特許第6906546号(P6906546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6906546オリゴマー化触媒およびそれを用いたエチレンオリゴマーの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906546
(24)【登録日】2021年7月1日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】オリゴマー化触媒およびそれを用いたエチレンオリゴマーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 31/24 20060101AFI20210708BHJP
   C07C 2/36 20060101ALI20210708BHJP
   C07C 11/107 20060101ALI20210708BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20210708BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20210708BHJP
【FI】
   B01J31/24 Z
   C07C2/36
   C07C11/107
   C07C11/02
   !C07B61/00 300
【請求項の数】14
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2018-554750(P2018-554750)
(86)(22)【出願日】2017年5月11日
(65)【公表番号】特表2019-522559(P2019-522559A)
(43)【公表日】2019年8月15日
(86)【国際出願番号】KR2017004849
(87)【国際公開番号】WO2017204476
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2020年2月18日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0065709
(32)【優先日】2016年5月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】308007044
【氏名又は名称】エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK INNOVATION CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】515215276
【氏名又は名称】エスケー グローバル ケミカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】イ サン イク
(72)【発明者】
【氏名】ベク ウン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム スン ユン
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒョ スン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ミン ソン
【審査官】 山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−503815(JP,A)
【文献】 特表2006−517528(JP,A)
【文献】 特表2010−526647(JP,A)
【文献】 米国特許第04069273(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00−38/74
C07B31/00−63/04
C07C1/00−409/44
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遷移金属または遷移金属前駆体、
前記遷移金属または遷移金属前駆体に配位結合され、ハロゲン置換された有機配位子、および
前記遷移金属または遷移金属前駆体に配位結合されたヘテロ原子配位子
含むオリゴマー化触媒であって、
前記遷移金属または遷移金属前駆体は、4族、5族、または6族の遷移金属またはこれらの前駆体であり、
前記ハロゲン置換された有機配位子は、下記化学式1で表されるエノレート系配位子であり、かつ
前記ヘテロ原子配位子は、下記化学式2で表されるP−C−C−P骨格構造の配位子、化学式3で表されるP−N−P骨格構造の配位子、または化学式4で表されるP−C=C−P骨格構造の配位子である、オリゴマー化触媒
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
(前記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
前記RとRまたはRとRは、ヒドロカルビレン、置換されたヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R〜Rの少なくとも1つは、ハロゲン置換されたヒドロカルビルまたはハロゲン置換されたヘテロヒドロカルビルである。)
(前記化学式2〜4中、
11〜R14は、それぞれ独立して、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
15、R16、およびR18は、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換されたヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロ原子であるか、前記R15とR16は、互いにヒドロカルビレン、置換されたヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレンで結合されて環を形成してもよく;
17は(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルアミノ、(C2−C10)アルケニルカルボニルアミノ、(C2−C10)アルキニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、(C1−C10)アルキルシリル、(C2−C10)アルケニルシリル、(C2−C10)アルキニルシリル、または(C6−C20)アリールシリルであり;前記R17のアラルキル、アラルケニル、アラルキニル、アルキル、アルケニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルケニルカルボニルアミノ、アルキニルカルボニルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアルケニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルキルシリル、アルケニルシリル、アルキニルシリル、またはアリールシリルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシシリル、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。)
【請求項2】
前記R〜Rの少なくとも1つは、フッ素置換されたヒドロカルビルまたはフッ素置換されたヘテロヒドロカルビルである、請求項1に記載のオリゴマー化触媒。
【請求項3】
単核または二核性である、請求項1に記載のオリゴマー化触媒。
【請求項4】
前記遷移金属または遷移金属前駆体は、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、タンタル、バナジウム、ジルコニウム、またはこれらの前駆体である、請求項1に記載のオリゴマー化触媒。
【請求項5】
前記遷移金属または遷移金属前駆体は、クロムまたはクロム前駆体である、請求項4に記載のオリゴマー化触媒。
【請求項6】
前記クロム前駆体は、クロム(III)アセチルアセトネート、三塩化クロムトリステトラヒドロフラン、およびクロム(III)2−エチルヘキサノエートからなる群から選択される、請求項5に記載のオリゴマー化触媒。
【請求項7】
クロムまたはクロム前駆体、下記化学式1で表されるエノレート系の配位子、および下記化学式2で表されるP−C−C−P骨格構造の配位子、化学式3で表されるP−N−P骨格構造の配位子、または化学式4で表されるP−C=C−P骨格構造の配位子が配位結合された錯体である、請求項1に記載のオリゴマー化触媒。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
(前記化学式中、
およびRは、それぞれ独立して、フッ素置換された(C1−C10)アルキルまたはフッ素置換された(C6−C20)アリールであって、前記RおよびRのフッ素置換されたアルキルおよびフッ素置換されたアリールは、フッ素以外に、クロロ、ブロモ、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上の置換体でさらに置換されてもよく;
は、水素、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、または(C6−C20)アリールであり、前記Rのアルキルおよびアリールは、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上でさらに置換されてもよく;
前記RとRまたはRとRは、(C3−C10)アルキレン、(C3−C10)アルケニレン、(C6−C20)アリーレン、(C3−C10)ヘテロアルキレン、(C3−C10)ヘテロアルケニレン、または(C6−C20)ヘテロアリーレンで連結されて環を形成してもよく;
11〜R14は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、チオ(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルシリル、(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、または−NR2122であり、R21およびR22は、それぞれ独立して、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、またはジ(C1−C10)アルキルアミノであり;
15、R16、および18は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C3−C7)シクロアルキル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、モノまたはジ(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルシリル、または(C6−C20)アリールシリルであるか、前記R15とR16は、(C3−C10)アルキレンまたは(C3−C10)アルケニレンで連結されて環を形成してもよく;
17は、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、モノまたはジ(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルシリル、または(C6−C20)アリールシリルであり;
前記R11〜R14のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、前記R15、R16、および18のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、モノまたはジアルキルアミノ、アルキルシリル、またはアリールシリル、並びに前記R17のアラルキル、アルキル、アルケニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、モノまたはジアルキルアミノ、アルキルシリル、またはアリールシリルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシシリル、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。)
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載のオリゴマー化触媒および助触媒を含む触媒組成物を用いたエチレンオリゴマーの製造方法。
【請求項9】
前記助触媒は、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機塩、またはこれらの混合物である、請求項8に記載のエチレンオリゴマーの製造方法。
【請求項10】
前記助触媒は、メチルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアルミノキサン(MMAO)、エチルアルミノキサン(EAO)、テトライソブチルアルミノキサン(TIBAO)、イソブチルアルミノキサン(IBAO)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリ−n−オクチルアルミニウム、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、アルミニウムイソプロポキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド、およびメチルアルミニウムセスキクロリドからなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物である、請求項9に記載のエチレンオリゴマーの製造方法。
【請求項11】
脂肪族炭化水素を反応溶媒として用いる、請求項8に記載のエチレンオリゴマーの製造方法。
【請求項12】
前記脂肪族炭化水素は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノネン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、および1,2,4−トリメチルシクロヘキサンから選択される1種以上である、請求項11に記載のエチレンオリゴマーの製造方法。
【請求項13】
前記エチレンオリゴマーは、30重量%以上の1−オクテンを含む、請求項8に記載のエチレンオリゴマーの製造方法。
【請求項14】
