特許第6906577号(P6906577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6906577通知判定装置、通知判定方法及び通知判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906577
(24)【登録日】2021年7月1日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】通知判定装置、通知判定方法及び通知判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20210708BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   H04N7/18 K
   G08B25/00 510M
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-166100(P2019-166100)
(22)【出願日】2019年9月12日
(65)【公開番号】特開2021-44726(P2021-44726A)
(43)【公開日】2021年3月18日
【審査請求日】2019年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】溝井国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 紘和
(72)【発明者】
【氏名】中尾 尭理
【審査官】 秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−100175(JP,A)
【文献】 特開2016−170516(JP,A)
【文献】 特開2017−90953(JP,A)
【文献】 特開2017−28364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する近似部と、
前記近似部によって計算された前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する判定部であって、前記平均距離が第1閾値以上であり、かつ、前記交差回数が第2閾値以上であり、かつ、前記複数の検出点を含む最小の円の半径である移動半径で前記交差回数を除した交差割合が第3閾値以上である場合に、通知すると判定する判定部
を備える通知判定装置。
【請求項2】
撮影領域を撮影装置によって撮影することにより得られた複数のフレームの撮影画像データそれぞれを対象として、対象の撮影画像データから対象者を検出する検出部と、
前記複数のフレームの撮影画像データそれぞれから前記検出部によって検出された前記対象者の位置を表す点の集合を、複数の検出点として設定する検出点設定部と、
前記検出点設定部によって設定された、基準期間に検出された対象者の位置を表す前記複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する近似部と、
前記近似部によって計算された前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する判定部とを備え
前記判定部は、前記撮影画像データの奥行方向の一方向に移動した後、前記一方向に移動した距離の半分以上の距離を前記奥行方向の逆方向に移動したことを前記移動軌跡が示す場合には、通知しないと判定する通知判定装置。
【請求項3】
基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する近似部と、
前記近似部によって計算された前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する判定部であって、前記移動軌跡が前記近似直線と交差した第1交差の後、前記移動軌跡が前記近似直線と次に交差する第2交差までの間の検出点の数が検出点数に関する基準数より少ない場合には、前記第2交差を前記交差回数としてカウントしない判定部
を備える通知判定装置。
【請求項4】
前記検出点設定部は、前記対象者の位置を表す点の集合から、前記時系列における直前の点との間の距離が制限距離以上離れている点を除外して得られる複数の点を、前記複数の検出点として設定する
請求項に記載の通知判定装置。
【請求項5】
前記検出点設定部は、前記複数のフレームの撮影画像データそれぞれを対象として、対象の撮影画像データについて、前記撮影装置のレンズ歪みを補正するとともに、俯瞰変換して俯瞰画像データを生成し、前記俯瞰画像データにおいて前記対象者の位置を表す点の集合を、前記複数の検出点として設定する
請求項に記載の通知判定装置。
【請求項6】
近似部が、基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算し、
判定部が、前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定し、前記平均距離が第1閾値以上であり、かつ、前記交差回数が第2閾値以上であり、かつ、前記複数の検出点を含む最小の円の半径である移動半径で前記交差回数を除した交差割合が第3閾値以上である場合に、通知すると判定する通知判定方法。
【請求項7】
検出部が、撮影領域を撮影装置によって撮影することにより得られた複数のフレームの撮影画像データそれぞれを対象として、対象の撮影画像データから対象者を検出し、
