(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記顧客の端末は、少なくとも商品スキャンモードと前記商品スキャンモードによる商品スキャン処理の後に実行される商品決済処理のための商品決済モードとを備え、前記商品スキャンモードによる前記商品スキャン処理及び前記商品決済モードによる前記商品決済処理は、それぞれ独立して前記店舗の内外で実行されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記顧客の端末は、少なくとも商品スキャンモードと前記商品スキャンモードによる商品スキャン処理の後に実行される商品決済処理のための商品決済モードとを備え、前記商品スキャンモードによる前記商品スキャン処理及び前記商品決済モードによる前記商品決済処理は、それぞれ独立して前記店舗の内外で実行されることを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1に、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおける店舗での様子を模式的に示す。本発明はこれに限定されるものではないが、店舗には店員やスタッフ等を配する必要はなく、その意味で無人店舗であるものとして説明を進める(同図中の151〜155は、後述するように顧客を表わす)。
【0017】
同図において、店舗10は、同店舗と外部との出入り口となるゲート110、120a及び120bと、同店舗内に設置された商品棚131〜135(それぞれ図示しない商品が陳列されている)と、同店舗内に設置されたカメラ141〜145とを含む構成が採用されている(その他、システム全体としては管理サーバ等が含まれるがこれらについては後述する)。
ゲート110、120a及び120bは、顧客等の店舗10の入店及び退店(入退店)を管理するための管理ゲートである。
特に、ゲート120a及び120bは、2種類の顧客がそれぞれ使用する退店ゲートであり、本発明の一実施形態において、退店ゲート120aは、商品を実際に購入した者か、あるいは、購入する予定の者が使用するゲートであり、退店ゲート120bは、商品を購入しなかった者が使用するゲートである。
【0018】
図1において、顧客151は、自身が所持する端末171をゲート110の入口にかざして店舗10内に入ることができる。この様子は、一例として店舗10内に設置されたカメラ141及び/または144によって撮影されており、適宜認識処理が行われている(例えば、どのような顧客がいつ入店したかなど。より具体的には、既存の画像認識技術によって顧客や手荷物等を個別に識別させることができる)。
【0019】
一方で、買い物を終えた顧客155aは、ゲート120aの出口に端末173aをかざして店舗10の外に出ることができる。これらの様子は、必要に応じて店舗10内に設置されたカメラ141及び/または144によって撮影して適宜認識処理を行わせることもできる。本発明の一実施形態において、決済は、店舗10内で既に済ませることもできるが、店舗10の外で端末173aを介して事後決済することもできる。一実施形態において、店舗10内で既に済ませた顧客端末に対しては、図示しない端末画面上に「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。」といったメッセージを表示させ、事後決済する予定の顧客端末に対しては、図示しない端末画面上に「あとで、ご精算をお願い致します。」といったメッセージを表示させることができる。
他方で、買い物をしなかった顧客155bは、ゲート120bの出口に端末173bをかざして店舗10の外に出ることができる。これらの様子は、必要に応じて店舗10内に設置されたカメラ141及び/または144によって撮影して適宜認識処理を行わせることもできる。一実施形態において、買い物をしなかった顧客端末に対しては、図示しない端末画面上に「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。」といったメッセージを表示させることができる。
【0020】
なお、本発明の他の実施形態では、入退店ゲート110、120a及び120bを通過するために端末をかざすことを必須とはせず、入店時に配布される買物カゴ(
図1の161〜163)を使って店内精算等させることもできる。
【0021】
[販売管理]
また、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおいては、商品等の販売管理も行わせることができる。本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムは、図示しない店舗POSレジや通信販売(電子商取引)システムとも連動させることができ、店舗における販売実績や通販による販売実績も顧客ごとに管理させることもできる。そのためのデータベースとして、一実施形態において次のようなデータベース(D1)〜(D5)を管理サーバ内に有しており、
図2を参照して後述する各種端末からの参照やアクセスが可能となっている。
【0022】
(D1)顧客管理データベース
顧客に関する項目が登録されたデータベースであり、顧客氏名、住所、電話番号等の個人情報や、保有ポイントや頻繁に利用される店舗等の付帯情報が登録されている。
【0023】
(D2)商品管理データベース
商品に関する項目が登録されたデータベースであり、商品名、JANコードに対応付けられる商品コード等が登録管理されている。
【0024】
(D3)在庫管理データベース
図示しない他の販売拠点や店舗ごとの商品在庫を管理するためのデータベースであり、適宜商品管理データベースと連携し、必要なテーブルが派生抽出される。
【0025】
(D4)倉庫管理データベース
図示しない物流センター等の倉庫に保管されている商品在庫を管理するためのデータベースである。
【0026】
(D5)販売管理データベース
販売拠点や店舗ごとに販売された商品に関する実績管理データベースである。
【0027】
本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおいて、店舗10では、次の動作や処理が行われる(システム動作、顧客及び顧客端末による動作等をまとめて列挙する)。なお、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムでは、これらの動作や処理の全てが実施される必要はない。
(1)顧客の店舗への入場管理及び店舗からの退場管理(顧客の本人確認や通過記録等を含む。本人確認を行わない場合には人数の計数)。
(2)顧客により商品棚から取り出された商品の確認及び取り出された商品の商品棚への返却の確認。
(3)顧客が携行する店舗指定の買物カゴ(
図1の161〜163など)に入っている商品の認識処理。
(4)店内外での決済手続処理及びその管理あるいはその補助処理(ポイント還元処理等を含む)。
【0028】
[カメラ141〜145の役割]
本発明はこれに限定されるものではないが、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおいては、カメラ141〜145を介して、顧客の識別をさせたり、顧客が商品棚から取り出した商品の認識をさせたりすることもできる。その場合の認識プログラム等は、一実施形態において管理サーバ(後述)に格納され、適宜読み出されて実行される。