前記エチレンオリゴマーは、50重量%以上の1−オクテンを含む、請求項13に記載のエチレンオリゴマーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンの三量体化や四量体化のようなオリゴマー化反応に用いるための、高活性および高選択的なエチレンオリゴマー化触媒、およびそれを用いた1−ヘキセンまたは1−オクテンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1−ヘキセンおよび1−オクテンは、線状低密度ポリエチレンを作製するためのモノマーまたはコモノマーとして重合工程で広く用いられる重要な商業的原料であって、エチレンのオリゴマー化反応によって生成された製品を精製することで得られる。
【0003】
しかしながら、既存のエチレンのオリゴマー化反応は、1−ヘキセンおよび1−オクテンとともに、相当の量のブテン、高級オリゴマーとポリエチレンが生成されるという非効率的な点があった。かかる従来のエチレンのオリゴマー化技術は、通常、シュルツ−フローリー(Schulze−Flory)またはポイズン(Poisson)生成物の分布によって種々のα−オレフィンを生成することになるため、所望の生成物の収率が制限される。
【0004】
近年、エチレンを遷移金属触媒の作用によって選択的に三量体化して1−ヘキセンを生産したり、または選択的に四量体化して1−オクテンを生産したりすることに関する研究が行われているが、公知の殆どの遷移金属触媒はクロム系触媒である。
【0005】
国際特許公開第WO02/04119号には、エチレンの三量体化触媒として、一般式(R)(R)X−Y−X(R)(R)の配位子(ligand)を用いたクロム系触媒が開示されており、ここで、Xは、リン、ヒ素、またはアンチモンであり、Yは、−N(R)−などのような連結グループであり、R、R、R、およびRの少なくとも1つが、極性または電子授与置換体を有する。
【0006】
また、他の公知文献には、触媒条件下で、1−ヘキセンに対して触媒活性を示さない配位子として、R、R、R、およびRの少なくとも1つに極性置換体を有しない化合物である(o−エチルフェニル)PN(Me)P(o−エチルフェニル)の用途が開示されている(Antea Carter et al.,Chem.Commun.,2002,p.858−859)。
【0007】
また、韓国特許公開第2006−0002741号には、(o−エチルフェニル)PN(Me)P(o−エチルフェニル)のように、リンに付着されたフェニル環のオルト位上に非極性置換体を含有するPNP配位子を用いて、優秀なエチレンの三量体化活性および選択性が実際に可能であるということが公知されている。
【0008】
一方、国際特許公開第WO04/056479号には、リンに付着されたフェニル環に置換体が省略されたPNP配位子を含有するクロム系触媒によりエチレンを四量体化することで、1−オクテンを生成するにおける選択度を向上させるということが公知されており、これらのエチレンの四量体化のための四量体化触媒に用いられるヘテロ原子配位子の例として、(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)などが開示されている。
【0009】
上記の先行技術には、窒素およびリンをヘテロ原子として有するヘテロ原子配位子を含有するクロム系触媒が、リン原子に結合されたヒドロカルビルまたはヘテロヒドロカルビルグループに対する極性置換体がなくてもエチレンを四量体化し、70質量%を超える選択性で1−オクテンを生産可能であることが開示されている。
【0010】
しかし、従来の先行技術らは、ヘテロ原子を含む配位子の構造に係わり、具体的にどのような形態が、エチレンを高選択的に四量体化して1−オクテンを生成するかや、エチレンを三量体化して1−ヘキセンを生成するかに関する明確な例は提示しておらず、70質量%程度の1−オクテン選択性を有する配位子として、(R)(R)P−(R)N−P(R)(R)のようなPNP型骨格の構造しか提示していない。また、ヘテロ原子配位子の中で、置換可能な置換体の形態も制限的に開示しているだけである。
【0011】
また、従来の先行技術であるヘテロ原子を含むPNP型骨格の配位子は、1−オクテンまたは1−ヘキセンの製造反応において、反応時間の経過に従ってその反応活性が一貫して維持されず、反応速度が著しく減少するという問題があった。その原因は、骨格構造に含まれた窒素原子は、非共有電子対が存在し、これによって遷移金属と配位しやすいため、配位子として適すると言えるが、これは、相対的に配位力の弱いリン原子が遷移金属から容易に解離するように誘導し得るためである。公知の文献には、PNP骨格の配位子は、溶媒と置換体の極性などの合成環境によって、P−N−P構造がN=P−P構造に転換されやすいことが開示されている(Dalton Trans.,2003,2772)。
【0012】
一方、さらに他の公知文献には、ヘテロ原子を含むPNP型骨格の配位子は、クロム前駆体と予め触媒錯体を合成してエチレンのオリゴマー化反応を行った結果、配位子とクロム前駆体を別々に注入した結果と比較して、活性および選択度において大きい変化がないことが公知されている(J.Am.Chem.Soc.,2004,126,14712)。
【0013】
一方、クロム錯体化合物を触媒として用いるエチレンのオリゴマー化反応で、脂肪族炭化水素化合物を溶媒として使用した時に活性が増加するため、芳香族化合物を重合溶媒として使用した時に比べて活性が良く、触媒の使用を著しく減少させることができるという利点がある。それにもかかわらず、従来の先行文献の殆どでは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族化合物を重合溶媒として用いてエチレンを三量体化または四量体化させて1−ヘキセンまたは1−オクテンを製造している。これは、脂肪族炭化水素化合物溶媒においてクロム錯体化合物の溶解度が良くないため、連続的に触媒溶液を投入する時に触媒量の調節が容易ではないという問題が存在するためである。
【0014】
したがって、エチレンのオリゴマー化活性を増加させる脂肪族炭化水素化合物に対して高い溶解度を有し、触媒量の調節が容易であるとともに、高活性および高選択的にエチレンをオリゴマー化して1−ヘキセンや1−オクテンを生成することができる構造のオリゴマー化触媒の開発が急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、エチレンの三量体化や四量体化のようなオリゴマー化反応に用いるための脂肪族炭化水素化合物に対して高い溶解度を有する高活性および高選択的なオリゴマー化触媒、およびそれを用いたエチレンオリゴマーを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、遷移金属または遷移金属前駆体、ハロゲン置換された有機配位子、およびヘテロ原子配位子を含むオリゴマー化触媒を提供する。
【0017】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記ハロゲン置換された有機配位子は、1価のアニオン性二座(bidentate)有機配位子であって、炭素原子、または窒素、酸素、および硫黄から選択されるヘテロ原子の非共有電子対を介して遷移金属に配位結合する配位子であってもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記ハロゲン置換された有機配位子は下記構造で例示されることができるが、これに限定されるものではない。
【0019】
【化1】
(前記RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり、前記RとRまたはRとRは、ヒドロカルビレン、置換されたヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレンで連結されて環を形成してもよく、但し、R〜Rの少なくとも1つは、ハロゲン置換されたヒドロカルビルまたはハロゲン置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり、但し、RおよびRの少なくとも1つは、ハロゲン置換されたヒドロカルビルまたはハロゲン置換されたヘテロヒドロカルビルである。)
【0020】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記ハロゲン置換された有機配位子はβ−ケトエノレート形態の配位子であって、より好ましくは、下記化学式1で表されるエノレート系配位子であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0021】
【化2】
(前記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
前記RとRまたはRとRは、ヒドロカルビレン、置換されたヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R〜Rの少なくとも1つは、ハロゲン置換されたヒドロカルビルまたはハロゲン置換されたヘテロヒドロカルビルである。)
【0022】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記化学式1中、前記R〜Rの少なくとも1つは、フッ素置換されたヒドロカルビルまたはフッ素置換されたヘテロヒドロカルビルであってもよい。
【0023】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記ヘテロ原子配位子は、一般式(R)A−B−C(R)で表されてもよく、ここで、AおよびCは、独立して、リン、ヒ素、アンチモン、酸素、ビスマス、硫黄、セレン、および窒素からなるグループから選択され、Bは、AとCとの間の連結グループであり、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および置換されたヘテロヒドロカルビルからなるグループから選択され、nおよびmは、それぞれAまたはCの各原子価および酸化状態で決定される。
【0024】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記Bは、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、および置換されたヘテロヒドロカルビルを含む有機連結グループ;単一の原子リンクを含む無機連結グループ;イオンリンク;およびメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、1,2−フェニレン、1,2−プロピレン、1,2−カテコール、2,3−ブチレン、1,2−ジメチルヒドラジン、−B(R´)−、−Si(R´)−、−P(R´)−、および−N(R´)−を含むグループから選択されてもよく、前記R´は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換されたヘテロヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子、またはハロゲンであってもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記ヘテロ原子配位子は、具体的に、下記化学式2で表されるP−C−C−P骨格構造の配位子、化学式3で表されるP−N−P骨格構造の配位子、または化学式4で表されるP−C=C−P骨格構造の配位子であってもよい。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
(前記化学式2〜4中、
11〜R14は、それぞれ独立して、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換されたヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロ原子であってもよく、前記R15とR16は、互いにヒドロカルビレン、置換されたヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレンで結合されて環を形成してもよい。)
【0029】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記オリゴマー化触媒は、単核または二核性であってもよい。
【0030】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記遷移金属または遷移金属前駆体は、特に制限されないが、4族、5族、または6族の遷移金属またはこれらの前駆体であってもよい。
【0031】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記遷移金属または遷移金属前駆体は、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、タンタル、バナジウム、ジルコニウム、またはこれらの前駆体であってもよい。
【0032】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記遷移金属または遷移金属前駆体は、クロムまたはクロム前駆体であってもよい。
【0033】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記遷移金属前駆体は、クロム(III)アセチルアセトネート、三塩化クロムトリステトラヒドロフラン、およびクロム(III)2−エチルヘキサノエートからなる群から選択されてもよい。
【0034】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記オリゴマー化触媒は、クロムまたはクロム前駆体と、下記化学式1で表されるエノレート系の配位子、および下記化学式2で表されるP−C−C−P骨格構造の配位子、化学式3で表されるP−N−P骨格構造の配位子、または化学式4で表されるP−C=C−P骨格構造の配位子が配位結合された錯体であってもよい。
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
(前記化学式中、
およびRは、それぞれ独立して、フッ素置換された(C1−C10)アルキルまたはフッ素置換された(C6−C20)アリールであって、前記RおよびRのフッ素置換されたアルキルおよびフッ素置換されたアリールは、フッ素以外に、クロロ、ブロモ、ヨード、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上の置換体でさらに置換されてもよく;
