(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得された風速に基づいて前記UAVの前記1つ又は複数の構成要素を制御し、前記漂流飛散を少なくとも軽減させるステップは、前記漂流飛散が閾値を超えたとの特定に応答して、前記取得された風速に基づいて前記UAVの前記1つ又は複数の構成要素を制御して、前記漂流飛散を少なくとも軽減させるステップを含む、請求項1に記載の空中散布方法。
前記風速を取得するステップは、UAVの状態、UAV推進システムの状態、ユーザが入力するパラメータ、又は風力計の測定のうちの少なくとも1つに基づいて前記風速を特定するステップを含む、請求項1に記載の空中散布方法。
前記UAVの前記1つ又は複数の構成要素を制御するステップは、UAV推進システムを制御して、前記UAVの直線移動を引き起こすステップを含み、前記移動は前記取得された風速に少なくとも部分的に対抗する、請求項1に記載の空中散布方法。
前記UAV推進システムを制御するステップは、少なくとも回転翼の速さを制御して、少なくとも前記UAVの高度又は水平位置の変化を生じさせるステップを含む、請求項11に記載の空中散布方法。
前記UAVの前記1つ又は複数の構成要素を制御するステップは、ノズルシステムを制御して、前記UAVに対する少なくとも1つのノズルの直線移動を引き起こすステップを含み、前記移動は前記取得された風速に少なくとも部分的に対抗する、請求項1に記載の空中散布方法。
前記ノズルシステムを制御するステップは、前記少なくとも1つのノズルを伸展させるステップ又は引っ込めるステップの少なくとも一方を含む、請求項13に記載の空中散布方法。
前記UAVの前記1つ又は複数の構成要素を制御するステップは、UAV推進システムを制御して、前記UAVのピッチ、ロール、又はヨー角のうちの少なくとも1つにおける角移動を引き起こすステップを含み、前記移動は前記取得された風速に少なくとも部分的に対抗する、請求項1に記載の空中散布方法。
前記UAVの前記1つ又は複数の構成要素を制御するステップは、ノズルシステムを制御して、前記UAVに対する少なくとも1つのノズルの散布方向を変化させるステップを含み、前記散布方向の前記変化は、前記取得された風速に少なくとも部分的に対抗する、請求項1に記載の空中散布方法。
前記ノズルシステムを制御するステップは、前記UAVに対する前記少なくとも1つのノズルのピッチ、ロール、又はヨー角のうちの少なくとも1つを制御するステップを含む、請求項17に記載の空中散布方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、例示的実施形態を詳しく参照することとし、その例は添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面に関しており、異なる図面の同じ番号は、特に別段の断りがない限り、同じ又は同様の要素を表す。簡潔にするために、異なる実施形態において、その構成要素を指すために異なる参照番号が使用されることもあるが、1つの実施形態中の構成要素の説明は異なる実施形態中の同じ又は同様の構成要素にも適用可能であることもある。本発明と矛盾しない例示的実施形態の以下の説明の中に示される実装例は、本発明と矛盾しないすべての実装例を表しているとは限らない。その代わりに、これらは単に本発明に関する態様と矛盾しないシステム及び方法の例にすぎない。
【0011】
UAV技術は、空中散布等の重要で有効な農業又はその他同様の用途のための解決策を提供する。UAVは、栄養剤、肥料、種子、殺虫剤、除草剤、消火剤等、空中から噴霧する必要のある様々な固体(例えば、粉末、粒子等)及び/又は液体を運ぶことができる。UAVは、固定翼UAV、回転翼UAV等であってよい。回転翼UAVとしては、ヘリコプタ又はマルチロータリUAVが含まれていてもよい。マルチロータリUAVは、2ロータ、3ロータ、4ロータ、6ロータ等、様々なタイプの回転翼を有することができる。UAVのノズルは、飛行中に物質を散布してよい。例えば、液体物質は大きさが限定される穴から噴射又は散布されてよい。
【0012】
風は、このような作業に大きな問題を生じさせる。散布される物質は、重力によって地上に向かって落ちる際、風力も受ける。風によって、物質は計画された場所より風下に着地する。作物がよりよく吸収できるようにするために、散布物質は通常、限定された単位大きさ/質量内で散布されなければならず、それが風による漂流飛散を増大させる。
【0013】
漂流飛散は、空中散布にとって逆効果であり、環境への脅威となる可能性がある。例えば、風上の作物の中には、まったくではないにしても、十分な噴霧を受けないものもあることもある。さらに、ほとんどの噴霧(例えば、殺虫剤、除草剤、肥料等)の化学的性質から、漂流飛散は、農作物の隣の池等、予期せず噴霧されたエリアに重大な生態学的なダメージを与えることもある。
【0014】
空中散布に対するこのような漂流飛散の影響が
図1A及び1Bに示されている。
図1Aを参照すると、航空機101は地表103の上空を飛行している。航空機101は、空中から物質を散布するように構成されたノズル102を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、航空機101は、風に応答して空中で様々な姿勢をとることもある。例えば、航空機101は無風時には実線の姿勢で飛行するように構成されていてもよい。他の例では、航空機101は、左から風が吹いているとき、破線の姿勢で飛行するように構成されていてもよく、これは、そのような姿勢によって風力に対抗する駆動力が生成されるからである。姿勢の状態について、
図2A及び2Bに関して以下に詳しく説明する。とられている姿勢にかかわらず、無風時に、航空機101が地表103の上方の特定の高度でホバリングし、物質の散布を開始すると、散布物質は重力によって地表に向かって落下し、図中、「計画散布場所(無風)」と表示された場所104aに着地する。破線領域104bは、無風時に空中で散布物質が移動する例示的な量を示している。しかしながら、風が吹くと、散布物質は当初の軌道から漂流しやすくなり、図中、「風による漂流飛散」と表示された場所105aに着地する。実線領域105bは、風があるときに散布物質が通過することもある例示的な空間体積を示す。
図1Aに示されるように、散布物質の漂流飛散は、その着地場所を当初の着地場所105aから風下へと実質的にシフトさせる可能性がある。当初の着地場所は、散布物質の目標着地場所である。
【0015】
図1Bは、風のある状態とない状態とで上から見た散布物質の着地位置を比較している。この例では、航空機は、殺虫剤を散布しながら耕作地を移動した。計画噴霧エリアは破線領域106である。しかしながら、上述の風により、着地場所は実線領域107へと風下に漂流飛散する。結果として、計画噴霧エリアは、破線領域106の左側の一部の操業エリアは予定された殺虫剤を受けず、その一方で、一部の非操業エリアは予期せず殺虫剤を受ける。特に、漂流飛散して池108に着地した殺虫剤の一部は池の環境にダメージを与える可能性がある。
【0016】
幾つかの既存の方法は、ノズルをより大きい穴を有するものに取り換えて、より重い液滴を散布することによって、又は空中散布を風が静まるときまで予定変更することによって、風による漂流飛散を緩和しようとする。しかしながら、ある液体(例えば、殺虫剤)の散布には、有効に吸収させ、植物の葉焼けを防止するために、液滴の大きさを限定することが必要となる。それゆえ、1つ目の方法は多くの用途にとって現実的ではない。さらに、2つ目の方法は、空中農業に関して上述した根本的な欠点を修復できない。重要な時期に散布を行わないと、作物収量が減少する傾向がある。
【0017】
本明細書で開示する各種の実施例では、漂流飛散の問題は、風速を取得し、取得された風速に基づいてノズルの空間配置を変化させ、そのようにして散布物質の着地場所を計画スポットに合わせることによって軽減又は修復できる。風速は様々な方法を通じて取得されてよく、例えば、UAVの状態(例えば、UAV上の慣性計測ユニットにより計測されるUAVの空間配置、すなわち6自由度のUAVの位置と姿勢等)、UAV推進システムの状態(例えば、UAV回転翼を作動させるモータのパワー、UAV回転翼の回転速度等)、ユーザが入力するパラメータ(例えば、UAVに直接又は間接に入力するユーザ定義パラメータ)、風力計(例えば、UAVに搭載された、又はUAVの外部の風速を測定する機器等)に基づいて風速を特定する。さらに、空間配置は、6自由度(例えば、x、y、及びz位置とピッチ、ロール、及びヨー角)を含む。
【0018】
ノズルの空間配置変更を実現するために、UAV及び/又はノズルが制御されてよい。各種のUAV構成要素(例えば、機械的構成要素、電気的構成要素、電子的構成要素等)は、UAV及び/又はノズルの制御を実行するために作動されてよい。例えば、UAVは、3D空間(例えば、3D又は代替的な座標系内の実際の環境又は生活空間)に関するその空間配置を変更するように制御されてよい。別の例では、ノズルは3D空間に関するその空間配置を変更するように制御されてもよい。さらにまた別の例では、ノズルはUAVに対するその空間配置を変更するように制御されてもよい。当業者であれば、開示された方法の1つ又は複数を改変し、及び/又は組み合わせて同様の結果を実現することを認識するであろう。幾つかの実施形態において、ノズルの空間配置の変更を実現するために、UAVの飛行経路は取得された風に基づいて変更されてよい。例えば、再び