【0029】
そして、この場合の認識処理には既存の物体認識処理技術を採用することができる。以下、
図11を参照して説明する。
【0030】
図11は、店舗10内に設置されたカメラ141〜145で撮影され管理サーバ(後述)へ送信された顧客や商品の静止画像または動画像から物体認識処理により物体(顧客や商品)を特定する場合のフローを含む、詳細な処理フロー例を示している。ここでの物体認識処理は、公知の技術を使って実現することができる。典型的な手順としては、まず、一般物体認識処理によって物体のカテゴリ(人間であるか商品であるか。人間である場合には男性か女性か。商品である場合にはどのようなカテゴリの商品か等)を特定した後に、補助データ等を使用してその物体の個別の特定(顧客であれば個人の特定、商品であれば商品名の特定等)を進めていく。
【0031】
図11において、ステップS1101で処理を開始すると、ステップS1102へ進み、まず、カテゴリ等を分類するための一般物体認識処理が行われる。一般物体認識処理には、例えば、BOF(Bag-Of-Features)の手法を採用することができる。この一般物体認識処理では、検出された物体のカテゴリ(物体の一般名称)の認識まで行われる。
【0032】
次に、ステップS1103において、個別物体画像の切り出し処理が行われる。例えば、撮影されているフレーム中に、商品棚の前に顧客が立っていてその顧客が商品棚から何らかの商品を取り出そうとしている様子が写し込まれていたとすると、一般物体認識処理の段階で、「商品棚」「顧客」「(取り出そうとされている)商品」等の物体が認識され、本ステップでフレーム中の「商品棚」や「顧客」や「商品」が切り出される(ただし、本フローで認識が必要なのは、「顧客」及び「(取り出そうとされている)商品」であるので、切り出しは「顧客」及び「(取り出そうとされている)商品」の画像だけで足りる場合がある)。そして、切り出された「顧客」及び「(取り出そうとされている)商品」等のそれぞれの個別物体画像について、特定物体認識処理が行われる(S1104)。
【0033】
ステップS1104の特定物体認識処理では、単一物体や人物の顔等の画像のほか、商品構造のCADデータ等の複数レイヤの設計データ(これらのデータは管理サーバのデータベースに格納されている)を使用することができる。そして、かかる画像や設計データから抽出された特徴点及び特徴量と、スキャン画像(静止画のみならず動画像の場合もある)より生成される特徴量データとが比較され、特定物体として認識される。ここで、特徴量データの生成方法や比較の方法には、大きくは次の2種類の手法が知られている。
【0034】
1つ目は、商品等の物体を構成する最小単位(設計データなどで表されている)ごとの3次元情報を元に、あらゆる角度から2次元平面に写像した画像を生成して、それらの写像画像から目的の物体の特定に用いる特徴量などを生成しておく手法である。ここでの特徴量の生成は、一例として、輪郭抽出法、SIFT法、SURF法などが採用される。また、比較処理においては、その特徴量を元に入力画像から特徴量を抽出して出現部位や頻度などを比較する。
【0035】
2つ目は、商品等の物体を構成する最小単位(設計データなど)の集合からなる3次元形状情報を投影角度や拡大率などを変えながら2次元平面に写像するプロセスを評価関数として、物体の特徴点および特徴量との差異を一致度として判定する手法である。
【0036】
上述した公知の手法を使用して、物体の特定ができた場合(ステップS1105において、Yes)には、ステップS1107へ進むが、できなかった場合(ステップS1105において、No)には、ステップS1106へ進み、商品であれば他のコード(商品コードなど)の読み取り等の別の手法による入力処理をさせることができる。
【0037】
そして、ステップS1107では、特定された顧客や商品に対応するパラメータ値(特定された顧客や商品を表わすデータそのもの)を管理サーバ(後述)のデータベースから読み出す。
【0038】
次に、ステップS1108へ進み、読み出されたパラメータ値を顧客や商品のステータスに紐付ける。これにより、例えば、今どの顧客がどの商品を取り出したといった管理情報としての情報登録/更新を行うことができる。そして、本フローとしては処理を終了する(ステップS1109)。
【0039】
なお、本フロー説明としてはステップS1109で終了しているが、システムが運用されている間は、もちろんこうした認識処理は継続して行われている。そして、ある顧客が別の商品を取り出してカゴに入れたとか、別の顧客の買物カゴの中には現在どんな商品が入っているか、といった店舗内の状況管理情報が逐次更新される。
【0040】
[ユーザ端末171〜173の機能]
本発明の一実施形態においては、後述するようにユーザ端末にアプリをインストールすれば、そのアプリケーションプログラムと管理サーバ等との連携動作により、顧客(ユーザ)は、当該ユーザ端末を介して店舗の内外を問わず商品の決済を行うことができる。
【0041】
図2に、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムの全体構成例を示す。
【0042】
図2に示されるように、商品購入分析支援システム20は、その一実施形態における構成として、管理サーバ21と、ユーザ(顧客)や、必要に応じて店側スタッフ、配達員等がそれぞれ使用する各種情報処理装置(図において、例示的に、携帯情報端末またはタブレット端末22、携帯電話23、PC24〜25。以下、総称して「各種端末」または単に「端末」とも言うこともある)とを有する。管理サーバ21、各種端末間は、
図2に示されるように専用回線やインターネット等の公衆回線(有線の回線として、37a〜39)で相互に通信可能に接続されている。また、回線は有線であっても無線であってもよく、無線の場合、携帯情報端末またはタブレット端末22及び携帯電話23は、無線で図示しない基地局やアクセスポイント等を介してインターネット39に乗り入れ、更に回線38を介して管理サーバ21と相互に通信可能に接続される。
【0043】
ここで、アクセスポイントとは、PCやスマートフォンなどの無線端末を相互に接続したり、他のネットワークに接続させたりするための無線機である。典型的には、OSI参照モデルにおける第1層(物理層)及び第2層(データリンク層)の通信プロトコルで作動するデバイスである。
【0044】
なお、本願の出願時点での携帯電話や携帯情報端末またはタブレットは、パーソナルコンピュータ(PC)と同等の処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型のコンピュータとも言うべきものである。
【0045】
また、本発明の実施に必要なプログラムまたはソフトウェアは、通常、PCや携帯情報端末の記憶部におけるHDD、SSD等にインストールまたは記憶され、プログラムまたはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0046】
あるいは、ブラウザベースのコンピュータまたは携帯情報端末を採用することもできる。この場合は、必要に応じて他のサーバやコンピュータから端末にプログラムが配信され、端末上のブラウザではこれを実行するという構成になる。
【0047】
また、管理サーバ21のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる(念のため、
