、1つまたは複数の方法ステップが繰り返し行われてもよい。さらに、列挙されていない追加の方法ステップが存在してもよい。
【0060】
医療用装置の使用方法は、
I.医療用装置を提供するステップと、
II.切り離し可能な下部キャップを取り除くステップと、
III.分析物センサを体組織内に挿入するステップと、
IV.切り離し可能な上部キャップを取り除き、それによって挿入カニューレが医療用装置から取り除かれるステップと、
を含む。
【0061】
医療器具は、上述の少なくとも1つの上部カバーおよび切り離し可能な下部カバーを備える少なくとも1つの挿入補助具をさらに備えてもよい。それにより、医療用装置の使用方法は、
i.切り離し可能な下部カバーを取り除き、それによって切り離し可能な下部キャップが取り除かれるステップと、
ii.上部カバーを介して挿入機構を適用することによって、分析物センサを体内に挿入するステップと、
をさらに含む。
【0062】
ハウジングは、少なくとも1つの保護箔で被覆される少なくとも1つの粘着面を備えてもよく、ステップiの間に、保護箔は取り除かれる。具体的には、回転運動により切り離し可能な下部カバーは取り除かれる。しかし、他の実施形態も実施可能である。上部カバーは、少なくとも1つのばね駆動部を備えてもよく、ステップiを実行する前にばね駆動部を締め付けられることにより挿入機構の部品が固定されてもよく、ステップiiを実行した後に、挿入カニューレは、少なくとも1つのばねによって後退する。
【0063】
提案する、医療用パッケージ、医療用装置の組み立て方法、および医療用装置の使用方法は、既知の装置および方法よりも多くの利点を提供する。
【0064】
通常、一般的な医療用装置は、まず2つの構成要素を備え得る。2つの構成要素は、医療用装置をユーザの体組織に適用した後に最終製品を形成してもよい。分析物センサは、一般的に、ユーザにより電子装置ユニットに接続されなければならない。これは、特に、適用中のエラー、そして測定エラーなどの重大な結果につながる可能性がある。したがって、一般的な医療用装置では、概して、エラー源を回避するために精巧な構造が実現されなければならない。精巧な構造は、典型的には、密封、電気的接触または型締力を備えてもよい。
【0065】
具体的には、電気化学的センサである分析物センサの場合、電子装置区画は概してビーム滅菌によって処理することができない。しかし、電気化学センサ自体は、概して、電気化学センサの機能性が保証されるように、ビーム滅菌によってのみ処理可能であってもよい。
【0066】
したがって、本発明による医療用装置は、分析物センサを含む滅菌区画と、具体的にはシングルユースの電子装置ユニットであってもよい電子装置ユニットとの組み合わせを備えてもよい。滅菌区画は、電子装置ユニットに組み込まれてもよい。
【0067】
ユーザは、医療用装置を組み立てる必要のない、「オールインワン」の医療用装置を受容してもよい。医療用装置は、さらに、堅牢で低価格であってもよい。ユーザの体組織への医療用装置の適用は、簡単で直観的な方法で実行可能であってもよい。
【0068】
医療用装置の部品は、医療用装置を使用した後、ユーザの体組織に留まってもよい。これらの部分は、所定の適用期間中に体組織に留まってもよい。医療用装置の組み立て中における分析物センサの滅菌およびその後の電子装置ユニットの組み立ては、密封区画を開けることなく実現されてもよい。さらに、コンパクトで小型の構造、および簡単な組立が可能となり得る。
【0069】