図1Bを参照すると、飛行経路を左へとシフトさせると、散布物質が領域107ではなく領域106に着地することになることもある。
【0019】
幾つかの実施形態において、開示されている方法は空中散布システムにより実行されてよい。このシステムは、コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読メモリと、1つ又は複数のプロセッサと、を含んでいてもよい。1つ又は複数のプロセッサは、個別に、又はまとめて、メモリにアクセスし、コンピュータ実行可能命令を実行して開示された方法を実行するように構成されていてもよい。例えば、システムは、UAV、コントローラ、及び/又は他の機器を含んでいてもよい。メモリとプロセッサは、そのような機器の1つ又は複数に一緒に、又は別々に配置されてもよい。
【0020】
幾つかの実施形態において、開示されている方法は空中散布装置により実行されてよい。この装置は、UAV、モバイル機器(例えば、携帯電話、ウェアラブルデバイス等)、コントローラ(例えば、UAVのリモートコントローラ、UAVのドック等)、コンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ)、サーバ等として実装されてもよい。開示されている方法は、動的にも(例えば、リアルタイムフィードバックが行われる)、静的にも(例えば、所定のプログラムに従う)実行されてよい。例えば、UAVは、散布物質がその当初の計画場所に着地するように、その空間配置を能動的にも(例えば、UAVの1つ又は複数の構成要素による動作を決定する)、受動的にも(例えば、コントローラにより制御される)変更してよい。空間配置の変更は、UAVの飛行経路、高度、及び/又は姿勢、UAVノズルの構成、姿勢、及び/又は位置等の変更として示されてもよい。
【0021】
そのため、耕作地が十分な噴霧を受け、噴霧事故が少なくとも減少するため、農業効率が向上する可能性がある。さらに、空中散布は風の条件の影響を受けなくなり、これらの条件に対抗するように能動的に自己調整できる。さらに、ノズルサイズ変更は不要であり、空中散布を計画された時期に実行できる。
【0022】
図2Aは、本開示の例示的実施形態による空中散布用システム200を示すブロック図である。システム200は、本明細書において開示されているシステム、機器、及び方法の何れの適当な実施形態とも使用できる。システム200は、可動物体210及びネットワーク230を通じて連結される端末機器220、及び/又はリムーバブルメモリデバイス240を含んでいてもよい。システム200の構成要素の1つ又は複数は任意選択であってもよい。幾つかの実施形態において、システム200は、
図2Aに示されるものより多くの構成要素を含んでいてもよい。しかしながら、例示的な実施形態を開示するために、これらの実施形態のすべてが示されるとは限らない。例えば、可動物体210は、単独で、又は他のシステム若しくは機器(例えば、端末機器220)と組み合わせて、本明細書において開示されている空中散布方法を実行してもよい。
【0023】
ネットワーク230は、可動物体210と端末機器220との間のデータ及び信号伝送を可能にするワイヤ/ケーブル又は無線接続(例えば、ワイヤ、無線、Bluetooth(登録商標)、クラウド接続、4G/LTE、WiFi等)であってよい。ネットワーク230はまた、信号及びデータを記憶又は中継するように構成されたクラウドコンピュータ又はサーバ等のネットワークデバイスも含んでいてよい。ネットワーク230の代わりに、データ、ファイル、及び/又は命令は、リムーバブルメモリデバイス240(例えば、セキュアデジタル(SD)カード、USBドライブ等)を通じて伝送又は交換されてもよい。
【0024】
ここでは可動物体210を概説し、その構成要素と機能の詳細な説明は、
図2Bに関して以下に示す。可動物体(例えば、固定翼機、回転翼機、又は固定翼も回転翼も持たない航空機)は、空中等、何れの適当な環境で移動するように構成されてもよい。
【0025】
可動物体は、環境内で6自由度(例えば、並進3自由度及び回転3自由度)に関して自由に移動できてもよい。或いは、可動物体の移動は、1つ又は複数の自由度に関して、例えば所定の経路、軌道、又は方位によって制約してもよい。移動は、例えばエンジン又はモータ等、何れの適当な作動機構によっても作動させることができる。可動物体の作動機構は、電気エネルギー、磁気エネルギー、太陽エネルギー、風エネルギー、重力エネルギー、化学的エネルギー、核エネルギー、又はこれらのあらゆる適当な組み合わせ等の、何れの適当なエネルギー源によっても動力供給してもよい。可動物体は、本明細書の別の箇所で説明されているように、推進システムを介した自走式であってもよい。推進システムは任意選択により、エネルギー源、例えば電気エネルギー、磁気エネルギー、太陽エネルギー、風エネルギー、重力エネルギー、化学的エネルギー、核エネルギー、又はこれらのあらゆる適当な組み合わせにより動作してもよい。
【0026】
幾つかの例において、可動物体は車両であってもよい。適当な車両としては、水上、水中車両、航空車両、宇宙車両又は地上、地下車両が含まれていてもよい。例えば、航空車両は、固定翼航空機(例えば、飛行機、グライダ)、回転翼航空機(例えば、ヘリコプタ、ロータクラフト)、固定翼と回転翼の両方を有する航空機、又は何れも持たない航空機(例えば、飛行船、熱気球)であってもよい。
【0027】
車両は自走式であってもよく、例えば、空中、水上又は水中、宇宙空間、又は地上若しくは地下での自走式であってもよい。自走式車両は、推進システム、例えば1つ又は複数のエンジン、モータ、車輪、アクスル、磁石、ロータ、プロペラ、ブレード、ノズル、若しくはこれらのあらゆる適当な組み合わせ等の推進システムを利用してもよい。幾つかの例において、推進システムは、可動物体が離陸し、着陸し、その現在の位置及び/又は方位を保持し(ホバリング等)、向きを変え、及び/又は位置を変えることができるようにするために使用してもよい。
【0028】
可動物体は、ユーザにより遠隔的に制御されてもよい。例えば、可動物体は、制御端末及び/又はモニタ端末(例えば、端末機器220)を利用して制御されてもよい。ユーザは、制御端末及び/又はモニタ端末を使って可動物体を制御する間に、可動物体から離れていても、又は可動物体の上若しくは中にいてもよい。可動物体はUAVであってもよい。無人可動物体は、可動物体上に乗員がいないこともある。可動物体は、人間による、又は自律制御システム(例えば、コンピュータ制御システム)、又はそれらのあらゆる適当な組み合わせによって制御してもよい。可動物体は、自律的、又は半自律的ロボット、例えば人工知能を有するように構成されたロボットであってもよい。
【0029】
可動物体は、何れの適当な大きさ及び/又は寸法を有してもよい。幾つかの実施形態において、可動物体は、車両内又はその上に人間の乗員がいるような大きさ及び/又は寸法であってもよい。或いは、可動物体は、車両内又はその上に人間の乗員が乗ることができるものより小さい大きさ及び/又は寸法であってもよい。可動物体は、人が持ち上げ、又は搬送するのに適した大きさ及び/又は寸法であってもよい。或いは、可動物体は、人が持ち上げ、又は搬送するのに適した大きさ及び/又は寸法より大きくてもよい。
【0030】
端末機器220は様々な機器(例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、可動物体210のコントローラ、仮想現実ヘルメット、シミュレータ、スマートグラス、ウェアラブルデバイス等)として実装されてよい。その構成要素と機能の詳細な説明は、
図2Cを参照しながら以下に提供する。
【0031】
図2Bは、本開示の例示的実施形態による、空中散布のための可動物体210として実装されたシステムを示すブロック図である。可動物体210は、処理ユニット201と、記憶ユニット202と、感知ユニット203と、通信ユニット204と、電源ユニット205と、推進システム206と、ノズルシステム207と、積載物208と、を含んでいてもよく、そのすべてがフレーム290(例えば、UAVのエアフレーム)に取り付けられるか、連結され、1つ又は複数のチャネルを通じて相互に動作的に連結されてもよい。例えば、電源ユニット205は、電源チャネルを通じて推進システムに連結されていてもよく、積載物208は、散布物質を保持するように構成された容器を含んでいてもよく、容器は機械的チャネルを通じてノズルシステム207に連結され(例えば、ポンプと配管チャネルは散布物質を積載物からノズルへと搬送してもよい)、処理ユニット201は通信バスを通じて記憶ユニット202に連結されてもよい。幾つかの実施形態において、積載物208は、カメラ等の他の搭載物を含んでいてもよい。可動物体210の構成要素の1つ又は複数は任意選択によってもよい。可動物体210は、1つ又は複数の同様の構成要素、例えば1つ又は複数の推進システム206、1つ又は複数のノズルシステム207等を含むことができる。幾つかの実施形態において、可動物体210は、
図2Bに示されるものより多くの構成要素を含んでいてもよい。しかしながら、例示的実施形態を開示するために、必ずしもこれらの構成要素のすべてが示されていなくてもよい。例えば、処理ユニット201は、単独で、又は他のユニット若しくは機器(例えば、推進システム206)と組み合わせて、本明細書において開示されている空中散布方法を実行してもよい。