は、水素、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、または(C6−C20)アリールであり、前記Rのアルキルおよびアリールは、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上でさらに置換されてもよく;
前記RとRまたはRとRは、(C3−C10)アルキレン、(C3−C10)アルケニレン、(C6−C20)アリーレン、(C3−C10)ヘテロアルキレン、(C3−C10)ヘテロアルケニレン、または(C6−C20)ヘテロアリーレンで連結されて環を形成してもよく;
11〜R14は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、チオ(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルシリル、(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、または−NR2122であり、R21およびR22は、それぞれ独立して、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、またはジ(C1−C10)アルキルアミノであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C3−C7)シクロアルキル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、モノまたはジ(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルシリル、または(C6−C20)アリールシリルであってもよく、前記R15とR16は、(C3−C10)アルキレン、(C3−C10)アルケニレン、(C6−C20)アリーレン、(C3−C10)ヘテロアルキレン、(C3−C10)ヘテロアルケニレン、または(C6−C20)ヘテロアリーレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R11〜R14のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、およびR15〜R18のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、モノまたはジアルキルアミノ、アルキルシリル、またはアリールシリルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシシリル、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。)
【0039】
また、本発明は、前記オリゴマー化触媒および助触媒を含むオリゴマー化触媒組成物を用いたエチレンオリゴマーの製造方法を提供する。
【0040】
本発明の一実施形態によるエチレンオリゴマーの製造方法において、前記助触媒は、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機塩、またはこれらの混合物であってもよいが、これに限定されない。
【0041】
本発明の一実施形態によるエチレンオリゴマーの製造方法において、有機アルミニウム化合物は、アルミノキサン系化合物、AlR(ここで、Rは、それぞれ独立して、(C1−C12)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C12)アルコキシ、またはハロゲンである。)の化合物、またはLiAlHなどを含んでもよく、前記助触媒は、具体的に、メチルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアルミノキサン(MMAO)、エチルアルミノキサン(EAO)、テトライソブチルアルミノキサン(TIBAO)、イソブチルアルミノキサン(IBAO)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリ−n−オクチルアルミニウム、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、アルミニウムイソプロポキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド、またはメチルアルミニウムセスキクロリドであってもよいが、これに限定されない。
【0042】
本発明の一実施形態による前記エチレンオリゴマーの製造方法において、脂肪族炭化水素を反応溶媒として用いてもよい。
【0043】
本発明の一実施形態による前記エチレンオリゴマーの製造方法において、前記脂肪族炭化水素は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノネン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、および1,2,4−トリメチルシクロヘキサンから選択される1種以上であってもよいが、これに限定されない。
【0044】
本発明の一実施形態による前記エチレンオリゴマーの製造方法において、前記エチレンオリゴマーは、30重量%以上の1−オクテンを含んでもよい。
【0045】
本発明の一実施形態による前記エチレンオリゴマーの製造方法において、前記エチレンオリゴマーは、50重量%以上の1−オクテンを含んでもよい。
【発明の効果】
【0046】
本発明によるオリゴマー化触媒は、ヘテロ原子配位子の他に、ハロゲン置換された有機配位子をさらに含んでいるため、脂肪族炭化水素化合物を重合溶媒として用いてオリゴマー化する場合に、従来に用いられていた芳香族炭化水素化合物に比べて触媒の溶解度が高くなり、これによってオリゴマー化反応の活性および選択度が著しく向上する。特に、エチレンのオリゴマー化の活性を増加させる脂肪族炭化水素化合物に対する触媒の高い溶解度により、触媒の使用量を低減することができ、オリゴマー化反応に触媒溶液を連続的に投入する時に触媒量を容易に調節することができる。
【0047】
また、本発明は、オリゴマー化触媒を用いるとともに、従来に用いられていた芳香族炭化水素化合物に代えて脂肪族炭化水素化合物を重合溶媒として用いてオリゴマーを製造することにより、従来のような、オリゴマーの製造時における作業安定性と環境汚染の問題はいうまでもなく、製品に残留する微量の残留溶媒による人体毒性の問題などを著しく改善し、重合後に溶媒を容易に回収できるため、より経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】実施例1および比較例1で製造された触媒の構造を示す。
図2】メチルシクロヘキサン中における実施例1および比較例1で製造された触媒のUV−Visスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明は、遷移金属または遷移金属前駆体、ハロゲン置換された有機配位子、およびヘテロ原子配位子を含むオリゴマー化触媒を提供する。
【0050】
本発明のオリゴマー化触媒は、従来の先行文献らとは異なり、触媒中にハロゲン置換された有機配位子が導入された構造を有し、追加導入されたハロゲン置換された有機配位子により、芳香族炭化水素化合物ではなく脂肪族炭化水素化合物に対する高い溶解度を有するため、エチレンのオリゴマー化反応において触媒量の調節が容易である利点がある。また、ハロゲン置換された有機配位子を含むオリゴマー化触媒は、重合溶媒として、芳香族炭化水素化合物ではなく脂肪族炭化水素化合物を用いる場合に、活性が高くなるため、触媒の使用を著しく低減することができるという利点がある。
【0051】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記ハロゲン置換された有機配位子は、フッ素置換された有機配位子であってもよい。
【0052】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、前記ハロゲン置換された有機配位子は、1価のアニオン性二座(bidentate)有機配位子であって、炭素原子、または窒素、酸素、および硫黄から選択されるヘテロ原子の非共有電子対を介して遷移金属に配位結合する配位子であってもよい。
【0053】
好ましくは、前記ハロゲン置換された有機配位子は下記構造から選択される。
【0054】
【化10】
(前記RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであって、前記RとRまたはRとRは、ヒドロカルビレン、置換されたヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレンで連結されて環を形成してもよく、但し、R〜Rの少なくとも1つは、ハロゲン置換されたヒドロカルビルまたはハロゲン置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり、但し、RおよびRの少なくとも1つは、ハロゲン置換されたヒドロカルビルまたはハロゲン置換されたヘテロヒドロカルビルである。)
【0055】
本発明に記載の「ヒドロカルビル」または「ヘテロヒドロカルビル」は、ヒドロカーボンまたはヘテロヒドロカーボンから誘導される1つの結合位置を有するラジカルを意味し、「ヒドロカルビレン」は、ヒドロカーボンから誘導される2つの結合位置を有するラジカルを意味し、ヘテロは、炭素がO、S、Se、Si、As、P、B、およびN原子から選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されたものを意味する。
【0056】
本発明に記載の「ハロゲン置換された」とは、1つ以上のハロゲンが置換されることを意味する。
【0057】
本発明に記載の「置換された」とは、基または部分の構造的骨格に付着された1つ以上の置換基を有する基または部位を指し、「置換されたヒドロカルビル、置換されたヘテロヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレン」という記載は、前記ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ヒドロカルビレン、またはヘテロヒドロカルビレンが、それぞれ独立して、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アリールオキシ、ハロ(C1−C10)アルキル、ハロ(C6−C20)アリール、(C1−C10)アルコキシシリル、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、ジ(C6−C20)アリールアミノ、およびハロゲンからなる群から選択される1つ以上でさらに置換されることを意味する。
【0058】
本発明の用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。
【0059】
本発明の用語「アリール」は、1つの水素除去によって芳香族炭化水素から誘導された芳香族環1価の有機ラジカルであって、各環に、適切には4〜7個、好ましくは5または6個の環原子を含む単一または融合環系を含み、多数個のアリールが単一結合により連結されている形態も含む。具体的な例として、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル(indenyl)、フルオレニルなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0060】
本発明の用語「アルキル」は、炭素および水素原子のみで構成された1価の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素ラジカルを意味し、このようなアルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニルなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0061】
本発明の用語「アルケニル」は、2個以上の炭素原子の間に1つ以上の二重結合を含む直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素1価ラジカルであって、具体的に、エテニル、プロペニル、プロプ−1−エン−2イル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0062】
本発明の用語「アルキニル」は、2個以上の炭素原子の間に1つ以上の三重結合を含む直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素1価ラジカルであって、具体的に、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニルなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0063】
本発明の用語「アルコキシ」は、−O−アルキルラジカルを意味し、ここで、「アルキル」は上記定義のとおりである。このようなアルコキシラジカルの例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0064】
本発明の用語「アリールオキシ」は、−O−アリールラジカルを意味し、ここで、「アリール」は上記定義のとおりである。このようなアリールオキシラジカルの例としては、フェノキシ、ナフトキシなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0065】
本発明の用語「アルコキシカルボニル」は、−C(=O)アルコキシラジカルを意味し、ここで、「アルコキシ」は上記定義のとおりである。このようなアルコキシカルボニルラジカルの例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0066】
本発明の用語「アルキルカルボニルオキシ」は、−OC(=O)アルキルラジカルを意味し、ここで、「アルキル」は上記定義のとおりである。このようなアルキルカルボニルオキシラジカルの例としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0067】
