【課題を解決するための手段】
【0004】
この問題を解決するために、本発明は、第1のタイプの蛍光観察装置を第2の異なるタイプの蛍光観察装置においてエミュレートするための画像処理装置を提供し、この画像処理装置は、画像プロセッサを含んでおり、少なくとも1つのデジタル蛍光画像を検索するように構成されており、少なくとも1つのデジタル蛍光画像は、蛍光体の蛍光スペクトルで第2のタイプの蛍光観察装置の画像記録システムによって記録された対象を表現し、さらに画像処理装置は、タイプエミュレーションモジュールを含んでおり、このタイプエミュレーションモジュールは、第1のタイプの蛍光観察装置の画像記録システムを代理するものであり、画像プロセッサは、タイプエミュレーションモジュールを、少なくとも1つのデジタル蛍光画像に適用し、少なくとも1つのデジタル蛍光画像へのタイプエミュレーションモジュールの適用からデジタルエミュレート蛍光出力画像を計算するように構成されており、さらに画像処理装置は、デジタルエミュレート出力画像を出力するように構成されている。
【0005】
さらに、本発明は、蛍光観察装置、特に蛍光顕微鏡または蛍光内視鏡に関し、この蛍光観察装置は、画像記録システムと、画像処理装置と、少なくとも1つの表示装置と、を含んでおり、画像記録システムは、蛍光体の蛍光スペクトルで少なくとも1つのデジタル蛍光画像を記録するように構成されており、画像処理装置は、画像プロセッサを含んでおり、かつ画像記録システムから少なくとも1つのデジタル蛍光画像を受信するように構成されており、画像処理装置は、タイプエミュレーションモジュールを含んでおり、タイプエミュレーションモジュールは、異なるタイプの蛍光観察装置の異なる画像記録システムを代理するものであり、画像プロセッサは、タイプエミュレーションモジュールを、少なくとも1つのデジタル蛍光画像に適用し、少なくとも1つのデジタル蛍光画像へのタイプエミュレーションモジュールの適用から少なくとも1つのデジタルエミュレート蛍光出力画像を計算するように構成されており、少なくとも1つの表示装置は、少なくとも1つのデジタルエミュレート蛍光出力画像を表示するように構成されている。
【0006】
最後に、本発明は、第1のタイプの蛍光観察装置を第2のタイプの蛍光観察装置においてエミュレートするための方法に関し、この方法は、以下のステップ、すなわち、画像記録システムを使用して、蛍光体の蛍光スペクトルで第2のタイプの蛍光観察装置によって記録された対象を表現する少なくとも1つのデジタル蛍光画像を検索するステップ、少なくとも1つのデジタル蛍光画像からデジタルエミュレート出力画像を計算するステップ、表示またはさらなる処理のうちの少なくとも1つのために、デジタルエミュレート出力画像を出力するステップ、を含み、少なくとも1つのデジタルエミュレート出力画像を計算するステップは、第1のタイプの蛍光観察装置の画像記録システムを代理するタイプエミュレーションモジュールを少なくとも1つのデジタル蛍光画像に適用するステップを含む。
【0007】
タイプエミュレーションモジュールによって、第2のタイプの蛍光観察装置は、第1のタイプの蛍光観察装置が異なる画像記録システムを使用するにもかかわらず、この第1のタイプの蛍光観察装置によって形成される画像に対応するデジタルエミュレート出力画像を計算することができる。したがって、外科医は、第2のタイプの蛍光観察装置が例えばデジタル蛍光画像を記録するために異なる技術、特に異なるハードウェアを使用する場合であっても、自身が慣れているフォーマットで結果を表示することができる。
【0008】
タイプエミュレーションモジュールは、ASIC、CPU、FPGA、GPUおよび/またはベクトルプロセッサなどのハードウェアデバイスとして、ソフトウェアデバイス、例えば1つ以上のサブルーチンの形態でデジタル画像データに対して演算を行うように構成されているデジタルタイプエミュレーションモジュールとして、またはハードウェアデバイスおよびソフトウェアデバイスの両方の組み合わせとして実装することができる。
【0009】
以下では、本発明をさらに改善する付加的な特徴を説明する。個々の特徴を相互に独立して組み合わせることができ、また個々の特徴それぞれはそれ自体で有利である。個々の特徴を、本発明による画像処理装置、蛍光観察装置および方法に区別なく適用することができる。
【0010】