【0032】
処理ユニット201は、1つ又は複数のプロセッサ、例えばプログラマブルプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途集積回路(ASIC)等)を有していてもよい。記憶ユニット202は、本明細書において開示されている1つ又は複数の方法を実行するために処理ユニット201により実行可能なロジック、コード、及び/又は命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であってもよい。各種の実施形態において、記憶ユニット202は、半導体、磁気、光、又は他のあらゆる適当な技術に基づいていてもよい。記憶ユニット202は、1つ又は複数のメモリユニット(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、USBドライブ、メモリカード、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピディスク、光ディスク、磁気テープ、SDカード等)を含むことができる。幾つかの実施形態において、感知ユニット203からのデータは、記憶ユニット202のメモリユニットに直接搬送され、その中に記憶されることができる。記憶ユニット202のメモリユニットは、本明細書に記載されている方法の何れかの適当な実施形態を実行するために処理ユニット201により実行可能なロジック、コード、及び/又は命令を記憶できる。例えば、処理ユニット201は、風による漂流飛散を少なくとも軽減させるための開示されている空中飛散方法を実行するために構成されてよい。メモリユニットは、処理ユニット201により処理されることになるデータを記憶できる。幾つかの実施形態において、記憶ユニット202のメモリユニットは、処理ユニット201により生成される処理結果を記憶するために使用できる。幾つかの実施形態において、処理ユニット201及び/又は記憶ユニット202は、可動物体210の1つ又は複数の構成要素を制御するように構成された1つ又は複数のコントローラとして実装されてもよい。例えば、UAVは、相互に連結された1つ又は複数のコントローラ、推進システム、及びノズルシステムを含んでいてもよく、(例えば、1つ又は複数のノズルシステムを通じて)空中から物質を散布してもよい。1つ又は複数のコントローラは、風速に基づいて推進システム又はノズルシステムの少なくとも一方を制御して、風による物質の漂流飛散を少なくとも軽減させるように構成されてもよい。
【0033】
感知ユニット203は、航空機及び環境に関する情報を異なる方法で収集する異なる種類のセンサを利用するように構成されてもよい。異なる種類のセンサは、異なる種類の信号又は異なる発生源からの信号を感知してよい。例えば、感知ユニット203は、慣性計測ユニット(IMU)213を含むことができる。IMU213は、可動物体210の空間配置(例えば、x−y−z位置、ピッチ角、ロール角、ヨー角等)及び/又は空間配置の変化を検出するように構成されてもよい。代替的に、感知ユニット203は1つ又は複数のその他のセンサ(例えば、レーダ、ライダ、超音波センサ、赤外線センサ等)、ジャイロスコープ、加速度計、GPS(全地球測位システム)センサ、磁力計、及び/又はイメージセンサ(例えば、カメラ等)を含んでいてもよい。例えば、感知ユニット203は地表に対する可動物体の高度を継続して追跡するためのレーダを含んでいてもよい。幾つかの実装のために、可動物体は、散布幅を一定に保つために一定の高度で飛行する必要があることもある。他の例として、感知ユニット203は、風速を測定するように構成された風力計223(代替的に、アネモメータ、風向計、風速計とも呼ばれる)を含むことができる。
【0034】
通信ユニット204は、適当な外部機器又はシステム(例えば、端末機器220、表示装置、リモートコントローラ等)とデータ(例えば、感知データ、動作命令等)を送受信するように構成されてもよい。有線通信又は無線通信等、何れの適当な通信手段も使用できる。例えば、通信ユニット204は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、無線、Wi−Fi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信、その他のうちの1つ又は複数を利用できる。任意選択により、塔、衛星、又は移動局等の中継局を使用できる。無線通信は、近接型とも非近接型ともすることができる。幾つかの実施形態において、通信にLOS(line−of−sight)が要求されても、されなくてもよい。通信ユニット204は、感知ユニット203からの感知データ、処理ユニット201により生成される処理結果、特定された制御データ、端末又はリモートコントローラからのユーザコマンド、その他のうちの1つ又は複数を送受信できる。
【0035】
通信ユニット204は、有線通信用コネクタ、無線送信機及び受信機、及び/又は無線通信のための無線トランシーバを含んでいてもよい。通信は、制御信号及び/データを含んでいてもよい。コネクタ、送信機/受信機、又はトランシーバは、可動物体210と各種の機器との間の双方向通信用に構成されてもよい。例えば、コネクタ、送信機/受信機、又はトランシーバは、可動物体210又はその他の機器との動作信号及び/又はデータの送受信を行ってよい。
【0036】
電源ユニット205は、様々な作業を支援するために、可動物体210の1つ又は複数の構成要素に電源を供給するように構成されてもよい。電源ユニット205は、通常のバッテリ(例えば、リチウムイオンバッテリ)、無線充電可能なバッテリ、及びソーラパネル充電バッテリ(例えば、可動物体上に設置された軽量ソーラパネルに取り付けられたバッテリ)を含んでいてもよい。
【0037】
推進システム206は可動物体210の1つ又は複数の構成要素を制御して、可動物体210の空間配置の変化を実現するように構成されてもよい。例えば、推進システム206は、可動物体を空中の何れの方向にも駆動するように構成された回転翼216とモータ226を含んでいてもよい。推進システム206は、可動物体の6自由度に対する空間配置(例えば、ピッチ角、ロール角、ヨー角等)、速度、及び/又は加速度を調整するように構成できる。回転翼216の1つ又は複数のパラメータ、例えば回転方向と速さは、空間配置の変化を実現するために推進機構によって作動されてもよい。代替的に、又はそれと組み合わせて、推進システム206は可動物体210の支持機構又は搭載物を制御できる。幾つかの実施形態において、可動物体が物質散布ノズルを含み、ノズルが可動物体に関して静止している場合、可動物体の空間変化は3D空間に対するノズルの空間変化に有効に移行できる。
【0038】
ある例示的な可動物体210はUAVである。UAVは、1つ又は複数の回転翼を有する推進システムを含んでいてもよい。幾つの回転翼が提供されてもよい(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上)。無人機の回転翼、回転翼アセンブリ、又はその他の推進システムにより、無人機はホバリング/停空し、向きを変え、及び/又は位置を変えることができる。反対側の回転翼のシャフト間の距離は、何れの適当な長さであってもよい。UAVの本明細書中の何れの説明は可動物体等に適用されてもよく、異なるタイプの可動物体等に適用されてもよい。
【0039】
ノズルシステム207は、1つ又は複数のノズル217の空間配置の変化を実現するように構成された1つ又は複数のアクチュエータ227を含んでいてよい。例えば、アクチュエータ227は、ノズル217を(例えば、チューブの伸縮継手を作動させることによって)伸展させ、又は引っ込めてよい。他の例として、アクチュエータ227は、ノズル217を制御して、6自由度に関して、(例えば、ノズルに取り付けられた伸縮自在の、又はそれ以外の伸展可能なロッドを作動させる、及び/又はノズルに取り付けられたローテータバルブ又はその他の回転可能機構を作動させることによって)空間配置(例えば、x−y−z位置、ピッチ角、ロール角、ヨー角等)を調整するように構成できる。また別の例として、アクチュエータ227は、積載物からノズルに散布物質を運ぶためのポンプ及びそれに関連するチューブ並びにエアシリンダを含んでいてもよい。
【0040】
幾つかの実施形態において、可動物体は積載物208を担持するように構成してもよい。負荷は、乗客、貨物、機器、器具、及びその他のうちの1つ又は複数を含み得る。負荷は、筐体内に提供できる。筐体は、可動物体の筐体とは別であっても、可動物体の筐体の一部であってもよい。或いは、負荷は筐体と共に提供してもよく、その一方で、可動物体は筐体を持たない、或いは、負荷の一部又は負荷の全体が筐体を持たずに提供されてもよい。負荷は、可動物体に関して強固に固定してもよい。任意選択により、負荷は、可動物体に関して移動可能としてもよい(例えば、可動物体に関して並進可能又は回転可能)。
【0041】