図3を参照して後述する)。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、管理サーバ21は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPC(一例として、数十台〜数万台)を並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
【0048】
一方で、システム構成によっては、上記の情報処理端末のうちの一部(例えば、店舗側端末とした場合の端末24、25など)に管理サーバ21の一部又は全部の機能を担わせることもできる。
【0049】
さらに、商品購入分析支援システム20は、
図1を参照して説明したとおり、店舗内に設定される商品棚26と入退店管理用のゲート27と店舗内監視用のカメラ28とを備える。
図2では、一実施形態として商品棚26は回線37cを介してネットワークに接続されたネットワーク対応型商品棚を想定しているが本発明はこれに限定されるものではなく、商品棚26は必ずしもネット接続されていなくてもよい。また、商品棚26は電子制御式でなくてもよい。
さらに、商品棚26、ゲート27、及びカメラ28は、同一の店舗内にそれぞれ複数設置されても良い(
図1には、商品棚、ゲート、カメラがそれぞれ複数設置されている様子が示されている)。
【0050】
図3に、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおける管理サーバ21の機能ブロック図を示す。例示的に、管理サーバの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0051】
図3において、ハードウェアブロック全体としての管理サーバ300は、大別すると、各種比較・演算処理を行うためのCPU301と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶部302と、キーボードやポインティングデバイス等の入力部303と、ディスプレイやスピーカ等の出力部304と、各種信号制御のための制御部305と、通信(インタフェース)部306(無線、有線を問わない)と、時刻等を計時するための計時部307と、電源部308とからなる。
【0052】
これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(
図3においては、便宜上各線が適宜区分された結線399としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0053】
また、本発明の実施に必要な管理サーバ300上で実行されるプログラムまたはソフトウェアは、通常、記憶部302を構成するハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールまたは記憶され、プログラムまたはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部302内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU301において演算実行される。
【0054】
なお、演算実行は必ずしもCPU301等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0055】
図4Aに、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおける情報処理装置としてのタブレット端末22の外観構成を示す。
図4Aにおいて、情報処理装置(タブレット端末)42は、筐体部421とディスプレイ422と筐体421の下部中央部に設けられたハードウェアボタン423とからなる。ディスプレイ422は典型的には液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、文字や静止画像や動画など様々な情報を表示することができる。また、ディスプレイ422にメニューボタンやソフトウェアキーボードを表示させ、これを指またはタッチペン(不図示)等で触れることによりタブレット端末42への指示(コマンド)とすることができる。この点で上記ハードウェアボタン423は必須の構成要素ではないが、本発明の説明の便宜上、一定の機能を担うボタンとして実装されている。もちろん、これらハードウェアボタン423を、ディスプレイ422の一部に表示させたメニューボタンで代替させることも可能である。
【0056】
また、ディスプレイ422には、マルチタッチ入力パネルが含まれており、タッチ入力パネル上でのタッチ入力位置座標が入力デバイスインタフェース(不図示)を介してタブレット端末42の処理系(CPU)へ送信され処理される。そして、このマルチタッチ入力パネルは、パネルに対する複数の接触点を同時に感知することができるよう構成されている。この検出(センサ)については様々な方法で実現することができ、必ずしも接触センサに限られず、例えば、光学式のセンサを利用してパネルに対する指示点を抽出することも可能である。さらに、センサには、接触式のセンサや光学式のセンサのほか、人の肌の接触を感知する静電容量方式のセンサを用いることも可能である。
【0057】
また、
図4Aには現れていないが、タブレット端末42は、マイクやスピーカを備えることもできる。この場合にはマイクより拾ったユーザの声などを判別して入力コマンドとすることも可能である。さらに、
図4Aには現れていないが、タブレット端末42の背面等にCMOS等のカメラデバイスを実装させることもできる。
【0058】
図4Bに、本発明の一実施形態にかかるタブレット端末42を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。タブレット端末42の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0059】
図4Bにおいて、ハードウェアブロック全体としてのタブレット端末450は、大別すると、
図4Aにおけるハードウェアボタン423、ディスプレイ422に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部451と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAM及び/又はROM等で構成される記憶部452と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部453と、ディスプレイ422等で構成される表示部454と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部455と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、及び通信インタフェースから構成される通信インタフェース部456と、スピーカやバイブレーション、赤外線プロジェクター等の出力部457と、時刻等を計時するための計時部458と、CMOS等のイメージセンサや赤外線センサ、慣性センサ等からなるセンサ部459と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部460とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(