例えば、第2のタイプの蛍光観察装置によって記録された、白色光によって照明された対象を表現する少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像を検索し、タイプエミュレーションモジュールが適用された少なくとも1つのデジタル蛍光画像と、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像と、の組み合わせからデジタルエミュレート出力画像を計算するように、画像処理装置をさらに構成することができる。この実施形態においては、デジタル白色光カラー画像とデジタル蛍光画像とを組み合わせることで、対象の蛍光を発する特徴を、蛍光を発しない特徴を用いるコンテキストに組み込むことができる。これが行われない場合には、そのような蛍光を発しない特徴は、デジタル蛍光画像において見ることができない。
【0011】
さらに、タイプエミュレーションモジュールを少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像に適用し、タイプエミュレーションモジュールが適用された少なくとも1つのデジタル蛍光画像と、タイプエミュレーションモジュールが適用された少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像と、の組み合わせから、デジタルエミュレート出力画像を計算するように、画像プロセッサを構成することができる。これによって、2つの異なるタイプの蛍光観察装置によって記録されたデジタル白色光カラー画像に影響を及ぼす、画像記録システムにおける差分をエミュレートすることもできる。
【0012】
タイプエミュレーションモジュールによってエミュレートされる第1のタイプの画像記録システムは、蛍光体の蛍光を惹起させるために第1のタイプにおいて使用される蛍光励起光と、画像の背景を照明して、蛍光を発しないエリアを可視にするために使用される背景照明光と、カメラシステムに入射する光と、のうちの少なくとも1つをフィルタリングする光学フィルタシステムを含むことができる。さらに、画像記録システムは、異なるタイプのカメラを含むことができる。例えば、第1のタイプの画像記録システムは、単一のデジタルカラー画像において、特にRGBフォーマットで、背景照明および蛍光の両方を同時に捕捉するために単一のカラーカメラだけを使用することができる。第1のタイプの画像記録システムは、蛍光を生成するために第2のタイプとは異なる蛍光体を使用することもできる。
【0013】
第2のタイプの画像記録システムは、第1のタイプの画像記録システムの一部またはすべての構成要素を含むことができるが、それらの構成要素は、光のスペクトルに及ぼす影響に関して、2つのタイプ間で異なっている。例えば、第1のタイプの1つ以上の光源は、第2のタイプの対応する1つ以上の光源のスペクトルとは異なるスペクトルを有していてよい。第1のタイプの光学フィルタシステムは、第2のタイプの光学フィルタシステムのスペクトル特性とは異なるスペクトル特性、例えば異なる透過スペクトルを有していてよい。
【0014】
さらに、外科医が、タイプエミュレーションモジュールを適用した結果から得られる少なくとも1つのデジタルエミュレート出力画像と、タイプエミュレーションモジュールを適用しない結果から得られるデジタル出力画像とを切り替えることができる場合には有利である。タイプエミュレーションモジュールを適用する代わりに、第2のタイプの蛍光観察装置の異なる画像捕捉技術および/または画像処理技術を適用することもできる。このために、画像処理装置、すなわち換言すれば蛍光観察装置、または顕微鏡もしくは内視鏡は、少なくとも2つの異なる動作モードで選択的に動作するように構成することができ、異なる動作モードのうちの一方では、タイプエミュレーションモジュールの適用が禁止され、異なる動作モードのうちの他方では、異なるタイプの蛍光観察装置、特に異なる画像記録システムをエミュレートするために、タイプエミュレーションモジュールを適用することができる。代替的または累積的に、画像処理装置、蛍光観察装置、または顕微鏡もしくは内視鏡は、少なくとも2つの異なる動作モード間の切り替えを行うように構成することができ、2つの異なる動作モードそれぞれにおいて、異なるタイプエミュレーションモジュールが使用可能にされ、デジタル蛍光画像に対して演算が行われる。
【0015】