本発明の用語「アルケニルカルボニルオキシ」は、−OC(=O)アルケニルラジカルを意味し、ここで、「アルケニル」は上記定義のとおりである。このようなアルケニルカルボニルオキシラジカルの例としては、エテニルカルボニルオキシ、ブテニルカルボニルオキシなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0068】
本発明の用語「アルキニルカルボニルオキシ」は、−OC(=O)アルキニルラジカルを意味し、ここで、「アルキニル」は上記定義のとおりである。このようなアルキニルカルボニルオキシラジカルの例としては、エチニルカルボニルオキシ、ブチニルカルボニルオキシなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0069】
本発明の用語「シクロアルキル」は、1つ以上の環で構成された1価の飽和炭素環(carbocyclic)ラジカルを意味する。シクロアルキルラジカルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0070】
本発明の用語「ヘテロアリール」は、芳香族環骨格原子としてN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、残りの芳香族環骨格原子として炭素を含むアリールグループであるヘテロ芳香族環1価のラジカルを意味し、5〜6員の単環ヘテロアリール、および1つ以上のベンゼン環と縮合された多環ヘテロアリールであって、部分的に飽和されてもよい。また、本発明におけるヘテロアリールは、1つ以上のヘテロアリールが単一結合により連結された形態も含む。前記ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、ピラゾリル、キノリル、イソキノリル、ピリジル、ピリミジニル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、フリル、ベンゾフリルなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0071】
本発明の用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5員〜7員の非芳香族ヘテロ環の1価ラジカルであって、前記非芳香族ヘテロ環は、飽和または不飽和された単一環の形態で含み、ヘテロ原子または炭素原子を介して結合されてもよい。このようなヘテロシクロアルキルラジカルの例としては、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどの非芳香族ヘテロ環の1価ラジカルが挙げられる。
【0072】
また、本発明に記載のアルキル、アルコキシ、アルケニル、またはアルキニルラジカルは、炭素数1〜10個に、または炭素数1〜7個に制限され得る。アリールラジカルは、炭素数6〜20個に、または炭素数6〜12個に制限され得る。ヘテロアリールラジカルは、炭素数3〜20個、炭素数4〜12個に制限され得る。
【0073】
前記ハロゲン置換された有機配位子は、より好ましくは、β−ケトエノレート形態の配位子であって、下記化学式1で表されるエノレート系配位子がより好ましい。
【0074】
【化11】
(前記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
前記RとRまたはRとRは、ヒドロカルビレン、置換されたヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R〜Rの少なくとも1つは、ハロゲン置換されたヒドロカルビルまたはハロゲン置換されたヘテロヒドロカルビルである。)
【0075】
本発明の一実施形態によるオリゴマー化触媒において、好ましくは、前記化学式1中、前記R〜Rの少なくとも1つは、フッ素置換されたヒドロカルビルまたはフッ素置換されたヘテロヒドロカルビルであってもよい。
【0076】
前記化学式1中、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、(C6−C20)アリール、ハロゲン置換された(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、ハロゲン置換された(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシカルボニル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルコキシカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、ハロゲン置換された(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C10)アルキルシリル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルシリル、(C2−C10)アルケニルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルシリル、(C2−C10)アルキニルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルシリル、(C6−C20)アリールシリル、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、ハロゲン置換された(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、またはハロゲン置換された5員〜7員のヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、ハロゲン、(C6−C20)アリール、ハロゲン置換された(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、ハロゲン置換された(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシカルボニル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルコキシカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、ハロゲン置換された(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C10)アルキルシリル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルシリル、(C2−C10)アルケニルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルシリル、(C2−C10)アルキニルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルシリル、(C6−C20)アリールシリル、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、ハロゲン置換された(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、またはハロゲン置換された5員〜7員のヘテロシクロアルキルであり;前記R、RおよびRのアリール、アラルキル、アルキル、アラルケニル、アルケニル、アラルキニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アリールオキシ、ハロ(C1−C10)アルキル、ハロ(C6−C20)アリール、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよく;
前記RとRまたはRとRは、(C3−C10)アルキレン、(C3−C10)アルケニレン、(C6−C20)アリーレン、(C3−C10)ヘテロアルキレン、(C3−C10)ヘテロアルケニレン、または(C6−C20)ヘテロアリーレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R〜Rの少なくとも1つは、ハロゲン置換された(C6−C20)アリール、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルコキシ、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールオキシ、ハロゲン置換された(C1−C10)アルコキシカルボニル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C3−C7)シクロアルキル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルシリル、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールシリル、ハロゲン置換された(C3−C20)ヘテロアリール、またはハロゲン置換された5員〜7員のヘテロシクロアルキルである。
【0077】
好ましくは、前記化学式1中、RおよびRはそれぞれ、ハロゲン、(C6−C20)アリール、ハロゲン置換された(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、ハロゲン置換された(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、ハロゲン置換された(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C10)アルキルシリル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルシリル、(C2−C10)アルケニルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルシリル、(C2−C10)アルキニルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルシリル、(C6−C20)アリールシリル、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、ハロゲン置換された(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、またはハロゲン置換された5員〜7員のヘテロシクロアルキルであり、前記RおよびRの少なくとも1つは、ハロゲン置換された(C6−C20)アリール、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニル、ハロゲン置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルコキシ、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールオキシ、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、ハロゲン置換された(C3−C7)シクロアルキル、ハロゲン置換された(C1−C10)アルキルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルケニルシリル、ハロゲン置換された(C2−C10)アルキニルシリル、ハロゲン置換された(C6−C20)アリールシリル、ハロゲン置換された(C3−C20)ヘテロアリール、またはハロゲン置換された5員〜7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、水素、ハロゲン、(C6−C20)アリール、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C10)アルキルシリル、(C6−C20)アリールシリル、(C2−C10)アルケニルシリル、(C2−C10)アルキニルシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、または5員〜7員のヘテロシクロアルキルであり;
前記RとRまたはRとRは、(C3−C10)アルキレン、(C3−C10)アルケニレン、(C6−C20)アリーレン、(C3−C10)ヘテロアルキレン、(C3−C10)ヘテロアルケニレン、または(C6−C20)ヘテロアリーレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R、RおよびRのアリール、アラルキル、アルキル、アラルケニル、アルケニル、アラルキニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アリールオキシ、ハロ(C1−C10)アルキル、ハロ(C6−C20)アリール、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。
【0078】
より好ましくは、前記化学式1のRおよびRは、それぞれ独立して、フッ素置換された(C6−C20)アリール、フッ素置換された(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、フッ素置換された(C1−C10)アルキル、フッ素置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、フッ素置換された(C2−C10)アルケニル、フッ素置換された(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、フッ素置換された(C2−C10)アルキニル、フッ素置換された(C1−C10)アルコキシ、フッ素置換された(C6−C20)アリールオキシ、フッ素置換された(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、フッ素置換された(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、フッ素置換された(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、フッ素置換された(C3−C7)シクロアルキル、フッ素置換された(C1−C10)アルキルシリル、フッ素置換された(C2−C10)アルケニルシリル、フッ素置換された(C2−C10)アルキニルシリル、フッ素置換された(C6−C20)アリールシリル、フッ素置換された(C3−C20)ヘテロアリール、またはフッ素置換された5員〜7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、水素、ハロゲン、(C6−C20)アリール、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C10)アルキルシリル、(C2−C10)アルケニルシリル、(C2−C10)アルキニルシリル、(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、または5員〜7員のヘテロシクロアルキルであり;