ハウジング、特に下部ハウジング部分は、射出成形によって製造されてもよい。さらに、ハウジングは、少なくとも2つの所定の破断点を備えてもよい。医療用装置を組み立てるために、挿入カニューレ、隔壁および/または分析物センサがハウジングに挿入されてもよい。その後、電子装置区画とセンサ区画とを互いに接続させる開口部が密封されてもよい。ハンドルは、切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップにそれぞれ取り付けられてもよい。ハンドルは、少なくとも1つの乾燥剤または活性炭を任意に含んでもよい。このアセンブリは滅菌されてもよい。相互接続装置は、下部ハウジング部分上に設置されてもよく、例示的にはウォームコーキングによって、下部ハウジング部分に固定されてもよい。分析物センサは、具体的には導電性接着材料によって、相互接続装置に動作可能に接続されてもよい。上部ハウジング部分および粘着面が取り付けられてもよい。粘着面は、下部ハウジング部分に取り付けられてもよい。上部ハウジング部分は、例示的にはレーザ溶接または接着結合により、下部ハウジング部分に固く据え付けられてもよい。医療用装置は、一次包装であってもよく、包装に大きな要求のない、二次包装されていてもよい。
【0070】
医療用装置の使用中、包装はユーザによって開封され得る。接着要素の保護箔が取り除かれ、切り離し可能な下部キャップが切り離されてもよい。医療用装置は、ユーザの体組織に据え付けられ、分析物センサは、体組織に挿入されてもよい。挿入カニューレは、体組織から取り除かれてもよい。その後、切り離し可能な上部キャップを医療用装置から切り離されてもよい。
【0071】
隔壁は別個の構成要素であってもよい、または射出成形によって製造されてもよい。かえし付き式フックは、挿入カニューレの第2の使用を防止するように構成されてもよい。かえし付きフックは、追加の構成要素であってもよい、または1つの構成要素として一体化されてもよい。挿入カニューレは、チューブ、またはスタンピングされ曲げられた部分であってもよい。挿入カニューレは、隔壁によって密封されてもよい。したがって、挿入カニューレは、具体的には、円形の断面を有してもよい。しかし、平坦な設計のような他の実施形態も実施可能である。
【0072】
電子装置区画は、閉鎖された区画であってもよい、またはポッティングされた塊であってもよい。具体的には、電子装置区画は、エラストマー材料でポッティングされてもよい。それにより、フレキシブルシステムがユーザの体組織に取り付けられてもよい。これにより、着用時の快適性が増してもよい。電子装置ユニットは、具体的には、フレキシブルプリント回路を備えてもよい。任意で、下部ハウジング部分は、接着表面を取り付けるための剛性構造を備えてもよい。
【0073】
挿入補助具は、上部カバーを備えてもよい。上部カバーは、一次包装の一部であってもよい。さらに、ユーザは医療用装置を使用するために上部カバーを使用してもよい。上部カバーは、切り離し可能な上部キャップに固定的に接続されてもよい。挿入補助具は、挿入カニューレが体組織に挿入された後に挿入カニューレを自動的に引き込むように構成される後退機構を有してもよい。切り離し可能な挿入補助具の下部カバーは、一次包装の一部であってもよい。さらに、切り離し可能な下部カバーは、切り離し可能な下部キャップに固定的に接続されてもよい。切り離し可能な下部カバーの開放中に、切り離し可能な下部キャップが同時に開口されてもよく、粘着面が露出されてもよい。フレームは、具体的には医療器具を使用する前に、挿入カニューレを保護してもよい。ユーザは、体組織上に医療用装置を保持してもよい。フレームは、ユーザが挿入カニューレを手動で挿入する際に力を蓄積し、迅速に挿入し得るように、初期力を必要とし得る。フレームは、フレームが圧縮されるとすぐに挿入カニューレが自動的に引き抜かれるように、機構をトリガーしてもよい。具体的には、機構は、プリテンションばね機構であってもよい。挿入補助具は、ユーザにとって容易な取り扱いを提供してもよい。
【0074】
切り離し可能な下部カバーは、例示的にはスナップ結合、接着結合および/または長手方向のガイドまたは力の伝達により、切り離し可能な下部キャップの下部に固定的に接続される基部を備えてもよい。基部は、切り離し可能な下部カバーを取り外すための把持面を備えてもよい。基部は、同時に、粘着面のカバーであってもよい。これは、粘着面の貯蔵寿命の延長につながり得る。切り離し可能な下部カバーを取り外すことにより、切り離し可能な下部キャップが開口されてもよく、挿入カニューレおよび分析物センサが露出されてもよく、同時に、粘着面が露出されてもよい。