別の有利な実施形態においては、エミュレートされるべき画像記録システムにおいて使用される、またオプションとして第2のタイプにおいても使用される蛍光体は、吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルの両方が少なくとも部分的に可視光範囲内にある蛍光体である。
【0016】
特に、背景照明スペクトルは、少なくとも部分的に、蛍光体の吸収スペクトルに対応することができる。したがって、背景照明スペクトルは、蛍光体の蛍光を惹起させるために、また対象の蛍光を発しないエリアの背景照明として使用することができる。背景照明色は、特に、標準CIE1931 2°観測者などの標準観測者、または等色関数によって特徴付けられるような他の任意の標準観測者が使用される場合には、蛍光体の吸収スペクトルと同じ色であってよい。
【0017】
特別な実施形態においては、蛍光体が、5−ALA ppIXである。5−ALA ppIXは、青色光を吸収し、したがって、吸収スペクトルは青色であり、可視スペクトルにある。蛍光スペクトルは、ピンクがかった赤色であり、やはり可視スペクトルにある。
【0018】
吸収スペクトルが青色であり、また青色光による対象の照明によって蛍光が惹起される5−ALA ppIXが使用される場合には、少なくとも1つのデジタルエミュレート出力画像において背景照明を表現するために少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像の1つ以上の青色チャネルを選択することによって、第1のタイプの蛍光観察装置の青色背景照明をエミュレートすることができる。青色帯域が選択されることによって、または青色デジタル照明フィルタを適用することでデジタル白色光カラー画像の全体の色が調整されることによって、第1のタイプの蛍光観察装置において記録されたものとして、蛍光の背景が厳密にエミュレートされる。
【0019】
第2のタイプの蛍光観察装置が、マルチスペクトルカメラまたはハイパースペクトルカメラを使用する場合には、デジタル白色光カラー画像は、4つ以上の色チャネルを有することができる。一例では、デジタル白色光カラー画像および少なくとも1つのデジタル蛍光画像の両方は、単一のデジタルマルチスペクトルまたはハイパースペクトル画像の異なる色チャネルであってよい。そのような場合、色チャネルの数が異なるという点を除いて、手順はRGB画像に対する手順と同一である。デジタル白色光カラー画像およびデジタル蛍光画像は、単に、単一のデジタルマルチスペクトルまたはハイパースペクトル画像のサブセットである。
【0020】
別の実施形態によれば、第2のタイプの蛍光観察装置は、照明光を対象に向ける白色光照明源を使用して、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像を記録する。白色光照明源は、第2のタイプの蛍光観察装置の一部であってよい。照明源と対象との間に、照明フィルタを配置して、蛍光体の蛍光スペクトルにある蛍光波長および/または蛍光体の吸収スペクトルにある励起波長のうちの1つをブロックすることができる。蛍光波長および吸収波長に関する阻止帯域は、狭帯域であってよく、それによって照明は依然として白色光である。
【0021】
第2のタイプの蛍光観察装置は、蛍光励起光源を含むことができ、この蛍光励起光源は、白色光照明源とは別個のものであってもよいし、白色光照明源に含まれていてもよい。励起光源から対象に到達する励起光は、好適には、狭帯域である。蛍光励起フィルタを励起光源と対象との間に配置して、蛍光を惹起させるために使用される励起波長とは異なる波長をブロックすることができる。
【0022】
第2のタイプの蛍光観察装置は、さらに、デジタル白色光カラー画像を記録するためのカメラシステムと対象との間に配置された白色光記録フィルタを有することができる。白色光記録フィルタは、励起波長および蛍光波長のうちの少なくとも1つをブロックするか、または少なくとも減衰させる。少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像は、好適には、蛍光体の蛍光を惹起させるために使用される光および/または蛍光を発する蛍光体によって放射された光は記録しない。
【0023】