前記RとRまたはRとRは、(C3−C10)アルキレン、(C3−C10)アルケニレン、(C6−C20)アリーレン、(C3−C10)ヘテロアルキレン、(C3−C10)ヘテロアルケニレン、または(C6−C20)ヘテロアリーレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R、RおよびRのアリール、アラルキル、アルキル、アラルケニル、アルケニル、アラルキニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アリールオキシ、ハロ(C1−C10)アルキル、ハロ(C6−C20)アリール、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。
【0079】
さらに好ましくは、前記化学式1のRおよびRは、それぞれ独立して、フッ素置換された(C1−C10)アルキルまたはフッ素置換された(C6−C20)アリールであって、前記RおよびRのフッ素置換されたアルキルおよびフッ素置換されたアリールは、フッ素以外に、クロロ、ブロモ、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上の置換体でさらに置換されてもよく;Rは、水素、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、または(C6−C20)アリールであり、前記Rのアルキルおよびアリールは、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。
【0080】
前記化学式1のエノレート系配位子は下記構造で例示されることができるが、これに限定されるものではない。
【0081】
【化12】
【0082】
前記Rは、(C1−C10)アルキルまたは(C6−C20)アリールであり、前記Rのアルキルおよびアリールは、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上でさらに置換されてもよく;RおよびRは、それぞれ独立して、クロロ、ブロモ、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールであり;fは0〜9の整数であり;gは1〜9の整数であり;sおよびuは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり;tおよびwは、それぞれ独立して、0〜4の整数であって、但し、sとtの和およびuとwの和は5である。
【0083】
さらに好ましくは、前記化学式1のRおよびRは、それぞれ独立して、フッ素置換された(C1−C10)アルキルであり;Rは、水素、フルオロ、または(C1−C10)アルキルである。
【0084】
前記ヘテロ原子配位子は、一般式(R)A−B−C(R)で表されることができる。ここで、AおよびCは、独立して、リン、ヒ素、アンチモン、酸素、ビスマス、硫黄、セレン、および窒素からなるグループから選択され、BはAとCとの間の連結グループであり、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および置換されたヘテロヒドロカルビルからなるグループから選択され、nおよびmは、それぞれAまたはCの各原子価および酸化状態で決定される。
【0085】
前記一般式(R)A−B−C(R)のヘテロ原子配位子において、Bは、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、および置換されたヘテロヒドロカルビルを含む有機連結グループ;単一の原子リンクを含む無機連結グループ;イオンリンク;およびメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、1,2−フェニレン、1,2−プロピレン、1,2−カテコール、2,3−ブチレン、1,2−ジメチルヒドラジン、−B(R´)−、−Si(R´)−、−P(R´)−、および−N(R´)−を含むグループから選択されてもよく、前記R´は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換されたヘテロヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子、またはハロゲンであってもよい。
【0086】
前記ヘテロ原子配位子は、下記化学式2で表されるP−C−C−P骨格構造の配位子、化学式3で表されるP−N−P骨格構造の配位子、または化学式4で表されるP−C=C−P骨格構造の配位子であってもよい。
【0087】
【化13】
【0088】
【化14】
【0089】
【化15】
(前記化学式2〜4中、
11〜R14は、それぞれ独立して、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロヒドロカルビルであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換されたヘテロヒドロカルビル、または置換されたヘテロ原子であるか、前記R15とR16は、ヒドロカルビレン、置換されたヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、または置換されたヘテロヒドロカルビレンで互いに結合されて環を形成してもよい。)
【0090】
前記化学式2〜4のR11〜R14は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルアミノ、(C2−C10)アルケニルカルボニルアミノ、(C2−C10)アルキニルカルボニルアミノ、(C3−C7)シクロアルキル、チオ(C1−C10)アルキル、チオ(C2−C10)アルケニル、チオ(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルキルシリル、(C2−C10)アルケニルシリル、(C2−C10)アルキニルシリル、(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、または−NR2122であり、R21およびR22は、それぞれ独立して、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C6−C20)アリール、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、またはジ(C2−C10)アルキニルアミノであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルケニル、(C6−C20)アル(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C3−C7)シクロアルキル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルケニルカルボニルオキシ、(C2−C10)アルキニルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、(C1−C10)アルキルカルボニルアミノ、(C2−C10)アルケニルカルボニルアミノ、(C2−C10)アルキニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、(C1−C10)アルキルシリル、(C2−C10)アルケニルシリル、(C2−C10)アルキニルシリル、または(C6−C20)アリールシリルであるか、前記R15とR16は、(C3−C10)アルキレンまたは(C3−C10)アルケニレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R11〜R14のアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、およびR15〜R18のアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルケニルカルボニルアミノ、アルキニルカルボニルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアルケニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルキルシリル、アルケニルシリル、アルキニルシリル、またはアリールシリルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシシリル、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。
【0091】
より好ましくは、前記化学式2〜4中、R11〜R14は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、チオ(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルシリル、(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、または−NR2122であり、R21およびR22は、それぞれ独立して、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、またはジ(C1−C10)アルキルアミノであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C3−C7)シクロアルキル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、モノまたはジ(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルシリル、または(C6−C20)アリールシリルであるか、前記R15とR16は、(C3−C10)アルキレンまたは(C3−C10)アルケニレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R11〜R14のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、およびR15〜R18のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、モノまたはジアルキルアミノ、アルキルシリル、またはアリールシリルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシシリル、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。
【0092】
より好ましくは、前記化学式2〜4中、R11〜R14はそれぞれ、フェニル、ベンジル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、メシチル、キシリル、メチル、エチル、エテニル、エチニル、n−プロピル、i−プロピル、プロペニル、プロピニル、n−ブチル、t−ブチル、ブテニル、ブチニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、イソプロピルフェニル、イソプロポキシフェニル、t−ブチルフェニル、クミル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、トリルオキシ、ジメチルアミノフェニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、イソプロピルシクロヘキシル、ジメチルアミノ、チオメチル、トリメチルシリル、またはジメチルヒドラジルであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、メチル、エチル、エテニル、エチニル、n−プロピル、i−プロピル、プロペニル、プロピニル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ブテニル、ブチニル、フェニル、ベンジル、トリル、キシリル、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、ブチルフェニル、メトキシフェニル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、トリメトキシシリルプロピル、N−モルホリンプロピル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、またはトリメチルシリルであるか、前記R15とR16は、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、またはブテニレンで連結されて5〜7員の環を形成してもよい。
【0093】
さらに好ましくは、前記化学式2〜4中、R11〜R14はそれぞれ、フェニル、ベンジル、ビフェニル、ナフチル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、イソプロピルフェニル、イソプロポキシフェニル、t−ブチルフェニル、ジメチルアミノフェニル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、またはイソプロピルシクロヘキシルであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、メチル、エチル、エテニル、エチニル、n−プロピル、i−プロピル、プロペニル、プロピニル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ブテニル、ブチニル、フェニル、ベンジル、トリル、キシリル、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、ブチルフェニル、メトキシフェニル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、トリメトキシシリルプロピル、N−モルホリンプロピル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、またはトリメチルシリルであるか、前記R15とR16は、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、またはブテニレンで連結されて5〜7員の環を形成してもよい。