【0075】
挿入補助具の上部カバーは、ばね駆動部を備えてもよい。ばね駆動部は、挿入カニューレの挿入をトリガーするように構成されてもよい。ばね駆動部は、電子装置ユニットを挿入補助具に押し込む間に張力をかけられてもよい。挿入カニューレは、挿入後に挿入カニューレの引き抜きをトリガーするように構成されてもよい要素にはめ込まれてもよい。
【0076】
上部カバーは、挿入補助具内での電子装置ユニットの循環が、少なくとも概ね抑制されるようにガイド要素を備えてもよい。例示的には、電子装置ユニットは非円形形状を有してもよく、電子装置ユニットの外部形状にガイドレールがあってもよく、および/または電子装置ユニット内にナットのような特殊構造があってもよい。
【0077】
挿入補助具は、解除ボタンによりトリガーされてもよい。医療用装置は、体組織上に注射されてもよい。下死点では、挿入カニューレを引き抜くためにばね駆動部を解放してもよい。挿入補助具は、体組織から取り除かれてもよい。ユーザは、任意で、切り離し可能な上部キャップを挿入カニューレとともに手で切り離してもよい。任意で、ユーザは、挿入補助具を傾けて、それによって切り離し可能な上部キャップを切り離してもよい。
【0078】
医療用装置への張力は、回転運動によって実現されてもよい。これにより、ハウジングは、オンにされてもよく、下方から持ち上げられてもよい。これは、例示的には、適切に形成された一次包装によって実現されてもよい。それによって、一次包装は、切り離し可能な下部キャップと連結してもよい。例示的には、挿入補助具は、それ自体で切り離し可能な下部キャップを切り離すための回転運動を行うように構成されてもよい。これは、以下のように実現されてもよい。医療用装置に張力がかけられる際に、2つの機構に張力がかけられてもよい。第1の機構は、上述したように分析物センサを体組織に挿入するためのばねシステムのことを呼んでもよい。第2の機構は、上記のような回転運動のことを言い得る。電子装置ユニットは、挿入補助具内の上死点に固定されてもよい。電子装置ユニットが固定されるとすぐに、反対方向に回転運動が起こってもよい。
【0079】
代替的に、切り離し可能な上部キャップを電子装置区画から取り除くために、簡単な方法で引き抜くことができ、刃で破断点を切断する、または切り離し可能な上部キャップをオフにする連結機構のような他の機構が適用されてもよい。切り離し可能な上部キャップは、電子装置区画に固定的に接続する必要はない。医療用装置の組み立てを容易にするため、および/またはユーザによる切り離し可能な上部キャップの切り離しを容易にするために、連結機構を適用してもよい。例示的には、ゴム、熱可塑性ポリマーまたはシリコーンのような弾性の塊を有する密封を備えるチューブインチューブ(tube−in−tube)システムを適用してもよい。
【0080】
要約すると、以下の実施形態は、本発明の、可能性のある実施形態である。しかし、他の実施形態も実施可能である。
【0081】
実施形態1:体液中の少なくとも1つの分析物を検出するための医療用装置であって、医療用装置は、
少なくとも部分的にユーザの体組織に挿入されるように構成される挿入可能部分を有する、少なくとも1つの分析物センサと、
分析物センサが少なくとも部分的に内部に配置される、少なくとも1つの挿入カニューレと、
分析物センサが動作可能に接続される、少なくとも1つの電子装置ユニットと、
少なくとも1つのハウジングと、
を備え、
ハウジングは、電子装置ユニットを少なくとも部分的に受容するように構成される、少なくとも1つの電子装置区画と、分析物センサを少なくとも部分的に受容するように構成される、少なくとも1つのセンサ区画とを備え、センサ区画は、分析物センサの少なくとも挿入可能部分を受容する密封区画を形成し、密封区画は、少なくとも1つの切り離し可能な上部キャップと、少なくとも1つの切り離し可能な下部キャップとを備え、切り離し可能な下部キャップは、挿入前に切り離されて、それによって挿入のために挿入可能部分を開放するように構成され、挿入カニューレは、切り離し可能な上部キャップに取り付けられ、切り離し可能な上部キャップは、挿入後に切り離され、それによって挿入カニューレが取り除かれるように構成され、電子装置区画は、少なくとも部分的にセンサ区画を囲んでいる。