幾つかの実施形態において、積載物は搭載物を含んでいてもよい。搭載物は、何れの動作又は機能も実行しないように構成されてもよい。代替的に、搭載物は、ある動作又は機能を実行するように構成された搭載物であってもよく、これは機能的搭載物とも呼ばれる。例えば、搭載物は画像取得装置であってもよい。何れの適当なセンサが搭載物に組み込まれてもよく、これは例えば画像取得装置(例えば、カメラ)、音声取得装置(例えば、放物面マイクロフォン)、赤外線イメージングデバイス、又は紫外線イメージングデバイスである。センサは、静的感知データ(例えば、写真)、又は動的感知データ(例えば、ビデオ)を提供してよい。幾つかの実施形態において、センサは搭載物の標的に関する感知データを提供する。幾つかの実施形態において、搭載物は物質保管部218を含んでいてもよい。物質保管部218は、散布用の物質(例えば、栄養剤、種子、殺虫剤、除草剤、又は消火剤)を保管するように構成されてもよい。物質保管部218は、何れの適当な材料(例えば、プラスチック、カーボンファイバ等)で製作されてもよい。物質保管部218は、各種のチャネル(例えば、プラスチックチューブとポンプ)を通じてノズルシステム207に連結されてもよく、それによって物質を散布のためにノズルへと輸送できる。
【0042】
代替的に、又はそれと組み合わせて、搭載物は信号を1つ又は複数の標的に提供するための1つ又は複数のエミッタを含んでいてもよい。何れの適当なエミッタが使用されてもよく、これは例えば光源又は音源である。幾つかの実施形態において、搭載物は、例えば可動物体から離れたモジュールと通信するために、1つ又は複数のトランシーバを含む。例えば、通信は本明細書に記載の端末機器と行われてもよい。任意選択により、搭載物は環境又は非標的と相互作用するように構成されてもよい。例えば、搭載物はツール、機器、又はロボットアーム等、物体を操作できる機構を含んでいてもよい。
【0043】
任意選択により、負荷はキャリアを含んでいてもよい。キャリアは搭載物用として提供してもよく、搭載物はキャリアを介して、直接的に(例えば、可動物体と直接接触する)又は間接的に(例えば、可動物体と接触しない)、可動物体に連結してもよい。反対に、搭載物は、キャリアを必要とせずに、可動物体の上に取り付けてもよい。搭載物は、キャリアと一体に形成してもよい。或いは、搭載物はキャリアに取り外し可能に連結してもよい。幾つかの実施形態において、搭載物は1つ又は複数の搭載物要素を含んでいてもよく、搭載物要素の1つ又は複数は、上述のように、可動物体及び/又はキャリアに関して移動可能としてもよい。
【0044】
キャリアは、可動物体と一体に形成してもよい。或いは、キャリアは可動物体に取り外し可能に連結してもよい。キャリアは、直接的又は間接的に可動物体に連結してもよい。キャリアは、搭載物のための支持手段を提供してもよい(例えば、搭載物の重量の少なくとも一部を担持する)。キャリアは、搭載物の移動を安定化及び/又は方向付けることのできる適当な取付構造(例えば、ジンバルプラットフォーム又はジンバルスタビライザ)を含むことができる。幾つかの実施形態において、キャリアは、搭載物の状態(例えば、位置及び/又は方位)を可動物体に関して制御するようになすことができる。例えば、キャリアは、可動物体に関して移動し(例えば、並進1、2、又は3自由度及び/又は回転1、2、又は3自由度に関して)、搭載物が、可動物体の移動に関係なく、適当な参照フレームに関するその位置及び又は方位を保持するように構成してもよい。参照フレームは、固定された参照フレーム(例えば、周囲環境)としてもよい。或いは、参照フレームは、移動する参照フレーム(例えば、可動物体、搭載物標的)としてもよい。
【0045】
幾つかの実施形態において、キャリアは、搭載物のキャリア及び/又は可動物体に対する移動を可能にするように構成してもよい。移動は、(例えば、1つ、2つ又は3つの軸に沿った)最大3自由度に関する並進、又は(例えば、1つ、2つ、又は3つの軸の周囲の)最大3自由度に関する回転、又はこれらのあらゆる適当な組み合わせとしてもよい。
【0046】
幾つかの実施形態において、キャリアはキャリアフレームアセンブリとキャリア作動アセンブリを含んでいてもよい。キャリアフレームアセンブリは、搭載物に構造的な支持手段を提供してもよい。キャリアフレームアセンブリは個々のキャリアフレームコンポーネントを含んでいてもよく、そのうちの幾つかは相互に関して移動可能としてもよい。キャリア作動アセンブリは、個々のキャリアフレームコンポーネントの移動を引き起こす1つ又は複数のアクチュエータ(例えば、モータ、エアシリンダ)を含むことができる。アクチュエータは、複数のキャリアフレームコンポーネントの移動を同時に可能にしてもよく、又は1つのキャリアフレームコンポーネントの移動をある時点で許可するべく構成されてもよい。キャリアフレームコンポーネントの移動は、搭載物のそれに対応する移動を生成してもよい。例えば、キャリア作動アセンブリは、1つ又は複数のキャリアフレームコンポーネントを1つ又は複数の回転敷軸(例えば、ロール軸、ピッチ軸、又はヨー軸)の周囲で回転させてもよい。UAVが中心縦軸に関して対称に配置された偶数の回転翼を有する幾つかの場合には、ロール軸/角とピッチ軸/角は互換的に使用されてよい。1つ又は複数のキャリアフレームコンポーネントの回転は、搭載物を1つ又は複数の回転軸の周囲で可動物体に関して回転させてもよい。その代わりに、又はそれと組み合わせて、キャリア作動アセンブリは、1つ又は複数のキャリアフレームコンポーネントを1つ又は複数の並進軸に沿って並進させ、それによって搭載物を1つ又は複数の、それに対応する軸に沿って可動物体に関して並進させてもよい。
【0047】
システム200の構成要素は、何れの適当な構成にも配置できる。例えば、可動物体210の構成要素の1つ又は複数は、航空機、支持機構、搭載物、端末、感知システム、又は上記のうちの1つ又は複数と通信する追加の外部機器(例えば、端末機器220)の上に位置付けることができる。追加的に、
図2Bは、1つの処理ユニット201と1つの記憶ユニット202を示しているが、当業者であれば、これは限定的と意図されているのではなく、システム200は複数の処理ユニット及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができることがわかるであろう。幾つかの実施形態において、複数の処理ユニット及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体のうちの1つ又は複数は、異なる場所、例えば航空機、支持機構、搭載物、端末、感知システム、若しくは上記のうちの1つ又は複数と通信する追加の外部機器、又はそれらの適当な組み合わせに設置でき、それによって、システムが実行する処理及び/又はメモリ機能の何れの適当な点も上記の場所の1つ又は複数で行われるようにすることができる。
【0048】
図2Cは、本発明の例示的実施形態による、端末機器220として実装された空中散布用システムを示すブロック図である。端末機器220は、1つ又は複数のチャネルを通じて相互に動作的に連結された処理ユニット221と、記憶ユニット222と、風力計229(代替的に、アネモメータ、風向計、風速計等とも呼ばれる)と、通信ユニット224と、電源ユニット225と、を含んでいてもよい。例えば、電源ユニット225は、電源チャネルを通じて処理ユニット221に連結されてもよく、処理ユニット221は通信バスを通じて記憶ユニット222に連結されてよい。端末機器220の構成要素の1つ又は複数(例えば、風力計229)は任意選択であってもよい。幾つかの実施形態において、端末機器220は、
図2Cに示されるものより多くの構成要素を含んでいてもよい。しかしながら、例示的な実施形態を開示するために、これらの構成要素のすべてが示されることは必ずしも必要ではない。例えば、処理ユニット221は、単独で、又は他のシステム若しくは機器(例えば、可動物体210)と組み合わせて、本明細書中に開示された空中散布方法を実行してもよい。
【0049】
処理ユニット221は1つ又は複数のプロセッサ、例えばプログラマブルプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途集積回路(ASIC)等)を有していてもよい。記憶ユニット222は、本明細書において開示されている1つ又は複数の方法を実行するために処理ユニット221により実行可能なロジック、コード、及び/又は命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であってもよい。各種の実施形態において、記憶ユニット222は、半導体、磁気、光、又は他の何れの技術に基づいていてもよい。記憶ユニット222は、1つ又は複数のメモリユニット(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、USBドライブ、メモリカード、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピディスク、光ディスク、磁気テープ、SDカード等)を含むことができる。幾つかの実施形態において、風力計229からのデータは、記憶ユニット222のメモリユニットに直接搬送して、その中に記憶することができる。風力計229は、風速を測定するように構成されていてもよい。記憶ユニット222のメモリユニットは、本明細書に記載の方法の何れかの適当な実施形態を実行するために処理ユニット221が実行可能なロジック、コード、及び/又は命令を記憶できる。例えば、処理ユニット221は、