【0094】
前記化学式2のP−C−C−P骨格構造の配位子は、(フェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(フェニル)、(4−メトキシフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(4−メトキシフェニル)、(4−メチルフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(4−メチルフェニル)、(4−エチルフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(フェニル)、(2−エチルフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(2−エチルフェニル)、(2−イソプロピルフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)P−(2−イソプロピルフェニル)、(2−メチルフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)P−(2−メチルフェニル)、(2−エチルフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(フェニル)、(3−メトキシフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(3−メトキシフェニル)、(4−エトキシフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(2−エトキシフェニル)、(4−ジメチルアミノフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(4−ジメチルアミノフェニル)、(4−エチルシクロヘキシル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(4−エチルシクロヘキシル)、(2−メトキシフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(2−メトキシフェニル)、(2−エトキシフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(2−エトキシフェニル)、(2−ジメチルアミノフェニル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(2−ジメチルアミノフェニル)、(2−エチルシクロヘキシル)P−CH(メチル)CH(メチル)−P(2−エチルシクロヘキシル)、(4−エチルフェニル)P−CH(エチル)CH(メチル)−P(4−エチルフェニル)、(4−メトキシフェニル)P−CH(エチル)CH(メチル)−P(フェニル)、(2−エチルフェニル)P−CH(エチル)CH(メチル)−P(2−エチルフェニル)、(4−エチルフェニル)P−CH(エチル)CH(エチル)−P(4−エチルフェニル)、(フェニル)P−CH(エチル)CH(エチル)−P(フェニル)、(2−エチルフェニル)P−CH(エチル)CH(エチル)−P(2−エチルフェニル)、(フェニル)P−CH(イソプロピル)CH(メチル)−P(フェニル)、(4−メトキシフェニル)P−CH(イソプロピル)CH(メチル)−P(4−メトキシフェニル)、(4−エチルフェニル)P−CH(イソプロピル)CH(メチル)−P(4−エチルフェニル)、(2−エチルフェニル)P−CH(イソプロピル)CH(メチル)−P(2−エチルフェニル)、(フェニル)P−CH(n−プロピル)CH(メチル)−P(フェニル)、(4−メトキシフェニル)P−CH(n−プロピル)CH(メチル)−P(4−メトキシフェニル)、(4−エチルフェニル)P−CH(n−プロピル)CH(メチル)−P(4−エチルフェニル)、(2−エチルフェニル)P−CH(n−プロピル)CH(メチル)−P(2−エチルフェニル)、(フェニル)P−CH(イソプロピル)CH(エチル)−P(フェニル)、(4−メトキシフェニル)P−CH(イソプロピル)CH(エチル)−P(4−メトキシフェニル)、(4−エチルフェニル)P−CH(イソプロピル)CH(エチル)−P(4−エチルフェニル)、(2−エチルフェニル)P−CH(イソプロピル)CH(エチル)−P(2−エチルフェニル)、1,2−ジ−(P(フェニル))シクロヘキサン、1,2−ジ−(P(4−メトキシフェニル))シクロヘキサン、1,2−ジ−(P(4−エチルフェニル))シクロヘキサン、1,2−ジ−(P(2−エチルフェニル))シクロヘキサン、1,2−ジ−(P(フェニル))シクロペンタン、1,2−ジ−(P(4−メトキシフェニル))シクロペンタン、1,2−ジ−(P(4−エチルフェニル))シクロペンタン、1,2−ジ−(P(2−エチルフェニル))シクロペンタン、(4−エチルフェニル)P−CH(ジメチルアミノ)CH(ジメチルアミノ)−P(4−エチルフェニル)、および(2−エチルフェニル)P−CH(ジメチルアミノ)CH(ジメチルアミノ)−P(2−エチルフェニル)から選択されてもよいが、これに限定されない。
【0095】
前記化学式3のP−N−P骨格構造の配位子は、(フェニル)PN(CHCHOCH)P(フェニル)、(フェニル)PN(CHCHCHOCH)P(フェニル)、(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)、(フェニル)PN(メチル)P(フェニル)、(フェニル)PN(ペンチル)P(フェニル)、(フェニル)PN(ベンジル)P(フェニル)、(フェニル)PN(フェニル)P(フェニル)、(フェニル)PN(p−メトキシフェニル)P(フェニル)、(フェニル)PN(p−t−ブチルフェニル)P(フェニル)、(フェニル)PN(アリル)P(フェニル)、(フェニル)PN[(CHSi(OMe)]P(フェニル)、(フェニル)PN[(CH−N−モルホリン]P(フェニル)、(フェニル)PN(i−プロピル)P(フェニル)、(2−ナフチル)PN(メチル)P(2−ナフチル)、(p−ビフェニル)PN(メチル)P(p−ビフェニル)、(m−メチルフェニル)PN(メチル)P(m−メチルフェニル)、(p−メチルフェニル)PN(メチル)P(p−メチルフェニル)、(o−エチルフェニル)(Ph)PN(i−プロピル)PPh、(フェニル)PN(SiMe)P(フェニル)、および(o−メチルフェニル)PN(i−プロピル)P(o−メチルフェニル)(フェニル)から選択されてもよいが、これに限定されない。
【0096】
前記化学式4のP−C=C−P骨格構造の配位子は、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1−メチル−2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(4−メチルフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1−(ビス(4−エチルフェニル)ホスフィノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(2−エチルフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(2−イソプロピルフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(2−メチルフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1−(ビス(2−エチルフェニル)ホスフィノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(2−エチルフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(3−メトキシフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1−(ビス(3−エトキシフェニル)ホスフィノ)−2−(ビス(4−エトキシフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(4−エチルシクロヘキシル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(2−メトキシフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(2−エトキシフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ビス(2−ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、および1,2−ビス(ビス(2−エチルシクロヘキシル)ホスフィノ)ベンゼンから選択されてもよいが、これに限定されない。
【0097】
触媒の活性を安定して維持させることで、反応時間の経過に従った反応速度の減少を防止するという点から、前記ヘテロ原子配位子として、前記化学式2のP−C−C−P骨格構造の配位子または化学式4のP−C=C−P骨格構造の配位子を用いることが好ましく、化学式2のP−C−C−P骨格構造の配位子を用いることがより好ましい。
【0098】
特に、前記化学式2のP−C−C−P骨格構造の配位子または化学式4のP−C=C−P骨格構造の配位子は、配位子の骨格構造中のヘテロ原子がリン(P)原子のみで、2つのリン原子の間に窒素原子がなく、2個の炭素−炭素骨格構造からなるものであって、炭素の周辺の置換体で空間構造を適当に調節することで、優れた触媒活性を示すだけでなく、1−ヘキセンや1−オクテンの高い選択度を達成することができる。
【0099】
前記遷移金属または遷移金属前駆体は、特に制限されないが、4族、5族、または6族の遷移金属またはこれらの前駆体であってもよく、好ましくは、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、タンタル、バナジウム、ジルコニウム、またはこれらの前駆体から選択されてもよく、クロムまたはクロム前駆体がより好ましい。
【0100】
前記クロム前駆体は、特に制限されないが、クロム(III)アセチルアセトネート、三塩化クロムトリステトラヒドロフラン、およびクロム(III)2−エチルヘキサノエートからなる群から選択されることが好ましい。
【0101】
本発明によるオリゴマー化触媒は、遷移金属または遷移金属前駆体に、ハロゲン置換された有機配位子およびヘテロ原子配位子が配位結合された単核または二核性のオリゴマー化触媒であってもよく、具体的に、ML(L(X)またはM(L(X)で表されることができる。ここで、前記Mは遷移金属であり、Lはヘテロ原子配位子であり、Lはハロゲン置換された有機配位子であり、XおよびXは、それぞれ独立して、遷移金属前駆体に起因する官能基であって、例えばハロゲンであり、pは1以上の整数であり、qは(Mの酸化数−p)の整数であり、yは2以上の整数であり、zは(2xMの酸化数)−2−yの整数である。
【0102】
本発明によるオリゴマー化触媒は、下記化学式2で表されるP−C−C−P骨格構造のヘテロ原子配位子、化学式3で表されるP−N−P骨格構造のヘテロ原子配位子、または化学式4で表されるP−C=C−P骨格構造のヘテロ原子配位子、好ましくは、骨格構造中に窒素を含まない化学式2のP−C−C−P骨格構造のヘテロ原子配位子または化学式4のP−C=C−P骨格構造のヘテロ原子配位子、より好ましくは、骨格構造中に窒素を含まない化学式2のP−C−C−P骨格構造のヘテロ原子配位子および前記化学式1のエノレート系配位子を、クロムまたはクロム前駆体に配位結合させることで、脂肪族炭化水素溶媒に対する溶解度を向上させるだけでなく、オリゴマー化反応活性を安定して維持し、且つ高活性、高選択的に1−ヘキセンおよび1−オクテンを製造可能とする。
【0103】
【化16】
【0104】
【化17】
【0105】
【化18】
【0106】
【化19】
(前記化学式中、
およびRは、それぞれ独立して、フッ素置換された(C1−C10)アルキルまたはフッ素置換された(C6−C20)アリールであって、前記RおよびRのフッ素置換されたアルキルおよびフッ素置換されたアリールは、フッ素以外に、クロロ、ブロモ、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上の置換体でさらに置換されてもよく;
は、水素、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、または(C6−C20)アリールであり、前記Rのアルキルおよびアリールは、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上でさらに置換されてもよく;
前記RとRまたはRとRは、(C3−C10)アルキレン、(C3−C10)アルケニレン、(C6−C20)アリーレン、(C3−C10)ヘテロアルキレン、(C3−C10)ヘテロアルケニレン、または(C6−C20)ヘテロアリーレンで連結されて環を形成してもよく;