【0082】
実施形態2:電子装置区画とセンサ区画とが一体に設計されている、実施形態1の医療用装置。
【0083】
実施形態3:電子装置区画およびセンサ区画は、単一部品を形成する、実施形態2の医療用装置。
【0084】
実施形態4:電子装置区画およびセンサ区画は、ハウジングの共通壁を共有する、実施形態1〜3のいずれか1つの医療用装置。
【0085】
実施形態5:共通壁は、少なくとも部分的に、挿入カニューレを囲む円筒形リングとして設計される、実施形態4の医療用装置。
【0086】
実施形態6:センサ区画は、少なくとも1つの中間部分を備え、切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップは、中間部分に切り離し可能に接続されている、実施形態1〜5のいずれか1つの医療用装置。
【0087】
実施形態7:切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップは、中間部分の両側で、中間部分に切り離し可能に接続されている、実施形態6の医療用装置。
【0088】
実施形態8:中間部分は、少なくとも部分的に、挿入カニューレを囲む円筒形リングとして設計される、実施形態6または7の医療用装置。
【0089】
実施形態9:切り離し可能な上部キャップは、少なくとも1つの所定の上部破断点にて中間部分に切り離し可能に接続され、切り離し可能な下部キャップは、少なくとも1つの所定の下部破断点にて中間部分に切り離し可能に接続されている、実施形態1〜8のいずれか1つの医療用装置。
【0090】
実施形態10:所定の上部破断点および所定の下部破断点は、リング状の破断点である、実施形態9の医療用装置。
【0091】
実施形態11:電子装置区画が中間部分に接続されている、実施形態6〜10のいずれか1つの医療用装置。
【0092】
実施形態12:電子装置区画は、中間部分を少なくとも部分的に囲んでいる、実施形態11の医療用装置。
【0093】
実施形態13:電子装置区画および中間部分は、少なくとも1つの共通壁を共有する、実施形態11または12の医療用装置。
【0094】
実施形態14:中間部分は、電子装置区画の壁を形成する、実施形態13の医療用装置。
【0095】
実施形態15:医療用装置は、ユーザの皮膚に取り付けるための少なくとも1つの粘着面を備えている、実施形態1〜14のいずれか1つの医療用装置。
【0096】
実施形態16:粘着面は、ハウジングに直接的または間接的に取り付けられる、実施形態15の医療用装置。
【0097】
実施形態17:粘着面は、電子装置区画の下面である、実施形態15または16の医療用装置。
【0098】
実施形態18:分析物センサの挿入可能部分および切り離し可能な下部キャップは、電子装置区画の下面から延びている、実施形態17の医療用装置。
【0099】
実施形態19:粘着面は、分析物センサを囲む円形リングの形状を有する、実施形態15〜18のいずれか1つの医療用装置。
【0100】
実施形態20:粘着面は、少なくとも1つの絆創膏または粘着片を備える、実施形態15〜19のいずれか1つの医療用装置。
【0101】
実施形態21:医療用装置は、使い捨ての医療用装置である、実施形態1〜20のいずれか1つの医療用装置。
【0102】
実施形態22:電子装置ユニットは、シングルユースの電子装置ユニットである、実施形態1〜21のいずれか1つの医療用装置。
【0103】
実施形態23:センサ区画は、分析物センサの挿入可能部分のための滅菌包装を提供するように構成される、実施形態1〜22のいずれか1つの医療用装置。
【0104】