図5においては、便宜上各線が適宜区分された結線499としてひとまとめに表す)によって接続されている。
なお、センサ部459には、タブレット端末450(22)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールを含めることとしても良い。また、センサ部459を構成するCMOS等のイメージセンサや赤外線センサ等によって検知された信号は、入力部451において入力情報として処理することができる。
【0060】
また、本発明の実施に必要なタブレット端末450上で実行されるプログラムまたはソフトウェアは、通常、記憶部452を構成するハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールまたは記憶され、プログラムまたはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部452内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU453において演算実行される。
【0061】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部453で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0062】
図5(A)及び
図5(B)に、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおいて顧客が携行する物品例を例示する。
【0063】
図5(A)には、すでに説明したユーザ端末(顧客端末)52が示されている。
図5(A)における521、522、523は、421、422、423にそれぞれ対応するので詳細の説明を割愛する。
【0064】
図5(B)には、買物カゴ(161等)の外観構成例が示されている。本発明の一実施形態においては、(1)顧客は顧客端末を携行して入退店ゲート110、120a及び120bを通過する(通過時にゲートに端末をかざして認証等の処理を行う)が、(2)顧客端末とともに買物カゴを携行して店舗10内での買物を行うほか、(3)顧客端末を携行せずに買物カゴを携行して店舗10内で買物を行なっても良い。
上記(3)の場合には、顧客は図示しないICタグや2次元コードが貼付されたアクセサリのようなものを携行して入退店ゲート110、120a及び120bを通過する。必要に応じて、通過時にはゲートにICタグまたは2次元コードをかざして認証等の処理を行わせるようにしても良い。
【0065】
そして、
図5(B)に示されるように、買物カゴ53の所定の位置(あるいは、買物カゴ53内の任意の位置でも可)に、ICタグまたは2次元コード531を装着等して店舗10内で買物をする。決済時には、このICタグまたは2次元コード531の読み取りによって顧客を特定して決済処理を行うことができる。
【0066】
上記(3)の場合、本発明の一実施形態においては、買物カゴは入店ゲートを通過するとき(直前でも直後でもよい)に配布され、必要に応じてICタグまたは2次元コードを装着し、買物が終われば退店ゲートを通過するとき(直前でも直後でもよい)に返却する。
【0067】
あるいは、上記(2)の場合において、本発明の一実施形態においては、ICタグまたは2次元コードは買物カゴに貼付されたままにされ、顧客が買物カゴを手渡されたときに自身の端末によってICタグまたは2次元コードを読み取ることによって、管理サーバ21に送信し、管理サーバ21上で顧客と買物カゴとを紐付け、店舗10内で買物をする顧客の買物状況を管理または監視するようにしても良い。この場合、決済時に買物カゴ53に貼付されたICタグまたは2次元コード531を読み込ませるだけで、これから決済を行おうとする顧客を特定することができる(既に買物カゴの中身の商品を認識できていれば、即時決済も可能である。他の場合には、買物カゴの中から商品を取り出し、図示しない読み取り機に読み取らせるなどして顧客による決済が行われてもよい)。
【0068】
図6に、
図1〜
図2で例示した本発明の一実施形態に係るシステムまたは装置等における基本動作例を示す。
【0069】
図6において、「ユーザ端末」は、
図1における端末171〜173や
図2における端末22等に対応し、「情報処理サーバ」は、
図2における管理サーバ21に対応する。また、
図6中、t1〜t10は時系列の流れを示し、経時的に後述する動作や処理が行われるものである。
【0070】
なお、実施形態において例示される動作または処理時刻(t1等)は、本発明の概念の理解の容易のために例示されたものであり、本発明が実施形態において例示される個別の時系列関係に制限されることはない。
【0071】
まず、日時t1において、ユーザ(顧客)は、ユーザ端末を介して情報処理サーバから自身のユーザ端末を本発明にかかる情報処理端末として動作させるためのアプリケーションソフトウェアをダウンロードする(ステップS601)。このアプリケーションソフトウェアは、本発明にかかるプログラムの一部又は全部を処理するためのクライアントソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアである。そして、ダウンロードしたアプリケーションソフトウェアをユーザ端末にインストールする(ステップS602)。このとき、時刻t2において、ユーザ端末からは、必要に応じてユーザ登録としてユーザ自身のメールアドレスのほか、次表のようなプロフィール情報を情報処理サーバへアップロード(ステップS603)して登録管理させることもできる(ステップS604)。
【表1】
【0072】
以上のデータ項目は、ユーザデータとして情報処理サーバ上の記憶装置に保存される(ステップS605)。時刻t3以降は、ユーザ(顧客)が情報処理端末を操作することによりアプリを開始する(サーバは端末に対してサービス提供を開始する)ことができる。
【0073】
次に、ユーザ端末にアプリをダウンロード及びインストールしたユーザは、時刻t4においてアプリケーションソフトウェアを起動する(ステップS606)。時刻t4〜時刻t5まで、例示的にユーザは情報処理サーバから情報処理端末に対して提供されるサービスを受けている。
【0074】
時刻t5になると、ユーザはいったん本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを中断または終了する。このとき、必要に応じて、アプリケーションのステータス情報を情報処理サーバへ転送し(ステップS607)、サーバではこれを受信して当該ユーザのユーザ情報としてのステータス情報を更新(ステップS608)及び保存(ステップS609)する。
図6においては、これらの処理は、時刻t6までに完了している。
【0075】
なお、本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを情報処理端末にインストールした後は、端末上で少なくとも一部をクローズドに実行可能な形態とすることも可能であり、この場合は、上述のステップS604〜ステップS605、並びに、ステップS608〜ステップS609を省略することができ、必要な情報があれば端末上のメモリに保存管理される。
【0076】
次に、