別の実施形態においては、第2のタイプの蛍光観察装置が、少なくとも1つのデジタル蛍光画像を記録するために使用されるカメラシステムと対象との間に光学蛍光記録フィルタを有することができる。蛍光記録フィルタは、少なくとも1つのデジタル蛍光画像および少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像を記録するために別個のカメラが使用される場合には、白色光記録フィルタと並行して使用することができる。蛍光記録フィルタは、蛍光波長のみを通過させて、他のすべての波長をブロックすることができる通過帯域を有することができる。したがって、第2のタイプの少なくとも1つのデジタル蛍光画像は、特に蛍光波長を有している照明が対象に到達する前にブロックされている場合には、蛍光のみを含む。そのような設定は、白色光にある対象の画像を、対象の蛍光から分離させることができ、またそれらの画像を相互に別個に処理することができる。
【0024】
同一の蛍光体が使用される場合であっても、画像記録システムの構造が異なること、また使用される照明スペクトルが異なることに起因して、第2のタイプの蛍光観察装置によって記録された情報は、第1のタイプの蛍光観察装置によって取得された情報とは異なる。第2のタイプのタイプエミュレーションモジュールは、第2のタイプの蛍光観察装置によって記録された情報を第1のタイプの蛍光観察装置によって記録された情報にマッピングすることができる情報を含んでいる。
【0025】
画像処理装置によって異なる動作モードの切り替えを実現するために、画像処理装置は、異なるタイプエミュレーションモジュールのライブラリを有することができ、各タイプエミュレーションモジュールは、異なるタイプの蛍光観察装置または異なるタイプの画像記録システムを代理するものである。例えば、異なるタイプの蛍光体と共に使用される第1のタイプの蛍光観察装置をエミュレートするために、異なるタイプエミュレーションモジュールを使用することができる。異なるタイプの蛍光観察装置において使用される異なる光源または照明スペクトルの作用をエミュレートするためにも、異なるタイプエミュレーションモジュールを使用することができる。
【0026】
1つの有利な実施形態によれば、タイプエミュレーションモジュールは、デジタル背景エミュレーションフィルタを含むことができ、このデジタル背景エミュレーションフィルタは、第1のタイプの蛍光観察装置の光源の照明スペクトル、光源と第1のタイプの蛍光観察装置の観察エリアとの間に位置する光学照明フィルタ、および第1のタイプの蛍光観察装置の観察エリアとカメラシステムの間に位置する光学記録フィルタのうちの少なくとも1つを代理するものである。デジタル背景エミュレーションフィルタによって、蛍光を発しない背景を、第1のタイプの蛍光観察装置によってレンダリングされたように、デジタルエミュレート出力画像においてレンダリングすることができる。
【0027】
デジタル背景エミュレーションフィルタは、好適には、専ら少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像に適用される。背景照明フィルタを使用して少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像をフィルタリングするように、画像プロセッサを構成することができる。
【0028】
デジタル背景エミュレーションフィルタは、第1のタイプの蛍光観察装置の蛍光励起スペクトルを表現する。このことは、第1のタイプの光源によって生成された蛍光励起スペクトルが蛍光を惹起させるため、またそれと同時に背景を照明するために使用される場合には、第2のタイプの蛍光観察装置において第1のタイプの蛍光観察装置をエミュレートするために特に有用である。フィルタリング後に、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像は、第1のタイプの蛍光観察装置において蛍光励起スペクトルによって照明されたような対象を表す。
【0029】
