【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の側面は、とりわけ、ベースとなる第1のモジュールまたはベースとなる第1のモジュール内の既存のモジュールにおいて利用不可能な処理能力をサポートすることによって、ある診断用の第1のモジュールの機能性を向上させる、システム、装置、およびプロセスにおいて具現化される。一実施形態では、本システム、装置、およびプロセスは、等温増幅処理および分析能力に加え、PCRアッセイ処理および分析能力をサポートすることによって、核酸診断用の第1のモジュールの機能性を拡張する。第2のモジュールは、ベースとなる第1のモジュールに動作可能に連結され、診断システムの全体的システム能力を拡張する。本拡張モジュールの提供は、組み込まれると、自動的に、熱循環および等温増幅アッセイの両方を行うことが可能となり、化学発光および/または蛍光標識を使用した終点およびリアルタイム形式を組み込み得る、サンプル/回答能力を単一自動器具に付与する。
【0015】
いくつかの実施形態では、診断システムは、第1の核酸増幅反応と、第1の核酸増幅反応と異なる第2の核酸増幅反応とを行うように構成されることができる。診断システムは、少なくとも、サンプル調製プロセスを行うための第1のバルク試薬を備える第1のバルク試薬容器と、第1の核酸増幅反応を行うための第2のバルク試薬を備える第2のバルク試薬容器とを貯蔵するように構成される、少なくとも1つのバルク試薬容器コンパートメントを備える。少なくとも1つのバルク試薬容器コンパートメントはさらに、第2の核酸増幅反応を行うための複数の単位用量試薬を備える少なくとも1つの単位用量試薬パックを貯蔵するように構成される、単位用量試薬コンパートメントを貯蔵するように構成される。診断システムは、第1のバルク試薬を使用して、診断システムに提供される複数のサンプルの第1のサブセットにサンプル調製プロセスを行うように構成される。診断システムはまた、第2のバルク試薬を使用して、複数のサンプルの第1のサブセットに第1の核酸増幅反応を行うように構成される。また、診断システムは、複数の単位用量試薬を使用して、複数のサンプルの第2のサブセットに第2の核酸増幅反応を行うように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数のサンプルを分析するための自動方法は、複数のサンプルの第1のサンプルサブセットに第1のアッセイを行うステップを含む。第1のアッセイは、第1の単位用量試薬を使用する、第1の反応を備える。本方法はまた、複数のサンプルの第2のサンプルサブセットに第2のアッセイを行うステップを含む。第2のアッセイは、(a)第1の単位用量試薬と異なる第2の単位用量試薬と、(b)第1のバルク試薬のうちの少なくとも1つを使用する、第2の反応を備える。第1のアッセイを行うステップおよび第2のアッセイを行うステップは、第1の単位用量試薬および第2の単位用量試薬および第1のバルク試薬のうちの少なくとも1つを貯蔵する、同一の診断システム内で生じる。
【0017】
一例示的実施形態では、ベースとなる第1のモジュールは、定質的およびリアルタイム定量的アッセイの両方のために化学発光および蛍光検出技術を利用する、特異的標的増幅アッセイを実行するように設計される、二重形式分子診断器具を備える。第2のモジュールの追加によって、PCRアッセイ等の付加的自動アッセイが、ベースとなる第1のモジュールによって行われるアッセイとともに実行(合体)され、ベースとなる第1のモジュールによって達成されるものと類似処理量を達成することができる。
【0018】
一例示的実施形態では、第2のモジュールは、リアルタイム蛍光検出能力を伴うサーマサイクラと、試薬(例えば、PCR試薬)を含有する新しい試薬パックの装填および冷却貯蔵を可能にする試薬パック貯蔵ベイと、付加的使い捨てピペット先端トレイと、PCRおよびアッセイ特異的試薬と、PCRまたは他の反応のために必要とされるアッセイステップを行うための1つ以上のピペッタシステムと、および/またはレセプタクル運搬器とを備える。第2のモジュールは、サンプル投入、サンプル調製、標的捕捉、および後続PCアッセイのための溶出の添加等の他の処理ステップのためのベースとなる第1のモジュールに依拠し得、したがって、第2のモジュールはさらに、サンプル投入および調製機能性を第2のモジュールの中に内蔵することを要求せずに、ベースとなる第1のモジュールのそれらの能力を活用し、付加的処理および検出能力をサポートする。
【0019】
本開示の側面は、複数のレセプタクルのそれぞれ内の物質を処理するように構成され、物質を各レセプタクルの中に分注するように構成される第1の物質移送デバイスと、第1のモジュール内のレセプタクルを移動させるように構成されるレセプタクル移送デバイスとを含む、第1のモジュールの能力を向上させるための第2のモジュール内で具現化される。第2のモジュールは、第1のモジュールに連結される、またはそこから分断されるように構成され、第2のモジュール内の場所から、容器から第1のモジュール内のレセプタクルに物質を移送するために、第1の物質移送デバイスにアクセス可能な第1のモジュール内の場所に少なくとも1つの容器を運搬するように構成される、容器運搬器と、第1のモジュールのレセプタクル移送デバイスからレセプタクルを受容し、レセプタクルを第2のモジュールの中に移送し、第1のモジュール内の異なる場所間でレセプタクルを移動させるように構成される、レセプタクル分配モジュールと、物質を第2のモジュール内のレセプタクルの中に分注する、または物質をそこから除去するように構成される、第2の物質移送デバイスとを備える。
【0020】
本開示のいくつかの側面によると、レセプタクル分配モジュールは、第2のモジュール上の第1の場所において、レセプタクルをレセプタクル分配器上に移動させ、レセプタクルを第1の場所から第1の場所と異なる第2のモジュール上の第2の場所に搬送し、第2のモジュール上の第2の場所において、レセプタクルをレセプタクル分配器から下すように構成される、レセプタクル分配器を備える。レセプタクル受け渡しデバイスは、レセプタクルを第1のモジュールのレセプタクル移送デバイスから受容し、レセプタクル分配器によって、レセプタクル受け渡しデバイスからレセプタクル分配器上に移動されるように、レセプタクルをレセプタクル分配器に提示するためにレセプタクルを再位置付けするように構成されることができる。
【0021】
本開示のいくつかの側面によると、レセプタクル分配器は、回転軸を中心として回転し、それによって搬送されるレセプタクルを第2のモジュール内の場所間の弧状経路内で移動させるように構成される。第2のモジュール内の場所間でレセプタクルを移動させるための他の構成も、検討される。したがって、本開示は、回転軸を中心として回転するレセプタクル分配器に限定されない。
【0022】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、第1のモジュールから第2のモジュールに移送される1つ以上のレセプタクルを保持するためのレセプタクル貯蔵ステーションを備え、レセプタクル貯蔵ステーションは、レセプタクル分配器の弧状経路に対応する構成で配列される。
【0023】