図5に関して後述する方法500を実行するように上記の処理ユニット201に命令するための命令を実行するように構成できる。他の例として、処理ユニット221と上述の処理ユニット201は、後述の方法500を実行するように構成されてよい(例えば、処理ユニット221は方法500のステップ501を実行し、処理ユニット201は方法500のステップ502を実行する)。メモリユニットは、処理ユニット221により処理されることになるデータを記憶できる。いくつの実施形態において、記憶ユニット222のメモリユニットは、処理ユニット221により生成される処理結果を記憶するために使用できる。
【0050】
通信ユニット224は、適当な外部機器又はシステム(例えば、可動物体210、表示装置等)とデータ(例えば、風力計データ、動作命令等)を送受信するように構成されてよい。何れの適当な通信手段も使用でき、例えば有線通信又は無線通信がある。例えば、通信ユニット224は、Local Area Ntwork(LAN)、Wide Area Network(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイント・トゥー・ポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信、及びその他のうちの1つ又は複数を利用できる。任意選択により、中継局、例えばタワー、衛星、又は移動局を使用できる。無線通信は、近接性依存でも、近接性非依存でもよい。幾つかの実施形態において、Line−of−Sightが通信に必要であっても、なくてもよい。通信ユニット224は、風力計229からの検知データのうちの1つ又は複数、処理ユニット221により生成された処理結果、端末若しくは遠隔コントローラからの所定の制御データ、ユーザコマンド、及びその他のうちの1つ又は複数を送信及び/又は受信できる。
【0051】
通信ユニット224は、有線通信のためのコネクタ、無線送信機又は受信機、及び/又は無線通信のための無線トランシーバを含んでいてもよい。通信は、制御信号及び/又はデータを含んでいてもよい。コネクタ、送信機/受信機、又はトランシーバは、端末機器220と各種の機器との間の双方向通信のために構成されてもよい。例えば、コネクタ、送信機/受信機、又はトランシーバは、可動物体210又は他の機器との動作信号及び/又はデータの送受信を行ってもよい。
【0052】
電源ユニット225は、様々な作業を支援するために、端末機器220の1つ又は複数の構成要素に電源を供給するように構成されてもよい。電源ユニット225は、通常のバッテリ(例えば、リチウムイオンバッテリ)、無線充電可能なバッテリ、及びソーラパネル充電バッテリ(例えば、可動物体上に設置された軽量ソーラパネルに取り付けられたバッテリ)を含んでいてもよい。
【0053】
例示的な端末機器220はコントローラである。コントローラは、開示されている空中散布方法を実行するようにUAV(可動物体210)を制御するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、UAVの飛行経路を変更して、散布物質の着地位置が風により影響を受けないようにしてもよい。
図2Cは1つの処理ユニット221及び1つの記憶ユニット222を示しているが、当業者であれば、これは限定的と意図されているのではなく、端末機器220は複数の処理ユニット及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができることがわかるであろう。幾つかの実施形態において、複数の処理ユニット及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体のうちの1つ又は複数は、異なる場所、例えば航空機、支持機構、搭載物、端末、感知システム、若しくは上記のうちの1つ又は複数と通信する追加の外部機器、又はそれらの適当な組み合わせに設置でき、それによって、システムが実行する処理及び/又はメモリ機能の何れの適当な点も上記の場所の1つ又は複数で行われるようにすることができる。
【0054】
図3A〜3Bは、本開示の例示的実施形態による空中散布用UAVの第一の空間配置(
図3Aは無風時)と第二の空間配置(
図3B、有風時)との比較を示す図式表現である。幾つかの実施形態において、無風時に得られた第一の空間配置はデフォルト空間配置と呼ばれてよく、風の影響を受けて得られた第二の空間配置は現在空間配置と呼ばれてよい。風速を得るために、1つ又は複数のパラメータをモニタし、比較してもよく、これは例えばUAVの状態(例えば、UAVの上の慣性計測ユニットにより計測される6自由度UAV空間配置)、UAV推進システムの状態(例えば、UAVの回転翼に動力を供給するモータのパワー、UAV回転翼の回転速さ)、ユーザが入力するパラメータ(例えば、UAVに直接又は間接に入力されるユーザ定義パラメータ)、風力計測定(風速を測定するためにUAV上に、又はUAVの外部に搭載された機器)等である。例えば、
図3A及び3Bに示されるUAV状態が比較されてよく、対応する風速は、
図3Cに関して後述するように得られてよい。他の例として、
図3A及び3BのUAVの推進システム状態を比較して、対応する風速を得てもよい。また別の例として、ユーザは第一の空間配置及び/又は第二の空間配置をそれぞれに関連付けられるパラメータと共に入力して、風速を得てもよい。さらにまた別の例として、ユーザは現在及び/又はデフォルトの風状態(例えば、風の速さ及び方向)を入力して、風速を得てもよい。さらにまた別の例として、風速は風力計で測定されてもよい。風力計は、UAVの上又はUAVの外部(例えば地上、他の機器の上等)に配置されてもよい。
【0055】
図3Aは、無風時のUAV301の例示的状態を示す。例えば、UAV301は、UAV301の1つ又は複数のノズルから地表面302に向かって物質を散布しながら、特定の高度でホバリングしてもよい。物質は、ノズルから発散角度で噴霧され、計画散布エリアに向かって広がってもよい。空中で、散布物質は円錐体積303を通じて落下するように見えることもある。風がないため、ノズルが何れの方向にも偏っていないとすると(例えば、ノズルはすべての水平方向に均等に地面に向かって噴霧する)、散布物質はUAVに関して水平面においてすべての方向に均等に見えることもある。さらに、UAV301は、水平面に実質的に平行に見えることもある(例えば、ピッチ及びロール角がゼロ)。この空間配置(例えば、UAVのピッチ、ロール、及びヨー角、高度等)及びそれに関連付けられるパラメータ(例えば、x、y、及びz方向へのUAVの加速度、回転翼の速さ及び方向、散布物質の単位質量、散布物質の拡散角度、地表面上の噴霧幅等)は、無風時のUAVの第一の空間配置の中に含められ、記憶されてもよい。他の例として、UAVは、UAV301の1つ又は複数のノズルから地表面302に向かって物質を散布しながら、x方向(例えば、用紙の平面から出る方向)に特定の高度で飛行してもよい。この飛行パターンでは、UAVは、散布角度と着地位置は
図3Aに示される状態で、y方向に(例えば、水平面内でUAV301の移動に対して垂直に)静止したままである。ここに提供する例は主として一定の飛行高度に基づいているが、高度は用途に応じてリアルタイムで調整できる。
【0056】
図3Bは、風の影響下でのUAV304の例示的状態を示す。例えば、UAV304は、UAV304の1つ又は複数のノズルから地表面305に向かって物質を散布しながら、特定の高度でホバリングしてもよい。UAV304と散布物質306はどちらも風の影響を受けることもある。風の影響に対抗するために(例えば、3D空間内での同じホバリング位置にとどまるため)、UAV304はこの図に示されるように空間配置(例えば、ピッチ角、ロール角、ヨー角等)を調整してもよい。例えば、UAV304の右側の回転翼は左側のそれらより高速で回転してもよく、それによってUAV304の右側が左側より高い位置へと持ち上がる。回転翼のチルトの結果として、左側への駆動力が風に対抗し、水平に同じ位置においてUAV304のバランスをとる。したがって、有風時のUAVの第二の空間配置は、関連するパラメータと共に取得され、記憶されてもよい。
【0057】
第一の空間配置(例えば、無風時)を上述の第二の空間配置(例えば、風の影響下)と比較することにより、風速を導き出し、またそれ以外の方法で取得できる。例えば、UAVの空間配置と加速度との関係をマッピングすることができ、それによって各空間配置又は空間配置の変化を風速及び/又は推進システムの状態に関連付けてもよい。
【0058】
得られた風速は、風の大きさと方向を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、得られた風速は、大きさのみ、又は方向のみの情報を含んでいてもよい。方向は例えば、水平面内でUAVの移動に垂直な方向を含んでいてもよい。したがって、得られた風速は、相互に垂直な複数の方向への成分に分割されてもよく、y方向(すなわち、水平方向でUAVの動線に垂直な方向)への風速は漂流飛散に関係していることもある。散布物質は地表面305に向かって落下しながら風下に流されるため、前述の散布物質の円錐体積303は風下方向に向かって傾いた空間体積306へと歪められることもある。その結果、散布物質の着地位置は、
図3Aのそれと比較して風下にシフトする。漂流飛散は、風速(すなわち、風の速さ及び方向)と、散布物質のノズルから地表への落下時間に関係し、落下時間は地表に対するUAVの高度と散布物質の平均落下速さに関係し、これは以下の式で表される。漂流飛散距離は、風の速さに伴って線形に変化することもある。
【0059】