第1のタイプの蛍光観察装置は、観察される対象とカメラとの間に光学記録フィルタを含むことができる。記録フィルタは、好適には、蛍光体の蛍光スペクトルにある少なくとも1つの通過帯域および1つ以上の減衰帯域を有している。通過帯域によって、蛍光体の蛍光がカメラに到達することができる。1つ以上の減衰帯域によって、背景照明は少なくとも1つの通過帯域と比べて低減した強度でカメラに到達することができる。1つ以上の減衰帯域は、蛍光スペクトル外の波長を、蛍光スペクトルにおける蛍光の強度に等しい強度または明度まで減衰させる。したがって、光学記録フィルタを介して記録を行うカメラなどの観察装置にとって、背景照明および蛍光は同一の強度を有しているか、またはフィルタ装置が設計されている場合に比視感度が組み込まれていれば、理想的には同一の明度を有している。1つの実施形態においては、デジタル背景エミュレーションフィルタが、第1のタイプの蛍光観察装置の光学記録フィルタのフィルタ特性を表現することができる。代替的または累積的に、デジタル記録フィルタを、タイプエミュレーションモジュールまたはデジタル背景エミュレーションフィルタの一部として提供することができる。デジタル記録フィルタは、光学記録フィルタの伝達関数を表現する。
【0030】
1つの実施形態においては、第2のタイプの蛍光観察装置が、対象の少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像および少なくとも1つのデジタル蛍光画像を記録する。デジタル蛍光画像は、好適には、デジタルモノクロ画像であるが、しかしながらデジタルカラー画像であってもよい。つまり、デジタル蛍光画像は、それぞれが異なる色チャネルを表現する複数のデジタルモノクロ画像を含むことができる。
【0031】
特に、第2のタイプの蛍光観察装置は、好適には、蛍光励起スペクトルにある背景照明を有していない。その代わりに、第2のタイプの蛍光観察装置は、対象を自然色でレンダリングする白色光画像を提供することができる。1つの態様によれば、画像処理装置は、タイプエミュレーションモジュール、特にデジタル背景エミュレーションフィルタを少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像に適用することによって、第1のタイプの励起スペクトルにある背景照明をエミュレートする。
【0032】
蛍光体の吸収スペクトルまたは第1のタイプの蛍光観察装置の背景照明スペクトルが、デジタル白色光カラー画像の色空間の1つの色チャネルに対応する色を有している場合、第1のタイプの背景照明を表現するように、この色チャネルの色を選択することができる。例えば、デジタル白色光カラー画像がRGBカメラによって記録され、したがってRGB色空間で記録され、また蛍光体の蛍光吸収スペクトル、または第1のタイプの蛍光観察装置において蛍光を惹起させるために使用される蛍光励起スペクトルが緑色を有している場合、RGBデジタル白色光カラー画像の緑色チャネルを使用して、第1のタイプの背景照明で記録されたような対象を表現することができる。このことは、白色光カラー画像が、相互に独立して処理することができる異なる色チャネルを含む場合には特に有利である。単一の色チャネルを選択または抽出することによって、デジタル照明フィルタなどのデジタルフィルタを2つ以上の色チャネルに適用する場合よりも高速な処理速度が得られる。この場合、タイプエミュレーションモジュール、特に背景エミュレーションフィルタは、所定の閾値を超えると現れないか、または第1のタイプの背景照明に寄与しない、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像のそれらの色チャネルを除去するためのデジタルマスクを含むことができる。背景照明色が割り当てられる色帯域として、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像の利用可能な色チャネルのうちの1つまたはそれらのサブセットが使用される場合には、デジタル背景照明フィルタを使用して、この1つ以上の色チャネルの強度または明度を調整することができる。
【0033】
デジタル背景照明フィルタを少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像に適用するように、かつ/または少なくとも1つのデジタルエミュレート出力画像に含ませるために少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像の1つ以上の所定の色チャネルを選択するように、画像プロセッサを構成することができる。
【0034】
タイプエミュレーションモジュールは、異なるタイプの蛍光観察装置、画像記録システム、および/または特にそれらの光学コンポーネントを代理する異なるデジタル背景エミュレーションフィルタのライブラリを含むことができる。