本開示のいくつかの側面によると、レセプタクル分配器は、第2のモジュール内の異なる垂直に配置された場所間でそれによって搬送されるレセプタクルを垂直に移動させるように構成される。
【0024】
本開示のいくつかの側面によると、レセプタクル受け渡しデバイスは、レセプタクルを第1のモジュールのレセプタクル移送デバイスから受容するための第1の位置とレセプタクルをレセプタクル分配器に提示するための第2の位置との間で回転するように構成される。
【0025】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、1つ以上の流体容器を保持するように構成される、容器コンパートメントを備える。ある実施形態では、容器コンパートメントは、開放位置と閉鎖位置との間で移動され、閉鎖位置に移動されると、容器が、容器運搬器によって、容器コンパートメントから第1のモジュールの中に運搬され得るように、少なくとも1つの流体容器を容器運搬器に対して動作可能位置に設置するように構成される、容器引き出しであることができる。代替実施形態では、容器コンパートメントは、開放位置と閉鎖位置との間で移動され、閉鎖位置に移動されると、容器が、容器運搬器によって、容器コンパートメントから第1のモジュールの中に運搬され得るように、少なくとも1つの流体容器を容器運搬器に対して動作可能位置に設置するように構成される、摺動式トレイを伴うドアを備えることができる。
【0026】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、1つ以上の容器を搬送し、容器コンパートメントとともに移動可能であるように構成され、さらに、容器コンパートメントが閉鎖位置にあるとき、容器運搬器が、容器キャリッジおよびそれによって搬送される1つ以上の容器を、容器コンパートメントから第1のモジュールの中に移動させるように動作可能であるように、容器運搬器によって係合されるように構成される、容器キャリッジを備える。
【0027】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、キャリッジ運搬器およびキャリッジロックを備える。キャリッジ運搬器は、容器レセプタクルとともに移動可能であって、容器レセプタクルが開放位置にあるときの第1の位置と容器レセプタクルが閉鎖位置にあるときの第2の位置との間で容器キャリッジを搬送するように構成される。キャリッジロックは、キャリッジ運搬器が第1の位置にあるとき、容器キャリッジをキャリッジ運搬器に係止し、キャリッジ運搬器が第2の位置にあるとき、容器をキャリッジ運搬器から解放し、容器キャリッジが、容器運搬器によってキャリッジ運搬器から除去されることを可能にするように構成される。
【0028】
本開示のいくつかの側面によると、容器運搬器は、容器コンパートメントから第1のモジュールの中に延在する、トラックと、容器コンパートメントが閉鎖位置にあるとき、容器キャリッジに係合するように構成される、キャリッジフックと、キャリッジフックをキャリッジトラックに沿って移動させるように構成される、モータ式キャリッジフック駆動システムとを備える。
【0029】
本開示のいくつかの側面によると、モータ式キャリッジフック駆動システムは、モータと、モータによって駆動され、キャリッジフックに連結される、ベルトとを備える。
【0030】
本開示のいくつかの側面によると、処理装置はさらに、トラックに沿った1つ以上の場所に配置され、トラック上のキャリッジの位置を検出する、1つ以上の位置センサを備える。
【0031】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、パック投入デバイスと、パック貯蔵コンパートメントとを備える、試薬パック交換器を備える。パック投入デバイスは、オペレータが、少なくとも1つの試薬を含有する試薬パックを第2のモジュールの中に設置する、または試薬パックを第2のモジュールから除去することを可能にするように構成される。パック貯蔵コンパートメントは、試薬パックが第2のモジュール内の処理のために必要とされるまで、複数の試薬パックを保持するように構成される。レセプタクル分配モジュールはさらに、試薬パックをパック投入デバイスとパック貯蔵コンパートメントとの間で移動させるように構成される。
【0032】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、1つ以上の試薬パック装填ステーションを備え、それぞれ、第2の物質移送デバイスが、物質を試薬パックへまたはそこから移送することを可能にする様式において、試薬パックを保持するように構成される。したがって、いくつかの実施形態では、試薬パック装填ステーションは、初期装填位置から第2の物質移送デバイスと整合された位置に、試薬パックの配向を変更するように構成される。
【0033】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、パック投入デバイス、パック貯蔵コンパートメント、および試薬パック装填ステーションのうちの少なくとも1つと動作可能に関連付けられ、パック投入デバイスまたはパック貯蔵コンパートメント内に保持される試薬パック内に存在する試薬を位置付けおよび保持するための静電力を発生させるように構成される、荷電場発生器を備える。関連側面では、荷電場発生器は、電磁力が、存在するとき、試薬パックの1つ以上のウェルの底部に、またはそれに隣接して印加されるように、パック投入デバイス、パック貯蔵コンパートメント、および試薬パック装填ステーションのうちの少なくとも1つの下方に据え付けられる。
【0034】
本開示のいくつかの側面によると、パック投入デバイスは、回転軸を中心として回転可能な試薬パック回転ラックを備え、パック回転ラックは、複数の試薬パックステーションを含み、それぞれ、試薬パックを回転軸の周囲に配置されるように保持するように構成される。
【0035】
本開示のいくつかの側面によると、パック回転ラックは、パック回転ラックへのアクセスを提供する開放位置とパック回転ラックへのアクセスを閉鎖する閉鎖位置との間で移動可能である、引き出し等のコンパートメント内に配置される。パック回転ラックはまた、その上にパック回転ラックが搭載される、摺動可能トレイを露出させるアクセスパネルを通してアクセスされることができる。
【0036】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、パック投入デバイスに対して動作可能に配置され、パック投入デバイス内で搬送される各試薬パック上の機械可読コードを読み取るように構成される、コードリーダを備える。いくつかの実施形態では、コードリーダは、コードリーダに近接近する個別の試薬パック上の機械可読コードを読み取る。
【0037】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、パック貯蔵コンパートメント内に配置されるパック貯蔵回転ラックを備える。パック貯蔵回転ラックは、回転軸を中心として回転可能であって、複数の試薬パックステーションを含み、それぞれ、試薬パックを回転軸の周囲に配置されるように保持するように構成される。
【0038】
本開示のいくつかの側面によると、パック貯蔵回転ラックの試薬パックステーションは、第2のモジュールの2つ以上のレベルに配置される。