検出点設定部が、前記複数のフレームの撮影画像データそれぞれから前記対象者の位置を表す点の集合を、複数の検出点として設定し、
近似部が、基準期間に検出された対象者の位置を表す前記複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算し、
判定部が、前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定し、
前記判定部が、前記撮影画像データの奥行方向の一方向に移動した後、前記一方向に移動した距離の半分以上の距離を前記奥行方向の逆方向に移動したことを前記移動軌跡が示す場合には、通知しないと判定する通知判定方法。
【請求項8】
近似部が、基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算し、
判定部が、前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定し、前記移動軌跡が前記近似直線と交差した第1交差の後、前記移動軌跡が前記近似直線と次に交差する第2交差までの間の検出点の数が検出点数に関する基準数より少ない場合には、前記第2交差を前記交差回数としてカウントしない通知判定方法。
【請求項9】
基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する近似処理と、
前記近似処理によって計算された前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する判定処理であって、前記平均距離が第1閾値以上であり、かつ、前記交差回数が第2閾値以上であり、かつ、前記複数の検出点を含む最小の円の半径である移動半径で前記交差回数を除した交差割合が第3閾値以上である場合に、通知すると判定する判定処理
を行う通知判定装置としてコンピュータを機能させる通知判定プログラム。
【請求項10】
撮影領域を撮影装置によって撮影することにより得られた複数のフレームの撮影画像データそれぞれを対象として、対象の撮影画像データから対象者を検出する検出処理と、
前記複数のフレームの撮影画像データそれぞれから前記検出処理によって検出された前記対象者の位置を表す点の集合を、複数の検出点として設定する検出点設定処理と、
前記検出点設定処理によって設定された、基準期間に検出された対象者の位置を表す前記複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する近似処理と、
前記近似処理によって計算された前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する判定処理
を行う通知判定装置としてコンピュータを機能させ
前記判定処理では、前記撮影画像データの奥行方向の一方向に移動した後、前記一方向に移動した距離の半分以上の距離を前記奥行方向の逆方向に移動したことを前記移動軌跡が示す場合には、通知しないと判定する通知判定プログラム。
【請求項11】
基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する近似処理と、
前記近似処理によって計算された前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する判定処理であって、前記移動軌跡が前記近似直線と交差した第1交差の後、前記移動軌跡が前記近似直線と次に交差する第2交差までの間の検出点の数が検出点数に関する基準数より少ない場合には、前記第2交差を前記交差回数としてカウントしない判定処理
を行う通知判定装置としてコンピュータを機能させる通知判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ふらつきを検出して通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影装置によって取得された撮影画像データから特定の行動をとる人を検出し、注意すべき対象として通知する技術がある。特定の行動としては、蛇行して移動することを意味するふらつきがある。
特許文献1には、移動の開始点と開始点からn個目の点とを結んだ中心線と、各点との間の距離を振れ幅とし、振れ幅が閾値よりも大きい場合にふらついていると判断することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−089105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、他の人等を避けるために円弧状の軌跡で移動した場合等、実際にはふらついていない場合であっても、ふらつきとして検出されてしまう恐れがある。
この発明は、適切にふらつく人を検出可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る通知判定装置は、
基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する近似部と、
前記近似部によって計算された前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する判定部と
を備える。
【0006】
前記判定部は、前記平均距離が第1閾値以上であり、かつ、前記交差回数が第2閾値以上である場合に、通知すると判定する。
【0007】