幾つかの実施形態において、UAV304は、UAV304の1つ又は複数のノズルから地表面305に向かって物質を散布しながら、風の影響を受けて特定高度で特定の方向(例えば、x方向)に飛行してよい。3D空間内で、風からUAV304に加わる力はx、y、及びz方向への3つの力に分解されてよい。垂直方向(z方向)では、z方向への風力には回転翼の速さの変化により対抗されてよい。水平面(x−y平面)内で、x方向への物質への風による漂流飛散は、飛行経路がほとんど直線経路であるかもしれず、漂流飛散があったとしても計画エリアはx方向に依然としてカバーされるため、問題とならないこともある。y方向の風力は、上述のような漂流飛散とその有害な結果の主原因であることもある。したがって、風速を取得することは、y方向への風の速さを取得することを含んでいてもよい。
【0060】
図3Bと比較されるものとして、
図3Aにおいて論じられたもの以外にも他の多くの代替的な基準実施形態がある。すなわち、第二の空間配置及びそれに関連するパラメータは、何れの所定の基準空間配置及びそれに関連するパラメータとも比較して風速の取得、漂流飛散の特定等を行うことができる。所定の基準実施形態としては、
図3Aのそれのような無風時の実施形態又は所定の条件の実施形態が含まれていてもよい。所定の条件は、所定の風速、所定の空間配置等を含んでいてもよい。
図3Bの実施形態と所定の実施形態との比較は、
図3Aの実施形態と
図3Bの実施形態との間の比較と同様に行われてよい。所定の実施形態は、所定の風の条件に関連付けられた所定の空間配置を含んでいてもよい。例えば、基準実施形態は風の条件に含まれる場合、基準は、UAVの所定の空間配置及びそれに関連する風速(例えば、所定の方向への微風)及びそれに関連する漂流飛散距離を含んでいてもよい。基準はまた、関連する漂流飛散距離を含んでいてもよく、それに基づいて無風時の当初の着地位置を計算できる。UAVの現在の空間配置を基準と比較して、空間配置の差を特定してもよい。空間配置内の所定の差に基づき、風速の変化(例えば、上昇、低下、又はゼロ変化)が特定されてもよい。したがって、UAVの1つ又は複数の構成要素は、風速の変化に少なくとも部分的に対抗するように調整されてよい。
【0061】
図3Cは、本開示の例示的実施形態による空間散布方法300を示すフローチャートである。方法300は、複数のステップを含んでいてもよく、その一部は任意選択であってもよく、又は相互に配置しなおしてもよい。方法300の1つ又は複数のステップは、システム200の1つ又は複数の構成要素(例えば、可動物体210)により実行されてもよい。
【0062】
ステップ331で、何れかのUAVパラメータが入力されたか否かが特定されてよい。入力パラメータには、例えばUAVの1つ又は複数の状態(例えば、その空間配置)を制御するためのユーザ入力が含まれていてもよい。例えば、ユーザは、UAVを位置Aから位置Bへと高度h、ロール角10度で飛行するように設定してあることもある。ユーザ入力は、可動物体210に直接入力されても、端末機器220を介して送信されても、その他でもよい。ステップ331の特定結果がノーであれば、方法300はステップ332に進む。ステップに対する特定結果がイエスであれば、方法300はステップ333に進む。
【0063】
ステップ332で、
図3Bに関して前述したようにUAVの状態(例えば、現在状態)が得られる。
【0064】
ステップ333で、入力パラメータがフィルタ処理されてよい。入力パラメータは、ステップ332で得られた状態からフィルタ処理により除去されてもよい。例えば、得られたロール角が30度であり、入力されたロール角が10度である場合、ロール角のフィルタ処理後の状態は20度となるはずである。
【0065】
ステップ334で、1つ又は複数の空中移動/風の速さは(フィルタ処理された)UAVの状態に基づいて得られてよい。UAVの状態には、3D位置、停止角度、推進システムの状態(例えば、回転翼の速さ、モータのパワー)等が含まれていてもよい。1つ又は複数の空中移動の速さには、飛行経路に沿った速さ、水平面内で飛行経路に垂直な速さ、垂直平面内で飛行経路に垂直な速さ等が含まれていてもよい。例えば、y方向への風の速さは、
図3Bに関して前述したように得られてもよい。
【0066】
ステップ335で、風速(例えば、大きさと方向を含む現在風速)は、ステップ334で得られた空中移動の速さに基づいて(例えば、ベクトル加法により)得られてもよい。
【0067】
ステップ336で、風の影響を緩和するように、UAVの1つ又は複数の構成要素が制御されてよい。詳細は、
図4A〜4Gに関して後述する。
【0068】
図4A〜4Gは、本開示の例示的実施形態による、物質を散布する少なくとも1つのノズルを3D空間に関して移動させるためのUAVの1つ又は複数の構成要素の制御を示す図式表現である。これらの図面において、実線の表現は開示の風対策方法を実行しない場合の風の影響下でのUAVの状態又は空間配置を示していてもよく、破線の表現は、各種の風対策方法を実行した場合の風の影響下でのUAVの状態又は空間配置を示していてもよい。これらの実装例では、風による漂流飛散を軽減させるために、UAVの1つ又は複数の構成要素は少なくとも1つのノズルを3D空間座標に関して移動させるように作動されてよい(例えば、UAVを制御することによる、ノズルを制御することによる、回転翼、モータ、若しくはその他の関係する機械的構成要素を作動させることによる等)。移動は、得られた風速に少なくとも部分的に対抗することもある。移動には、直線移動(例えば、1つの3D位置から別の3D位置への直線に沿った動き)及び/又は角移動(例えば、1つのピッチ/ロール/ヨー角から他のピッチ/ロール/ヨー角への固定点の周囲での動き)が含まれていてもよい。直線/角移動のために取られる経路は、変更/複合されてもよく、必ずしも絶対的ではない。例えば、物質が風上に散布され、計画散布場所に着地するように、UAVはその飛行経路を風上に変更してもよく、又はノズルは風上に移動してもよい。これらの例は実施モードのすべてのリストではない。例示的な実施例の何れも、漂流飛散を軽減するために変更され、及び/又は組み合わされてもよい。
【0069】
図4Aを参照すると、UAVは1つ又は複数の構成要素(例えば、推進システム等)を作動させて、3D空間の水平面内のUAVの直線移動を生じさせ、そのようにして風による漂流飛散を緩和させてよい。幾つかの実施形態において、UAV411は、地表413に向かって物質を散布している間にある高度でホバリング又は飛行していてもよく、噴霧幅は風の影響を受けて計画散布場所415から漂流場所414に移動することもある。それゆえ、UAVをUAVの現在位置411から位置412へと風上に飛行させることにより、散布エリアを計画散布場所415へと戻してよい。UAVを風上で飛行させることは、UAVを上述の風力に対抗して飛行させることを含んでいてもよい。推進システムの回転翼及び/又はモータは、UAVの移動を引き起こすように作動されてよい。例えば、2×2の軸対象の回転翼の構成の場合、何れか2つのロータを片側とみなすことができ、他方の2つは他方の側とみなすことができる。片側の2つの回転翼の回転を増大させることによって、UAVは反対側に傾くことができ、それゆえ、水平力がUAVを反対側に向かって移動させる。当業者であれば、同様の結果を実現するための他の様々な機構の適用を認識するであろう。
図4Aにおいて、漂流した噴霧幅と計画による噴霧幅は実質的に同じ長さであってもよい。
【0070】
図4Bを参照すると、UAVは1つ又は複数の構成要素(例えば、推進システム等)を作動させて、3D空間の水平面内及び垂直方向へのUAVの直線移動を生じさせ、そのようにして風による漂流飛散を緩和させてよい。幾つかの実施形態において、UAV421は、地表423に向かって物質を散布している間にある高度でホバリング又は飛行していてもよく、噴霧エリアは風の影響を受けて計画散布場所425から漂流場所424に移動することもある。それゆえ、UAVをUAVの現在位置421から位置422へと風上に飛行させることにより、散布エリアを計画散布場所425へと戻してよい。UAVを風上で飛行させることは、UAVを上述のy方向への風力に対抗して飛行させ、UAVの高度を変化させることを含んでいてもよい。推進システムの回転翼及び/又はモータは、UAVの移動を引き起こすように作動されてよい。例えば、2×2の軸対象の回転翼の構成の場合、水平面内で移動させることに加えて、モータ及び/又は回転翼の回転速さを低下させる(又は高くする)ことによって、UAVを降下(又は上昇)させてよい。当業者であれば、同様の結果を実現するための他の様々な機構の適用を認識するであろう。
図4Bにおいて、漂流した噴霧幅と計画による噴霧幅は異なる長さであってもよい。それゆえ、噴霧を計画散布場所に戻すことに加えて、噴霧幅を制御するためにUAVの高度の制御が行われてもよい。例えば、UAVを上昇させると噴霧幅が増大するかもしれず、UAVを降下させると噴霧幅が減少することもある。
【0071】