11〜R14は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、チオ(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルシリル、(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、または−NR2122であり、R21およびR22は、それぞれ独立して、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、またはジ(C1−C10)アルキルアミノであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C3−C7)シクロアルキル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、モノまたはジ(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルシリル、または(C6−C20)アリールシリルであるか、前記R15とR16は、(C3−C10)アルキレンまたは(C3−C10)アルケニレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R11〜R14のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、およびR15〜R18のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、モノまたはジアルキルアミノ、アルキルシリル、またはアリールシリルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシシリル、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよい。)
【0107】
さらに好ましくは、本発明によるオリゴマー化触媒は、骨格構造中に窒素を含まない化学式2のP−C−C−P骨格構造のヘテロ原子配位子と前記化学式1のエノレート系配位子が、クロムまたはクロム前駆体に配位結合された錯体構造であってもよい。
【0108】
具体的には、本発明によるオリゴマー化触媒は下記構造で例示されることができるが、これに限定されない。
【0109】
【化20】
【化21】
(前記構造中、RおよびRは、それぞれ独立して、フッ素置換された(C1−C10)アルキルまたはフッ素置換された(C6−C20)アリールであって、前記RおよびRのフッ素置換されたアルキルおよびフッ素置換されたアリールは、フッ素以外に、クロロ、ブロモ、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上の置換体でさらに置換されてもよく;
は、水素、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、または(C6−C20)アリールであり、前記Rのアルキルおよびアリールは、ハロゲン、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、ハロ(C1−C10)アルキル、およびハロ(C6−C20)アリールから選択される1つ以上でさらに置換されてもよく;
前記RとRまたはRとRは、(C3−C10)アルキレン、(C3−C10)アルケニレン、(C6−C20)アリーレン、(C3−C10)ヘテロアルキレン、(C3−C10)ヘテロアルケニレン、または(C6−C20)ヘテロアリーレンで連結されて環を形成してもよく;
11〜R14は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C3−C7)シクロアルキル、チオ(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキルシリル、(C6−C20)アリールシリル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、または−NR2122であり、R21およびR22は、それぞれ独立して、(C1−C10)アルキル、(C6−C20)アリール、またはジ(C1−C10)アルキルアミノであり;
15〜R18は、それぞれ独立して、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C3−C7)シクロアルキル、(C3−C20)ヘテロアリール、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、モノまたはジ(C1−C10)アルキルアミノ、(C1−C10)アルキルシリル、または(C6−C20)アリールシリルであるか、前記R15とR16は、(C3−C10)アルキレンまたは(C3−C10)アルケニレンで連結されて環を形成してもよく;
前記R11〜R14のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、およびR15〜R18のアリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、モノまたはジアルキルアミノ、アルキルシリル、またはアリールシリルは、(C1−C10)アルキル、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C10)アルコキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C1−C10)アルコキシシリル、5員〜7員のヘテロシクロアルキル、ジ(C1−C10)アルキルアミノ、ジ(C2−C10)アルケニルアミノ、ジ(C2−C10)アルキニルアミノ、およびハロゲンから選択される1つ以上でさらに置換されてもよく;
Xはハロゲンであり;および
aは1〜3の整数であり、bおよびcは、それぞれ独立して、1または2の整数である。)
【0110】
より好ましくは、前記構造中、RおよびRは、それぞれ独立して、フッ素置換された(C1−C10)アルキルであり;Rは、水素、フルオロ、または(C1−C10)アルキルであり、R11〜R14はそれぞれ、フェニル、ベンジル、ビフェニル、ナフチル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、イソプロピルフェニル、イソプロポキシフェニル、t−ブチルフェニル、ジメチルアミノフェニル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、またはイソプロピルシクロヘキシルであり;R15〜R18は、それぞれ独立して、メチル、エチル、エテニル、エチニル、n−プロピル、i−プロピル、プロペニル、プロピニル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ブテニル、ブチニル、フェニル、ベンジル、トリル、キシリル、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、ブチルフェニル、メトキシフェニル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、トリメトキシシリルプロピル、N−モルホリンプロピル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、またはトリメチルシリルであるか、前記R15とR16は、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、またはブテニレンで連結されて5〜7員の環を形成してもよい。
【0111】
本発明によるオリゴマー化触媒を構成するハロゲン置換された有機配位子およびヘテロ原子配位子は、当業者に公知の種々の方法により製造されることができる。
【0112】
また、本発明は、より効果的な活性および高選択度のために、本発明によるオリゴマー化触媒および助触媒を含むオリゴマー化触媒組成物を提供する。
【0113】
本発明によるオリゴマー化触媒組成物において、オリゴマー化触媒組成物は、遷移金属または遷移金属前駆体、ハロゲン置換された有機配位子、ヘテロ原子配位子、および助触媒を含むオリゴマー化触媒系であってもよい。
【0114】
本発明によるオリゴマー化触媒組成物に採用される助触媒は、原則的に、ハロゲン置換された有機配位子およびヘテロ原子配位子が配位された遷移金属錯体を活性化する任意の化合物であってもよい。また、助触媒はまた、混合物として用いられてもよい。助触媒として好適な化合物には、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機塩などが含まれる。
【0115】
本発明によるオリゴマー化触媒組成物において活性剤として好適に用いられう有機アルミニウム化合物としては、AlR(ここで、Rは、それぞれ独立して、(C1−C12)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C10)アルケニル、(C2−C10)アルキニル、(C1−C12)アルコキシ、またはハロゲンである。)の化合物、アルミノキサン系化合物、またはLiAlHなどが挙げられる。
【0116】
本発明によるオリゴマー化触媒組成物において、助触媒としては、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリ−n−オクチルアルミニウム、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、アルミニウムイソプロポキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、およびアルミノキサンから選択される1つまたは2つ以上の混合物が挙げられる。
【0117】
前記アルミノキサンは、当業界で、典型的に水とアルキルアルミニウム化合物、例えば、トリメチルアルミニウムに水を調節添加して製造され得るオリゴマー化合物として広く知られている。生成されたアルミノキサンオリゴマー化合物は、線状、環状、かご状(cage)、またはこれらの混合物であってもよい。
【0118】
好適な有機ホウ素化合物は、ボロキシン、NaBH、トリエチルボラン、トリフェニルボラン、トリフェニルボランアンモニア錯化合物、トリブチルボレート、トリイソプロピルボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリチル(テトラペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルフェニルアンモニウム(テトラペンタフルオロフェニル)ボレート、ジエチルフェニルアンモニウム(テトラペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジフェニルアンモニウム(テトラペンタフルオロフェニル)ボレート、またはエチルジフェニルアンモニウム(テトラペンタフルオロフェニル)ボレートである。これらの有機ホウ素化合物は、上記の有機アルミニウム化合物との混合物として用いてもよい。
【0119】
また、特に、助触媒のうちアルミノキサンは、アルキルアルミノキサン、例えば、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン(EAO)、テトライソブチルアルミノキサン(TIBAO)、およびイソブチルアルミノキサン(IBAO)だけでなく、変性アルキルアルミノキサン、例えば、変性メチルアルミノキサン(MMAO)から選択されてもよい。変性メチルアルミノキサン(Akzo Nobel製)は、メチルグループ以外に、イソブチルまたはn−オクチルグループのような混成アルキルグループを含有する。
【0120】
前記助触媒は、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン(EAO)、テトライソブチルアルミノキサン(TIBAO)、またはイソブチルアルミノキサン(IBAO)であることが好ましい。
【0121】
本発明によるオリゴマー化触媒組成物において、オリゴマー化触媒とアルミノキサンの割合は、アルミニウム:遷移金属のモル比を基準として1:1〜10,000:1であり、より好ましくは1:1〜1,000:1である。
【0122】
また、本発明は、前記オリゴマー化触媒またはオリゴマー化触媒組成物を用いて、エチレンから高活性および高選択的に1−ヘキセンまたは1−オクテンを製造する方法を提供する。
【0123】
本発明のオリゴマー化触媒組成物の個別成分であるオリゴマー化触媒と助触媒は、溶媒の存在下で、同時にまたは任意の順に順次配合されることで、活性触媒を提供することができる。各触媒成分の混合は、−20〜250℃の温度で行われることができ、触媒成分が混合される間に、オレフィンの存在は一般に保護効果を示して、向上した触媒性能を提供することができる。より好ましい温度の範囲は20〜100℃である。
【0124】
本発明に開示の反応生成物、換言すれば、エチレンオリゴマー、特に1−ヘキセンまたは1−オクテンは、本発明によるオリゴマー化触媒またはオリゴマー化触媒組成物と通常の装置および接触技術を用いて、不活性溶媒の存在下での均質液相反応または2相の液体/液体反応、または生成物のオレフィンが主媒質として作用するバルク相反応または気相反応により製造されてもよいが、不活性溶媒の存在下での均質液相反応が好ましい。
【0125】
本発明による選択的なオリゴマーの製造方法は、不活性溶媒中で行われてもよい。すなわち、本発明のオリゴマー化触媒および助触媒と反応しない任意の不活性溶媒が使用可能であり、触媒活性を向上させるという点から、前記不活性溶媒として脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。本発明によるオリゴマー化触媒系は、ハロゲン、特に、フッ素置換された有機配位子を含んでいて、脂肪族炭化水素溶媒に対して非常に高い溶解度を有するため、触媒溶液の連続的な投入時に触媒量の調節が容易であるだけでなく、優れた触媒活性を示す。
【0126】
好ましくは、前記脂肪族炭化水素は飽和脂肪族炭化水素であって、C2n+2(この際、nは1〜15の整数)で表される線状の飽和脂肪族炭化水素、C2m(この際、mは3〜8の整数)で表される脂環族飽和脂肪族炭化水素、および炭素原子数1〜3の低級アルキル基が1つまたは2つ以上置換された線状または環状の飽和脂肪族炭化水素を含む。これらを具体的に挙げると、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノネン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、および1,2,4−トリメチルシクロヘキサンから選択される1種以上であるが、これに限定されるものではない。前記飽和脂肪族炭化水素として、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、またはヘプタンを用いることがより好ましい。
【0127】
本発明によるオリゴマー化反応は、−20〜250℃の温度、好ましくは15〜130℃の温度、より好ましくは30〜70℃の温度で行われてもよく、反応圧力は、大気圧〜500barの圧力、好ましくは10〜70barの圧力、より好ましくは30〜50barの圧力で行われてもよい。
【0128】