前記判定部は、前記平均距離が第1閾値以上であり、かつ、前記交差回数が第2閾値以上であり、かつ、前記複数の検出点を含む最小の円の半径である移動半径で前記交差回数を除した交差割合が第3閾値以上である場合に、通知すると判定する。
【0008】
前記通知判定装置は、さらに、
撮影領域を撮影装置によって撮影することにより得られた複数のフレームの撮影画像データそれぞれを対象として、対象の撮影画像データから前記対象者を検出する検出部と、
前記複数のフレームの撮影画像データそれぞれから前記検出部によって検出された前記対象者の位置を表す点の集合を、前記複数の検出点として設定する検出点設定部と
を備える。
【0009】
前記検出点設定部は、前記対象者の位置を表す点の集合から、前記時系列における直前の点との間の距離が制限距離以上離れている点を除外して得られる複数の点を、前記複数の検出点として設定する。
【0010】
前記判定部は、前記撮影画像データの奥行方向の一方向に移動した後、前記一方向に移動した距離の半分以上の距離を前記奥行方向の逆方向に移動したことを前記移動軌跡が示す場合には、通知しないと判定する。
【0011】
前記判定部は、前記移動軌跡が前記近似直線と交差した第1交差の後、前記移動軌跡が前記近似直線と次に交差する第2交差までの間の検出点の数が検出点数に関する基準数より少ない場合には、前記第2交差を前記交差回数としてカウントしない。
【0012】
前記検出点設定部は、前記複数のフレームの撮影画像データそれぞれを対象として、対象の撮影画像データについて、前記撮影装置のレンズ歪みを補正するとともに、俯瞰変換して俯瞰画像データを生成し、前記俯瞰画像データにおいて前記対象者の位置を表す点の集合を、前記複数の検出点として設定する。
【0013】
この発明に係る通知判定方法は、
近似部が、基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算し、
判定部が、前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する。
【0014】
この発明に係る通知判定プログラムは、
基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する近似部と、
前記近似部によって計算された前記近似直線と前記複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、前記近似直線と前記移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する判定部と
を行う通知判定装置としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0015】
この発明では、近似直線と複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、近似直線と移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する。これにより、適切にふらつきを検出可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1に係る通知判定装置10の構成図。
図2】実施の形態1に係る通知判定装置10の処理の流れを示すフローチャート。
図3】実施の形態1に係る検出処理の説明図。
図4】実施の形態1に係るグループ化処理の説明図。
図5】実施の形態1に係る位置記憶部31に記憶されるデータの説明図。
図6】実施の形態1に係る近似処理の説明図。
図7】実施の形態1に係る判定処理のフローチャート。
図8】実施の形態1に係る近似直線と検出点との間の距離の説明図。
図9】変形例1に係る通知判定装置10の構成図。
図10】実施の形態2に係る判定処理のフローチャート。
図11】実施の形態2に係る移動半径の説明図。
図12】実施の形態2に係る通知判定装置10の効果の説明図。
図13】実施の形態3に係る方法1の説明図。
図14】実施の形態3に係る方法2の説明図。
図15】実施の形態3に係る方法3の説明図。
図16】実施の形態4に係る通知判定装置10の処理の流れを示すフローチャート。
図17】実施の形態4に係る撮影装置41のレンズ歪みを補正する処理の説明図。
図18】実施の形態4に係る俯瞰変換の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る通知判定装置10の構成を説明する。
通知判定装置10は、コンピュータである。
通知判定装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0018】
プロセッサ11は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ11は、具体例としては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0019】
メモリ12は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12は、具体例としては、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
【0020】