【0039】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、貯蔵コンパートメントを周囲温度より低く維持するための冷却システムを含む。
【0040】
本開示のいくつかの側面によると、第2の物質移送デバイスは、ピペッタプローブを有するロボット式ピペッタを備え、第2のモジュールはさらに、ロボット式ピペッタのピペッタプローブ上に設置されるように構成される複数の使い捨て先端を保持するように構成される、1つ以上の使い捨て先端コンパートメントを備える。
【0041】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、複数の処理バイアルおよび/または関連付けられたキャップを保持するように構成される、キャップ/バイアルトレイを備える。各キャップは、関連付けられたバイアルに連結され、関連付けられたバイアルを閉鎖するように構成される。バイアルは、処理材料をバイアルの中に分注するように、ロボット式ピペッタによってアクセス可能であって、関連付けられたキャップは、各キャップを関連付けられたバイアルの中に移動させ、キャップ/バイアルアセンブリを形成するように、ロボット式ピペッタによってアクセス可能である。ロボット式ピペッタは、キャップ/バイアルアセンブリをキャップ/バイアルトレイから第2のモジュール上の別の場所に移動させるように構成される。
【0042】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、遠心分離機を備え、ロボット式ピペッタは、キャップ/バイアルアセンブリをキャップ/バイアルトレイから遠心分離機に移動させるように構成される。
【0043】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、複数のキャップ/バイアルアセンブリを保持し、複数のキャップ/バイアルアセンブリの内容物を周期的に変動する温度に曝すように構成される、サーマサイクラと、キャップ/バイアルアセンブリを遠心分離機からサーマサイクラに移動させるように構成される、ロボット式バイアル移送ピペッタとを備える。
【0044】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュールはさらに、第1のモジュールから第2のモジュールに移送されるレセプタクルを保持するように構成されるスロットを保持する、1つ以上の磁気レセプタクルを備える。スロットを保持する各磁気レセプタクルは、磁石を備え、レセプタクル内に含有される磁気粒子を、レセプタクルの流体内容物中の溶液からレセプタクルの壁に引きつけるように構成される。
【0045】
本開示のいくつかの側面によると、第1のモジュールおよび第2のモジュールは、核酸増幅反応を行うように構成される。
【0046】
本開示のいくつかの側面によると、第1のモジュールおよび第2のモジュール内で行われる核酸増幅反応は、異なるタイプの増幅反応である。
【0047】
本開示のいくつかの側面によると、第1のモジュール内で行われる核酸増幅反応は、定質的に監視される反応核酸を備え、第2のモジュール内で行われる増幅反応は、定量的に監視される反応を備える。
【0048】
本開示のいくつかの側面によると、第2のモジュール内で行われる核酸増幅反応は、リアルタイムで監視される反応を備える。
【0049】
本開示のいくつかの側面によると、第1のモジュール内で行われる核酸増幅反応は、等温反応であって、第2のモジュール内で行われる核酸増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応の使用を備える。
【0050】
本開示の側面はさらに、単一サンプルの複数の分子アッセイを行うことが可能な自動システム内で具現化される。本システムは、1つ以上のレセプタクル内に含有されるサンプルを受け取るように構成される、サンプル投入ポータルと、核酸増幅反応のためにサンプル投入ポータルに提供されるサンプルを調製するように構成される、サンプル調製モジュールと、サンプルを用いて等温核酸増幅アッセイを行うように構成される、第1のモジュールと、サンプルを用いて温度循環を伴う核酸増幅アッセイを行うように構成される、第2のモジュールと、サンプル投入ポータル、サンプル調製モジュール、第1のモジュール、および第2のモジュール間でサンプルを含有する1つ以上のレセプタクルの自動運搬をもたらすように構成される、運搬機構とを備える。
【0051】
本開示のいくつかの側面によると、自動システムはさらに、第2のモジュール、第1のモジュール、または第2のモジュール内にサンプルが存在するとき、サンプルにアクセスするように構成される、物質移送デバイスを備える。
【0052】
本開示のいくつかの側面によると、本システムはさらに、複数の試薬容器を保持するように構成される、試薬貯蔵コンパートメントを備え、試薬貯蔵コンパートメントは、周囲温度を下回る温度に保持される。
【0053】
本開示のいくつかの側面によると、本システムはさらに、試薬貯蔵コンパートメントと別個の第2のモジュール内の場所との間で1つ以上の試薬容器を運搬するように構成される、試薬容器運搬機構を備える。
【0054】
本開示のいくつかの側面によると、試薬容器運搬機構は、試薬容器を第2のモジュール内で運搬し、レセプタクルを第2のモジュール内で運搬するように構成される。
【0055】
いくつかの本開示の側面は、低体積核酸増幅反応混合物の改良された熱循環のための方法において具現化される。本方法は、自動ピペッタを使用して、反応レセプタクル内で、流体サンプルと1つ以上の増幅反応試薬をともに組み合わせるステップと、自動ピペッタを使用して、反応レセプタクルを遠心分離機に運搬するステップと、反応レセプタクルの流体内容物を遠心分離するステップと、自動的に、遠心分離後、反応レセプタクルを遠心分離機から除去し、反応レセプタクルをサーマサイクラ内に設置するステップと、反応レセプタクルの流体内容物をサーマサイクラ内の1つ以上の温度サイクルに曝すステップとを含む。
【0056】
本開示のいくつかの側面によると、反応レセプタクルは、バイアル移送アームを使用して、遠心分離機から除去され、サーマサイクラに運搬される。
【0057】
本開示のいくつかの側面によると、反応レセプタクルは、第1の場所において、遠心分離機内に設置され、反応レセプタクルは、第2の異なる場所において、遠心分離機から除去される。
【0058】
本開示のいくつかの側面によると、本方法はさらに、第2の自動ピペッタを備え、第2の自動ピペッタは、自動的に、遠心分離後、反応レセプタクルを遠心分離機から除去し、反応レセプタクルをサーマサイクラ内に設置する。
【0059】
本開示のいくつかの側面によると、レセプタクルは、密閉されたレセプタクルを遠心分離機に運搬する前に、キャップによって密閉される。
【0060】
本開示のいくつかの側面によると、自動ピペッタは、キャップをレセプタクルに運搬し、キャップをレセプタクルに連結することによって、レセプタクルを密閉する。
【0061】