図6において、時刻t7〜時刻t10では、本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアの少なくとも一部を情報処理サーバにおいて実施する場合の実施形態例を示している。この場合、ユーザ(顧客)は、ログイン動作と、コマンド送信という2つの典型的なユーザ端末操作を行い、情報処理サーバから必要なデータ送信を受け、あるいは、サービス提供を受けることとなる。
【0077】
例えば、
図6の時刻t7において、ユーザは自身の情報処理端末を介してサーバへのログイン処理を行う(ステップS610)と、情報処理サーバでは必要な認証処理が適宜行われ(ステップS611)、時刻t8において、ユーザがサービス提供を受けられるためのデータを送信する(ステップS612)。例えば、端末からのコマンドを受信可能に構成されたトップメニュー画面や、アプリケーションの起動画面等である。
時刻t9において、ユーザは情報処理端末を介して何らかのコマンドを送信する(ステップS613)。このコマンドは、メニュー画面に表示されたメニューの選択でもよく、アプリケーション起動画面であれば、アプリケーションを開始するための開始コマンドの場合もある。サーバ側では、このコマンドを受けて、サービス処理を開始する(ステップS614)。そして、時刻t10において、端末の要求に応じたサービスがサーバから端末へ提供される(ステップS615)。
【0078】
なお、
図6には図示していないが、時刻t10以降も、端末からは随時コマンドを送信することができ(例えば、メッセージ送信コマンドやメニュー選択コマンドなど)、都度、サーバでは端末からのコマンド受信を受けてサービスを提供することができる(例えば、受信したメッセージを他端末に転送したり、メッセージ解析をしてその結果を返信したりするなど)。
【0079】
図7A及び
図7Bに、本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおける動作処理フローを示す。ここでは、顧客端末(ユーザ端末)を所持する顧客(ユーザ)側の動作及び処理と、管理サーバ等の制御に基づいて顧客や商品を認識したり、決済処理を行ったり、諸々の通知等を発信したりする店舗側の処理動作とに大別して動作や処理の流れを説明している。
【0080】
ステップS701では、ユーザ(顧客、以下同じ)が自身の端末に専用アプリをダウンロードする。この形態には、
図6を参照して説明したような種々のバリエーションが存在し、必ずしも専用アプリケーションをダウンロードすることが必須条件となるものではない。
ステップS702では、店舗側の管理サーバ等からユーザ端末に対して初期設定情報等の入力や設定を促す(例えば、ユーザ端末上に案内画面等を表示させる)。ステップS703では、アプリケーション起動後の操作として、ユーザにより会員情報等が端末に入力される(具体例は、
図6を参照して説明したとおりである)。
本発明の一実施形態において、ステップS703では、会員情報入力のほか、支払い方法の入力ができる(初期設定後にも随時変更可能)。また、同ステップでは、預け入れ金の入金処理をすることができる。この預け入れ金は、本発明の一実施形態における決済処理をする際に代金の引き落とし元となる。
【0081】
(預け入れ金に関するさらなる取扱い)
なお、預け入れ金の入金処理は、初期設定時以外の任意のタイミングで実施できるが、預け入れ金がなければ店舗には入店できないように制御することもできる(この場合は、後述するゲート入口でエラー表示されるなどして入店を拒否される)。さらに、この預け入れ金は、店舗専用(系列店舗共通、特定の店舗専用のいずれの設定も可能である)の電子貨幣、あるいは、電子決済のための媒体記録情報とすることもできる。
本発明の一実施形態においては、預け入れ金の入金処理が店舗への入店の条件とすることができる。
【0082】
次に、ステップS705へ進み、ユーザは本発明の一実施形態にかかる店舗に入店するために、自身の端末を「入店モード」に切り換える。本発明はこれに限定されるものではないが、本発明の一実施形態において、ユーザ端末上のアプリケーションは大別して(1)入店モード、(2)商品スキャンモード、(3)商品決済モード、(4)退店モードに切り替えることができる。端末アプリは、それぞれのシーンでモードを切り替えて使用される。
一実施形態において、入店モードに切り替えられた端末アプリ画面上には、図示しない入店用の認証コード(ゲート入口でかざすための二次元コード等の情報コード。以下、入口認証コードともいう)が表示される。
【0083】
次に、ステップS707では、顧客がゲート110の入口にて端末上に表示させた入口認証コードをかざす。本発明の一実施形態において、このコードはゲート110にて光学的に読み取られ、管理サーバ21または図示しない店舗側の端末へ送信され顧客本人の認証処理が行われる(ステップS704)。あるいは、ステップS704では、入店に際しての必要情報の確認が行われてもよい。
次に、ステップS706へ進み、認証はOKだったか(あるいは、顧客の初期情報は既登録かどうか)が判断される。
【0084】
ここで、ステップS706でNoの場合は、ステップS702へ復帰し、この時点で初期設定情報等を登録するようユーザ端末に要求させることもできる。ステップS706でYesの場合は、ステップS708へ進み、ゲート110の入口が開放(例えば制止扉が開くなど)される。このとき、管理サーバ21において顧客の入口通過(入店)の記録がなされる。本発明の一実施形態においては、入店時の記録はカメラによる人物認証等によっても実施される。
ステップS709では、顧客はゲート110の入口を通過する。
【0085】
次に、ステップS711へ進むが、ここでは、顧客が購入したい商品があるかないかによって処理動作が異なる。ステップS711において、顧客が購入したい商品がある(Yes)場合にはステップS717へ進むが、ない(No)場合にはステップS713へ進む。ステップS713では、顧客が自身の端末を退店モードに切り替え、ゲート120bの出口にて出口認証コード(顧客が受取りエリアから退店するための退店コードの一形態である。)をかざす。本発明の一実施形態において、このコードはゲート120b(「買いませんレーン」ともいう)にて光学的に読み取られ、管理サーバ21へ送信される。出口認証コードの表示例は、
図10に示すとおりである。
図10はユーザ端末1000の画面例であり、端末1000のディスプレイ1010上には、案内メッセージ1020と出口認証コード1030とが配置される。出口認証コード1030には既知の2次元コードを採用することができる。
そして、ステップS715へ進み、ゲート120bの出口が開放(例えば制止扉が開くなど)される。このとき、顧客の出口通過の記録が管理サーバ21においてなされる。本発明の一実施形態においては、退店時の記録はカメラによる人物認証等によっても実施される。
ステップS715では、顧客はゲート120bの出口を通過する。
【0086】
なお、本発明の理解の容易のために、入口認証コード及び出口認証コードは既知の2次元コードとし、その読み取り方法については光学的な読み取りとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気的な読み取り方法や既知の近距離無線通信技術による認証方法を採用することもできる(以下、同様)。
【0087】
ステップS717では、顧客が購入したい商品(具体例として、それらは買物カゴに入れられている)を店内でスキャンするかしないかによって処理動作が異なる。ステップS717によってYesの場合はステップS719へ進むが、Noの場合にはステップS721へ進む。