ストレージ13は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13は、具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)である。また、ストレージ13は、SD(登録商標,Secure Digital)メモリカード、CF(CompactFlash,登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記録媒体であってもよい。
【0021】
通信インタフェース14は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標,High−Definition Multimedia Interface)のポートである。
【0022】
通知判定装置10は、通信インタフェース14を介して、監視カメラといった撮影装置41と接続されている。
【0023】
通知判定装置10は、機能構成要素として、画像取得部21と、検出部22と、検出点設定部23と、近似部24と、判定部25と、通知部26とを備える。通知判定装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、通知判定装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、通知判定装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
【0024】
また、ストレージ13は、位置記憶部31を実現する。
【0025】
図1では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0026】
***動作の説明***
図2から図8を参照して、実施の形態1に係る通知判定装置10の動作を説明する。
実施の形態1に係る通知判定装置10の動作手順は、実施の形態1に係る通知判定方法に相当する。また、実施の形態1に係る通知判定装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る通知判定プログラムに相当する。
【0027】
図2を参照して、実施の形態1に係る通知判定装置10の処理の流れを説明する。
(ステップS11:画像取得処理)
画像取得部21は、通信インタフェース14を介して、撮影領域を撮影装置41によって撮影することにより得られた最新のフレームの撮影画像データを取得する。画像取得部21は、撮影画像データをメモリ12に書き込む。
【0028】
(ステップS12:検出処理)
検出部22は、ステップS11で取得された撮影画像データをメモリ12から読み出す。検出部22は、対象画像データから人を検出する。
図3に示すように、検出部22は、検出された人がいる矩形領域の部分画像データを、その人についての部分画像データとして撮影画像データから切り出す。検出部22は、切り出された部分画像データの下辺の中心点の座標を、その人がいる位置として特定する。つまり、検出部22は、人の足元の座標をその人がいる位置として特定する。
【0029】
(ステップS13:グループ化処理)
検出部22は、ステップS12で検出された人と同一人物を、過去の撮影画像データから検出された人から特定する。
具体的には、図4に示すように、検出部22は、ステップS11で取得された撮影画像データから検出された人についての部分画像データを、過去の撮影画像データから検出された人についての部分画像データである過去データと比較して、基準度合以上に類似する過去データを特定する。検出部22は、基準度合以上に類似する過去データが示す人を、検出された人と同一人物であると特定する。
検出部22は、検出された人の位置を示す座標及び部分画像データに、同一人物であると特定された人と同じ識別子を付して、位置記憶部31に書き込む。基準度合以上に類似する過去データがなかった場合には、検出部22は、検出された人の位置を示す座標及び部分画像データに、新規の識別子を付して、位置記憶部31に書き込む。
図2に示す処理が繰り返し実行されることにより、図5に示すように、位置記憶部31に人物毎の位置の履歴を示すデータが識別子毎の順序とともに記憶される。なお順序がわかる項目として、部分画像データを取得した時間データとともに記憶されるように構成してもよい。
【0030】
ステップS14からステップS16の処理が、各人を対象として実行される。つまり、ステップS14からステップS16の処理が、過去基準期間内に位置記憶部31に記憶された各識別子を対象として実行される。但し、過去基準期間内に位置記憶部31に記憶されたレコードが記憶レコード数に関する基準数未満の識別子は対象外とする。記憶レコード数に関する基準数は、3以上の整数である。記憶レコード数に関する基準数は、適切にふらつきを検出するために、例えば10以上といったある程度数が多いことが望ましい。
【0031】
(ステップS14:検出点設定処理)
検出点設定部23は、位置記憶部31から対象の識別子が付された複数のレコードから座標を読み出す。検出点設定部23は、読み出された座標が示す点の集合、つまり対象者の位置を表す点の集合を、基準期間に検出された対象者の位置を表す複数の検出点として設定する。検出点設定部23は、複数の検出点をメモリ12に書き込む。
【0032】
(ステップS15:近似処理)
近似部24は、ステップS14で設定された複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算する。