いくつかの本開示の側面は、自動分子器具のワークフロー内で複数の異なる核酸反応混合物を調製する改良された方法において具現化される。本方法は、2つ以上の反応レセプタクルを提供するステップと、2つ以上の単位用量試薬容器を提供するステップであって、各単位用量試薬容器は、個別の反応レセプタクルに対応し、各単位用量試薬容器は、1つ以上の標的核酸に特異的な核酸増幅試薬を含有する、ステップと、第1のバルク試薬を含有するレセプタクルを提供するステップと、2つ以上の反応レセプタクルのそれぞれ内において、サンプルの少なくとも一部と単位用量試薬の少なくとも一部およびバルク試薬の少なくとも一部を組み合わせるステップとを含む。組み合わせ後、各反応レセプタクルは、異なるサンプル、異なる単位用量試薬、および同一の第1のバルク試薬を含有する。
【0062】
本開示のさらなる側面によると、本方法はさらに、第2のバルク試薬を含有するレセプタクルを備え、第2のバルク試薬は、2つ以上の反応レセプタクルのそれぞれ内でサンプルの少なくとも一部と単位用量試薬の少なくとも一部およびバルク試薬の少なくとも一部を組み合わせる前に、2つ以上の単位用量試薬容器のそれぞれの中に分注される。
【0063】
本開示のいくつかの側面によると、第2のバルク試薬は、再構成試薬を備える。
【0064】
本開示のいくつかの側面によると、本方法はさらに、2つ以上の反応レセプタクルのそれぞれを加熱されたインキュベータまたは加熱プレート等の加熱器に運搬し、核酸増幅アッセイを行うステップを含む。
【0065】
本開示の他の特徴および特性、ならびに動作方法、構造の関連要素および部品の組み合わせの機能、および製造の経済性は、その全てが本明細書の一部を形成する、付随の図面(類似参照番号は、種々の図中の対応する部品を指定する)を参照して、以下の説明および添付の請求項を検討することによって、より明白となるであろう。
【0066】
本発明は例えば、以下の項目を提供する:
(項目1)
第1の核酸増幅反応と、前記第1の核酸増幅反応と異なる第2の核酸増幅反応とを行うように構成される、診断システムであって、
少なくとも1つのバルク試薬容器コンパートメントであって、
前記診断システムに提供される複数のサンプルの第1のサブセットおよび第2のサブセットを用いて、サンプル調製プロセスを行うための少なくとも1つの第1のバルク試薬を備える、少なくとも1つの第1のバルク試薬容器と、
前記第1の核酸増幅反応を行うための第2のバルク試薬を備える、少なくとも1つの第2のバルク試薬容器と、
を貯蔵するように構成される、少なくとも1つのバルク試薬容器コンパートメントと、
前記第2の核酸増幅反応を行うための複数の単位用量試薬を備える少なくとも1つの単位用量試薬パックを貯蔵するように構成される、単位用量試薬コンパートメントと、
を備え、
前記診断システムは、
前記少なくとも1つの第1のバルク試薬を使用して、前記複数のサンプルの第1のサブセットおよび第2のサブセットに前記サンプル調製プロセスを行い、
前記第2のバルク試薬を使用して、前記複数のサンプルの第1のサブセットに前記第1の核酸増幅反応を行い、
前記複数の単位用量試薬を使用して、前記複数のサンプルの第2のサブセットに前記第2の核酸増幅反応を行う、
ように構成される、診断システム。
(項目2)
第1のモジュールは、前記第1の核酸増幅反応を行い、第2のモジュールは、前記第2の核酸増幅反応を行う、項目1に記載の診断システム。
(項目3)
前記第1のモジュールは、前記第2のモジュールと一体型である、項目2に記載の診断システム。
(項目4)
前記第2のモジュールは、選択的に、前記第1のモジュールに動作可能に連結されるように構成される、項目2に記載の診断システム。
(項目5)
前記少なくとも1つのバルク試薬容器コンパートメントは、前記少なくとも1つの第1のバルク試薬容器を貯蔵するように構成される前記第1のモジュール内に第1のバルク試薬容器コンパートメントを備え、前記単位用量試薬コンパートメントは、前記第2のモジュール内にある、項目4に記載の診断システム。
(項目6)
前記第1のバルク試薬容器コンパートメントは、前記少なくとも1つの第1のバルク試薬容器を貯蔵し、前記少なくとも1つの第1のバルク試薬は、標的捕捉試薬を備える、項目5に記載の診断システム。
(項目7)
前記少なくとも1つのバルク試薬容器コンパートメントは、前記少なくとも1つの第1のバルク試薬容器を貯蔵するように構成される前記第1のモジュール内に第1のバルク試薬容器コンパートメントを備える、項目2に記載の診断システム。
(項目8)
前記第1のバルク試薬容器コンパートメントは、前記少なくとも1つの第1のバルク試薬容器を貯蔵し、前記少なくとも1つの第1のバルク試薬は、標的捕捉試薬を備える、項目7に記載の診断システム。
(項目9)
前記少なくとも1つのバルク試薬容器コンパートメントはさらに、前記第2のバルク試薬容器を貯蔵するように構成される前記第1のモジュール内に第2のバルク試薬容器コンパートメントを備える、項目7−8のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目10)
前記第2のバルク試薬容器コンパートメントは、前記第2のバルク試薬容器を貯蔵する、項目7−9のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目11)
前記少なくとも1つのバルク試薬容器コンパートメントはさらに、前記第2のモジュール内に、第3のバルク試薬を備える第3のバルク試薬容器を貯蔵するように構成される、第2のバルク試薬容器コンパートメントを備える、項目7−10のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目12)
前記第3のバルク試薬容器コンパートメントは、前記第3のバルク試薬容器を貯蔵し、前記第3のバルク試薬は、再構成試薬を備える、項目11に記載の診断システム。
(項目13)
前記第2のバルク試薬容器コンパートメントはさらに、第4のバルク試薬を備える第4のバルク試薬容器を貯蔵するように構成される、項目11−12のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目14)
前記第2のバルク試薬容器コンパートメントは、前記第4のバルク試薬容器を貯蔵し、前記第4のバルク試薬は、溶出緩衝液および油のうちの少なくとも1つを備える、項目13に記載の診断システム。
(項目15)
前記単位用量試薬コンパートメントは、第1の核酸を標的化するための複数の第1の単位用量試薬を備える第1の単位用量試薬パックを貯蔵し、前記第1の核酸と異なる第2の核酸を標的化するための複数の第2の単位用量試薬を備える第2の単位用量試薬パックを貯蔵する、項目1−14のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目16)
前記第1の単位用量試薬は、前記第2の核酸増幅反応を行うために、ポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸のうちの少なくとも1つを備え、前記第2の単位用量試薬は、ポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸のうちの少なくとも1つを備える、項目15に記載の診断システム。
(項目17)