【0035】
別の実施形態においては、デジタル背景エミュレーションフィルタが、第1のタイプの蛍光観察装置の光源のスペクトルを代理する1つ以上のデジタル光源フィルタ、光源と第1のタイプの蛍光観察装置の観察エリアとの間に位置する光学フィルタを代理する1つ以上のデジタル照明フィルタ、および第1のタイプの蛍光観察装置の観察エリアとカメラシステムとの間に位置する光学記録フィルタを代理する1つ以上のデジタル記録フィルタ、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0036】
少なくとも1つのデジタル光源フィルタ、少なくとも1つのデジタル照明フィルタおよび少なくとも1つのデジタル記録フィルタを含むリストから少なくとも2つを組み合わせることによって、例えばスペクトル領域で乗算することによって、デジタル背景エミュレーションフィルタを計算することができる。デジタル背景エミュレーションフィルタのモジュール式の設計によって、異なるタイプまたは異なるセットアップの蛍光観察装置を第2のタイプにおいて容易にエミュレートすることができる。デジタル背景エミュレーションフィルタ、デジタル光源フィルタ、デジタル照明フィルタおよび/またはデジタル記録フィルタを、例えば第2のタイプの蛍光観察装置のグラフィカルユーザインタフェースを介して、ユーザによって選択することができる。したがって、ユーザは、第2のタイプの観察装置においてエミュレートしようとしている第1のタイプの蛍光観察装置を、第2のタイプの蛍光観察装置におけるデジタル表現を選択することによって構成することができる。タイプエミュレーションモジュールは、異なるタイプの蛍光観察装置の切り替えを高速に行うために、グラフィカルユーザインタフェースを介して、ユーザによってライブラリから選択することもできる。
【0037】
別の実施形態においては、タイプエミュレーションモジュールが、デジタル蛍光エミュレーションフィルタを含んでおり、このデジタル蛍光エミュレーションフィルタは、蛍光体の蛍光スペクトル、および第1のタイプのカメラシステムと第1のタイプの観察エリアとの間に位置する光学記録フィルタのうちの少なくとも1つを代理するものである。デジタル蛍光エミュレーションフィルタは、第1のタイプの蛍光観察装置によって記録された蛍光スペクトルをエミュレートするために使用される。デジタル蛍光エミュレーションフィルタは、好適には、専ら少なくとも1つのデジタル蛍光画像に適用される。デジタル蛍光エミュレーションフィルタを少なくとも1つのデジタル蛍光画像に適用するように、画像プロセッサを構成することができる。
【0038】
デジタル蛍光エミュレーションフィルタのモジュール式の設計は好ましいと考えられる。そのような設計においては、デジタル蛍光エミュレーションフィルタは、蛍光体の蛍光スペクトルを代理するものである1つ以上のデジタル蛍光放射フィルタ、およびカメラシステムと第1のタイプの蛍光観察装置の観察エリアとの間に位置する光学記録フィルタを代理するものである1つ以上のデジタル記録フィルタのうちの少なくとも1つを含むことができる。特に、デジタル記録フィルタによってエミュレートされる光学記録フィルタは、蛍光体の蛍光スペクトル内にあるか、またはデジタル蛍光フィルタの通過帯域と重畳する通過帯域を有することができる。デジタル記録フィルタは、デジタル背景エミュレーションフィルタであり、デジタル蛍光エミュレーションフィルタも同様であってよい。
【0039】
タイプエミュレーションフィルタは、異なるタイプの蛍光観察装置、光学記録フィルタおよび/または蛍光体を代理するデジタル蛍光エミュレーションフィルタのライブラリを含むことができる。ここでもまた、そのようなライブラリによって、異なるタイプの蛍光観察装置を選択して、第2のタイプの蛍光観察装置においてエミュレーションを行うことができる。
【0040】