具体的には、近似部24は、複数の検出点をメモリ12から読み出す。図6に示すように、近似部24は、複数の検出点の座標を入力として、最小二乗法により近似直線を計算する。なお、最小二乗法に限らず、他の方法によって複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡を近似した近似直線を計算してもよい。近似部24は、計算された近似直線をメモリ12に書き込む。
【0033】
(ステップS16:判定処理)
判定部25は、近似直線と複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、近似直線と複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡との交差回数とに基づき、通知するか否かを判定する。判定処理について、詳しくは後述する。
判定部25は、通知すると判定された場合には、対象者を通知対象としてメモリ12に書き込む。
【0034】
(ステップS17:通知処理)
通知部26は、通信インタフェース14を介して、通知対象の対象者を管理者等に通知する。
具体的には、通知部26は、通知対象の対象者をメモリ12から読み出す。通知部26は、最新の撮影画像データにおける通知対象の対象者を枠で囲う等した画像データを表示装置に送信して、表示装置に表示する。
【0035】
図7を参照して、実施の形態1に係る判定処理(図2のステップS16)を説明する。
(ステップS21:距離判定処理)
判定部25は、ステップS15で計算された近似直線と、ステップS14で設定された複数の検出点それぞれとの間の距離を計算する。図8に示すように、近似直線と検出点との間の距離は、検出点から近似直線に下した垂線の長さである。判定部25は、計算された距離の平均値である平均距離が第1閾値以上であるか否かを判定する。第1閾値は、どの程度の大きさで蛇行している場合にふらつきとするかに応じて事前に決定される。
判定部25は、平均距離が第1閾値以上である場合には、処理をステップS22に進める。一方、判定部25は、平均距離が第1閾値未満である場合には、処理をステップS24に進める。
【0036】
(ステップS22:交差回数判定処理)
判定部25は、ステップS15で計算された近似直線と、ステップS14で設定された複数の検出点を時系列に結んで得られる移動軌跡との交差回数を計算する。判定部25は、交差回数が第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は、どの程度蛇行している場合にふらつきとするかに応じて事前に決定される。
判定部25は、交差回数が第2閾値以上である場合には、処理をステップS23に進める。一方、判定部25は、交差回数が第2閾値未満である場合には、処理をステップS24に進める。
【0037】
(ステップS23:対象設定処理)
判定部25は、対象者がふらついていると判定し、対象者を通知対象としてメモリ12に書き込む。
【0038】
(ステップS24:非対象設定処理)
判定部25は、対象者がふらついていないと判定し、対象者を通知対象としない。
【0039】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る通知判定装置10は、近似直線と複数の検出点それぞれとの間の距離の平均値である平均距離と、近似直線と移動軌跡との交差回数とに基づき、対象者がふらついているか否かを判定する。
近似直線と検出点との間の距離だけでなく、近似直線と移動軌跡との交差回数も用いてふらついているか否かを判定するため、適切にふらつきを検出することが可能である。その結果、ふらついている人を適切に通知可能である。
【0040】
近似直線と検出点との間の距離だけでは、他の人等を避けて円弧状に移動した場合等に、ふらついていると誤検出されてしまう可能性がある。しかし、交差回数を用いることにより、始点から終点へ行く間に、左右に蛇行して移動しているか否かが判定される。そのため、ふらついている人を適切に通知可能である。
【0041】
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例1として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例1について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0042】
図9を参照して、変形例1に係る通知判定装置10の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、通知判定装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路15を備える。電子回路15は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0043】
電子回路15としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)が想定される。
各機能構成要素を1つの電子回路15で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路15に分散させて実現してもよい。
【0044】
<変形例2>
変形例2として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0045】