なお、本発明の特徴として、店内スキャンする/しないは、後述する店内で決済する/しないと同義ではなく、それぞれ独立した処理動作となっている。
【0088】
そして、本発明の一実施形態においては、ステップS717でYesの場合(つまり、次ステップS719及びステップS710にて店内での商品スキャンが行われた場合)には、管理サーバ等での図示しないテーブルにおいて店内でスキャンしたことのフラグをオンにするなどしてこれを管理させることもできる。
【0089】
ステップS721では、顧客が自身の端末を退店モードに切り替え、ゲート120a(「買いました(買います)レーン」ともいう)の出口にて出口認証コードをかざす。このコードはゲート120aにて読み取られ、管理サーバ21へ送信される。出口認証コードの表示例は、
図10に示したとおりであるが、店外決済の場合であるため、メッセージ表示は、「あとで、ご精算をお願い致します。」といったものとなる。そして、ステップS723へ進み、ゲート120aの出口が開放(例えば制止扉が開くなど)される。このとき、顧客の出口通過の記録が管理サーバ21においてなされる。本発明の一実施形態においては、退店時の記録はカメラによる人物認証等によっても実施される。
ステップS725では、顧客が自身の端末を「商品スキャンモード」に切り換え、ステップS727へ進み、未スキャン商品をスキャンする。ここでのスキャンは、商品を特定するための商品情報の読み取りまたは認識処理であり、一実施形態において、商品タグの読み取りや商品の包装に記されている商品コードの読み取りのほか、
図11を参照して説明した物体認識によってもスキャンされることができる。
【0090】
商品タグの読み取りや商品の包装に記されている商品コードの読み取りを行う場合のユーザ端末の画面例を
図8に示す。
図8はユーザ端末800の画面例であり、端末800のディスプレイ810上には、案内メッセージ820と商品コード等画像捕捉用画面枠830とスキャン実行ボタン840とが配置される。ユーザは、端末のカメラで商品の包装等に記されている商品コードを画面枠830に収まるように撮影し、図示しない捕捉機能によって商品コードを捕捉する(このとき、一実施形態として捕捉された商品コードの縁には赤い枠を表示させることができる)と、ユーザがスキャン実行ボタン840を押下して読み取り処理を行う。
なお、
図11を参照して説明した物体認識処理を行わせる場合も、同様のインタフェースを採用して認識処理を実行できることは言うまでもない。
【0091】
上述の要領によってスキャンされた商品情報は、ステップS710において管理サーバ等で記録管理される。ステップS727を完了すると、ステップS769へ進む。
【0092】
一方で、ステップS719(ステップS717でYesの場合)では、店内でのスキャン処理が行われ、スキャンされた商品情報は、ステップS710において管理サーバ等で記録管理される。
【0093】
図7Bには、
図7Aから続く処理動作フローを示すが、後述する精算/決済処理をより分かりやすく説明するために、顧客側及び店舗側で連動する処理動作として説明する。つまり、例えばステップS751及びステップS752は顧客側端末と店舗側サーバとでそれぞれ独立して判断されるのではなく連動している(ステップS751でYesの場合はステップS752でもYes、ステップS751でNoの場合はステップS752でもNoとなる)。また、他の例として、ステップS753及びステップS754は連動しており、ステップS755及びステップS756は連動している。
【0094】
ステップS751(ステップS752)では、顧客が店内で精算を希望するか否かによって処理動作が異なる。ステップS751(ステップS752)でYesの場合は、ステップS753(ステップS754)へ進み、Noの場合はステップS755(ステップS756)で進む。
【0095】
ステップS753では、店内で決済処理が行われるためユーザ端末は商品決済モードに切り替えられる(ステップS754では、必要に応じて決済処理要求を受け付けられるように準備する)。ステップS757では、ユーザ端末から管理サーバ等へ決済処理要求が出され、ステップS758では、これに応じて管理サーバ等で決済処理が行われる。続いてステップS760にて管理サーバ等から決済完了通知が発信され、ステップS759にてユーザ端末では決済完了通知を受信し、必要に応じて端末画面上に出口認証コードが表示される。
【0096】
一方、ステップS755(ステップS751でNoの場合)においては、ユーザは自宅決済(店外決済)を行うこととしたので、一実施形態として、管理サーバ等へ店外決済通知を送信する(他の実施形態では送信させないことも可能である)。ステップS756では、管理サーバ等でこの通知を受信し、発信元ユーザが店外決済をする旨を記録する(他の実施形態では店外決済通知を受信しないように運用することも可能である)。
なお、ステップS756において店外決済通知を受信及び記録した場合には、図示しない計時手段により時間計測を開始させることもできる(ユーザが店外決済通知を発信してからの時間を計測するためである)。
この時間計測開始は、ステップS755またはステップS756に限定されるものではなく、ステップS761、ステップS763、またはステップS764にて開始されてもよい。
【0097】
ステップS761では、ユーザ端末が退店モードに切り替えられ、一例としてユーザ端末画面上には
図10を参照して例示した画面が表示される。
【0098】
ステップS763では、それぞれの精算(決済)方法を選択したユーザがゲート120aにて出口認証を受け、ゲートを通過する。対応するステップS762及びステップS764では、管理サーバ等で退店記録がなされ、ゲート120aが開錠(あるいはゲートの出口が開放)される。本発明の一実施形態においては、退店時の記録はカメラによる人物認証等によっても実施されることができる。
【0099】
ステップS765(店内決済を済ませた場合)においては、一連の買物フローは終了するが、再び本発明の一実施形態における店舗で買物をする場合には、ステップS729へ復帰する。
【0100】
ステップS769は、店外決済が行われる場合であり、ユーザは店舗から持ち出した商品の決済を自宅等の店外にて行うために自身の端末を商品決済モードに切り替える。
【0101】
次に、ステップS771へ進み、未精算分の決済が実行される。店外決済時のユーザ端末画面の表示例は、
図9に示すとおりである。
図9はユーザ端末900の画面例であり、端末900のディスプレイ910上には、「自宅決済」とのタイトル(これは、他の実施形態では「店外決済」などと表示される)と決済対象の商品表示及び選択欄920と決済実行ボタン930とが配置される。
【0102】
商品表示及び選択欄920には、選択チェックボックス921a〜928a及び対応する商品表示921b〜928bが表示されており、ユーザは、決済対象商品のうちその場で決済したい商品を選択する(同図では、例示的に921a、923a、925a及び926aが選択されている)。そして、決済実行ボタン930を押下すると、一例として図示しない決済画面へ遷移するなどして決済が実行される。
本発明の一実施形態においては、管理サーバにおいて決済処理が実行される(ステップS766)。決済処理が完了すると、管理サーバから決済完了通知が送信され(ステップS768)、ユーザ端末ではこれを受信する(ステップS773)。
ここまでで、一連の買物フローは終了するが、再び本発明の一実施形態における買物をする場合には、ステップS729へ復帰する。