第1のタイプの蛍光観察装置および第2のタイプの蛍光観察装置は、一方では少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像によって第2のタイプにおいて表現される、蛍光を発しない背景、他方では少なくとも1つのデジタル蛍光画像によって第2のタイプにおいて表現される、画像の蛍光を発するセクションの相対的な強度、または比視感度が考慮される場合には相対的な明度に関して異なっていてもよい。第2のタイプの蛍光観察装置において、背景および蛍光の相対的な強度、または相対的な明度を調整して、第1のタイプの蛍光観察装置に対応させるために、タイプエミュレーションモジュールは、デジタル白色光入力画像の平均強度または平均明度、および相互に相対的なデジタル蛍光入力画像の平均強度または平均明度のうちの少なくとも1つを調整して、例えば所定の比率を取得するデジタル減衰フィルタを含むことができる。好適には、平均強度または平均明度は、少なくとも1つのデジタル背景エミュレーションフィルタおよびデジタル蛍光エミュレーションフィルタの適用後に調整される。少なくとも1つのデジタル蛍光入力画像および少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像の強度または明度は、好適には、平均強度を計算することによって求められる。平均強度または平均明度は、画像全体にわたる算術平均または幾何平均を使用して計算することができる。明度は、標準CIE1931 2°などの比視感度を使用して強度から計算することができる。
【0041】
デジタル蛍光フィルタおよびデジタル記録フィルタから、例えばスペクトル領域で乗算することによって、デジタル蛍光エミュレーションフィルタを計算するように、画像プロセッサを構成することができる。
【0042】
画像処理装置または画像プロセッサは、グラフィカルユーザインタフェースを含むことができ、このグラフィカルユーザインタフェースによって、ユーザは異なるデジタル蛍光エミュレーションフィルタ、デジタル蛍光放射フィルタおよび/またはデジタル記録フィルタ間での選択を行うことができる。
【0043】
第1のタイプの蛍光観察装置から第2のタイプの蛍光観察装置への技術の切り替えを容易にするために、また教練を目的として、別の実施形態においては、好適には、第2のタイプの蛍光観察装置を使用して生成された、すなわちタイプエミュレーションモジュールを使用せずに生成されたデジタルカラー出力画像と、第1のタイプの蛍光観察装置によって生成された、すなわちタイプエミュレーションモジュールを使用して生成されたデジタルカラー出力画像との差分が計算される。好適には、第2のタイプの蛍光観察装置の動作の1つの動作モードにおいて、差分がデジタル差分画像にマーキングされる。
【0044】
デジタル差分画像は、好適には、カラー画像であり、デジタルエミュレート出力画像および/または少なくとも1つのデジタル蛍光画像から計算される。差分の視覚的なマーキングによって、外科医の注意を蛍光エリアに向けることができ、この蛍光領域は、そうでない場合には、第1のタイプによって生成された画像において可視になっていないので、デジタルエミュレート出力画像に表示されない。そのようなマーキングを生成するために、パターン生成器をデジタル画像処理装置に、特にタイプエミュレーションモジュールに設けて、デジタル差分画像にデジタル画像パターンを生成することができる。パターン生成器は、さらに、疑似色の少なくとも1つの表現を含むことができ、また疑似色を少なくとも1つのパターンに割り当てるようにパターン生成器を適合させることができる。
【0045】
デジタル差分画像の1つの態様によれば、タイプエミュレーションモジュールを使用して計算されたような少なくとも1つのデジタルエミュレート出力画像がタイプエミュレーションモジュールを使用せずに計算された少なくとも1つのデジタルエミュレート出力画像とは異なるエリアに、デジタル画像パターンを生成することができる。
【0046】
別の態様によれば、デジタル蛍光抽出フィルタを設けることができる。デジタル蛍光抽出フィルタは、第1のタイプにおいて記録されるような少なくとも1つの蛍光体の蛍光を抽出するように構成されている。デジタル蛍光抽出フィルタは、デジタル蛍光エミュレーションフィルタに対応することができる。デジタル蛍光画像へのデジタル蛍光抽出フィルタの適用によって、デジタル差分画像を直接的に得ることができる。デジタル蛍光画像のフィルタリングは、特に少なくとも1つのデジタル蛍光画像がモノクロ画像であるか、または一般的にデジタルエミュレート出力画像よりも少ない色チャネルを含んでいるならば、デジタルエミュレート出力画像をフィルタリングする場合よりも計算コストに関して効率的である。
【0047】