前記単位用量試薬コンパートメント内に貯蔵された単位用量試薬パックを、前記複数の単位用量試薬のうちの少なくとも1つの再構成形態を吸引するように構成される物質移送デバイスにアクセス可能な場所に移動させるように構成される、分配器をさらに備える、項目1−16のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目18)
前記第2の核酸増幅反応は、等温反応である、項目1−17のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目19)
前記第2の核酸増幅反応は、温度循環を伴う、項目1−17のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目20)
前記第2の核酸増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である、項目1−17および19のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目21)
前記単位用量試薬コンパートメントは、複数の凍結乾燥された単位用量試薬を備える、少なくとも1つの単位用量試薬パックを貯蔵する、項目1−20のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目22)
前記第1の核酸増幅反応は、等温核酸増幅反応である、項目1−21のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目23)
前記第1の核酸増幅反応は、転写介在増幅(TMA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、または鎖変位増幅(SDA)である、項目1−22のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目24)
前記第1の核酸増幅反応は、温度循環を伴う、項目1−21のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目25)
前記少なくとも1つの第1のバルク試薬は、標的核酸を直接または間接的に固定化するための固体支持体を備える、項目1−24のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目26)
前記固体支持体は、磁気応答性である、項目25のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目27)
前記少なくとも1つの第1のバルク試薬は、第1のサンプル処理試薬および第2のサンプル処理試薬を備え、診断システムは、前記第1のサンプル処理試薬を使用して、前記複数のサンプルの第1のサブセットにサンプル調製プロセスを行い、前記第2のサンプル処理試薬を使用して、前記複数のサンプルの第2のサブセットにサンプル調製プロセスを行うように構成される、項目1−26のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目28)
前記診断システムは、同時に、前記第1の核酸増幅反応および前記第2の核酸増幅反応を行うように構成される、項目1−28のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目29)
複数のサンプルを分析するための自動方法であって、
前記複数のサンプルの第1のサンプルサブセットに第1のアッセイを行うステップであって、前記第1のアッセイは、第1の単位用量試薬を使用する第1の反応を備える、ステップと、
同時に、前記複数のサンプルの第2のサンプルサブセットに第2のアッセイを行うステップであって、前記第2のアッセイは、(a)前記第1の単位用量試薬と異なる第2の単位用量試薬と、(b)第1のバルク試薬とのうちの少なくとも1つを使用する、第2の反応を備える、ステップと、
を含み、
前記第1のアッセイを行うステップおよび前記第2のアッセイを行うステップは、前記第1の単位用量試薬と、前記第2の単位用量試薬および前記第1のバルク試薬のうちの少なくとも1つとを貯蔵する、同一の診断システム内で生じる、自動方法。
(項目30)
前記第1のアッセイはさらに、第2のバルク試薬を使用して、前記第1のサンプルサブセットを調製するステップを含み、前記第2のアッセイはさらに、前記第2のバルク試薬および前記第3のバルク試薬のうちの少なくとも1つを使用して、前記第2のサンプルサブセットを調製するステップを含む、項目29に記載の自動方法。
(項目31)
前記第1のサンプルサブセットを調製するステップは、前記第1のアッセイの第1の標的核酸を単離および精製するステップを含み、前記第2のサンプルサブセットを調製するステップは、前記第2のアッセイの第2の標的核酸を単離および精製するステップを含む、項目29−30のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目32)
前記第2のバルク試薬および前記第3のバルク試薬のうちの少なくとも1つは、前記第1および第2のサンプルサブセット中に存在する第1および第2の標的核酸のいずれかを直接または間接的に固定化するための固体支持体を備える、項目30−31のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目33)
前記固体支持体は、磁気応答性である、項目32に記載の自動方法。
(項目34)
前記第2のバルク試薬は、前記第1および第2の反応を行うために必要な成分を備えない、項目29−33のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目35)
前記診断システムのリソースの使用が、最大限にされ、前記第1のアッセイを行い、前記第2のアッセイを行うための時間が、最小限にされるように、前記第1のアッセイを行うための第1のスケジュールと、前記第2のアッセイを行うための第2のスケジュールを協調させるステップをさらに含む、項目29−34のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目36)
前記第2の反応は、前記第2の単位用量試薬を使用する、項目29−35のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目37)
前記第2の反応は、前記第1のバルク試薬を使用する、項目29−35のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目38)
前記第2の反応は、単位用量試薬を使用しない、項目29−35および37のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目39)
前記第1のサンプルサブセットおよび前記第2のサンプルサブセットは、異なるサンプルを備える、項目29−38のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目40)
前記第1のサンプルサブセットおよび前記第2のサンプルサブセットは、同一のサンプルを備える、項目29−38のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目41)
前記第1の反応は、第1の核酸増幅反応である、項目29−40のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目42)