実施形態24:切り離し可能な下部キャップは、挿入可能部分が周囲環境に対して密封されるように、分析物センサの挿入可能部分のための滅菌包装を提供するように構成される滅菌キャップである、実施形態1〜23のいずれか1つの医療用装置。
【0105】
実施形態25:切り離し可能な上部キャップは、挿入カニューレを少なくとも部分的に囲んでいる、実施形態1〜24のいずれか1つの医療用装置。
【0106】
実施形態26:挿入カニューレは、切り離し可能な上部キャップに固定的に取り付けられる、実施形態1〜25のいずれか1つの医療用装置。
【0107】
実施形態27:切り離し可能な上部キャップおよび/または切り離し可能な下部キャップは、機械力により切り離し可能な上部キャップおよび/または切り離し可能な下部キャップの切り離しを可能にするように構成される少なくとも1つの所定の破断点を備える、実施形態1〜26のいずれか1つの医療用装置。
【0108】
実施形態28:電子装置区画とセンサ区画とは、少なくとも1つの密封された開口部により互いに接続され、分析物センサは、密封された開口部を通過している、実施形態1〜27のいずれか1つの医療用装置。
【0109】
実施形態29:分析物センサは、電子装置区画に部分的に受容され、センサ区画に部分的に受容され、挿入可能部分は、少なくとも部分的にセンサ区画に受容されている、実施形態28の医療用装置。
【0110】
実施形態30:密封された開口部は、少なくとも1つの密封要素を備え、密封要素は、センサ区画を電子装置区画から密封する、実施形態28または29の医療用装置。
【0111】
実施形態31:密封要素は、少なくとも1つのシールリップを備える、実施形態30の医療用装置。
【0112】
実施形態32:密封要素は、少なくとも1つのシーリング材からなり、特に、変形可能なシーリング材、より好ましくは接着材である、実施形態30または31の医療用装置。
【0113】
実施形態33:挿入カニューレは、使用後に挿入カニューレのさらなる移動を防止するように構成される少なくとも1つのかえし付きフックを備える、実施形態1〜32のいずれか1つの医療用装置。
【0114】
実施形態34:医療用装置は、センサ区画に受容される少なくとも1つの隔壁をさらに備え、挿入カニューレは、隔壁を通過する、実施形態1〜33のいずれか1つの医療用装置。
【0115】
実施形態35:挿入カニューレは、切り離し可能な上部キャップがハウジングから切り離されたとき、隔壁を通って引っ張られるように構成される、実施形態34の医療用装置。
【0116】
実施形態36:隔壁は、切り離し可能な上部キャップの切り離し後にセンサ区画の残りの部分を密封するように構成される、実施形態34または35の医療用装置。
【0117】
実施形態37:隔壁は、射出成形によって、特に二成分射出成形によって製造される、実施形態34〜36のいずれか1つの医療用装置。
【0118】
実施形態38:切り離し可能な上部キャップおよび/または切り離し可能な上部キャップは、少なくとも1つのハンドルを備える、実施形態1〜37のいずれか1つの医療用装置。
【0119】
実施形態39:ハンドルは、少なくとも1つの吸湿性材料、好ましくは少なくとも1つの乾燥剤、より好ましくは活性炭を備える、実施形態38の医療用装置。
【0120】
実施形態40:電子装置区画およびセンサ区画は、少なくとも部分的に単一のハウジング要素によって形成される、実施形態1〜39のいずれか1つの医療用装置。
【0121】
実施形態41:ハウジングは、射出成形によって製造される、実施形態1〜40のいずれか1つの医療用装置。
【0122】
実施形態42:電子装置ユニットは、少なくとも1つの相互接続装置、好ましくはプリント回路基板、より好ましくはフレキシブルプリント回路基板を備える、実施形態1〜41のいずれか1つの医療用装置。
【0123】
実施形態43:分析物センサは、好ましくは、導電性粘着材料またはプラグ接続のうちの少なくとも1つにより相互接続装置に電気的に接続される、実施形態42の医療用装置。
【0124】