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と電子回路15とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0046】
実施の形態2.
実施の形態2では、移動距離に対する交差回数の割合である交差割合を考慮して、ふらついているか否かを判定する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
【0047】
***動作の説明***
図10及び図11を参照して、実施の形態2に係る通知判定装置10の動作を説明する。
実施の形態2に係る通知判定装置10の動作手順は、実施の形態2に係る通知判定方法に相当する。また、実施の形態2に係る通知判定装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態2に係る通知判定プログラムに相当する。
【0048】
図10を参照して、実施の形態2に係る判定処理(図2のステップS16)を説明する。
ステップS32からステップS33の処理は、図7のステップS21からステップS22の処理と同じである。ステップS35からステップS36の処理は、図7のステップS23からステップS24の処理と同じである。
【0049】
(ステップS31:移動距離判定処理)
判定部25は、図11に示すように、ステップS14で設定された複数の検出点を含む最小の円の半径である移動半径を計算する。つまり、判定部25は、ステップS14で設定された複数の検出点を全て内包する最小の円を描き、円の中心と、最も遠い検出点との間の距離を移動半径として計算する。ここでは、複数の検出点から特定される移動距離として移動半径を用いる。判定部25は、移動半径が最短距離以上であるか否かを判定する。
判定部25は、移動半径が最短距離以上である場合には、処理をステップS32に進める。一方、判定部25は、移動半径が最短距離未満である場合には、処理をステップS36に進める。
【0050】
(ステップS34:交差割合判定処理)
判定部25は、ステップS33で計算された交差回数を、ステップS31で計算された移動半径で除して交差割合を計算する。判定部25は、交差割合が第3閾値以上であるか否かを判定する。第3閾値は、単位距離当たりどの程度蛇行している場合にふらつきとするかに応じて事前に決定される。
判定部25は、交差割合が第3閾値以上である場合には、処理をステップS35に進める。一方、判定部25は、交差割合が第3閾値未満である場合には、処理をステップS36に進める。
【0051】
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る通知判定装置10は、移動距離に対する交差回数の割合である交差割合を考慮して、ふらついているか否かを判定する。具体的には、図12に示すように、短い距離を移動する間に、交差回数が第2閾値以上となった場合には、ふらつきとして検出される。これに対して、長い距離を移動する間に、交差回数が第2閾値以上となった場合には、ふらつきとして検出されない場合がある。
これにより、より適切にふらつきを検出することが可能である。例えば、走りながら数人を避けて移動したような場合には、短時間に何度か左右に移動しながら、長い距離を移動する可能性がある。このような場合に、実施の形態1に係る通知判定装置10は、ふらつきとして誤検出してしまう可能性がある。これに対して、実施の形態2に係る通知判定装置10は、ふらつきとして誤検出することを防止できる可能性がある。
【0052】
なお、この例のような動作をふらつきとして検出すべきか否かは、撮影装置41が設置された場所等によって異なる。したがって、実施の形態2で説明した機能を使用するか否かを切り替え可能にしてもよい。
【0053】
実施の形態3.
実施の形態3では、検出処理(図2のステップS12)での誤検出による影響を軽減する方法を説明する。実施の形態3では、実施の形態1,2と異なる点のみ説明し、同一の点については説明を省略する。
ここでは、実施の形態1に機能を追加した場合を説明する。しかし、実施の形態2に機能を追加することも可能である。
【0054】
***動作の説明***
図13から図15を参照して、実施の形態3に係る通知判定装置10の動作を説明する。
実施の形態3に係る通知判定装置10の動作手順は、実施の形態3に係る通知判定方法に相当する。また、実施の形態3に係る通知判定装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態3に係る通知判定プログラムに相当する。
【0055】
実施の形態3では、誤検出による影響を軽減する方法として方法1から方法3の3つを説明する。
【0056】
**方法1**
検出点設定処理(図2のステップS14)で、検出点設定部23は、対象者の位置を表す点の集合から、時系列における直前の点との間の距離が制限距離以上離れている点を除外して得られる複数の点を、複数の検出点として設定する。
つまり、図13に示すように、点1、点2、...、点6の順に対象者の座標を示す点が検出されたとする。このとき、点4は、直前の点3との間の距離が遠く、制限距離以上離れている。このような点は、検出処理で誤検出された点である可能性が高い。そのため、このような点を含めてふらつきの検出を行うと、ふらつきを誤検出してしまう可能性がある。そこで、このような点については、対象者の位置を表す点の集合から除外した上で、複数の検出点を設定する。したがって、図13に示す例の場合には、点1と点2と点3と点5と点6とが複数の検出点になる。この場合、点3の次に点5に移動したとして処理が行われる。