前記第1の核酸増幅反応は、温度循環を伴う、項目41に記載の自動方法。
(項目43)
前記第1の単位用量試薬は、前記第1の核酸増幅反応を行うための成分を備える、項目41−42のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目44)
前記成分は、ポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸のうちの少なくとも1つを備える、項目43に記載の自動方法。
(項目45)
前記第2の反応は、第2の核酸増幅反応である、項目29−44のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目46)
前記第2の核酸増幅反応は、温度循環を伴う、項目45に記載の自動方法。
(項目47)
前記第2の核酸増幅反応は、等温反応である、項目45に記載の自動方法。
(項目48)
前記第2の単位用量試薬は、前記第2の核酸増幅反応を行うための成分を備える、項目45−47のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目49)
前記成分は、ポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸のうちの少なくとも1つを備える、項目48に記載の自動方法。
(項目50)
前記第1のアッセイは、前記第2の単位用量試薬および前記第1のバルク試薬を使用しない、項目29−49に記載の自動方法。
(項目51)
前記第2の反応は、前記第1の反応と異なる、項目29−50のいずれか1項に記載の自動方法。
(項目52)
診断システムは、自給式器具であって、前記自動方法は、前記自給式器具の筐体内で行われる、項目29−51いずれか1項に記載の自動方法。
(項目53)
診断システムであって、
第1の核酸増幅反応を行うように構成される、第1のモジュールと、
前記第1の核酸増幅反応と異なる第2の核酸増幅反応を行うように構成される、第2のモジュールと、
を備え、
前記第2のモジュールは、
前記第2のモジュールからの少なくとも1つの容器を、前記容器から前記第1のモジュール内のレセプタクルに物質を移送するように構成される第1の物質移送デバイスにアクセス可能な前記第1のモジュール内の場所に運搬するように構成される、容器運搬器と、
前記第1のモジュールのレセプタクル移送デバイスから前記第2のモジュール内の場所に前記レセプタクルを移送するように構成される、レセプタクル分配システムと、
前記第2のモジュール内の前記レセプタクルの中に物質を分注する、またはそこから物質を除去するように構成される、第2の物質移送デバイスと、
を備える、診断システム。
(項目54)
前記第2のモジュールは、選択的に、前記第1のモジュールに動作可能に連結されるように構成される、項目53に記載の診断システム。
(項目55)
前記第1のモジュールは、前記第2のモジュールと一体型である、項目53に記載の診断システム。
(項目56)
前記レセプタクル分配システムは、
前記レセプタクルを前記第2のモジュール内で移動させるように構成される、レセプタクル分配器と、
前記レセプタクルを前記第1のモジュールのレセプタクル移送デバイスから受容し、前記レセプタクルを前記レセプタクル分配器にアクセス可能な場所に再位置付けするように構成される、レセプタクル受け渡しデバイスと、
を備える、項目53−55のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目57)
前記レセプタクル分配器は、回転軸を中心として回転し、それによって搬送されるレセプタクルを前記第2のモジュール内の場所間の弧状経路内を移動させるように構成される、項目56に記載の診断システム。
(項目58)
前記第1のモジュールから前記第2のモジュールに移送される1つ以上のレセプタクルを保持するためのレセプタクル貯蔵ステーションをさらに備え、前記レセプタクル貯蔵ステーションは、前記レセプタクル分配器の弧状経路に対応する構成に配列される、項目57に記載の処理モジュール。
(項目59)
前記レセプタクル分配器は、それによって搬送される前記レセプタクルが、前記第2のモジュール内の異なる垂直に配置された場所間を移動することができるように、垂直に移動するように構成される、項目56−58のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目60)
前記レセプタクル受け渡しデバイスは、前記第1のモジュールのレセプタクル移送デバイスから前記レセプタクルを受容するための第1の位置と前記レセプタクルを前記レセプタクル分配器に提示するための第2の位置との間を回転するように構成される、項目56−58のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目61)
前記第2のモジュールはさらに、1つ以上のバルク試薬容器を保持するように構成される、バルク試薬容器コンパートメントを備え、前記バルク試薬容器コンパートメントは、開放位置と閉鎖位置との間を移動し、前記閉鎖位置に移動されると、前記少なくとも1つのバルク試薬容器が、前記容器運搬器によって、前記容器コンパートメントから前記第1のモジュールに運搬されることができるように、少なくとも1つのバルク試薬容器を前記容器運搬器に対して動作可能な場所に位置付けるように構成される、項目56−60のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目62)
前記第2のモジュールはさらに、1つ以上のバルク試薬容器を搬送し、バルク試薬容器コンパートメントとともに移動可能であるように構成され、さらに、前記バルク試薬容器コンパートメントが前記閉鎖位置にあるとき、前記容器運搬器が、容器キャリッジおよびそれによって搬送される1つ以上のバルク試薬容器を、前記バルク試薬容器コンパートメントから前記第1のモジュールに移動させるように動作可能であるように、前記容器運搬器によって係合されるように構成される、容器キャリッジを備える、項目61に記載の診断システム。
(項目63)
前記第2のモジュールはさらに、
前記バルク試薬容器コンパートメントとともに移動可能であって、前記バルク試薬容器コンパートメントが前記開放位置にあるときの第1の位置と前記バルク試薬容器コンパートメントが前記閉鎖位置にあるときの第2の位置との間で前記容器キャリッジを搬送するように構成される、容器キャリッジ運搬器と、
前記キャリッジ運搬器が前記第1の位置にあるとき、前記容器キャリッジを前記キャリッジ運搬器に係止し、前記キャリッジ運搬器が前記第2の位置にあるとき、前記容器を前記キャリッジ運搬器から解放し、前記容器キャリッジが、前記容器運搬器によって前記キャリッジ運搬器から除去されることを可能にするように構成される、キャリッジロックと、
を備える、項目62に記載の診断システム。
(項目64)
前記容器運搬器は、
前記バルク試薬容器コンパートメントから前記第1のモジュールの中に延在する、トラックと、
前記バルク試薬容器コンパートメントが前記閉鎖位置にあるとき、前記容器キャリッジに係合するように構成される、キャリッジフックと、