図4Cを参照すると、UAVは1つ又は複数の構成要素(例えば、ノズルシステム等)を作動させて、UAVに対する少なくとも1つのノズルの直線移動を生じさせ、そのようにして風による漂流飛散を緩和させてよい。幾つかの実施形態において、UAV431は、ノズル432から地表433に向かって物質を散布している間にある高度でホバリング又は飛行していてもよく、噴霧幅は風の影響を受けて計画散布場所435から漂流場所434に移動することもある。それゆえ、ノズルをノズル432の現在位置から位置436へと移動するように制御することにより、散布エリアを計画散布場所425へと戻してよい。ノズルを制御することは、ノズルを水平面内でUAVに関して移動させることを含んでいてもよい。前述のアクチュエータ227は、ノズルの移動を実現するために作動されてよい。例えば、モータは伸縮ロッド437の一方の端に連結されてよく、ノズルは他方の端に連結されてよい。モータは、ロッドを作動させてUAVに関して伸展させ、又は引っ込めてよく、それによってノズルはUAVに関して直線的に移動してよい。当業者であれば、同様の結果を実現するための他の様々な機構の適用を認識するであろう。
図4Cにおいて、漂流した噴霧幅と計画による噴霧幅は実質的に同じ長さであってもよい。この例において、UAVはy方向には移動しなくてよく、それは、ノズルの移動だけで噴霧エリアが計画散布場所に戻る場合があるからである。
【0072】
図4Dを参照すると、UAVは1つ又は複数の構成要素(例えば、ノズルシステム等)を作動させて、UAVに対する少なくとも1つのノズルの直線移動を生じさせ、そのようにして風による漂流飛散を緩和させてよい。幾つかの実施形態において、UAV441は、ノズル442から地表423に向かって物質を散布している間にある高度でホバリング又は飛行していてもよく、噴霧エリアは風の影響を受けて計画散布場所445から漂流場所444に移動することもある。それゆえ、ノズルをノズル442の現在位置から位置446へと制御することにより、噴霧エリアを計画散布場所445へと戻してよい。ノズルを制御することは、ノズルを水平面内で縦方向にUAVに関して移動させることを含んでいてもよい。水平面内でノズルを移動させることは、
図4Cに関して上述したものと同様である。ノズルを縦方向に移動させることは、アクチュエータ227を介してノズルを伸展させ、又は引っ込めることによって実行されてよい。例えば、上述のノズルの伸展/引き込みに加えて、ノズル自体が伸展し/引っ込んで、散布源の変更を実現することもできる。モータはノズルに連結されてよく、ノズルは例えば、伸縮チューブ又は伸縮継手を備えるチューブであってもよく、それによってモータはノズルの散布口をUAVに関して伸展させ、又は引っ込めることができる。当業者であれば、同様の結果を実現するための他の様々な機構の適用を認識するであろう。
図4Dにおいて、漂流した噴霧幅と計画による噴霧幅は長さが異なっていてもよい。それゆえ、噴霧を計画散布場所に戻すことに加えて、噴霧幅を実現するために、ノズル高度の制御が実施されてよい。例えば、ノズルを上昇させると噴霧幅が増大するかもしれず、ノズルを降下させると噴霧幅が減少することもある。
【0073】
図4Eを参照すると、UAVは1つ又は複数の構成要素(例えば、推進システム等)を作動させて、3D空間に対するUAVの角移動を生じさせ、そのようにして風による漂流飛散を緩和させてよい。幾つかの実施形態において、UAV451は、ノズル452から地表455に向かって物質を散布している間にある高度でホバリング又は飛行していてもよく、噴霧幅は風の影響を受けて計画散布場所457から漂流場所456に移動することもある。それゆえ、UAVを制御してUAVの現在姿勢451から姿勢453に変化させることにより、ノズルは姿勢452から姿勢454に変化し、噴霧エリアを計画散布場所457へと戻してよい。ここで、姿勢の変更とは、3D空間に対するUAVのピッチ、ロール、及び/又ヨー角の変化を指してもよい。例えば、この図において、UAVが紙の面から外に飛行しているとすると、姿勢451から姿勢453への変化はUAVのロール角の変化を表す。推進システムの回転翼及び/又はモータが作動されて、3D空間内のUAVの角移動を引き起こすように作動され、物質の散布方向を風の方向に少なくとも部分的に対抗させてよい。例えば、前述の2×2の回転翼の構成では、片側のモータ及び回転翼の回転速さを低下させる(又は上昇させる)ことによって、UAVはより低速で回転する側に向かって傾くこともある。当業者であれば、同様の結果を実現するための他の様々な機構の適用を認識するであろう。
図4Eにおいて、漂流した噴霧幅と計画による噴霧幅は実質的に同じ長さであってもよい。
【0074】
図4Fを参照すると、UAVは1つ又は複数の構成要素(例えば、ノズルシステム等)を作動させて、UAVに対する少なくとも1つのノズルの角移動を生じさせ、そのようにして風による漂流飛散を緩和させてよい。幾つかの実施形態において、UAV461は、ノズル462から地表464に向かって物質を散布している間にある高度でホバリング又は飛行していてもよく、噴霧幅は風の影響を受けて計画散布場所466から漂流場所465に移動することもある。それゆえ、ノズルを制御してノズルの現在姿勢462から姿勢463に変化させることにより、噴霧エリアを計画散布場所466へと戻してよい。ここで、ノズルの姿勢の変更とは、UAVに対するノズルのピッチ、ロール、及び/又ヨー角の変化を指してもよい。例えば、この図において、姿勢462から姿勢463への変化はノズルのロール角の変化を表す。ノズルシステム(例えば、アクチュエータ227)は、ノズルの角移動を引き起こすように作動され、物質の散布方向を風の方向に少なくとも部分的に対抗させてよい。例えば、ノズルはモータに連結された回転可能構造(例えば、ローテータバルブ)に取り付けられてもよく、モータは、回転可能構造をUAVに関して回転させるように構成されてよい。当業者であれば、同様の結果を実現するための他の様々な機構の適用を認識するであろう。
図4Fにおいて、漂流した噴霧幅と計画による噴霧幅は実質的に同じ長さであってもよい。
【0075】
図4Gを参照すると、UAVは1つ又は複数の構成要素(例えば、ノズルシステム等)を作動させて、少なくとも1つのノズルの直線移動と角移動を生じさせ、そのようにして風による漂流飛散を緩和させてよい。
図4Gは
図4Fとほとんど同じであるが、アクチュエータ227を介してノズルをさらに伸展させ、又は引っ込めることが異なる。例えば、
図4D及び4Fに関して上述した機構を組み合わせて、そのような結果を実現してもよい。幾つかの実施形態において、UAV471は、ノズル472から地表474に向かって物質を散布している間にある高度でホバリング又は飛行していてもよく、噴霧幅は風の影響を受けて計画散布場所476から漂流場所475に移動することもある。それゆえ、ノズルを制御してノズルの現在の空間配置472から他の空間配置473に変化/移動させることにより、噴霧エリアを計画散布場所476へと戻してよい。
【0076】
図2A〜4Gから見て、風速が得られてもよく、それに基づいて、風による漂流飛散に対抗するために、UAVの状態、例えばその空間配置を変化させることができる。風速は、UAVの状態に基づいて様々な方法で取得されてよい。UAVの空間配置及び/又はノズルの空間配置を制御することにより、物質の有効散布源を3D空間内で移動させることができ、それによって着地位置は計画散布場所へと戻る。空間配置は6自由度、例えばx位置、y位置、z位置、ピッチ角、ロール角、及びヨー角を含んでいてもよい。当業者であれば、同様の結果を実現するために、開示された機器及び方法の1つ又は複数を変更し、及び/又は組み合わせることを認識するであろう。
【0077】
図5は、本開示の例示的実施形態による空中散布方法を示すフローチャート500である。方法500は複数のステップを含んでいてもよく、その一部は任意選択であり、又は相互に配置しなおされてもよい。方法500の1つ又は複数のステップは、システム200(例えば、可動物体210のみ、端末機器220のみ、可動物体210と端末機器220との組み合わせ等)の1つ又は複数の構成要素により実行されてよい。ステップ501で、UAVから散布される物質の漂流飛散を引き起こす風速が得られてよい。幾つかの実施形態において、航空機が空中から物質を散布する際、漂流飛散は散布物質の当初の着地場所からの水平シフトを含んでいてもよく、当初の着地場所は無風時の散布物質の着地位置であってよい。当初の着地位置はまた、所定の空間配置、所定の有風状態及び/又は所定の漂流飛散を含む基準から特定されてもよい。散布物質は、液体(例えば、栄養剤、種子、殺虫剤、除草剤、液体消火剤等)、粉末(例えば、粉末消火剤等)、又は粒子(例えば、種子等)のうちの少なくとも1つを含んでいてよい。ステップ502で、UAVの1つ又は複数の構成要素は、取得された風速に基づいて作動されて、漂流飛散を緩和させてもよい。ステップ502は、漂流飛散が閾値を超えたことと特定されたことに応答して行われてもよい。例えば、ステップ501を実行した後に、システム200は、
図3A及び3Bに関して前述した漂流飛散距離を取得して、取得された漂流飛散距離が所定の閾値(例えば、ユーザが入力した5cmの閾値)を超えるか否かを特定してもよい。特定結果がイエスであれば、方法500はステップ502に進み、漂流飛散を少なくとも緩和してもよく、そうでなければ、システム200は漂流飛散の緩和を実行しなくてよい。
【0078】
図6は、本開示の例示的実施形態による空中散布方法を示すフローチャート600を示す。方法600は複数のステップを含んでいてもよく、その一部は任意選択であり、又は相互に配置しなおされてもよい。方法600の1つ又は複数のステップは、システム200(例えば、可動物体210)により実行されてよい。図のように、上述のステップ501はサブステップ601を含んでいてもよく、これはUAVの第一の空間配置とUAVの第二の空間配置の比較に基づいて風速を特定するステップであり、第一の空間配置は無風時の空間配置である。さらに、上述のステップ502はサブステップ602を含んでいてもよく、これは物質を散布する少なくとも1つのノズルを3D空間に関して移動させるステップであり、この移動は、得られた風速に少なくとも部分的に対抗する。