画像プロセッサは、この差分を計算し、差分が所定の閾値を超えるエリアにデジタル画像パターンを割り当てるように構成することができる。好適には、エリアは調整可能な最小サイズ、例えば5×5ピクセルを有している。パターンは、一時的にかつ/または空間的に変化することができるか、または(一定の)疑似色のフィールドを含むことができる。別の実施形態においては、ユーザによって選択することができるか、または蛍光エミュレーションフィルタのスペクトルに対応するように選択されている蛍光疑似色を割り当てるように、パターン生成器を適合させることができる。
【0048】
空間的に変化するパターンは、例えばハッチングされたパターンであってよい。一時的に変化するパターンは、動画として表示されるパターン、例えば点滅するパターンであってよく、これは後に生成されるデジタル差分出力画像においてイネーブルまたはディスエーブルされる。
【0049】
特に、欧州特許出願公開第3205254号明細書に開示されているアルゴリズムを使用して、処理された状態または処理されていない状態にある少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像と、やはり処理された状態または処理されていない状態にある少なくとも1つのデジタル蛍光画像とをマージすることによって、デジタルエミュレート出力画像またはデジタル差分画像を計算するように、画像プロセッサを適合させることができる。代替的に、少なくとも1つのデジタル蛍光画像がまだグレースケールカラー画像のフォーマットにない場合には、その少なくとも1つのデジタル蛍光画像をグレースケール画像に変換することができる。続いて、デジタル蛍光エミュレーションフィルタは、例えば画像プロセッサによって適用されて、グレースケールカラー画像を、蛍光体の蛍光スペクトルを表現するカラー画像に変換することができる。
【0050】
本発明は、さらに、上述の実施形態のうちのいずれかにおける画像処理装置を含んでいる、第2のタイプの蛍光観察装置に関する。蛍光観察装置は、特に、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像および少なくとも1つのデジタル蛍光画像を好適には同時に記録するように構成されているカメラシステムを含むことができる。蛍光観察装置は、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像および少なくとも1つのデジタル蛍光画像を記録するための別個の複数のカメラを含むことができるか、または4つ以上の色チャネルで少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像および少なくとも1つのデジタル蛍光画像を記録するためのマルチスペクトルまたはハイパースペクトルカメラなどの単一のカメラを含むことができる。別個のカメラが使用される場合、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像を捕捉するために、RGBカメラを蛍光観察装置に含ませることができる。少なくとも1つのデジタル蛍光画像を捕捉するために、別個のモノクロカメラ、IRカメラ、NIRカメラまたはRGBカメラを使用することができる。上記において説明したような白色光および蛍光記録フィルタなどのフィルタシステムを含ませることができる。
【0051】
別個のカメラが使用される場合には、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像と少なくとも1つのデジタル蛍光画像とを空間的に整合させ、それによって、少なくとも1つのデジタル白色光カラー画像と、好適には同時に記録された少なくとも1つのデジタル蛍光画像との両方において、同一の特徴が同一の位置にあり、かつ同一の形状を有するように、画像プロセッサを構成することができる。
【0052】
最後に、本発明は、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム製品、および/またはコンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体にも関し、コンピュータプログラムは、蛍光観察装置、または蛍光顕微鏡もしくは蛍光内視鏡におけるコンピュータに、上記において説明した実施形態のうちのいずれかにおける方法を実行させる。