本発明の製造方法によるオリゴマー化反応により、エチレンから1−オクテンが30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上で得される。この際、収率は、形成された1−ヘキセンと1−オクテンの全重量に対する、形成された1−オクテンの重量%を意味する。
【0129】
また、本発明による方法は、オリゴマー化触媒および反応条件に応じて、1−ヘキセンまたは1−オクテンの他に、異なる量の1−ブテン、1−ヘキセン、メチルシクロペンタン、メチレンシクロペンタン、プロピルシクロペンタン、および多数の高級オリゴマー、およびポリエチレンを提供することができる。
【0130】
本発明による方法は、任意類型の反応器を含むプラントで行われてもよい。このような反応器の例としては、バッチ式反応器、セミバッチ式反応器、および連続式反応器が挙げられるが、これらにのみ限定されない。プラントは、反応器、該反応器内にオレフィン反応器およびオリゴマー化触媒組成物の注入口、この反応器からオリゴマー化反応生成物を流出するためのライン、およびオリゴマー化反応生成物を分離するための少なくとも1つの分離器を組み合わせて含むことができ、この際、触媒組成物は、本願に開示のオリゴマー化触媒および助触媒を含むことができる。
【0131】
本発明によるオリゴマー化触媒またはオリゴマー化触媒組成物を用いてエチレンをオリゴマー化することで、1−ヘキセンまたは1−オクテンを高活性、高選択的に生産することができる。
【0132】
下記実施例により、本発明の効果を具体的に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0133】
触媒の製造
[実施例1]オリゴマー化触媒Iの製造
三塩化クロムトリステトラヒドロフラン(CrCl(THF))2.1mg(5.3umol)を二塩化メタン1mLに溶かした後、(S,S)−(フェニル)PCH(メチル)CH(メチル)P(フェニル)配位子化合物2.4mg(5.6umol)も二塩化メタン1mLに溶かして徐々に加えた。前記反応物を5分間さらに撹拌した後、ソジウムヘキサフルオロアセチルアセトネート1.3mg(5.6umol)を徐々に加えた。反応物を3時間さらに撹拌した後、0.2umのシリンジフィルター(syringe filter)を用いてろ過した。ろ過された液体に対して真空で揮発物を除去することで、乾燥された暗緑色の固体を得た。これをオリゴマー化触媒Iと命名し、図1に構造を示した。
【0134】
[実施例2]オリゴマー化触媒IIの製造
前記実施例1の(S,S)−(フェニル)PCH(メチル)CH(メチル)P(フェニル)配位子化合物2.4mg(5.6umol)の代わりに、(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)配位子化合物11.2mg(26.3umol)を使用し、三塩化クロムトリステトラヒドロフラン(CrCl(THF))を2.1mg(5.3umol)の代わりに9.8mg(25umol)使用し、ソジウムヘキサフルオロアセチルアセトネートを1.3mg(5.6umol)の代わりに6.0mg(26.3umol)使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法によりオリゴマー化触媒IIを製造した。
【0135】
[実施例3]オリゴマー化触媒IIIの製造
前記実施例1の(S,S)−(フェニル)PCH(メチル)CH(メチル)P(フェニル)配位子化合物2.4mg(5.6umol)の代わりに、フェニレン1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)配位子化合物2.5mg(5.6umol)を使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法によりオリゴマー化触媒IIIを製造した。
【0136】
[実施例4]オリゴマー化触媒IVの製造
前記実施例1の(S,S)−(フェニル)PCH(メチル)CH(メチル)P(フェニル)配位子化合物2.4mg(5.6umol)の代わりに、エチレンビス(ジフェニルホスフィン)配位子化合物2.2mg(5.6umol)を使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法によりオリゴマー化触媒IVを製造した。
【0137】
[比較例1]比較触媒Aの製造
三塩化クロムトリステトラヒドロフラン(CrCl(THF))2.1mg(5.3umol)を二塩化メタン1mLに溶かした後、(S,S)−(フェニル)PCH(メチル)CH(メチル)P(フェニル)配位子化合物2.4mg(5.6umol)も二塩化メタン1mLに溶かして徐々に加えた。前記反応物を5分間さらに撹拌した後、真空で揮発物を除去することで比較触媒Aを製造し、図1に構造を示した。
【0138】
[比較例2]比較触媒Bの製造
前記比較例1の(S,S)−(フェニル)PCH(メチル)CH(メチル)P(フェニル)配位子化合物2.4mg(5.6umol)の代わりに、(フェニル)PN(イソプロピル)P(フェニル)配位子化合物11.2mg(26.3umol)を使用し、三塩化クロムトリステトラヒドロフラン(CrCl(THF))を2.1mg(5.3umol)の代わりに9.8mg(25umol)使用したことを除き、前記比較例1と同様の方法により比較触媒Bを製造した。
【0139】
[比較例3]比較触媒Cの製造
前記比較例1の(S,S)−(フェニル)PCH(メチル)CH(メチル)P(フェニル)配位子化合物2.4mg(5.6umol)の代わりに、フェニレン1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)配位子化合物2.5mg(5.6umol)を使用したことを除き、前記比較例1と同様の方法により比較触媒Cを製造した。
【0140】
[比較例4]比較触媒Dの製造
前記比較例1の(S,S)−(フェニル)PCH(メチル)CH(メチル)P(フェニル)配位子化合物2.4mg(5.6umol)の代わりに、エチレンビス(ジフェニルホスフィン)配位子化合物2.2mg(5.6umol)を使用したことを除き、前記比較例1と同様の方法により比較触媒Dを製造した。
【0141】
オリゴマー化触媒中のフッ素置換された有機配位子による溶解度を確認するために、前記実施例1のオリゴマー化触媒I(10mg)および比較例1の比較触媒A(10mg)をそれぞれメチルシクロヘキサン(10mL)に投入して溶解または分散させた後、UV−Visスペクトルを測定した。その結果を図2に示した。その結果から、実施例1のオリゴマー化触媒Iの場合、メチルシクロヘキサンに完全に溶解されて可視光線波長帯(380〜800nm)の光を吸収することを確認した。これに対し、比較例1の比較触媒Aの場合、可視光線波長帯の光を吸収せず、触媒がメチルシクロヘキサンに溶解されずに分散されていることを確認した。
【0142】
エチレンのオリゴマー化反応
[実施例5]
2Lのステンレス鋼反応器を窒素、真空で洗浄した後、メチルシクロヘキサン1Lを加え、改質されたメチルアルミノキサン(m−MAO3A、Akzo Nobel製、18wt% in heptane)(1.57g)を助触媒として加えてから、60℃に昇温させた。グローブボックスにおける50mLのシュレンク容器で、メチルシクロヘキサン10mlに実施例1の触媒I(5.3umol−Cr)が混合されて溶解されたことを確認した後、反応器に加えた。圧力反応器にエチレンを20barで充填し、250rpmの撹拌速度で撹拌した。120分後に反応器へのエチレン供給を中断し、撹拌を止めて反応を中断させた後、反応器を10℃以下に冷却した。
【0143】
反応器内の過量のエチレンを放出した後、反応器に含有された液体に、10vol%塩酸が混合されたエタノールを注入した。液相をGC−FIDにより分析するために、内部標準物としてノナンを添加した。少量の有機層サンプルを無水硫酸マグネシウム上に通過して乾燥させた後、GC−FIDにより分析した。残りの有機層をろ過して固体ワックス/ポリマー生成物を分離した。これらの固体生成物を100の℃オーブンで一晩乾燥した後、秤量してポリエチレンを得た。GC分析により、反応混合物である1−ヘキセンと1−オクテンの割合および生成量を確認した。
【0144】
[実施例6]
触媒I(5.3umol−Cr)の代わりに触媒II(5.3umol−Cr)をメチルシクロヘキサン50mLに溶解させた触媒注入溶液を使用したことを除き、前記実施例5と同様の方法によりオリゴマー化反応を行った。
【0145】
[実施例7]
触媒I(5.3umol−Cr)の代わりに触媒III(5.3umol−Cr)を使用したことを除き、前記実施例5と同様の方法によりオリゴマー化反応を行った。
【0146】
[実施例8]
触媒I(5.3umol−Cr)の代わりに触媒IV(5.3umol−Cr)を使用したことを除き、前記実施例5と同様の方法によりオリゴマー化反応を行った。
【0147】
[比較例5]
2Lのステンレス鋼反応器を窒素、真空で洗浄した後、メチルシクロヘキサン1Lを加え、改質されたメチルアルミノキサン(m−MAO3A、Akzo Nobel製、18wt% in heptane)(1.57g)を助触媒として加えてから、60℃に昇温させた。グローブボックスにおける50mLのシュレンク容器で、メチルシクロヘキサン10mlに比較例1の触媒A(5.3umol−Cr)を混合した後、固体が沈まないように速くかき混ぜて反応器に加えた。圧力反応器にエチレンを20barで充填し、250rpmの撹拌速度で撹拌した。120分後に反応器へのエチレン供給を中断し、撹拌を止めて反応を中断してから、反応器を10℃以下に冷却した。
【0148】
反応器内の過量のエチレンを放出した後、反応器に含有された液体に、10vol%の塩酸が混合されたエタノールを注入した。液相をGC−FIDにより分析するために、内部標準物としてノナンを添加した。少量の有機層サンプルを無水硫酸マグネシウム上に通過して乾燥させた後、GC−FIDにより分析した。残りの有機層をろ過して固体ワックス/ポリマー生成物を分離した。これらの固体生成物を100℃のオーブンで一晩乾燥した後、秤量してポリエチレンを得た。GC分析により、反応混合物である1−ヘキセンと1−オクテンの割合および生成量を確認した。
【0149】
[比較例6]
触媒A(5.3umol−Cr)の代わりに触媒B(5.3umol−Cr)をメチルシクロヘキサン50mLに溶解させた触媒注入溶液を使用したことを除き、前記比較例5と同様の方法によりオリゴマー化反応を行った。
【0150】
[比較例7]
触媒A(5.3umol−Cr)の代わりに触媒C(5.3umol−Cr)を使用したことを除き、前記比較例5と同様の方法によりオリゴマー化反応を行った。
【0151】
[比較例8]
触媒A(5.3umol−Cr)の代わりに触媒D(5.3umol−Cr)を使用したことを除き、前記比較例5と同様の方法によりオリゴマー化反応を行った。
【0152】
[比較例9]
メチルシクロヘキサン10mLの代わりにトルエン10mLを触媒注入溶媒として使用したことを除き、前記比較例5と同様の方法によりオリゴマー化反応を行った。
【0153】
下記表1に、オリゴマー化反応条件および結果をまとめた。
【0154】
【表1】
【0155】
前記表1の結果から、エチレンのオリゴマー化反応において、本発明の触媒I〜IVを使用した実施例5〜8が、触媒A〜Dを使用した比較例5〜9に比べて優れた触媒活性を示した。これは、本発明の触媒I〜IVが、触媒A〜Dとは異なって、ヘテロ原子配位子以外に、フッ素置換された有機配位子をさらに含んでいるためであることが分かった。
【0156】
また、本発明の触媒I〜IVは、ヘテロ原子配位子以外に、フッ素置換された有機配位子をさらに含んでいるため、触媒A〜Dとは異なって、メチルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素化合物溶媒に対する溶解度に優れていた。
【0157】
また、実施例5、比較例5、および比較例9の触媒活性を比較した結果、ヘテロ原子配位子以外に、フッ素置換された有機配位子をさらに含んでいる触媒Iを使用した実施例5が最も優れた触媒活性を示した。
【0158】
実施例5および比較例9で、それぞれの触媒をメチルシクロヘキサンおよびトルエンにそれぞれ溶解させた触媒注入溶液を使用し、同一の方法によりオリゴマー化を行った。その結果、それぞれの触媒が完全に溶解された触媒注入溶液を使用したとしても、本発明の触媒Iを用いた実施例5の触媒活性が、比較例9に比べて約1.7倍以上増加されることを確認した。
【0159】
以上の結果から、ヘテロ原子配位子以外に、ハロゲン置換された有機配位子をさらに含んでいる本発明のオリゴマー化触媒を用いて、メチルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素化合物を重合溶媒として使用したエチレンのオリゴマー化反応させる場合に、本発明の触媒ではない触媒を用いた場合に比べて触媒の溶解度が高くなり、それによって触媒活性が著しく向上することが分かる。
【0160】
また、本発明のオリゴマー化触媒は、メチルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素化合物溶媒に対しても優れた溶解度を有するため、オリゴマー化反応時に連続的に触媒溶液を投入する時に触媒量を容易に調節することができる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明によるオリゴマー化触媒は、ヘテロ原子配位子以外に、ハロゲン置換された有機配位子をさらに含んでいるため、脂肪族炭化水素化合物を重合溶媒として用いてオリゴマー化する場合に、従来に用いられていた芳香族炭化水素化合物に比べて触媒の溶解度が高くなり、これによってオリゴマー化反応の活性および選択度が著しく向上する。特に、エチレンのオリゴマー化活性を増加させる脂肪族炭化水素化合物に対する触媒の高い溶解度により、触媒の使用量を低減することができ、オリゴマー化反応に連続的に触媒溶液を投入する時に触媒量を容易に調節することができる。
【0162】
また、本発明は、オリゴマー化触媒を用いるとともに、従来に用いられていた芳香族炭化水素化合物に代えて脂肪族炭化水素化合物を重合溶媒として用いてオリゴマーを製造することで、従来のオリゴマーの製造時における作業安定性と環境汚染の問題はいうまでもなく、製品に残留する微量の残留溶媒による人体毒性問題などを著しく改善し、重合後に溶媒を容易に回収できるためより経済的である。
図1
図2