実施形態44:相互接続装置は、ハウジングの電子装置区画内に固定的に位置決めされる、実施形態42または43の医療用装置。
【0125】
実施形態45:電子装置区画は、少なくとも2つのハウジング部分を備える、実施形態1〜44のいずれか1つの医療用装置。
【0126】
実施形態46:少なくとも2つのハウジング部分は、少なくとも1つの下部ハウジング部分および少なくとも1つの上部ハウジング部分を備える、実施形態45の医療用装置。
【0127】
実施形態47:下部ハウジング部分は、ユーザの皮膚上に設置されるように構成される少なくとも1つの下面を備える、実施形態46の医療用装置。
【0128】
実施形態48:上部ハウジング部分は、接着剤シーリング材料のカバー、より好ましくは少なくとも1つの弾性材料、特に弾性ポリマー材料のカバーの1つまたは複数を備える、実施形態46または47の医療用装置。
【0129】
実施形態49:上部ハウジング部分および下部ハウジング部分は、形状嵌合接続、圧入接続、または材料係合による接続のうちの1つまたは複数により、より具体的には、少なくとも1つの接着剤および/または少なくとも1つの結合を使用した接続により接続される、実施形態1〜48のいずれか1つの医療用装置。
【0130】
実施形態50:上部ハウジング部分は、電子装置ユニットの電子部品のための封入部を形成する、実施形態46〜49のいずれか1つの医療用装置。
【0131】
実施形態51:医療用装置は、分析物センサの挿入可能部分を体組織内に挿入した後に挿入カニューレを引き込むための、少なくとも1つの後退機構をさらに備える、実施形態1〜50のいずれか1つの医療用装置。
【0132】
実施形態52:後退機構は、少なくとも部分的に、切り離し可能な上部キャップ内に備えられる、実施形態51の医療用装置。
【0133】
実施形態53:後退機構は、少なくとも1つの引き込みばね要素を、より好ましくは、ハウジングと挿入カニューレとの間に配置され、挿入カニューレを体組織から引き込むために付勢される少なくとも1つの引き込みばね要素を備える、実施形態51または52の医療用装置。
【0134】
実施形態54:医療用装置は、ユーザが挿入カニューレを体組織内に駆動し、分析物センサの挿入可能部分を挿入することを可能にするように構成される少なくとも1つの挿入補助具をさらに備える、実施形態1〜53のいずれか1つの医療用装置。
【0135】
実施形態55:挿入補助具は、少なくとも部分的にハウジングを囲む、実施形態54の医療用装置。
【0136】
実施形態56:挿入補助具は、少なくとも部分的にハウジングに連結される、実施形態54または55の医療用装置。
【0137】
実施形態57:挿入補助具は、切り離し可能な下部キャップに機械的に連結される切り離し可能な下部カバーを備え、切り離し可能な下部カバーは、切り離し可能な下部カバーが取り除かれることにより切り離し可能な下部キャップが取り除かれるように構成される、実施形態54〜56のいずれか1つの医療用装置。
【0138】
実施形態58:挿入補助具は、ユーザの皮膚上で位置変更可能であり、ハウジングを少なくとも部分的に囲む少なくとも1つのフレームを備え、少なくとも1つの上部カバーはフレームに対して移動可能であり、上部カバーは、フレームに対する上部カバーの移動が挿入カニューレを駆動するように、挿入カニューレまたは切り離し可能な上部キャップの一方または両方に直接的または間接的に連結される、実施形態54〜57のいずれか1つの医療用装置。
【0139】
実施形態59:実施形態1〜58のいずれか1つの医療用装置の組み立て方法であって、方法は、
a)電子装置区画の少なくとも一部と、切り離し可能な上部キャップおよび切り離し可能な下部キャップを有するセンサ区画とを備える、ハウジングの少なくとも1つの部分を設けるステップと、
b)分析物センサを少なくとも部分的にセンサ区画内に配置するステップであって、ここでは、分析物センサと、ステップa)で設けられたハウジングの少なくとも1つの部分とが、中間製品を形成している、分析物センサを少なくとも部分的にセンサ区画内に配置するステップと、