【0079】
幾つかの実施形態において、風速を得るステップは、UAVの第一の空間配置をUAVの第二の空間配置と比較することに基づいて風速を特定するステップを含んでいてもよく、第一の空間配置は無風時の空間配置である。風速は、風の速さ及び風の方向を含んでいてもよい。UAVの空間配置は、UAVのピッチ角及びロール角を含んでいてもよい。
【0080】
幾つかの実施形態において、風速を得るステップは、UAVの状態、UAV推進システムの状態、ユーザが入力したパラメータ、又は風力計の測定のうちの少なくとも1つに基づいて風速を特定するステップを含んでいてもよい。例えば、風速は、UAVの上に設置された風力計によって、又はUAVの外部にある独立した風力計により測定されてもよい。
【0081】
幾つかの実施形態において、漂流飛散に対抗するために、UAVの1つ又は複数の構成要素を得られた風速に基づいて制御することにより、物質を散布する少なくとも1つのノズルを3D空間に関して移動させ、この移動が得られた風速に少なくとも部分的に対抗するようにしてもよい。
【0082】
幾つかの実施形態において、3D空間に関する少なくとも1つのノズルの移動は、3D空間の水平面又は3D空間内の高度のうちの少なくとも1つにおける直線移動を含んでいてもよい。例えば、UAVの1つ又は複数の構成要素を制御するステップは、UAV推進システムを制御して(例えば、少なくともロータの速さを制御して)、3D空間に関するUAVの直線移動を引き起こすステップを含んでいてもよい。他の例として、UAVの1つ又は複数の構成要素を制御するステップは、ノズルシステムを制御して(例えば、ノズルを伸展させ、又は引っ込めて)、UAVに対する少なくとも1つのノズルの直線移動を引き起こすステップを含んでいてもよい。
【0083】
幾つかの実施形態において、3D空間に関する少なくとも1つのノズルの移動は、角移動を含み、物質の散布方向を風の方向に少なくとも部分的に対抗させる。例えば、UAVの1つ又は複数の構成要素を制御するステップは、UAV推進システムを制御して(例えば、少なくとも回転翼の速さを制御して)、3D空間に関するUAVのピッチ、ロール、又はヨー角のうちの少なくとも1つを変化させるステップを含んでいてもよい。他の例として、UAVの1つ又は複数の構成要素を制御するステップは、ノズルシステムを制御して(例えば、UAVに対するノズルのピッチ、ロール、又はヨー角の少なくとも1つを制御して)、UAVに対する少なくとも1つのノズルの散布方向を変化させるステップを含んでいてもよい。
【0084】
本開示の様々な方法及び技術を支援し、又は実装するシステム、装置、非一時的コンピュータ可読媒体も提供される。例えば、1つの実施形態は空中散布システムを提供する。このシステムは、コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読メモリと、1つ又は複数のプロセッサと、を含んでいてもよい。1つ又は複数のプロセッサは、個別に、又はまとめて、メモリにアクセスし、コンピュータ実行可能命令を実行して、UAVから散布される物質の漂流飛散を引き起こす風の風速を取得し、取得された風速に基づいてUAVの1つ又は複数の構成要素を制御して、漂流飛散を少なくとも緩和させるように構成されてもよい。
【0085】
他の実施形態は、空中散布システムの1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、空中散布システムに方法を実行させる実行可能命令がその上に記憶された1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。この方法は、UAVから散布される物質の漂流飛散を引き起こす風の風速を取得するステップと、取得された風速に基づいてUAVの1つ又は複数の構成要素を制御して、漂流飛散を少なくとも緩和させるステップと、を含んでいてもよい。
【0086】
他の実施形態は、空中散布装置を提供する。この装置は、UAVであってもよい。UAVは、コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読メモリと、1つ又は複数のプロセッサと、を含んでいてもよい。1つ又は複数のプロセッサは、個別に、又はまとめて、メモリにアクセスし、コンピュータ実行可能命令を実行して、UAVから散布される物質の漂流飛散を引き起こす風の風速を取得し、取得された風速に基づいてUAVの1つ又は複数の構成要素を制御して、漂流飛散を少なくとも緩和させるように構成されてもよい。
【0087】
本発明の特徴は、処理システムを本明細書に示される特徴の何れかを実行するようにプログラムするために使用できる命令がその上/中に記憶された媒体(複数の場合もある)又はコンピュータ可読媒体(複数の場合もある)であるコンピュータプログラム製品の中で、それを使用して、又はそれを援用して実装できる。記憶媒体としては、フロッピディスク、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロドライブ、及び磁気光ディスクを含むあらゆる種類のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリデバイス、磁気若しくは光カード、ナノシステム(分子メモリICを含む)、又は命令及び/又はデータを記憶するのに適したあらゆる種類の媒体若しくはデバイスを含むことができるが、これらに限定されない。
【0088】
機械可読媒体(複数の場合もある)の何れか1つに記憶される場合、本発明の特徴は、処理システムのハードウェアを制御するため、及び処理システムが本発明の結果を利用する他の機構と相互作用できるようにするためのソフトウェア及び/又はファームウェアに組み込むことができる。このようなソフトウェア又はファームウェアには、アプリケーションコード、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、及びアプリケーション実行環境/コンテナが含まれていてもよいが、これらに限定されない。
【0089】
本発明の特徴はまた、例えば特定用途集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイス等のハードウェアコンポーネントを使ってハードウェアに実装されてよい。本明細書に記載の特徴を実行するようにハードウェアステートマシンを実行することは、当業者にとって明らかであろう。
【0090】
それに加えて、本発明は、本開示の教示に従ってプログラムされる1つ又は複数の従来の汎用又は専用デジタルコンピュータ、コンピューティングデバイス、マシン、又は1つ又は複数のプロセッサを含むマイクロプロセッサ、メモリ及び/又はコンピュータ可読記憶媒体を使って好都合に実装されてよい。適当なソフトウェアコーディングは、熟練プログラマであれば本開示の強度に基づいて容易に作成でき、これはソフトウェア技術の当業者にとっては明らかであろう。
【0091】
本発明の各種の実施形態を上記で説明したが、これらは限定ではなく、例として提示されていると理解すべきである。当業者にとっては、本発明の主旨と範囲から逸脱することなく、そこに形態及び詳細部において様々な変更を加えることができることが明らかであろう。
【0092】
本発明は、明示された機能の実行とそれらの関係を示す機能的基本要素を用いて上述した。これらの機能的基本要素の境界は多くの場合、ここでは説明の便宜のために任意に定義されている。明示された機能とそれらの関係が適切に実行される限り、代替的な境界を定義できる。それゆえ、このような代替的な境界の何れも、本発明の範囲と主旨に含まれる。
【0093】
本発明の上記の説明は、例示と説明を目的として提供されている。これは、すべてを網羅するもの、又は本発明を開示されたとおりの形態に限定するものとは意図されていない。本発明の広さと範囲は、上述の例示的実施形態の何れによっても限定されるべきではない。当業者にとっては多くの改変や変更が明らかであろう。改変や変更には、開示された特徴の何れの適当な組み合わせも含まれる。実施形態は、本発明の原理とその現実的な応用を最もよく説明して、他の当業者が本発明を様々な実施形態について、及び企図される特定の用途に適した各種の改変と共に理解できるようにするために選択され、説明された。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義されるものとする。また、「〜を含む(comprising)」、「〜を有する(having)」、「〜を含有する(containing)」、及び「〜を包含する(including)」及びその他同様の形態の用語は、意味の上で同等であるものとし、これらの用語の何れか1つ続く品目又は複数の品目は、そのような品目又は複数の品目の網羅的な列挙を意味するものではなく、列挙された品目又は複数の品目のみに限定されるものでもない。また、本明細書及び付属の特許請求の範囲において使用される限り、単数形の冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、文脈上明らかに他の解釈がなされる場合を除き、複数形も含むことにも留意されたい。