前記キャリッジフックを前記キャリッジトラックに沿って平行移動させるように構成される、モータ式キャリッジフック駆動部と、
を備える、項目62−63のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目65)
前記モータ式キャリッジフック駆動システムは、
モータと、
前記モータによって駆動され、前記キャリッジフックに連結される、ベルトと、
を備える、項目64に記載の診断システム。
(項目66)
前記第2のモジュールはさらに、前記トラックに沿った1つ以上の場所に配置され、前記トラック上の前記キャリッジの位置を検出する、1つ以上の位置センサを備える、項目64−65のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目67)
前記第2のモジュールはさらに、試薬パック交換器を備え、
前記試薬パック交換器は、
ユーザが、少なくとも1つの試薬を含有する試薬パックを前記第2のモジュールの中に設置する、または試薬パックを前記第2のモジュールから除去することを可能にするように構成される、試薬パック投入デバイスと、
前記第2のモジュール内の処理のために必要とされるまで、複数の試薬パックを貯蔵するように構成される、試薬パック貯蔵コンパートメントと、
を備え、
前記レセプタクル分配モジュールはさらに、前記試薬パック投入デバイスと前記試薬パック貯蔵コンパートメントとの間で試薬パックを移動させるように構成される、項目53−66のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目68)
前記第2のモジュールはさらに、前記試薬パック投入デバイスおよび前記試薬パック貯蔵コンパートメントのうちの少なくとも1つと動作可能に関連付けられ、前記試薬パック投入デバイスまたは前記試薬パック貯蔵コンパートメント内に保持される試薬パック内に存在する試薬を位置付けおよび保持するための静電電荷を発生させるように構成される、静電発電機を備える、項目67に記載の診断システム。
(項目69)
前記第2のモジュールはさらに、1つ以上の試薬パック装填ステーションを備え、それぞれ、試薬パックを、前記第2の物質移送デバイスが物質を前記試薬パックへおよびそこから移送することを可能にする場所に保持するように構成される、項目67−68のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目70)
前記試薬パック投入デバイスは、回転軸を中心として回転可能な単位用量試薬パック回転ラックを備え、前記試薬パック回転ラックは、複数の試薬パックステーションを含み、それぞれ、試薬パックを前記回転軸の周囲に配置されるように保持するように構成される、項目67−69のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目71)
前記試薬パック回転ラックは、前記試薬パック回転ラックへのアクセスを提供する開放位置と前記試薬パック回転ラックへのアクセスを閉鎖する閉鎖位置との間で移動可能である、コンパートメント内に配置される、項目70に記載の診断システム。
(項目72)
前記第2のモジュールはさらに、前記試薬パック投入デバイスに対して動作可能に配置され、前記試薬パック投入デバイス内で搬送される各試薬パック上の機械可読コードを読み取るように構成される、コードリーダを備える、項目67−71のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目73)
前記第2のモジュールはさらに、前記試薬パック貯蔵コンパートメント内に配置される試薬パック貯蔵回転ラックを備え、前記試薬パック貯蔵回転ラックは、回転軸を中心として回転可能であって、前記試薬パック貯蔵回転ラックは、複数の試薬パックステーションを含み、それぞれ、試薬パックを前記回転軸の周囲に配置されるように保持するように構成される、項目67−71のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目74)
前記試薬パック貯蔵回転ラックの試薬パックステーションは、2つ以上のレベルに配置される、項目67−72のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目75)
前記第2のモジュールはさらに、前記試薬パック貯蔵コンパートメントを周囲温度より低く維持するための冷却システムを備える、項目67−72のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目76)
前記第2の物質移送デバイスは、ピペッタプローブを有するロボット式ピペッタを備え、前記第2のモジュールはさらに、前記ロボット式ピペッタのピペッタプローブ上に設置されるように構成される複数の使い捨て先端を保持するように構成される、1つ以上の使い捨て先端コンパートメントを備える、項目53−75のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目77)
前記第2のモジュールはさらに、複数の処理バイアルおよび/または関連付けられたキャップを保持するように構成される、キャップ/バイアルコンパートメントを備え、各キャップは、関連付けられたバイアルに連結され、前記関連付けられたバイアルを閉鎖するように構成され、前記バイアルは、処理材料を前記バイアルの中に分注するために、前記ロボット式ピペッタによってアクセス可能であって、前記関連付けられたキャップは、各キャップを関連付けられたバイアルの中に移動させ、キャップ/バイアルアセンブリを形成するために、前記ロボット式ピペッタによってアクセス可能であって、前記ロボット式ピペッタは、前記キャップ/バイアルアセンブリを前記キャップ/バイアルコンパートメントから前記第2のモジュール上の別の場所に移動させるように構成される、項目76に記載の診断システム。
(項目78)
前記第2のモジュールはさらに、遠心分離機を備え、前記ロボット式ピペッタは、キャップ/バイアルアセンブリを前記キャップ/バイアルコンパートメントから前記遠心分離機に移動させるように構成される、項目77に記載の診断システム。
(項目79)
前記第2のモジュールはさらに、
複数のキャップ/バイアルアセンブリを保持し、前記複数のキャップ/バイアルアセンブリの内容物を周期的に変動する温度に曝すように構成される、サーマサイクラと、
キャップ/バイアルアセンブリを前記遠心分離機から前記サーマサイクラに移動するように構成される、ロボット式バイアル移送アームと、
を備える、項目78に記載の診断システム。
(項目80)
前記第2のモジュールはさらに、前記第1のモジュールから前記第2のモジュールに移送されるレセプタクルを保持するように構成されるスロットを保持し、磁石を備え、前記レセプタクル内に含有される磁気粒子を、前記レセプタクルの流体内容物中の溶液から前記レセプタクルの壁に引きつけるように構成される、磁気レセプタクルを備える、項目53−79のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目81)
前記第1の核酸増幅反応は、定質的反応を備え、前記第2の核酸増幅反応は、定量的反応を備える、項目53−80のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目82)