【0103】
[商品スキャンの応用]
これまで説明してきた商品スキャンは、主としてユーザ端末によるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザ端末による商品スキャンに替えて、あるいはユーザ端末による商品スキャンと並行して、店舗内設置カメラ(
図1の141〜145、
図2の28)によってスキャンさせてもよい。この場合、本発明の一実施形態においては、顧客(個別に認識される)が特定の商品を手により買物カゴに入れたときに決済対象商品として管理サーバ等によって認識される。そして、顧客が心変わりし、買物カゴの中の商品を元の商品棚(あるいは、図示しない返品棚)に返却した場合には、その商品を個別に認識してその顧客の決済対象商品のリストから抹消するよう更新する。これらの処理は、実質的にリアルタイムに行われる。
【0104】
[顧客による自己申告ベースの運用]
本発明の他の実施形態において、店舗から商品を持ち出したか否かは、顧客による(事後的な店外決済のよる)自己申告によるものとすることができる。この場合であっても、店舗内には監視カメラによるモニタリングは実施し(持ち出された商品の特定までは必ずしも必要ではない。顧客の個別認識についても、カメラ映像での判別ができれば必ずしもシステムによる自動認識は必要ない)、端末アプリの入退店記録及び監視カメラ映像からあきらかに商品を持ち出しているにも関わらず申告も決済も行っていない顧客を把握することができる。
【0105】
本発明の他の実施形態においては、このように申告も決済も行っていない顧客に対しては、預け入れ金を回収(没収)するように処理することができる(一実施形態においては、預け入れ金がない顧客は入店できないように制御されるので、預け入れ金分の回収はできることとなる)。
【0106】
さらに、本発明の他の実施形態においては、申告も決済も行っていない顧客に対しては、まずは店舗側から督促(警告)を行い、 それでも支払わない顧客に対しては、預け入れ金を没収するという制御手順を踏むこともできる。
なお、申告も決済も行っていない顧客については管理サーバ上の図示しない入店拒否処分対象リストに加えることも可能である。入店拒否処分対象リストに加えられた顧客は、管理サーバによって管理され、当該顧客が店舗に入店しようとしても入店は拒否される。
【0107】
上記の「顧客による自己申告ベースの運用」を行った場合のシステム管理制御フロー例を以下に示す。
(S1)顧客による商品の店舗外への持ち出しがあったにも関わらず、当該顧客の退店後一定時間(例えば、退店後、6時間とか12時間とか24時間などの所定時間)経過後においても申告または決済がない。(→S2へ)
(S2)店舗側から当該顧客端末への1回以上の督促処理を行う。この督促処理は、顧客端末上のアプリを介した督促処理が好適であるが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、電子メールや他のチャットアプリによる督促のほか、電話等による督促を含めることができる。
(S3)上記(S2)のステップを経ても顧客からの申告または決済がない(あるいは、申告も決済もない)。(→S4へ)
(S4)当該顧客の預け入れ金を回収(没収)する。あるいは、預け入れ金口座を凍結することもできる。(→S5へ)
(S5)当該顧客を入店拒否処分対象リストに加える。さらに、当該顧客が来店した場合には入店拒否処分対象リスト情報に従い、当該顧客の入店を拒否することができる。
【0108】
図7C及び
図7Dに、本発明の他の実施形態にかかる商品購入分析支援システムにおける動作処理フローを示す。顧客端末(ユーザ端末)を所持する顧客(ユーザ)側の動作及び処理と、管理サーバ等の制御に基づいて顧客や商品を認識したり、決済処理を行ったり、諸々の通知等を発信したりする店舗側の処理動作とに大別して動作や処理の流れを説明する。
【0109】
図7A及び
図7Bを参照して説明したフローとの違いは、
図7C及び
図7Dに示したフローでは、必ずしもユーザ端末を介した決済を必要としないことであり、次の(S1)及び(S2)のような店舗内での買物及び決済を想定している。
【0110】
(S1)入退店時には、ユーザ端末による認証等を要するが、店舗内での決済時には、買物カゴ(あるいは、これに貼付されたICタグまたは2次元コード)を介して店舗内決済される。なお、この場合でも、オプションとしてのユーザ端末等による店舗内あるいは店舗外決済を排除するものではない(以下、説明の便宜上、このオプションについては説明を割愛する)。
【0111】
(S2)入退店時には、ユーザ端末ではない他の手段による認証等を要し(例えば、あらかじめ配布されたICカードまたは2次元コード情報が貼付された媒体等を介したもの)、店舗内での決済時にも、買物カゴ(あるいは、これに貼付されたICタグまたは2次元コード)を介して店舗内決済される。
【0112】
以下、上記(S1)または(S2)を想定した動作処理フローを説明するが、以下、個別具体的なフローが本発明の外延の制限となることはない。また、
図7A及び
図7Bを参照して説明した要素(例えば、店舗外決済フロー等)をここでも適宜採用できることは言うまでもない。
【0113】
ステップS7801では、ユーザ(顧客、以下同じ)が自身の端末に専用アプリをダウンロードする。この形態には、
図6を参照して説明したような種々のバリエーションが存在し、必ずしも専用アプリケーションをダウンロードすることが必須条件となるものではない。
ステップS7802では、店舗側の管理サーバ等からユーザ端末に対して初期設定情報等の入力や設定を促す(例えば、ユーザ端末上に案内画面等を表示させる)。ステップS7803では、アプリケーション起動後の操作として、ユーザにより会員情報等が端末に入力される(具体例は、
図6を参照して説明したとおりである)。
本発明の一実施形態において、ステップS7803では、会員情報入力のほか、支払い方法の入力ができる(初期設定後にも随時変更可能)。また、同ステップでは、預け入れ金の入金処理をすることができる。この預け入れ金は、本発明の一実施形態における決済処理をする際に代金の引き落とし元となる。
預け入れ金に関する取り扱いについては、
図7A及び
図7Bを参照して説明した実施例と同様の取り扱いを採用することができる。
【0114】
次に、ステップS7805へ進み、ユーザは本発明の一実施形態にかかる店舗に入店するために、自身の端末を「入店モード」に切り換える。本発明はこれに限定されるものではないが、本発明の一実施形態において、ユーザ端末上のアプリケーションは大別して(1)入店モード、(2)商品スキャンモード、(3)商品決済モード、(4)退店モードに切り替えることができる。端末アプリは、それぞれのシーンでモードを切り替えて使用される。
【0115】
一実施形態において、入店モードに切り替えられた端末アプリ画面上には、図示しない入店用の認証コード(ゲート入口でかざすための二次元コード等の情報コード。以下、入口認証コードともいう)が表示される。
また、すでに述べたとおり、一実施形態においては、上記(端末アプリ画面上に表示される)入店用の認証コードに替えて、あらかじめ顧客(ユーザ)に配布されたICタグや2次元コードを持参して入店時の認証コードに用いることもできる。この場合、ICタグや2次元コードには、顧客(ユーザ)情報が管理サーバ21上などにおいて紐付けされていることが望ましい。以下、入退店時の端末アプリ画面上のコードの提示は、上述のICタグまたは2次元コードに読み替え可能であるものとする。