【0057】
**方法2**
判定処理(図2のステップS16)で、判定部25は、撮影画像データの奥行方向の一方向に移動した後、一方向に移動した距離の半分以上の距離を奥行方向の逆方向に移動したことを移動軌跡が示す場合には、通知しないと判定する。
つまり、図14に示すように、複数の検出点を時系列に結ぶと、Y軸方向(奥行方向)に移動した後、元の位置に戻ってくるような移動軌跡となる場合がある。これは、奥行方向の一方に移動する人と、奥行方向の他方に移動する人との2人がすれ違った場合に、2人が同一人物と判定された結果である場合がある。したがって、このような移動軌跡の場合には、判定部25は、ふらつきでないと判定し、通知しないと判定する。
【0058】
**方法3**
交差回数判定処理(図7のステップS22)で、判定部は、移動軌跡が近似直線と交差した第1交差の後、移動軌跡が近似直線と次に交差する第2交差までの間の検出点の数が検出点数に関する基準数より少ない場合には、第2交差を交差回数としてカウントしない。
つまり、図15に示すように、複数の検出点を結んだ移動軌跡がなっているとする。このとき、検出点1から検出点2への移動軌跡が近似直線と交差している。この後、すぐに検出点2から検出点3への移動軌跡が近似直線と交差している。その後も、すぐに検出点3から検出点4への移動軌跡が近似直線と交差している。このように、一度移動軌跡が近似直線と交差した後、間に検出点数に関する基準数よりも少ない検出点だけを挟んで、再び移動軌跡が近似直線と交差する場合には、他人を検出した点が複数の検出点に含まれている可能性がある。図15の例では、平行に移動する2人が同一人物であると判定された結果、2人の位置を示す点が交互に結ばれている可能性がある。したがって、このような移動軌跡の場合には、一旦交差した後の交差については交差回数にカウントしない。したがって、図15に示す例では、検出点1から検出点2への移動軌跡が近似直線と交差している1回だけが交差回数としてカウントされる。
【0059】
***実施の形態3の効果***
以上のように、実施の形態3に係る通知判定装置10は、検出処理での誤検出による影響を軽減する。
これにより、より適切にふらつきを検出することが可能である。
【0060】
実施の形態4.
実施の形態4は、撮影画像データにおける歪みを補正したうえで、ふらつきの検出を行う点が実施の形態1〜3と異なる。実施の形態4では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
【0061】
***動作の説明***
図16から図18を参照して、実施の形態4に係る通知判定装置10の動作を説明する。
実施の形態4に係る通知判定装置10の動作手順は、実施の形態4に係る通知判定方法に相当する。また、実施の形態4に係る通知判定装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態4に係る通知判定プログラムに相当する。
【0062】
図16を参照して、実施の形態4に係る通知判定装置10の処理の流れを説明する。
ステップS41からステップS43の処理は、図2のステップS11からステップS13の処理と同じである。ステップS45からステップS48の処理は、図2のステップS14からステップS17の処理と同じである。
【0063】
(ステップS44:補正処理)
検出点設定部23は、撮影画像データについて、撮影装置41のレンズ歪みを補正するとともに、俯瞰変換して俯瞰画像データを生成する。
具体的には、図17に示すように、撮影画像データには、撮影装置41の広角レンズの影響により、四隅に近いほど引き延ばされたような歪みがある。そこで、検出点設定部23は、この歪みを補正する。補正は、既存の技術に対して、撮影装置41に応じたパラメータを設定することにより行うことができる。
また、図18に示すように、撮影装置41は、斜めから撮影領域を撮影している場合がある。そこで、検出点設定部23は、撮影画像データを俯瞰変換して、上から見た俯瞰画像データに変換する。俯瞰変換は既存の技術により行うことができる。
【0064】
なお、ステップS45では、検出点設定部23は、ステップS44で補正された後の俯瞰画像データにおいて対象者の位置を表す点の集合を、複数の検出点として設定する。
【0065】
***実施の形態4の効果***
以上のように、実施の形態4に係る通知判定装置10は、撮影画像データの歪みを補正したうえで、ふらつきの検出を行う
これにより、複数の検出点の位置関係が正確になり、より適切にふらつきを検出することが可能である。
【0066】
以上、この発明の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、この発明は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
10 通知判定装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、15 電子回路、21 画像取得部、22 検出部、23 検出点設定部、24 近似部、25 判定部、26 通知部、31 位置記憶部、41 撮影装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18