前記第2の核酸増幅反応は、リアルタイムで監視される反応を備える、項目81に記載の診断システム。
(項目83)
前記第1の核酸増幅反応は、等温反応であって、前記第2の核酸増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を備える、項目81−82のいずれか1項に記載の診断システム。
(項目84)
複数の分子アッセイを行うように構成される、自動システムであって、
(a)個別のレセプタクル内に含有される複数のサンプルを受け取るように構成される、サンプル投入ポータルと、
(b)第1の核酸増幅反応および第2の核酸増幅反応のうちの少なくとも1つのために、前記サンプル投入ポータルに提供される複数のサンプルを調製するように構成される、サンプル処理モジュールと、
(c)前記複数のサンプルのサンプルの第1のサブセットを用いて、前記第1の核酸増幅反応を行うように構成される、第1のモジュールと、
(d)同時に、前記複数のサンプルのサンプルの第2のサブセットを用いて、第2の核酸増幅反応を行うように構成される第2のモジュールであって、前記サンプルの第1および第2のサブセットは、異なる、第2のモジュールと、
(e)前記分子アッセイを行うために、前記自動システムの構成要素間で前記複数のサンプルを運搬するように構成される、運搬システムと、
を備える、自動システム。
(項目85)
前記第1の核酸増幅反応は、等温核酸反応である、項目84に記載の自動システム。
(項目86)
前記第1の核酸増幅反応は、転写介在増幅(TMA)、核酸配列に基く増幅(NASBA)、または鎖変位増幅(SDA)である、項目85に記載の自動システム。
(項目87)
前記第2の核酸増幅反応は、温度循環を伴う、項目84−86のいずれか1項に記載の自動システム。
(項目88)
前記第2の核酸増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である、項目87に記載の自動システム。
(項目89)
前記第2のモジュールはさらに、複数の試薬容器を保持するように構成される、試薬貯蔵コンパートメントを備え、前記試薬貯蔵コンパートメントは、周囲温度を下回る温度に保持される、項目84−88のいずれか1項に記載の自動システム。
(項目90)
前記第2のモジュールはさらに、前記試薬貯蔵コンパートメントと前記第1のモジュール内の別個の場所との間で1つ以上のバルク試薬容器を運搬するように構成される、試薬容器運搬器を備える、項目89に記載の自動システム。
(項目91)
前記第1のモジュールは、前記第2のモジュールと一体型である、項目84−90のいずれか1項に記載の自動システム。
(項目92)
前記第2のモジュールは、選択的に、前記第1のモジュールに動作可能に連結されるように構成される、項目84−90のいずれか1項に記載の自動システム。
(項目93)
核酸増幅反応混合物の熱循環のための方法であって、
(a)自動ピペッタを使用して、反応レセプタクル内で流体サンプルと1つ以上の核酸増幅反応試薬をともに組み合わせるステップと、
(b)前記流体サンプルを遠心分離に曝すステップと、
(c)自動的に、遠心分離後、前記反応レセプタクルを前記遠心分離機から除去し、前記反応レセプタクルをサーマサイクラ内に設置するステップと、
(d)前記反応レセプタクルの流体内容物を1つ以上の前記サーマサイクラ内の温度サイクルに曝すステップと、
を含み、
前記反応レセプタクルは、前記自動ピペッタを使用して、前記遠心分離機に運搬され、
前記反応レセプタクルは、第1の場所において、前記遠心分離機内に設置され、前記反応レセプタクルは、第2の異なる場所において、前記遠心分離機から除去される、方法。(項目94)
レセプタクル運搬アームをさらに含み、前記レセプタクル運搬アームは、自動的に、遠心分離後、前記反応レセプタクルを前記遠心分離機から除去し、前記反応レセプタクルを前記サーマサイクラ内に設置する、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記レセプタクル運搬アームは、ピペット先端を使用して物質移送を提供する能力を欠いている、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記自動分子器具のワークフロー内で複数の異なる核酸反応混合物を調製する方法であって、
(a)第1の反応レセプタクル内において、第1のサンプルの一部と、第1のアッセイのための第1の単位用量試薬の一部であって、第1の単位用量試薬容器内に含有される、第1の単位用量試薬と、バルク試薬容器内に含有されるバルク試薬の一部とを組み合わせるステップと、
(b)第2の反応レセプタクル内において、前記第1のサンプルと異なる第2のサンプルの一部と、前記第1のアッセイと異なる第2のアッセイのための第2の単位用量試薬の一部であって、第2の単位用量試薬容器内に含有される第2の単位用量と、前記バルク試薬容器内に含有されるバルク試薬の第2の部分とを組み合わせるステップと、
を含む、方法。
(項目97)
ステップ(a)および(b)の前に、第2のバルク試薬の一部を前記第1および第2の単位用量試薬容器のそれぞれの中に分注するステップをさらに含む、項目96に記載の方法。
(項目98)
前記第2のバルク試薬は、再構成試薬を備える、項目97に記載の方法。
(項目99)
前記第1および第2の反応レセプタクルを加熱されたインキュベータに運搬し、核酸増幅反応を行うステップをさらに含む、項目96−98のいずれか1項に記載の方法。
(項目100)
ステップ(a)および(b)に先立って、固体支持体を備える第3のバルク試薬の一部を前記第1および第2のサンプルのそれぞれの中に分注するステップをさらに含み、前記固体支持体は、前記第1および第2のサンプル中の核酸を固定化する、項目96−99のいずれか1項に記載の方法。
(項目101)
前記第1および第2の反応レセプタクル内の前記固体支持体を単離し、前記第1および第2のサンプルの非固定化成分を除去し、それによって、前記第1および第2のサンプル中の核酸を精製するステップをさらに含む、項目100に記載の方法。
(項目102)
前記固体支持体は、磁気応答性であって、前記第1および第2のサンプルの固体支持体は、前記第1および第2のサンプルの非固定化成分の除去に先立って、磁場に暴露される、項目101に記載の方法。
(項目103)
第1の核酸増幅反応を行うように構成される、診断システムであって、
それぞれ凍結乾燥された単位用量試薬を含有する複数のウェルを備える少なくとも1つの単位用量パックを貯蔵するように構成される、単位用量試薬コンパートメントと、
各凍結乾燥された単位用量試薬を前記少なくとも1つの単位用量パックの各個別のウェルの底部に位置付け、かつ保持する静電電荷を印加するように構成される、静電発電機と、
を備える、診断システム。
(項目104)
前記静電発電機は、前記凍結乾燥された単位用量試薬が再構成されると、前記静電電荷を印加するように構成される、項目103に記載の診断システム。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する、付随の図面は、本開示の種々の非限定的実施形態を図示する。図面中、共通参照番号は、同じまたは機能的類似要素を示す。