【0116】
次に、ステップS7807では、顧客がゲート110の入口にて端末上に表示させた入口認証コード(あるいは、顧客が持参したICタグまたは2次元コード)をかざす。本発明の一実施形態において、このコードはゲート110にて光学的に読み取られ、管理サーバ21または図示しない店舗側の端末へ送信され顧客本人の認証処理が行われる(ステップS7804)。あるいは、ステップS7804では、入店に際しての必要情報の確認が行われてもよい。
次に、ステップS7806へ進み、認証はOKだったか(あるいは、顧客の初期情報は既登録かどうか)が判断される。
【0117】
ここで、ステップS7806でNoの場合は、ステップS7802へ復帰し、この時点で初期設定情報等を登録するようユーザ端末に要求させることもできる。ステップS7806でYesの場合は、ステップS7808へ進み、ゲート110の入口が開放(例えば制止扉が開くなど)される。このとき、管理サーバ21において顧客の入口通過(入店)の記録がなされる。本発明の一実施形態においては、入店時の記録はカメラによる人物認証等によっても実施される。
【0118】
ステップS7809では、顧客はゲート110の入口を通過する。本発明の一実施形態においては、このタイミングで顧客は買物カゴを受け取ることができ、必要に応じて顧客が持参したICタグや2次元コードを買物カゴに貼付等することができる(あるいは、あらかじめ買物カゴに貼付されたICタグや2次元コードをこのタイミングで顧客端末を介して読み込むようにしてもよい)。
【0119】
次に、ステップS7811へ進むが、ここでは、顧客が購入したい商品があるかないかによって処理動作が異なる。ステップS7811において、顧客が購入したい商品がある(Yes)場合にはステップS7819へ進むが、ない(No)場合にはステップS7813へ進む。ステップS7813では、顧客が自身の端末を退店モードに切り替え、ゲート120bの出口にて出口認証コード(顧客が受取りエリアから退店するための退店コードの一形態である。)をかざす。つまり、顧客は商品を購入せずに退店するので、ゲート120bを通過するものとする。
【0120】
本発明の一実施形態において、このコードはゲート120b(「買いませんレーン」ともいう)にて光学的に読み取られ、管理サーバ21へ送信される。出口認証コードの表示例は、
図10に示すとおりである。
図10はユーザ端末1000の画面例であり、端末1000のディスプレイ1010上には、案内メッセージ1020と出口認証コード1030とが配置される。出口認証コード1030には既知の2次元コードを採用することができる。
【0121】
そして、ステップS7815へ進み、ゲート120bの出口が開放(例えば制止扉が開くなど)される。このとき、顧客の出口通過の記録が管理サーバ21においてなされる。本発明の一実施形態においては、退店時の記録はカメラによる人物認証等によっても実施される。
ステップS7815では、顧客はゲート120bの出口(買いませんレーン)を通過する。なお、本発明の一実施形態においては、顧客が出口を通過する前後で買物カゴは返却される。
【0122】
なお、本発明の理解の容易のために、入口認証コード及び出口認証コードは既知の2次元コードとし、その読み取り方法については光学的な読み取りとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気的な読み取り方法や既知の近距離無線通信技術による認証方法を採用することもできる(以下、同様)。
【0123】
そして、本発明の一実施形態においては、ステップS7819及びステップS7810にて店内での商品スキャンが行われる場合には、管理サーバ等での図示しないテーブルにおいて店内でスキャンしたことのフラグをオンにするなどしてこれを管理させることもできる。
【0124】
ステップS7821では、例示的に、店内で決済処理が行われる(一例として、買物カゴに貼付されたICタグまたは2次元コードによって決済者を申請し、カゴの中の商品を画像認識したりスキャンしたりするなどして決済が行われる)。そして、ステップS7823へ進み、顧客が自身の端末を退店モードに切り替え、出口認証コードを表示させる。このコードはゲート120aにて読み取られ、管理サーバ21へ送信される。
【0125】
ステップS7825では、ゲート120a(「買いました(買います)レーン」ともいう)の出口にて、顧客は出口認証コードをかざす。そして、ゲート120aの出口が開放(例えば制止扉が開くなど)される。このとき、顧客の出口通過の記録が管理サーバ21においてなされる。本発明の一実施形態においては、退店時の記録はカメラによる人物認証等によっても実施される。
なお、本発明の他の実施形態においては、ステップS7821での決済が「仮決済」の場合もありうる。
【0126】
ステップS7821に戻り、より詳細に説明を続けると、店内決済の場合、ユーザ端末から管理サーバ等へ決済処理要求が出され、ステップS7822では、これに応じて管理サーバ等で決済処理が行われる(この決済処理は、仮決済処理とすることもできる)。続いて、ステップS7824にて管理サーバ等から決済完了通知が発信され、ステップS7823にてユーザ端末では決済完了通知を受信し、必要に応じて端末画面上に出口認証コードが表示されることとなる(仮決済処理の場合は、ステップS7824、S7823は省略し、図示しない本決済時に処理させることができる)。
【0127】
ステップS7825では、ユーザがゲート120aにて出口認証を受け、ゲートを通過する。本発明の一実施形態においては、顧客が出口を通過する前後で買物カゴは返却される。
ステップS7825と対応するステップS7826では、管理サーバ等で退店記録がなされ、ゲート120aが開錠(あるいはゲートの出口が開放)される。本発明の一実施形態においては、退店時の記録はカメラによる人物認証等によっても実施されることができる。
【0128】
ステップS7827においては、一連の買物フローは終了する(店内決済を済ませた場合)。
【0129】
(本発明の分析システムとしての機能)
本発明の一実施形態にかかる商品購入分析支援システムは、上述したように、画像認識技術を採用し、加えて、商品を買った場合に通過する出口レーン120a及び商品を買わなかった場合に通過する出口レーン120bを個別に設けたことによって、顧客が都合のよいタイミングで決済が行なえるなどの顧客の至便性を向上させるにとどまらず、顧客の多様な購入ニーズ等の分析を可能にする。
【0130】
以上、具体例に基づき、商品購入分析支援システム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0131】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0132】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0133】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0134】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0135】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。