c)中間製品を滅菌するステップと、
d)少なくとも1つの電子装置ユニットを、ステップa)で設けられた電子装置区画の少なくとも一部に配置するステップと、
を含む。
【0140】
実施形態60:分析物センサを電子装置ユニットに動作可能に接続する、具体的には電子的に接続するステップをさらに備える、実施形態59の方法。
【0141】
実施形態61:方法は、電子装置区画の少なくとも1つの別の部分を、電子装置ユニットを受容する電子装置区画の少なくとも1つの部分に取り付けるステップを含み、それにより、電子装置ユニットが内部に受容された電子装置区画を形成する、実施形態59または60の方法。
【0142】
実施形態62:ハウジングは、射出成形によって製造される、実施形態59〜61のいずれか1つの方法。
【0143】
実施形態63:ステップb)の間に、少なくとも1つの別の要素は、少なくとも部分的にセンサ区画内に配置され、少なくとも1つの別の要素は、挿入カニューレ、密封要素、特に隔壁からなる群から選択される少なくとも1つの要素を備える、医療用装置の組み立て方法を参照する実施形態59〜62のいずれか1つによる方法。
【0144】
実施形態64:ステップc)は、放射線、特にEビーム滅菌に基づく少なくとも1つの滅菌工程によって行われる、医療用装置の組み立て方法を参照する実施形態59〜63のいずれか1つによる方法。
【0145】
実施形態65:電子装置ユニットを、特にガス滅菌によって滅菌する少なくとも1つのステップをさらに備える、医療用装置の組み立て方法を参照する実施形態59〜64のいずれか1つによる方法。
【0146】
実施形態66:ステップd)を行った後、電子装置区画は、少なくとも1つのカバーによって密封される、医療用装置の組み立て方法を参照する実施形態59〜65のいずれか1つによる方法。
【0147】
実施形態67:
I.医療用装置を提供するステップと、
II.切り離し可能な下部キャップを取り除くステップと、
III.分析物センサを体組織内に挿入するステップと、
IV.切り離し可能な上部キャップを取り除き、それによって挿入カニューレが医療用装置から取り除かれるステップと、
を含む、
医療用装置を参照する、上記実施形態のいずれか1つに記載の医療用装置の使用方法。
【0148】
実施形態68:医療用装置が、少なくとも1つの挿入補助具をさらに備え、挿入補助具は、切り離し可能な上部キャップに取り付けられる少なくとも1つの上部カバーを備え、挿入補助具は、切り離し可能な下部キャップに取り付けられる少なくとも1つの切り離し可能な下部カバーを備え、医療用装置の使用方法は、
i.切り離し可能な下部カバーを取り除き、それによって切り離し可能な下部キャップが取り除かれるステップと、
ii.上部カバーにより挿入機構を適用することによって、分析物センサを体内に挿入するステップと、
をさらに含む、
実施形態67の医療用装置の使用方法。
【0149】
実施形態69:ハウジングは、少なくとも1つの保護箔で被覆される少なくとも1つの粘着面を備えてもよく、ステップiの間に、保護箔は取り除かれる、実施形態68の医療用装置の使用方法。
【0150】
実施形態70:回転運動により切り離し可能な下部カバーは取り除かれる、実施形態68または69の医療用装置の使用方法。
【0151】
実施形態71:上部カバーは、少なくとも1つのばね駆動部を備えてもよく、ステップiを実行する前にばね駆動部を締め付けられることにより挿入機構の部品が固定されてもよく、ステップiiを実施した後に、挿入カニューレは、少なくとも1つのばねによって引っ込められる、実施形態68〜70のいずれか1つの医療用装置の使用方法。
【0152】
本発明の更なる詳細は、以下の好ましい実施形態の開示から導き出すことができる。実施形態の特徴は、単独で、または任意の組み合わせで実現されてもよい。本発明は、実施形態に限定されない。実施形態は、図面に概略的に示されている。図中の同一の参照符号は、同一の要素もしくは機能的に同一の要素、または機能に関連して互いに対応する要素を参照する。